説明

画像処理装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】ユーザの認証状態に応じて、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を動的に変更する画像処理装置、その制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】本画像処理装置は、ユーザのログインが失敗したと場合は、複数のウィンドウのうち第1ウィンドウと第2ウィンドウとの表示優先度を設定せず、ログインが成功した場合は、第1ウィンドウと第2ウィンドウとが同じ優先度となるように、表示優先度を設定し、当該表示優先度に従って各ウィンドウを表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の複合機では、機器組み込みのウェブブラウザを用いて、ウェブサーバにアクセスし、サーバアプリケーションと複合機の連携動作によって、スキャンやプリントなどのアプリケーションを実現することが多くなってきている。この実施形態はアプリケーションを個々の複合機にインストールする必要がなく、ウェブサーバにインストールするだけで済むためTCO面で大きな利点があり、複合機の高機能化にともない、今後さらに増加すると考えられる。
【0003】
このようなユースケースでは、導入先の顧客環境にカスタマイズされたウェブアプリケーションをウェブブラウザにおいて操作し、ユーザの操作は基本的にウェブブラウザ上で完結することになる。しかし、カスタマイズが必要ない一般的な機能は、複合機に予め組み込まれているアプリケーションを利用し、両者を併用したいという要望もある。この場合、ウェブブラウザ上での操作と、複合機に組み込まれているアプリケーションとの操作をシームレスに実現することが操作性上重要となる。
【0004】
さらに、当然のことながら複合機に対するユーザ認証も、複合機に予め組み込まれたログイン画面ではなく、ウェブサーバで集中管理したいという要望も発生する。この場合、複合機に対するログイン画面表示としての役割を汎用的なコンテンツ表示機構であるウェブブラウザが担う必要が生じる。例えば、特許文献1には、外部認証アプリケーションを複合機の画面の最上位に表示しアクセス制御を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−087399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術には以下に記載する問題がある。一般的な複合機では、ユーザの操作が伴わなくとも、複合機の状態に応じて用紙なしや用紙詰まりなど自動的に様々な画面を表示する場合がある。このため、複合機のウィンドウ管理機構は、ユーザ認証を必要とするモードで運用されている場合には、ユーザの認証を必要とする機能の画面が、ユーザ未認証の状態で表示しないよう制御を行い、アクセス制限を実施している。
【0007】
このため、上述したように、複合機のユーザ認証をウェブサーバで集中管理する構成においては、汎用的なコンテンツ表示機構であるウェブブラウザのウィンドウ表示優先度を、ユーザの認証状態に応じて制御する課題が発生する。つまり、ユーザ認証後に利用可能とすべきウェブアプリケーションや、複合機に予め組み込まれているアプリケーションをユーザ未認証の状態では表示せず、認証前に表示すべきログイン用のウェブアプリケーションは表示するといった制御が必要になる。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、ユーザの認証状態に応じて、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を動的に変更する画像処理装置、その制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ウェブサーバと接続され、ウェブサーバが提供する外部コンテンツを表示する第1ウィンドウと、予め保持している画面情報を用いて画面を表示する第2ウィンドウとを表示部に表示する画像処理装置として実現できる。画像処理装置は、ユーザからのログインを受け付け、ウェブサーバへユーザのログインを要求する要求手段と、ウェブサーバからの応答を解析して、要求手段によって要求したユーザのログインが成功したか否かを判定するログイン判定手段と、ログイン判定手段によってログインが失敗したと判定すると、複数のウィンドウのうち第1ウィンドウと第2ウィンドウとの表示優先度を設定せず、ログイン判定手段によってログインが成功したと判定すると、第1ウィンドウと第2ウィンドウとが同じ優先度となるように、表示優先度を設定する優先度設定手段と、表示優先度に従って各ウィンドウを表示部に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ユーザの認証状態に応じて、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を動的に変更する画像処理装置、その制御方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置を有するシステムの構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るウェブ認証モードを設定する画面である。
【図5A】、
【図5B】本実施形態に係るログイン及びウィンドウ優先度切り替え処理を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態に係るユーザログイン前後のウィンドウ優先度を示す図である。
【図7】本実施形態に係るログイン及びウィンドウ優先度切り替え処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
<システム構成>
まず、図1を参照して、本願発明に係る画像処理装置を有するシステム構成について説明する。本実施形態に係る画像処理システム100は、ネットワークを介して接続された画像処理装置101、102、及びPC(パーソナルコンピュータ)103を備える。本実施形態において、画像処理装置101、102、及びPC103は、イーサネット(登録商標)104により接続されているものとするが、あくまでもシステムの一例である。例えば、PC103のウェブサーバ機能を画像処理装置101に実装し、画像処理装置101のみで構成してもよい。
【0014】
画像処理装置101は、複合機であり、自装置が予め保持している画面情報を用いて画面を表示部に表示するのに加えて、PC103が提供する外部コンテンツを表示部に表示するウェブブラウザ機能を有する。また、画像処理装置101は、紙原稿を複写する機能のみならず、外部のプリンタドライバから送付された印刷データを印刷する機能、紙原稿を読み込みそのデータを外部のファイルサーバあるいはメールアドレス宛に送信する機能(SEND機能)を有する。さらには、他の画像処理装置102にデータを送信して、送信先の画像処理装置102で印刷する機能(リモートコピー機能、ファクシミリ機能)、後述するPC103にアクセスして、さまざまなウェブページを表示する機能も有する。PC103は、サーバPCであり、画像処理装置101からのウェブページ取得要求に応じて、ウェブページを構成するHTMLデータ(画面情報)を画像処理装置101へ返却するウェブサーバである。
【0015】
<画像処理装置のハードウェア構成>
次に、図2を参照して、画像処理装置101のハードウェア構成について説明する。なお、画像処理装置102も以下で説明する画像処理装置101の構成と同様の構成を有するため説明を省略する。画像処理装置101は、コントローラユニット200、操作部212、スキャナ270、及びプリンタ295を備える。また、コントローラユニット200は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、画像バスI/F205、操作部I/F206、SRAM209、ネットワークI/F210、RTC211、デバイスI/F220、画像回転部230、画像圧縮/伸張部240、モデム250、RIP260、スキャナ画像処理部280、及びプリンタ画像処理部290を備える。
【0016】
コントローラユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ270や画像出力デバイスであるプリンタ295と接続し、一方ではイーサネット(登録商標)104や公衆回線と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。CPU201は、画像処理装置101を制御するコントローラである。RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM203は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD204は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、及び画像データを格納する。
【0017】
操作部I/F206は、タッチパネルを有する操作部212とのインタフェース部であり、操作部212の表示部に表示する画像データを操作部212に対して出力する。また、操作部212から本システム使用者が入力した情報を、CPU201に伝える役割をする。ネットワークI/F210は、イーサネット(登録商標)104に接続し、情報の入出力を行う。モデム250は、公衆回線に接続し、情報の入出力を行う。
【0018】
SRAM209は、高速動作可能な不揮発性の記憶媒体である。RTC211は、リアルタイムクロックであり、コントローラユニット200に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける。以上のデバイスがシステムバス207上に配置される。
【0019】
画像バスI/F205はシステムバス207と画像データを高速で転送する画像バス208を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス208は、PCIバス又はIEEE1394で構成される。画像バス208上には以下のデバイスが配置される。
【0020】
RIP260は、ラスターイメージプロセッサであり、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F220は、画像入出力デバイスであるスキャナ270やプリンタ295とコントローラユニット200を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部280は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部290は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部230は、画像データの回転を行う。画像圧縮/伸張部240は、圧縮伸張処理を行う。
【0021】
<画像処理装置のソフトウェア構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る画像処理装置101のソフトウェア構成について説明する。このソフトウェアは、いわゆるファームウェア350として画像処理装置101のHDD204に記憶されており、RAM202に読み出されCPU201によって実行される。ファームウェア350は、コントローラプラットフォーム302、システムサービス306、アプリケーションプラットフォーム307、メインメニュー310、ウェブブラウザ311、コピー312、及びスキャン313を有する。コントローラプラットフォーム302は、ファイルシステム303、ジョブ・デバイス制御部304、及びカウンタ305を備える。システムサービス306は、アプリケーション管理部308及びウィンドウ管理部309を備える。
【0022】
リアルタイムOS301は、リアルタイムオペレーティングシステムであり、組み込みシステムの制御に最適化された各種資源管理のサービスと枠組みを、その上で動作するソフトウェアのために提供する。リアルタイムOS301による各種資源管理のサービスと枠組みには、CPU201による処理の実行コンテキストを複数管理して複数の処理を実質的に並行動作させるマルチタスク(スレッド)管理、タスク間の同期やデータ交換を実現するタスク間通信がある。さらに、メモリ管理、割り込み管理、各種のデバイスドライバ、ローカルインタフェースやネットワークや通信などの各種プロトコルの処理を実装したプロトコルスタックなどもある。
【0023】
ファイルシステム303は、HDD204やRAM202などの記憶装置上に構築されたデータを格納するための機構である。ジョブ・デバイス制御部304は、画像処理装置101のハードウェアを制御し、また、画像処理装置101の主にハードウェアが提供する基本機能(プリント、スキャン、通信、画像変換など)を利用するジョブを制御する。カウンタ305は、SRAM209に格納される、アプリケーション毎の有効期限や、プリント、スキャンのカウンタ値を管理する。
【0024】
アプリケーション管理部308は、アプリケーション310、311、312、313等をインストール、アンインストール、起動、停止するための管理モジュールである。ウィンドウ管理部309は、アプリケーション310、311、312、313等が備えるアプリケーションウィンドウの表示順序を制御するための管理モジュールである。アプリケーションプラットフォーム307は、リアルタイムOS301、コントローラプラットフォーム302の機構を、アプリケーション310、311、312,313等から利用可能とするためのミドルウェアである。
【0025】
アプリケーション310、311、312、313は、アプリケーションプラットフォーム307によって提供される機能を利用して、様々なビジネスモデルを実現する応用ソフトウェアである。メインメニュー310は、アプリケーションを選択するメニュー機能を有する。ウェブブラウザ311は、ウェブサーバを閲覧するウェブブラウザ機能を有する。コピー312は、紙原稿を複写するコピー機能を有する。スキャン313は、紙原稿を読み込みそのデータを送信するスキャン機能を有する。
【0026】
<認証設定画面>
次に、図4を参照して、本実施形態に係るウェブ認証モードを設定する画面について説明する。本実施形態のウェブ認証モード設定画面401は、ウィンドウ管理部309が操作部212に対して出力するものである。ウィンドウ管理部309は、ファームウェア350として画像処理装置101のHDD204に記憶されており、RAM202に読み出されCPU201によって実行される。
【0027】
ウェブ認証モード設定画面401では、HDD204に記録されているウェブ認証の利用402の設定値と、ウェブ認証URL設定403の設定値とを表示する。ウェブ認証の利用402をONに設定し、ウェブ認証URL設定403にURL(ウェブサーバの宛先)を登録し、OK404を押下し画像処理装置101を再起動することで、画像処理装置101はウェブ認証モードとして動作する。本実施形態では、ウェブ認証URL設定403に登録されるURLは、ユーザがログイン前であってもウェブブラウザを表示可能なURLとして設定され、ここに設定されていないURLに対してはログイン前にアクセスすることができない。複数登録した場合は一番最初のURLが認証用URLとして扱われる。
【0028】
<優先度切替処理>
次に、図5A及び図5Bを参照して、本実施形態に係るログイン及びウィンドウ優先度切替処理について説明する。本実施形態のウィンドウ管理に係るファームウェア350は、画像処理装置101のHDD204に記憶されており、RAM202に読み出されCPU201によって実行される。図5Aはログインが成功する場合のシーケンスを示している。実際のログインの失敗も考慮した制御については図7を用いて後述する。
【0029】
S501において、ウェブブラウザ311は、ウェブ認証の利用402の設定値を読み出し、ONの場合はさらにウェブ認証URL設定403の設定値を読み出し、PC103に対してログインページ取得要求を発行する。S502において、PC103は、ログインページの画面情報をウェブブラウザ311に返却する。S503において、ウェブブラウザ311は、取得したログインページを操作部212に表示する。
【0030】
次に、S504において、ウェブブラウザ311は、ユーザのログイン指示を検知すると、PC103に対してログイン要求を発行する。S505において、PC103は、ログイン要求に含まれる情報を解析し、正当であると判断した場合は、ウィンドウ優先度変更要求をウィンドウ管理部309に発行する。S506において、ウィンドウ管理部309は、ウェブブラウザ(第1ウィンドウ)602のウィンドウ優先度を、図6の600に示すようにコピーやスキャン(第2ウィンドウ)603などの一般アプリと同等に変更する。図6では、上位に図示しているウィンドウの優先度が高く、並んでいるウィンドウは同じ優先度として管理されている。つまり、600では優先画面601の優先度が高く、ウェブブラウザ602とコピー/スキャン603は同じ優先度を示している。
【0031】
さらに、ログイン後に表示すべき初期画面にウィンドウを切り替え、S507において、ウィンドウ管理部309は、PC103に対して優先度変更応答を行う。S508において、PC103は、優先度変更応答を受信した後、ウェブブラウザ311に対してログイン応答を行う。ここまでで、ログイン処理が完了し、ログイン後に利用可能なアプリケーションにアクセスすることが可能となる。
【0032】
次に、S509において、ウェブブラウザ311は、ユーザのログアウト指示を検知すると、PC103に対してログアウト要求を発行する。S510において、PC103は、ウィンドウ優先度変更要求をウィンドウ管理部309に発行する。S511において、ウィンドウ管理部309は、ウェブブラウザ602のウィンドウ優先度を、図6の610に示すようにコピーやスキャン603などの一般アプリよりも高い優先度に変更する。610では、優先画面601が一番優先度が高く、ウェブブラウザ602が二番目、コピー/スキャン603が三番目の優先度を示している。さらに、ログアウト後に表示すべきウェブブラウザにウィンドウ(例えば、ログイン画面)を切り替え、S512において、ウィンドウ管理部309は、PC103に対して優先度変更応答を行う。S513において、PC103は、優先度変更応答を受信した後、ウェブブラウザ311に対してログアウト応答を行う。S514において、ウェブブラウザ311は、ログインページを表示する。
【0033】
次に、図5Bを参照して、ログインが失敗した場合の処理について説明する。なお、図5Bでは図5Aと同様の処理については同様のステップ番号を付しており、ここでは当該処理の説明を省略する。即ち、S501乃至S503の処理については説明を省略する。
【0034】
S503でログインページを表示した後に、S550において、ウェブブラウザ311は、ユーザのログイン指示を検知すると、PC103に対してログイン要求を発行する。S551において、PC103は、ログイン失敗応答をウェブブラウザ311に対して返却する。S552において、ウェブブラウザ311は、ログイン失敗ページを表示する。このように、本実施形態によれば、ユーザのログインが失敗した場合にはウィンドウ優先度が変更されない。
【0035】
<処理フロー>
次に、図7を参照して、本実施形態に係るウィンドウ管理部309とウェブブラウザ311との処理について説明する。本実施形態のウィンドウ管理部309及びウェブブラウザ311は、ファームウェア350として、画像処理装置101のHDD204に記憶されており、RAM202に読み出されCPU201によって実行される。
【0036】
S701において、ウィンドウ管理部309は、ウェブ認証の利用402の設定値を読み出し、Web認証モードであるか否かを判定する。設定値がOFFであればWeb認証モードではないと判断し、S712進み、ウィンドウ管理部309は、優先度設定手段として機能し、ユーザがログインしているか否かに関係なく、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を通常として設定し、S713に進む。
【0037】
一方、設定値がONであればWeb認証モードであると判断し、S702に進み、ウィンドウ管理部309は、ユーザが操作部212よりログイン済みであるか否かを判定する。ログインしている場合は後述のS708に進む。一方、ログインしてない場合はS703に進み、ウィンドウ管理部309は、優先度設定手段として機能し、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を高として設定する。
【0038】
次に、S704において、ウェブブラウザ311は、表示制御手段として機能し、ウェブ認証URL設定403を読み出し、対応するURLからログインページ用コンテンツを取得して、表示する。続いて、S705において、ウェブブラウザ311は、ユーザからのログイン指示を受け付けたか否かを判定する。ログイン指示が検知されない場合は、定期的にS705の判定を繰り返し実行する。
【0039】
一方、ログイン指示が検知されるとS706に進み、ウェブブラウザ311は、ログイン判定手段として機能し、ログイン要求をPC103に対して発行し、ログイン応答を判定する。ログインが失敗した場合は処理をS705に戻す。一方、ログインが成功した場合は、S707に進み、ウィンドウ管理部309は、優先度設定手段として機能し、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を通常として設定する。続いて、S708において、ウェブブラウザ311は、表示制御手段として機能し、ログイン後の各種コンテンツを取得し、表示する。
【0040】
次に、S709において、ウェブブラウザ311は、ログアウト指示を受け付けた否かを判定する。ログアウト指示が検知されない場合は、処理をS702に戻す。一方、ログアウト指示が検知されるとS710に進み、ウィンドウ管理部309は、ウェブブラウザのウィンドウの表示優先度を高として設定する。S711において、ウェブブラウザ311は、ログアウト処理を実行し、S713に進む。S713において、ウェブブラウザ311は、シャットダウン要求が発生しているか否かを判定し、発生していなければS702に処理を戻し、処理を継続する。一方、シャットダウン要求が発生していれば処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置は、ユーザの認証状態(ログイン前後)に応じて、表示するウィンドウの優先度を変更する。これにより、ユーザ認証後に利用可能とすべきウェブアプリケーションや、複合機に予め組み込まれているアプリケーションを、ユーザ未認証の状態では表示せず、認証前に表示すべきログイン用のウェブアプリケーションは、表示するといった制御が可能になる。
【0042】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサーバと接続され、該ウェブサーバが提供する外部コンテンツを表示する第1ウィンドウと、予め保持している画面情報を用いて画面を表示する第2ウィンドウとを表示部に表示する画像処理装置であって、
ユーザからのログインを受け付け、前記ウェブサーバへ該ユーザのログインを要求する要求手段と、
前記ウェブサーバからの応答を解析して、前記要求手段によって要求したユーザのログインが成功したか否かを判定するログイン判定手段と、
前記ログイン判定手段によってログインが失敗したと判定すると、複数のウィンドウのうち前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウとの表示優先度を設定せず、前記ログイン判定手段によってログインが成功したと判定すると、前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウとが同じ優先度となるように、前記表示優先度を設定する優先度設定手段と、
前記表示優先度に従って各ウィンドウを表示部に表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記優先度設定手段は、
ログインしているユーザがログアウトすると、前記第1ウィンドウの優先度が前記第2ウィンドウの優先度より高くなるように、前記表示優先度を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2ウィンドウの優先度より高い優先度が設定された前記第1ウィンドウでは、ユーザからのログイン指示を受け付けるログイン画面が表示されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ウェブサーバを介したログイン処理を行うウェブ認証モードを設定するモード設定手段をさらに備え、
前記優先度設定手段は、
前記ウェブ認証モードが設定されていない場合には、ユーザがログインしているか否かに関係なく、前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウとが同じ優先度となるように、前記表示優先度を設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記モード設定手段は、さらに、ログイン処理を行う前記ウェブサーバの宛先を設定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
ウェブサーバと接続され、該ウェブサーバが提供する外部コンテンツを表示する第1ウィンドウと、予め保持している画面情報を用いて画面を表示する第2ウィンドウとを表示部に表示する画像処理装置の制御方法であって、
要求手段が、ユーザからのログインを受け付け、前記ウェブサーバへ該ユーザのログインを要求する要求ステップと、
ログイン判定手段が、前記ウェブサーバからの応答を解析して、前記要求ステップにおい要求したユーザのログインが成功したか否かを判定するログイン判定ステップと、
優先度設定手段が、前記ログイン判定ステップにおいてログインが失敗したと判定すると、複数のウィンドウのうち前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウとの表示優先度を設定せず、前記ログイン判定ステップにおいてログインが成功したと判定すると、前記第1ウィンドウと前記第2ウィンドウとが同じ優先度となるように、前記表示優先度を設定する優先度設定ステップと、
表示制御手段が、前記表示優先度に従って各ウィンドウを表示部に表示する表示制御ステップと
を実行することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−254561(P2012−254561A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128642(P2011−128642)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】