説明

画像処理方法及び装置

【課題】絵作りの基準とすべき最適な基準画像を熟練者でなくても短時間で選択できるようにする。
【解決手段】複数の基準画像を階層構造を有するカテゴリ別に分類するための分類情報を管理する分類データベースを使用し、操作部110により目的画像に対応する分類情報を撮影/シーン/詳細(服装)の各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する。この選択された基準画像は表示部102に表示され、目的画像は表示部104に表示される。基準画像が選択され、その基準画像に付帯する画像処理条件を目的画像に適用する指示が「→」ボタン112を押すことにより行なわれると、基準画像に付帯する画像処理条件が画像処理情報データベースから読み出されて目的画像に適用される。これにより、基準画像の絵作りに合わせて目的画像の絵作りが行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理方法及び装置に係り、特に写真館や撮影スタジオで撮影された画像の画像処理をアシストする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来の顧客登録から写真プリントのプリント出力までの写真館のワークフローを示す図である。
【0003】
同図に示すように、顧客は写真館の受け付けで顧客登録が行われたのち(ステップS10)、デジタルカメラでデジタル撮影が行われ、デジタルカメラ又はデジタルカメラの記録メディアから撮影画像を画像データベースに取り込む(ステップS12)。その後、デジタル撮影によって得られた画像を写真館内のディスプレイに表示させ、写真プリントする画像を顧客に選択して貰うためのプレゼンテーションが行われる(ステップS14)。
【0004】
写真館の画像処理装置では、前記プレゼンテーションによって選択されたデジタル画像を控えておき、その後、市販の画像処理ソフトを用いて前記選択したデジタル画像に対して色補正、トリミング処理、レイアウト合成(テンプレートへの画像嵌め込み)等の画像処理を行う(ステップS16)。そして、この画像処理済のデジタル画像は、写真館のプリンタ1に出力され、ここで写真プリントが作成される。
【0005】
しかしながら、ステップS16にて行なわれる画像処理条件決定(絵作り)は、被写体(女性、男性、子供、集合…)、撮影シーン(結婚式、成人式、七五三…)、コンテンツ(記念写真、お見合い写真、証明写真…)などの組み合わせからなる多数の画像に対して、それぞれの目的に応じて最適な仕上がりを目指して行なわれるが、このような複雑な目的に応じた最適な仕上がりが得られるように絵作りするには、相当なスキルが要求される。
【0006】
これに対し、特許文献1、2には、上記のようなスキルを無くすために基準画像を参照し、それに合わせて仕上げたい目的画像の画像処理条件を決める手段が提示されている。
【0007】
即ち、特許文献1には、複数のパラメータの各パラメータ値の組み合わせで規定される画像処理条件のうちの基準の画像処理条件(基準画像処理条件)を基準とし、複数のパラメータの中から選択された1つの調整パラメータの複数のパラメータ値で規定される複数の画像処理条件に基づいて、初期画像に画像処理が施されてなる複数のバリエーション画像からなる画像集合を、3種類以上の調整パラメータそれぞれについて作成し、これらの作成された画像集合を表示部に表示させ、その表示部に表示された複数の画像集合全体を構成する複数の画像のうちの1つを操作に応じて新たな基準画像として設定し、この設定された新たな基準画像に対応する新たな基準画像処理条件を基準として新たな画像集合の作成を繰り返す記載がある。
【0008】
また、特許文献2には、基準となる写真プリントの画像データから基準画像特性を抽出し、前記基準となる写真プリントと類似したシーンの写真プリントに対する画像処理を行なうときには、この写真プリントの画像データから抽出した画像特性が、前記基準画像特性と一致するように画像データに対する画像処理を行う記載がある。
【特許文献1】特開2002−44430号公報
【特許文献2】特開2002−171408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の装置によれば、操作者は、多くの画像集合を見ながら、それらの画像集合全体を構成する複数の画像から自分のイメージにより近い画像を選択し、選択した画像を新たな基準画像として新たに作成された複数の画像集合を見ながら、自分のイメージにさらに近い画像を選択するというようにして、次々に画像集合を更新しつつ画像の選択をつづけることにより、自分のイメージに合致した好みの画像に短時間で到達し、その好みの画像をもたらす画像処理条件を原画像に対する画像処理条件として決定することができる。
【0010】
しかしながら、初期画像に対して最適な画像をもたらす画像処理条件を決定するまでには、複数の画像から自分のイメージに近い画像を選択する選択操作を繰り返さなければならず、画像を検定するスキルが要求され、また、表示器に表示される画像と写真プリントされた画像とは完全一致しないため、上記選択操作によって決定された画像処理条件によりイメージ通りの写真プリントが作成されるかどうか保証されないという問題がある。
【0011】
一方、特許文献2に記載の画像処理方法では、いろいろな被写体やシーンがある写真プリントの中で、プリント仕上がりの目標となる写真プリントの選択が容易でなく、また、目標となる写真プリントの画像データから画像特性を抽出して、類似したシーンの画像データの画像処理に反映させても必ずしも目的の写真プリントに仕上がるとは限らないという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、絵作りの基準とすべき最適な基準画像を熟練者でなくても短時間で選択することができ、その選択された基準画像に付帯する画像処理条件を目的画像の画像処理に適用することができる画像処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために請求項1に係る画像処理方法は、所定の記録媒体から画像処理を行なう目的画像を読み出す工程と、複数の基準画像を階層構造を有するカテゴリ別に分類するための分類情報を管理する第1のデータベースを使用し、前記目的画像に対応する分類情報を各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する工程と、各基準画像に付帯する画像処理条件を管理する第2のデータベースから前記選択された基準画像に付帯する画像処理条件を読み出し、この読み出した画像処理条件を前記読み出した目的画像に適用して画像処理を行なう工程と、前記読み出した目的画像又は前記画像処理を行なった目的画像を表示手段に表示させる工程と、を含むことを特徴としている。
【0014】
即ち、絵作りの基準とすべき最適な基準画像を簡単に選択できるように、予め複数の基準画像を絵作り目標のカテゴリ別に分類し、その分類情報を第1のデータベースで管理する。この第1のデータベースで管理される複数の基準画像の分類情報は、階層構造を有しており、操作者は、目的画像に対応する分類情報を各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する。基準画像が選択されると、その選択された基準画像に付帯する画像処理条件を第2のデータベースから読み出し、この読み出した画像処理条件を目的画像の画像処理に適用する。これにより、目的画像の絵作りを仕上がりが予め分かっている基準画像の絵作りに合わせることができる。
【0015】
請求項2に示すように請求項1に記載の画像処理方法において、前記複数の基準画像を管理する第3のデータベースから前記選択された基準画像を読み出し、該基準画像を前記目的画像と同時に前記表示手段に表示させることを特徴としている。これにより、基準画像と目標画像とを見くらべることができる。
【0016】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載の画像処理方法において、前記表示手段に表示された目的画像に対する画像処理条件をマニュアル設定する工程と、前記マニュアル設定された画像処理条件を前記目的画像に適用して画像処理を行なう工程と、を更に有することを特徴としている。これにより、適用された基準画像の画像処理条件を微調整して好みの条件設定ができる。
【0017】
請求項4に係る画像処理装置は、複数の基準画像を階層構造を有するカテゴリ別に分類するための分類情報を管理する第1のデータベースと、各基準画像に付帯する画像処理条件を管理する第2のデータベースと、画像処理を行なう目的画像を選択し、該目的画像を所定の記録媒体から読み出すための目的画像選択手段と、前記目的画像を表示する表示手段と、前記第1のデータベースで管理されている分類情報を各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する基準画像選択手段と、前記基準画像選択手段によって選択された基準画像に付帯する画像処理条件を前記第2のデータベースから読み出し、この読み出した画像処理条件を前記目的画像選択手段によって選択された目的画像に適用して画像処理を行なう第1の画像処理手段と、前記目的画像選択手段によって選択された目的画像又は前記第1の画像処理手段によって処理された目的画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項5に示すように請求項4に記載の画像処理装置は、前記複数の基準画像を管理する第3のデータベースを備え、前記表示制御手段は、前記基準画像選択手段によって選択された基準画像を前記第3のデータベースから読み出し、該基準画像を前記目的画像と同時に前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0019】
請求項6に示すように請求項4又は5に記載の画像処理装置は、前記表示手段に表示された目的画像に対する画像処理条件をマニュアル設定する画像処理条件設定手段と、前記画像処理条件設定手段によって設定された画像処理条件を前記目的画像に適用して画像処理を行なう第2の画像処理手段とを有し、前記表示制御手段は、前記第2の画像処理手段によって画像処理された目的画像を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0020】
請求項7に示すように請求項6に記載の画像処理装置において、前記画像処理条件設定手段は、画像処理条件に含まれる複数種類の画像補正値をそれぞれ独立して変更する操作手段からなることを特徴としている。即ち、複数種類の画像補正値を個別に調整することにより、画像処理条件をマニュアル設定することができる。
【0021】
請求項8に示すように請求項6又は7に記載の画像処理装置において、前記画像処理条件設定手段は、各基準画像に付帯する画像処理条件から所望の画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段であって、前記表示手段に表示されている基準画像に対応する各カテゴリ別の分類情報のうちの一部のカテゴリの分類情報を変更することにより、変更後の分類情報に対応する基準画像に付帯する画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段からなることを特徴としている。即ち、画像補正値を直接変更する操作を行なわずに、現在選択されている基準画像の分類情報とは異なる分類情報に変更することにより、その分類情報に関連付けられている基準画像に付帯する画像処理情報を設定するようにしている。
【0022】
請求項9に示すように請求項5乃至8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像処理条件設定手段によって設定された画像処理条件を付帯する目的画像を、新たな基準画像として前記第1、第2及び第3のデータベースにそれぞれ対応する情報を登録させる登録手段を有することを特徴としている。目的画像に対する画像処理条件をマニュアル設定した場合、この目的画像を新たな基準画像としてデータベースに登録することができ、次回から利用できるようにしている。
【0023】
請求項10に示すように請求項4乃至9のいずれかに記載の画像処理装置において、前記基準画像選択手段は、各カテゴリ別の分類情報をそれぞれ一覧表示する手段と、前記一覧表示された各カテゴリ別の分類情報からそれぞれ所望の分類情報を選択する手段と、からなることを特徴とするとしている。即ち、各カテゴリ別の分類情報をプルダウンメニューやポップアップメニュー等で一覧表示し、これらのメニューから所望の分類情報を選択する。
【0024】
請求項11に示すように請求項4乃至10のいずれかに記載の画像処理装置において、前記基準画像選択手段は、各カテゴリ別の分類情報を決定するために選択されたカテゴリ内の分類情報に対応する基準画像の一覧を表示させる手段と、前記表示された基準画像の一覧から所望の基準画像を選択することにより所望の分類情報を選択する手段と、からなることを特徴としている。カテゴリ内の複数の分類情報に対応する基準画像を一覧表示し、基準画像の差異を比較判断した上で分類情報を選択できるようにしている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、画像処理を行なう目的画像の絵作りの基準とすべき最適な基準画像を選択する際に、予めカテゴリ別に階層化されている複数の基準画像の分類情報を利用して、目的画像に対応する分類情報を各カテゴリ別に選択することにより基準画像を選択できるようにしたため、熟練者でなくても短時間で最適な基準画像を選択することができ、その選択された基準画像に付帯する画像処理条件を目的画像の画像処理に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下添付図面に従って本発明に係る画像処理方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0027】
図1は本発明に係る画像処理装置が適用されたプリント処理システムの実施の形態を示す構成図であり、写真館や撮影スタジオ内に設けられたシステムに関して示している。
【0028】
このシステムは、主として撮影装置10と、撮影画像データベース20と、処理情報データベース22と、画像処理部30、32、34、36と、写真プリンタ40と、基準画像データベース50と、画像処理条件データベース52と、分類データベース54とから構成されている。
【0029】
撮影装置10は、デジタルカメラ12と、パソコンからなる画像取込部14とからなり、デジタルカメラ12と画像取込部14とはIEEE1394等のインターフェースを介して接続されている。
【0030】
写真館の撮影者は、デジタルカメラ12を操作し、一人の顧客に対してポーズや衣装等を変えて通常、数十枚分の撮影を行う。このようにしてデジタル撮影されたデジタル画像(オリジナル画像)が記録された画像ファイルは、撮影毎にデジタルカメラ12から画像取込部14に転送される。
【0031】
画像取込部14は、デジタルカメラ12から取り込んだ画像ファイルを撮影画像データベース20に送る。尚、画像取込部14は、デジタルカメラ12の記録メディアを介してオリジナル画像の画像ファイルを取り込むようにしてもい。また、オリジナル画像の画像データは、未処理のRAWデータである。
【0032】
撮影画像データベース20は、画像取込部14から送信されたオリジナル画像を管理し、処理情報データベース22は、後述するようにオリジナル画像に対する処理情報を管理する。
【0033】
画像処理部30、32、34及び36は、それぞれ画像選択、トリミング処理、画像処理(絵作り)、及びプリントデータ作成処理を行なうためのもので、各処理に対応するソウトウエアが組み込まれたパソコン等によって構成され、前記撮影画像データベース20及び処理情報データベース22に接続されている。尚、これらの画像処理部30、32、34及び36は、それぞれ独立したものでもよいし、複数の処理機能を有する1乃至複数のパソコンに含まれるものでもよい。
【0034】
画像処理部30は、顧客のオリジナル画像からプリントする画像を顧客に選択して貰うためのプレゼンテーションを行なうもので、撮影画像データベース20から顧客のオリジナル画像を読み出してディスプレイに表示させる。ディスプレイに表示された画像を順次見ながら画像処理部30によりプリントする画像が選択されると、その選択画像の情報は、処理情報データベース22に登録される。
【0035】
画像処理部32は、前記選択された画像に対して必要に応じてプリント画角を決めるトリミング処理を行なうもので、この画像処理部32で施されたトリミング処理を示す処理情報は、処理情報データベース22に登録される。
【0036】
画像処理部34は、前記選択された画像、又はトリミング処理された画像に対する絵作り(色階調、シャープネス等の画像処理)の処理を行なうもので、ここで設定された絵作り条件(画像処理条件)は、処理情報データベース22に登録される。
【0037】
尚、画像処理部32でのトリミング処理、及び画像処理部34での絵作りの処理では、撮影画像データベース20に格納されているオリジナル画像自体の処理は行なわずに、その処理情報のみを処理情報データベース22に保存するようにしている。また、画像処理部32はトリミング結果を示す画像を表示することができ、画像処理部34はオリジナル画像に対して設定した画像処理条件による処理結果を示すビュー画像を表示することができるようになっている。
【0038】
画像処理部36は、プリント選択された画像のプリント指示入力があると、撮影画像データベース20からプリント指示されたオリジナル画像を読み出すとともに、処理情報データベース22からプリント指示されたオリジナル画像に対応するトリミング処理、絵作りの処理を含む画像処理条件を読み出し、前記読み出したオリジナル画像を前記読み出した画像処理条件にしたがって画像処理を行い、プリントデータを作成する。このプリントデータは、写真プリンタ40に出力される。
【0039】
写真プリンタ40は、画像処理部36から入力するプリントデータに基づいて銀塩方式のカラーペーパーにR,G,Bレーザーで走査露光して画像をプリントする。
【0040】
基準画像データベース50は、画像処理を行なう目的画像の絵作りの基準とする複数の基準画像を管理しており、画像処理条件データベース52は、各基準画像に付帯する画像処理条件を管理している。尚、51は、基準画像データベース50で管理されている基準画像に対応するサンプルプリントであり、後述するように基準画像と並べて表示される目的画像のプリント仕上がりを予測しながら絵作りを行なう場合に利用される。
【0041】
分類データベース54は、基準画像データベース50で管理されている複数の基準画像を分類する分類情報を管理するもので、この分類情報は、図2に示すように撮影/シーン/詳細(服装)のカテゴリで階層構造となっている。したがって、この基準画像データベース50で管理されている分類情報を利用し、例えば、図2に示すように撮影のカテゴリでポートレートを選択し、シーンのカテゴリで結婚式を選択し、詳細(服装)のカテゴリで白無垢を選択すると、これらの選択によって基準画像データベース50から所望の基準画像を選択することができ、更にその選択画像に付帯する画像処理条件が画像処理条件データベース52から抽出することができる。
【0042】
尚、分類データベース54で管理される分類情報のカテゴリは、図2に示した実施の形態に限らず、出力機の条件(用紙、インキ、ペーパーなど)、目的(撮影目的、シーン、イベント、被写体など)、画像を用いる業態(営業写真、印刷、コマーシャルフォトなど)など任意に設定することができる。
【0043】
次に、図3乃至図5に示す画像処理部34の操作画面を参照しながら前記画像処理部34の処理内容について詳述する。
【0044】
図3に示すように、画像処理部34の操作画面100は、主として画像処理を行なう目的画像に対する画像処理条件の設定時に、写真館の操作者が操作するためのGUI(Graphical User Interface)として使用されるもので、基準画面を表示する表示部102と、目的画面を表示する表示部104と、基準画像を選択するための操作部110と、目的画像に対する画像処理条件を選択するための操作部120と、目的画像に対する画像処理条件に含まれる複数種類の画像補正値をそれぞれ独立して変更するための画像補正操作部130と、「条件確定保存」ボタン140と、「基準画像として保存」ボタン150とを有している。
【0045】
図4は目的画像の絵作りの基準とする基準画像と目的画像とをそれぞれ選択し、前記表示部102、104にそれぞれ表示させる場合の操作を示している。
【0046】
(1) 表示部102に基準画像を表示させる場合には、まず、基準画像の選択を操作部110にて行なう。
【0047】
基準画像を選択するための操作部110は、撮影/シーン/詳細(服装)のカテゴリを個別に選択するための表示欄と、各表示欄にそれぞれのカテゴリ内の分類内容をプルダウンメニューで表示させる「▼」ボタンとを有している。この操作部110をマウスで操作し、各カテゴリの表示欄に目的画像に対応する分類を表示させることで、その目的画像に対応する基準画像を選択する。
【0048】
例えば、目的画像が成人式に洋装して撮影したポートレートの画像の場合には、撮影/シーン/詳細(服装)の各カテゴリの表示欄にそれぞれ「ポートレート」、「成人式」、「洋装」が表示されるように各カテゴリを選択する。
【0049】
(2) 続いて、表示部102の下側の「基準画像読込み」ボタン103を押すと、予め撮影/シーン/詳細(服装)の各カテゴリに紐付けられて保存された基準画像が基準画像データベース50から読み込まれ、同時に、その基準画像に紐付けられた画像処理条件も画像処理条件データベース52から読み出され、基準画像の表示に反映されて表示部102に表示される。
【0050】
(3) 次に、絵作りしたい目的画像を読み出し、表示部104に表示させる。この場合には、表示部104の下側の「目的画像読込み」ボタン105を押し、撮影画像を表示させるビューア(図示せず)を開き、このビューア上で目的画像を選択する。これにより、目的画像が選択され、目的画像が読み出されて表示部104に表示される。
【0051】
図5は基準画像の画像処理条件を目的画像に適用させ、また、適用された基準画像の画像処理条件を追加調整する場合の操作を示している。
【0052】
(4) 基準画像の画像処理条件を目的画像に適用させ場合には、操作部110と120との間の「→」ボタン112を押す。これにより、操作部110で設定した各カテゴリの選択内容が操作部120での選択内容としてコピーされ、操作部110で選択された基準画像に付帯する画像処理条件が目的画像に適用され、その処理結果が表示部104に表示される。
【0053】
(5) 上記のようにして目的画像に適用された基準画像の画像処理条件は、以下の2通りの方法によって好みの条件になるように調整することができる。
【0054】
(5A)第1の方法は、前記操作部110で設定され、目的画像に適用するようにコピーされた各カテゴリの選択内容の一部を、操作部120によって変更する方法である。図5では、シーンのカテゴリで選択された「成人式」を「七五三」に変更する場合に関して示している。
【0055】
操作部120でカテゴリの一部が変更されると、その変更後のカテゴリで分類された基準画像に紐付けられた画像処理条件が、目的画像に適用され、その処理結果が表示部104に表示される。
【0056】
(5B)第2の方法は、画像補正操作部130により画像処理条件に含まれる複数種類の画像補正値をそれぞれ直接変更する方法である。
【0057】
図5に示す実施の形態では、画像補正操作部130は、「階調補正」ボタン、「明るさ補正」ボタン、「濃度補正」ボタン、及び「色補正」ボタンを有している。これらのボタンが押されると、押されたボタンに対応する画像補正値を補正するためのポップアップ画面132が表示され、このポップアップ画面132を使用して画像補正値を直接変更する。画像補正操作部130で適宜の画像補正値が補正されると、その変更後の画像補正値が目的画像に適用され、その処理結果が表示部104に表示される。
【0058】
上記のようにして基準画像に紐付けらた画像処理条件、又はその画像処理条件をマニュアル操作によって変更した画像処理条件の目的画像への適用を確定させる場合には、「条件確定保存」ボタン140を押す。これにより、目的画像に適用された画像処理条件は、目的画像のオリジナル画像に関連付けて処理情報データベース22に登録される。
【0059】
また、目的画像を基準画像として保存する場合には、「基準画像として保存」ボタン150を押す。「基準画像として保存」ボタン150が押されると、絵作りを行なった目的画像、その目的画像に適用した画像処理条件、及びカテゴリの内容は、それぞれ基準画像データベース50、画像処理条件データベース52、及び分類データベース54にそれぞれ関連付けて登録され、次回から基準画像として利用できるようになる。
【0060】
図6は基準画像の選択方法の他の実施の形態を示す図であり、画像処理部34の操作画面100′に関して示している。尚、図4に示した操作画面100と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図6において、基準画像を選択するための操作部110′は、図4に示した操作部110と同様に、撮影/シーン/詳細(服装)のカテゴリを個別に選択するための表示欄と、各表示欄にそれぞれのカテゴリ内の分類内容をプルダウンメニューで表示させる「▼」ボタンとを有するとともに、それぞれのカテゴリ内の基準画像を閲覧するための「閲覧」ボタンを有している。
【0062】
「閲覧」ボタンを押すと、基準画像の一覧を表示する基準画像閲覧画面114が別ウインドウで表示される。図6は詳細(服装)のカテゴリ内の基準画像を閲覧するための「閲覧」ボタンを押した場合に関して示している。この基準画像閲覧画面114に表示された基準画像の一覧を参照しながら所望の基準画像を選択することができる。操作者は、カテゴリ別にまとめて表示された基準画像の一覧から各基準画像の差異を比較判断しながら最適な基準画像を選択することができる。
【0063】
尚、基準画像データベース50、画像処理条件データベース52及び分類データベースは、それぞれ物理的に独立したものでもよいし、1つのデータベースでそれぞれの情報を関連付けて管理するものでもよい。
【0064】
また、この実施の形態では、基準画像と目的画像とを並べて表示するようにしたが、これに限らず、目的画像のみを表示するようにしてもよい。この場合、図4に示した操作部110は不要となり、操作部120にて目的画像に適用する基準画像(基準画像の画像処理条件)を選択することができる。
【0065】
更に、この実施の形態では、目的画像のオリジナル画像と、そのオリジナル画像に適用する画像処理条件とを分離して管理するようにしているが、画像処理条件が確定すると、その確定した画像処理条件でオリジナル画像を処理し、その処理結果を保存するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は本発明に係る本発明に係る画像処理装置が適用されたプリント処理システムの実施の形態を示す構成図である。
【図2】図2は複数の基準画像を分類するための分類情報を管理する分類データベースの構造の一例を示す図である。
【図3】図3は絵作りの画像処理操作を行なうための画像処理部の操作画面の一例を示す図である。
【図4】図4は基準画像及び目的画像の選択手順を説明するために用いた画像処理部の操作画面を示す図である。
【図5】図5は基準画像の画像処理条件を目的画像に適用させ、また適用された基準画像の画像処理条件を追加調整する場合の操作を説明するために用いた画像処理部の操作画面を示す図である。
【図6】図6は基準画像の選択方法の他の実施の形態を説明するために用いた画像処理部の操作画面を示す図である。
【図7】図7は従来の顧客登録から写真プリントのプリント出力までの写真館のワークフローを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10…撮影装置、20…撮影画像データベース、22…処理情報データベース、30、32、34、36…画像処理部、40…写真プリンタ、50…基準画像データベース、52…画像処理条件データベース、54…分類データベース、100、100′…操作画面、102、104…表示部、110、110′、120…操作部、114…基準画像閲覧画面、130…画像補正操作部、140…「条件確定保存」ボタン、150…「基準画像として保存」ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記録媒体から画像処理を行なう目的画像を読み出す工程と、
複数の基準画像を階層構造を有するカテゴリ別に分類するための分類情報を管理する第1のデータベースを使用し、前記目的画像に対応する分類情報を各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する工程と、
各基準画像に付帯する画像処理条件を管理する第2のデータベースから前記選択された基準画像に付帯する画像処理条件を読み出し、この読み出した画像処理条件を前記読み出した目的画像に適用して画像処理を行なう工程と、
前記読み出した目的画像又は前記画像処理を行なった目的画像を表示手段に表示させる工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記複数の基準画像を管理する第3のデータベースから前記選択された基準画像を読み出し、該基準画像を前記目的画像と同時に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記表示手段に表示された目的画像に対する画像処理条件をマニュアル設定する工程と、前記マニュアル設定された画像処理条件を前記目的画像に適用して画像処理を行なう工程と、を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
複数の基準画像を階層構造を有するカテゴリ別に分類するための分類情報を管理する第1のデータベースと、
各基準画像に付帯する画像処理条件を管理する第2のデータベースと、
画像処理を行なう目的画像を選択し、該目的画像を所定の記録媒体から読み出すための目的画像選択手段と、
前記目的画像を表示する表示手段と、
前記第1のデータベースで管理されている分類情報を各カテゴリ別に選択することにより所望の基準画像を選択する基準画像選択手段と、
前記基準画像選択手段によって選択された基準画像に付帯する画像処理条件を前記第2のデータベースから読み出し、この読み出した画像処理条件を前記目的画像選択手段によって選択された目的画像に適用して画像処理を行なう第1の画像処理手段と、
前記目的画像選択手段によって選択された目的画像又は前記第1の画像処理手段によって処理された目的画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記複数の基準画像を管理する第3のデータベースを備え、前記表示制御手段は、前記基準画像選択手段によって選択された基準画像を前記第3のデータベースから読み出し、該基準画像を前記目的画像と同時に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示手段に表示された目的画像に対する画像処理条件をマニュアル設定する画像処理条件設定手段と、
前記画像処理条件設定手段によって設定された画像処理条件を前記目的画像に適用して画像処理を行なう第2の画像処理手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記第2の画像処理手段によって画像処理された目的画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理条件設定手段は、画像処理条件に含まれる複数種類の画像補正値をそれぞれ独立して変更する操作手段からなることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理条件設定手段は、各基準画像に付帯する画像処理条件から所望の画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段であって、前記表示手段に表示されている基準画像に対応する各カテゴリ別の分類情報のうちの一部のカテゴリの分類情報を変更することにより、変更後の分類情報に対応する基準画像に付帯する画像処理条件を選択する画像処理条件選択手段からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理条件設定手段によって設定された画像処理条件を付帯する目的画像を、新たな基準画像として前記第1、第2及び第3のデータベースにそれぞれ対応する情報を登録させる登録手段を有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記基準画像選択手段は、各カテゴリ別の分類情報をそれぞれ一覧表示する手段と、前記一覧表示された各カテゴリ別の分類情報からそれぞれ所望の分類情報を選択する手段と、からなることを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記基準画像選択手段は、各カテゴリ別の分類情報を決定するために選択されたカテゴリ内の分類情報に対応する基準画像の一覧を表示させる手段と、前記表示された基準画像の一覧から所望の基準画像を選択することにより所望の分類情報を選択する手段と、からなることを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−5766(P2006−5766A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181511(P2004−181511)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】