説明

画像処理方法

【課題】ディザ化した画像に電子透かしを埋め込む際に、画質劣化を抑える。
【解決手段】ディザ展開画素にbit ON/OFF情報を埋め込む。平面を埋め尽くす2個の菱形による非周期的タイル貼りの頂点の位置に点を表す画素を置く。内角が36度と144度の菱形と、内角が72度と108度の菱形を組み合わせる。最小情報1bitを、頂点に集まる辺の数が偶数個ならbit0を表し、奇数個ならbit1を表す。または、頂点に集まる辺によって形成される角の角度に、1つ置きにマイナス値で足しこむことによって、合計値がマイナスならbit0を表し、プラスならbit1を表し、ゼロなら当該頂点での1bit情報は無効値であることを表す。または、頂点に集まる辺によって形成される角の角度に、1つ置きの角度だけを足しこむことによって、合計値が単位角度の偶数倍ならbit0を表し、奇数倍ならbit1を表す。または、基本形の形状の並びでbit列を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法に関し、特に、ディザ展開した画像に埋めこまれた電子透かしから著作権情報などを検出する画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル情報は、劣化なく簡単にコピーでき、改ざんも容易であるという特徴がある。このため、デジタル情報は、不正にコピーされて勝手に再利用されたり、改ざんされたりする。これを防止する方法として、電子透かしやデータハイディングがある。電子透かしは、デジタル画像などを普通に再生した場合には、視覚で感知できない情報を付加する手法である。電子透かしを埋込む方法は、次の2つがある。内容データの標本値に直接埋込む技術(方法1)と、周波数成分に埋込む技術(方法2)である。方法1は、加工や圧縮などの処理が行なわれると、埋込んだデータが失われやすいが、処理負荷が軽い。方法2は、加工や圧縮などの処理には強いが、埋込みや抽出の処理負荷が重い。画質を損ねては意味を成さない画像や、大きく価値が下がる画像への電子透かしとしては、方法2よりも方法1の方が、画質劣化場所を局所化できるメリットがある。
【0003】
さて、電子透かしをデジタルコンテンツに付加する用途には、次のようなものがある。(A)著作権情報の記録、(B)違法コピー者情報の追跡、(C)IPアドレスの履歴記録、(D)違法コピーの防止(不可視・高耐性型)、(E)改ざん防止への応用(不可視・低耐性)、(F)認証、(G)秘密通信、(H)デジタルコンテンツの注釈やラベルの埋込み(可視・不可逆型、所有権者表示)、(I)透かし除去可能化(可視・可逆型、コンテンツ配布)。
【0004】
その中で、例えば、デジタルカメラへの用途としては、証明写真の改ざん検知方法がある。非特許文献1に開示されているように、写真撮影時に、カメラの製造番号や日時等を、撮影画像に透かしとして埋込むと同時に、その電子署名を作成する機構をカメラに設ける。これにより、証明写真の改ざん検知に加え、撮影カメラの特定や撮影日時の確認が可能となる。改ざん検知は、電子署名技術だけで可能だが、透かし技術を活用することで、撮影カメラや撮影日時の特定化が可能になり、改ざん抑止に、より効果的に作用する。更に、電子透かしの埋込み情報量を多くすることによって、改ざん場所を特定化する精度向上に発展できる。また、著作権保護のためにも、多くの情報を透かし埋込みできる方が、埋込み情報の解析時に情報抽出しやすくなり、有効性が高くなる。しかしながら、電子透かしを埋込むことによって、埋込み対象のデジタルコンテンツ・データが劣化するので、埋込みデータ量を増やしても、その影響による画質劣化をできるだけ少なくすることが重要である。
【0005】
ところで、「人間の眼は、画像平坦部に存在するノイズを感知する能力よりも、エッジ部に存在するノイズを感知する能力の方が低い」という特性を利用して、電子透かしを画像へ直接埋込む場合は、一般に画像エッジ部に透かしを埋込む。しかし、画像領域の中で、通常、エッジ部は平坦部よりも領域が狭く、埋込む透かし量が多い場合には、著しく画質が劣化する。特に、帳票、図面、地図など人工的に作成された画像の輪郭線を過度に侵食したり、あるいは、画像の骨格線を分断させたり、消去するような画質の劣化は、元画像の持つ情報や意味を失ってしまう。そこで、このような画像エッジの持つ限界を克服するアイディアとして、印刷物のディザ展開方法に注目する方法がある。ディザ展開することによって、エッジ部と、それ以外とを区別することを緩和し、かつ、全体のグラデーション表現を実現している。電子透かしは、画像エッジ部を識別して埋込まなくても、画質劣化に直結せず、ディザ展開方法を識別して、情報埋込み及び抽出するものである。この方法は、情報埋込み場所が偏らず、均一化できるメリットがある。
【0006】
ここで、ディザ法について説明する。図9に示すとおり、ディザ法は、面積階調法の体系の中の一部を構成する。注目するのは、この中の組織的ディザ法である。組織的ディザ法は、N×N(これをディザマトリックスという)をつくり、このディザマトリックスDNを一種のマスクとして原画像に重ね合わせ、各画素の濃度f(x,y)と対応するしきい値Txyとを比較し、しきい値より小さければ、0を出力画像信号に使用し、しきい値以上であれば、1を出力信号に使用する(出力画像を2値化する)というものである。N×N画素の処理が済むと、ディザマトリックスを次のN×Nの画素の位置に移動し、同じ処理を繰返す。
【0007】
組織的ディザ法では、2値化のために入力画像と同じサイズのディザマトリックスを用いるので、出力画像も同サイズになる特徴がある。しきい値の配列は、ある規則に従っており、各しきい値は、ディザマトリックスの中で1回しか現われない。しきい値の配置方法について、ドット集中型を例に説明する。組織的ディザ法の中の他の型であるBayer型であっても、ディザマトリクスの構成が異なるだけで、それ以外の内容は、同じである。ドット集中型のN×NディザマトリックスDNは、次式で与えられる。D(N-2)の上下外側に1行ずつ及び左右外側に1列ずつ新たに生成することによって形成する。成分の値は、マトリックスの中心成分が0で、その周りに渦巻状に単調1増加の値の列で構成する。
【数1】

【0008】
ここで、Nは2の倍数、dN1 1はマトリックスDNの1行1列の成分、同様に、dN1 2は1行2列の成分、dN2 1は2行1列の成分、及びdNN NはN行N列の成分などをそれぞれ表す。また、その値は、渦巻状に単調1増加の値の列を構成する以下の内容になる。
dN(N-1) 1=(N−2)2
dN(N-2) 1=(N−2)2+1,
dN(N-3) 1=(N−2)2+2,
‥‥,
dN1 1=(N−2)2+(N−2)=(N−2)×(N−1),
‥‥,
dN1 N=(N−2)2
‥‥,
dNN N=(N−1/2)2−1/4,
‥‥,
dNN 1=N2−1

初期値として,D2(2×2マトリクス)を以下の内容とする。
【数2】

従って、D4(4×4マトリクス)は、次の通りとなる。
【数3】

例としては、正規のディザマトリックスD4が上の通りだとすると、別種のディザマトリクスD'4としては、D4を左回りに90度回転した以下が例として挙げられる。
【数4】

4をビットON情報、D'4をビットOFF情報等として使用する。
【0009】
以上の画素値展開方法は、印刷用各色の色素(インク、トナーなど)毎に別個の内容である。印刷用データは、CMYKのディザ展開による網点(例えば、上記ドット集中型の中心ドットを結んで形成)の特徴を持ちながら、各色のディザ処理を組み合わせて形づくられている。CMYKの網点形状は、CMYKの色別に、網点角度を固定した等間隔の平行直線上に点列が並ぶ。そのため、電子透かし等の新たな情報付加機能は、「直線状に並んだ点列の規則を変更することによって、付加信号を形成する方法」で実現するのが妥当である。この場合、情報付加のための画素値変更処理は、印刷用データが、各色のディザ処理の組合せで構成されていることを考慮し、違和感の無い画質(画素値変更部における正規のディザ処理を肩代りするなど)に仕上げる必要がある。これに関連する従来技術の例を以下にあげる。
【0010】
特許文献1に開示された「画像へのデータ合成方法」は、画像信号中に文書等の他のデータを混入し又は分離する方法である。対称形となる閾値テーブルを使用して、電子透かしON/OFF情報にする。組織的ディザ法におけるディザマトリックスの数を従来の2倍以上(同じ濃度を表すマトリックスの数を2倍以上にする)に増やし、複数種類のディザマトリックスを使い分けることによって、電子透かしのbit ON/OFF情報に使用する方法である。メリットは、画素値変更が原画像に及ばず、ディザ表現だけになるので、画質劣化が軽減することである。
【特許文献1】特許第2640939号公報(特開昭63-214067号公報)
【非特許文献1】「電子透かし技術に関する調査報告書」1999年3月、日本電子工業振興協会編。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述したように、従来のディザを利用した電子透かしの埋込み方法では、bit表現方法が単純であるので埋込み情報が見破られやすく、成りすましの格好の標的となりやすい。また、特許文献1の方法では、組織的ディザ法を使用することによって、例えば、4×4格子1組によって1bitを表現しており、埋込む透かし情報密度を多く出来ていない。
【0012】
本発明の目的は、これらを鑑みて改善点を提案するものである。上記従来の問題を解決して、ディザ化した画像に電子透かしを埋め込む際に、改ざん検知や著作権情報抽出の性能を上げるために、画質劣化を極力抑えながら、埋め込む透かし情報量をできるだけ多くすることであり、かつ、ディザ展開部への電子透かし情報埋込み方法を複雑化し、解読され難くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明では、画像処理方法を、電子透かし埋込みのために特定画像領域を組織的ディザ法のドット集中型のディザ展開画素にディザ展開する際に、電子透かし情報を埋込むべき矩形領域を決定して矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、平面を埋め尽くす2個の基本形による非周期的タイル貼りの頂点の位置にディザの1点を表す画素を置くことによって、平面に無駄なく埋込データを埋込対象となる画像データに電子透かしとしてbit ON/OFF情報を埋め込み、電子透かし情報を抽出すべき矩形領域を決定して矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、電子透かしが埋め込まれた画像データの中から電子透かしを抽出するようにした。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成により、平面を埋め尽くすタイルパターンの頂点部にドット展開する画像のディザ展開処理の特徴を生かして、画像の場所を選ばず、画質劣化を均質化(複数の菱形など適用する形の種類を限定することによる)かつ抑え、かつ埋込む電子透かし情報量を増加し、及び埋込んだ画像から埋込み情報を抽出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例は、ディザの色別固有の画素点配置に注目して、ディザを形作る画素点の位置に、平面を埋め尽くす非周期的タイリングでの多角形の頂点の位置を使用することにより、電子透かし情報を埋め込み、抽出時には、この画素点の位置から、平面を埋め尽くす非周期的タイリング基本形の辺を認識することによって判断する画像処理方法である。
【0017】
図1は、本発明の実施例における画像処理方法を実行する画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図2は、電子透かしを埋め込む処理手順を示す流れ図である。図3は、画像を解析して電子透かしを抽出する処理手順を示す流れ図である。図4は、2個の菱形の基本図形を構成要素にする方法を説明する図である。図5は、矢じり形と凧形2個の基本図形を構成要素にする方法を説明する図である。図6は、2個の基本図形を構成要素にする方法の詳細を説明する図である。図7は、矩形領域内の左上先頭に埋め込む菱形の形と向きの種類を示す図である。図8は、先頭の菱形に続く菱形とbit列情報を示す図である。
【0018】
図1において、CPU(中央処理装置)1は、この画像処理装置の動作制御を行うものである。ROM(リード・オンリ・メモリ)2は、CPU1が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのものである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)3は、CPU1のワークエリア等を構成するためのものである。時計回路4は、現在日時情報を出力するためのものである。磁気ディスク装置5は、種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、画像データデータなどの種々のデータを記憶するためのものである。
【0019】
ディザ展開部6は、電子透かし埋込みの為に特定画像領域をディザ展開する手段であり、生成されたデータは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋込み部9に与えられる。また、電子透かし埋込み又は抽出箇所をチェックする為に、ディザ展開できるかどうかチェックするための手段でもあり、チェック結果のデータは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋込み部9又は電子透かし抽出部10に与えられる。対象となる領域の範囲は、ディザ展開領域決定部11より指示される。ソースデータ符号化部7は、任意のデータ入力手段で外部から入力されたデータを使用して、暗号化または符号化するためのものである。ソースデータ符号化部7の出力データは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋込み部9に与えられる。
【0020】
電子透かし抽出データ復号化部8は、電子透かし抽出部10によって磁気ディスク装置5に格納されている電子透かし抽出データを暗号解読など復号化し、磁気ディスク装置5の別の場所に格納する。電子透かし埋込部9は、ソースデータ符号部化7により生成された埋込データを、埋込対象となる画像データに対して、電子透かしとして埋込むためのものである。電子透かし埋込み対象となる領域の範囲は、ディザ展開領域決定部11で決定し、電子透かし埋込みは、ディザ展開部6で行う。電子透かし抽出部10は、電子透かしが埋込まれた画像データの中から電子透かしを抽出し、メモリ4の別の場所に格納するためのものである。電子透かし抽出対象となる領域範囲及び抽出情報は、ディザ展開領域決定部11で決定する。また、抽出直後の電子透かし情報は、電子透かし抽出データ復号化部8による暗号解読など復号化する目的のために、磁気ディスク装置5に格納する。
【0021】
ディザ展開領域決定部11は、電子透かし情報を複数の基本ディザ展開方法を使い分けることによって埋込むべき、又は電子透かし情報を抽出すべき、矩形領域を決定し、電子透かし情報との対応付けを行う。電子透かし埋込み又は抽出処理の有効性は、ディザ展開部6のチェック結果に従って判断する。CRT画面表示装置12は、この画像処理装置を操作するための画面を表示するためのものであり、表示制御部13は、CRT画面表示装置12の表示内容を制御するためのものである。キーボード装置14は、この画像処理装置に種々のキー操作を行うためのものであり、画面指示装置15は、CRT画面表示装置12の任意の点を指示する等の操作作業を行うためのものであり、入力制御部16は、キーボード装置14および画面指示装置15の入力情報を取り込む等するためのものである。
【0022】
ネットワークインタフェース回路17は、この画像処理装置をネットワーク(図示略)に接続するためのものであり、ネットワーク伝送制御部18は、ネットワークを介して他の端末装置との間で種々の情報をやりとりするための伝送制御処理を行うためのものである。これらのCPU1、ROM2、RAM3、時計回路4、磁気ディスク装置5、ディザ展開部6、ソースデータ符号化部7、電子透かし抽出データ復号化部8、電子透かし埋込部9、電子透かし抽出部10、ディザ展開領域決定部11、表示制御部13、入力制御部16、および、値とワーク伝送制御部18は、バス19に接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこのバス19を介して行われる。
【0023】
また、CRT画面表示装置12、キーボード装置14および画面指示装置15は、ユーザに対するユーザ・インタフェース機能を実現しており、例えば、各種操作指示や機能選択指令、編集データ等を入力したり、電子透かしデータを画像ブロック単位に埋込むまたは抽出する時のブロックサイズを入力したり、埋込まれたデータ内容を隠蔽する目的で、電子透かしデータを暗号化する時および暗号化された電子透かしを解読する時に、秘密キーを入力するために用いられる。また、キー操作により、電子透かし解読結果を入力イメージ画像データと重ね合わせて表示させたり、どちらか一方のみを選択して表示させたりするような表示操作機能も実現することができる。また、処理画像データは、例えば、磁気ディスク装置5にあらかじめ保存されたもの、あるいは、ネットワークを介し、他の端末装置等から受信したものを適用することができる。なお、さらに、交換可能な記憶媒体を適用できる光学ディスク装置(例えば、CD-ROM駆動装置、DVD駆動装置など)や、デジタルスチルカメラ装置、スキャナ装置を備えて、処理画像データを入力するようにすることも可能である。
【0024】
上記のように構成された画像処理装置で実行する本発明の実施例における画像処理方法の動作手順を説明する。最初に、画像処理方法の原理と概要を説明する。ディザの色別固有の画素点配置に注目して、ディザを形作る画素点の位置に平面を埋め尽くす非周期的タイリングでの多角形の頂点の位置を使用することにより、電子透かし情報を埋め込み、抽出時には、この画素点の位置から、平面を埋め尽くす非周期的タイリング基本形の辺を認識することによって判断する。
【0025】
電子透かし埋込みのために特定画像領域を組織的ディザ法のドット集中型のディザ展開画素にディザ展開する際に、電子透かし情報を埋め込むべき矩形領域を決定して矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、平面を埋め尽くす2個の基本形による非周期的タイル貼りの頂点の位置に点を表す画素を置き、埋込データを埋込対象となる画像データに電子透かしとしてbit ON/OFF情報を埋め込み、電子透かし情報を抽出すべき矩形領域を決定して矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、電子透かしが埋め込まれた画像データの中から電子透かしを抽出する。平面を埋め尽くす2個の基本形は、内角が36度と144度の菱形と内角が72度と108度の菱形である。
【0026】
図6に示すように、頂点に集まる辺の数が偶数個ならbit0を表し、奇数個ならbit1を表すように最小情報1bitを埋め込む。または、頂点に集まる辺によって形成される角の角度に、1つ置きにマイナス値で足しこむことによって、合計値がマイナスならbit0を表し、プラスならbit1を表し、ゼロなら当該頂点での1bit情報は無効値であることを表すように最小情報1bitを埋め込む。または、頂点に集まる辺によって形成される角の角度に、1つ置きの角度だけを足しこむことによって、合計値が単位角度の偶数倍ならbit0を表し、奇数倍ならbit1を表すように最小情報1bitを埋め込む。または、基本形の形状の並びでbit列を表すように最小情報1bitを埋め込む。図5に示すように、平面を埋め尽くす2個の基本形が、内角が36度と72度と216度である矢じり形と内角が72度と144度の凧形である場合は、矢じり形が下向きならbit0を表し、上向きならbit1を表すように最小情報1bitを埋め込む。
【0027】
次に、図2と図4と図7と図8を参照しながら、電子透かしを埋め込む場合の処理の要点を、処理順に説明する。(A)印刷画像全体に敷き詰める菱形を、埋め込むべきbit情報に従って、一つずつ決定する。(B)画像に敷き詰める菱形の場所と形を決定する。例えば、図4で示すように、埋め込み先の対象画像が矩形領域とする。図4の左上(‘a’)から右上(‘i’)まで埋める。その後、右上の菱形に接続する右上直下(‘j’)を埋める。さらに、左上(‘a’)の菱形に接続する左上直下(‘r’)まで埋める。その菱形に接続する左上直下が接続できないので、‘s’を埋める。このような順に敷き詰める。埋込情報(bit値)も、その順番に埋め込む。
【0028】
その際に、平面状の矩形領域に埋め込む上での制限事項として、例えば、以下の制限事項がある。(制限a)画像矩形領域に菱形を敷き詰める埋込順の規則がある。(制限b)新たに埋込む菱形は、この矩形領域の内側に収まることが必要である。(制限c)埋め込み情報は、矩形領域の内側に敷き詰める菱形で、総て表現する。(制限d)一頂点に集まる菱形の角の合計は、平面化のために360度であることが必須である。(制限e)ドット展開時のドット高密度化の回避するために、一頂点に集まる角の数が7以上になることを禁止する。
【0029】
ここで、(制限d)においては、一頂点を複数の菱形で埋め尽くす場合に、360度を形成するために、菱形の頂点を1点に合せて一つずつ並べていって埋め尽くすことになる。最後の埋め尽くしに使用する菱形は、選ぶことができなくて、必然的に合計が360度になるように決定されることになる。例えば、ある頂点について、複数の菱形の頂点によって、既に合計で324度分が決まっている場合、扱っている2つの菱形の頂点が集まって敷き詰める角度の合計は、総て36度の倍数になるので、残りは36度(360−324)になる。この時、残りの36度の角度を敷き詰められる菱形の頂点角の組合せは、36度のもの(図4の角度α)ひとつしかなく、選択の余地がない。同様に、残り角度と、そこを敷き詰めるために選択できる角度の組合せは、以下のとおりである。
【0030】
残り角度が72度の場合は、敷き詰められる組合せは、{72度}と{36度→36度}の2種類である。残り角度が108度の場合は、敷き詰められる組合せは、{108度}と{72度→36度}と{36度→72度}と{36度→36度→36度}である。残り角度が144度の場合は、敷き詰められる組合せは、{144度}と{108度→36度}と{72度→72度}と{72度→36度→36度}と{36度→108度}と{36度→72度→36度}と{36度→36度→72度}と{36度→36度→36度→36度}である。{}で埋込める1組を表し、‘→’でそれぞれの場合の埋込み順を表してある。
【0031】
ひとつの頂点について、敷き詰める菱形の最後の角(全角表現の数字角度:36度)は、他の角度を選択できる余地がなく、任意情報を埋め込む機能には使用できない。ただし、この使用できない角を持つ菱形を、情報埋込み時に無効にすること、及び情報抽出時に無効と認識することは可能であるので、埋込み情報bit列全体の誤認識に繋がることはない。
【0032】
以上の制限のもとに、菱形を埋め込む方法(順番)は、例えば、上記(B)に従うと、矩形画像領域の左上からはめ込むものであり、最初に埋め込む菱形は、図7のように、4種類の中から選べることになる。ここで、埋込み情報の先頭bit値が0で、図7の〔1〕を選んだ場合は、はめ込む菱形の2番目のものは、同様に上記(B)に従って、図8のように、5種類となり、埋込むべきbit列情報に従って、その後に続いてはめ込む菱形の形と向きが決定していく。
【0033】
次に、図2のフローチャートの各ステップ(S1〜S8)に従って説明する。ステップ1で、選択機能を決定するために、キーボードからのキー入力等で入力)し、以下の処理のために、その内容をメモリに保存する。電子透かしにして埋め込みたい情報を、パスワードなどの秘密キーによって予め暗号化してから電子透かしに埋め込み、埋込情報の解読をより困難にする。また、図8の(a)と(b)のように、同一情報を埋め込むのに、複数の状態が選べるので、(a)又は(b)のどちらを選択するのかを、この秘密キーを使用してランダム数を生成し、その結果が偶数か奇数かで判断する。この方法は、既存の方法を利用することで可能である。ただし、常に暗号化してから電子透かしを埋め込むのは必須ではなく、暗号化する必要があるかどうかは選択できるものである。条件入力は、図7で表すドット展開開始位置の明確化と、(制限a)を決定するために、オペレータが指示するものである。この指示は、次のステップ2で利用される。
【0034】
ステップ2は、ループ処理の最初の処理であり、新たに埋め込む菱形は、現時点で、最後(直前)に埋込んだ菱形に接するように埋め込むので、ここでは、接する辺を決定する。捜索順の<1>〜<4>は、ステップ1の条件入力で決定している。また、ループの最初では、図7で表すドット展開開始位置をステップ1の条件入力で指定された通りに実行する。<1>〜<4>の捜索において、既に別の菱形が接していれば、次の位置(<1>→<2>など捜索位置の番号を上げる)を捜索する。また、空いている位置が見つかっても、そこに新たに接する菱形が矩形全体画像の内側に展開できなければ、電子透かし埋込み情報を持つ菱形としては有効にならないので、捜索番号を上げて(例えば、<2>→<3>など)捜索する。
【0035】
ステップ3では、新たに菱形が埋め込める空き領域が無ければ、ステップ4に移行する。まだ空き領域が存在する場合には、ステップ5に移行する。ステップ4は、電子透かし後処理を行う。即ち、埋込み状態を示す報告情報を出力する。ステップ4の処理が終了した後は、実行を終了する。ステップ5は、(制限d)を判断する。該当すれば、今回の埋込みの菱形は、電子透かし情報として有効な1bit情報とみなさないと判断とし、穴埋め用の菱形を埋め込む情報を記憶してステップ7に移行する。また、該当しなければ、今回の埋込みの菱形は電子すかし情報として有効であるとみなして、ステップ6に移行する。
【0036】
ステップ6は、埋め込むべき菱形を選択して、対象画像に埋め込む情報を記憶する。ステップ7は、上記の埋め込むべき菱形の位置情報を基に、埋込み対象画像に対し、新たに埋め込む菱形の頂点に当たる2点の位置にディザを形成するドット展開する。ステップ8は、以降に埋め込む(ループ処理の以降の処理用)菱形の位置を決定するために必要な情報として、今回埋め込んだ菱形の位置情報(4頂点の位置座標値)を記憶する。
【0037】
次に、図3と図7と図8を参照しながら、処理詳細フローを説明する。このフローチャートは、印刷物などの画像を解析して電子透かしを抽出する場合を表現している。最初に、処理の要点を処理順に説明する。(C)印刷画像全体に敷き詰められている菱形を形成する全辺を認識する。菱形を形成する頂点とみなす開始点を決定し、そこから、菱形の一辺の長さ(LL)に相当する距離の位置にある印刷された単位ドット(2×2dot、3×3dotなど)を捜索する。見つかれば、その点と開始点とを結んだ直線が、一辺の長さLLの菱形を形成する辺とみなせる。同様に、新たに見つかった単位ドットを開始点にして、そこから、菱形の一辺の長さに相当する距離の位置にある印刷された単位ドット(2×2dot、3×3dotなど)を捜索し、見つかった点と、当該開始点とを結んだ直線が菱形を形成する1辺と判断できることになる。(D)埋め込まれているbit情報を抽出する。上記(C)によって、印刷画像に敷き詰められている菱形の位置と種類(2種類など複数種類からの識別)が明確になっているので、bit情報埋込み時と同様に、菱形の辺と頂点との関係から、埋め込まれているbit情報を抽出する。
【0038】
次に、図3のフローチャートの各ステップ(S11〜S18)に従って説明する。ステップ11によって、選択機能を決定するための情報をキー入力し、以下の処理のために、その内容をメモリに保存する。電子透かしにして埋め込みたい情報を、秘密キー(パスワードなど)によって予め暗号化してあるので、それを解読するためのキーを入力する。また、図8の(a)と(b)のように、同一情報を埋め込むのに、複数の状態が選べるので、(a)又は(b)のどちらかを選択する。例えば、この秘密キーを使用してランダム数を生成し、その結果が偶数か奇数かで判断するなどの方法を利用する。この方法は既存の方法を利用することで可能である。ただし、常に暗号化してから電子透かしを埋め込むのは、必須ではなく、暗号化する必要があるかどうかは、選択できるものである。
【0039】
条件入力は、図7に示すドット展開開始位置と(制限a)を決定するために、オペレータが行うものである。この指示は、ステップ13で利用される。以上の入力は、電子透かし埋込み時と一致させることによって有効になる。ステップ12では、上記(C)に従って、画像全体のドット展開点を分析して、全菱形を認識する。ステップ13は、ループ処理の最初の処理であり、新たに抽出する菱形は、現時点で、最後(直前)に抽出した菱形に接するように抽出するので、ここでは、接する辺を決定する。捜索順の<1>〜<4>は、ステップ11の条件入力で決定している。また、ループの最初では、図7に示すドット展開開始位置をステップ11の条件入力で指定されたとおりに実行する。<1>〜<4>の捜索において、既に別の菱形が接していれば、次の位置(<1>→<2>など捜索位置の番号を上げる)を捜索する。また、空いている位置が見つかっても、そこに新たに接する菱形が矩形全体画像の内側に展開できなければ、電子透かし埋込み情報を持つ菱形としては有効にならないので、捜索番号を上げて(例えば、<2>→<3>など)捜索する。
【0040】
ステップ14では、新たに菱形が抽出できる空き領域が無ければ、ステップ15に移行する。まだ空き領域が存在する場合には、ステップ16に移行する。ステップ15では、電子透かし後処理を行う。即ち、抽出処理が成功したかどうか、抽出情報は何か、などを出力する。ステップ15の処理が終了した後は、プログラムの実行を終了する。ステップ16では、(制限d)を判断する。該当すれば、今回の埋込みの菱形は、電子透かし情報として有効な1bit情報とみなさない判断とし、穴埋め用の菱形の抽出情報を記憶してステップ17に移行する。また、該当しなければ、今回抽出の菱形は電子すかし情報として有効であるとみなして、ステップ17に移行する。ステップ17では、抽出した菱形が電子透かしとして有効であるとみなして、1bit情報として記憶する。ステップ18では、抽出した菱形の位置情報を基に、これ以降に抽出する菱形(ループ処理以降の処理用の菱形)の位置を決定するために必要な情報として、今回抽出した菱形の位置情報(4頂点の位置座標値)を記憶する。
【0041】
上記のように、本発明の実施例では、画像処理方法を、ディザの色別固有の画素点配置に注目して、ディザを形作る画素点の位置に、平面を埋め尽くす非周期的タイリングでの多角形の頂点の位置を使用することにより、電子透かし情報を埋め込み、抽出時には、この画素点の位置から、平面を埋め尽くす非周期的タイリング基本形の辺を認識することによって判断するようにしたので、画像のディザ展開処理の特徴を生かして、画像の場所を選ばず、画質劣化を均質化かつ抑え、かつ解読され難く、電子透かしを埋込み及び抽出することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の画像処理方法は、ディザ展開した画像に埋め込まれた電子透かしから著作権情報などを検出する画像処理方法として最適である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例における画像処理方法を実行する画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例における画像処理方法で電子透かしを埋め込む処理手順を示す流れ図である。
【図3】本発明の実施例における画像処理方法で画像を解析して電子透かしを抽出する処理手順を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施例における画像処理方法で2個の菱形の基本図形を構成要素にする方法を説明する図である。
【図5】本発明の実施例における画像処理方法で矢じり形と凧形2個の基本図形を構成要素にする方法を説明する図である。
【図6】本発明の実施例における画像処理方法で2個の基本図形を構成要素にする方法の詳細を説明する図である。
【図7】本発明の実施例における画像処理方法で矩形領域内の左上先頭に埋め込む菱形の形と向きの種類を示す図である。
【図8】本発明の実施例における画像処理方法で先頭の菱形に続く菱形とbit列情報を示す図である。
【図9】面積階調法の体系の中のディザ法の位置を説明する図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・・CPU、2・・・ROM、3・・・RAM、6・・・ディザ展開部、7・・・ソースデータ符号部、8・・・電子透かし抽出データ復号化部、9・・・電子透かし埋込部、10・・・電子透かし抽出部、11・・・ディザ展開領域決定部、12・・・CRT画面表示装置、13・・・表示制御部、14・・・キーボード装置、15・・・画面指示装置、16・・・入力制御部、17・・・ネットワークインタフェース回路、18・・・ネットワーク伝送制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子透かし埋込みのために特定画像領域を組織的ディザ法のドット集中型のディザ展開画素にディザ展開する際に、電子透かし情報を埋込むべき矩形領域を決定して、矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、平面を埋め尽くす2個の基本形による非周期的タイル貼り(ペンローズが提案したもの等、以下同様)の頂点の位置に点を表す画素を置き、埋込データを埋込対象となる画像データに電子透かしとしてbit ON/OFF情報を埋め込み、電子透かし情報を抽出すべき矩形領域を決定して、矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行い、電子透かしが埋め込まれた画像データの中から電子透かしを抽出することを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記、平面を埋め尽くす2個の基本形は、内角が36度と144度の菱形と、内角が72度と108度の菱形であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項3】
頂点に集まる辺の数が偶数個ならbit0を表し、奇数個ならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項4】
頂点に集まる辺によって形成される角の角度を、交互に加算減算して、合計値がマイナスならbit0を表し、プラスならbit1を表し、ゼロなら当該頂点での1bit情報は無効値であることを表すように、最小情報1bitを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項5】
頂点に集まる辺によって形成される角の1つ置きの角度を足して、合計値が単位角度の偶数倍ならbit0を表し、奇数倍ならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項6】
基本形の形状の並びでbit列を表すように、最小情報1bitを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記、平面を埋め尽くす2個の基本形は、内角が36度と72度と216度である矢じり形と、内角が72度と144度の凧形であり、矢じり形が下向きならbit0を表し、上向きならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項8】
電子透かし埋込みのために特定画像領域を組織的ディザ法のドット集中型のディザ展開画素にディザ展開するディザ展開部と、電子透かし情報を埋込むべき矩形領域と電子透かし情報を抽出すべき矩形領域を決定して矩形領域と電子透かし情報との対応付けを行うディザ展開領域決定部と、埋込データを埋込対象となる画像データに電子透かしとしてbit ON/OFF情報を埋め込む電子透かし埋込部と、電子透かしが埋め込まれた画像データの中から電子透かしを抽出する電子透かし抽出部とを具備する画像処理装置であって、前記電子透かし埋込部は、平面を埋め尽くす2個の基本形による非周期的タイル貼りの頂点の位置に点を表す画素を置く手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記、平面を埋め尽くす2個の基本形は、内角が36度と144度の菱形と、内角が72度と108度の菱形であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記電子透かし埋込部は、頂点に集まる辺の数が偶数個ならbit0を表し、奇数個ならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込む手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記電子透かし埋込部は、頂点に集まる辺によって形成される角の角度を交互に加算減算した合計値がマイナスならbit0を表し、プラスならbit1を表し、ゼロなら当該頂点での1bit情報は無効値であることを表すように、最小情報1bitを埋め込む手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記電子透かし埋込部は、頂点に集まる辺によって形成される角の1つ置きの角度だけを加算した合計値が単位角度の偶数倍ならbit0を表し、奇数倍ならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込む手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記電子透かし埋込部は、基本形の形状の並びでbit列を表すように、最小情報1bitを埋め込む手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記、平面を埋め尽くす2個の基本形は、内角が36度と72度と216度である矢じり形と、内角が72度と144度の凧形であり、前記電子透かし埋込部は、矢じり形が下向きならbit0を表し、上向きならbit1を表すように、最小情報1bitを埋め込む手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータで実行させるための処理手順を記述したコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のコンピュータプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−236227(P2008−236227A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71231(P2007−71231)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】