説明

画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム

【課題】各種の機器の運用イメージを容易に認識することができる画像が表示できる画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、画像処理装置は、取得部と、マーク検出部と、機器画像作成部と、算出部と、コスト画像作成部と、画像合成部とを有する。取得部は、現実の空間を撮影した実画像を取得する。マーク検出部は、取得部により取得した実画像からマークを検出する。機器画像作成部は、マーク検出部により検出したマークに対応する機種の機器画像を作成する。算出部は、マーク検出部により検出したマークに対応する機種のコストを算出する。コスト画像作成部は、算出部により算出したコストを示すコスト画像を作成する。画像合成部は、実画像にマークに対応する機器画像とコスト画像とを合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器などを空間に配置する場合、カタログなどの資料を参照しつつ、機器のレイアウトをイメージしたり、配置した機器による運用上のコストなどを検討したりしている。実際の機器が容易に搬送できるものであれば、仮に実機を設置したり、仮に設置した実機でデモンストレーションを実施したりすることも可能である。しかしながら、実機の搬送が容易でない場合、設置を検討するために、様々な機種を実際に配置してみることは現実的ではなく、仮に実機を実際に配置した場合であっても運用上のコストを利用者に直感的に実感させることは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−109214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態では、各種の機器の運用イメージを容易に認識することができる画像が表示できる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、画像処理装置は、取得部と、マーク検出部と、機器画像作成部と、算出部と、コスト画像作成部と、画像合成部とを有する。取得部は、現実の空間を撮影した実画像を取得する。マーク検出部は、取得部により取得した実画像からマークを検出する。機器画像作成部は、マーク検出部により検出したマークに対応する機種の機器画像を作成する。算出部は、マーク検出部により検出したマークに対応する機種のコストを算出する。コスト画像作成部は、算出部により算出したコストを示すコスト画像を作成する。画像合成部は、実画像にマークに対応する機器画像とコスト画像とを合成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態に係る画像表示装置としての画像表示システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、画像表示システムにおける各種の機能を含む構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、カメラが撮影した実画像の例を模式的に示す図である。
【図4】図4は、表示装置が表示する合成画像の例を模式的に示す図である。
【図5】図5は、利用情報データベースの構成例を示す図である。
【図6】図6は、コスト情報データベースの構成例を示す図である。
【図7】図7は、表示装置が表示する合成画像の第1の例を示す図である。
【図8】図8は、表示装置が表示する合成画像の第2の例を示す図である。
【図9】図9は、表示装置が表示する合成画像の第3の例を示す図である。
【図10】図10は、表示装置が表示する合成画像の第4の例を示す図である。
【図11】図11は、表示装置が表示する合成画像の第5の例を示す図である。
【図12】図12は、情報処理装置における画像表示処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置としての画像表示システムの構成について説明する。
図1は、画像表示装置としての画像表示システム1の構成例を示す図である。
図1に示す構成例では、画像表示システム1は、カメラ11、情報処理装置(画像処理装置)12、表示装置13、および、操作装置14などにより構成する。これらの構成は、一部又は全部が1つの装置において一体的に構成されたものであって良い。たとえば、画像表示装置としての画像表示システムは、カメラを接続したコンピュータ(PC)により構成しても良いし、カメラを具備したタブレット端末あるいは携帯端末などにより構成しても良い。
【0008】
本実施形態に係る画像表示システム1は、カメラ11が撮影した実画像に、拡張画像としての仮想的に配置した機器の画像および仮想的に配置した機器のコスト情報を示す画像を、合成した合成画像を表示装置13に表示する。仮想的に配置する機器は、実際の空間に配置されたマークM(図3参照)などにより決定される。利用者あるいはサービスマンは、実空間において機器を配置したい位置に、当該機器に対応づけた情報を付与したマークを配置する。カメラ11は、機器に対応する情報が付与されたマークが配置された実空間の画像を撮影する。
【0009】
情報処理装置12は、画像処理装置として機能し、カメラ11が撮影した実画像からマークを検出し、検出したマークに付与されたマーク情報に対応する機種の機器画像をカメラ11が撮影した実画像におけるマークの位置に合成する。さらに、情報処理装置12は、検出したマークに付与された情報に対応する機器に関するコストを示すコスト画像もカメラ11が撮影した実画像における所定の領域に合成する。これにより、情報処理装置12は、カメラ11が実空間を撮影した実画像に、実空間に配置されたマークに対応する機器の画像(機器画像)とコスト情報を示すコスト画像とを合成した合成画像を表示装置13に表示させる。
【0010】
表示装置13は、情報処理装置12が生成した合成画像を表示する。カメラ11が撮影した実画像に、機器画像とコスト画像とを合成した画像は、表示装置13により表示される。表示装置13は、液晶表示装置などにより構成され、インターフェースなどを介して情報処理装置12に接続される。また、操作装置14は、操作指示などを入力するものであり、情報処理装置12に接続される。表示装置13及び操作装置14は、たとえば、タッチパネルを有する液晶表示装置により構成しても良い。
【0011】
なお、図1に示す画像表示システムは、カメラとタッチパネル内蔵の表示装置を有するタブレット端末などの携帯端末によって実現することが可能である。たとえば、カメラとタッチパネル内蔵の表示装置を有する携帯端末であれば、後述するような合成画像を表示する画像表示処理を行うためのソフトウエアをインストールすることにより、当該画像表示システムを実現できる。携帯端末で画像表示システムを実現すれば、後述するような実画像に機器画像とコスト画像とを合成した合成画像は、あらゆる場所で簡単に利用者(顧客)に提供することができる。
【0012】
カメラ11は、機器を設置したい空間の画像を撮影する。たとえば、カメラ11は、デジタル複合機(MFP:Multi Functional Peripheral)などの各種の機器の新規設置、機種の交換、あるいは、レイアウト変更などを検討している空間を撮影する。カメラ11は、撮影した画像を画像処理が可能な画像(映像)データとして出力する。ここで、カメラ11は、撮影した空間の映像をデジタル処理が可能なデジタル画像データとして情報処理装置12へ出力するものとする。
【0013】
情報処理装置12は、カメラ11から出力される画像データを入力し、入力した画像データに対して画像処理を施して表示用のデータを作成し、作成した表示用のデータを表示装置13へ出力する。図1に示す構成例では、情報処理装置12は、制御部21、画像メモリ22、画像処理部23、および、記憶部24などを有する。また、情報処理装置12は、カメラ11、表示装置13、および、操作装置14などをそれぞれ接続するための各種のインターフェースを有する。
【0014】
制御部21は、プロセッサ31、RAM32およびROM33などを有する。プロセッサ31は、たとえば、CPUである。RAM32は、作業用のデータを一時的に記憶する揮発性のメモリである。ROM33は、プログラムあるいは制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。プロセッサ31は、ROM33あるいは記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、種々のデータ処理を実現する。制御部21は、プロセッサ31がプログラムを実行することにより後述する各種の処理機能を有する。
【0015】
画像メモリ22は、カメラ11から取得した画像データを記憶する。つまり、画像メモリ22は、カメラ11が実際に撮影した実空間の画像(実画像)を記憶する。画像処理部23は、画像メモリ22に記憶した画像データに対して画像処理を施す。画像処理部23は、画像処理した画像データを表示装置13へ出力する。画像処理部23は、制御部21からの制御指示に従って画像処理を実行する。画像処理部23は、制御部21のプロセッサ31がROM33或いは記憶部24に記憶したプログラムを実行することにより実現する機能として実現しても良い。画像処理部23は、たとえば、画像メモリ22に記憶した画像データに対して、別の画像を合成する画像合成機能を有する。画像処理部23の画像合成機能は、たとえば、実空間の映像(画像)に、仮想的に配置した機器の画像を合成する技術(たとえば、AR(拡張現実)技術)が適用される。
【0016】
記憶部24は、様々なデータを記憶するデータメモリである。記憶部24は、ハードディスクドライブ(HDD)あるいは光ディスクなどの不揮発性の記憶媒体により構成する。また、記憶部24は、制御部21で実行されるプログラムなどを記憶しても良い。記憶部24は、機器情報データベース24a、コスト情報データベース24b、及び、利用情報データベース24cを有する。
【0017】
機器情報データベース24aは、カメラ11が撮影した画像に合成する各種の機器(機種)ごとの画像データを記憶する。機器情報データベース24aは、機種の識別情報(ID)に対応する各機種の表示用の画像データを記憶する。たとえば、機器情報データベース24aは、ID情報で特定される各機種の3次元の形状データ、および、表面の色情報などをモデリングした表示用の画像データを記憶する。機器情報データベース24aに記憶する各機種の表示用の画像データは、後述するマークM(例えば、図3参照)から検出するID情報、位置及び姿勢(向き)などに応じて変形できるように、回転、拡大、縮小などの画像処理が可能なデータ形式となっている。
【0018】
コスト情報データベース24bは、各機種の運用上のコストに関わる情報を記憶する。コスト情報データベース24bは、機種ごとにランニングコスト(経費)に関する情報および環境負荷(CO2排出量)に関する情報などを記憶する。たとえば、コスト情報データベース24bは、ウォームアップ電力、待機電力、1回の処理(1枚の用紙に対する処理)に必要な電力や経費などを含む情報をコスト情報として機種ごとに記憶する。コスト情報データベース24bに記憶する機種ごとのコスト情報は、予め機器ごとの仕様で特定される情報であっても良いし、システムの管理者あるいはサービスマンが入力するようにしても良い。
【0019】
利用情報データベース24cは、各機種の利用状況に関わる情報を記憶する。たとえば、利用情報データベース24cは、当該利用者における類似の機種に対する過去の使用実績、あるいは、今後の使用見込みなどの使用頻度を示す情報を機種ごとに記憶する。また、利用情報データベース24cは、平均的なユーザによる機種ごとの使用頻度を示す情報を記憶しても良い。利用情報データベース24cに記憶する機種ごとの使用頻度を示す情報は、利用者が入力するようにしても良いし、システムの管理者、サービスマンあるいはコーディネータが入力するようにしても良い。
【0020】
次に、画像表示システムにおいて画像を表示するための機能について説明する。
図2は、画像表示システムにおける各種の機能を含む構成例を示すブロック図である。
情報処理装置12の制御部21は、プロセッサ31がROM33あるいは記憶部24に記憶したプログラムを実行することにより実現される種々の処理機能を有する。図2に示す構成例では、情報処理装置12の制御部21は、処理機能として、マーク検出部41、マーク情報抽出部42、機器表示用画像作成部43、コスト換算部44、および、コスト表示用画像作成部45を有する。
【0021】
マーク検出部41は、カメラ11が撮影した画像からマークM(後出する図3参照)を検出する。マーク検出部41は、画像メモリ22に記憶したカメラ11が撮影した実画像の中から予め定められたマークを検出する。マーク検出部41は、パターン認識技術によりマークを検出する。たとえば、マーク検出部41は、マークらしい注目領域を抽出し、抽出された注目領域から所定の情報が検出されたか否かにより当該注目領域がマークか否かを判定する。
【0022】
マーク情報抽出部42は、マーク検出部41が検出したマークに付与されている情報(マーク情報)を抽出する。マークに付与されるマーク情報には、各機種に対応づけたID情報が含まれる。また、マーク情報には、向きを示す情報も含まれる。マーク情報抽出部42は、マークから抽出したマーク情報により当該マークに対応する機種を特定する。すなわち、マーク情報抽出部42は、実空間(実画像)におけるマークの配置位置、マークに付与される各機種に対応づけたID情報、および、マークが示す当該機種の姿勢(設置向き)などの情報をマークから抽出する。
【0023】
機器表示用画像作成部43は、マーク情報抽出部42がマークから抽出した情報に基づいて当該マークに対応する機種を特定し、特定した機種の表示用画像を作成する。機器表示用画像作成部43は、マークから抽出したID情報により対象となる機種を特定し、特定した機種のモデルデータを機器情報データベース24aから取得する。機器情報データベース24aから取得した当該機種のモデルデータを、マークの位置および姿勢に応じて回転、変倍(縮小或いは拡大)することにより当該機器の表示用画像データを作成する。
【0024】
なお、検出したマークに対応する機種は、操作装置14により選択するようにしても良い。この場合、マークには、複数の機種を対応づけておいて操作装置14で選択させるようにいても良いし、特定の機種を対応づけずに操作装置14で選択させるようにしても良い。また、マークに対応して抽出された機種は操作装置14の操作により変更できるようにしても良い。操作装置14により機種が選択された場合、機器表示用画像作成部43は、選択された機種のモデルデータを機器情報データベース24aし、機器情報データベース24aから取得した当該機種のモデルデータをマークの位置および姿勢に応じて回転、変倍(縮小或いは拡大)することにより当該機器の表示用画像データを作成する。
【0025】
コスト換算部44は、マークに対応する機種に関する運用上のコストを算出する。たとえば、コスト換算部44は、マークに対応する機種ごとに、所定期間(例えば、月間、週間)における、経費、CO2消費量などのコストを算出する。コスト換算部44は、特定された機種のコストに関する情報をコスト情報データベース24bから取得し、使用頻度を含む利用情報を利用情報データベース24cから取得する。コスト換算部44は、特定された機種のコストに関する情報と利用情報とに基づいて、当該機種を運用した場合のコスト(経費或いはOC2消費量など)を算出する。
【0026】
また、コスト換算部44は、カメラ11が撮影した画像から検出された全てのマークに対応する各機器に対するコストを合算する。すなわち、画像内の全機器のコストを合算することにより、コスト換算部44は、カメラ11が撮影した画像内にマークとして配置された全機器によるコスト(画像内の総コスト)を算出する。また、コスト換算部44は、算出したコストに対して比較対象とするコスト情報が存在する場合、算出したコストと比較対象とのコストの差分値を算出する。比較対象とするコスト情報は、例えば、制御部21内のRAM32などに保持される。
【0027】
コスト表示用画像作成部45は、コスト換算部44が算出したコストを示す表示用画像を作成する。たとえば、コスト表示用画像作成部45は、コスト換算部44が算出した画像内の総コスト(所定期間における経費或いはCO2消費量など)を示す画像としてコスト画像(総コスト画像)を作成する。また、コスト換算部44が画像内の総コストと比較対象とするコストとの差分値を算出した場合、コスト表示用画像作成部45は、当該差分値を示す画像として差分コスト画像も作成する。なお、コスト表示用画像作成部45は、合成画像において機器ごとのコストを各機器の表示画像に対応づけて表示する場合、機器ごとのコストを示すコスト画像をそれぞれ作成すれば良い。
【0028】
画像処理部23は、画像合成部として機能する。画像処理部23は、カメラ11が撮影した実画像に、拡張画像としての機器表示用画像作成部43が作成した機種の表示用画像とコスト表示用画像作成部45が作成したコストの表示用画像とを合成する。画像処理部23は、画像メモリ22に記憶するカメラ11が撮影した実画像における各マークの領域に、機器表示用画像作成部43が作成した各マークが対応する機種の表示用画像を合成(マークの画像を機種の表示用画像に置換)する。画像処理部23は、画像メモリ22が記憶するカメラ11が撮影した実画像における所定の領域に、コスト表示用画像作成部45が作成したコストを示す表示用画像を合成する。画像処理部23は、生成した合成画像を表示装置13に表示させる。
【0029】
次に、カメラ11が撮影する画像と表示装置13が表示する画像とについて説明する。
図3は、カメラ11が撮影した画像の例を模式的に示す図である。図4は、表示装置13が表示する画像の例を模式的に示す図である。
図3は、機器に対応づけたマーク情報が付与されたマークM(M1、M2)を配置した空間をカメラ11が撮影した実画像の例である。図3は、カメラ11からの出力映像(すなわち、カメラが撮影する現実の空間映像)の1コマを切り出した画像の例である。図3に示す画像例において、空間(例えば、機器を配置したい室内空間)には、既存の物品F1、F2と2つのマークM1、M2とが置かれている。図3に示す画像例において、既存の物品F1、F2は、抽象化して円柱で示している。また、図3に示す画像例においては、複数のマークM1、M2が床の複数個所に配置されている。各マークM1、M2は、たとえば、対応する機種を示すID情報および向きを示す情報などを含むマーク情報が印刷された紙である。
【0030】
図3に示すような画像がカメラ11により撮影された場合、情報処理装置12は、図14に示すような合成画像を表示装置13に表示させる。すなわち、図4は、図3に示す実画像におけるマークM1、M2の位置に対応する機種の機器画像が合成され、かつ、画像内の全機器によるコストを示すコスト画像が合成された合成画像の例を示す図である。図4は、図3に示すようなカメラ11からの出力映像に対応した表示装置13の表示映像の1コマを切り出した画像の例である。図4に示す画像例では、既存の物品F1、F2と現実には存在しない機器A1、A2とが配置された空間画像とともに、コストを示すコスト画像Cが表示されている。
【0031】
図4に示す画像例において、現実には存在しない機器A1、A2は、実画像におけるマークM1、M2の位置に、抽象化した四角柱の画像として表示されている。現実には存在しない機器A1、A2は、実画像におけるマークM1、M2に付与されたマーク情報で特定される機種であり、マークM1、M2で示された向きで表示される。つまり、図4に示す画像例は、図3に示す実画像における各マークM1、M2の位置に、各マークに対応する機種の機器画像A1、A2をマークで示された向きで合成した画像である。情報処理装置12においては、実画像におけるマーク及びマーク情報は、マーク検出部41及びマーク情報抽出部42により抽出され、マークM1、M2に対応する機器画像A1、A2は、機器表示用画像作成部43により作成される。
【0032】
また、図4に示す画像例においては、当該画像内における全機器によるコストを示すコスト画像Cが当該画像の左上に表示される。図4に示す画像例では、コスト画像Cにおいて、所定期間(例えば月間)のCO2消費量の予想値が表示されている。また、コスト画像Cで表示するコスト情報は、所定期間(例えば、月間)の経費の予想値などであっても良い。また、コスト情報の画像Cは、表示位置が画像の左上に限定されるものではなく、表示装置13が表示する画像の任意の領域に合成して良い。たとえば、コスト情報の画像Cは、機器画像A1、A2と重ならない領域に合成するようにしても良い。情報処理装置12においては、実画像におけるマーク及びマーク情報は、マーク検出部41及びマーク情報抽出部42により抽出され、画像内の各マークに対応する機器のコスト情報は、コスト換算部44により算出され、コスト情報の表示画像は、コスト表示用画像作成部45により作成される。
【0033】
図4に示すような表示画像によれば、仮想的に配置した機器レイアウトおよび運用イメージを表示画像により視認でき、かつ、画像中の機器によるコスト情報を把握できる。例えば、顧客のオフィス内などの機器を配置したい空間において、マークの配置或いは種類を変えたり、カメラの撮影範囲を変えたりすることにより、機器のレイアウト変更および配置した機器によるコスト効果などを報知することができる。この結果として、たとえば、機器の販売及び案内を行う人物は、顧客に対して、実際の設置空間(例えばオフィス)における機器のレイアウトイメージ、および、コスト関連情報を視覚的に判り易く提案することができ、商品としての各機器に関する実際の運用イメージの理解を促すことができる。
【0034】
また、機種に対応づけたマーク情報を付与したマークは、実際に物理的に配置したりマーク情報を変更したりすることにより、実空間において実体験として機器の配置変更などを実感することが可能である。ただし、マークに対応して表示する機器画像は、操作装置14により選択或いは変更できるようにしても良い。すなわち、表示装置13に表示された合成画像を見ながら、操作装置14により表示された機器を他の機種に変更したり、機器の位置或いは向きを操作装置14での操作によって変更したりできるようにしても良い。このような処理は、機器表示用画像作成部43が操作装置14に入力された情報に基づいて機器の表示用画像を変更することにより実現できる。
【0035】
次に、利用情報データベース24cの構成について説明する。
図5は、利用情報データベース24cの構成例を示す図である。
利用情報データベース24cは、各機種の使用頻度に関わる情報を記憶するものである。利用情報データベース24cは、類似の機器の使用実績、あるいは、今後の使用見込みなどから設定される各機器の使用頻度に関わる情報を予め記憶する。利用情報データベース24cに記憶する情報は、設置する機器の運用者が設定する情報であっても良いし、既存の機器を保守しているサービスマンが設定する情報であっても良いし、一般的な統計データであっても良い。
【0036】
図5に示す例では、利用情報データベース24cには、4つの機種(機種A、機種B、機種C、及び、機種D)について、稼働日数(月間の平均稼働日数)、稼働時間(1日における平均稼働時間)、利用頻度(月間の利用頻度)、消耗品効率(例えば、1枚の用紙1枚に印刷頁数)、消耗品再利用率(1枚の用紙の再利用回数)などの値を記憶する。図5に示す各情報は、たとえば、利用者(顧客)から得られる情報である。
【0037】
図5に示す例において、機種A及び機種Bは、たとえば、それぞれ異なる仕様のMFPを想定している。たとえば、機種Aは、用紙の再利用ができない従来型の機器(従来機)であり、機種Bは、用紙の再利用が可能なMFP(ECO−MFP)であることを想定するものとする。機種A及び機種Bに対する利用頻度は、各機種における月間の印刷頁数を示し、機種A及び機種Bに対する消耗品効率は、各機種において1枚の用紙に印刷する頁数(平均頁数)を示す。
【0038】
たとえば、1枚の用紙に1頁の印刷を行う場合、消耗品効率は「1」になり、1枚の用紙に2頁分の画像を印刷する場合(例えば、2イン1印刷、あるいは、両面印刷等)、消耗品効率は「2」となる。図5に示す例において、機種Aでは、月間の印刷頁数が3000であり、消耗品効率が1であるため、月間に3000枚の用紙に対して印刷を行う事を示している。また、機種Bでは、月間の印刷頁数が3000であり、消耗品効率が2であるため、月間に3000/2=1500枚の用紙に対して印刷を行う事を示している。
【0039】
また、消耗品再利用率は、1枚の用紙を何回再利用するかを示す値である。たとえば、用紙の再利用ができない場合、消耗品再利用率は「1」となり、用紙を5回再利用できる場合、消耗品再利用率は「5」となる。図5に示す例において、機種Aでは、月間の印刷頁数が3000、消耗品効率が1、消耗品再利用率が1であるため、月間に3000枚の用紙を印刷処理により消費することを示している。また、機種Bでは、月間の印刷頁数が3000、消耗品効率が2、消耗品再利用率が5であるため、月間に3000/(2×5)=300枚の用紙を印刷処理により消費することを示している。
【0040】
また、図5に示す例において、機種Cは、印刷処理された用紙を再利用するための画像の消去装置であることを想定している。機種Cは、画像の消去装置であるため、印刷処理済みの用紙から印刷画像を消去して再利用できる用紙を生成する。このため、機種Cに対する利用頻度は、マイナスの値(消費としてはプラスの値)とする。図5に示す例では、機種Cの利用頻度は、月間の印刷枚数のうち再利用できない分の枚数を差し引いた枚数(再生枚数)をマイナス値で設定している。
【0041】
また、図5に示す例において、機種Dは、外光及び室内光などの光を電力に変換することにより発電するソーラーパネルを想定している。機種Dは、電力を生成する装置(発電機)であるため、利用頻度、消耗品効率、消耗品再利用率などは0となっており、稼働日数と稼働時間とが設定されている。
【0042】
次に、コスト情報データベース24bの構成について説明する。
図6は、コスト情報データベース24bの構成例を示す図である。
コスト情報データベース24bは、各機種のコストに関わる情報を記憶するものである。コスト情報データベース24bは、コスト情報として経費および環境負荷に関する情報などを機種ごとに記憶する。コスト情報データベース24bに記憶する機種ごとのコスト情報は、予め各機種の仕様として規定されている情報であっても良いし、システムの管理者あるいはサービスマンが入力する情報であっても良い。
【0043】
図6に示す例では、コスト情報データベース24bには、4つの機種(機種A、機種B、機種C、及び、機種D)について、ウォームアップ電力消費(ウォームアップ1回の消費電力量)、待機電力(単位時間当たりの消費電力量)、使用電力(1回の処理で消費する電力量)、発電量(単位時間当たりの発電量)、イニシャル費用、ランニング費用、および、消耗品費用などの値を記憶する。
【0044】
ウォームアップ電力消費は、機器を1回ウォームアップするために必要な電力量(電力消費量)を示す値である。待機電力は、待機状態で1時間に消費する電力量(1時間当たりの電力消費量)を示す値である。使用電力は、1回の処理を実行するごとに消費する電力量を示す値である。たとえば、機種A及び機種Bに対する使用電力は、機種A及び機種BがMFPであるため、1枚の用紙に対する印刷処理に要する電力量として良い。また、機種Cに対する使用電力は、機種Cが画像の消去装置であるため、1枚の用紙に対する画像消去処理に要する電力量として良い。
【0045】
発電量は、1時間当たりの平均発電量を示す値である。機種A,B,Cは発電機能を有していないため、機種A,B,Cに対する発電量は0となる。機種Dはソーラーパネルであるため、機種Dに対する発電量は、機種Dによる1時間当たりの平均発電量を記憶する。イニシャル費用は、各機種を導入するために必要となる初期費用である。ランニング費用は、使用頻度に応じて生じる費用を示すものである。消耗品費用は、各機種に適用する消耗品ごとの費用を示すものである。消耗品費用は、各機種に1つに限らず消耗品ごとに設定するようにしても良い。なお、電力および消耗品をCO2消費量に換算するための情報は、記憶部24に記憶されるものとする。
【0046】
次に、表示装置13が表示する合成画像について説明する。
図7乃至図11は、表示装置13が表示する合成画像の例を示す図である。
図7に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成された拡張画像として、オプション機器付き従来機(MFP)の機器画像A3が表示されている。図7に示す機器画像A3は、従来機としてのMFPにオプション装置として大容量給紙装置およびフィニッシャ装置などが装着されている様子を表示している。
【0047】
また、図7に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成される拡張画像として、当該画像内に機器画像が表示された機器のコスト情報を示すコスト画像C3が表示されている。図7に示すコスト画像C3は、当該画像内の全機器による総コストを示す総コスト画像である。図7に示すコスト画像C3では、機器画像A3として表示したオプション付き従来機に対するコスト情報として、月間の平均費用と月間の平均CO2排出量とを示している。
【0048】
また、図8は、図7に示す合成画像を表示した後に表示される合成画像であるものを想定する。図8に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成された拡張画像として、オプションなしの従来機(MFP)の機器画像A4が表示されている。図8に示す機器画像A4は、従来機としてのMFPにオプション装置が装着されていない様子を表示している。つまり、図8は、図7に示す合成画像におけるオプション付き従来機の機器画像A3が、オプション無し従来機の機器画像A4に置き換わった合成画像となっている。
【0049】
また、図8に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成されるコスト画像C4(C4a、C4b)として、当該画像内に表示された機器のコスト情報と図7に示すコストとの差分値とが表示されている。図8に示すコスト画像C4aは、画像内の全機器による総コストを示す総コスト画像である。図8に示すコスト画像C4aでは、機器画像A4として表示したオプションなし従来機に対するコスト情報として、月間の平均費用と月間の平均CO2排出量とを示している。
【0050】
また、図8に示すコスト画像C4bは、当該画像内の総コストと比較対象となるコスト情報(図7に示すコスト)との差分コストを示す差分コスト画像である。図8に示すコスト画像C4bは、図7に機器画像A3として表示したオプション付き従来機によるコストと機器画像A4として表示したオプションなし従来機によるコストとの差分値として、月間の平均節約費用と月間の平均CO2削減量とを示している。
【0051】
また、図9は、図7に示す合成画像を表示した後に表示される合成画像であるものを想定する。図9に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成された拡張画像として、用紙の再利用が可能なECO−MFPの機器画像A6が表示されている。図9に示す機器画像A6は、図7に示すような従来機とは外観が異なるMFPを示している。つまり、図9は、図7に示す合成画像におけるオプション付き従来機の機器画像A3が、ECO−MFPの機器画像A6に置き換わった合成画像となっている。
【0052】
また、図9に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成されるコスト画像C6(C6a、C6b)として、当該画像内に表示された機器のコスト情報と図7に示すコストとの差分値とが表示されている。図9に示すコスト画像C6aは、画像内の全機器による総コストを示す総コスト画像である。図9に示すコスト画像C6aでは、機器画像A6として表示したECO−MFPによるコスト情報として、月間の平均費用と月間の平均CO2排出量とを示している。
【0053】
また、図9に示すコスト画像C6bは、当該画像内の総コストと比較対象となるコスト情報(図7に示すコスト)との差分コストを示す差分コスト画像である。図9に示すコスト画像C6bでは、図7に機器画像A3として表示したオプション付き従来機によるコストと機器画像A6として表示したECO−MFPによるコストとの差分値として、月間の平均節約費用と月間の平均CO2削減量とを示している。
【0054】
図10に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成された拡張画像として、オプション機器付き従来機(MFP)の機器画像A7aとオプションなしの従来機の機器画像A7bとが表示されている。図10に示す機器画像A7aは、従来機にオプション装置として大容量給紙装置およびフィニッシャ装置などが装着した様子を示し、図10に示す機器画像A7bは、従来機にオプションを装着していない様子を示している。
【0055】
また、図10に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成される拡張画像として、当該画像内に機器画像が表示された機器のコスト情報を示すコスト画像C7が表示されている。図10に示すコスト画像C7は、当該画像内の全機器による総コストを示す総コスト画像である。図10に示すコスト画像C7では、機器画像A7aとして表示したオプション付き従来機によるコストと機器画像A7bとして表示したオプションなしの従来機によるコストとを合算した画像内の全機器によるコスト情報として、月間の平均費用と月間の平均CO2排出量とを示している。
【0056】
また、図11は、図10に示す合成画像を表示した後に表示される合成画像であるものを想定する。図11に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成された拡張画像として、2台のECO−MFPの機器画像A8a、A8bが表示されている。つまり、図11は、図10に示す合成画像におけるオプション付き従来機の機器画像A7aとオプション無し従来機の機器画像A7bとが、2台のECO−MFPの機器画像A8a、A8bに置き換わった合成画像となっている。
【0057】
また、図11に示す表示例では、カメラ11が撮影する実画像に合成されるコスト画像C8(C8a、C8b)として、当該画像内に表示された機器のコスト情報と図10に示すコストとの差分値とが表示されている。図11に示すコスト画像C8aは、当該画像内の全機器による総コストを示す総コスト画像である。図11に示すコスト画像C8aでは、機器画像A8aおよびA8bとして2台のECO−MFPによるコスト情報として、月間の平均費用と月間の平均CO2排出量とを示している。
【0058】
また、図11に示すコスト画像C8bは、当該画像内の総コストと比較対象となるコスト情報(図10に示すコスト)との差分コストを示す差分コスト画像である。図11に示すコスト画像C8bでは、図10に機器画像A7aおよびA7bとして表示したオプション付き従来機とオプション無し従来機によるコストと、機器画像A8aおよびA8bとして表示した2台のECO−MFPによるコストとの差分値として、月間の平均節約費用と月間の平均CO2削減量とを示している。
【0059】
上記のように、図8、図9及び図11などに示す表示例によれば、拡張画像として合成(表示)する機器に関するコスト情報だけでなく、先に表示した機器のコストとの差分値を、コスト画像としてカメラ11が撮影した実画像に合成することができる。これにより、利用者は、仮想的に配置した機器のコストだけでなく、別の配置例によるコストとの差分値をカメラ11が撮影した実画像において視認することができる。
【0060】
なお、表示した機器のコストとの差分値を計算するための比較対象とするコスト情報は、制御部21内のRAM32などに保持しておけば良い。また、比較対象とするコスト情報は、直前に表示した機器のコストに限定されるものではない。たとえば、既存の機器構成によるコストを比較対象のコスト情報として保持しておいても良いし、別の合成画像で表示したコスト情報を操作装置14による指示に応じて比較対応とするコスト情報として記憶するようにしても良い。
【0061】
次に、情報処理装置12における画像表示処理の流れについて説明する。
図12は、情報処理装置12における画像表示処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、利用者は、配置したい機種に対応するID情報を含むマーク情報を付与したマークを実空間に配置し、マークを配置した実空間の画像をカメラ11により撮影する。カメラ11は、マークが配置された空間の画像を撮影し、撮影した画像データを情報処理装置12へ出力する。情報処理装置12は、カメラ11から実画像を図示しないインターフェースを介して取得し(ACT11)、取得した実画像を画像メモリ22に記憶する(ACT12)。
【0062】
カメラ11が実画像を取得すると、制御部21のプロセッサ31は、マーク検出機能(マーク検出部41)によりカメラ11が撮影した実画像からマークを検出する(ACT13)。マーク検出部41によりマークを検出すると、プロセッサ31は、マーク情報抽出機能(マーク情報抽出部42)により検出したマークに付与されているマーク情報を抽出する(ACT14)。プロセッサ31は、検出したマークの位置を決定するとともに、抽出したマーク情報から機器の向きを決定する(ACT15)。さらに、プロセッサ31は、マークから抽出したマーク情報に含まれるID情報などによりマークに対応する機種を特定する(ACT16)。
【0063】
マークに対応する機種が複数ある場合、プロセッサ31は、操作装置14による機種の選択に応じて機種を特定する。なお、マークに対応する機種が複数ある場合であっても、デフォルトの機種を設定しておけば、プロセッサ31は、操作装置14による機種の選択がなければデフォルトの機種を特定するようにしても良い。また、マークに対応する機種が1つである場合であっても、プロセッサ31は、操作装置14の操作により選択された機種への変更を受け付けるようにしても良い。
【0064】
すなわち、操作装置14による機種の選択入力があれば(ACT17、YES)、プロセッサ31は、マークに対応する機器として選択された機種を設定する(ACT18)。また、操作装置14による機種の選択入力が無ければ(ACT17、NO)、プロセッサ31は、マークに付与されたマーク情報に基づいて特定する機器をマークに対応する機種として設定する。
【0065】
各マークに対応する機種を特定すると、プロセッサ31は、機器画像作成機能(機器表示用画像作成部43)により、各マークに対応する各機器の表示用画像を作成する(ACT19)。プロセッサ31は、各マークに対応する機種のモデルデータを機器情報データベース24aから取得し、機器情報データベース24aから取得した各機種のモデルデータを、各マークの位置および姿勢に応じて回転、変倍(縮小或いは拡大)することにより各マークに対応する機器画像を作成する。
【0066】
また、各マークに対応する機種を特定した場合、プロセッサ31は、コスト換算機能(コスト換算部44)により各マークに対応する機種による運用上のコストを算出する(ACT20)。各マークに対応する各機種のコストを算出すると、プロセッサ31は、各マークに対応する各機器のコストを合算することにより画像内の全機器による総コストを算出する(ACT21)。総コストを算出すると、プロセッサ31は、画像内の全機器によるコストを示す総コスト画像を作成する(ACT22)。
【0067】
また、総コストを算出する場合、プロセッサ31は、比較対象とするコスト情報が存在するか否かを判断する(ACT23)。比較対象のコスト情報が存在する場合(ACT23、YES)、プロセッサ31は、算出した当該画像内の総コストと比較対象とするコストとの差分を算出する(ACT24)。比較対象のコストに対する差分を算出すると、プロセッサ31は、画像内の全機器によるコストと比較対象のコストとの差分を示す差分コスト画像を作成する(ACT25)。
【0068】
制御部21のプロセッサ31は、上記の処理により作成した、各マークに対応する機器画像と総コスト画像と差分コスト画像とを拡張画像として、画像合成部として機能する画像処理部23へ供給する。画像処理部23は、画像メモリ22に記憶した実画像に対して、各マークの位置に各マークに対応する機器画像を合成し、さらに、実画像の所定領域に総コスト画像と差分コスト画像とを合成した合成画像を生成する(ACT26)。画像処理部23は、生成した合成画像を表示用の画像データとして表示装置13へ供給することにより、表示装置13に合成画像を表示させる。
【0069】
情報処理装置12は、画像表示処理の終了が指示されるまで、上述したACT11〜26の処理を繰り返し実行する。これにより、情報処理装置12は、継続的に、カメラ11が撮影する実画像に、マークに対応する機器の機器画像とコスト画像とを合成した合成画像を表示装置13に表示することができる。
【0070】
上記のように、本実施形態に係る画像表示システムにおいて、カメラは、各種の機種に対応づけたマーク情報を付与したマークを配置した空間の画像を撮影する。情報処理装置は、カメラにより撮影された実画像からマークを検出し、検出したマークに対応する機種の機器画像と前記検出したマークに対応する機種のコストを示すコスト画像とを作成し、前記実画像に対して、マークの位置に機器画像を合成するとともにコスト画像を合成する。表示装置は、情報処理装置により実画像に機器画像とコスト画像とを合成した合成画像を表示する。
【0071】
このような画像表示システムによれば、配置したい機種に対応するマークを実空間の配置位置に実際に設置した状態でカメラが当該空間の画像を撮影することより、仮想的に配置された機器画像と画像内の各機器によるコストとを合成した合成画像を表示できる。この結果として、利用者は、様々な機器のレイアウトを容易に確認でき、かつ、コスト効果も視覚的に容易に確認することができる。すなわち、本実施形態によれば、様々な機種の配置を試行配置しながら、しかも各種の機器の組合せによる運用上のコストを容易に比較及び確認することが可能な画像表示システムを提供できる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…画像表示システム、M(M1、M2)…マーク、A(A1.A2、A3、A4、A6、A7a、A7b、A8a、A8b)…機器画像、C(C3、C4、C6a、C6b、C7a、C7b、C8a、C8b)…コスト画像、C6a、C7a、C8a…総コスト画像、C6b、C7b、C8b…差分コスト画像、11…カメラ、12…情報処理装置(画像処理装置)、13…表示装置、14…操作装置、21…制御部、22…画像メモリ、23…画像処理部、24…記憶部、24a…機器情報データベース、24b…コスト情報データベース、24c…利用情報データベース、31…プロセッサ、32…RAM、33…ROM、41…マーク検出部、42…マーク情報抽出部、43…機器表示用画像作成部、44…コスト換算部、45…コスト表示用画像作成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実の空間を撮影した実画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得した実画像からマークを検出するマーク検出部と、
前記マーク検出部により検出したマークに対応する機種の機器画像を作成する機器画像作成部と、
前記マーク検出部により検出したマークに対応する機種のコストを算出する算出部と、
前記算出部により算出したコストを示すコスト画像を作成するコスト画像作成部と、
前記実画像にマークに対応する前記機器画像と前記コスト画像とを合成する画像合成部と、
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記マーク検出部により前記実画像から検出した全てのマークに対応する機種のコストを算出し、各マークに対応する各機器のコストを合算した総コストを算出し、
前記コスト画像作成部は、前記算出部により算出した総コストを示す総コスト画像を作成し
前記画像合成部は、前記コスト画像として総コスト画像を前記実画像に合成する、
を有する前記請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
さらに、比較対象とするコスト情報を記憶する記憶部を有し、
前記算出部は、前記マーク検出部により検出したマークに対応する機種のコストと、前記記憶部に記憶した比較対象とするコスト情報との差分を算出し、
前記コスト画像作成部は、前記算出部により算出した差分を示す差分コスト画像を作成し、
前記画像合成部は、前記コスト画像として差分コスト画像を前記実画像に合成する、
を有する前記請求項1又は2の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
現実の空間を撮影した実画像を取得し、
前記取得した実画像からマークを検出し、
前記検出したマークに対応する機種の機器画像を作成し、
前記検出したマークに対応する機種のコストを算出し、
前記算出したコストを示すコスト画像を作成し、
前記実画像にマークに対応する前記機器画像と前記コスト画像とを合成する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
現実の空間を撮影した実画像を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得した実画像からマークを検出するマーク検出機能と、
前記マーク検出機能により検出したマークに対応する機種の機器画像を作成する機器画像作成機能と、
前記マーク検出機能により検出したマークに対応する機種のコストを算出する算出機能と、
前記算出機能により算出したコストを示すコスト画像を作成するコスト画像作成機能と、
前記実画像にマークに対応する前記機器画像と前記コスト画像とを合成する画像合成機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−84155(P2012−84155A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225207(P2011−225207)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】