説明

画像処理装置、プログラム及び記録媒体

【課題】プリンタや複合機等の画像処理装置において、画像のエッジ部分のジャギーの改善と文字や線画の太りの抑制を両立させる。
【解決手段】 画像データINDATAを中間調処理する中間調処理部104と、画像データINDATAから画像のエッジ部分を検出するエッジ検出部105と、検出されたエッジ部分における中間調処理後の画像データsDATAの画素(エッジ画素)のうち、ドットOFFのエッジ画素に対して当該エッジ画素の中間調処理前の濃度に応じた出力レベルのドットを出力するように補正をし、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素に対してドットの出力レベルを下げるように補正をするエッジ補正処理部106とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットにより階調を表現する電子写真方式やインクジェット方式のプリンタ、複合機などの画像処理装置に係り、特に、このような画像処理装置において中間調処理後の画像データのエッジ部分に生じるジャギーを改善する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式やインクジェット方式のプリンタでは、多値画像データを所定の出力階調数に変換するための中間調処理としてディザ処理を行うことが多い。そして、ディザ処理において、例えば、テキストについては解像度を重視した300線以上の高線数のスクリーンパターンが用いられ、グラフィックやイメージについては階調性を重視した200線程度のスクリーンパターンが用いられる。
【0003】
さて、中間調の文字や線画のエッジ部では、ディザ処理のスクリーンパターンによって、ジャギー(がたつき)が発生するという問題がある(例えば特許文献1の段落[0002]〜[0004]、特許文献2の段落[0017]〜[0019]を参照)。このジャギーの大きさはスクリーン角とエッジの角度に依存し、この角度が近い場合にジャギーが顕著に現れる。
【0004】
このようなジャギーに関する先行技術文献として、例えば特許文献1,2が知られている。特許文献1に開示されている技術では、輪郭画素の周辺にドットがない場合にドットを付加して、ジャギーを補正する。また、その出力するドットのサイズ(出力レベル)を中間調処理前の輪郭画素の画素値レベルに応じて決定することで、孤立ドットと連続ドットの出力特性の違いによる濃度変動を軽減する。また、特許文献2に開示されている技術では、エッジ部において、中間調処理前の画像データをスムージング処理してエッジ補正データを生成し、このエッジ補正データと中間調処理後の画像データとを比較し、その濃度の高い方を出力することにより、エッジ部のドット間にドットを付加してジャギーを補正する。
【0005】
しかし、特許文献1の技術においては、中濃度以上ではエッジ部に複数のサイズのドットが混在するため(特許文献1の図10(c)参照)、ドット再現性(ドットの濃度特性)が変化した場合に、エッジ部で局所的な濃度変動が起こる可能性がある。また、ドット間にドットを付加すると共に、出力レベルが小さいドットを濃くするように補正するので、高濃度の文字や線画で線が太るという問題が発生する。特許文献2の技術においても、ドット間にドットを付加するように補正するため、高濃度の文字や線画で線が太るという同様の問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ドットにより階調を表現する電子写真方式やインクジェット方式のプリンタ、複合機などの画像処理装置において、文字や線画の太りを抑制しつつ画像のエッジ部分に生じるジャギーを効果的に改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
第1の画像データに対して中間調処理を施す中間調処理手段と、
前記第1の画像データから画像のエッジ部分を検出するエッジ検出手段と、
前記エッジ検出手段により検出されたエッジ部分における前記中間調処理後の画像データ(第2の画像データと記す)の画素(エッジ画素と記す)のうち、ドットOFFのエッジ画素に対して当該エッジ画素の前記中間調処理前の濃度に応じた出力レベルのドットを出力するように補正をし、前記中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素に対してドットの出力レベルを下げるように補正をするエッジ補正処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素の全てに対しドットの出力レベルを下げるように補正をすることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素の一部のみに対しドットの出力レベルを下げるように補正をすることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて係数を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて第1の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、その画素値と当該画素に対応して決定された前記係数を乗算し、その乗算結果を量子化することによって第2の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、当該画素に対応して決定された前記第1の補正候補値と前記第2の補正候補値のうちの濃い方の値を当該画素に対応した補正値として選択する手段、及び
前記第2の画像データのエッジ画素の画素値を、当該エッジ画素に対応した前記補正値により置き換える手段を有し、
前記係数を決定する手段は画素値が濃いほど係数の値を減少させ、前記第1の補正候補値を決定する手段は画素値が濃いほど第1の補正候補値を増大させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて係数を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて第1の補正候補値を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値と当該画素に対応して決定された前記係数を乗算し、その乗算結果に対し前記中間調処理手段と同じ中間調処理を施すことにより第2の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、当該画素に対応して決定された前記第1の補正候補値と前記第2の補正候補値のうちの濃い方の値を当該画素に対応した補正値として選択する手段、及び
前記第2の画像データのエッジ画素の画素値を、当該エッジ画素に対応した前記補正値により置き換える手段を有し、
前記係数を決定する手段は画素値が濃いほど係数の値を減少させ、前記第1の補正候補値を決定する手段は画素値が濃いほど第1の補正候補値を増大させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明の画像処理装置において、
前記係数を決定する手段で、エッジ画素のエッジ境界からの距離に応じて当該エッジ画素に対し決定する係数の値を制御することにより、ドットの出力レベルを下げる補正の対象となるエッジ画素に対する出力レベルを下げる度合を、当該エッジ画素のエッジ境界からの距離が大きいほど弱めることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明の画像処理装置において、
前記係数を決定する手段で、所定の線幅以下の線に属する画素、所定の大きさの文字に属する画素、所定の線幅以下の白線に隣接した画素、又は、所定の大きさ以下の白文字に隣接した画素のいずれかの画素(特殊画素と記す)に該当する画素であるか否かに応じて、当該画素に対し決定する係数の値を制御するとともに、
前記第1の補正候補値を決定する手段で、前記特殊画素に該当する画素であるか否かに応じて、当該画素に対し決定する第1の補正候補値の値を制御することにより、
ドットの出力レベルを下げる補正の対象となるエッジ画素に対する出力レベルを下げる度合を、当該エッジ画素が前記特殊画素に該当する場合に前記特殊画素に該当しない場合より強めるとともに、ドットOFFのエッジ画素に出力させるドットの出力レベルを、当該エッジ画素が前記特殊画素に該当する場合に前記特殊画素に該当しない場合より低い出力レベルになりやすくすることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の発明の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の発明の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、中間調処理後の画像データエッジ画素のうち、ドットOFFのエッジ画素に対して当該エッジ画素の中間調処理前の濃度に応じた出力レベルのドットを出力するように補正をすることにより、エッジ部分のジャギーを改善することができ、同時に、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素に対してドットの出力レベルを下げるように補正をするため、ジャギー改善のためのドットの追加による文字や線画の太りを効果的に抑制することができる。また、ドットONのエッジ画素のエッジ境界からの距離が大きいほど、当該エッジ画素のドットの出力レベルを下げる度合を弱めることにより、ドットONのエッジ画素のドット出力レベルの補正による過剰な作用を抑えることができる。また、ドットの出力レベルを下げる補正の対象となるエッジ画素に対する出力レベルを下げる度合を、当該エッジ画素が特殊画素(所定の線幅以下の線に属する画素、所定の大きさの文字に属する画素、所定の線幅以下の白線に隣接した画素、又は、所定の大きさ以下の白文字に隣接した画素のいずれかの画素)に該当する場合に特殊画素に該当しない場合より強めるとともに、ドットOFFのエッジ画素に出力させるドットの出力レベルを、当該エッジ画素が特殊画素に該当する場合に特殊画素に該当しない場合より低い出力レベルになりやすくすることによって、小さい文字や細線の太りを効果的に抑制し、かつ、小さい白文字や細白線のかすれを効果的に防止しつつ、ジャギーの改善が可能である等々の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。
【図2】エッジ補正処理部の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】エッジ補正処理部の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図4】中間調処理のためのディザ閾値マトリクスの例を示す図である。
【図5】エッジ検出用マスクの説明図である。
【図6】エッジ検出用マスクの説明図である。
【図7】補正係数αと入力画像データの画素値(濃度)との関係を示すグラフである。
【図8】補正候補値βと入力画像データの画素値(濃度)との関係を示すグラフである。
【図9】補正係数αと入力画像データの画素値(濃度)との関係を示すグラフである。
【図10】補正候補値βと入力画像データの画素値(濃度)との関係を示すグラフである。
【図11】エッジ補正前の画像データの例を示す模式図である。
【図12】エッジ補正処理後の画像データの例を示す模式図である。
【図13】エッジ補正処理後の画像データの例を示す模式図である。
【図14】エッジ補正処理後の画像データの例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の全体的構成を説明するためのブロック図である。この画像処理装置は、具体的には例えば、サイズの異なる複数種類のドットを用いて階調を表現する形式の電子写真方式やインクジェット方式のプリンタ(画像形成装置)である。この画像処理装置は、独立したプリンタとして実現される場合と、複合機(MFP)のような機器の組み込み装置として実現される場合とがある。なお、図1においては、エッジ補正処理後の画像データOUTDATAに従って、サイズの異なる複数種類のドットを用いて実際に記録媒体上に画像を形成するプリントエンジン機構は図示されていない。
【0020】
図1において、INDATAはプリントすべき画像データであり、ここでは8ビット/画素(256階調)のラスタデータとして説明する。画像データ記憶部102は、画像データINDATAを一時的に記憶する手段である。TAGは画像データINDATAの各画素についての属性情報であり、ここではテキスト/グラフィック/イメージの3種類のオブジェクト情報として説明するが、これ以外の属性情報を含めることも可能である(後記実施例4参照)。属性情報記憶部103は、画像データINDATAの各画素に対応付けて属性情報TAGを一時的に記憶する手段である。PDLデータ処理部101は、外部より入力するPDLデータを解析し、プリントすべき画像データINDATA及び属性情報TAGを生成し、それぞれを画像データ記憶部102及び属性情報記憶部103に書き込む処理を行う手段である。なお、テキスト/グラフィック/イメージのオブジェクト情報などはPDLデータの解析によって直接的に得ることができるが、それによっては取得できないような属性情報もしくは画像特徴情報(後記実施例4参照)については、PDLデータ処理101で、画像データINDATAと属性情報TAGとに基づいて抽出する処理を行う。
【0021】
中間調処理部104は、画像データINDATAに対し中間調処理としてディザ処理を施し、画像データsDATAを出力する。中間調処理部104では、属性情報TAGに応じて、処理対象画素が属しているオブジェクトの種類に最適なスクリーンパターンを選択して用いる。
【0022】
エッジ検出部105は、画像データINDATAから画像のエッジ部分(濃度差が大きい部分の濃い側の画素)を検出し、検出情報をエッジ検出信号DEとして出力する。
【0023】
エッジ補正処理部106は、中間調処理後の画像データsDATAのエッジ部分についてジャギーが目立たないように補正する処理を行い、エッジ補正後の画像データOUTDATAを出力する。
【0024】
画像データsDATA,OUTDATAは、プリンタエンジン機構で出力されるドットの種類(出力レベル)を表す信号である。ここでは、プリンタの出力階調数を4とし、画像データsDATA,OUTDATAの各画素は、ドットOFF、小ドット、中ドット、大ドットの4つの出力レベルをとり得るものとする。ここで、大ドットが最高の出力レベルのドットである。このような4値のデータは最小2ビットで表現可能であるが、ここでは便宜上、各画像データを8ビット(0〜255)/画素のデータであるとし、ドットOFFに0(10進表現)を割り当て、小ドットに85を割り当て、中ドットに170を割り当て、大ドットに255を割り当てるものとして説明する。
【0025】
そして、中間調処理部104では、図4に示すディザ閾値マトリクスを用いて、
INDATA<th1ならば、sDATA=0(ドットOFF)
th1≦INDATA<th2ならば、sDATA=85(小ドット)
th2≦INDATA<th3ならば、sDATA=170(中ドット)
th3≦INDATAならば、sDATA=255(大ドット)
という変換を行うものとして説明する。
【0026】
図11は、上記ディザ閾値マトリクスを用いた中間調処理後の画像データsDATAの例を模式的に示した図である。矢印で示した部分がエッジの境界であり、矢印より左側が白背景、右側がグレーの画像の画像データINDATAを処理した結果を表している。画像データINDATAにおける矢印より右側の濃度は、(a)では65/255、(b)では105/255、(c)では200/255である。ここで、例えば「65/255」は、8ビット表現(0〜255)における65(10進)を意味する。他も同様である。
【0027】
(a)〜(c)では、エッジ部分にドットOFFの画素(白画素)が存在するため、これがエッジ部のジャギーとして認識される。なお、(a)ではドットは大ドットのみであり、(b)では大ドットと小ドットが混在しており、(c)では大ドットと中ドットが混在している。
【0028】
文字や線画の太りを抑制しつつ、このようなジャギーを目立たなくするため、エッジ補正処理部106において、中間調処理後の画像データsDATAに対し、エッジ部分のドットOFFの画素については当該画素の中間調処理前の濃度に応じた出力レベルのドットを出力させるように補正し、かつ、エッジ部分のドットONの画素については中間調処理前の濃度が所定値以上ならばドットの出力レベルを下げるというようなエッジ補正処理を行うが、その詳細は後述する。
【0029】
以下、主としてエッジ検出部105及びエッジ補正処理部106に関し、いくつかの実施例を挙げてより具体的に説明する。
[実施例1]
この実施例1においては、エッジ検出部105は、図5に示すマスクを用い、画像データINDATAから画像のエッジ部分を2画素幅で検出する。すなわち、図5に示す注目画素Aの周辺5×5画素(B0〜B7、C0〜C15)を参照し、以下の算出式でΔを算出する。
Δ=A−MIN(B,C)
ただし、
B=MIN(B0,B1,・・・,B7)
C=MIN(C0,C1,・・・,C15)
ここで、MIN()は、()内の数値の最小値を意味する。
そして、Δ>Thのときに注目画素Aをエッジ画素として検出する。これにより、エッジ部分を2画素幅で検出できる。
【0030】
次に、エッジ補正処理部106について説明する。図2は、この実施例1に係るエッジ補正処理部106の内部構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、エッジ補正処理部106は、エッジ補正データ生成部201とセレクタ202とからなる。エッジ補正データ生成部201は、エッジ検出部105で検出されたエッジ画素について、中間調処理後の画像データsDATAと置き換えるべきエッジ補正データeDATAを生成する部分である。このエッジ補正データeDATAは、画像データsDATA,OUTDATAと同様に出力階調数と同じ4値(0、85、170、255)をとる8ビットデータであるが、2ビットで表現することも可能である。セレクタ202は、属性情報TAGがイメージ・オブジェクトを示す画素については、エッジ検出信号DEと関係なく、中間調処理部104より出力される画像データsDATAを選択して画像データOUTDATAとして出力する。一方、属性情報TAGがテキスト・オブジェクト又はグラフィック・オブジェクトを示している場合、セレクタ202は、エッジ画素ではエッジ補正データeDATAを選択して画像データOUTDATAとして出力し、非エッジ画素では画像データsDATAを選択して画像データOUTDATAとして出力する。すなわち、イメージ・オブジェクト以外では、エッジ部分について画像データsDATAをエッジ補正データeDATAで置き換えることより、エッジ部分のジャギーが補正された画像データOUTDATAを得る。
【0032】
エッジ補正データ生成部201は、α決定部211、β決定部212、α乗算・量子化部213、最大値選択部214から構成される。
【0033】
α決定部211とβ決定部212は、画像データINDATAの画素値すなわち濃度に応じた補正係数αと補正候補値βを決定する手段である。具体的には、α決定部211で求められる補正係数αの値は、図7に示すように、所定濃度未満の低濃度(この例ではINDATA<100)では1.0であり、濃度が高くなる(INDATAが大きくなる)につれて減少し、所定濃度以上の高濃度(この例ではINDATA≧200)で0.6まで小さくなる。補正候補値βは、図8に示すように、画像データINDATAの濃度が高くなるにつれて大きくなる値であり、画像データsDATA,OUTDATAと同じ4値(0、85、170、255)をとる。
【0034】
α乗算・量子化部213は、α決定部211で決定された補正係数αを中間調処理後の画像データsDATAに乗算し、その乗算結果を4値に単純量子化して補正候補値を求め、これをcDATAとして出力する。すなわち、
sDATA×α<42 ならば、cDATA=0
42≦sDATA×α<128 ならば、cDATA=85
128≦sDATA×α<212 ならば、cDATA=170
212≦sDATA×α ならば、cDATA=255
により補正候補値cDATAが決定される。
【0035】
最大値選択部214は、α乗算・量子化部213より出力された補正候補値cDATAと、もう一つの補正候補値βのうちの大きい方(濃い方の)値を補正値として選択し、これをエッジ補正データeDATAとして出力する。
【0036】
この実施例1によるエッジ補正の効果を説明する。図11の場合と同じ画像データINDATAを処理した場合のエッジ補正された画像データOUTDATAを図12に模式的に示す。矢印はエッジの境界を示している。エッジ境界に隣接した右側の画素とその右隣の画素がエッジ部分の画素(エッジ画素)として検出される。
【0037】
図12の(a)の場合、図7、図8よりα=1.0、β=85となる。cDATA=sDATAであり、cDATAとβとの大きい方の値が補正値eDATAとして出力される。よって、データsDATAにおける各ラインのエッジ部分のドットOFFの画素(縦方向2列)の値は補正値85/255に置き換えられる。すなわち、エッジ部分のドットOFFの画素は、小ドット(85/255)を出力するようにエッジ補正が施される結果、ジャギーが改善される。
【0038】
図12の(b)の場合、図7、図8よりα=0.98、β=85となる。この場合も(a)の場合と同様に、画像データsDATAのエッジ部分のドットOFFの画素では小ドット(85/255)を出力するように補正され、ジャギーが改善される。
【0039】
図12の(c)の場合、図7、図8よりα=0.6、β=170となる。エッジ部分におけるデータsDATAの値が255の画素は、大ドットが出力されるところ、補正候補値cDATA=β=170となるので、その一方(どちらでもよい)が補正値eDATAとして選択されるため、中ドットを出力するように補正される。また、エッジ部分におけるデータsDATAの値が255未満の画素では、cDATAよりもβ(=170)が大きくなり、eDATA=170、つまり、中ドットを出力するように補正される。よって、エッジ部分の出力レベルが中ドットで均一になり、ジャギーが改善される。このようにエッジ部分のドットOFFの画素は中ドットを出力するように補正される一方、エッジ部分の大ドットが出力される画素は出力レベルを中ドットに下げるように補正されるため、エッジ補正による文字や線画の太りは発生しない。
【0040】
なお、図7に示すαの特性形状はプリンタの出力特性(ドットの大きさやトナーの散りなど)に合わせて決める。低濃度側ではドットOFFの画素にドットを出力するように補正しても、文字や線画の太りは見られない。逆に、低濃度側で中間調処理後の画像データの出力レベルを下げるように補正すると、エッジがぼやけて見える可能性がある。よって、αの値を下げ始めるポイント(図6ではINDATA=100)は、必要以上に低濃度側にはせず、文字や線画の太りが見え始める濃度あたりに設定すると良い。
【0041】
[実施例2]
この実施例2では、エッジ検出部105は、図5に示すマスクを用い、画像データINDATAから画像のエッジ部分を2画素幅で検出するが、その際に、エッジ境界に隣接したエッジ画素(外エッジ画素)と、それに隣接したエッジ画素(内エッジ画素)とを識別する。すなわち、エッジ検出部105は、注目画素Aの周辺5×5画素(B0〜B7、C0〜C15)を参照し、以下の算出式でΔ1、Δ2を算出する。
Δ1=A−B
Δ2=A−C
ただし、
B=MIN(B0,B1,・・・,B7)
C=MIN(C0,C1,・・・,C15) ※MINは最小値の意味
そして、Δ1>Th1ならば注目画素Aを外エッジ画素として検出し、Δ1≦=Th1であり、かつ、Δ2>Thであるならば注目画素Aを内エッジ画素として検出する。このようにして、エッジ検出部105は、エッジ部分を2画素幅で、かつ、エッジの境界からの距離が小さい外エッジ画素とエッジの境界からの距離が大きい内エッジ画素とに識別して検出し、その検出情報をエッジ検出信号DEとして出力する。
【0042】
この実施例2に係るエッジ補正処理部106は、前記実施例1と同様に図2に示すような内部構成である。ただし、図2には示されていないが、α決定部211にエッジ検出信号DEが入力される。そして、α決定部211は、エッジ検出信号DEに基づき、内エッジ画素であるか外エッジ画素であるかによって補正係数αの値を切り替える。具体的には、外エッジ画素では、補正係数αを前記実施例1と同様に図7に示すような値とするが、内エッジ画素では常にα=1.0とする。β決定部212は、前記実施例1と同様に、図8に従って補正候補値βを決定する。
【0043】
この実施例2によるエッジ補正の効果を説明する。図11の場合と同じ画像データINDATAを処理した場合のエッジ補正された画像データOUTDATAを図13に模式的に示す。矢印はエッジの境界を示している。このエッジの境界に隣接した右側画素が外エッジ画素として、その右隣の画素が内エッジ画素として、それぞれ検出される。
【0044】
図13と図12を比較すれば明らかなように、図13の(a),(b)の画像データOUTDATAは前記実施例1の場合と同じであり、エッジ部分のジャギーが改善される。
【0045】
図13の(c)の場合、内エッジ画素(エッジ境界から遠い方のエッジ画素)ではα=1.0なので、大ドットが中ドットに補正されることはないが、外エッジ画素(エッジ境界に近い方のエッジ画素)では前記実施例1の場合と同様に、出力レベルが大ドットから中ドットに補正される。
【0046】
文字や線画の太りの度合はプリンタの出力特性によって異なる。前記実施例1のような補正では、その作用が過剰で文字や線画が細くなり過ぎてしまうような出力特性のプリンタの場合に、この実施例2のように、ドットONのエッジ画素のエッジ境界からの距離が大きいと、当該エッジ画素に対してのドットの出力レベルを下げる度合を弱めるような、エッジ境界からの距離を考慮したエッジ補正をすることにより、より適切に文字や線画の太りを抑えつつ、ジャギーを改善することが可能になる。
【0047】
[実施例3]
この実施例3においては、エッジ検出部105は、エッジ部分(濃度差が大きい部分の濃い方の画素)を3画素幅で検出する。すなわち、図6に示すマスクを用い、画像データINDATAの注目画素Aの周辺7×7画素(B0〜B7、C0〜C15、D0〜D23)を参照し、以下の算出式でΔを算出する。
Δ=A−MIN(B,C,D)
ただし、
B=MIN(B0,B1,・・・,B7)
C=MIN(C0,C1,・・・,C15)
D=MIN(D0,D1,・・・,D23) ※MINは最小値の意味
そして、Δ>Thのときに注目画素Aをエッジ画素として検出する。これにより、エッジ部分を3画素幅で検出できる。
【0048】
なお、ここではエッジ部分を3画素幅で検出したが、エッジ部分の検出幅はプリンタの出力解像度に依存する。出力解像度が高い場合にはエッジ部分の検出幅をある程度大きくする必要がある。ただし、検出幅を大きくすると、エッジ部分の検出に要する処理時間や回路規模は大きくなるため、そのトレードオフを考慮して適切な検出幅に設定する。
【0049】
図3は、この実施例3に係るエッジ補正処理部106の内部構成を説明するためのブロック図である。図3において、図2と同一要素もしくは対応要素には同一の符号が付けられている。
【0050】
この実施例3に係るエッジ補正処理部106は、エッジ補正データ生成部201とセレクタ202とから構成されているが、エッジ補正データ生成部201の内部構成が図2に示すものと一部異なる。すなわち、図2中のα乗算・量子化部213が、α乗算部215及び中間調処理部216とに置き換えられている。α乗算部215は、α決定部211で決定された補正係数αを画像データINDATAに乗算する手段である。中間調処理部216は、α乗算部215で補正係数αを乗算後の画像データに対し、図1中の中間調処理部104と同じ中間調処理としてのディザ処理を施して4値(0,85,170,255)に量子化された補正候補値cDATAを出力するもので、属性情報TAGに応じて、各オブジェクトに最適なスクリーンパターンを用いる。α決定部211とβ決定部212はそれぞれ、前記実施例1の場合と同様に、画像データINDATAの濃度に応じて図7と図8に示すような補正係数αと補正候補値βを決定する。補正候補値cDATAと補正候補値βのうちの大きい方(濃い方)の値が最大値選択部214で補正値として選択され、エッジ補正データeDATAとして出力される。
【0051】
この実施例3によるエッジ補正の効果を説明する。図11の場合と同じ画像データINDATAを処理した場合のエッジ補正された画像データOUTDATAを図14に模式的に示す。矢印はエッジの境界を示している。このエッジ境界の右側の3画素がエッジ部分として検出される。ここでは、図4に示すディザ閾値マトリクスが中間調処理部216と中間調処理部104で使用されるものとする。
【0052】
図14の(a)、(b)の場合、エッジ部分が3画素幅であることを除いては、前記実施例1(図12)の場合と同様であり、エッジ部分(縦3列)におけるドットOFFの画素に小ドット(85/255)が出力されるように補正されることにより、ジャギーが改善される。
【0053】
図14の(c)の場合には、図7、図8よりα=0.6、β=170となる。8ビットの画像データINDATAに補正係数αを乗算した値は200×0.6=120であり、これに中間調処理部216でディザ処理をかけた補正候補値cDATAと、補正候補値β(=170)のうちの大きい方の値が出力される。その結果、3画素幅のエッジ部分(縦3列)において、画像データsDATAのドットOFFの画素は中ドットが出力されるように補正され、また、大ドットが出力される一部の画素は中ドットが出力されるように補正されることにより、ジャギーが改善される。
【0054】
この実施例3では、前記実施例1とは異なり、補正候補値cDATAはディザ処理されたものであるため、エッジ補正後のエッジ部分においてもデータsDATAのスクリーンパターンがある程度維持されるので、前記実施例1,2に比べエッジ補正に伴う違和感が生じにくい。
【0055】
なお、この実施例3において、前記実施例2と同様に、エッジ検出でエッジ画素のエッジ境界からの距離を識別し、エッジ画素に対する補正係数αをエッジ境界からの距離に応じて切り替える構成とすることも可能である。具体的には例えば、3個のエッジ画素のうちエッジ境界に最も近いエッジ画素に対しては補正係数αの値を図7に従って決定し、エッジ境界から最も遠いエッジ画素に対しては補正係数αの値を1.0とし、それら2つのエッジ画素の間にあるエッジ画素に対する補正係数αの値として、その両側のエッジ画素に対する補正係数αの値の中間的な値(例えば平均値)を用いるようにすることができる。
【0056】
[実施例4]
この実施例4において、エッジ検出の方法は前記実施例1,2又は3の場合と同様でよく、また、エッジ補正処理部106の内部構成は前記実施例1,2又は3の場合と同様でよい。ただし、図2又は図3に示すα決定部211及びβ決定部212で属性情報TAGが参照される。
【0057】
さて、太い線や大きい文字ではジャギー補正によって線が太っても、その太りは認識されにくいのに対し、細い線や小さい文字では線の太りが認識されやすい。また、色背景上の小さい白文字や白細線では、背景のエッジ部分でジャギー補正がされた場合に、背景部分のエッジが濃くなる(太くなる)ことによって、白文字や白細線が細くなったり、かすれたりしやすい。
【0058】
以上のことに鑑み、この実施例4においては、PDLデータ処理部101で、
(1)所定の線幅以下の線に属する画素
(2)所定の大きさ以下の文字に属する画素
(3)所定の線幅以下の白線に隣接した画素
(4)所定の大きさ以下の白文字に隣接した画素
に該当するか否かの属性情報を取得し、それを属性情報TAGに追加する。
【0059】
なお、上記(1),(2)の画素か否かについては、一般にPDLデータの解析により直接的に判定することが可能である。また、画像データ記憶部102上に展開された画像データの各画素について、属性情報記憶部103上の属性情報を参照し白抜き文字又は白線の画素に隣接するか否かを調べることにより、上記(3),(4)の画素か否かについて判定することができる。
【0060】
上記の追加された属性情報がα決定部211及びβ決定部212で参照される。そして、上記(1)〜(4)のいずれかの画素に該当する画素であるか否かに応じて、補正係数αと補正候補値βの値を制御することにより、エッジ補正に伴う小さい文字や細線の太りを効果的に抑制するとともに、小さい白文字や白細線のかすれ等を発生しにくくする。
【0061】
より具体的に説明する。α決定部211では、上記(1)〜(4)のいずれかの画素(特殊画素と記す)に該当する画素に対しては図9に従って補正係数αの値を決定し、特殊画素に該当しない画素に対しては前記実施例1,2,3と同様に図7に従って補正係数αの値を決定する。ただし、前記実施例2と同様に内エッジ画素と外エッジ画素に識別してエッジ検出を行う場合には、内エッジ画素に対して補正係数αを常に1.0とする。β決定部212では、特殊画素に該当する画素に対しては図10に従って補正候補値βを決定し、特殊画素に該当しない画素に対しては前記実施例1,2,3と同様に図8に従って補正候補値βを決定する。
【0062】
特殊画素に該当する画素に適用される図9では、それ以外の画素に適用される図7に比べ、高濃度側での補正係数αの値が小さくなるようにしている。したがって、ドットONのエッジ画素が特殊画素に該当し、補正係数αの決定に図9が適用されると、当該エッジ画素の大ドット(255/255)が小ドット(85/255)または中ドット(170/255)に補正されやすくなる(ドットの出力レベルを下げる度合が強まる)。
【0063】
また、特殊画素に該当する画素に対し補正候補値βを図10のように決定することで、ドットOFFのエッジ画素が特殊画素に該当する場合、当該エッジ画素に出力されるドットは小ドット(85/255)または中ドット(170/255)に限られる(低い出力レベルになりやすい)。
【0064】
よって、小さい文字や細線の太りを効果的に抑制し、かつ、小さい白文字や細白線のかすれ等を効果的に防止しつつ、ジャギーの改善が可能である。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそのような実施形態のみに限定されるものではなく、様々な変形形態をとり得るものである。
【0066】
また、前記実施形態に係る画像処理装置における中間調処理部104、エッジ検出部105、エッジ補正処理部106等の手段を、専用のハードウェアで実現することも可能であるし、プログラムにより一般的な構成のコンピュータをそれら手段として機能させることも可能である。かかるプログラムも本発明に包含される。また、そのようなプログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子等のコンピュータが読み取り可能な各種の記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
【符号の説明】
【0067】
101 PDLデータ処理部
102 画像データ記憶部
103 属性情報記憶部
104 中間調処理部
105 エッジ検出部
106 エッジ補正処理部
201 エッジ補正データ生成部
202 セレクタ
211 α決定部
212 β決定部
213 α乗算・量子化部
214 最大値選択部
215 α乗算部
216 中間調処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特許第4111190号公報
【特許文献2】特許第4217706号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像データに対して中間調処理を施す中間調処理手段と、
前記第1の画像データから画像のエッジ部分を検出するエッジ検出手段と、
前記エッジ検出手段により検出されたエッジ部分における前記中間調処理後の画像データ(第2の画像データと記す)の画素(エッジ画素と記す)のうち、ドットOFFのエッジ画素に対して当該エッジ画素の前記中間調処理前の濃度に応じた出力レベルのドットを出力するように補正をし、前記中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素に対してドットの出力レベルを下げるように補正をするエッジ補正処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素の全てに対しドットの出力レベルを下げるように補正をすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、中間調処理前に所定以上の濃度を有するドットONのエッジ画素の一部のみに対しドットの出力レベルを下げるように補正をすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて係数を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて第1の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、その画素値と当該画素に対応して決定された前記係数を乗算し、その乗算結果を量子化することによって第2の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、当該画素に対応して決定された前記第1の補正候補値と前記第2の補正候補値のうちの濃い方の値を当該画素に対応した補正値として選択する手段、及び
前記第2の画像データのエッジ画素の画素値を、当該エッジ画素に対応した前記補正値により置き換える手段を有し、
前記係数を決定する手段は画素値が濃いほど係数の値を減少させ、前記第1の補正候補値を決定する手段は画素値が濃いほど第1の補正候補値を増大させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記エッジ補正処理手段は、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて係数を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値に基づいて第1の補正候補値を決定する手段、
前記第1の画像データの画素毎に、その画素値と当該画素に対応して決定された前記係数を乗算し、その乗算結果に対し前記中間調処理手段と同じ中間調処理を施すことにより第2の補正候補値を決定する手段、
前記第2の画像データの画素毎に、当該画素に対応して決定された前記第1の補正候補値と前記第2の補正候補値のうちの濃い方の値を当該画素に対応した補正値として選択する手段、及び
前記第2の画像データのエッジ画素の画素値を、当該エッジ画素に対応した前記補正値により置き換える手段を有し、
前記係数を決定する手段は画素値が濃いほど係数の値を減少させ、前記第1の補正候補値を決定する手段は画素値が濃いほど第1の補正候補値を増大させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像処理装置において、
前記係数を決定する手段で、エッジ画素のエッジ境界からの距離に応じて当該エッジ画素に対し決定する係数の値を制御することにより、ドットの出力レベルを下げる補正の対象となるエッジ画素に対する出力レベルを下げる度合を、当該エッジ画素のエッジ境界からの距離が大きいほど弱めることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の画像処理装置において、
前記係数を決定する手段で、所定の線幅以下の線に属する画素、所定の大きさの文字に属する画素、所定の線幅以下の白線に隣接した画素、又は、所定の大きさ以下の白文字に隣接した画素のいずれかの画素(特殊画素と記す)に該当する画素であるか否かに応じて、当該画素に対し決定する係数の値を制御するとともに、
前記第1の補正候補値を決定する手段で、前記特殊画素に該当する画素であるか否かに応じて、当該画素に対し決定する第1の補正候補値の値を制御することにより、
ドットの出力レベルを下げる補正の対象となるエッジ画素に対する出力レベルを下げる度合を、当該エッジ画素が前記特殊画素に該当する場合に前記特殊画素に該当しない場合より強めるとともに、ドットOFFのエッジ画素に出力させるドットの出力レベルを、当該エッジ画素が前記特殊画素に該当する場合に前記特殊画素に該当しない場合より低い出力レベルになりやすくすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項9】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−176556(P2011−176556A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38494(P2010−38494)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】