画像処理装置、制御方法、および制御プログラム
【課題】ユーザーの操作性を高め、かつ、誤動作、誤操作を抑えることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、タッチパネルである操作パネル34と、その操作に基づく処理を行なうためのCPU30とを備え、CPU30はその操作に対応した処理内容を判断するための判断部307を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、表示画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断部307は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に処理内容として第1の処理内容と判断する。
【解決手段】画像処理装置は、タッチパネルである操作パネル34と、その操作に基づく処理を行なうためのCPU30とを備え、CPU30はその操作に対応した処理内容を判断するための判断部307を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、表示画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断部307は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に処理内容として第1の処理内容と判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネルを有する画像処理装置、該画像処理装置における制御方法、および該画像処理装置に処理を実行させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や画像処理装置などでは、操作入力装置のスペースが制限される。一方で高機能化が進み、操作の種類が多くなる傾向にある。その結果、一つのキーに複数の機能を対応させて、キー入力の組み合わせによる操作が必要となってきている。
【0003】
昨今、操作入力装置としてタッチパネルが広く採用されている。タッチパネルは操作しやすい利点があるものの、誤操作しやすいという欠点もある。
【0004】
タッチパネルでの誤操作を防止する技術として、たとえば特開2010−032679号公報(以下、特許文献1)は、清掃モードであるときにタッチパネル上でのタッチ操作を受け付けないようにする技術を開示している。また、特開平08−076926号公報(以下、特許文献2)は、スライドさせる指の本数に応じて異なる指示とする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−032679号公報
【特許文献2】特開平08−076926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯電話機や画像処理装置などの操作入力装置としてのタッチパネルはその面積が制限される故に、似たような操作で異なる処理内容を示すものがある。この場合、ユーザーがタッチパネル上である処理内容を意図して操作を行なっても、装置側で異なる処理内容と判断してしまう場合がある、という問題が発生する。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ユーザーの操作性を高め、かつ、誤動作、誤操作を抑えることができる画像処理装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0009】
好ましくは、処理手段は、タッチパネルでの第1の操作に基づいて、記憶装置を含んだサーバーに対してファイルを要求することでファイルを取得するための取得手段をさらに含み、判断手段は、取得手段がサーバーからファイルが記憶装置に登録されている旨の回答を得ることで操作に対応した処理内容を第1の処理内容と判断する。
【0010】
好ましくは、処理手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容とするか第2の処理内容とするかの選択を受け付けるための受付手段をさらに含み、判断手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されており、かつ、受付手段において第1の処理内容とするとの選択を受け付けた場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0011】
本発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段と、ユーザー認証を行なうための認証手段と、ユーザー情報を記憶するための記憶手段とを備える。処理手段は、操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断手段は、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、当該規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【0012】
好ましくは、画像処理装置は、上記規定する情報を設定するための設定手段をさらに備える。
【0013】
好ましくは、上記規定する情報は、第1の処理内容とするときの操作に用いるタッチパネルへのタッチ位置の数、および第2の処理内容とするときの操作に用いるタッチパネルへのタッチ位置の数を規定する。
【0014】
好ましくは、判断手段は、ユーザー情報に上記規定する情報が含まれていないときであっても、認証されたユーザーに関連付けられた処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを備える。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断し、実行するステップは処理の対象となるファイルに対して第1の処理内容である処理を実行する。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、ユーザー認証を行なうステップと、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを備える。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、上記規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを画像処理装置に実行させる。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断し、実行するステップは処理の対象となるファイルに対して第1の処理内容である処理を実行する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー認証を行なうステップと、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを画像処理装置に実行させる。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、上記規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、ユーザーの操作性を高め、かつ、誤動作、誤操作を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図5】「離す」操作を説明するための図である。
【図6】画像処理システムでの動作の流れを表わした図である。
【図7】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図9】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図10】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図11】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】カスタマイズ情報を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図14】携帯端末における動作の流れを表わすフローチャートである。
【図15】処理内容の選択を受け付けるための画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100と、端末装置として複数の携帯端末300A,300Bとを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。携帯端末300A,300Bを代表させて携帯端末300と称する。
【0024】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100と無線LANアクセスポイント700とが有線LANに接続され、携帯端末300が無線LANアクセスポイント700と無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0025】
画像処理装置は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればMFPに限定されず、どのような画像処理装置であってもよい。他の例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置などであってもよい。
【0026】
携帯端末300は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればどのような装置であってもよい。たとえば、タッチパネルを備えた携帯電話機、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)であってもよいし、MFPなどの画像処理装置であってもよい。
【0027】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0028】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーをファイルとして保存するためのメモリー16と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
【0029】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0030】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから処理内容を特定し、特定された処理を実行する。
【0031】
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0032】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データーをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリー33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー35と、上記ネットワークを介した通信を制御するためネットワークコントローラー36とを含む。
【0033】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0034】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから処理内容を特定し、特定された処理を実行する。
【0035】
<動作概要>
画像処理システムでは、第1の装置のタッチパネルである操作パネル上で「つまむ」操作がなされることでファイルが指定され、第2の装置のタッチパネルである操作パネル上で「離す」操作がなされることで、上記ファイルを第2の装置に転送するという動作が行なわれる。
【0036】
ここで、つまむ操作および離す操作について説明する。
図4は、「つまむ」操作を説明するための図である。図4を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0037】
CPUは、操作パネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0038】
図5は、「離す」操作を説明するための図である。図5を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0039】
CPUは、操作パネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0040】
以上の説明では、2本の指を用いてつまむ操作および離す操作を行なう例について説明している。以降でも、特に限定しない場合、2本の指が用いられるものとして説明する。
【0041】
しかしながら、後述するように、用いる指の本数は2本に限定されず、それ以上であってもよい。その場合も、以降の説明と同様の考え方として、これら指が1点に向かう方向に連続して移動させる操作を「つまむ」操作、1点から離れる方向に連続して移動させる操作を「離す」操作とする。
【0042】
上述した「つまむ」操作に対して、同様の、2点のタッチ位置を直線状または略直線状に狭める操作で、タッチパネル上に表示されている画像の縮小を指示する操作がある。これらの2つの操作はほぼ同じ操作内容で、全く異なる処理内容を指し示している。同様に、上述した「離す」操作に対して同様の、2点のタッチ位置を直線状または略直線状に広げる操作で、タッチパネル上に表示されている画像の拡大を指示する操作がある。これらの2つの操作もまた、ほぼ同じ操作内容で、全く異なる処理示内容を指し示している。
【0043】
このため、同じ「つまむ」仕草の操作がなされた場合、CPUは、ユーザーがファイルを指定することを意図した操作であるのか画像の縮小を意図した操作であるのかの判別ができない。「離す」仕草の操作でも同様である。
【0044】
そこで、本実施の形態にかかる画像処理システムでは、タッチパネル上でのこれら操作と類似した他の操作とを区別するため、処理内容ごとの操作内容をユーザーが独自に設定し、当該ユーザー固有の情報として用いる。操作内容を規定した情報を、以降の説明においては「カスタマイズ情報」と称する。
【0045】
また、操作のタイミングにおいて、類似した操作と当該操作とのいずれを有効とするかを自動で判断し、有効な方の処理内容に従った処理を行なう。
【0046】
ここでは、具体例として、「離す」仕草の操作で「離す」指示と拡大指示とを区別する場合について説明する。
【0047】
図6は、画像処理システムでの動作の流れを表わした図である。図6を用いて、画像処理システムでの動作の流れを説明する。
【0048】
図6を参照して、第1の装置である携帯端末300A(図7では端末A)の操作パネル34にファイル一覧を表示する画面が表示されている状態でつまむ操作がなされると(ステップS11)、ステップS12で携帯端末300Aにおいて指定されたファイルが特定され、ステップS13でファイル情報と当該操作を行なったユーザーを特定する情報(たとえばログイン情報等)を含む情報がMFP100に対して送信される。以降の説明において、この情報を「つまむ情報」とも称する。
【0049】
つまむ情報には、ファイルそのものに替えてたとえばファイル名などのファイルを特定する情報が含まれてもよい。また、当該操作を行なったユーザーを特定する情報としては、ログイン情報の他、たとえば携帯端末300に対応付けられたユーザー情報であってもよい。
【0050】
MFP100は画像処理システムにおいてサーバーとして機能する。なお、画像処理システムに図示しないサーバーが含まれている場合には、当該サーバーが以降に説明されるMFP100の動作を行なうようにしてもよい。
【0051】
MFP100はつまむ情報を受信すると、ステップS21でメモリー16の所定領域に格納する。
【0052】
第2の装置である携帯端末300B(図7では端末B)においてログイン動作が行なわれると(ステップS31)、ステップS32で携帯端末300Bは、MFP100に対してログイン情報を送信して、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報およびカスタマイズ情報が登録されていないかを問い合わせる。
【0053】
MFP100は、この問い合わせを受け取ると、ユーザー情報に基づいてつまむ情報とカスタマイズ情報とを抽出し、その有無を携帯端末300Bに対して回答する(ステップS22)。
【0054】
その後、携帯端末300Bの操作パネル34上で離す操作がなされると(ステップS33)、ステップS34で、つまむ情報やカスタマイズ情報の有無、またはカスタマイズ情報の内容に応じて、そのときの離す操作に対応した処理内容が特定される(ステップS34)。すなわち、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報がMFP100に登録されている場合、そのカスタマイズ情報に従って離す操作に対応した処理内容が特定される。一方、カスタマイズ情報がMFP100に登録されていない場合、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報がMFP100に登録されている場合にはその離す操作に対応した処理内容を拡大処理ではなくファイルを要求する処理と判断する。
【0055】
そして、携帯端末300Bは当該操作に従ってMFP100に対してファイルを要求し(ステップS35)、MFP100から送信(ステップS23)されたファイルを受け取る。
【0056】
MFP100は、つまむ情報に含まれたファイルを携帯端末300Bに送信すると、メモリー16の所定領域に格納されていたつまむ情報を削除する(ステップS24)。
【0057】
上記ファイルを取得した携帯端末300Bは、そのファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS36)。この処理は、一例として、離す操作で特定されたフォルダに当該ファイルを格納する処理であってもよいし、離す操作で特定された処理を当該ファイルに対して実行する処理であってもよい。
【0058】
<機能構成>
図7は、上記動作を行なうための、携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に処理される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって処理されてもよい。
【0059】
図7を参照して、携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作や離す操作、ログイン操作を検出するための検出部302と、検出されたつまむ操作の位置に応じて、その対象とされたファイルを特定するための特定部303と、特定されたファイルをメモリー33から読み出すための読出部304と、予めMFP100へのアクセス情報を記憶し、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対して情報を送信するための送信部305と、ネットワークコントローラー36を介してMFP100から情報を受信するための受信部306と、MFP100から受信した情報に基づいて、検出された離す操作の示す処理内容を判断するための判断部307と、その判断に従ってMFP100から受信したファイルに対する処理等を実行するための実行部308とを含む。
【0060】
特定部303は、つまむ操作の最初に指定された2点(図4の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図4の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0061】
特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図8〜図12は特定部303でのつまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0062】
一例として特定部303は、図8に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図9に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネルにタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0063】
他の例として特定部303は、図10に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図11に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネルにタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0064】
他の例として特定部303は、図12に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
送信部305は、検出部302でつまむ操作が検出されると、当該操作によって特定され、読出部304によって読み出されたファイルと、ユーザー情報とを含んだつまむ情報を、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対して送信する。
【0066】
一方、検出部302が、操作パネル34からの操作信号を解析してログイン操作がなされたことを検出すると、送信部305は、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対してユーザー情報を送信して、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報とカスタマイズ情報とが登録されているか否かを問い合わせる。
【0067】
受信部306が上記問い合わせに応じたMFP100からの回答を受け取ると、その内容を判断部307に入力する。
【0068】
検出部302が、操作パネル34からの操作信号を解析して操作パネル34上での離す操作がなされたことを検出すると、判断部307にその操作信号を入力する。
【0069】
判断部307は、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されているとのMFP100からの回答を得た場合には、そのカスタマイズ情報に従って操作信号を解析して処理内容を特定する。
【0070】
カスタマイズ情報に従って当該離す操作に該当する処理内容が、当該つまむ情報に含まれるファイルを要求し、当該ファイルに対する予め規定された処理を実行することと特定されると、その判断に従って送信部305はMFP100に対してファイルを要求する。
【0071】
その要求に応じてMFP100から送信されたファイルは受信部306によって受信され、判断部307での判断に応じた処理内容で実行部308において処理される。
【0072】
MFP100から、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されていないものの関連付けられたつまむ情報が登録されているとの回答を得た場合には、判断部307は、操作パネル34上での離す操作の示す処理内容を、つまむ情報の処理が終了するまでの間は、当該つまむ情報に含まれるファイルを要求し、当該ファイルに対する予め規定された処理を実行することと特定する。そして、つまむ情報の処理が完了した後は、離す操作の処理内容を、操作パネル34に表示された画像を拡大する処理と特定する。
【0073】
送信部305はその判断に従ってMFP100に対してファイルを要求し、MFP100から送信されたファイルは受信部306によって受信される。そして、判断部307での判断に応じた処理内容で実行部308において処理される。
【0074】
当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報もつまむ情報も登録されていないとのMFP100からの回答を得た場合には、判断部307は、操作パネル34上での離す操作の示す処理内容を操作パネル34に表示された画像を拡大する処理と特定する。この場合、実行部308は、操作パネル34に表示されている画像を拡大する処理を実行する。
【0075】
MFP100のメモリー16には、つまむ情報を記憶するための記憶領域とカスタマイズ情報を記憶するための記憶領域とが設けられている。MFP100の機能構成としては、CPU10に、図示しない、ネットワークコントローラー17を介して携帯端末300からつまむ情報を受信すると上記記憶領域に格納するための機能、ユーザーに関連付けてカスタマイズ情報を設定し上記記憶領域に格納するための機能、ユーザー情報と共に送信された問い合わせに応じて当該ユーザー情報を用いてつまむ情報およびカスタマイズ情報を検索し、その有無、およびカスタマイズ情報を問い合わせ元である携帯端末300に対して送信するための機能、および携帯端末300からの要求に応じてつまむ情報に含まれるファイルを送信すると共に、当該送信が完了した後に当該つまむ情報を上記記憶領域から削除するための機能が含まれる。
【0076】
図13は、カスタマイズ情報を設定するための画面の具体例を示す図である。
カスタマイズ情報がMFP100において設定されるものである場合、図13の画面は操作パネル15に表示される。または、携帯端末300の操作パネル34に表示されて、図13の画面での入力内容がMFP100に送信されることで、MFP100において設定されてもよい。
【0077】
または、カスタマイズ情報が携帯端末300において設定されるものである場合、図13の画面は操作パネル34に表示される。
【0078】
いずれの場合であっても、この画面は、ユーザーがログインした状態において操作パネルに表示される。カスタマイズ情報を設定する装置のCPUは、予め、類似した操作で異なる処理内容を指し示す操作の組み合わせを記憶している。図13の例の場合、「競合する機能」として、「離す」仕草の操作について、上述の離す操作、つまりファイルを特定する操作と、画像の拡大を指示する操作との組み合わせを記憶している。
【0079】
他の組み合わせとして、上述のように、「つまむ」仕草の操作について、上述のつまむ操作と画像の縮小を指示する操作との組み合わせを記憶していてもよい。また、さらに他の組み合わせを記憶していてもよい。
【0080】
図13の画面の操作を特定する欄において、設定対象とする操作を入力、または選択し、一例として、その操作で用いる指の本数を特定する。図13の例では、離す操作では2本の指を用い、拡大を指示する操作では3本の指を用いるとの設定がなされている。
【0081】
この内容で「登録」ボタンが押下されると、CPUは、ログインユーザーに関連付けて設定された情報をカスタマイズ情報として設定し、登録する。また、図13の画面を用いて、すでに登録されているカスタマイズ情報を変更したり削除したりしてもよい。
【0082】
また、図13に示されているように、当該画面を用いて離す操作の内容が設定されると、自動的に、当該離す操作に対応したつまむ操作の内容が設定されてもよい。すなわち、つまむ操作と離す操作とは対応した一組の操作であることから、同じユーザーが行なった場合には同じ本数の指が用いられるであろうという考え方に基づき、一方の操作でも用いる指の本数が設定されると、他方の操作で用いる指の本数として、自動的にその本数が設定されるようにしてもよい。
【0083】
<動作フロー>
図14は、携帯端末300における動作の流れを表わすフローチャートである。図14のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図7の各機能を発揮させることによって実現される。
【0084】
図14を参照して、操作パネル34上でのログイン操作が検出されると(ステップS101でYES)、CPU30は、ユーザー情報を送信してMFP100に対して当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報およびつまむ情報の登録があるか否かを問い合わせる(ステップS103)。
【0085】
操作パネル34上でのつまむ操作が検出されると(ステップS105でYES)、CPU30は、タッチ位置と操作パネル34での表示内容とに基づいて操作対象とされたファイルを特定し(ステップS107)、ユーザー情報と共につまむ情報としてMFP100に対して送信する(ステップS109)。
【0086】
一方、操作パネル34上での離す操作が検出されると(ステップS111でYES)、CPU30は上記ステップS103での問い合わせに対するMFP100からの回答に応じて異なる動作をとる。
【0087】
すなわち、MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されているとの回答が得られた場合(ステップS113でYES)、CPU30は、そのカスタマイズ情報に基づいて、検出された離す操作の示す処理内容をファイルを指定する処理と特定し、MFP100に対してつまむ情報に含まれるファイルを要求する(ステップS115)。そして、その要求に応じてMFP100から送信されたファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS117)。
【0088】
具体的には、離す操作に対して図13に表わされたように設定したカスタマイズ情報が登録されていたとする。この場合に、上記ステップS111で2本の指を用いた、つまり、2点のタッチ位置の移動での離す操作が検出された場合に、その操作をファイルを指定する操作と特定する。3本の指を用いた、つまり、3点のタッチ位置の移動での離す操作が検出された場合にはその操作を画像を拡大させる操作と特定する。
【0089】
MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報は登録されていないもののつまむ情報が登録されているとの回答が得られた場合には(ステップS113でNO、かつS119でYES)、検出された離す操作の示す処理内容をファイルを指定する処理と特定し、MFP100に対してつまむ情報に含まれるファイルを要求する(ステップS115)。そして、その要求に応じてMFP100から送信されたファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS117)。
【0090】
ここでは、つまむ情報がMFP100に登録されている場合に離す操作がファイルを指定する操作として判断されるため、つまむ情報のMFP100から携帯端末300への転送が完了して削除された後には、この操作はそのように判断されない。つまり、つまむ情報がMFP100に登録されている間のみこのように判断されることになり、MFP100から削除された後にはこの判断は解除されることになる。
【0091】
MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報もつまむ情報も登録されていないとの回答が得られた場合には(ステップS113でNO、かつS119でNO)、CPU30は検出された離す操作の示す処理内容を操作パネル34に表示されている画像を拡大する処理と特定し、表示されている画像を拡大する処理を実行する(ステップS121)。
【0092】
<変形例1>
なお、上の例では、つまむ情報が登録されていると自動的にファイルを指定する操作として判断されるとしているが、たとえば図15のような画面を表示して、類似する操作の組み合わせを選択可能に提示し、その中から、ユーザーの意図する操作の選択を受け付けるようにしてもよい。すなわち、この例の場合、ファイルを指定する指示としての離す操作であるのか、表示された画像を拡大させる指示としての拡大操作であるのかの選択を受け付けて、その選択に従って処理を行なってもよい。
【0093】
<変形例2>
また、上の例では、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されていない場合には、つまむ情報の登録の有無に応じてファイルの要求を行なったり、画像拡大の処理を行なったりするものとしている。
【0094】
カスタマイズ情報を用いない例として、つまむ操作の際に使用された指の本数と、離す操作の際に使用された指の本数とに応じて、当該離す操作がファイルを指定する操作であるのか拡大を指示する操作であるのかを判断するようにしてもよい。
【0095】
この場合、CPU30は操作パネル34上でのつまむ操作を検出すると、その際に用いられた指の本数も検出し、その情報も含んだつまむ情報をMFP100に対して送信する。
【0096】
CPU30が操作パネル34上での離す操作を検出すると、その際に用いられた指の本数も検出する。そして、CPU10はMFP100に対してつまむ情報を要求し、一例として、その中に含まれているつまむ操作時の指の本数と離す操作時の指の本数とが一致した場合に、当該離す操作がファイルを指定する操作であると判断し、つまむ情報に含まれるファイルに対する処理を実行するようにしてもよい。
【0097】
これは、上述したように、つまむ操作と離す操作とは対応した一組の操作であることから、同じユーザーが行なった場合には同じ本数の指が用いられるであろうという考え方に基づいている。
【0098】
<変形例3>
なお、以上の例では、携帯端末300においてつまむ操作、離す操作が行なわれるものとしているが、MFP100においてつまむ操作および/または離す操作が行なわれてもよい。この場合、MFP100が図7に表わされた機能を有し、その操作に対応した処理内容を判断する。
【0099】
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいて上のような動作が行なわれることで、類似した操作で異なる処理内容を指し示している操作が行なわれた場合であっても、装置において、操作に対応した処理内容を特定することが可能となる。その結果、ユーザーの操作性を高めつつ、誤動作、誤操作を抑えることができる。
【0100】
さらに、上述の動作を携帯端末300やMFP100に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0101】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0102】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0103】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
10,30 CPU、13 スキャナー、14 プリンター、15,34 操作パネル、16,33 メモリー、17,36 ネットワークコントローラー、11,31 ROM、12,32 RAM、35 通信コントローラー、300,300A,300B 携帯端末、301 入力部、302 検出部、303 特定部、304 読出部、305 送信部、306 受信部、307 判断部、308 実行部、700 アクセスポイント。
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネルを有する画像処理装置、該画像処理装置における制御方法、および該画像処理装置に処理を実行させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や画像処理装置などでは、操作入力装置のスペースが制限される。一方で高機能化が進み、操作の種類が多くなる傾向にある。その結果、一つのキーに複数の機能を対応させて、キー入力の組み合わせによる操作が必要となってきている。
【0003】
昨今、操作入力装置としてタッチパネルが広く採用されている。タッチパネルは操作しやすい利点があるものの、誤操作しやすいという欠点もある。
【0004】
タッチパネルでの誤操作を防止する技術として、たとえば特開2010−032679号公報(以下、特許文献1)は、清掃モードであるときにタッチパネル上でのタッチ操作を受け付けないようにする技術を開示している。また、特開平08−076926号公報(以下、特許文献2)は、スライドさせる指の本数に応じて異なる指示とする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−032679号公報
【特許文献2】特開平08−076926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯電話機や画像処理装置などの操作入力装置としてのタッチパネルはその面積が制限される故に、似たような操作で異なる処理内容を示すものがある。この場合、ユーザーがタッチパネル上である処理内容を意図して操作を行なっても、装置側で異なる処理内容と判断してしまう場合がある、という問題が発生する。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ユーザーの操作性を高め、かつ、誤動作、誤操作を抑えることができる画像処理装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0009】
好ましくは、処理手段は、タッチパネルでの第1の操作に基づいて、記憶装置を含んだサーバーに対してファイルを要求することでファイルを取得するための取得手段をさらに含み、判断手段は、取得手段がサーバーからファイルが記憶装置に登録されている旨の回答を得ることで操作に対応した処理内容を第1の処理内容と判断する。
【0010】
好ましくは、処理手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容とするか第2の処理内容とするかの選択を受け付けるための受付手段をさらに含み、判断手段は、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されており、かつ、受付手段において第1の処理内容とするとの選択を受け付けた場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0011】
本発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段と、ユーザー認証を行なうための認証手段と、ユーザー情報を記憶するための記憶手段とを備える。処理手段は、操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断手段は、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、当該規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【0012】
好ましくは、画像処理装置は、上記規定する情報を設定するための設定手段をさらに備える。
【0013】
好ましくは、上記規定する情報は、第1の処理内容とするときの操作に用いるタッチパネルへのタッチ位置の数、および第2の処理内容とするときの操作に用いるタッチパネルへのタッチ位置の数を規定する。
【0014】
好ましくは、判断手段は、ユーザー情報に上記規定する情報が含まれていないときであっても、認証されたユーザーに関連付けられた処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断する。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを備える。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断し、実行するステップは処理の対象となるファイルに対して第1の処理内容である処理を実行する。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、ユーザー認証を行なうステップと、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを備える。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、上記規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを画像処理装置に実行させる。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に操作に対応した処理内容として第1の処理内容と判断し、実行するステップは処理の対象となるファイルに対して第1の処理内容である処理を実行する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー認証を行なうステップと、タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、操作に対応した処理内容を判断するステップと、判断された処理を実行するステップとを画像処理装置に実行させる。操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、判断するステップでは、操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、上記規定する情報に基づいて操作に対応した処理内容を判断する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、ユーザーの操作性を高め、かつ、誤動作、誤操作を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図5】「離す」操作を説明するための図である。
【図6】画像処理システムでの動作の流れを表わした図である。
【図7】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図9】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図10】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図11】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】カスタマイズ情報を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図14】携帯端末における動作の流れを表わすフローチャートである。
【図15】処理内容の選択を受け付けるための画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100と、端末装置として複数の携帯端末300A,300Bとを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。携帯端末300A,300Bを代表させて携帯端末300と称する。
【0024】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100と無線LANアクセスポイント700とが有線LANに接続され、携帯端末300が無線LANアクセスポイント700と無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0025】
画像処理装置は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればMFPに限定されず、どのような画像処理装置であってもよい。他の例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置などであってもよい。
【0026】
携帯端末300は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればどのような装置であってもよい。たとえば、タッチパネルを備えた携帯電話機、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)であってもよいし、MFPなどの画像処理装置であってもよい。
【0027】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0028】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーをファイルとして保存するためのメモリー16と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
【0029】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0030】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから処理内容を特定し、特定された処理を実行する。
【0031】
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0032】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データーをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリー33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー35と、上記ネットワークを介した通信を制御するためネットワークコントローラー36とを含む。
【0033】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0034】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから処理内容を特定し、特定された処理を実行する。
【0035】
<動作概要>
画像処理システムでは、第1の装置のタッチパネルである操作パネル上で「つまむ」操作がなされることでファイルが指定され、第2の装置のタッチパネルである操作パネル上で「離す」操作がなされることで、上記ファイルを第2の装置に転送するという動作が行なわれる。
【0036】
ここで、つまむ操作および離す操作について説明する。
図4は、「つまむ」操作を説明するための図である。図4を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0037】
CPUは、操作パネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0038】
図5は、「離す」操作を説明するための図である。図5を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0039】
CPUは、操作パネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0040】
以上の説明では、2本の指を用いてつまむ操作および離す操作を行なう例について説明している。以降でも、特に限定しない場合、2本の指が用いられるものとして説明する。
【0041】
しかしながら、後述するように、用いる指の本数は2本に限定されず、それ以上であってもよい。その場合も、以降の説明と同様の考え方として、これら指が1点に向かう方向に連続して移動させる操作を「つまむ」操作、1点から離れる方向に連続して移動させる操作を「離す」操作とする。
【0042】
上述した「つまむ」操作に対して、同様の、2点のタッチ位置を直線状または略直線状に狭める操作で、タッチパネル上に表示されている画像の縮小を指示する操作がある。これらの2つの操作はほぼ同じ操作内容で、全く異なる処理内容を指し示している。同様に、上述した「離す」操作に対して同様の、2点のタッチ位置を直線状または略直線状に広げる操作で、タッチパネル上に表示されている画像の拡大を指示する操作がある。これらの2つの操作もまた、ほぼ同じ操作内容で、全く異なる処理示内容を指し示している。
【0043】
このため、同じ「つまむ」仕草の操作がなされた場合、CPUは、ユーザーがファイルを指定することを意図した操作であるのか画像の縮小を意図した操作であるのかの判別ができない。「離す」仕草の操作でも同様である。
【0044】
そこで、本実施の形態にかかる画像処理システムでは、タッチパネル上でのこれら操作と類似した他の操作とを区別するため、処理内容ごとの操作内容をユーザーが独自に設定し、当該ユーザー固有の情報として用いる。操作内容を規定した情報を、以降の説明においては「カスタマイズ情報」と称する。
【0045】
また、操作のタイミングにおいて、類似した操作と当該操作とのいずれを有効とするかを自動で判断し、有効な方の処理内容に従った処理を行なう。
【0046】
ここでは、具体例として、「離す」仕草の操作で「離す」指示と拡大指示とを区別する場合について説明する。
【0047】
図6は、画像処理システムでの動作の流れを表わした図である。図6を用いて、画像処理システムでの動作の流れを説明する。
【0048】
図6を参照して、第1の装置である携帯端末300A(図7では端末A)の操作パネル34にファイル一覧を表示する画面が表示されている状態でつまむ操作がなされると(ステップS11)、ステップS12で携帯端末300Aにおいて指定されたファイルが特定され、ステップS13でファイル情報と当該操作を行なったユーザーを特定する情報(たとえばログイン情報等)を含む情報がMFP100に対して送信される。以降の説明において、この情報を「つまむ情報」とも称する。
【0049】
つまむ情報には、ファイルそのものに替えてたとえばファイル名などのファイルを特定する情報が含まれてもよい。また、当該操作を行なったユーザーを特定する情報としては、ログイン情報の他、たとえば携帯端末300に対応付けられたユーザー情報であってもよい。
【0050】
MFP100は画像処理システムにおいてサーバーとして機能する。なお、画像処理システムに図示しないサーバーが含まれている場合には、当該サーバーが以降に説明されるMFP100の動作を行なうようにしてもよい。
【0051】
MFP100はつまむ情報を受信すると、ステップS21でメモリー16の所定領域に格納する。
【0052】
第2の装置である携帯端末300B(図7では端末B)においてログイン動作が行なわれると(ステップS31)、ステップS32で携帯端末300Bは、MFP100に対してログイン情報を送信して、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報およびカスタマイズ情報が登録されていないかを問い合わせる。
【0053】
MFP100は、この問い合わせを受け取ると、ユーザー情報に基づいてつまむ情報とカスタマイズ情報とを抽出し、その有無を携帯端末300Bに対して回答する(ステップS22)。
【0054】
その後、携帯端末300Bの操作パネル34上で離す操作がなされると(ステップS33)、ステップS34で、つまむ情報やカスタマイズ情報の有無、またはカスタマイズ情報の内容に応じて、そのときの離す操作に対応した処理内容が特定される(ステップS34)。すなわち、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報がMFP100に登録されている場合、そのカスタマイズ情報に従って離す操作に対応した処理内容が特定される。一方、カスタマイズ情報がMFP100に登録されていない場合、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報がMFP100に登録されている場合にはその離す操作に対応した処理内容を拡大処理ではなくファイルを要求する処理と判断する。
【0055】
そして、携帯端末300Bは当該操作に従ってMFP100に対してファイルを要求し(ステップS35)、MFP100から送信(ステップS23)されたファイルを受け取る。
【0056】
MFP100は、つまむ情報に含まれたファイルを携帯端末300Bに送信すると、メモリー16の所定領域に格納されていたつまむ情報を削除する(ステップS24)。
【0057】
上記ファイルを取得した携帯端末300Bは、そのファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS36)。この処理は、一例として、離す操作で特定されたフォルダに当該ファイルを格納する処理であってもよいし、離す操作で特定された処理を当該ファイルに対して実行する処理であってもよい。
【0058】
<機能構成>
図7は、上記動作を行なうための、携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に処理される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって処理されてもよい。
【0059】
図7を参照して、携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作や離す操作、ログイン操作を検出するための検出部302と、検出されたつまむ操作の位置に応じて、その対象とされたファイルを特定するための特定部303と、特定されたファイルをメモリー33から読み出すための読出部304と、予めMFP100へのアクセス情報を記憶し、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対して情報を送信するための送信部305と、ネットワークコントローラー36を介してMFP100から情報を受信するための受信部306と、MFP100から受信した情報に基づいて、検出された離す操作の示す処理内容を判断するための判断部307と、その判断に従ってMFP100から受信したファイルに対する処理等を実行するための実行部308とを含む。
【0060】
特定部303は、つまむ操作の最初に指定された2点(図4の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図4の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0061】
特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図8〜図12は特定部303でのつまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0062】
一例として特定部303は、図8に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図9に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネルにタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0063】
他の例として特定部303は、図10に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図11に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネルにタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0064】
他の例として特定部303は、図12に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
送信部305は、検出部302でつまむ操作が検出されると、当該操作によって特定され、読出部304によって読み出されたファイルと、ユーザー情報とを含んだつまむ情報を、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対して送信する。
【0066】
一方、検出部302が、操作パネル34からの操作信号を解析してログイン操作がなされたことを検出すると、送信部305は、ネットワークコントローラー36を介してMFP100に対してユーザー情報を送信して、当該ユーザーに関連付けられたつまむ情報とカスタマイズ情報とが登録されているか否かを問い合わせる。
【0067】
受信部306が上記問い合わせに応じたMFP100からの回答を受け取ると、その内容を判断部307に入力する。
【0068】
検出部302が、操作パネル34からの操作信号を解析して操作パネル34上での離す操作がなされたことを検出すると、判断部307にその操作信号を入力する。
【0069】
判断部307は、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されているとのMFP100からの回答を得た場合には、そのカスタマイズ情報に従って操作信号を解析して処理内容を特定する。
【0070】
カスタマイズ情報に従って当該離す操作に該当する処理内容が、当該つまむ情報に含まれるファイルを要求し、当該ファイルに対する予め規定された処理を実行することと特定されると、その判断に従って送信部305はMFP100に対してファイルを要求する。
【0071】
その要求に応じてMFP100から送信されたファイルは受信部306によって受信され、判断部307での判断に応じた処理内容で実行部308において処理される。
【0072】
MFP100から、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されていないものの関連付けられたつまむ情報が登録されているとの回答を得た場合には、判断部307は、操作パネル34上での離す操作の示す処理内容を、つまむ情報の処理が終了するまでの間は、当該つまむ情報に含まれるファイルを要求し、当該ファイルに対する予め規定された処理を実行することと特定する。そして、つまむ情報の処理が完了した後は、離す操作の処理内容を、操作パネル34に表示された画像を拡大する処理と特定する。
【0073】
送信部305はその判断に従ってMFP100に対してファイルを要求し、MFP100から送信されたファイルは受信部306によって受信される。そして、判断部307での判断に応じた処理内容で実行部308において処理される。
【0074】
当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報もつまむ情報も登録されていないとのMFP100からの回答を得た場合には、判断部307は、操作パネル34上での離す操作の示す処理内容を操作パネル34に表示された画像を拡大する処理と特定する。この場合、実行部308は、操作パネル34に表示されている画像を拡大する処理を実行する。
【0075】
MFP100のメモリー16には、つまむ情報を記憶するための記憶領域とカスタマイズ情報を記憶するための記憶領域とが設けられている。MFP100の機能構成としては、CPU10に、図示しない、ネットワークコントローラー17を介して携帯端末300からつまむ情報を受信すると上記記憶領域に格納するための機能、ユーザーに関連付けてカスタマイズ情報を設定し上記記憶領域に格納するための機能、ユーザー情報と共に送信された問い合わせに応じて当該ユーザー情報を用いてつまむ情報およびカスタマイズ情報を検索し、その有無、およびカスタマイズ情報を問い合わせ元である携帯端末300に対して送信するための機能、および携帯端末300からの要求に応じてつまむ情報に含まれるファイルを送信すると共に、当該送信が完了した後に当該つまむ情報を上記記憶領域から削除するための機能が含まれる。
【0076】
図13は、カスタマイズ情報を設定するための画面の具体例を示す図である。
カスタマイズ情報がMFP100において設定されるものである場合、図13の画面は操作パネル15に表示される。または、携帯端末300の操作パネル34に表示されて、図13の画面での入力内容がMFP100に送信されることで、MFP100において設定されてもよい。
【0077】
または、カスタマイズ情報が携帯端末300において設定されるものである場合、図13の画面は操作パネル34に表示される。
【0078】
いずれの場合であっても、この画面は、ユーザーがログインした状態において操作パネルに表示される。カスタマイズ情報を設定する装置のCPUは、予め、類似した操作で異なる処理内容を指し示す操作の組み合わせを記憶している。図13の例の場合、「競合する機能」として、「離す」仕草の操作について、上述の離す操作、つまりファイルを特定する操作と、画像の拡大を指示する操作との組み合わせを記憶している。
【0079】
他の組み合わせとして、上述のように、「つまむ」仕草の操作について、上述のつまむ操作と画像の縮小を指示する操作との組み合わせを記憶していてもよい。また、さらに他の組み合わせを記憶していてもよい。
【0080】
図13の画面の操作を特定する欄において、設定対象とする操作を入力、または選択し、一例として、その操作で用いる指の本数を特定する。図13の例では、離す操作では2本の指を用い、拡大を指示する操作では3本の指を用いるとの設定がなされている。
【0081】
この内容で「登録」ボタンが押下されると、CPUは、ログインユーザーに関連付けて設定された情報をカスタマイズ情報として設定し、登録する。また、図13の画面を用いて、すでに登録されているカスタマイズ情報を変更したり削除したりしてもよい。
【0082】
また、図13に示されているように、当該画面を用いて離す操作の内容が設定されると、自動的に、当該離す操作に対応したつまむ操作の内容が設定されてもよい。すなわち、つまむ操作と離す操作とは対応した一組の操作であることから、同じユーザーが行なった場合には同じ本数の指が用いられるであろうという考え方に基づき、一方の操作でも用いる指の本数が設定されると、他方の操作で用いる指の本数として、自動的にその本数が設定されるようにしてもよい。
【0083】
<動作フロー>
図14は、携帯端末300における動作の流れを表わすフローチャートである。図14のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図7の各機能を発揮させることによって実現される。
【0084】
図14を参照して、操作パネル34上でのログイン操作が検出されると(ステップS101でYES)、CPU30は、ユーザー情報を送信してMFP100に対して当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報およびつまむ情報の登録があるか否かを問い合わせる(ステップS103)。
【0085】
操作パネル34上でのつまむ操作が検出されると(ステップS105でYES)、CPU30は、タッチ位置と操作パネル34での表示内容とに基づいて操作対象とされたファイルを特定し(ステップS107)、ユーザー情報と共につまむ情報としてMFP100に対して送信する(ステップS109)。
【0086】
一方、操作パネル34上での離す操作が検出されると(ステップS111でYES)、CPU30は上記ステップS103での問い合わせに対するMFP100からの回答に応じて異なる動作をとる。
【0087】
すなわち、MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されているとの回答が得られた場合(ステップS113でYES)、CPU30は、そのカスタマイズ情報に基づいて、検出された離す操作の示す処理内容をファイルを指定する処理と特定し、MFP100に対してつまむ情報に含まれるファイルを要求する(ステップS115)。そして、その要求に応じてMFP100から送信されたファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS117)。
【0088】
具体的には、離す操作に対して図13に表わされたように設定したカスタマイズ情報が登録されていたとする。この場合に、上記ステップS111で2本の指を用いた、つまり、2点のタッチ位置の移動での離す操作が検出された場合に、その操作をファイルを指定する操作と特定する。3本の指を用いた、つまり、3点のタッチ位置の移動での離す操作が検出された場合にはその操作を画像を拡大させる操作と特定する。
【0089】
MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報は登録されていないもののつまむ情報が登録されているとの回答が得られた場合には(ステップS113でNO、かつS119でYES)、検出された離す操作の示す処理内容をファイルを指定する処理と特定し、MFP100に対してつまむ情報に含まれるファイルを要求する(ステップS115)。そして、その要求に応じてMFP100から送信されたファイルに対して予め規定された処理を実行する(ステップS117)。
【0090】
ここでは、つまむ情報がMFP100に登録されている場合に離す操作がファイルを指定する操作として判断されるため、つまむ情報のMFP100から携帯端末300への転送が完了して削除された後には、この操作はそのように判断されない。つまり、つまむ情報がMFP100に登録されている間のみこのように判断されることになり、MFP100から削除された後にはこの判断は解除されることになる。
【0091】
MFP100から当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報もつまむ情報も登録されていないとの回答が得られた場合には(ステップS113でNO、かつS119でNO)、CPU30は検出された離す操作の示す処理内容を操作パネル34に表示されている画像を拡大する処理と特定し、表示されている画像を拡大する処理を実行する(ステップS121)。
【0092】
<変形例1>
なお、上の例では、つまむ情報が登録されていると自動的にファイルを指定する操作として判断されるとしているが、たとえば図15のような画面を表示して、類似する操作の組み合わせを選択可能に提示し、その中から、ユーザーの意図する操作の選択を受け付けるようにしてもよい。すなわち、この例の場合、ファイルを指定する指示としての離す操作であるのか、表示された画像を拡大させる指示としての拡大操作であるのかの選択を受け付けて、その選択に従って処理を行なってもよい。
【0093】
<変形例2>
また、上の例では、当該ユーザーに関連付けられたカスタマイズ情報が登録されていない場合には、つまむ情報の登録の有無に応じてファイルの要求を行なったり、画像拡大の処理を行なったりするものとしている。
【0094】
カスタマイズ情報を用いない例として、つまむ操作の際に使用された指の本数と、離す操作の際に使用された指の本数とに応じて、当該離す操作がファイルを指定する操作であるのか拡大を指示する操作であるのかを判断するようにしてもよい。
【0095】
この場合、CPU30は操作パネル34上でのつまむ操作を検出すると、その際に用いられた指の本数も検出し、その情報も含んだつまむ情報をMFP100に対して送信する。
【0096】
CPU30が操作パネル34上での離す操作を検出すると、その際に用いられた指の本数も検出する。そして、CPU10はMFP100に対してつまむ情報を要求し、一例として、その中に含まれているつまむ操作時の指の本数と離す操作時の指の本数とが一致した場合に、当該離す操作がファイルを指定する操作であると判断し、つまむ情報に含まれるファイルに対する処理を実行するようにしてもよい。
【0097】
これは、上述したように、つまむ操作と離す操作とは対応した一組の操作であることから、同じユーザーが行なった場合には同じ本数の指が用いられるであろうという考え方に基づいている。
【0098】
<変形例3>
なお、以上の例では、携帯端末300においてつまむ操作、離す操作が行なわれるものとしているが、MFP100においてつまむ操作および/または離す操作が行なわれてもよい。この場合、MFP100が図7に表わされた機能を有し、その操作に対応した処理内容を判断する。
【0099】
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいて上のような動作が行なわれることで、類似した操作で異なる処理内容を指し示している操作が行なわれた場合であっても、装置において、操作に対応した処理内容を特定することが可能となる。その結果、ユーザーの操作性を高めつつ、誤動作、誤操作を抑えることができる。
【0100】
さらに、上述の動作を携帯端末300やMFP100に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0101】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0102】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0103】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
10,30 CPU、13 スキャナー、14 プリンター、15,34 操作パネル、16,33 メモリー、17,36 ネットワークコントローラー、11,31 ROM、12,32 RAM、35 通信コントローラー、300,300A,300B 携帯端末、301 入力部、302 検出部、303 特定部、304 読出部、305 送信部、306 受信部、307 判断部、308 実行部、700 アクセスポイント。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、前記操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断手段は、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、画像処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記タッチパネルでの第1の操作に基づいて、前記記憶装置を含んだサーバーに対して前記ファイルを要求することで前記ファイルを取得するための取得手段をさらに含み、
前記判断手段は、前記取得手段が前記サーバーから前記ファイルが前記記憶装置に登録されている旨の回答を得ることで前記操作に対応した処理内容を前記第1の処理内容と判断する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記処理の対象となるファイルが前記記憶装置に格納されている場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容とするか前記第2の処理内容とするかの選択を受け付けるための受付手段をさらに含み、
前記判断手段は、前記処理の対象となるファイルが前記記憶装置に格納されており、かつ、前記受付手段において前記第1の処理内容とするとの選択を受け付けた場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段と、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
ユーザー情報を記憶するための記憶手段とを備え、
前記処理手段は、前記操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断手段は、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、画像処理装置。
【請求項5】
前記規定する情報を設定するための設定手段をさらに備える、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記規定する情報は、前記第1の処理内容とするときの前記操作に用いる前記タッチパネルへのタッチ位置の数、および前記第2の処理内容とするときの前記操作に用いる前記タッチパネルへのタッチ位置の数を規定する、請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記ユーザー情報に前記規定する情報が含まれていないときであっても、前記認証されたユーザーに関連付けられた前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、請求項4〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
タッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを備え、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断し、
前記実行するステップは前記処理の対象となるファイルに対して前記第1の処理内容である処理を実行する、制御方法。
【請求項9】
タッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、
ユーザー認証を行なうステップと、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを備え、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、制御方法。
【請求項10】
タッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを前記画像処理装置に実行させ、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断し、
前記実行するステップは前記処理の対象となるファイルに対して前記第1の処理内容である処理を実行する、制御プログラム。
【請求項11】
タッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー認証を行なうステップと、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを前記画像処理装置に実行させ、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、制御プログラム。
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、前記操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断手段は、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、画像処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記タッチパネルでの第1の操作に基づいて、前記記憶装置を含んだサーバーに対して前記ファイルを要求することで前記ファイルを取得するための取得手段をさらに含み、
前記判断手段は、前記取得手段が前記サーバーから前記ファイルが前記記憶装置に登録されている旨の回答を得ることで前記操作に対応した処理内容を前記第1の処理内容と判断する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記処理の対象となるファイルが前記記憶装置に格納されている場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容とするか前記第2の処理内容とするかの選択を受け付けるための受付手段をさらに含み、
前記判断手段は、前記処理の対象となるファイルが前記記憶装置に格納されており、かつ、前記受付手段において前記第1の処理内容とするとの選択を受け付けた場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの操作に基づく処理を行なうための処理手段と、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
ユーザー情報を記憶するための記憶手段とを備え、
前記処理手段は、前記操作に対応した処理内容を判断するための判断手段を含み、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断手段は、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、画像処理装置。
【請求項5】
前記規定する情報を設定するための設定手段をさらに備える、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記規定する情報は、前記第1の処理内容とするときの前記操作に用いる前記タッチパネルへのタッチ位置の数、および前記第2の処理内容とするときの前記操作に用いる前記タッチパネルへのタッチ位置の数を規定する、請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記ユーザー情報に前記規定する情報が含まれていないときであっても、前記認証されたユーザーに関連付けられた前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に、前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断する、請求項4〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
タッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを備え、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断し、
前記実行するステップは前記処理の対象となるファイルに対して前記第1の処理内容である処理を実行する、制御方法。
【請求項9】
タッチパネルを有する画像処理装置の制御方法であって、
ユーザー認証を行なうステップと、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを備え、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、制御方法。
【請求項10】
タッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを前記画像処理装置に実行させ、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記処理の対象となるファイルが記憶装置に格納されている場合に前記操作に対応した処理内容として前記第1の処理内容と判断し、
前記実行するステップは前記処理の対象となるファイルに対して前記第1の処理内容である処理を実行する、制御プログラム。
【請求項11】
タッチパネルを有する画像処理装置に処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー認証を行なうステップと、
前記タッチパネルでの操作を受け付けるステップと、
前記操作に対応した処理内容を判断するステップと、
前記判断された処理を実行するステップとを前記画像処理装置に実行させ、
前記操作に対応した処理内容として、ファイルに対する処理である第1の処理内容と、前記タッチパネルに表示されている画像に対する処理である第2の処理内容とがある場合に、前記判断するステップでは、前記操作を行なったユーザーに関するユーザー情報に前記操作に対応した処理内容としていずれかの処理内容を規定する情報が含まれているときには、前記規定する情報に基づいて前記操作に対応した処理内容を判断する、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−42437(P2013−42437A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179334(P2011−179334)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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