説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、太線化、細線化処理の行われる画像のうち特定画像に対しては、該太線化、細線化処理による縦横の変化の発生を防止する画像処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関するに関する。
【解決手段】複合装置1は、1200dpiのオリジナル画像データに600dpiの不正コピーガードパターンを合成するために、不正コピーガードパターン変換機能部32が、不正コピーガードパターンの解像度変換を行う際に、合成後の画像にエッジ処理部51で縦線の太線化または細線化が行われても、不正コピーガードパターンの縦横比率に変化が生じないように、先に前細線化処理または前太線化処理を施し、その後、オリジナル画像データとビデオ出力コントローラ4で合成して、エッジ処理部51でエッジ処理を行う。したがって、不正コピーガードパターンの認識率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、太線化処理・細線化処理の行われる画像の特定画像に対しては、該太線化処理・細線化処理による縦横の変化の発生を防止する画像処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタ、デジタル複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等の電子写真方式の画像形成装置は、その作像ユニットが、レーザダイオード等の光源からのビーム束を、コリメートレンズ等で整形してポリゴンミラー等により、副走査方向に回転されている感光体等の一様に帯電された被走査面上で主走査方向に偏向走査し、該被走査面上に静電潜像を形成する。作像ユニットは、該被走査面上に形成された潜像に現像プロセスによってトナーを載せて現像し、該トナー画像を記録媒体(用紙、シート状部材等、以下、単に、用紙という。)に転写して、該用紙上のトナー画像を定着させることで、出力画像を形成している。
【0003】
このように、電子写真方式の画像形成装置においては、その作像ユニットとして、入力画像のトナーを載せる部分(以下、適宜、トナー積載部分という。)に対応した位置にビーム束を照射して静電潜像を形成して、該静電潜像にトナーを供給して現像するネガ/ポジ(N/P)プロセスが一般的であるが、ビーム束が被走査面上に到達するときのビーム径や現像条件によって、トナー体積状態が異なり、入力される画像データが同じであっても、出力される画像が異なった状態となる。
【0004】
例えば、主走査1画素の縦ラインの画像出力を行う場合、1画素に相当する期間だけビーム照射を行っても、画像形成装置の機種、ロット、ひいては、画像形成装置の固体間によってビーム径や現像条件が異なることに起因して、形成される出力画像の縦ラインの太さが異なった結果となる。また、主走査1画素(縦)ラインと副走査1画素(横)ラインを同じ用紙に出力する場合においても、ビーム径や現像条件の違いによって、縦ラインと横ラインが異なった太さになることがある。特に、複写装置でコピーした用紙を再度原稿として使用するいわゆる孫コピーでは、上記現象が大きく現れる。
【0005】
このような線の太さが原稿画像と異なった結果となる現象は、黒やカラーのトナーの載った画像部ラインだけでなく、トナーの載らない用紙の地肌のラインについても同様に原稿画像と異なって、細くなったり、太くなったりした結果となることがある。
【0006】
上記のような問題は、トナーとして、黒色のトナーを用いて白黒画像を形成する場合に限るものではなく、カラーのトナーを用いてカラー画像を形成する場合にも同様に発生する。カラー画像を形成する場合には、各色毎の被走査面において、各色の入力画像のトナーを載せる部分にビーム束を照射して、各色毎に被走査面上に順次静電潜像を形成して、該静電潜像に対応する色のトナーを載せ、該各色のトナー画像を順次用紙に重ね合わせて転写して、カラーのトナー画像を用紙上に形成する。
【0007】
そして、従来、このような不具合を解決する従来例として、入力画像データの注目画素とその主走査方向に隣接する周辺画素の各多値画像データのパターンに基づいて1ドット幅の縦線を検出して、その縦線の印字ドットを小さくして縦線を細くして画像形成する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−063134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術にあっては、処理対象画像全体に対して、縦線の細線化や太線化を行っているため、不正コピー防止画像に対しても細線化や太線化が行われ、不正コピー防止画像の検知率を低下させるという問題があった。
【0010】
すなわち、画像には、不正コピー等を防止するために、人の目では判明しない状態の地紋等の不正コピー防止画像(不正コピーガードパターン等)が入れ込まれている場合がある。
【0011】
この不正コピー防止画像は、不正コピー防止機能を搭載しているコピー装置、複合装置等によってコピーが行われようとするときに、該不正コピー防止機能によって不正コピー防止画像の有無を判定して、不正コピー防止画像が埋め込まれていることを認識すると、コピー動作自体を停止させたり、不正コピーであることを示す文字を印刷物に印刷すること等によって不正コピーの防止を行うのに使用される。そして、不正コピー防止機能は、コピー対象の画像に不正コピー防止画像が存在するか否かを、不正コピー防止画像の縦横比の比率等を厳密に検査して判定している。
【0012】
一方、画像の不正コピーを防止するために、画像処理装置によって対象の画像データに不正コピー防止画像を入れ込むのは、上記細線化処理・太線化処理の行われる前に、行われるため、不正コピー防止画像も細線化処理・太線化処理の対象となって、細線化処理・太線化処理が行われてしまい、不正コピー防止画像の検知精度に影響することとなる。
【0013】
すなわち、細線化処理・太線化処理の処理対象画像に不正コピー防止画像が含まれていると、不正コピー防止画像に対しても細線化、太線化が行われ、不正コピー防止画像の縦横の比率が変化して、画像処理装置がその不正コピー防止機能によって、不正コピー防止画像の有無の認識率が低下することとなる。
【0014】
そこで、本発明は、不正コピー防止パターンの認識率を向上させつつ、細線化処理・太線化処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記目的を達成するために、出力対象画像データの解像度よりも低い所定解像度の不正コピー防止画像を該出力対象画像データの解像度に合わせる解像度変換処理を行い、該解像度変換された不正コピー防止画像を該出力対象画像データに合成して、該合成画像データに対して、縦線を所定の太らせ量だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量だけ細らせる細線化処理を行う場合に、該合成前の不正コピー防止画像の解像度変換処理において、エッジ処理による太線化処理での太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または細線化処理での細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行することを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、解像度変換処理において、エッジ処理で縦線の太線化処理が行われるときには、前細線化処理として、不正コピー防止画像に対して、該太線化処理の対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を該太線化処理での太らせ量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該太らせ量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素を該太らせ量に応じた画素数だけ組み合わせて付加する処理を実行することを特徴としてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、解像度変換処理において、エッジ処理で縦線の細線化処理が行われるときには、前太線化処理として、不正コピー防止画像に対して、該不正コピー防止画像の画素構成を該エッジ処理での細線化処理の対象となる色とその他の色とに反転させる反転処理と、該反転後の画素のうち、該細線化処理対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を細らせ量の反転量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該細らせ量の反転量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素とを組み合わせて付加する前細線化処理と、該細線化処理後の不正コピー防止画像を再度反転させる再反転処理と、を実行することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、出力対象画像データの解像度よりも低い所定解像度の不正コピー防止画像を該出力対象画像データの解像度に合わせる解像度変換処理を行い、該解像度変換された不正コピー防止画像を該出力対象画像データに合成して、該合成後の画像データに対して、縦線を所定の太らせ量だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量だけ細らせる細線化処理を行う場合に、該合成前の不正コピー防止画像の解像度変換処理において、エッジ処理における太線化処理での太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または細線化処理での細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行するので、不正コピー防止画像が出力対象画像データに合成された後で、細線化されたり、太線化されても、不正コピー防止画像の縦横比率に変化を生じることを防止することができ、不正コピー防止画像の認識率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0020】
図1〜図6は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0021】
図1において、複合装置1は、コントローラ2、地紋生成コントローラ3、ビデオ出力コントローラ(VOUT)4及びGAVD(Gate Array Video Device)5等を備えているとともに、図示しないが、複合装置として必要な各部、例えば、複合装置1に動作させるための各種操作を行ったり情報を表示する操作表示部、原稿の画像を読み取るスキャナ部、画像処理後の画像を用紙(印刷部材)に印刷出力するプリンタ部、ファクシミリ通信部、不正コピーガードパターンメモリ(不正コピー防止画像記憶メモリ)及び他の複合装置やコンピュータ等とネットワーク接続するための通信部等を備えている。この複合装置1は、不正コピー防止機能を搭載しており、不正コピーされるのを防止するために、不正コピーガードパターンメモリに格納されている不正コピーガードパターン(不正コピー防止画像)を、オリジナル画像データに付加し、また、図示しないが、コピー時には、スキャナ部で読み取った原稿画像に不正コピーガードパターンが埋め込まれているか否かを検知して、不正コピーガードパターンが埋め込まれていることを検知すると、コピー動作自体を停止させたり、出力画像にコピーであることを示す画像を埋め込んで出力させる等の不正コピーガード出力処理を行う。
【0022】
コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等が用いられ、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして用いて複合装置1の各部を制御して、複合装置1としての不正コピー防止処理を伴う基本処理を実行するとともに、後述する本発明の不正コピーガードパターンを画像の細線化・太線化に対応した調整を行った後に付加するという不正コピーガードパターンを適正化する画像処理を行う。すなわち、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでコントローラのROMや図示しないハードディスク等に導入することで、後述する不正コピーガードパターンを適正化してオリジナル画像に埋め込む画像処理方法を実行する画像処理装置としての複合装置1として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0023】
地紋生成コントローラ3は、リードDMAC(RDMAC:Read Direct Memory Access Controller)31、不正コピーガードパターン変換機能部32及びライトDMAC(WDMAC:Write DMAC)33等を備えており、コントローラ2の制御下で動作する。
【0024】
リードDMAC31は、コントローラ2の書き込んだ不正コピーガードパターンメモリの該不正コピーガードパターン記憶領域を記載したディスクリプタを読み出して、該ディスクリプタの指定するアドレスからから不正コピーガードパターンを読み出し、読み出した不正コピーガードパターンを不正コピーガードパターン変換機能部32に渡す。
【0025】
この不正コピーガードパターンは、メモリ(不正コピーガードパターンメモリ)の容量が少なくて済むように、通常、プリンタ部の有している解像度よりも低い解像度の不正コピーガードパターンが格納されており、本実施例では、600dpiの解像度の不正コピーガードパターンである。
【0026】
そして、複合装置1の備えているプリンタ部は、1200dpiの印刷能力を有しており、記録するオリジナル画像については、通常1200データで入力されて、1200dpiで印刷を行う。
【0027】
不正コピーガードパターン変換機能部32は、リードDMAC31の取り込んだ不正コピーガードパターンをオリジナル画像の解像度と合わせるために、600dpiを1200dpiに変換するが、この画像密度変換に際して、そのまま解像度を600dpiから1200dpiに変換すると、後述するように、GAVD5で細線化処理・太線化処理が行われる際に、不正コピーガードパターンが変形し、認識率が低下する。
【0028】
そこで、不正コピーガードパターン変換機能部32は、GAVD5で細線化されるときには、予め太線化し、GAVD5で太線化されるときには、予め細線化するという前太線化処理・前細線化処理を伴った解像度変換処理を行う。この前太線化処理・前細線化処理を伴った解像度変換処理については、後で詳細に説明する。
【0029】
ライトDMAC33は、不正コピーガードパターン変換機能部32が前太線化処理・前細線化処理を伴った解像度変換処理した不正コピーガードパターンデータを、コントローラ2がメモリに記載したライトディスクリプタを参照して、該ライトディスクリプタの指定しているメモリ領域に書き込む。
【0030】
ビデオ出力コントローラ4は、コントローラ2の制御下で、地紋生成コントローラ3のライトDMAC33の書き込んだメモリの不正コピーガードパターンデータを読み込んで、本来印刷出力する対象のオリジナル画像データ(出力対象画像データ)を合成して、合成後の画像データ(以下、合成画像データという。)をGAVD5に出力する。
【0031】
GAVD5は、プリンタ部の書き込み制御を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、具体的には、プリンタ部の備えている光書き込み部のLD(Laser Diode )アレイの発光制御を行う。GAVD5は、エッジ処理部51を備えており、エッジ処理部51は、プリンタ部の機種毎の不均一を是正して機種間での出力画像の見た目の均一性を向上させるために、縦線の細線化処理や太線化処理を行う。
【0032】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、オリジナル画像データに不正コピーガードパターンを合成した後に細線化処理・太線化処理してプリント出力する際に、不正コピーガードパターンに対して前太線化処理・前細線化処理してオリジナル画像データに合成することで、不正コピーガードパターンの検知率を向上させる。
【0033】
すなわち、複合装置1は、GAVD5のエッジ処理部51で、細線化処理または太線化処理する対象となる合成画像データは、コピーを禁止したいオリジナル画像データに対して不正コピーガードパターンが合成された画像であり、不正コピーガードパターンも同様に細線化処理または太線化処理されて、プリンタ部で印刷出力されることとなる。
【0034】
ところが、不正コピーガードパターンは、上述のように、該不正コピーガードパターンの合成された画像のコピーを不正コピー防止機能を搭載しているコピー装置等で行おうとした場合に、不正コピーガードパターンの縦横比が、エッジ処理によって、人間の見た目には適切な比率に見えても、機械が不正コピー防止機能によって判断する際の正規の不正コピーガードパターンとは異なった比率となってしまい、該不正コピー防止機能を搭載しているコピー装置等での不正コピーガードパターンの認識率が低下して、適切な不正コピーガードを行うことができない結果となる。
【0035】
一方、不正コピーガードパターンは、通常、複合装置1のプリンタ部の出力解像度よりも低い解像度で不正コピーガードパターンメモリに格納されており、本実施例の場合、プリンタ部の解像度が1200dpiで、不正コピーガードパターンメモリの不正コピーガードパターンの解像度が600データである。
【0036】
そこで、複合装置1は、地紋生成コントローラ3の不正コピーガードパターン変換機能部32において、600dpiの不正コピーガードパターンをオリジナル画像データの解像度である1200dpiに合わせる解像度変換を行う際に、GAVD5のエッジ処理部51での細線化処理・太線化処理に応じた前太線化処理・前細線化処理を実行する。なお、以下の説明では、説明を分かりやすくするために、不正コピーガードパターンが白黒画素で構成されているものとして説明するが、不正コピーガードパターンは、白黒画素で構成されている場合に限るものではない。
【0037】
すなわち、不正コピーガードパターン変換機能部32は、RDMAC31から不正コピーガードパターンデータを受け取ると、図2に示すように、まず、GAVD5のエッジ処理部51での細線化処理・太線化処理での細らせ量または太らせ量が所定値を越えているか否か、すなわち、エッジ処理部51での細線化処理・太線化処理によって不正コピーガードパターンの検知率の低下を招く太らせ量であるか、または、細らせ量であるかをチェックし(ステップS101)、所定値を越えていないときには、単純に解像度変換を行っても、エッジ処理部51での細線化処理・太線化処理によって不正コピーガードパターンの検知率の低下が小さいと判断して、単純2倍モードでの不正コピーガードパターンの解像度変換(600dpi→1200dpi)を行って、ビデオ出力コントローラ4に出力する(ステップS102)。
【0038】
この単純2倍モードによる不正コピーガードパターンの解像度変換は、エッジ処理で太線化する場合には、図3及び図4に示すように、単純に各画素を2倍に解像度変換し、エッジ処理で細線化する場合には、図5及び図6に示すように、不正コピーガードパターンの白黒を反転させ、この反転させた白黒反転不正コピーガードパターンを単純に各画素を2倍に解像度変換した後、再度白黒反転させる。そして、地紋生成コントローラ3は、このようにして不正コピーガードパターン変換機能部32において単純2倍モードで解像度変換した不正コピーガードパターンを、ライトDMAC33からメモリを介してビデオ出力コントローラ4に出力する。
【0039】
ビデオ出力コントローラ4には、印刷出力の対象であるオリジナル画像データが入力され、ビデオ出力コントローラ4は、このオリジナル画像データに地紋生成コントローラ3から入力される不正コピーガードパターンを合成して、GAVD5に出力する(ステップS103)。
【0040】
GAVD5は、そのエッジ処理部51で、プリンタ部の特性に応じて予め設定されている細線化量(細らせ量)または太線化量(太らせ量)に応じて、図3から図6に示すように、細線化処理または太線化処理を実行して出力画像データを生成して、プリンタ部のLDアレイの発光制御を行う(ステップS104)。
【0041】
ステップS101で、GAVD5のエッジ処理部51での細線化処理・太線化処理での太らせ量(太線化量)または細らせ量(細線化量)が所定値を越えているときには、不正コピーガードパターン変換機能部32は、GAVD5のエッジ処理部51で太線化処理を行うのか否かチェックし(ステップS105)、太線化処理を行うときには、図3及び図4に示すように、条件付き2倍モードによる不正コピーガードパターンの600dpi→1200dpiの解像度変換を行って、ビデオ出力コントローラ4に出力する(ステップS106)。
【0042】
この条件付き2倍モードによる不正コピーガードパターンの解像度変換は、エッジ処理での太線化処理に備えて予め細線化するという条件付き2倍モードである。したがって、条件付き2倍モードによる不正コピーガードパターンの解像度変換では、エッジ処理部51で縦線の左側を太らせる左側太線化と右側を太らせる縦線の右側太線化の2通りがあり、左側太線化のときには、図3に示すような条件付き2倍モード(左側条件付き2倍モード)で予め細線化した解像度変換を行い、右側太線化のときには、図4に示すような条件付き2倍モード(右側条件付き2倍モード)で予め細線化処理した解像度変換を行う。
【0043】
すなわち、左側条件付き2倍モードでの細線化解像度変換は、図3に示すように、不正コピーガードパターンの画素の並びにおいて、注目画素が黒画素●であって、その注目画素の一つ前の画素も黒画素●であれば、該黒の注目黒画素●を2つの黒画素●●に解像度変換し、黒の注目画素●の一つ前の画素が白画素○であれば、該黒の注目画素●を、白画素と黒画素を連続させた画素○●に解像度変換するという解像度変換である。すなわち、左側条件付き2倍モードでの細線化解像度変換では、単純2倍モードの場合と比較すると分かるように、黒画素が連続していない場合には、黒画素が2倍されずに、エッジ処理での左側太線化で黒画素に変換される位置の画素(黒画素の左側の画素)を白画素とした状態で解像度変換している。
【0044】
また、右側条件付き2倍モードでの細線化解像度変換は、図4に示すように、不正コピーガードパターンの画素の並びにおいて、注目画素が黒画素●であって、その注目画素の前の画素が白画素であれば、該黒の注目黒画素●を、白画素と黒画素を連続させた画素○●に解像度変換し、黒の注目画素●の前の画素が黒画素●であれば、該黒の注目画素●を、連続する黒画素●●に解像度変換するという解像度変換である。すなわち、右側条件付き2倍モードでの細線化解像度変換では、単純2倍モードの場合と比較すると分かるように、黒画素が連続していない場合には、黒画素が2倍されずに、エッジ処理での右側太線化で黒画素に変換される位置の画素(黒画素の右側の画素)を白画素とした状態で解像度変換している。
【0045】
そして、上述のようにして、左側条件付き2倍モードまたは右側条件付き2倍モードでの解像度変換を行った不正コピーガードパターンデータをビデオ出力コントローラ4に出力する。
【0046】
ビデオ出力コントローラ4には、印刷出力の対象であるオリジナル画像データが入力され、ビデオ出力コントローラ4は、オリジナル画像データに地紋生成コントローラ3から入力される条件付き2倍モードで解像度変換された不正コピーガードパターンを合成して、GAVD5に出力する(ステップS103)。
【0047】
GAVD5は、そのエッジ処理部51で、プリンタ部の特性に応じて予め設定されている太線化量に応じて、図3または図4に示すように、太線化処理を実行して出力画像データを生成して、プリンタ部のLDアレイの発光制御を行う(ステップS104)。
【0048】
また、ステップS105でGAVD5のエッジ処理51で細線化処理を行う場合には、まず、図5及び図6に示すように、不正コピーガードパターンの白黒を反転させ、該反転後の不正コピーガードパターンに対して、上記図3及び図4で説明した条件付き2倍モードによる不正コピーガードパターンの600dpi→1200dpiの解像度変換を行い(ステップS108)、解像度変換して反転した不正コピーガードパターンをビデオ出力コントローラ4に出力する(ステップS109)。
【0049】
すなわち、エッジ処理部51で細線化が行われる場合には、図5及び図6で単純2倍モードでの不正コピーガードパターン600dpiの欄とGAVDでのエッジ処理後の画素を比較すると、単純2倍モードのときには、不正コピーガードパターンを反転させた後に単純2倍モードして反転させてGAVD5で細線化のエッジ処理を行うと、不正コピーガードパターン自体が細線化された状態となっている。一方、条件付き2倍モードのときには、不正コピーガードパターンを反転させた後に条件付き2倍モードで解像度変換して反転させて、GAVD5で細線化のエッジ処理を行った結果と基の不正コピーガードパターンを見てみると、不正コピーガードパターン自体は細線化されずに適切に2倍に解像度変換されている。
【0050】
なお、図5は、GAVD5のエッジ処理部51で右側を細線化する場合を示しており、図6は、GAVD5のエッジ処理部51で左側を細線化する場合を示している。
【0051】
地紋生成コントローラ3は、上述のようにして、反転と条件付き2倍モードで不正コピーガードパターンの解像度変換(600dpi→1200dpi)を行って再度反転させた不正コピーガードパターンをライトDMAC33からビデオ出力コントローラ4に出力する。
【0052】
ビデオ出力コントローラ4には、印刷出力の対象であるオリジナル画像データが入力され、ビデオ出力コントローラ4は、オリジナル画像データに地紋生成コントローラ3から入力される条件付き2倍モードで解像度変換された不正コピーガードパターンを合成して、GAVD5に出力する(ステップS103)。
【0053】
GAVD5は、そのエッジ処理部51で、プリンタ部の特性に応じて予め設定されている細線化量に応じて、図5または図6に示すように、細線化処理を実行して出力画像データを生成して、プリンタ部のLDアレイの発光制御を行う(ステップS104)。
【0054】
このように、本実施例の複合装置1は、オリジナル画像データ(出力対象画像データ)の解像度よりも低い所定解像度の不正コピーガードパターンを該オリジナル画像データの解像度に合わせる解像度変換処理を地紋生成コントローラ3の不正コピーガードパターン変換機能部32で行い、該解像度変換された不正コピーガードパターンをオリジナル画像データにビデオ出力コントローラ4で合成して、該合成後の画像データに対して、所定解像度の縦線を所定の太らせ量(太線化量)だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量(細線化量)だけ細らせる細線化処理をエッジ処理部51で行う場合に、不正コピーガードパターン変換機能部32における合成前の不正コピーガードパターンの解像度変換処理において、エッジ処理部51における太線化処理での太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または細線化処理での細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行している。
【0055】
したがって、不正コピーガードパターンがオリジナル画像データに合成された後で、細線化されたり、太線化されても、不正コピーガードパターンの縦横比率に変化を生じることを防止することができ、不正コピーガードパターンの認識率を向上させることができる。
【0056】
また、本実施例の複合装置1は、不正コピーガードパターン変換機能部32が、エッジ処理部51で縦線の太線化処理が行われるときには、前細線化処理として、不正コピーガードパターンに対して、該太線化処理対象となる色(黒色)の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が黒画素であるときには、該注目画素を太線化処理での太らせ量に応じた画素数だけ連続させ、注目画素の直前の画素が注目画素の色とは異なる色(白色)の画素であるときには、白画素と黒画素を該太らせ量に応じた画素数だけ組み合わせて付加する処理を実行している。
【0057】
したがって、エッジ処理部51が太線化する場合に、該太線化処理での太らせ量に応じて適切に前細線化処理を行うことができ、不正コピーガードパターンの認識率をより適切に向上させることができる。
【0058】
さらに、本実施例の複合装置1は、不正コピーガードパターン変換機能部32が、エッジ処理部51で縦線の細線化処理が行われるときには、前太線化処理として、不正コピーガードパターンに対して、該不正コピーガードパターンの画素構成をエッジ処理部51での細線化処理の対象となる色(黒色)とその他の色(白色)について反転させる反転処理と、該反転後の画素のうち、黒画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が黒画素であるときには、該注目画素を細らせ量の反転量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が白画素であるときには、該細らせ量の反転量に応じた画素数の画素を白画素と黒画素を組み合わせて付加する前細線化処理と、該細線化処理後の不正コピーガードパターンを再度反転させる再反転処理と、を順次実行している。
【0059】
したがって、エッジ処理部51で縦線の細線化が行われる場合も、簡単な構成でかつ太線化が行われる場合と同じ構成を利用して、該細線化の細らせ量に応じて適切に前太らせ処理(前太線化処理)を行うことができ、不正コピーガードパターンの認識率をより適切にかつ安価に向上させることができる。
【0060】
また、本実施例の複合装置1は、不正コピーガードパターン変換機能部32が、オリジナル画像データの解像度が1200dpiであり、不正コピーガードパターンの解像度が600dpiであると、前細線化処理として、不正コピーガードパターンに対して、エッジ処理部51での太線化処理または細線化処理の対象となる黒画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が黒画素であるときには、注目画素を2画素だけ連続させ、注目画素の直前の画素が白画素であるときには、2画素を白画素と黒画素とを該太線化処理または該細線化処理に応じて組み合わせて付加する処理を実行している。
【0061】
したがって、実際に多く用いられている複合装置1等のプリンタ部の解像度と不正コピーガードパターンの解像度とに適切に対応した処理を行うことができる。
【0062】
さらに、本実施例の複合装置1は、不正コピーガードパターン変換機能部32が、エッジ処理部51における縦線の太線化処理での太らせ量または細線化処理での細らせ量が解像度変換処理での前細線化処理量または前太線化処理量よりも所定量小さいときには、該前細線化処理または該前太線化処理を省いた解像度変換処理を行っている。
【0063】
したがって、前細線化処理または前太線化処理を行うことで、その後のエッジ処理でかえって、不正コピーガードパターンの縦横比率に変化が生じることを未然に防止することができ、不正コピーガードパターンの認識率を向上させることができる。
【0064】
なお、上記説明においては、不正コピーガードパターンが、不正コピーガードパターンメモリに600dpiで格納されていて、オリジナル画像の出力解像度が1200dpiの場合について説明したが、解像度変換の割合は、上記解像度の場合に限るものではなく、解像度の小さい不正コピーガードパターンの解像度を、解像度の大きいオリジナル画像の解像度の出力解像度に対応付けて条件付き解像度変換を行うことで、対応することができる。
【0065】
また、上記説明では、不正コピーガードパターンが白黒パターンの場合について説明したが、カラーの場合にも同様に適用することができる。
【0066】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、太線化処理・細線化処理の行われる画像の特定画像に対しては、該太線化処理・細線化処理による縦横の変化の発生を防止する画像処理を行う複写装置、複合装置、コンピュータ等の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】図1の複合装置による不正コピーガードパターンの前太線化処理・前細線化処理を伴う画像処理を示すフローチャート。
【図3】エッジ処理で左側へ太線化する場合の不正コピーガードパターンを条件付き2倍モードと単純2倍モードで解像度変換するときの説明図。
【図4】エッジ処理で右側へ太線化する場合の不正コピーガードパターンを条件付き2倍モードと単純2倍モードで解像度変換するときの説明図。
【図5】エッジ処理で右側へ細線化する場合の不正コピーガードパターンを条件付き2倍モードと単純2倍モードで解像度変換するときの説明図。
【図6】エッジ処理で左側へ細線化する場合の不正コピーガードパターンを条件付き2倍モードと単純2倍モードで解像度変換するときの説明図。
【符号の説明】
【0069】
1 複合装置
2 コントローラ
3 地紋生成コントローラ
4 ビデオ出力コントローラ(VOUT)
5 GAVD
31 リードDMAC(RDMAC)
32 不正コピーガードパターン変換機能部
33 ライトDMAC(WDMAC)
51 エッジ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの縦線を所定の太らせ量だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量だけ細らせる細線化処理を行うエッジ処理手段と、出力対象画像データの解像度よりも低い所定解像度の不正コピー防止画像を該出力対象画像データの解像度に合わせる解像度変換処理を行う解像度変換手段と、該解像度変換された不正コピー防止画像を該出力対象画像データに合成して該エッジ処理手段に渡す合成手段と、を備え、前記解像度変換手段は、前記解像度変換処理において、前記エッジ処理手段による前記太線化処理での太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または前記細線化処理での該細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記解像度変換手段は、前記エッジ処理手段で縦線の太線化処理が行われるときには、前記前細線化処理として、前記不正コピー防止画像に対して、該太線化処理対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を該太線化処理での前記太らせ量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該太らせ量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素を該太らせ量に応じた画素数だけ組み合わせて付加する処理を実行することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記解像度変換手段は、前記エッジ処理手段で縦線の細線化処理が行われるときには、前記前太線化処理として、前記不正コピー防止画像に対して、該不正コピー防止画像の画素構成を該エッジ処理手段での細線化処理の対象となる色とその他の色について反転させる反転処理と、該反転後の画素のうち、該細線化処理対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を前記細らせ量の反転量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該細らせ量の反転量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素を組み合わせて付加する前細線化処理と、該細線化処理後の不正コピー防止画像を再度反転させる再反転処理と、を順次実行することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記解像度変換手段は、前記出力対象画像データの解像度が1200dpiであり、前記不正コピー防止画像の解像度が600dpiであると、前記前細線化処理として、前記不正コピー防止画像に対して、前記エッジ処理手段での太線化処理または細線化処理の対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を2画素だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、2画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素とを組み合わせて付加する処理を実行することを特徴とする請求項2または請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記解像度変化手段は、前記エッジ処理手段における縦線の太線化処理での太らせ量または細線化処理での細らせ量が前記解像度変換処理での前記前細線化処理量または前記前太線化処理量よりも所定量小さいときには、該前細線化処理または該前太線化処理を省いた解像度変換処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像データに縦線を所定の太らせ量だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量だけ細らせる細線化処理を行うエッジ処理ステップと、出力対象画像データの解像度よりも低い所定解像度の不正コピー防止画像を該出力対象画像データの解像度に合わせる解像度変換処理を行う解像度変換処理ステップと、該解像度変換された不正コピー防止画像を該出力対象画像データに合成して前記エッジ処理ステップに渡す合成処理ステップと、を有し、前記解像度変換処理ステップで、前記解像度変換処理において、前記エッジ処理ステップにおける前記太線化処理での前記太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または前記細線化処理での前記細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記解像度変換処理ステップは、前記エッジ処理ステップで縦線の太線化処理が行われるときには、前記前細線化処理として、前記不正コピー防止画像に対して、該太線化処理対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を該太線化処理での前記太らせ量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該太らせ量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素を該太らせ量に応じた画素数だけ組み合わせて付加する処理を実行することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記解像度変換処理ステップは、前記エッジ処理ステップで縦線の細線化処理が行われるときには、前記前太線化処理として、前記不正コピー防止画像に対して、該不正コピー防止画像の画素構成を該エッジ処理ステップでの細線化処理の対象となる色とその他の色とに反転させる反転処理ステップと、該反転後の画素のうち、該細線化処理対象となる色の画素を注目画素として該注目画素の直前の画素が該注目画素と同じ色の画素であるときには、該注目画素を前記細らせ量の反転量に応じた画素数だけ連続させ、該注目画素の直前の画素が該注目画素の色とは異なる色の画素であるときには、該細らせ量の反転量に応じた画素数の画素を該注目画素以外の色の画素と該注目画素の色の画素とを組み合わせて付加する前細線化処理ステップと、該細線化処理後の不正コピー防止画像を再度反転させる再反転処理ステップと、を有することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、画像データに縦線を所定の太らせ量だけ太らせる太線化処理または所定の細らせ量だけ細らせる細線化処理を行うエッジ処理と、出力対象画像データの解像度よりも低い所定解像度の不正コピー防止画像を該出力対象画像データの解像度に合わせる解像度変換処理と、該解像度変換された不正コピー防止画像を該出力対象画像データに合成して前記エッジ処理に渡す合成処理と、を実行するとともに、前記解像度変換処理で、前記解像度変換処理として、前記エッジ処理における前記太線化処理での前記太らせ量に対応する細らせ量で前もって細線化する前細線化処理または前記細線化処理での前記細らせ量に対応する太らせ量で前もって太線化する前太線化処理を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−21898(P2010−21898A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182079(P2008−182079)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】