説明

画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム

【課題】 簡便な方法でもって、動画像中の所望のフレーム群から所望の画像領域を指定するための技術を提供すること。
【解決手段】 動画像の再生表示開始後、第1の位置、該第1の位置を特定した第1のタイミングを特定し、該特定後に第2の位置、該第2の位置を特定した第2のタイミングを特定する。第1のタイミングから第2のタイミングまでの間に表示された各フレームの画像において、第1の位置及び第2の位置を対角位置とする矩形領域内の部分画像を要求するための要求情報を生成し、該生成した要求情報を外部装置に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラグメント参照を行う為の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サーバ上に保存されている動画データを2次元平面上で再生しているとき、ユーザが動画データの一部分をフラグメント参照としてサーバにリクエストし、サーバから受け取る手段を考える。ユーザが動画データの一部の領域を指定する場合、ユーザはポインティングデバイスを用いて選択領域を指定する。従来では、画像や動画データの一部分を選択する場合は、ポインティングデバイスで矩形領域を指定し、それに含まれる領域を選択結果としていた(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−366972号公報
【特許文献2】特開2009−177431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の方法では、フラグメント参照について空間指定と時間指定を同時に指定したい場合、空間指定する前後で別途、時間指定する必要があった。そのため、ユーザが必要とする選択手順が増えてしまい、処理が煩雑化してしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、簡便な方法でもって、動画像中の所望のフレーム群から所望の画像領域を指定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理装置は、外部装置から供給された動画像を表示画面上に再生表示する画像処理装置であって、前記動画像の再生表示を開始した後、該動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第1の位置として特定すると共に、該第1の位置を特定したタイミングを第1のタイミングとして特定する第1の特定手段と、前記第1の位置及び前記第1のタイミングの特定後に前記指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第2の位置として特定すると共に、該第2の位置を特定したタイミングを第2のタイミングとして特定する第2の特定手段と、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの間に表示された各フレームの画像において、前記第1の位置及び前記第2の位置を対角位置とする矩形領域内の部分画像を前記外部装置に対して要求するための要求情報を生成し、該生成した要求情報を前記外部装置に対して送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成によれば、簡便な方法でもって、動画像中の所望のフレーム群から所望の画像領域を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像処理装置に適用可能なコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図。
【図2】画像処理装置の機能構成例を示すブロック図。
【図3】画像処理装置が行う処理のフローチャート。
【図4】ステップS301の処理の詳細を示すフローチャート。
【図5】ステップS304における処理のフローチャート。
【図6】ステップS309における処理のフローチャート。
【図7】ステップS604における処理のフローチャート。
【図8】SVG情報の一例を示す図。
【図9】SVG情報を用いた描画結果を示す図。
【図10】ステップS703における処理のフローチャート。
【図11】画像処理装置が行う処理のフローチャート。
【図12】画像処理装置が行う処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0010】
[第1の実施形態]
本実施形態では、外部装置としてのサーバ装置から供給された各フレームの画像(いわゆる動画像)を表示画面上に再生表示する画像処理装置について説明する。より詳しくは、サーバ装置から供給された各フレームの画像を順次受信して表示画面上に表示し、表示した各フレームの画像のうち、所望のフレーム区間内における画像について、所望の領域内の部分画像をサーバ装置に要求する画像処理装置について説明する。
【0011】
本実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示す図2のブロック図、本実施形態に係る画像処理装置が行う処理のフローチャートを示す図3を用いて、本実施形態に係る画像処理装置について説明する。なお、画像処理装置は、図3のフローチャートの処理の開始と共に、画像処理装置が有する不図示の表示画面上に、動画像の再生表示を開始する。
【0012】
ステップS301では、デバイスデータ取得部201は、ユーザが入力機器を用いて、動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示(領域選択の開始指示)を入力したか否かを判断する。この判断の結果、領域選択の開始指示が入力されたと判断した場合は、処理はステップS302に進み、領域選択の開始指示が入力されていないと判断した場合は、処理はステップS310に進む。ステップS301における処理の詳細を図4に示す。
【0013】
ステップS401では、デバイスデータ取得部201は、画像処理装置内の不図示のメモリ内に設けてある位置スタックを空にする。ステップS402では、デバイスデータ取得部201は、ボタン押下フラグを0に初期化する。
【0014】
ステップS403では、デバイスデータ取得部201は、入力機器から送られてくる操作信号を参照し、この操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示すか否かを判断する。この判断の結果、操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示す場合には処理はステップS404に進み、操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示していない場合には、処理はステップS403に戻る。
【0015】
ステップS404では、デバイスデータ取得部201は、入力機器から送られてくるデバイスデータを取得する。そしてステップS405では、デバイスデータ取得部201は、この取得したデバイスデータを参照して入力機器の種別を判別する。この判別の結果、入力機器が特定の機器であれば、処理はステップS406に進み、特定の機器以外の機器であれば、処理はステップS413に進む。なお、本実施形態ではこの「特定の機器」が「マウス」である場合について説明するが、他の機器であっても以降の説明の本質は変わらない。ステップS413では、デバイスデータ取得部201は、領域選択の開始指示は入力していないと判断し、ステップS301における処理を終える。
【0016】
一方、ステップS406では、デバイスデータ取得部201は、表示画面上に表示されているマウスポインタの現時点における位置(座標位置)を、上記の位置スタックに追加登録する。
【0017】
ステップS407では、デバイスデータ取得部201は、上記操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示しているか否かを判断する。この判断の結果、操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示している場合は、処理はステップS408に進み、操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示していない場合は、処理はステップS409に進む。ステップS408では、デバイスデータ取得部201は、ボタン押下フラグに1を設定し、処理はステップS403に戻る。
【0018】
一方、ステップS409では、デバイスデータ取得部201は、ボタン押下フラグの値が1であるか否かを判断する。この判断の結果、ボタン押下フラグの値が1であれば処理はステップS410に進み、ボタン押下フラグの値が0であれば、処理はステップS413に進む。
【0019】
ステップS410では、デバイスデータ取得部201は、位置スタックに登録されているそれぞれのマウスポインタの位置を読み出し、そのあと、この位置スタックを空にする。
【0020】
ステップS411では、デバイスデータ取得部201は、ステップS410で読み出したそれぞれのマウスポインタの位置が何れもほぼ同じ(例えば、それぞれの位置の差が規定値以下に収まっている)であるか否かを判断する。この判断の結果、ほぼ同じであれば、処理はステップS412に進み、ほぼ同じではない場合は、処理はステップS413に進む。ステップS412では、デバイスデータ取得部201は、領域選択の開始指示が入力されたものと判断し、ステップS301における処理を終える。
【0021】
図3に戻って、次に、ステップS310では、画像処理装置は、予め定められた時間だけ処理を待機し、その後、処理はステップS301に戻る。一方、ステップS302では、選択開始時刻取得部202は、現時点における時刻を選択開始時刻として特定する。
【0022】
ステップS303では、選択領域取得部204は、ステップS410で位置スタックの先頭から読み出した位置を、選択開始点として特定する。なお、選択開始点として特定する位置は、位置スタックの先頭の位置から読み出した位置に限るものではない。
【0023】
ステップS304では、デバイスデータ取得部201は、ユーザが入力機器を用いて、動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示(領域選択の終了指示)を入力したか否かを判断する。そしてこの判断の結果、領域選択の終了指示が入力されたと判断した場合は、処理はステップS305に進み、領域選択の終了指示が入力されていないと判断した場合は、処理はステップS311に進む。ステップS304における処理の詳細を図5に示す。
【0024】
ステップS501では、デバイスデータ取得部201は、入力機器から送られてくる操作信号を参照し、この操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示すか否かを判断する。この判断の結果、操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示す場合には処理はステップS502に進み、操作信号が、「入力機器がユーザによって操作された」ことを示していない場合には、処理はステップS507に進む。
【0025】
ステップS502では、デバイスデータ取得部201は、入力機器から送られてくるデバイスデータを取得する。そしてステップS503では、デバイスデータ取得部201は、この取得したデバイスデータを参照して入力機器の種別を判別する。この判別の結果、入力機器が特定の機器(本実施形態では上記の通りマウス)であれば、処理はステップS504に進み、特定の機器以外の機器であれば、処理はステップS507に進む。ステップS507では、デバイスデータ取得部201は、領域選択の終了指示は入力していないと判断し、ステップS304における処理を終える。
【0026】
一方、ステップS504では、デバイスデータ取得部201は、上記操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示しているか否かを判断する。この判断の結果、操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示している場合は、処理はステップS505に進み、操作信号が、マウスのボタンが押下されたことを示していない場合は、処理はステップS507に進む。
【0027】
ステップS505では、デバイスデータ取得部201は、表示画面上に表示されているマウスポインタの現時点における位置(座標位置)を、上記のメモリに格納する。ステップS506では、デバイスデータ取得部201は、領域選択の終了指示が入力されたものと判断し、ステップS304における処理を終える。
【0028】
図3に戻って、次に、ステップS311では、画像処理装置は、予め定められた時間だけ処理を待機し、その後、処理はステップS304に戻る。一方、ステップS305では、選択終了時刻取得部203は、現時点における時刻を選択終了時刻として特定する。ステップS306では、選択領域取得部204は、ステップS505でメモリに格納した位置を、選択終了点として特定する。
【0029】
ステップS309では、フラグメント参照パラメータ決定部205及びフラグメント参照記述生成部206が、上記の処理で収集した情報を用いて、フラグメント参照記述を生成し、生成したフラグメント参照記述をサーバ装置に送信する。ステップS309における処理の詳細を図6に示す。
【0030】
ステップS601では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、図3のフローチャートの処理の開始と共に再生表示を開始した上記の動画像のURLを取得する。即ち、上記のサーバ装置におけるこの動画像のURLを取得する。例えばこのURIは、http://www.example.com/video.ogvというように記述される。
【0031】
ステップS602では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS302で特定した時刻(選択開始時刻)、ステップS305で特定した時刻(選択終了時刻)、から、フラグメント参照記述に利用する時刻パラメータを決定する。例えば、選択開始時刻が10秒、選択終了時刻が20秒であるとすると、時刻パラメータはt=10,20として記述される。
【0032】
ステップS603では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS303で取得した位置と、ステップS306で取得した位置と、を用いて、これらの位置を対角位置とする矩形領域の高さと幅を求める。例えば、ステップS303で取得した位置(x、y)が(160,120)、ステップS306で取得した位置(x、y)が(480,360)である場合、ステップS603では、幅=480−160=320、高さ=360−120=240として求める。なお、位置は、表示画面の左上隅の位置を(0,0)とした場合のものであるとする。
【0033】
ステップS604では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS303で取得した位置と、ステップS603で求めた幅及び高さと、から、フラグメント参照記述に利用する空間パラメータを決定する。上記の例の場合、空間パラメータはxywh=160,120,320,240として記述される。なお、空間パラメータを決定する際は、動画像の表示領域を越えない値に修正してもよい。例えば、選択開始位置(x、yの何れか若しくは両方)が負の値であった場合は、これを0としてもよい。
【0034】
ステップS605では、フラグメント参照記述生成部206は、ステップS601で取得したURL、ステップS602で決定した時刻パラメータ、ステップS604で決定した空間パラメータ、を用いて、フラグメント参照記述を生成する。上記の例の場合、フラグメント参照記述はhttp://www.example.com/video.ogv#t=10,20&xywh=160,120,320,240というように記述される。
【0035】
そして画像処理装置は、時刻パラメータで指定したタイミング間で再生された各フレームの画像において、空間パラメータで指定した矩形領域内の部分画像を要求する為の要求情報として、このフラグメント参照記述をサーバ装置に送信する。
【0036】
なお、本実施形態は、次に説明する画像処理装置の一例を述べたものであり、この画像処理装置の構成と同等であれば、如何なる変形例も採用可能である。即ちこの画像処理装置とは、外部装置から供給された動画像を表示画面上に再生表示する画像処理装置である。この画像処理装置は動画像の再生表示を開始した後、該動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された第1の位置を特定すると共に該第1の位置を特定した第1のタイミングを特定する(第1の特定)。
【0037】
更にこの画像処理装置は、第1の位置及び第1の時刻の特定後に更に上記の指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された第2の位置を特定すると共に、該第2の位置を特定した第2のタイミングを特定する(第2の特定)。
【0038】
そしてこの画像処理装置は、第1のタイミングから第2のタイミングの間に表示された各フレームの画像において第1の位置及び第2の位置を対角位置とする矩形領域内の部分画像を外部装置に要求する為の要求情報を生成して、外部装置に送信する。
【0039】
[第2の実施形態]
本実施形態では、3次元仮想空間中に設けられた仮想平面上に動画像をテクスチャとして貼り付け、この仮想平面を適当な視点から見た画像を、表示画面上に表示する。そのため、本実施形態では、HyperText Markup Language(HTML)を利用して、3次元仮想空間内の仮想平面上に動画像を再生表示し、この仮想平面を適当な視点から見た画像を、表示画面上に表示する。
【0040】
本実施形態は、このようにして動画像を再生表示することと、空間パラメータを決定する処理以外は第1の実施形態と同様である。然るに、以下では、空間パラメータを決定する処理について説明し、それ以外の説明については第1の実施形態ですでに説明したとおりであるため、省略する。また、本実施形態に係る画像処理装置の構成も、第1の実施形態と同じであるとする。本実施形態においてステップS604で行う処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
HTMLを利用して3次元仮想空間内で2次元平面を3次元変形(移動、回転など)する場合は、Cascading Style Sheets(CSS)や、Scalable Vector Graphics(SVG)といった記述言語を利用する。
【0042】
そこで、ステップS701では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、CSS情報やSVG情報から、3次元変形に用いられた3次元変形情報を取得する。このCSS情報やSVG情報は、サーバ装置から動画像と共に配信される情報である。
【0043】
SVG情報の一例を図8に示す。このSVG情報は、座標(0,0)に配置した幅160、高さ120の四角形を、x軸を中心として30度回転させる為の情報である。このSVG情報を用いた描画結果を図9に示す。
【0044】
SVG情報では、transform属性を使用することで、図形やイメージデータや動画像に3次元変形を施すことができる。図8ではtransform属性にrotateX(30)を指定している。rotateXとはx軸を中心に回転を施す記述である。rotateXの引数は回転角を示す。また、perspectiveは視点情報を示す。図8では視点が(240,180,−400)に配置されている。図8に示したSVG情報中の3次元変形情報は、transform=”rotateX(30)”とperspective=”240 180 −400”である。
【0045】
ステップS702では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS303で取得した位置とステップS306で取得した位置とを対角位置とする矩形領域の3次元形状を、上記の3次元変形情報を用いて変換する。この変換した矩形領域(変換領域)は、表示画面上では矩形ではない。
【0046】
そこでステップS703では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、表示画面上でこの変換領域を包含する最小の矩形領域を求める。ステップS703における処理の詳細を図10に示す。
【0047】
ステップS1001では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS702で求めた変換領域の4頂点のそれぞれの表示画面上における座標位置(x、y)を取得する。
【0048】
ステップS1002では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、変換領域の4頂点のx座標値のうち、最小のX座標値minXを特定する。ステップS1003では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、変換領域の4頂点のy座標値のうち、最小のY座標値minYを特定する。
【0049】
ステップS1004では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、変換領域の4頂点のx座標値のうち、最大のX座標値maxXを特定する。ステップS1005では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、変換領域の4頂点のy座標値のうち、最大のY座標値maxYを特定する。
【0050】
ステップS1006では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、4頂点の座標値が(minX、minY)、(minX、maxY)、(maxX、minY)、(maxX、maxY)である矩形を上記最小の矩形領域として特定する。
【0051】
図7に戻って、次にステップS704では、フラグメント参照パラメータ決定部205は、ステップS703で求めた矩形領域について、第1の実施形態と同様にして空間パラメータを決定する。
【0052】
[第3の実施形態]
本実施形態では、マルチタッチディスプレイなどのポインティングデバイスが複数存在することを前提とする。本実施形態に係る画像処理装置が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図11を用いて説明する。以下では、第1の実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0053】
ステップS1101では、画像処理装置は、選択開始点及び選択終了点を指定する為のUI(ユーザインターフェース)と、選択開始時刻及び選択終了時刻を指定するためのUIと、が別個に設けられているか否かを判断する。この判断の結果、別個に設けられている場合は、処理はステップS1003に進み、同じUI上に設けられている場合(上記の実施形態と同じ)は、処理はステップS301に進む。
【0054】
ステップS1103では、デバイスデータ取得部201は、現在のポインティング位置が、選択開始点及び選択終了点を指定するためのUI上に位置しているか否かを判断する。この判断の結果、選択開始点及び選択終了点を指定するためのUI上に位置していると判断した場合、処理はステップS1104に進み、選択開始点及び選択終了点を指定するためのUI上に位置していないと判断した場合、処理はステップS1107に進む。
【0055】
ステップS1104では、選択領域取得部204により、第1の実施形態と同様にして、選択開始点及び選択終了点を取得する。
【0056】
一方、ステップS1107では、デバイスデータ取得部201は、現在のポインティング位置が、選択開始時刻及び選択終了時刻を指定するためのUI上に位置しているか否かを判断する。この判断の結果、選択開始時刻及び選択終了時刻を指定する為のUI上に位置していると判断した場合、処理はステップS1108に進み、選択開始時刻及び選択終了時刻を指定する為のUI上に位置していないと判断した場合、処理はステップS1103に戻る。
【0057】
ステップS1108では、選択開始時刻取得部202及び選択終了時刻取得部203により、第1の実施形態と同様にして、選択開始時刻及び選択終了時刻を取得する。
【0058】
ステップS1105では、画像処理装置は、選択開始時刻及び選択終了時刻が取得済みであるか否かを判断する。この判断の結果、選択開始時刻及び選択終了時刻が取得済みであれば、処理はステップS309に進み、選択開始時刻及び選択終了時刻が取得済みではない場合は、処理はステップS1103に戻る。
【0059】
なお、本実施形態では、ポインティングデバイスが複数存在する場合のフラグメント参照パラメータの決定方法を逐次処理で実現した例を示したが、並列処理で実現してもよい。
【0060】
[第4の実施形態]
本実施形態では、領域選択時の動画像の再生速度を、通常の再生速度とは異なる速度に設定する。一般に、短時間内に、動画像中の所望のフレーム群から所望の領域を指定する操作を行うことは難しい。しかし、単に動画像の再生速度を一律に遅くしただけでは、この指定に要する時間が比較的短くすんだ場合には不都合である。
【0061】
然るに本実施形態では、動画像中の所望のフレーム群から所望の領域を指定する操作を行う前に、この操作において好適な再生速度が設定できるようなインターフェースを提供する。以下では、第1の実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0062】
本実施形態に係る画像処理装置が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図12を用いて説明する。ステップS1201では、画像処理装置は、動画像の再生速度をユーザに設定させるための画面を表示画面上に表示する。これによりユーザは、入力機器を用いて再生速度を入力する。ステップS1202では、画像処理装置は、ユーザから受け付けた再生速度で動画像の再生を開始する。そしてその後、処理をステップS301に進める。
【0063】
そして、ステップS1204では、画像処理装置は、フラグメント参照記述の生成が完了すると、動画像の再生を停止させる。そして、ステップS1205では画像処理装置は、動画像の再生速度をデフォルトの値に戻す。なお、動画像の再生速度の設定は、図3のフローチャートの処理の最中に行っても良く、状況に応じて再生速度を調整するようにしてもよい。
【0064】
[第5の実施形態]
図2に示した各部はハードウェアで構成してもよいが、ソフトウェア(コンピュータプログラム)で構成してもよい。図2に示した各部をソフトウェアで構成する場合、このソフトウェアを保持するメモリと、このソフトウェアを実行する実行部とを有する装置は、上記の画像処理装置に適用することができる。
【0065】
上記の画像処理装置に適用可能なコンピュータのハードウェア構成例を図1に示す。CPU101は、RAM103やROM102に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いてコンピュータ100全体の動作制御を行うと共に、画像処理装置が行うものとして上述した各処理を実行する。
【0066】
ROM102には、コンピュータ100の設定データやブートプログラムなどが格納されている。RAM103は、外部記憶装置106からロードされたコンピュータプログラムやデータ、不図示のインターフェースを介してサーバ装置から受信した各フレームの画像、等を一時的に記憶するためのエリアを有する。更にRAM103は、CPU101が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。即ちRAM103は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0067】
表示部104は、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU101による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。この表示部104の表示画面上にはサーバ装置から受信した動画像や、上記のUI等を表示することができる。
【0068】
外部記憶装置106は、ハードディスクドライブ装置に代表される大容量情報記憶装置である。この外部記憶装置106には、OS(オペレーティングシステム)や、画像処理装置が行うものとして上述した各処理をCPU101に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。また、上記で既知の情報として説明したものも、この外部記憶装置106に保存されている。外部記憶装置106に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU101による制御に従って適宜RAM103にロードされ、CPU101による処理対象となる。
【0069】
バス105には、上記の各部が接続されている。もちろん、上記の通り、図2に示した各部をソフトウェアで構成する場合、ソフトウェアを保持するメモリと、ソフトウェアを実行する実行部とを有する装置は、上記の画像処理装置に適用することができる。然るに、画像処理装置に適用可能な装置の構成は、図1の構成に限らない。
【0070】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から供給された動画像を表示画面上に再生表示する画像処理装置であって、
前記動画像の再生表示を開始した後、該動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第1の位置として特定すると共に、該第1の位置を特定したタイミングを第1のタイミングとして特定する第1の特定手段と、
前記第1の位置及び前記第1のタイミングの特定後に前記指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第2の位置として特定すると共に、該第2の位置を特定したタイミングを第2のタイミングとして特定する第2の特定手段と、
前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの間に表示された各フレームの画像において、前記第1の位置及び前記第2の位置を対角位置とする矩形領域内の部分画像を前記外部装置に対して要求するための要求情報を生成し、該生成した要求情報を前記外部装置に対して送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記第1の位置と前記第2の位置とから前記矩形領域の高さと幅を求め、該求めた幅と高さ、前記第1の位置、前記第1のタイミング、前記第2のタイミングを含む前記要求情報を前記外部装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
更に、前記動画像の再生速度を調整する手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
外部装置から供給された動画像を表示画面上に再生表示する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
前記画像処理装置の第1の特定手段が、前記動画像の再生表示を開始した後、該動画像の表示領域内における位置を指定する指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第1の位置として特定すると共に、該第1の位置を特定したタイミングを第1のタイミングとして特定する第1の特定工程と、
前記画像処理装置の第2の特定手段が、前記第1の位置及び前記第1のタイミングの特定後に前記指定指示を検知すると、該指定指示によって指定された位置を第2の位置として特定すると共に、該第2の位置を特定したタイミングを第2のタイミングとして特定する第2の特定工程と、
前記画像処理装置の送信手段が、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの間に表示された各フレームの画像において、前記第1の位置及び前記第2の位置を対角位置とする矩形領域内の部分画像を前記外部装置に対して要求するための要求情報を生成し、該生成した要求情報を前記外部装置に対して送信する送信工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるための、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54704(P2013−54704A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194411(P2011−194411)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】