説明

画像処理方法および印刷装置

【課題】クロストークの影響を低減可能でありながら、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能な画像処理方法および印刷装置を提供すること。
【解決手段】この画像処理方法では、一方向を長手とするレンズLS11が複数配置されるレンズシートLSに、複数の元画像データに基づいて視差画像を形成するための印刷データであって、集約ドット列とブランクドット列とを有する印刷データを作成する画像合成ステップを備え、ブランクドット列の各画素の階調値は、いずれの色または種類のインク滴をも噴射させない値に設定されていて、集約ドット列の各画素の階調値は、ブランクドット列の各画素を形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のシリンドリカル凸レンズ(以下、凸レンズとする。)が並列配置されたレンチキュラーレンズに対して印刷画像を形成し、その印刷画像を凸レンズを通して見ると、立体視されるものがある。かかる印刷画像では、左右の眼に対応させた画像データに所定の画像処理を施し、立体視用の画像データを形成する。そして、この画像データに基づいて印刷を行うと、立体視用の印刷画像がレンズシートに形成される。
【0003】
ところで、立体視用の画像データに対してハーフトーン処理を行う場合、それぞれの視差の画像データ(この画像データは、印刷が実行されると右目用の短冊状の印刷画像または左目用の短冊状の印刷画像となる。)に誤差が拡散してしまうと、立体感が損なわれる。そこで、特許文献1においては、それぞれの視差の画像データに対して、レンズの長手に沿って誤差を拡散して、良好な立体感を得るようにしている。
【0004】
また、レンズシートにおいて印刷画像を形成する位置が適切でない場合、本来視覚するべきでない画素を視覚してしまうという、いわゆるクロストークが生じてしまう。そこで、特許文献2においては、左目用の短冊状の印刷画像と、右目用の短冊状の印刷画像との間に、白等のブランク画像を挿入している。それによって、クロストークの影響を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3420394号公報
【特許文献2】特開平11−95168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1においては、インク滴の着弾サイズを考慮した画像データの作り方とはなっていない。そのため、いわゆるクロストークの影響が生じる。すなわち、他の視差の印刷画像のインクの影響を受けてしまい、印刷画像の画質としては、不十分なものとなっている。また、上述の特許文献2においては、特許文献1で生じるようなインク滴の重なりの影響が生じなくなるまで白画像を挿入すると、印刷画像に白筋が見えてしまい、印象が良くない状態となる。また、特許文献2においては、クロストークの影響は抑えられるものの、色合いを考慮していないため、白等のブランク画像を挿入するほど、印刷画像全体が白くなりがちとなる。
【0007】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、クロストークの影響を低減可能でありながら、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能な画像処理方法および印刷装置を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像処理方法の第1の側面は、一方向を長手とするレンズが複数配置されるレンズシートに、複数の元画像データに基づいて視差画像を形成するための印刷データであって、集約ドット列とブランクドット列とを有する印刷データを作成する画像合成ステップを備え、ブランクドット列の各画素の階調値は、いずれの色または種類のインク滴をも噴射させない値に設定されていて、集約ドット列の各画素の階調値は、ブランクドット列の各画素を形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしているものである。
【0009】
このように構成する場合、印刷データは、集約ドット列とブランクドット列とを有する状態となる。そして、ブランクドット列の各画素の階調値は、いずれの色または種類のインク滴を噴射させない値に設定されている。そのため、レンズシートへの印刷を実行して得られる結果物は、列状にインク滴が付着する部位と、インクが付着しない部位とが存在する。そのため、レンズシートにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となる。加えて、集約ドット列の各画素の階調値は、ブランクドット列の各画素を形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしているため、レンズシートにおける印刷の結果物においては、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。
【0010】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、インク滴がレンズシートに付着した場合のにじみを考慮した直径に対応する最小印刷幅を測定し、レンズの焦線幅が最小印刷幅よりも小さいか否かを判定し、判定においてレンズの焦線幅が最小印刷幅よりも小さい、または最小印刷幅以下であると判定される場合には、集約ドット列が為す列方向と直交する幅方向のドット数を1と決定し、判定においてレンズの焦線幅が最小印刷幅以上である、または最小印刷幅よりも大きいと判定される場合には、集約ドット列が為す列方向と直交する幅方向のドット数を、レンズの焦線幅を最小印刷幅での除算後、小数点以下を切り捨て、四捨五入または切り上げによって得られる整数値となるように決定するようにしても良い。
【0011】
このように構成する場合、集約ドット列における幅方向のドット数を、クロストークが生じるのを抑えながら良好に決定可能となる。
【0012】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、画像合成ステップでは、解像度変換処理と、画像合成処理と、色変換処理と、ハーフトーン処理とを順次行うことによって印刷データを作成すると共に、色変換処理では、集約ドット列の各集約ドットの階調値を、ブランクドットを形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドットに対応する元画素の階調値よりも大きくするための、インク増量LUTを用いて色変換処理を行うようにしても良い。
【0013】
このように構成する場合、インク増量LUTが用いられて色変換処理が為されるので、レンズシートに形成される印刷画像の色合いが白くなるのを良好に防止可能となる。
【0014】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、ハーフトーン処理を行った後に、集約ドット列の間に所定数のブランクドット列を挿入する挿入処理を行うようにしても良い。
【0015】
このように構成する場合、隣接する集約ドット列の間には、所定数のブランクドット列が確実に挿入されるため、レンズシートへ印刷画像を形成しても、クロストークの影響を低減可能となる。
【0016】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、レンズシートに対して印刷ヘッドからインク滴を噴射するタイミングを、集約ドット列の元画素とブランクドット列の元画素とを形成するためにインク滴を噴射するタイミングよりも、ブランクドット列が存在する分だけ遅らせるタイミング調整処理を行うようにしても良い。
【0017】
このように構成する場合、集約ドット列と所定数のブランクドット列の幅方向におけるインク滴の付着数は、集約ドット列の間に所定数のブランクドット列を挿入する場合と同様であるため、クロストークの影響を低減可能となる。
【0018】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、レンズシートに対して印刷ヘッドを移動させる速度を、集約ドット列の元画素とブランクドット列の元画素とを形成するためにインク滴を噴射する際の印刷ヘッドを移動させる速度よりも、ブランクドット列が存在する分だけ速くする速度調整処理を行うようにしても良い。
【0019】
このように構成する場合、集約ドット列と所定数のブランクドット列の幅方向におけるインク滴の付着数は、集約ドット列の間に所定数のブランクドット列を挿入する場合と同様であるため、クロストークの影響を低減可能となる。
【0020】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、それぞれの元画像データのうちの一部の部位に関する距離情報が存在する場合には、当該一部の部位のみまたは当該一部の部位を除いた部位のみに、色変換処理および挿入処理を行うようにしても良い。
【0021】
このように構成する場合、クロストークの影響を低減させたい一部の部位のみに、本発明を適用することで、レンズシートに印刷された印刷画像においては、その一部の部位の視認性を、他の部位よりも高めさせることができる。
【0022】
また、本発明の他の側面である印刷装置は、上述の画像処理方法に係る発明に基づいてレンズシートに対してインク滴を噴射させ、レンズシートへの印刷を実行可能としても良い。
【0023】
このように構成する場合、印刷データは、集約ドット列とブランクドット列とを有する状態となる。そして、ブランクドット列の各画素の階調値は、いずれの色または種類のインク滴を噴射させない値に設定されている。そのため、レンズシートへの印刷を実行して得られる結果物は、列状にインク滴が付着する部位と、インクが付着しない部位とが存在する。そのため、レンズシートにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となる。加えて、集約ドット列の各画素の階調値は、ブランクドット列の各画素を形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしているため、レンズシートにおける印刷の結果物においては、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のシートガイドおよびレンズシートの構成を示す断面図である。
【図2】プリンターを後方から見た状態を示す斜視図である。
【図3】プリンターの構成を示す概略図である。
【図4】制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】コンピューターの概略構成を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る各種プログラムの詳細を示す図である。
【図7】インク増量LUTを用いて色変換処理を行う場合の一例を示す図である。
【図8】集約ドット数を決定するための処理フローを示す図である。
【図9】印刷時に最適となる視差数を決定するための処理フローを示す図である。
【図10】第1の実施の形態に係る画像処理の処理フローを示す図である。
【図11】第1の実施の形態に係るディザマトリクスの概要を示す図である。
【図12】ハーフトーン処理後の視差ドット列を示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係る各種プログラムの詳細を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係る画像処理の処理フローを示す図である。
【図15】第2の実施の形態に係るディザマトリクスの概要を示す図である。
【図16】第3の実施の形態に係る各種プログラムの詳細を示す図である。
【図17】第3の実施の形態に係る画像処理の処理フローを示す図である。
【図18】第3の実施の形態に係るディザマトリクスの概要を示す図である。
【図19】第4の実施の形態に係る各種プログラムの詳細を示す図である。
【図20】第4の実施の形態に係る画像処理の処理フローを示す図である。
【図21】第4の実施の形態に係るディザマトリクスの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る、印刷装置11について、図1から図12を参照しながら説明する。なお、印刷装置11は、プリンター10とコンピューター130とから構成されている。
【0026】
<レンズシートについて>
最初に、印刷媒体であるレンズシートLSについて説明する。図1に示すように、レンズシートLSは、表面に位置するレンチキュラーレンズLS1と、このレンチキュラーレンズLS1の裏面と接するインク吸収層LS2と、該レンズシートLSの裏面に位置するインク透過層LS3とを具備している。これらのうち、レンチキュラーレンズLS1は、一方向を長手とする複数のシリンドリカル凸レンズ(凸レンズLS11;レンズに対応)が、一定のピッチで並列配置された構成となっている。レンチキュラーレンズLS1においては、それぞれの凸レンズLS11を進行する光の焦点が、レンチキュラーレンズLS1の裏面に位置するように、凸レンズLS11の曲率が形成されるのが好ましい。
【0027】
また、インク透過層LS3は、不図示のノズルから噴射されたインク滴が最初に付着する部分であり、該付着したインクが透過していく部分である。このインク透過層LS3は、例えば酸化チタン、シリカゲル、PMMA(メタクリル樹脂)等の微粒子、硫酸バリウム、ガラスファイバー、プラスチックファイバー等を材質として形成されている。また、インク吸収層LS2は、インク透過層LS3を透過したインクを吸収および/または固着させる部位である。このインク吸収層LS2は、例えばPVA(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒子等を材質として形成されている。また、レンチキュラーレンズLS1は、PET、PETG、APET、PP、PS、PVC、アクリル、UV樹脂等を材質として形成されている。
【0028】
なお、インク吸収層LS2は透明であると共に、インク透過層LS3は、白色である。しかしながら、インク吸収層LS2が白色であっても良く、またインク透過層LS3が透明であっても良く、さらにインク透過層LS3とインク吸収層LS2の両方が透明であっても良い。また、本実施の形態では、インク透過層LS3が存在することにより、印刷後であっても、レンズシートLSを直ぐに触ることが可能となっている。しかしながら、レンズシートLSは、インク透過層LS3を具備しない構成を採用しても良い。
【0029】
また、図1に示すように、本実施の形態におけるレンズシートLSは、その外観が矩形状を為していると共に、該矩形状の外観を構成するレンズシートLSの縁部が、凸レンズLS11の長手方向と平行となっている。しかしながら、レンズシートLSの縁部は、凸レンズLS11の長手方向と平行である場合には限られず、たとえばレンズシートLSの外観が円形状、楕円形状、その他の多角形状、またはレンズシートLSの縁部が複数の直線および/または複数の曲線で構成される不規則な形状を為すようなものであっても良い。
【0030】
<プリンター10の全体構成について>
図2は、プリンター10の概略の構成を示す概略構成図であり、プリンター10を後方から見た斜視図である。なお、図2において、印刷媒体としてのレンズシートLSが進行する方向である矢印Xの方向を前方(前側)とし、この反対方向を後方(後側)とする。また、後方から前方に向かって右手方向となる矢印Yの方向を右方(右側)とし、この反対方向である左手方向を左方(左側)とする。そして、矢印Zの方向を上方(上側)とし、この反対方向を下方(下側)として、以下の説明を行うこととする。
【0031】
プリンター10は、外装体である筐体20と、レンズシートLSを下側から支持するシートガイド30と、シートガイド30上に載置されたレンズシートLSを後方から前方に向けて搬送する給紙ローラ40および排紙ローラ41と、レンズシートLSをシートガイド30に向けて押圧するシート押さえローラ42と、レンズシートLSに対して記録を行う印刷ヘッド51等を有する。
【0032】
筐体20の後側の側面には、レンズシートLSを筐体20内に供給するための給紙開口部21が形成され、また、前側の側面には、給紙開口部21の側から供給されたレンズシートLSを排出する排紙開口部22が形成されている。給紙開口部21からプリンター10に供給されたレンズシートLSは、給紙ローラ40および排紙ローラ41により前方に向かって搬送されると共に、印刷ヘッド51により記録が行われた後、排紙開口部22からプリンター10の外部に排出される。
【0033】
シートガイド30は、給紙ローラ40、排紙ローラ41およびシート押さえローラ42の下方に配設され、全体として矩形の板状体を呈している。このシートガイド30は、前後方向が、給紙開口部21の後方に突出した位置から排紙開口部22と排紙ローラ41との間の位置に亘って備えられている。また、左右の幅方向については、載置されるレンズシートLSの全幅に亘って支持できる幅となっている。シートガイド30は、筐体20、または内部のフレーム等の構造体に対して図示を省略する構成により取り付けられている。
【0034】
シートガイド30は、基板31と係合部32とを備えている。基板31は、樹脂等から形成される板状体の部位であり、その上面31Aに、レンチキュラーレンズLS1と同一部材が貼付される。そして、この貼付により、係合部32が形成される。係合部32は、本実施の形態では、レンズシートLSのレンチキュラーレンズLS1と同一形状に形成されている。すなわち、レンチキュラーレンズLS1を形成する各凸レンズLS11と同一形状の凸条33が、レンチキュラーレンズLS1の配設ピッチと同一ピッチ、かつレンズシートLSの幅よりも広い幅に亘って並設されている。また、凸条33の長手方向は、レンズシートLSの所定の搬送方向、すなわち給紙ローラ40および排紙ローラ41に直交する方向に沿って形成されている。
【0035】
なお、係合部32は、レンチキュラーレンズLS1と同一部材により形成しているが、基板31を樹脂成形により作成する場合には、成形金型に予め係合部32に対応する型面を形成して、係合部32を基板31と一体に成形するようにしても良い。また、基板31に係合部32を一体に樹脂成形する場合には、基板31を形成する樹脂材をフッ素樹脂等の低摩擦の樹脂材とすることで、レンズシートLSと係合部32との摩擦を小さくすることができ、レンズシートLSの搬送をスムーズに行うことができる。また、基板31を金属板により形成してもよい。この場合には、金属板を切削加工することにより係合部32を形成することができる。
【0036】
印刷ヘッド51の前後には、給紙ローラ40と排紙ローラ41が配設されている。給紙ローラ40と排紙ローラ41は、それぞれ給紙用モーター43と排紙用モーター44により回転駆動され、シートガイド30の上に載置されているレンズシートLSを後方から前方に向けて搬送する。これら給紙ローラ40および排紙ローラ41は、レンズシートLSの幅よりも長く設けられていて、レンズシートLSを広い範囲に亘り均一に係合部32に押圧可能となっており、レンチキュラーレンズLS1と係合部32との係合状態をより確実化させることができる。
【0037】
なお、給紙ローラ40および排紙ローラ41は、その周囲を、弾性を有する肉厚のゴム材により被覆するようにしても良い。このように構成する場合、給紙ローラ40および排紙ローラ41の表面が弾性変形可能となる。また、給紙ローラ40とシートガイド30との間の間隔および排紙ローラ41とシートガイド30との間の間隔を、レンズシートLSの厚さより狭く構成することで、給紙ローラ40および排紙ローラ41がレンズシートLSをシートガイド30に押圧する状態とする。
【0038】
また、給紙ローラ40よりも上流側(後方側)の部位には、シート押さえローラ42が配置されている。シート押さえローラ42は、例えば、ステンレスや真鍮等の金属で形成され、レンズシートLSの左右方向の幅よりも長く設けられている。また、シート押さえローラ42の左右の端面には、シート押さえローラ42のうちレンズシートLSに接触する部分よりも小径の軸部42aが設けられている。
【0039】
シート押さえローラ42の両端側には、軸受部45が配置されている。この軸受部45には、軸受孔45aが形成されている。この軸受孔45aは、上下方向に長い長円形状に設けられている。この軸受孔45aに対して、上述の軸部42aが挿入される。つまり、シート押さえローラ42は、軸受部45に対して上下方向に変位可能に支持されている。
【0040】
ここで、シート押さえローラ42とシートガイド30との間にレンズシートLSを差し込むと、シート押さえローラ42は、レンズシートLSの存在により、上方に持ち上げられる状態となる。すなわち、シート押さえローラ42の軸部42aが軸受孔45aの下端部に支持されている状態では、シートガイド30とシート押さえローラ42との間の間隔が、シートガイド30に載置されているレンズシートLSの上面(裏面;インク透過層LS3側の面)と凸条33の頂部との間の距離より狭くなるように設定されている。それにより、シートガイド30上を搬送されるレンズシートLSは、シート押さえローラ42により、シートガイド30に押圧される。
【0041】
なお、レンズシートLSが搬送される際には、このレンズシートLSの搬送に追従して、シート押さえローラ42が軸部42aを支点として自転する。また、給紙ローラ40とシートガイド30との間隔、および排紙ローラ41とシートガイド30との間隔も、これらのローラからレンズシートLSに対して適度な押圧力を作用させることができる間隔となっている。
【0042】
印刷ヘッド51は、キャリッジ50の下面に取り付けられ、本実施の形態では、インクを噴射するインクジェット型の記録ヘッドとして構成されているが、それ以外の方式(ジェルジェット、熱転写方式等)を用いるようにしても良い。キャリッジ50は、左右方向に延設されるキャリッジ軸52に移動可能に支持され、また、キャリッジ用モーター53により駆動されるタイミングベルト54に取り付けられている。このため、キャリッジ用モーター53によりタイミングベルト54を左右方向に回転駆動すると、印刷ヘッド51は、キャリッジ軸52に沿って左右方向に移動する。また、キャリッジ50には、インクカートリッジ55(図3参照)が着脱可能に搭載されている。
【0043】
以上の構成により、レンズシートLSに対して記録を行う場合には、レンチキュラーレンズLS1の側をシートガイド30の係合部32に対向させる状態で、レンズシートLSをシートガイド30に載置させる。それにより、レンズシートLSの凸レンズLS11と凸条33とが互いに噛み合い、レンズシートLSは係合部32により左右方向(主走査方向)の位置決めが行われる。また、凸条33の長手方向がレンズシートLSの搬送方向(副走査方向)に沿うように形成されている。したがって、レンズシートLSが搬送される際には、当該レンズシートLSは、係合部32により副走査方向にガイドされる。このように、搬送方向が一定に維持された状態でレンズシートLSは搬送される。
【0044】
<制御部の構成>
図3および図4に示すように、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、通信I/F107、ヘッドドライバー108、モータードライバー109等を備えていて、これらが例えばバス等の伝送路106(図4参照)を介して相互にデータを送受信可能に接続されている。
【0045】
これらのうち、CPU101は、ROM102やEEPROM104に格納されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、プリンター10の各部を制御する部分である。ROM102には、プリンター10を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM103は、CPU101が実行途中のプログラムあるいは、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。また、EEPROM104は、プリンター10の電源を切った後も、保持しておくことが必要な各種データを記憶するためのメモリである。なお、ROM102やEEPROM104にも、後述するプリンタードライバープログラム142と同様のプログラムが存在する。
【0046】
ASIC105は、不図示の各種のセンサーからの信号に基づいて、印刷ヘッド51および各種モーターを駆動させるための専用のICである。また、通信I/F107は、不図示のコネクターを介してコンピューター130と接続され、通信を行う。それにより、プリンター10がコンピューター130側から印刷信号PSを受け取ると、その印刷信号PSに基づいて、プリンター10で印刷のための処理が開始される。
【0047】
また、ヘッドドライバー108は、ASIC105からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧を印刷ヘッド51内のピエゾ素子に印加する。モータードライバー109は、ASIC105からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧を各モーター43,44,53に印加する。
【0048】
<コンピューターの概略構成>
図5に示すように、プリンター10は、通信I/F107を介して、コンピューター130に接続されている。このコンピューター130は、CPU131、ROM132、RAM133、HDD(Hard Disk Drive)134、ビデオ回路135、インターフェース136、表示装置137等を具備している。このうち、HDD134には、画像処理プログラム140、ビデオドライバープログラム141、プリンタードライバープログラム142等が記憶されている。
【0049】
これらのうち、画像処理プログラム140は、HDD134等の記憶部位から所望の画像データを選択し、立体画像または変化画像を生成するためのGUI(Graphical User Interface)を表示するとともに、選択された複数の画像データの相関性を計算するためのプログラムである。
【0050】
ビデオドライバープログラム141は、ビデオ回路135を駆動するためのプログラムであり、例えば、画像処理プログラム140から供給された画像データに対してガンマ処理やホワイトバランスの調整等を行った後、映像信号を生成して表示装置137に供給して表示させる際に実行される。
【0051】
プリンタードライバープログラム142は、所定のオペレーティングシステム(OS)の下で動作し、画像処理プログラム140で作成された画像データに対して、解像度変換処理を行い、RGB表色系の合成画像データを作成等し、CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Black)表色系の印刷データに変換する色変換処理、さらにCMYK表色系によって表されている印刷データに対するハーフトーン処理、およびラスタライズ処理の各処理を行い、プリンター10側に印刷信号PSを出力する。
【0052】
ここで、図6に示すように、プリンタードライバープログラム142は、解像度変換モジュール142a、画像合成モジュール142b、色変換モジュール142c、ハーフトーンモジュール142d、白挿入モジュール142e、印刷データ生成モジュール142f、送信モジュール142g、インク増量LUT142h、記録率テーブル142iを有している。
【0053】
これらのうち、解像度変換モジュール142aは、画像データの解像度を、プリンター10の印刷解像度(例えば、720dpi)等に応じて適宜変換するモジュールである。
【0054】
画像合成モジュール142bは、複数の画像データのそれぞれを短冊状に細分化して細分化画像を生成する。その後、画像合成モジュール142bは、細分化された短冊状の画像データを、一定の順序で並べて合成する処理を実行する。
【0055】
色変換モジュール142cは、後述するようなインク増量LUT142hを参照し、RGB(Red Green Blue)表色系によって表現された画像データを、例えば、CMYK(Cyan Magenta Yellow Black)表色系の画像データに変換する処理を実行するモジュールである。
【0056】
ハーフトーンモジュール142dは、たとえばディザ処理により、CMYK表色系によってたとえば1画素が256階調によって表現される画像データを、記録率テーブルを参照して、大、中、小の3種類のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。なお、このハーフトーン処理により、集約ドット列が形成される。
【0057】
白挿入モジュール142eは、ハーフトーン処理によって形成された集約ドット列の間に、白ドット列を挿入するためのモジュールである。ここで、1つの凸レンズLS11における1視差当たりのドット数をDmax 、集約ドット列の幅方向におけるドット数をDとすると、1つの凸レンズLS11の幅方向におけるブランクドット数Sは、以下の(式1)によって求められる。
S=Dmax −D …(式1)
【0058】
印刷データ生成モジュール142fは、白挿入モジュール142eから出力されたビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含む印刷データを生成する。送信モジュール142gは、印刷データ生成モジュール142fによって生成された印刷データを、プリンター10に対して送信するモジュールである。
【0059】
インク増量LUT(Look up table)142hは、たとえばRGB表色系の入力画像データと、CMYK表色系の出力画像データの対応関係を示す情報を格納したテーブルである。ここで、通常のLUT(以下、標準LUTとする。)では、RGB表色系の入力画像データから得られる、CMYK表色系の出力画像データの階調値が、図7の上に示す通りであるとすると、インク増量LUT142hでは、図7の下に示す通りとなっている。すなわち、インク増量LUT142hでは、標準LUTにおけるCMKYの階調値を3倍している。なお、階調値の上限が255であるため、3倍した値が255を超えても、上限値である255としている。
【0060】
記録率テーブル142iは、例えば、0〜255階調のそれぞれの場合における小、中、大のドットの記録率を示す情報を格納したテーブルである。
【0061】
<集約ドット列における幅方向のドット数の決定について>
以上のような構成を有する印刷装置11において、集約ドット列における幅方向のドット数(集約ドット数D)を決定する処理について、図8のフローに基づいて説明する。
【0062】
まず、最小印刷幅L1を測定する(S01)。この最小印刷幅L1は、たとえばインク1滴をレンズシートLSに付着させた場合に、にじみを考慮した直径に対応する。続いて、ある幅を持った凸レンズLS11の焦線幅Fが、最小印刷幅L1よりも小さいか否かを判定する(S02)。この判定において、焦線幅Fが最小印刷幅L1よりも小さいと判定される場合(Yesの場合)、集約ドット数Dを1に決定する(S03)。また、S02の判定において、焦線幅Fが、最小印刷幅L1以上であると判定される場合(Noの場合)、集約ドット数Dは、以下の(式2)により求められる。
D=trunc(F/L1) …(式2)
【0063】
ここで、集約ドット数Dは、除算の結果の小数点以下を切り捨てて、整数のみを求めるtrunc関数を用いて算出されている。なお、S03、S04が終了すると、このフローを終了する。また、(式2)においては、集約ドット数Dは、除算の結果の小数点以下を切り捨てて、整数のみを求めているが、当該集約ドット数Dは、四捨五入または切り上げによって得られる整数値となるように決定しても良い。また、S02の判定においては、焦線幅Fが、最小印刷幅L1よりも小さいか否かにつき判定しているが、焦線幅Fが最小印刷幅L1以下であるか否かにつき判定するようにしても良い。
【0064】
以上のような、最小印刷幅L1および焦線幅Fは、予め既知であるため、プリンター10を製作する過程において、設定値として、たとえばROM102またはEEPROM104等の記憶部位に記憶させられる。
【0065】
<視差数の決定について>
続いて、レンズシートLSへの印刷時に最適となる視差数Pを決定するための処理について、図9のフローに基づいて説明する。
【0066】
まず、最大インク重なり率Mを設定する(S11)。この最大インク重なり率Mは、インク滴がレンズシートLSに付着した場合に、どの程度重なっているのかを示す値である。続いて、最小線幅L2を算出する(S12)。最小線幅L2は、図8のフローにて求められた最小印刷幅L1のうち、重なり部分を除外した線幅であり、以下の(式3)によって求められる。
L2=L1×(100−M)/100 …(式3)
【0067】
続いて、最大・最小視差数を算出する(S13)。ここで、凸レンズLS11のレンズ幅をKとすると、最大視差数Pmax は、以下の(式4)によって求められ、最小視差数Pmin は、以下の(式5)によって求められる。
Pmax =Round(K/L1) …(式4)
Pmin =Trunc(K/L2) …(式5)
【0068】
ここで、最大視差数Pmax は、除算の結果の小数点以下を四捨五入する、Round関数を用いて算出されている。また、最小視差数Pmin は、除算の結果の小数点以下を切り捨てる、Trunc関数を用いて算出されている。なお、このS13を経ることにより、最大視差数と最小視差数とが求められるため、その間の数が視差数Pの候補となる。
【0069】
次に、視差数Pの候補のパターン分を実際に印刷し、目視によって実際の絵柄の見え方に基づき評価する(S14)。そして、実際の見え方を評価することにより、視差数Pが決定される。なお、目視による評価とはせずに、たとえばスキャナーやカメラによって、レンズシートLSに印刷した絵柄を取り込み、所定のプログラムによって絵柄の見え方を評価するようにしても良い。
【0070】
以上のようにして算出される視差数Pは、最小印刷幅L1と、レンズ幅Kとから求められる。そのため、プリンター10を製作する過程においては、レンズ幅Kを入力すれば、自動的に求められるように、たとえばROM102またはEEPROM104等の記憶部位にテーブルまたは所定の計算式が記憶させられる。
【0071】
<プリンタードライバープログラムで実行される処理について>
続いて、上述のような構成を有する印刷装置11において、プリンタードライバープログラム142で実行される処理について、図10の処理フローに基づいて説明する。
【0072】
まず、プリンタードライバープログラム142は、印刷設定値の読み込みを行う(S110)。印刷設定値としては、レンズシートLSのレンズピッチ、印刷される際のサイズ(印刷データのサイズ)、印刷解像度、視差数P、および集約ドット数D等である。
【0073】
印刷設定値の読み込みが終了すると、続いて、解像度変換モジュール142aにより、入力画像データの解像度変換を行う(S120)。この解像度変換の処理においては、複数枚の画像データが合成された後の合成画像データの元となる、それぞれの入力画像データにつき、印刷に対応させたサイズの計算が行われる。たとえば、レンズピッチが60lpi、印刷サイズの幅方向が6インチ、長手方向が4インチ、印刷解像度が720dpi、視差数Pが4、集約ドット数Dが1である場合、解像度変換後の画像データは、幅方向Wが360ドット(=6インチ×60lpi;レンズ本数に対応)、長手方向Hが2880ドット(=720dpi×4インチ)となる。
【0074】
次に、画像合成モジュール142bにより、合成画像データが作成される(S130)。この合成画像データを作成するのに当たっては、解像度変換後の画像データを、凸レンズLS11の1つずつに配置されるように短冊状に細分化し、1視差分の細長い画像データ(細分化画像データ)を形成する。なお、他の画像データについても同様に処理する。さらに、1つの凸レンズLS11内で画像が変化する順(視認角度順)に、細分化された画像データを並べて配置する。それにより、1つの凸レンズLS11内に配置される、視差順かつ短冊状の画像データ(視差ドット列;図12参照)が作成され、それを全ての凸レンズLS11に対して行う。それにより、合成画像データが作成される。たとえば、解像度変換後の画像データが幅方向Wが360ドット、長手方向Hが2880ドットであり、視差数Pが4である場合、合成画像データの幅方向Wが1440ドット、長手方向Hが2880ドットとなる。
【0075】
続いて、色変換モジュール142cおよびインク増量LUT142hにより、色変換処理を行う(S140)。色変換処理では、合成画像データのRGB表色系で表現される色成分が、プリンター10で印刷/表現可能なCMYK表色系の色成分に変換される。ここで、本実施の形態では、図10に示すように、インク増量LUT142hに基づいて色変換処理が為されるため、標準LUTに基づいて色変換処理を行う場合よりも、CMKYの階調値が、たとえば3倍等のように高められている。そのため、集約ドット列の各集約ドットにおけるインク濃度(インクの階調値)は、標準LUTを用いる場合と比較して、たとえば3倍等のように、はるかに高い濃度(インクの階調値)となるように、色変換処理が為されている。
【0076】
なお、本実施の形態では、インク増量LUT142hは、標準LUTを用いる場合と比較して、たとえば3倍程度、インクの階調値が高まるものとしている。しかしながら、インク増量LUT142hは、標準LUTを用いる場合と比較して、インクの階調値が3倍程度高まる場合には限られず、その他の倍率としても良い。特に、インク増量LUT142hを用いる場合に、標準LUTを用いる場合と比較して、たとえば3.1倍〜3.2倍等のように、3倍よりもプラスαだけ若干高い値とする場合には、画質が良好なものとなる。たとえば、合成画像データの幅方向Wが1440ドット、長手方向Hが2880ドットである場合、CMYKのそれぞれにつき、同じ解像度の色変換処理後のデータが得られる(ハーフトーン処理でも同様)。
【0077】
この後に、ハーフトーンモジュール142dにより、色変換が為された合成画像データに対して、ハーフトーン処理が行われる(S150)。ここで、ハーフトーン処理とは、原画像データの階調値(本実施の形態では256階調)をプリンター10が画素毎に表現可能な階調値に減色する処理をいう。本実施の形態では、記録率テーブル142iを参照して、例えば、「ドットの形成なし」、「小ドットの形成」、「中ドットの形成」、および「大ドットの形成」の4階調への減色を行う。
【0078】
なお、かかるハーフトーン処理においては、たとえば図11に示すようなディザマトリクスD1を用いて、ハーフトーン処理が実行される。しかしながら、これとは異なるディザマトリクスを用いてハーフトーン処理を行っても良く、またディザ法ではなく、誤差拡散法を用いて、ハーフトーン処理を行うようにしても良い。
【0079】
S150の後に、ハーフトーン処理が終了した画像データに対して、白挿入モジュール142eにより、白挿入処理が行われる(S160)。白挿入処理においては、1つの凸レンズLS11に配置される、ハーフトーン処理が為された1視差分の細長い画像データに、ブランクドット列を隣接させて、幅方向におけるドット数が後述する(式6)により求められる1視差ドット数Dmax となるようにする。ここで、ブランクドット列とは、ブランクドットが長手方向に細長く列状に連なったものを指し、ブランクドットとは、CMYKの階調値がいずれも0である画素(いずれの色または種類のインク滴をも噴射させない値の階調値を有する画素)を指す。
【0080】
ここで、1視差ドット数Dmax は、以下の(式6)により求められる。
Dmax =(印刷解像度/レンズピッチ)/視差数P …(式6)
たとえば、レンズピッチが60lpi、印刷解像度が720dpi、視差数Pが4とすると、1視差ドット数Dmax =3と求められる。そのため、ハーフトーン処理後の画像データの幅方向Wが1440ドット、長手方向Hが2880ドットである場合、白挿入処理後の画像データは、幅方向Wが4320ドット(=1440×Dmax )、長手方向Hが2880ドットとなる。
【0081】
この白挿入処理が終了すると、印刷データ生成モジュール142fにより、白挿入処理が為された画像データから、印刷データを生成する処理が実行される(S170)。ここで、印刷データとは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含むデータであり、不図示の分散テーブルの分散データを参照して作成される。次に、送信モジュール142gは、生成された印刷データを、プリンター10に対して出力する(S180)。
【0082】
以上のようにして、コンピューター130側での処理が終了し、プリンター10が印刷データを受信すると、制御部100のCPU101は、制御指令を発し、この制御指令に基づいて、キャリッジ用モーター53および印刷ヘッド51が駆動される。それにより、キャリッジ50は、主走査方向に移動しながら、不図示のノズルよりインク滴をレンズシートLSに噴射させて、印刷が実行される。
【0083】
<本実施の形態における効果>
以上のような、S110〜S160の各処理を経ることにより、図12に示すような処理結果が得られる。すなわち、集約ドット列の各集約ドットにおけるインク濃度(インクの階調値)は、標準LUTを用いる場合と比較して、たとえば3倍等のように、はるかに高い濃度(インクの階調値)となっている。加えて、図12に示すように、視差ドット列は、集約ドット列と共にブランクドット列を有している。
【0084】
すなわち、レンズシートLSへの印刷を実行して得られる結果物は、列状にインク滴が付着する部位(集約ドット列)と、インクが付着しない部位(ブランクドット列)とが存在する。それにより、レンズシートLSにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となる。加えて、集約ドット列の各集約ドットの階調値は、ブランクドット列のブランクドットを形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしているため、レンズシートLSにおける印刷の結果物においては、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。
【0085】
また、本実施の形態では、図8に示す処理フローを実行して、集約ドット数Dを決定している。すなわち、インク滴のにじみを考慮した直径に対応する最小印刷幅L1を測定し、レンズLS11の焦線幅Fが最小印刷幅L1よりも小さいか否かを判定し、レンズLS11の焦線幅Fが最小印刷幅L1よりも小さいと判定される場合には、集約ドット数Dを1と決定し、レンズLS11の焦線幅Fが最小印刷幅L1以上であると判定される場合には、集約ドット数Dを、レンズの焦線幅Fを最小印刷幅L1での除算後、小数点以下を切り捨てて得られる整数値となるように決定している。そのため、集約ドット数Dを、クロストークが生じるのを抑えながら良好に決定可能となる。
【0086】
さらに、本実施の形態では、図10におけるS140の色変換処理では、集約ドット列の各集約ドットの階調値を、ブランクドットを形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、インク増量LUT142hを用いて色変換処理を行っている。このため、レンズシートLSに形成される印刷画像の色合いが白くなるのを良好に防止可能となる。
【0087】
また、本実施の形態では、S150のハーフトーン処理を行った後に、S160のように、隣り合う集約ドット列の間に所定数のブランクドット列を挿入する白挿入処理を行っている。かかるS160の処理を行うことにより、レンズシートLSへ印刷画像を形成しても、クロストークの影響を良好に低減可能となる。
【0088】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態で述べたものと同一の部材については、同一の符号を用いて説明する。
【0089】
図13に示すように、本実施の形態では、プリンタードライバープログラム142Aは、解像度変換モジュール142a、色変換モジュール142c、印刷データ生成モジュール142f、送信モジュール142g、インク増量LUT142h、記録率テーブル142iを有している。また、プリンタードライバープログラム142は、第1の実施の形態とは異なる処理を行う画像合成モジュール142b1、同じく第1の実施の形態とは異なる処理を行うハーフトーンモジュール142d1を有している。しかしながら、プリンタードライバープログラム142は、白挿入モジュール142eは有していない。
【0090】
本実施の形態では、図14に示す処理フローが実行される。この図14に示す処理フローは、図10に示す処理フローと同様の、S110、S120、S140、S170およびS180が実行される。しかしながら、S130の処理に代わってS131の処理が実行されると共に、S150の処理に代わってS151の処理が実行される。また、S160の処理は、本実施の形態では実行されない。以下、S131とS151について説明する。
【0091】
本実施の形態における画像合成モジュール142b1は、上述の第1の実施の形態における画像合成モジュール142bが行うS130の処理に加えて、S160の白挿入処理も行っている(S131)。すなわち、合成画像データを作成するのに当たっては、上述の細分化画像データを形成し、その細分化画像データに、ブランクドット列を隣接させて、視差画像データを形成する。このとき、細分化画像データとブランクドット列の幅方向におけるドット数が、(式6)により求められる1視差ドット数Dmax となるようにし、視差画像データを作成する。
【0092】
この視差画像データを、1つの凸レンズLS11内で画像が変化する順(視認角度順)に並べて配置する。それにより、1つの凸レンズLS11内に配置される、短冊状の画像データが作成され、それを全ての凸レンズLS11に対して行う。それにより、合成画像データが作成される。たとえば、第1の実施の形態における合成画像データの幅方向Wが1440ドット、長手方向Hが2880ドットである場合、本実施の形態における合成画像データの幅方向Wが4320ドット(=1440×Dmax )、長手方向Hが2880ドットとなる。
【0093】
また、本実施の形態におけるハーフトーンモジュール142d1は、白位置を考慮したハーフトーン処理を行っている(S151)。具体的には、図15に示すようなディザマトリクスD2を用いて、ハーフトーン処理を行っている。このディザマトリクスD2は、図11に示すディザマトリクスD1とは異なり、ブランクドット列が挿入される部分が拡張されたものとなっている。なお、ディザマトリクスD2の拡張部分の閾値は、たとえば255というように、ドットが確実にオフとなる値に設定されている。
【0094】
<本実施の形態における効果>
本実施の形態においても、レンズシートLSにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となると共に、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。加えて、本実施の形態では、図14のS131において白挿入処理を行いながら、合成画像データを生成している。そのため、図10におけるS160の処理を不要とすることが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態では、図14のS151のような、白位置を考慮したハーフトーン処理を、図15に示すようなディザマトリクスD2を用いて行っている。そのため、印刷データにブランクドット列を確実に挿入することが可能となる。
【0096】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態および第2の実施の形態で述べたものと同一の部材については、同一の符号を用いて説明する。
【0097】
図16に示すように、本実施の形態では、プリンタードライバープログラム142Bは、解像度変換モジュール142a、画像合成モジュール142b、色変換モジュール142c、白挿入モジュール142e、印刷データ生成モジュール142f、送信モジュール142g、記録率テーブル142iを有している。また、プリンタードライバープログラム142は、第1の実施の形態とは異なる処理を行うハーフトーンモジュール142d2を有している。加えて、本実施の形態では、インク増量LUT142hを用いず、標準LUT142h1を用いている。
【0098】
本実施の形態では、図17に示す処理フローが実行される。この図17に示す処理フローは、図10に示す処理フローと同様の、S110、S120、S130、S160、S170およびS180が実行される。しかしながら、S140の処理に代わってS141の処理が実行されると共に、S150の処理に代わってS152の処理が実行される。以下、S141とS152について説明する。
【0099】
本実施の形態におけるハーフトーンモジュール142d2は、上述の第1の実施の形態におけるハーフトーンモジュール142dと異なり、インク滴が集約される集約ドット列の形成を考慮したハーフトーン処理を行っている(S152)。すなわち、本実施の形態では、ハーフトーン処理を行うことにより、集約ドット列がハーフトーン処理された結果と同一の結果を得るような処理を行う。そのため、本実施の形態では、図18に示すようなディザマトリクスD3を用いて、ハーフトーン処理が為されている。このディザマトリクスD3は、図11に示すディザマトリクスD1とは異なり、それぞれの画素の閾値が、通常のディザマトリクスD1の、たとえば1/3となるように設定されている。すなわち、ディザマトリクスD1の各閾値に、(D/Dmax ;S160参照)という集約率を乗算した値を、ディザマトリクスD3の各閾値としている。このため、通常のディザマトリクスD1を用いる場合と比較して、たとえば3倍程度、ドットがオンとなりやすくなる。
【0100】
また、本実施の形態においては、色変換モジュール142cは、インク増量LUT142hを用いた色変換処理ではなく、標準LUT142h1を用いた色変換処理を行っている(S141)。そのため、本実施の形態における色変換処理では、インク増量LUT142hを用いる場合とは異なり、通常の濃度(インクの階調値)となるように、色変換処理が為されている。
【0101】
<本実施の形態における効果>
本実施の形態においても、レンズシートLSにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となると共に、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。加えて、本実施の形態では、図17のS141において標準LUT142h1を用いて色変換処理を行うと共に、図17のS152において集約ドット列の形成を考慮したハーフトーン処理(図18のディザマトリクスD3を用いるハーフトーン処理)を実行している。
【0102】
このため、S152におけるハーフトーン処理を実行すると、通常のディザマトリクスD1を用いる場合と比較して、たとえば3倍程度、ドットがオンとなりやすくなり、集約ドット列に対応する部分のインク濃度(インクの階調値)を高めることが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態においては、S152のハーフトーン処理を行った後に、S160の白挿入処理を行っている。そのため、集約ドット列に隣接させてブランクドット列を配置させることができ、レンズシートLSへ印刷画像を形成しても、クロストークの影響を低減可能となる。
【0104】
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態〜第3の実施の形態で述べたものと同一の部材については、同一の符号を用いて説明する。
【0105】
図19に示すように、本実施の形態では、プリンタードライバープログラム142Cは、解像度変換モジュール142a、画像合成モジュール142b1(第2の実施の形態のものと同様)、色変換モジュール142c、印刷データ生成モジュール142f、送信モジュール142g、記録率テーブル142iを有している。また、本実施の形態では、上述の第3の実施の形態と同様に、インク増量LUT142hを用いず、標準LUT142h1を用いている。また、プリンタードライバープログラム142Cは、第1の実施の形態等とは異なる処理を行うハーフトーンモジュール142d3を有している。
【0106】
本実施の形態では、図20に示す処理フローが実行される。この図20に示す処理フローは、図10に示す処理フローと同様の、S110、S120、S170およびS180が実行され、図14に示す処理フローと同様のS131が実行され、図17に示す処理フローと同様のS141が実行される。しかしながら、図10におけるS160は実行されない。また、図10におけるS150の処理に代わってS153の処理が実行される。以下、S153について説明する。
【0107】
本実施の形態におけるハーフトーンモジュール142d3は、上述の第1の実施の形態におけるハーフトーンモジュール142dと異なり、図21に示すような特有のディザマを用いて、ハーフトーン処理を行っている(S153)。すなわち、ディザマトリクスD4は、図18のディザマトリクスD3のように、それぞれの画素の閾値が、ディザマトリクスD1の各閾値に、(D/Dmax )という集約率を乗算した値を、ディザマトリクスD4の各閾値としている。加えて、ディザマトリクスD4は、図15に示すようなディザマトリクスD2の拡張部分を備えている。
【0108】
そのため、S153のハーフトーン処理を行うと、通常のディザマトリクスD1を用いる場合と比較して、たとえば3倍程度、ドットがオンとなりやすくなる。また、S153のハーフトーン処理を行うと、上述の拡張部分の閾値が、たとえば255というように、ドットが確実にオフとなる値に設定されているため、ブランクドット列に対応する部分では、ドットを確実に打たせないことが可能となる。
【0109】
<本実施の形態における効果>
本実施の形態においても、レンズシートLSにおける印刷の結果物においては、クロストークの影響を低減可能となると共に、印刷画像の色合いが白くなるのを防止可能となる。加えて、本実施の形態では、上述したS131の白挿入処理を行いながら、合成画像データを生成している。そのため、図10におけるS160の処理を不要とすることが可能となる。
【0110】
加えて、本実施の形態では、上述したS141の処理、すなわち標準LUT142h1を用いて色変換処理を行うと共に、図20のS153において、白位置および集約ドット列の形成を考慮したハーフトーン処理(図21のディザマトリクスD4を用いるハーフトーン処理)を実行している。
【0111】
このため、ハーフトーン処理を実行すると、通常のディザマトリクスD1を用いる場合と比較して、たとえば3倍程度、ドットがオンとなりやすくなり、集約ドット列に対応する部分のインク濃度(インクの階調値)を高めることが可能となる。加えて、ディザマトリクスD4は、拡張部分を有しているため、図15に示すようなディザマトリクスD2と同様に、印刷データにブランクドット列を確実に挿入することが可能となる。
【0112】
<変形例>
以上、本発明の第1〜第4の実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
【0113】
上述の各実施の形態において、画像データに、その中の一部の部位(被写体等)の距離に関する情報が埋め込まれている場合(たとえばExif情報中に、被写体の距離に関する情報がある場合)、その情報を参考に、一部の部位のみに図12に示すような本発明を適用して、ハーフトーン処理の結果物を得られるようにしても良く、それとは逆に一部の部位を除いた部位のみに図12に示すような本発明を適用して、ハーフトーン処理の結果物を得られるようにしても良い。
【0114】
また、図10および図17におけるS160の処理に代えて、次の動作を行うようにしても良い。たとえば、キャリッジ用モーター53によるキャリッジ50の送り速度は変えずに、印刷ヘッド51から噴射されるインクの噴射タイミングを、従来よりも遅らせる(たとえば3倍またはプラスα程度噴射タイミングの間隔が伸びるようにする)ようにしても良い。また、たとえば、キャリッジ用モーター53によるキャリッジ50の送り速度を、従来よりも速くし(たとえば3倍またはプラスα程度速くし)、かつ印刷ヘッド51から噴射されるインクの噴射タイミングを従来と同じとしても良い。
【0115】
このようにしても、図10および図17におけるS160の処理と同様の処理結果を得ることが可能となり、クロストークの影響を低減可能となる。
【0116】
また、上述の第1の実施の形態および上述の第2の実施の形態では、集約ドット列においてインク濃度(インクの階調値)を高めるために、インク増量LUT142hを用いている。しかしながら、誤差拡散法を用いてハーフトーン処理を行う場合、以下のようにしても良い。たとえば、通常の誤差拡散法を用いて2値化のハーフトーン処理を行う場合、以下の(式7)により2値化の際の誤差Errが求められる。
Err=(2値化処理前の階調値)−(2値化処理後の階調値) …(式7)
【0117】
この(式7)において、(2値化処理後の階調値)に、上述の集約率を乗算すると、(式8)のようになる。
Err=(2値化処理前の階調値)−(2値化処理後の階調値)×(D/Dmax ) …(式8)
【0118】
上述の(式8)では、集約率を乗算する分だけ、誤差Errの値が大きくなるため、集約ドット列においては、インク濃度(インクの階調値)を高めることが可能となる。なお、(式7)および(式8)は、2値化処理の場合には限られず、上述の各実施の形態で述べたような4値化処理としても良く、その他N値化処理(Nは整数)としても良い。また、N値化処理(Nは整数)としても良いことは、上述の各実施の形態も同様である。
【0119】
また、上述の第2の実施の形態においては、S131の白挿入を伴う合成画像データの生成と共に、S151の白位置を考慮したハーフトーン処理を実行している。しかしながら、たとえば、S131またはS151のいずれか一方のみを実行しても同じ処理結果が得られる場合には、S131またはS151のいずれか一方のみを実行するようにしても良い。
【0120】
また、上述の実施の形態では、プリンター10は、キャリッジ50が主走査方向に移動するタイプのプリンターとなっている。しかしながら、プリンターとしては、キャリッジが、主走査方向のみならず、副走査方向にも移動可能なプリンター(XYプリンター)としても良い。また、キャリッジ50が主走査方向に移動しない、ラインヘッドを有するタイプのプリンターに本発明を適用するようにしても良い。
【0121】
また、上述の実施の形態では、印刷装置11につき、プリンター10とコンピューター130とから構成される場合について説明しているが、プリンター10のみで印刷装置を構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0122】
10…プリンター、30…シートガイド、32…係合部、50…キャリッジ、51…印刷ヘッド、100…制御部、130…コンピューター、142…プリンタードライバープログラム、142b,142b1…画像合成モジュール、142c…色変換モジュール、142d,142d1,142d2,142d3…ハーフトーンモジュール、142e…白挿入モジュール、142h…インク増量LUT、LS…レンズシート、LS11…凸レンズ(レンズに対応)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向を長手とするレンズが複数配置されるレンズシートに、複数の元画像データに基づいて視差画像を形成するための印刷データであって、集約ドット列とブランクドット列とを有する印刷データを作成する画像合成ステップを備え、
上記ブランクドット列の各画素の階調値は、いずれの色または種類のインク滴をも噴射させない値に設定されていて、
上記集約ドット列の各画素の階調値は、上記ブランクドット列の各画素を形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドット列の各画素に対応する元画素の階調値よりも大きくしている、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理方法であって、
前記インク滴が前記レンズシートに付着した場合のにじみを考慮した直径に対応する最小印刷幅を測定し、
前記レンズの焦線幅が上記最小印刷幅よりも小さいか否かを判定し、
上記判定において前記レンズの焦線幅が上記最小印刷幅よりも小さい、または上記最小印刷幅以下であると判定される場合には、前記集約ドット列が為す列方向と直交する幅方向のドット数を1と決定し、
上記判定において前記レンズの焦線幅が上記最小印刷幅以上である、または上記最小印刷幅よりも大きいと判定される場合には、前記集約ドット列が為す列方向と直交する幅方向のドット数を、前記レンズの焦線幅を上記最小印刷幅での除算後、小数点以下を切り捨て、四捨五入または切り上げによって得られる整数値となるように決定する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像処理方法であって、
前記画像合成ステップでは、解像度変換処理と、画像合成処理と、色変換処理と、ハーフトーン処理とを順次行うことによって前記印刷データを作成すると共に、
上記色変換処理では、集約ドット列の各集約ドットの階調値を、前記ブランクドットを形成する前の元画素の階調値を反映させる分だけ、当該集約ドットに対応する元画素の階調値よりも大きくするための、インク増量LUTを用いて色変換処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
請求項3記載の画像処理方法であって、
前記ハーフトーン処理を行った後に、前記集約ドット列の間に所定数の前記ブランクドット列を挿入する挿入処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
請求項3記載の画像処理方法であって、
前記レンズシートに対して印刷ヘッドから前記インク滴を噴射するタイミングを、前記集約ドット列の元画素と前記ブランクドット列の元画素とを形成するために前記インク滴を噴射するタイミングよりも、前記ブランクドット列が存在する分だけ遅らせるタイミング調整処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項3記載の画像処理方法であって、
前記レンズシートに対して印刷ヘッドを移動させる速度を、前記集約ドット列の元画素と前記ブランクドット列の元画素とを形成するために前記インク滴を噴射する際の上記印刷ヘッドを移動させる速度よりも、前記ブランクドット列が存在する分だけ速くする速度調整処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の画像処理方法であって、
それぞれの前記元画像データのうちの一部の部位に関する距離情報が存在する場合には、当該一部の部位のみまたは当該一部の部位を除いた部位のみに、前記色変換処理および前記挿入処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理方法に基づいて前記レンズシートに対して前記インク滴を噴射させ、前記レンズシートへの印刷を実行可能とすることを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−53583(P2011−53583A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204438(P2009−204438)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】