説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】 ルックアップテーブルを記憶するための記憶容量を削減しつつ、様々な色処理に対して処理度合いを任意に調整可能な画像処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 画像処理装置10は、画像信号d2の色処理を行う画像処理装置であって、プロファイル作成部15と、色処理実行部16とを備えている。プロファイル作成部15は、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換プロファイルに基づいて、所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルを作成する。色処理実行部16は、作成された新たな色変換プロファイルに基づいて、画像信号d2の色処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、特に、画像信号の色処理を行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像信号に対する画像処理として、色処理について知られている。
色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれる処理である。表示色変換処理とは、画像信号の全体の色調を調整する処理であり、例えば、画像信号の明るさを調整する、あるいは画像信号に特定の効果(例えば、フィルムライク処理など)を与えるよう調整する処理である。色域変換処理とは、画像信号の入出力デバイスに固有の色空間において画像信号を再生表示させるために行われる処理であり、色域圧縮(Gamut Mapping)などと呼ばれる処理である。記憶色補正処理とは、画像信号中の空の色、肌の色あるいは緑の色といった特定の色を記憶に合うように調整する処理である。
【0003】
これらの処理においては、入力される画像信号をある写像関数により別空間へと写像するという処理が必要となる。しかし、このような写像関数は、一般的に線形の写像関数とはならない場合が多い、またこのような写像関数を定式化すること自体できない場合もある。そこで、このような処理においては、ルックアップテーブルを用いた処理が行われる。
【0004】
ルックアップテーブルを用いた処理に際して、問題となるのは、ルックアップテーブルを記憶する記憶装置の容量を減らしつつ、いかに高精度の色処理を実行することができるかという点である。すなわち、入力された全ての画像信号に対して色処理された画像信号のデータをルックアップテーブルに格納するのでは、ルックアップテーブルが膨大な容量となってしまう。一方、一部の画像信号に対する色処理された画像信号のデータのみをルックアップテーブルに格納するのでは、色処理の精度が低くなる。
【0005】
これに対し、ルックアップテーブルには、入力された画像信号の一部に対する色処理された画像信号のデータを格納し、このルックアップテーブルを補間して用いることにより色処理の精度を向上させる技術(例えば、特許文献1参照)、またルックアップテーブルを繰り返し補正し、記憶色の色再現性を向上させるルックアップテーブルを得るための技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特開平4−367162号公報
【特許文献2】特開平11−205620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、上記した表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれるそれぞれの処理において、処理度合いを任意に調整することが求められている。例えば、色処理された画像信号を出力する出力デバイスの環境に対応して色処理を行うことが求められている。より具体的には、色処理された画像信号を周囲の環境光に応じてモニタ表示させること、あるいは色処理された画像信号を紙質に応じてプリンタによりプリントアウトさせることなどが求められている。また、表示色変換処理、記憶色補正処理などにおいては、観者それぞれの好みに応じた色処理が求められている。
【0007】
しかし、これらの色処理を実現するためには、色処理の処理度合いを異ならせた膨大な数のルックアップテーブルを有することが必要となり、ルックアップテーブルを記憶するためのメモリなどの記憶容量も膨大なものとなる。
そこで、本発明では、ルックアップテーブルを記憶するための記憶容量を削減しつつ、様々な色処理に対して処理度合いを任意に調整可能な画像処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の画像処理装置は、画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、色変換ルックアップテーブル作成部と、色処理実行部とを備えている。色変換ルックアップテーブル作成部は、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。色処理実行部は、作成された新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、画像信号の色処理を実行する。
【0009】
ここで、所定の色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれる処理である(以下、この欄において同じ)。色処理についての処理度合いとは、例えば、記憶色補正処理であれば、記憶色を強化する色補正処理の強化度合いのことである(以下、この欄において同じ)。
【0010】
本発明の画像処理装置においては、少数の基本色変換ルックアップテーブルを備えるだけで、任意の処理度合いの色処理を実現することが可能となる。また、少数の基本色変換ルックアップテーブル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換ルックアップテーブルを用意しておく必要がなく、色変換ルックアップテーブルを記憶するメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、色変換ルックアップテーブル作成部は、作成実行部とルックアップテーブル記憶部とを有している。作成実行部は、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルの合成度合いに基づいて新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。ルックアップテーブル記憶部は、作成実行部が作成した新たな色変換ルックアップテーブルを記憶する。また、色処理実行部は、ルックアップテーブル記憶部に記憶された新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、画像信号の色処理を実行する。
【0012】
作成実行部は、例えば、複数の基本色変換ルックアップテーブルどうしの合成度合いを用いて、それぞれの基本色変換ルックアップテーブルにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換ルックアップテーブルの各要素の値を決定する。ルックアップテーブル記憶部は、新たな色変換ルックアップテーブルの各要素の値を記憶する。色処理実行部は、ルックアップテーブル記憶部に記憶された新たな色変換ルックアップテーブルを用いて、画像信号の色処理を実行する。
【0013】
本発明の画像処理装置においては、基本色変換ルックアップテーブルの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成することが可能となる。
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1または2に記載の画像処理装置であって、複数の基本色変換ルックアップテーブルは、所定の色処理についてデフォルトの処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルと、デフォルトの処理度合いを高めた、あるいは低めた処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルとを含んでいる。
【0014】
作成実行部は、例えば、複数の基本色変換ルックアップテーブルの合成度合いに基づいて、デフォルトの処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルと、デフォルトの処理度合いを高めた、あるいは低めた処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルとの対応する各要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換ルックアップテーブルの各要素の値を決定する。
【0015】
本発明の画像処理装置においては、デフォルトの処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルを用いて色処理を行うことが可能となるとともに、必要に応じてデフォルトの処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルをカスタマイズして色処理を行うことも可能となる。
【0016】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置であって、基本色変換ルックアップテーブルのそれぞれは、複数の異なる色処理を組み合わせて実現する色変換ルックアップテーブルである。
ここで、基本色変換ルックアップテーブルは、例えば、画像信号に対して複数の色処理を直列的に行った結果を格納している。さらに、それぞれの基本色変換ルックアップテーブルは、複数の色処理のうちの一部の色処理について、異なる処理度合いを実現する色変換ルックアップテーブルである。
【0017】
本発明の画像処理装置においては、複数の色処理を組み合わせて実現する色変換ルックアップテーブルを用いるため、複数の色処理を実行するために要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置であって、色変換ルックアップテーブル作成部は、色処理毎に作成される複数の色変換ルックアップテーブルであって、それぞれの色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて作成される複数の色変換ルックアップテーブルを合成することにより新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。
【0019】
ここで、色変換ルックアップテーブル作成部は、複数の基本色変換ルックアップテーブルの合成により新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。
本発明の画像処理装置においては、複数の色処理のそれぞれについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成することが可能となる。このため、より高精度な画像処理を実現することが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の画像処理方法は、画像信号の色処理を行う画像処理方法であって、色変換ルックアップテーブル作成ステップと、色処理実行ステップとを備えている。色変換ルックアップテーブル作成ステップは、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。色処理実行ステップは、作成された新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、画像信号の色処理を実行する。
【0021】
本発明の画像処理方法においては、少数の基本色変換ルックアップテーブルを備えるだけで、任意の処理度合いの色処理を実現することが可能となる。また、少数の基本色変換ルックアップテーブル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換ルックアップテーブルを用意しておく必要がなく、色変換ルックアップテーブルを記憶するメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
【0022】
請求項7に記載の画像処理プログラムは、コンピュータにより画像信号の色処理を行うための画像処理プログラムであって、色変換ルックアップテーブル作成ステップと、色処理実行ステップとをそなえる画像処理方法をコンピュータに行わせるものである。色変換ルックアップテーブル作成ステップは、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。色処理実行ステップは、作成された新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、画像信号の色処理を実行する。
【0023】
本発明の画像処理プログラムにおいては、少数の基本色変換ルックアップテーブルを備えるだけで、任意の処理度合いの色処理を実現することが可能となる。
請求項8に記載の集積回路は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を含む。
本発明の集積回路では、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の表示装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、画像処理装置から出力される色処理された画像信号の表示を行う表示手段とを備えている。
本発明の表示装置では、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0025】
請求項10に記載の撮影装置は、画像の撮影を行う撮影手段と、撮影手段により撮影された画像を画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置とを備えている。
本発明の撮影装置では、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0026】
請求項11に記載の携帯情報端末は、通信あるいは放送された画像データを受信するデータ受信手段と、受信された画像データを画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、画像処理装置により色処理された画像信号の表示を行う表示手段とを備えている。
【0027】
本発明の携帯情報端末では、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
請求項12に記載の携帯情報端末は、画像の撮影を行う撮影手段と、撮影手段により撮影された画像を画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、色処理された画像信号を送信するデータ送信手段とを備えている。
【0028】
本発明の携帯情報端末では、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
請求項13に記載の画像処理装置は、入力された画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、プロファイル作成手段と、画像処理実行手段とを備えている。プロファイル作成手段は、異なる色処理を行うための複数のプロファイルに基づいて、色処理に用いられるプロファイルを作成する。画像処理実行手段は、プロファイル作成手段により作成されたプロファイルを用いて、色処理を行う。
【0029】
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理などである。
また、プロファイルとは、例えば、画像信号に対する演算を行うための係数マトリクスデータや、画像信号の値に対する色処理された画像信号の値を格納するテーブルデータなどである(以下、この欄において同じ)。
【0030】
本発明の画像処理装置は、複数のプロファイルに基づいて新たなプロファイルを作成する。このため、予め用意されるプロファイルが少数であっても、多くの異なる色処理を行うことが可能となる。すなわち、プロファイルを記憶するための記憶容量を削減することが可能となる。
【0031】
請求項14に記載の画像処理装置は、入力された画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、プロファイル情報出力手段と、画像処理実行手段とを備えている。プロファイル情報出力手段は、色処理に用いられるプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力する。画像処理実行手段は、プロファイル情報出力手段から出力された情報に基づいて特定されるプロファイルを用いて色処理を行う。
【0032】
ここで、プロファイル情報とは、例えば、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、その他プロファイルを特定するための情報などである。
本発明の画像処理装置では、プロファイル情報に基づいて、プロファイルを制御し、色処理を行うことが可能となる。
【0033】
請求項15に記載の画像処理装置は、請求項14に記載の画像処理装置であって、プロファイル情報出力手段は、色処理された画像信号を表示する表示環境に応じて、プロファイル情報を出力する。
ここで、表示環境とは、例えば、環境光の明るさや色温度、表示を行う装置、表示される画像のサイズ、表示される画像と表示される画像を視覚するユーザとの位置関係、ユーザに関する情報などである。
【0034】
本発明の画像処理装置では、表示環境に応じた色処理を行うことが可能となる。
請求項16に記載の画像処理装置は、請求項14に記載の画像処理装置であって、プロファイル情報出力手段は、画像信号に含まれる情報のうちプロファイルに関わる情報に応じて、プロファイル情報を出力する。
【0035】
プロファイルに関わる情報とは、例えば、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、その他プロファイルを特定するための情報などである。
本発明の画像処理装置では、プロファイルに関わる情報を画像信号から取得し、色処理を行うことが可能となる。
【0036】
請求項17に記載の画像処理装置は、請求項14に記載の画像処理装置であって、プロファイル情報出力手段は、取得された色処理の特徴に関わる情報に応じて、プロファイル情報を出力する。
色処理の特徴に関わる情報とは、色処理のパラメータの特徴についての情報であり、例えば、明度、色相、彩度、記憶色補正の特性などといったパラメータの値などである。
【0037】
本発明の画像処理装置では、例えば、色処理の特徴に関わる情報をユーザの好みで入力することにより色処理を行うことが可能となる。
請求項18に記載の画像処理装置は、請求項14に記載の画像処理装置であって、プロファイル情報出力手段は、画像信号が生成された環境に関わる情報に応じて、プロファイル情報を出力する。
【0038】
画像信号が生成された環境に関わる情報とは、例えば、画像信号が撮影により記録された場合の撮影環境に関わる情報や、撮影環境における撮影許可情報などを含んでいる。
本発明の画像処理装置では、画像信号が生成された環境に関わる情報に応じて色処理を行うことが可能となる。
【0039】
請求項19に記載の画像処理装置は、請求項14に記載の画像処理装置であって、画像信号は、画像データと、画像信号の属性情報とを含んでいる。プロファイル情報出力手段は、属性情報に応じて、プロファイル情報を出力する。
本発明の画像処理装置では、画像信号の属性情報に応じて色処理を行うことが可能となる。このため、画像信号に適した色処理を行うことが可能となる。
【0040】
請求項20に記載の画像処理装置は、請求項19に記載の画像処理装置であって、属性情報とは、画像データの全体に関わる全体属性情報を含んでいる。
全体属性情報とは、例えば、画像データ全体の制作に関する情報や、画像データ全体の内容に関する情報などを含んでいる。
【0041】
本発明の画像処理装置では、全体属性情報に応じて色処理を行うことが可能となる。このため、画像データに適した色処理を行うことが可能となる。
請求項21に記載の画像処理装置は、請求項19または20に記載の画像処理装置であって、属性情報とは、画像データの一部に関わる部分属性情報を含んでいる。
【0042】
部分属性情報とは、例えば、画像データの一部のシーン内容に関する情報などを含んでいる。
本発明の画像処理装置では、部分属性情報に応じて色処理を行うことが可能となる。このため、画像データに適した色処理を行うことが可能となる。
【0043】
請求項22に記載の画像処理装置は、請求項19に記載の画像処理装置であって、属性情報とは、画像信号が生成された環境に関わる生成環境属性情報を含んでいる。
生成環境属性情報とは、画像信号が撮影、記録、作成された環境に関する情報であり、例えば、画像信号が生成された際の環境に関する情報や、生成に用いられた機器の動作情報などを含んでいる。
【0044】
本発明の画像処理装置では、生成環境属性情報に応じて色処理を行うことが可能となる。このため、画像信号に適した色処理を行うことが可能となる。
請求項23に記載の画像処理装置は、請求項19に記載の画像処理装置であって、属性情報とは、画像信号が取得された媒体に関わる媒体属性情報を含んでいる。
【0045】
媒体属性情報とは、放送媒体、通信媒体、記録媒体など、画像信号が取得された媒体に関わる情報である。
本発明の画像処理装置では、媒体属性情報に応じて色処理を行うことが可能となる。このため、媒体の属性に適した色処理を行うことが可能となる。
【0046】
請求項24に記載の画像処理装置は、請求項13〜23のいずれかに記載の画像処理装置において、プロファイルは、2次元LUTである。画像処理実行手段は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を含む。
本発明の画像処理装置では、請求項13〜23のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果が得られる。さらに、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果が得られる。
【0047】
請求項25に記載の画像処理装置は、画像処理実行手段と、プロファイル情報出力手段と、プロファイル情報付加手段とを備えている。画像処理実行手段は、入力された画像信号に色処理を行う。プロファイル情報出力手段は、入力された画像信号に好適な色処理を行うプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力する。プロファイル情報付加手段は、画像信号あるいは画像処理実行手段により色処理された画像信号に対して、プロファイル情報を付加して出力する。
【0048】
本発明の画像処理装置により、画像信号あるいは画像処理実行手段により色処理された画像信号と、プロファイル情報とを関連づけて処理することが可能となる。このため、プロファイル情報が付加された信号を取得した装置は、その信号に対して、好適な色処理を容易に行うことが可能となる。
【0049】
請求項26に記載の集積回路は、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置を含む。
本発明の集積回路では、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0050】
請求項27に記載の表示装置は、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、画像処理装置により色処理された画像信号の表示を行う表示手段とを備えている。
本発明の表示装置では、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0051】
請求項28に記載の撮影装置は、画像の撮影を行う撮影手段と、撮影手段により撮影された画像を画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置とを備えている。
本発明の撮影装置では、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0052】
請求項29に記載の携帯情報端末は、通信あるいは放送された画像データを受信するデータ受信手段と、受信された画像データを画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、画像処理装置により色処理された画像信号の表示を行う表示手段とを備えている。
【0053】
本発明の携帯情報端末では、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
請求項30に記載の携帯情報端末は、画像の撮影を行う撮影手段と、撮影手段により撮影された画像を画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、色処理された画像信号を送信するデータ送信手段とを備えている。
【0054】
本発明の携帯情報端末では、請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を得ることが可能となる。
請求項31に記載の半導体装置は、画像信号の色処理を行う半導体装置であって、色変換ルックアップテーブル作成部と、色処理実行部とを備えている。色変換ルックアップテーブル作成部は、所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する。色処理実行部は、作成された新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、画像信号の色処理を実行する。
【0055】
本発明の半導体装置においては、少数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、任意の処理度合いの色処理を実現することが可能となる。また、少数の基本色変換ルックアップテーブル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換ルックアップテーブルを用意しておく必要がなく、色変換ルックアップテーブルを記憶するメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
【0056】
請求項32に記載の半導体装置は、入力された画像信号の色処理を行う半導体装置であって、プロファイル作成部と、画像処理実行部とを備えている。プロファイル作成部は、異なる色処理を行うための複数のプロファイルに基づいて、色処理に用いられるプロファイルを作成する。画像処理実行部は、プロファイル作成部により作成されたプロファイルを用いて、色処理を行う。
【0057】
ここで、色処理とは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理などである。
また、プロファイルとは、例えば、画像信号に対する演算を行うための係数マトリクスデータや、画像信号の値に対する色処理された画像信号の値を格納するテーブルデータなどである。
【0058】
本発明の半導体装置は、複数のプロファイルに基づいて新たなプロファイルを作成する。このため、予め用意されるプロファイルが少数であっても、多くの異なる色処理を行うことが可能となる。すなわち、プロファイルを記憶するためのメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
【0059】
請求項33に記載の半導体装置は、入力された画像信号の色処理を行う半導体装置であって、プロファイル情報出力部と、画像処理実行部とを備えている。プロファイル情報出力部は、色処理に用いられるプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力する。画像処理実行部は、プロファイル情報出力部から出力された情報に基づいて特定されるプロファイルを用いて色処理を行う。
【0060】
ここで、プロファイル情報とは、例えば、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、その他プロファイルを特定するための情報などである。
本発明の半導体装置では、プロファイル情報に基づいて、プロファイルを制御し、色処理を行うことが可能となる。
【0061】
請求項34に記載の半導体装置は、画像処理実行部と、プロファイル情報出力部と、プロファイル情報付加部とを備えている。画像処理実行部は、入力された画像信号に色処理を行う。プロファイル情報出力部は、入力された画像信号に好適な色処理を行うプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力する。プロファイル情報付加部は、画像信号あるいは画像処理実行部により色処理された画像信号に対して、プロファイル情報を付加して出力する。
【0062】
本発明の半導体装置により、画像信号あるいは画像処理実行部により色処理された画像信号と、プロファイル情報とを関連づけて処理することが可能となる。このため、プロファイル情報が付加された信号を取得した装置は、その信号に対して、好適な色処理を容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0063】
本発明により、ルックアップテーブルを記憶するための記憶容量を削減しつつ、様々な色処理に対して処理度合いを任意に調整可能な画像処理装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
[第1実施形態]
図1〜図3を用いて、第1実施形態に係る画像処理装置10について説明する。画像処理装置10は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置10は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
【0065】
〈構成〉
図1を用いて、画像処理装置10の基本構成について説明する。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし、画像処理された出力信号d3を出力とする画像処理装置である。画像処理装置10は、入力信号d1を入力とし視覚処理された画像信号d2を出力とする視覚処理部11と、色処理の基本となる基本色変換プロファイルを格納し選択された基本色変換プロファイルのデータである選択プロファイルデータd5を出力とする基本プロファイル群記憶部12と、画像信号d2と選択プロファイルデータd5とを入力とし色処理された出力信号d3を出力する色処理部13と、各部に制御信号c1〜c3を与える制御部14とを備えている。
【0066】
視覚処理部11は、制御部14からの制御信号c1を受け、入力信号d1の空間処理、階調処理などといった視覚処理を行い、画像信号d2を出力する。視覚処理部11は、例えば、入力信号d1の低域空間のみを通過させる低域空間フィルタにより空間処理を行う。低域空間フィルタとしては、通常用いられるFIR(Finite Impulse Respones)型の低域空間フィルタ、あるいはIIR(Infinite Impulse Respones)型の低域空間フィルタなどを用いてもよい。また、視覚処理部11は、ガンマ曲線などを用いた階調処理を行う。
【0067】
基本プロファイル群記憶部12は、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理などの色処理を単独であるいは組み合わせて実現するための複数の基本色変換プロファイルを格納している。それぞれの基本色変換プロファイルは、ある色空間から別の色空間への写像を与えるルックアップテーブルとして記憶されている。より具体的には、ルックアップテーブルは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルとして記憶されている。また、基本プロファイル群記憶部12に記憶される基本色変換プロファイルは、画像処理装置の外部のパーソナルコンピュータ(PC)25において予め算出される。算出された基本色変換プロファイルは、基本色変換プロファイルのデータである基本プロファイルデータd4をPC25から転送することにより基本プロファイル群記憶部12に格納される。
【0068】
なお、基本プロファイル群記憶部12は、ROM、書き換え・データ更新が可能な記憶媒体(RAM、ハードディスクなど)、あるいは画像処理装置10から取り外し可能な記憶媒体(メモリーカードなど)で構成される。画像処理装置10の基本プロファイル群記憶部12には、予め作成された基本プロファイルデータd4がPC25から読み込まれることとなる。また、基本プロファイル群記憶部12の書き換え・データ更新が可能な場合、外部のネットワークに接続することで、外部より自由に基本色変換プロファイルを更新させることができる。
【0069】
色処理部13は、選択プロファイルデータd5を入力とし処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイル作成部15と、画像信号d2と処理用プロファイルデータd7とを入力とし出力信号d3を出力とする色処理実行部16とを有している。プロファイル作成部15は、選択プロファイルデータd5を入力とし選択プロファイルデータに基づいて作成された生成プロファイルデータd6を出力とするプロファイル作成実行部20と、生成プロファイルデータd6を入力として格納し、格納されたデータのうち色処理に用いられるデータである処理用プロファイルデータd7を出力とするプロファイルRAM21とから構成される。
【0070】
次に、図2を用いて、本発明の特徴部分である基本プロファイル群記憶部12、色処理部13の詳細な構成について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルからなる複数のプロファイル群を記憶している。図2に示す画像処理装置10では、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル22aと22bとを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル23aと23bとを備えている。
【0071】
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。
《プロファイル群》
プロファイル群について説明する。プロファイル群とは、同じ色処理について色処理の程度を異ならせた基本色変換プロファイルから構成されるグループである。プロファイル群22および23のそれぞれは、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理を実現する機能、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理を実現する機能を有している。例えば、プロファイル群22が記憶色補正処理を実現する場合、基本色変換プロファイル22aと22bとは、異なる補正度合いの記憶色補正を実現する。より具体的には、例えば、基本色変換プロファイル22aが肌色を濃い肌色に変換し、基本色変換プロファイル22bが肌色を薄い肌色に変換するというように、それぞれの基本色変換プロファイルは、同じ機能を有しながら異なる処理度合いを実現する。
【0072】
《基本色変換プロファイル》
基本色変換プロファイルについて説明する。基本色変換プロファイルは、それぞれ8ビットで表現される3次元の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える3次元ルックアップテーブルである。ここで、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の全てに対して、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、{(2^8)^3}*3=48Mバイトと基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を多く必要とする。そこで、それぞれ8ビットで表現される色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位数ビットに対してのみ、それぞれ8ビットで表現される色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えている。より具体的には、例えば、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与える場合、1つの基本色変換プロファイルに必要な記憶容量は、{(2^5)^3}*3=98304バイトと削減される。
【0073】
以下、基本色変換プロファイルは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるとする。
(色処理部13)
色処理部13は、プロファイル作成実行部20において、プロファイル生成部30をさらに備えている。プロファイル生成部30は、選択プロファイルデータd5(図1参照)を入力とし生成プロファイルデータd6を出力とする。
【0074】
〈作用〉
図2を用いて、各部の作用について説明する。
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c10が入力される。カウント信号c10は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、処理Xを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル22aおよび22bのアドレスが指定され、処理Yを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル23aおよび23bのアドレスが指定される。アドレスの指定は、2つの基本色変換プロファイルにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出されるよう行われる。このようにして読み出されたデータは、第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11として基本プロファイル群記憶部12から出力される。基本色変換プロファイル22aおよび22bは、色処理前の画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットに対してのみ、色処理後の画像信号値(R1,G1,B1)を与えるため、それぞれ(2^5)^3個のアドレスが指定され、データが読み出される。
【0075】
以下、処理Xを実現する色変換プロファイルを生成する場合について説明する。なお、処理Yを実現する色変換プロファイルを生成する場合も各部の動作は同様である。
(色処理部13)
《プロファイル生成部30》
プロファイル生成部30は、基本プロファイル群記憶部12から第1の選択プロファイルデータd10および第2の選択プロファイルデータd11を取得する。さらに、制御部14から基本色変換プロファイル22aおよび22bの合成度を指定する制御信号c12が与えられる。
【0076】
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。なお、値[k]が0≦k≦1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは内分され、値[k]がk<0またはk>1を満たす場合には、第1の選択プロファイルデータd10と第2の選択プロファイルデータd11とは外分されることとなる。
【0077】
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、プロファイル生成部30が作成する生成プロファイルデータd6を取得し、制御部14のカウント信号c11により指定されるアドレスに格納する。ここで、生成プロファイルデータd6は、生成プロファイルデータd6を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd10または第2の選択プロファイルデータd11と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
【0078】
以上により、処理X1を実現する基本色変換プロファイルと処理X2を実現する基本色変換プロファイルとに基づいて、処理Xkを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《色処理実行部16》
色処理実行部16は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定することで、プロファイルRAM21に格納される色変換プロファイルのデータである処理用プロファイルデータd7を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する処理用プロファイルデータd7を読み出す。さらに、読み出した処理用プロファイルデータd7を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより出力信号d3が得られる。
【0079】
〈方法〉
図3を用いて、画像処理装置10において実行される色変換プロファイル作成方法について説明する。
制御部14からのカウント信号c10により、基本プロファイル群記憶部12のアドレスが一定のカウント周期で指定され、基本プロファイル群記憶部12において、指定されたアドレスに格納されている画像信号値が読み出される(ステップS101)。具体的には、処理Xを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル22aおよび22bのアドレスが指定され、処理Yを実現する色変換プロファイルを生成する場合には、基本色変換プロファイル23aおよび23bのアドレスが指定される。指定された2つの基本色変換プロファイルは、それぞれ第1の選択プロファイルデータd10、第2の選択プロファイルデータd11としてプロファイル生成部30に読み出される。
【0080】
プロファイル生成部30は、制御部14から合成度を指定する制御信号c12を取得する(ステップS102)。
プロファイル生成部30は、第1の選択プロファイルデータd10の値[m]および第2の選択プロファイルデータd11の値[n]に対して、制御信号c12が指定する合成度の値[k]を用いて、値[l]の生成プロファイルデータd6を作成する(ステップS103)。ここで、値[l]は、[l]=(1−k)*[m]+k*[n]により計算される。
【0081】
プロファイルRAM21に対して生成プロファイルデータd6が書き込まれる(ステップS104)。ここで、書き込み先のアドレスは、プロファイルRAM21に与えられる制御部14のカウント信号c11により指定される。
制御部14は、基本色変換プロファイル22aおよび22bの全てのデータについての処理が終了したか否かを判断し(ステップ105)、終了するまでステップS101からステップS105の処理を繰り返す。
【0082】
また、このようにしてプロファイルRAM21に新たな色変換プロファイル格納した後で、色処理実行部16は生成プロファイルデータd6に基づいて、画像信号d2の色処理を実行する。
〈効果〉
(1)
画像処理装置10においては、基本プロファイル群記憶部12において、少数の基本色変換プロファイル22a,22b,23a,23bを備えるだけで、任意の処理度合いの色処理を実現することが可能となる。具体的には、処理Xについて任意の処理度合いの色処理を実現するためには、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aと、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bとを備えればよい。このため、少数の基本色変換プロファイル以外には、あらかじめ処理度合いを異ならせた色変換プロファイルを用意しておく必要がなく、基本プロファイル群記憶部12の記憶容量を削減することが可能となる。
【0083】
(2)
プロファイル作成実行部20は、基本色変換プロファイル22aと22b、あるいは基本色変換プロファイル23aと23bの合成度合いを用いて、それぞれの基本色変換プロファイルにおける対応する要素どうしを内分あるいは外分し、新たな色変換プロファイルの各要素の値を決定する。このため、基本色変換プロファイルの合成度合いを任意に変更することにより、任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルを作成することが可能となる。
【0084】
(3)
画像処理装置10においては、基本色変換プロファイルが複数の色処理を組み合わせて実現する場合、複数の色処理を順次実行するのに比して要する時間を短縮することが可能となる。また、複数の色処理のうちの少なくとも一部の色処理については、任意の処理度合いで実行することが可能となる。
【0085】
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、プロファイル群22,23は、それぞれ2種類の基本色変換プロファイルを備えると説明した。ここで、プロファイル群22,23が備える基本色変換プロファイルの個数は、これに限定されない。例えば、プロファイル群が実現する色処理に対して、デフォルトの色処理度合いを有する基本色変換プロファイルと、デフォルトの色処理度合いを高めた色処理を実現する基本色変換プロファイルと、デフォルトの色処理度合いを低めた色処理を実現する基本色変換プロファイルとの3種類の基本色変換プロファイルを備えるものであってもよい。
【0086】
この場合、制御部14からは、デフォルトの色処理度合いを高めた色処理を実現する基本色変換プロファイルと、デフォルトの色処理度合いを低めた色処理を実現する基本色変換プロファイルとの合成度合いが提供される。さらに、合成度合いに応じてカウント信号c10は、デフォルトの基本色変換プロファイルとともに読み出す基本色変換プロファイルのアドレスを指定する。すなわち、デフォルトの色処理度合いを有する基本色変換プロファイルは、プロファイル生成部30に常に読み出されることとなる。
【0087】
なお、3種類の基本色変換プロファイルを備える場合には、カウント信号c10は、3種類の基本色変換プロファイルの全てを読み出すようにアドレスを指定するとしてもよい。この場合、制御部14は、デフォルトの色処理度合いを高めた色処理を実現する基本色変換プロファイルとデフォルトの色処理度合いを有する基本色変換プロファイルとデフォルトの色処理度合いを低めた色処理を実現する基本色変換プロファイルとの合成度合いを[k1]対[k2]対[1−k1−k2]として指定するものであってもよい。
【0088】
この場合、デフォルトの色処理度合いを高めた色処理を実現する基本色変換プロファイルを読み出した値を[o]、デフォルトの色処理度合いを有する基本色変換プロファイルを読み出した値を[p]、デフォルトの色処理度合いを低めた色処理を実現する基本色変換プロファイルを読み出した値を[q]とすると、生成プロファイルデータd6の値[l]は、[l]=[k1]*[o]+[k2]*[p]+[1−k1−k2]*[q]として計算される。
【0089】
以上の場合、画像処理装置10は、デフォルトの処理度合いを実現する基本色変換プロファイルを用いて色処理を行うことが可能となるとともに、必要に応じてデフォルトの処理度合いを実現する基本色変換プロファイルをカスタマイズして色処理を行うことも可能となる。
【0090】
(2)
画像処理装置10は、視覚処理部11を備えていると説明した。ここで、画像処理装置10は、視覚処理部11を備えないものであってもよい。この場合、入力信号d1が直接色処理部13に入力されることとなる。
【0091】
(3)
色処理実行部16における処理は、上記実施形態で説明したものに限られない。例えば、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して処理用プロファイルデータd7を体積補間する方法により出力信号d3を得るものであってもよい。
【0092】
(4)
上記実施形態では、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c4で対応するアドレスを指定すると説明した。ここで、カウント信号c4は、色処理実行部16から与えられるもので無くてもよい。例えば、制御部14が画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、プロファイルRAM21のアドレスを指定するものであってもよい。
【0093】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る画像処理装置26について説明する。画像処理装置26は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置26は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
【0094】
図4は、画像処理装置26における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置26は、色処理部31における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
以下、画像処理装置26における特徴部分である色処理部31および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0095】
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、複数の基本色変換プロファイルを記憶している。図4に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル40〜43を記憶している。基本色変換プロファイルは、処理Xと処理Yとを同時に実現するための色変換プロファイルである。詳しくは、基本色変換プロファイルは、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1および処理X2と、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1および処理Y2とをそれぞれ組み合わせた処理を実現する4種類の色変換プロファイルである。
【0096】
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理である。
(色処理部31)
色処理部31は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部35の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部35が備えるプロファイル作成実行部36が3つのプロファイル生成部37〜39を有する点において、図2を用いて説明したプロファイル作成部15と相違している。
【0097】
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とを入力とし第1の生成プロファイルデータd20を出力とする。第1の選択プロファイルデータd16とは、処理X1と処理Y1とを実現する基本色変換プロファイル40のデータである。第2の選択プロファイルデータd17とは、処理X2と処理Y1とを実現する基本色変換プロファイル41のデータである。
【0098】
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とを入力とし第2の生成プロファイルデータd21を出力とする。第3の選択プロファイルデータd18とは、処理X2と処理Y2とを実現する基本色変換プロファイル42のデータである。第4の選択プロファイルデータd19とは、処理X2と処理Y2とを実現する基本色変換プロファイル43のデータである。
【0099】
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とを入力とし第3の生成プロファイルデータd22を出力とする。
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c15が入力される。カウント信号c15は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、基本色変換プロファイル40〜43において、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
【0100】
(色処理部31)
《プロファイル作成実行部36》
第1のプロファイル生成部37は、第1の選択プロファイルデータd16と第2の選択プロファイルデータd17とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd20を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
【0101】
これにより、処理Xiと処理Y1とを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c17が指定する合成度の値である。
第2のプロファイル生成部38は、第3の選択プロファイルデータd18と第4の選択プロファイルデータd19とに対して、制御信号c17が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd21を生成する。
【0102】
これにより、処理Xiと処理Y2とを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c17が指定する合成度の値であり、第1のプロファイル生成部37に与えられるのと同じ値である。
第3のプロファイル生成部39は、第1の生成プロファイルデータd20と第2の生成プロファイルデータd21とに対して、制御信号c18が指定する合成度合いを用いて、第3の生成プロファイルデータd22を作成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
【0103】
これにより、処理Xiと処理Yjとを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[j]は、制御信号c18が指定する合成度の値である。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3のプロファイル生成部39が作成する第3の生成プロファイルデータd22を取得し、制御部14のカウント信号c16により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd22は、第3の生成プロファイルデータd22を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd16〜第4の選択プロファイルデータd19と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
【0104】
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
〈効果〉
第2実施形態では、第1実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
【0105】
(1)
画像処理装置26においては、色処理Xと色処理Yとを重畳的に実行し、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを任意に調整することが可能となる。これにより、高精度な色処理を少ない基本色変換プロファイルを用いて実現することが可能となる。
【0106】
〈変形例〉
(1)
基本プロファイル群記憶部12は、4種類の基本色変換プロファイルのみを備えるもので無くてもよい。すなわち、基本プロファイル群記憶部12は、さらに複数の基本色変換プロファイルを備えていてもよい。
【0107】
(2)
上記実施形態では、色処理Xと色処理Yとを重畳的に実行する場合について説明した。ここで、本発明の効果は、色処理Xと色処理Yとを重畳的に実行する場合に限られるものではない。すなわち、さらに多くの色処理を重畳的に実行するような基本色変換プロファイルを備え、プロファイル作成実行部36がさらに多くのプロファイル生成部を備え、かつ制御部14がそれぞれのプロファイル生成部に対してそれぞれの色処理の合成度合いを指定することにより、さらに多くの色処理について任意の処理度合い実現する新たな色変換プロファイルを作成することが可能となる。
【0108】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る画像処理装置45について説明する。画像処理装置45は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置45は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
【0109】
図5は、画像処理装置45における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置45は、第2実施形態に係る画像処理装置26と同様に、色処理部46における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
【0110】
さらに、画像処理装置45は、基本色変換プロファイルから作成された複数の色変換プロファイルを合成することにより新たな色変換プロファイルを作成する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置45における特徴部分である色処理部46および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0111】
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、図2の基本プロファイル群記憶部12と同様に、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実行するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
【0112】
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、例えば、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
【0113】
(色処理部46)
色処理部46は、図2を用いて説明した色処理部13と、プロファイル作成部50の構造において相違している。より詳しくは、プロファイル作成部50が備えるプロファイル作成実行部51の構造において相違している。
【0114】
プロファイル作成実行部51は、第1のプロファイル生成部52と、変換部53と、第2のプロファイル生成部54と、プロファイルRAM55と、プロファイル合成部56とを有している。
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とを入力とし第1の生成プロファイルデータd34を出力とする。第1の選択プロファイルデータd32とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd33とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
【0115】
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34を入力とし、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行った変換プロファイルデータd35を出力とする。
第2のプロファイル生成部54は、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とを入力とし第2の生成プロファイルデータd38を出力とする。第3の選択プロファイルデータd36とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd37とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
【0116】
プロファイルRAM55は、第2の生成プロファイルデータd38を入力とし合成用プロファイルデータd39を出力とする。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35と合成用プロファイルデータd39を入力とし第3の生成プロファイルデータd40を出力とする。
【0117】
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c31およびc32が入力される。カウント信号c31およびc32は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c31により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c32により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
【0118】
(色処理部46)
《プロファイル作成実行部51》
第1のプロファイル生成部52は、第1の選択プロファイルデータd32と第2の選択プロファイルデータd33とに対して、制御信号c35が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd34を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
【0119】
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c35が指定する合成度の値である。
変換部53は、第1の生成プロファイルデータd34に対してガンマ補正などの変換処理を行い変換プロファイルデータd35を出力する。
【0120】
第2のプロファイル生成部54は、第1のプロファイル生成部52と同様、第3の選択プロファイルデータd36と第4の選択プロファイルデータd37とに対して、制御信号c36が指定する合成度合いを用いて、第2の生成プロファイルデータd38を生成する。
【0121】
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[j]は、制御信号c36が指定する合成度の値である。
プロファイルRAM55は、第2のプロファイル生成部54が作成する第2の生成プロファイルデータd38を取得し、制御部14のカウント信号c33により指定されるアドレスに格納する。ここで、第2の生成プロファイルデータd38は、第2の生成プロファイルデータd38を作成するのに用いられた第3の選択プロファイルデータd36および第4の選択プロファイルデータd37と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
【0122】
これにより、処理Yjを実現する色変換プロファイルがプロファイルRAM55に格納される。
プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に基づいて、第3の生成プロファイルデータd40を算出する。具体的には、変換プロファイルデータd35の値に関連づけられたプロファイルRAM55に格納される色変換プロファイルの値を第3の生成プロファイルデータd40として出力する。すなわち、プロファイル合成部56は、色処理実行部16と同様の動作を変換プロファイルデータd35の値に対して実行する。より詳しく説明すると、プロファイル合成部56は、変換プロファイルデータd35の値に応じて、カウント信号c40を用いてプロファイルRAM55のアドレスを指定する。さらに、指定されたアドレスに格納されるデータが、合成用プロファイルデータd39として出力される。出力された合成用プロファイルデータd39は、変換プロファイルデータd35の値に応じて補間され、生成プロファイルデータd40が出力される。
【0123】
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが作成される。
《プロファイルRAM21》
プロファイルRAM21は、第3の生成プロファイルデータd40を取得し、制御部14のカウント信号c34により指定されるアドレスに格納する。ここで、第3の生成プロファイルデータd40は、第3の生成プロファイルデータd40を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd32および第2の選択プロファイルデータd33と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
【0124】
以上により、処理Xと処理Yとについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルがプロファイルRAM21に格納される。
〈効果〉
第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
【0125】
(1)
画像処理装置45においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置45では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
【0126】
一方、第2実施形態で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置45では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
【0127】
(2)
画像処理装置45においては、画像信号d2に対してリアルタイムに処理を行う必要があるのは色処理実行部16だけである。このため、例えば、画像信号d2に対して複数回の色処理を順次実行する場合に比して、リアルタイム性に優れた色処理を実現することが可能となる。
【0128】
〈変形例〉
(1)
プロファイルRAM55とプロファイルRAM21とは、物理的に離れたものである必要はない。すなわち、それぞれは、同じRAM上の異なる領域であってもよい。
【0129】
(2)
変換部53は、必ずしも備えられなくてもよい。また、予め基本色変換プロファイルに組み込まれた処理であってもよい。
(3)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、第3のプロファイル生成部をさらに備え、プロファイル作成実行部51と同様の構造をさらに備えることにより常識的に拡張することが可能である。
【0130】
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る画像処理装置60について説明する。画像処理装置60は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置60は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
【0131】
図6は、画像処理装置60における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置60は、第2実施形態に係る画像処理装置26と同様に、色処理部61における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
【0132】
さらに画像処理装置60は、図2に示す色処理部13を2系統備え、複数の色処理を直列的に実行する点に置いて特徴を有している。
以下、画像処理装置60における特徴部分である色処理部61および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0133】
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12は、図2の基本プロファイル群記憶部12と同様に、それぞれ2つの基本色変換プロファイルからなる2つのプロファイル群22,23を記憶している。プロファイル群22は、処理Xについて処理度合いの異なる処理X1と処理X2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル22a,22bを備えている。プロファイル群23は、処理Yについて処理度合いの異なる処理Y1と処理Y2とを実現するための2つの基本色変換プロファイル23a,23bを備えている。
【0134】
ここで、処理Xあるいは処理Yとは、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理のいずれかの色処理、あるいは表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理を組み合わせた色処理などである。また、プロファイル群および基本色変換プロファイルについては、第1実施形態で説明したのと同様である。
【0135】
(色処理部61)
色処理部61は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統備える。より詳しくは、色処理部61は、色処理実行部64と、プロファイル作成部65とを有している。色処理実行部64は、第1の色処理実行部66と第2の色処理実行部67とを有している。プロファイル作成部65は、プロファイルRAM68とプロファイル作成実行部69とを有している。プロファイルRAM68は、第1のプロファイルRAM70と第2のプロファイルRAM71とを有している。プロファイル作成実行部69は、第1のプロファイル生成部72と第2のプロファイル生成部73とを有している。
【0136】
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とを入力とし第1の生成プロファイルデータd55を出力とする。第1の選択プロファイルデータd53とは、処理X1を実現する基本色変換プロファイル22aのデータである。第2の選択プロファイルデータd54とは、処理X2を実現する基本色変換プロファイル22bのデータである。
【0137】
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を入力とし第1の処理用プロファイルデータd56を出力とする。
第1の色処理実行部66は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd56とを入力とし色処理した画像処理信号d51を出力とする。
【0138】
第2のプロファイル生成部73は、第3の選択プロファイルデータd57と第4の選択プロファイルデータd58とを入力とし第2の生成プロファイルデータd59を出力とする。第3の選択プロファイルデータd57とは、処理Y1を実現する基本色変換プロファイル23aのデータである。第4の選択プロファイルデータd58とは、処理Y2を実現する基本色変換プロファイル23bのデータである。
【0139】
第2のプロファイルRAM71は、第2の生成プロファイルデータd59を入力とし第2の処理用プロファイルデータd60を出力とする。
第2の色処理実行部67は、画像処理信号d51と第2の処理用プロファイルデータd60とを入力とし色処理した出力信号d3を出力とする。
【0140】
〈作用〉
(基本プロファイル群記憶部12)
基本プロファイル群記憶部12には、制御部14からのカウント信号c51およびc52が入力される。カウント信号c51およびc52は、基本プロファイル群記憶部12のアドレスを一定のカウント周期で指定し、指定したアドレスに格納されている画像信号値を読み出させる。具体的には、カウント信号c51により、基本色変換プロファイル22aと22bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。また、カウント信号c52により、基本色変換プロファイル23aと23bとにおいて、同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられたデータが同時に読み出される。
【0141】
(色処理部61)
《第1のプロファイル生成部72》
第1のプロファイル生成部72は、第1の選択プロファイルデータd53と第2の選択プロファイルデータd54とに対して、制御信号c55が指定する合成度合いを用いて、第1の生成プロファイルデータd55を生成する。詳しくは、第1実施形態でプロファイル生成部30について説明したのと同様である。
【0142】
これにより、処理Xiを実現する色変換プロファイルが作成されたこととなる。ここで、[i]は、制御信号c55が指定する合成度の値である。
《第1のプロファイルRAM70》
第1のプロファイルRAM70は、第1の生成プロファイルデータd55を取得し、制御部14のカウント信号c53により指定されるアドレスに格納する。ここで、第1の生成プロファイルデータd55は、第1の生成プロファイルデータd55を作成するのに用いられた第1の選択プロファイルデータd53および第2の選択プロファイルデータd54と同じ画像信号値(R0,G0,B0)に関連づけられる。
【0143】
以上により、処理Xについて任意の処理度合いを実現する新たな色変換プロファイルが格納される。
《第1の色処理実行部66》
第1の色処理実行部66は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c57で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM70に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd56を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。具体的には、それぞれが8ビットで表される画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に対して、画像信号値(R0,G0,B0)の上位5ビットの値に対応する第1の処理用プロファイルデータd56を読み出す。さらに、読み出した第1の処理用プロファイルデータd56を画像信号値(R0,G0,B0)の下位3ビットの値を用いて3次元補間することにより画像処理信号d51が得られる。
【0144】
《第2のプロファイル生成部73、第2のプロファイルRAM71、第2の色処理実行部67》
上記第1のプロファイル生成部72、第1のプロファイルRAM70、第1の色処理実行部66について説明したのと同様にして処理Yj([j]は、制御信号c56が指定する合成度の値)を実現する色変換プロファイルが作成される。さらに、第2の色処理実行部67では、画像処理信号d51の画像信号値(R0’,G0’,B0’)に応じて、カウント信号c58で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM71に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd60を取得し、画像処理信号d51の色処理を実行する。
【0145】
〈効果〉
第4実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
(1)
画像処理装置60においては、例えば、プロファイル群22あるいは23が基本色変換プロファイルをさらに備える場合であっても、基本プロファイル群記憶部12において必要な記憶容量の増加分は、増えた基本色変換プロファイルのデータ量と同じとなる。すなわち、プロファイル群22および23がそれぞれ3つの異なる処理度合いを有する基本色変換プロファイルを有する場合、画像処理装置60では、基本色変換プロファイル6個分の記憶容量があれば十分である。
【0146】
一方、第2実施形態で示した画像処理装置26の場合では、3*3=9個分の基本色変換プロファイルの記憶容量が必要となる。
この点において、画像処理装置60では、記憶容量を削減する効果を発揮するといえる。
【0147】
〈変形例〉
(1)
画像処理装置60は、図2を用いて説明した色処理部13を2系統直列的に配した構造を有すると説明した。このことは、必ずしも2倍のハードウェア構成が必要とされるという意味ではない。すなわち、プロファイル作成実行部69、プロファイルRAM68、色処理実行部64は、それぞれ同一のハードウェアで構成されていてもよい。この場合、各部におけるデータは順次処理されることとなる。
【0148】
これにより、色処理のリアルタイム性は低減するが、ハードウェアコストは削減される。
(2)
上記実施形態では、基本プロファイル群記憶部12が2つのプロファイル群22,23を備える場合について説明した。ここで、本発明は、さらに多くのプロファイル群を有する場合にも、拡張可能である。例えば、プロファイル群を3つ有する場合には、図2を用いて説明した色処理部13を3系統直列的に配した構造を有することとなる。
【0149】
これにより、さらに多くの色処理を組み合わせた色処理を実現することが可能となる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る画像処理装置75について説明する。画像処理装置75は、画像信号の視覚処理とともに、画像信号の色処理を行う装置である。画像処理装置75は、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、プリンタ、スキャナ、デジタルテレビなどの画像を取り扱う機器において備えられる。
【0150】
図7は、画像処理装置75における特徴部分を説明するブロック図である。画像処理装置75は、第2実施形態に係る画像処理装置26と同様に、色処理部76における色処理が複数の色処理を重畳的に実行するものであり、かつそれぞれの色処理についての処理度合いを調整可能な点において特徴を有している。
【0151】
さらに、画像処理装置75は、図6に示した色処理実行部64に比して、色処理実行部78において色処理を並列に実行し、実行結果の画像信号値を補間する点において特徴を有している。
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理部76および基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルについて説明する。なお、第1実施形態で説明したのと同様の機能を果たす部分については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0152】
〈構成〉
(基本プロファイル群記憶部12)
図7に示す基本プロファイル群記憶部12は、基本色変換プロファイル40〜43を記憶している。詳しくは、図4に示す基本プロファイル群記憶部12と同様であるため、説明を省略する。
【0153】
(色処理部76)
色処理部76は、図6を用いて説明した色処理部61と、色処理実行部78の構造において相違している。プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90は、図6を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69と同様の構造を有しているため、詳しい説明は省略する。
【0154】
プロファイルRAM85およびプロファイル作成実行部90と、図6を用いて説明したプロファイルRAM68およびプロファイル作成実行部69との相違点は、取り扱うデータである。
具体的には、以下の点において相違する。第1には、第1〜第4の選択プロファイルデータd68,d69,d73,d74は、それぞれ基本色変換プロファイル40〜43のデータである点において相違する。
【0155】
第2には、第1のプロファイル生成部91および第2のプロファイル生成部92は、処理Xiと処理Y1とを実現する第1の生成プロファイルデータd70および処理Xiと処理Y2とを実現する第2の生成プロファイルデータd75とを作成する点において相違する。すなわち、第1のプロファイル生成部91と第2のプロファイル生成部92とに対して、制御信号c67により同じ合成度が指定される。
【0156】
第3には、第1のプロファイルRAM86および第2のプロファイルRAM87は、第1の生成プロファイルデータd70および第2の生成プロファイルデータd75を格納し、それぞれ第1の処理用プロファイルデータd71および第2の処理用プロファイルデータd76を出力する点において相違する。
【0157】
《色処理実行部78》
色処理実行部78は、第1の色処理実行部80と、第2の色処理実行部81と、画素値補間部82とを備えている。
第1の色処理実行部80は、画像信号d2と第1の処理用プロファイルデータd71とを入力とし色処理された第1の画像処理信号d65を出力とする。第2の色処理実行部81は、画像信号d2と第2の処理用プロファイルデータd76とを入力とし色処理された第2の画像処理信号d66を出力とする。画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを入力とし出力信号d3を出力とする。
【0158】
〈作用〉
以下、画像処理装置75における特徴部分である色処理実行部78についての動作を説明する。
(色処理実行部78)
第1の色処理実行部80は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c69で対応するアドレスを指定することで、第1のプロファイルRAM86に格納される色変換プロファイルのデータである第1の処理用プロファイルデータd71を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第1の色処理実行部80は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
【0159】
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y1とが実行された第1の画像処理信号d65が出力される。
第2の色処理実行部81は、画像信号d2の画像信号値(R0,G0,B0)に応じて、カウント信号c70で対応するアドレスを指定することで、第2のプロファイルRAM87に格納される色変換プロファイルのデータである第2の処理用プロファイルデータd76を取得し、画像信号d2の色処理を実行する。第2の色処理実行部81は、図2に示す色処理実行部16と同様の動作を行うため、詳細な説明は省略する。
【0160】
これにより、画像信号d2に対して、処理Xiと処理Y2とが実行された第2の画像処理信号d66が出力される。
画素値補間部82は、第1の画像処理信号d65と第2の画像処理信号d66とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。
【0161】
これにより、入力信号d2に対して処理Xiと処理Yjとが実行された出力信号d3が出力される。ここで、[j]は、制御信号c68により指定される合成度の値である。
〈効果〉
第5実施形態では、第1実施形態および第2実施形態で説明した効果に加え、以下の効果がさらに得られる。
【0162】
(1)
画素値補間部82では、第1の画像処理信号d65の画素値と第2の画像処理信号d66の画素値とを制御信号c68により指定される合成度合いにより補間する。このため、3次元補間により画像信号に対して色処理を行うのに比して、出力信号d3の計算が簡易となる。すなわち、制御信号c68を用いて処理Yの処理度合いをリアルタイムに変化させることが可能となる。
【0163】
(2)
本発明の効果は、基本プロファイル群記憶部12が備える基本色変換プロファイルの個数に限定されるものではない。すなわち、図7に示す基本プロファイル群記憶部12よりも、さらに多くの基本色変換プロファイルを備え、さらに多くの色処理を重畳的に組み合わせた色処理を実現するように拡張することも可能である。
【0164】
[第6実施形態]
図8〜図20を用いて、本発明の第6実施形態としての表示装置720について説明する。
図8に示す表示装置720は、PDP、LCD、CRT、プロジェクタなど、画像を表示する表示装置である。表示装置720は、上記実施形態で説明した画像処理装置を含む表示用画像処理装置723を有する点、自動あるいは手動により画像処理に用いるプロファイルを切り替えることできる点に特徴を有している。なお、表示装置720は、独立した装置であってもよいが、携帯電話機、PDA、PCなどの携帯情報端末に備えられている装置であってもよい。
【0165】
〈表示装置720〉
表示装置720は、表示部721、駆動制御部722、表示用画像処理装置723、CPU724、入力部725、チューナ726、アンテナ727、コーデック728、メモリコントローラ729、メモリ730、外部インタフェース(I/F)731、外部装置740を備えている。
【0166】
表示部721は、駆動制御部722から読み出された画像情報d360を表示する表示デバイスである。駆動制御部722は、表示用画像処理装置723から出力された出力画像信号d361をCPU724からの制御により表示部721に読み出すとともに、表示部721を駆動するための装置である。より具体的には、駆動制御部722は、CPU724からの制御により、出力画像信号d361の値に応じた電圧値を表示部721に与え画像を表示させる。
【0167】
表示用画像処理装置723は、CPU724からの制御を受け、入力画像信号d362に含まれる入力信号d1(図9参照)の画像処理を行い、出力信号d3(図9参照)を含む出力画像信号d361を出力する装置である。表示用画像処理装置723は、上記実施形態で説明した画像処理装置を含み、プロファイルを用いて画像処理を行う点に特徴を有している。詳細については、後述する。
【0168】
CPU724は、表示装置720の各部のデータ処理に関する演算を行うとともに、各部の制御を行うための装置である。入力部725は、表示装置720への操作をユーザに行わせるためのユーザインタフェースであり、各部の制御をするためのキー、つまみ、リモコンなどで構成される。
【0169】
チューナ726は、無線あるいは有線を介して受信した信号を復調し、デジタルデータとして出力する。詳しくは、チューナ726は、アンテナ727あるいはケーブル(図示せず)を介して、地上波(デジタル/アナログ)放送、BS(デジタル/アナログ)・CS放送などを受信する。コーデック728は、チューナ726により復調されたデジタルデータの復号化を行い、表示用画像処理装置723に入力される入力画像信号d362を出力する。
【0170】
メモリコントローラ729は、DRAMなどで構成されるCPUの作業用メモリ730のアドレスやアクセスタイミングなどの制御を行う。
外部I/F731は、メモリカード733、PC735などの外部装置740から画像データや、プロファイル情報などを取得し、入力画像信号d362として出力するためのインタフェースである。プロファイル情報とは、画像処理を行うためのプロファイルに関する情報である。詳しくは、後述する。外部I/F731は、例えば、メモリカードI/F732、PCI/F734、ネットワークI/F736、無線I/F737などにより構成される。なお、外部I/F731は、ここに例示したものの全てを備えている必要は無い。
【0171】
メモリカードI/F732は、画像データやプロファイル情報などを記録したメモリカード733と表示装置720とを接続するためのインタフェースである。PCI/F734は、画像データやプロファイル情報などを記録したパーソナルコンピュータなどの外部機器であるPC735と表示装置720とを接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F736は、表示装置720をネットワークに接続し、画像データやプロファイル情報などを取得するためのインタフェースである。無線I/F737は、表示装置720を無線LANなどを介して外部機器と接続し、画像データやプロファイル情報などを取得するためのインタフェースである。なお、外部I/F731は、図示したものに限られず、例えば、USB、光ファイバーなどと表示装置720とを接続するためのインタフェースであってもよい。
【0172】
外部I/F731を介して取得された画像データやプロファイル情報は、必要によりコーデック728により復号化された後、入力画像信号d362として表示用画像処理装置723に入力される。
〈表示用画像処理装置723〉
(1)表示用画像処理装置723の構成
図9を用いて、表示用画像処理装置723の構成について説明する。表示用画像処理装置723は、図1を用いて説明した画像処理装置10とほぼ同様の構成を有する画像処理装置750と、環境検出部754とを備えている。
【0173】
環境検出部754は、手動によりあるいはセンサなどを用いて自動により、後述する環境情報の検出を行い、環境情報d104を出力する。画像処理装置750は、環境検出部754が検出した環境情報d104あるいはCPU724から取得される環境情報d105、を取得する。さらに、取得された環境情報に基づいて特定されるプロファイルを用いて、画像処理を行う。画像処理とは、入力画像信号d362(図8参照)に含まれる入力信号d1に対して行われる視覚処理および色処理である。画像処理の結果は、画像処理された出力信号d3を含む出力画像信号d361(図8参照)として出力される。
【0174】
以下、環境検出部754、画像処理装置750の順にさらに詳しい構成について説明を行う。
(2)環境検出部754
環境検出部754は、手動によりあるいはセンサなどを用いて自動により、環境情報の検出を行い、環境情報d104の出力を行う装置である。
【0175】
環境情報とは、表示部721(図8参照)の表示環境、あるいは表示部721に表示される画像が視覚される視環境、に関する情報である。より具体的には、環境情報とは、例えば、表示装置720の設置場所における環境光の明るさや色温度といった環境光情報、表示部721の製品情報(例えば、製品番号など)、表示部721が表示する画像サイズ情報、表示される画像と画像を視覚するユーザとの距離に関する位置情報、ユーザの年齢・性別などユーザに関するユーザ情報などの情報である。
【0176】
環境検出部754は、例えば、環境光の明るさや色温度の検出を行う光センサや、表示部721に取り付けられた製品情報を無線あるいは有線を介して読み取る装置(例えば、無線タグの読み取り装置、バーコードの読み取り装置、表示装置720が備える各部の情報を管理するデータベースから情報を読み取る装置など)や、ユーザとの距離を測定する無線あるいは赤外線などのセンサや、ユーザに関する情報を取得するカメラなど、といった装置により実現され、環境情報を自動的に検出する。あるいは、環境検出部754は、ユーザによる入力により取得された環境情報を検出する。環境検出部754は、検出した環境情報を環境情報d104として画像処理装置750に出力する。
【0177】
また、環境検出部754には、CPU724から取得される環境情報d105が入力される。環境検出部754では、入力された環境情報d105に応じてユーザに入力させる環境情報の項目を制御する。例えば、環境情報d105が含む項目の環境情報は改めて入力させない、などといった制御が行われる。
【0178】
(3)画像処理装置750
《3−1》画像処理装置750の概要
画像処理装置750は、画像処理を行う際に用いられるプロファイルを、環境検出部754が検出した環境情報d104あるいはCPUから取得される環境情報d105に基づいて特定する。さらに、特定されたプロファイルを用いて、入力画像信号d362(図8参照)に含まれる入力信号d1に対して視覚処理および色処理を含む画像処理を行い、出力信号d3を含む出力画像信号d361(図8参照)を出力する。
【0179】
画像処理装置750は、画像処理装置10(図1参照)とほぼ同様の構成を有しているが、情報設定部752を備えている点において相違している。画像処理装置750のその他の部分であって、画像処理装置10の各部と同様の機能を果たす部分については、同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0180】
《3−2》情報設定部752とプロファイル情報
情報設定部752は、環境検出部754が検出した環境情報d104あるいはCPUから取得される環境情報d105、を取得し、取得した情報に基づいて、視覚処理部11と制御部14と基本プロファイル群記憶部12とに、プロファイル情報d101,d102,d103をそれぞれ出力する。
【0181】
情報設定部752の詳しい動作を説明する前に、まず、プロファイル情報d101,d102,d103の内容について説明する。
プロファイル情報とは、視覚処理部11と色処理部13とにおける画像処理に用いられるプロファイルを特定するための情報である。具体的には、プロファイル情報は、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、表示部721(図8参照)の表示環境あるいは表示部721に表示される画像が視覚される視環境に関する環境情報のうちの少なくとも一つを含んでいる。
【0182】
ここで、プロファイルとは、視覚処理部11と色処理部13とにおける画像処理に用いられるデータであり、より具体的には、上記実施形態で説明したプロファイルRAMに記憶される色変換プロファイルなどである。なお、本実施形態では、プロファイルとは、上記実施形態で説明した、テーブルデータとしての色変換プロファイルだけでなく、処理される入力信号d1に対する変換係数を格納する係数マトリクスデータなどであってもよい。
【0183】
タグ情報とは、プロファイルを他のプロファイルと識別するための識別情報であり、例えば、視覚処理部11あるいは基本プロファイル群記憶部12に登録された複数のプロファイルのそれぞれに割り振られた番号などである。
パラメータ情報とは、プロファイルの処理の特徴を示す情報であり、例えば、プロファイルが実現するコントラスト強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理、色変換処理などの処理度合いを数値化した情報である。
【0184】
環境情報とは、環境検出部754またはCPU724から取得される環境情報d104またはd105に含まれる情報である。
なお、以下では、プロファイル情報d101が視覚処理部11で用いられるプロファイルのタグ情報を含み、プロファイル情報d103が色処理部13で用いられるプロファイルのタグ情報を含み、プロファイル情報d102が視覚処理部11と色処理部13とで用いられるそれぞれのプロファイルのパラメータ情報を含む、として説明を行う。
【0185】
情報設定部752は、環境情報d104または環境情報d105を取得し、プロファイル情報d101,d102,d103を出力する。具体的には、情報設定部752は、環境情報d104または環境情報d105から取得される環境情報に応じて好適なプロファイルを選択し、そのプロファイル情報を出力する。より具体的には、情報設定部752は、プロファイルの候補と環境情報のそれぞれの値とを関連づけるデータベースを参照することにより、取得された環境情報に対して好適なプロファイルを選択する。プロファイルの選択は、視覚処理部11と基本プロファイル群記憶部12とに対してそれぞれ行われる。
【0186】
《3−3》その他各部の動作
制御部14は、プロファイル情報d102が含むパラメータ情報に基づいて、視覚処理部11におけるプロファイルの合成度を指定する制御信号c1を出力する。また、制御部14は、プロファイル情報d102が含むパラメータ情報に基づいて、色処理部13におけるプロファイルの合成度を指定する制御信号c2を出力する。さらに、制御部14は、プロファイルを記憶している視覚処理部11と基本プロファイル群記憶部12とに対して、プロファイルを読み出すためのカウント信号を与える。カウント信号は、視覚処理部11と基本プロファイル群記憶部12とに制御信号c1と制御信号c3として与えられる。
【0187】
視覚処理部11は、プロファイル情報d101のタグ情報が指定するプロファイルを制御信号c1が指定する合成度により合成し、視覚処理に用いる新しいプロファイルを生成する。さらに、視覚処理部11は、生成したプロファイルを用いて、入力信号d1の視覚処理を行い、画像信号d2を出力する。
【0188】
基本プロファイル群記憶部12は、プロファイル情報d103のタグ情報が指定するプロファイルを、制御信号c3が指定するタイミングで読み出す。
色処理部13は、基本プロファイル群記憶部12から読み出された選択プロファイルデータd5を取得し、取得した選択プロファイルデータd5と制御信号c2が指定する合成度とに基づいて、色処理に用いる新しいプロファイルを生成する。さらに、色処理部13は、生成したプロファイルを用いて、画像信号d2の色処理を行い、出力信号d3を出力する。
【0189】
なお、プロファイル情報d101とプロファイル情報d103とは、常に複数のプロファイルを特定するタグ情報を含む訳ではない。プロファイル情報d101とプロファイル情報d103とがそれぞれ1つのプロファイルを特定するタグ情報を含む場合、視覚処理部11と色処理部13とではプロファイルの生成は行われないものであってもよい。この場合、タグ情報により特定されたプロファイルがそのまま用いられる。
【0190】
〈表示装置720の効果〉
(1)
表示装置720では、画像処理装置10とほぼ同様の構成を有する画像処理装置750を備えている。このため、上記実施形態で説明した画像処理装置10と同様の効果が得られる。
【0191】
特に、表示装置720では、新たにプロファイルを生成することが可能である。このため、あらかじめ多くのプロファイルを記憶しておく必要が無く、プロファイルの記憶容量を削減することが可能である。さらに、プロファイルの生成では、合成度を変更することにより、プロファイルが実現する画像処理の微妙な調整が可能となる。
【0192】
また、表示装置720では、複数のプロファイルを用いて新たにプロファイルを生成する。このため、1つのプロファイルを用いる場合に比して、プロファイル生成の自由度が向上する。すなわち、より複雑な画像処理を実現するプロファイルを生成することが可能となる。
【0193】
また、表示装置720では、生成したプロファイルを用いた画像処理が行われる。プロファイルの生成は画像処理の前にあらかじめ行っておくことが可能である。このため、プロファイルが実現する画像処理が複雑であっても、画像処理の処理速度には影響しない。すなわち、複雑な処理をより高速に行うことが可能となる。このことは、生成したプロファイルにより実現される画像処理がより多くの画像のパラメータを調整する場合に、より顕著となる。
【0194】
(2)
表示装置720では、環境検出部754により検出された環境情報に応じてプロファイルの選択や合成度の変更などが行われる。このため、環境情報に応じて適切な画像処理が実現され、視覚効果がより向上される。
【0195】
図10を用いて、環境情報と色処理部13で用いられるプロファイルとの関係について説明し、表示装置720のより具体的な効果を説明する。図10は、環境情報に基づいて選択されたプロファイルw1およびプロファイルw2と制御信号c2が指定する合成度とに基づいて生成されるプロファイルwkを示している。プロファイルwkは、制御信号c2が指定する合成度の値に応じて生成されている。
【0196】
例えば、表示装置720の表示環境の環境光が環境情報として取得される場合、環境光の強さ(環境光の明るさ)に応じて、表示される画像の彩度を変化させることが好ましい。より具体的には、環境光が強くなるにつれて、表示される画像の彩度を上げた方が色表示が適切に行われる。
【0197】
そこで、環境光が環境情報として取得される場合、情報設定部752は、彩度に関して処理の程度の異なるプロファイルであるプロファイルw1とプロファイルw2とを選択する。ここで、プロファイルw1は、彩度を上げない色処理を実現するプロファイルであり、プロファイルw2は、彩度を強く上げる色処理を実現するプロファイルである。さらに、情報設定部752は、環境光の強さに応じて適切な色処理を実現するプロファイルのパラメータ情報をプロファイル情報d102として制御部14に出力する。制御部14は、取得したパラメータ情報からプロファイルw1とプロファイルw2との合成度を指定する制御信号c2を出力する。色処理部13では、制御信号c2の指定する合成度を用いて、プロファイルw1とプロファイルw2とを内分し、プロファイルwkを生成する。さらに、色処理部13では、生成したプロファイルwkを用いて色処理を行う。
【0198】
この表示装置720では、環境光の強さに応じた色処理を実現することが可能となり、より視覚的効果の高い表示を行うことが可能となる。
また、例えば、表示される画像と画像を視覚するユーザとの距離に関する位置情報が環境情報として取得される場合、位置情報に応じて、表示される画像の色処理を行うことが望ましい。より具体的には、表示される画像とユーザとの距離が異なるとユーザの視角の大きさが異なり、表示される色が異なって視覚される。このため、視角に応じて色処理を行うことで、ユーザとの距離によらず同じ印象を与える画像を表示することが可能となる。
【0199】
また、例えば、表示部721の製品情報(例えば、製品番号など)、表示部721が表示する画像サイズ情報が環境情報として取得される場合、製品情報や画像サイズ情報に応じて、表示される画像の色処理を行うことが望ましい。製品情報から判断される表示部721のサイズや表示される画像サイズなどが異なるとユーザの視角の大きさが異なり、表示される色が異なって視覚される。このため、視角に応じて色処理を行うことで、同じ印象を与える画像を表示することが可能となる。
【0200】
(3)
情報設定部752は、視覚処理部11と色処理部13とにおいて用いられるプロファイルをそれぞれ指定する。このため、視覚処理部11と色処理部13とにおける画像処理がそれぞれ重複する処理となることや相殺する処理となることを防止することが可能となる。
【0201】
(4)
表示装置720では、CPU724から取得される環境情報d105(図9参照)に応じてプロファイルの選択や合成度の変更などが行われる。このため、環境情報に応じて適切な画像処理が実現され、視覚効果がより向上される。
【0202】
選択するプロファイルとして、表示装置720の周囲環境の外光の明るさに応じたダイナミックレンジ圧縮処理を行う場合について説明する。より具体的には、視覚処理部11(図9参照)において、入力信号d1のダイナミックレンジ圧縮処理を行い、さらに、色処理部13(図9参照)において、ダイナミックレンジ圧縮された入力信号d1、すなわち画像信号d2に対して、色処理を行う場合について説明する。
【0203】
《視覚処理部11の作用》
まず、視覚処理部11では、入力信号d1の色空間をRGBから輝度成分Y、色差成分CB,CRに変換する。さらに、輝度成分Yについてダイナミックレンジ圧縮処理を行う。
【0204】
輝度成分Yについてのダイナミックレンジ圧縮は、ダイナミックレンジ圧縮関数F4に基づいて行われる。
図11は、入力信号d1の輝度成分Yの値(横軸)と、輝度成分Yにダイナミックレンジ圧縮関数F4を適用した値(縦軸)との関係を示すグラフである。ここで、ダイナミックレンジ圧縮関数F4とは、輝度成分Yの値[A]を用いて、F4=A^γと表される「べき関数」である。なお、γは、輝度成分Yのコントラスト[m]と、圧縮後のコントラスト[n]とを用いて、γ=log(n)/log(m)と表される。ここで「コントラスト」とは、信号の最小値と最大値との比を意味しており、最大値を最小値を用いて除算した値を示している。
【0205】
図11が示すように、輝度成分Yのダイナミックレンジは、ダイナミックレンジ圧縮関数F4により圧縮される。より詳しくは、ダイナミックレンジ圧縮関数F4により、値[1/m〜1.0]の範囲の輝度成分Yは、値[1/n〜1.0]の範囲に変換される。この結果、画像信号d2における視覚的なダイナミックレンジは、1/n(最小値:最大値=1:n)へと圧縮される。ここで「ダイナミックレンジ」とは、信号の最小値と最大値との比を意味している。
【0206】
圧縮後のコントラストの値[n]は、表示環境の環境光のもとでの表示画像の視覚的なコントラスト値として設定されている。すなわち、圧縮後のコントラストの値[n]は、入力信号d1の輝度成分のコントラストの値[m]を、表示環境の環境光の輝度による影響分だけ低下させた値として決定することができる。
【0207】
《色処理部13の作用》
視覚処理部11では、入力信号d1の色空間をRGBから輝度成分Y、色差成分CB,CRに変換し、輝度成分Yについてダイナミックレンジ圧縮処理を行う。この結果、画像信号d2では、ダイナミックレンジ変換された輝度成分の影響により、入力信号d1の色相とは異なる色相を有することとなる。
【0208】
色相のずれを簡易に補正する場合は、視覚処理部11における変換処理前の輝度成分Yinと変換処理後の輝度信号Youtの比を、入力信号d1の色差成分CBin、CRinに乗ずることで対応する事もできる。しかし、精度の良い色再現を行うには、最終的に出力される信号の色再現域も考慮した色差信号CBout,CRoutを得る必要がある。
【0209】
そこで、色処理部13は、CBout=F1(Yout/Yin,CBin,CRin)、CRout=F2(Yout/Yin,CBin,CRin)の非線形な関係と色再現域の境界処理とを精度良く処理するため、LUTを用いた色処理を行う。
具体的には、図10に図示するように、外光の強さに応じて必要なダイナミックレンジ圧縮の比を設定し、この圧縮の比に基づいてプロファイルw1およびプロファイルw2を選択する。さらに、これらのプロファイルと制御信号c2が指定する合成度とに基づいて、色処理に用いられるプロファイルwkが生成される。ここでプロファイルwkは、制御信号c2が指定する合成度の値に応じて生成されることとなる。
【0210】
プロファイルw1とプロファイルw2とは、ダイナミックレンジ圧縮でずれた色相を元に戻すために必要な色差補正の処理を実現するプロファイルである。例えば、プロファイルw1は、ダイナミックレンジ圧縮処理の比R1による色差ずれを補正する色処理を実現するプロファイルであり、プロファイルw2は、ダイナミックレンジ圧縮処理の比R2による色差ずれを補正する色処理を実現するプロファイルである。このように、それぞれのプロファイルは、ダイナミックレンジ圧縮の比に関連づけられている。
【0211】
外光の強さが異なる環境で表示装置720が用いられる場合、情報設定部752は、色差補正に関して処理の程度の異なるプロファイルであるプロファイルw1とプロファイルw2とを選択する。さらに、情報設定部752は、環境光の強さに応じて適切な色差補正処理を実現するプロファイルのパラメータ情報をプロファイル情報d102として制御部14に出力する。
【0212】
制御部14は、取得したパラメータ情報からプロファイルw1とプロファイルw2との合成度を指定する制御信号c2を出力する。
色処理部13では、制御信号c2の指定する合成度を用いて、プロファイルw1とプロファイルw2とを内分し、プロファイルwkを生成する。さらに、色処理部13では、生成したプロファイルwkを用いて色処理を行う。
【0213】
視覚処理11と、色処理13の順番としては、視覚処理11の明るさの処理により色再現域が決まるので、視覚処理11を最初に行い、その出力について色処理13を実行するのが望ましい。
この表示装置720では、環境光の強さに応じた色処理を実現することが可能となり、色相のずれを抑制し、より視覚的効果の高い表示を行うことが可能となる。
【0214】
〈変形例〉
表示装置720における表示用画像処理装置723では、上記実施形態を適宜適用するような変形を行うことが可能である。以下、表示装置720に特徴的な変形例を記載する。
【0215】
(1)
上記実施形態では、「プロファイル情報d101が視覚処理部11で用いられるプロファイルのタグ情報を含み、プロファイル情報d103が色処理部13で用いられるプロファイルのタグ情報を含み、プロファイル情報d102が視覚処理部11と色処理部13とで用いられるそれぞれのプロファイルのパラメータ情報を含む」として説明を行った。
【0216】
ここで、それぞれのプロファイル情報d101〜d103は、その他の情報を含んでいてもよい。
プロファイル情報d101は、視覚処理部11で用いられるプロファイルが格納するデータ、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、環境情報のうちの少なくとも1つを含み、視覚処理部11で用いられるプロファイルを特定させるものであってもよい。特に、プロファイル情報d101が環境情報を含む場合には、視覚処理部11は、情報設定部752と同様に、環境情報とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、プロファイルを特定するものであってもよい。
【0217】
プロファイル情報d103は、色処理部13で用いられるプロファイルが格納するデータ、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報、環境情報のうちの少なくとも1つを含み、色処理部13で用いられるプロファイルを特定させるものであってもよい。特に、プロファイル情報d103が環境情報を含む場合には、基本プロファイル群記憶部12は、情報設定部752と同様に、環境情報とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、プロファイルを特定するものであってもよい。
【0218】
プロファイル情報d102は、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、環境情報のうちの少なくとも一つを含み、プロファイル情報d101やプロファイル情報d103が特定するそれぞれのプロファイルの合成度を決定させる情報であってもよい。
【0219】
なお、プロファイル情報d101〜d103は、プロファイルのデータ、タグ情報、パラメータ情報、環境情報の少なくとも一つを含んでいればよく、それぞれが同時に含まれていてもよい。
(2)
上記実施形態で説明した表示装置720の各部において、同様の機能を実現する部分は、共通のハードウェアで実現されていてもよい。
【0220】
入力部725は、環境検出部754として環境情報を入力させる装置であってもよい。この場合、入力部725から入力された環境情報は、CPU724を介して環境情報d105として表示用画像処理装置723に入力される。
視覚処理部11においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12は、表示用画像処理装置723の外部に備えられるものであってもよく、例えば、メモリ730や外部装置740により実現されていてもよい。また、視覚処理部11においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12は、同じ装置により実現されていてもよい。
【0221】
また、視覚処理部11においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12などに記憶されるプロファイルは、予め各部に記憶されているものであってもよいし、外部装置740、あるいはチューナ726から取得されるものであってもよい。
【0222】
また、画像処理装置750の制御部14や情報設定部752の機能は、CPU724により実現されていてもよい。
(3)
本発明の効果は、入力信号d1、画像信号d2、出力信号d3の色空間に依存しない。例えば、それぞれの信号は、RGB色空間、YCbCr色空間、YUV色空間、Lab色空間、Luv色空間、YIQ色空間、XYZ色空間、YPbPr色空間などのいずれの色空間の信号であってもよい。
【0223】
(4)
表示用画像処理装置723では、環境検出部754に変えて、ユーザに入力を行わせるユーザ入力部を備えていてもよい。
図12に表示用画像処理装置723の変形例としての表示用画像処理装置755の構成を示す。表示用画像処理装置755は、ユーザに入力を行わせるユーザ入力部756を備えている点に特徴を有している。表示用画像処理装置755において、表示用画像処理装置723(図9参照)とほぼ同様の機能を果たす部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0224】
ユーザ入力部756は、ユーザの嗜好する画像処理を入力させ、入力された情報を画像処理装置750の情報設定部752(図9参照)に対して、入力情報d108として出力する。
ユーザ入力部756は、例えば、ユーザの嗜好する明るさを入力させる明るさ入力部と、ユーザの嗜好する画質を入力させる画質入力部とから構成されている。
【0225】
明るさ入力部は、例えば、表示される画像中の光の状態を入力するスイッチ、画像が表示される環境の光の状態を入力するスイッチなどから構成されている。表示される画像中の光の状態を入力するスイッチは、例えば、画像中の逆光・順光や、撮影時のストロボの有無や、撮影時に用いられたマクロプログラムの状態などを入力するためのスイッチである。ここで、マクロプログラムとは、撮影装置を被写体の状態に応じて制御するためのプログラムである。画像が表示される環境の光の状態を入力するスイッチは、例えば、環境光の明るさ、色温度などを入力するためのスイッチである。
【0226】
画質入力部は、ユーザの画質の好みを入力するためのスイッチであり、例えば、デフォルト・ダイナミック・クラシックなどといった異なる視覚効果を入力するスイッチである。
ユーザ入力部756は、明るさ入力部と画質入力部とから入力された情報を入力情報d108として出力する。
【0227】
画像処理装置750では、環境情報d104(図9参照)が入力される場合とほぼ同様の動作が行われる。環境情報d104が入力される場合との相違点は、情報設定部752が入力情報d108とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、プロファイル情報d101〜d103を出力する点である。
【0228】
本変形例の表示用画像処理装置755では、ユーザの入力に応じて画像処理に用いられるプロファイルを選択し、画像処理を行うことが可能となる。このため、ユーザの嗜好に応じた画像処理を行うことが可能となる。
なお、入力部725(図8参照)は、ユーザ入力部756と同様に動作し、CPU724を介してユーザの嗜好する画像処理を入力させるものであってもよい。この場合、環境情報d105は、入力情報d108と同様の情報を含むこととなる。
【0229】
(5)
表示用画像処理装置723は、入力信号に含まれる属性情報を分離し、分離した属性情報に基づいてプロファイルを選択し、画像処理を行う装置であってもよい。
《5−1》表示用画像処理装置759の構成
図13に、表示用画像処理装置723の変形例としての表示用画像処理装置759を示す。表示用画像処理装置759は、入力信号d110に含まれる属性情報d111を検出する属性検出部760を備え、検出された属性情報d111に基づいて、画像処理に用いるプロファイルを切り替える点に特徴を有している。図13に示す表示用画像処理装置759において、表示用画像処理装置723とほぼ同じ機能を有する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0230】
属性検出部760は、入力信号d110に含まれる属性情報d111を検出する。属性情報d111は、入力信号d110のヘッダ部分などに配置される情報であり、入力信号d110の属性に関する情報である。属性検出部760は、入力信号d110を先頭から所定のビット数だけ読みとることにより、属性情報d111を分離する。なお、属性情報d111は、入力信号d110の後尾に配置されるものであってもよい。あるいは、入力信号d110中にフラグ情報を伴って分離可能な状態で配置されていてもよい。
【0231】
図14に、属性情報d111が含まれる入力信号d110のフォーマットの一例を示す。図14に示す入力信号d110では、データの先頭部分に属性情報d111としてのコンテンツ情報が配置されているとともに、それに続いて入力画像データd112が配置されている。
【0232】
コンテンツ情報とは、入力画像データd112の全体の内容に関する属性であり、入力画像データd112のタイトル、制作会社、監督、制作年、種類、制作側指定属性などを含んでいる。ここで、種類とは、コンテンツの種類に関する情報であり、例えば、SF、アクション、ドラマ、ホラー、などといった情報が含まれる。制作側指定属性とは、コンテンツ制作側が指定する表示特性に関する情報であり、例えば、ダイナミック、恐怖感、などといった情報が含まれる。
【0233】
入力画像データd112は、上記実施形態で説明した入力信号d1と同様のデータであり、例えば、RGB色空間またはその他の色空間で表現される画像データである。
属性検出部760は、検出された属性情報d111を画像処理装置758(図13参照)に出力する。
【0234】
画像処理装置758は、図9に示す画像処理装置750とほぼ同様の構成を有している。構成の詳細は、画像処理装置750と同様であるため省略する。
また、画像処理装置758は、画像処理装置750とほぼ同様に動作する。以下、画像処理装置750と相違する点について説明する。
【0235】
まず第1に、画像処理装置758では、属性検出部760から属性情報d111が入力される。画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。第2に、画像処理装置758では、属性情報d111を含む入力信号d110が入力される。画像処理装置758では、入力信号d110に含まれる入力画像データd112に対して、画像処理装置750と同様の視覚処理および色処理が行われる。
【0236】
《5−2》効果
(1)
表示用画像処理装置759では、コンテンツ制作時のコンテンツ情報に応じて適切なプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。このため、コンテンツ制作側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
【0237】
より具体的には、タイトル、制作会社などにより、画像全体の明るさ、色温度などの傾向を判断し、画像全体の明るさ、色温度などを変換する画像処理を行うことなどが可能となる。また、制作側指定属性などにより、制作側の意図する画像表示を行わせることが可能となる。
【0238】
(2)
表示用画像処理装置759では、視覚処理部と色処理部とにそれぞれ異なるプロファイル情報を出力することが可能である。このため、コンテンツ情報の種類として「アクションおよびホラー」などと複数の値が指定されている場合にでも、アクションのように動きが多い部分に対しては、視覚処理部で適切に視覚処理を行わせ、ホラーのように色が心理的影響を与える部分に対しては、色処理部で適切に色処理を行わせることが可能となる。
【0239】
また、視覚処理部と基本プロファイル群記憶部とにそれぞれ異なるプロファイル情報を出力することが可能であるため、各部で考慮すべきプロファイル情報の情報量を削減できる。このため、視覚処理部および基本プロファイル群記憶部では、より簡易にプロファイルの選択を行うことが可能となる。
【0240】
《5−3》変形例
(1)
表示用画像処理装置759には、入力部725(図8参照)から属性情報d114が入力されるものであってもよい。入力部725から入力される属性情報d114は、CPU724を介して画像処理装置758に入力される。画像処理装置758の情報設定部では、入力部725から入力された属性情報d114と属性情報d111とに基づいて、プロファイル情報を出力する。
【0241】
これにより、属性検出部760におけるコンテンツ情報の検出に不具合がある場合でも、入力部725によりコンテンツ情報を適切に入力することが可能となり、適切な画像処理を行うことが可能となる。さらに、入力部725により、ユーザ側の好みを画像処理に反映させることも可能となる。例えば、アニメはメリハリを強くした画像に、映画は鮮やかな画像に、というようにユーザ側の好みを反映させることが可能となる。さらに、デジタルリマスター版のように修正された画像のコンテンツ情報を修正することが可能となる。
【0242】
なお、入力部725では、属性検出部760で検出された属性情報に応じて、ユーザが入力可能なコンテンツ情報が制御されるものであってもよい。例えば、属性検出部760が入力画像データd112の種類は「アニメ」であると検出した場合、入力部725では、アニメに関する項目(例えば、アニメ監督、アニメタイトルなど)のみを入力させるとしてもよい。
【0243】
(2)
表示用画像処理装置759では、入力信号d110を属性情報d111と入力画像データd112に分離する分離部を備えていてもよい。分離部は、入力信号d110から分離した属性情報d111を属性検出部760に出力し、入力画像データd112を画像処理装置758に出力する。これにより、属性検出部760および画像処理装置758における処理が削減できる。
【0244】
(3)
一旦取得されたコンテンツ情報は、繰り返し用いてもよい。この場合、再度すべての情報を取得しなくても記憶されたコンテンツ情報を用いて画像処理を行うプロファイルを特定することが可能となる。
【0245】
(4)
属性情報d111は、コンテンツ情報以外の情報を含むものであってもよい。具体的には、入力画像データの一部に関わる属性であるシーン属性情報、入力信号d110が生成された環境に関わる撮影属性情報、入力信号d110が表示装置720に取得されるまでの媒体に関わる放送属性情報、入力信号d110が記録される媒体・機器に関わる記録属性情報、画像処理に用いられるプロファイルに関わるプロファイル属性情報などを含んでもかまわない。以下、それぞれについて具体的に説明を加える。
【0246】
なお、以下の説明では、属性情報d111がシーン属性情報、撮影属性情報、放送属性情報、記録属性情報、プロファイル属性情報のそれぞれを含む場合について別々に説明するが、コンテンツ情報を含めたこれらの情報は、属性情報d111において全て同時に、あるいは、いくつかを組み合わせて、含まれるものであってもよい。この場合には、それぞれの情報による効果をさらに向上させることが可能となる。
【0247】
(4−1)シーン属性情報
(4−1−1)
図15に、属性情報d111としてシーン属性情報が含まれる入力信号d110のフォーマットを示す。図15に示す入力信号d110では、入力画像データd112のシーンを単位としてシーン属性情報が配置されている。シーン属性情報は、例えば、フラグ情報を伴うなどして入力画像データd112と分離可能な状態で配置されている。
【0248】
シーン属性情報は、それに続く入力画像データd112のシーン内容を記述する情報である。例えば、シーン属性情報は、「明るさ」、「対象」、「動作」、「シーン概要」などといった項目の組み合わせにより記述されており、「暗い・森・風景」、「明るい・人物・アップ」、「暗い・人物・風景」などといった内容が記述されている。なお、これらはシーン属性情報の一例であり、これに限定される訳ではない。例えば、「シーン概要」として、ニュース、スポーツ、ホームドラマ、アクションなどといった内容が指定がされていてもよい。
【0249】
シーン属性情報を含む入力信号d110に対して画像処理を行う表示用画像処理装置は、表示用画像処理装置759(図13参照)をシーン属性情報に対応させたものと同様である。
属性検出部760は、入力信号d110に含まれるシーン属性情報を検出し、属性情報d111として画像処理装置758に出力する。
【0250】
画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111を取得し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。例えば、情報設定部は、属性情報d111から取得されるシーン属性情報の各項目とプロファイルとの関連付けを記憶するデータベースを参照するなどして、プロファイル情報を出力する。
【0251】
プロファイル情報は、プロファイル情報d101〜d103と同様であるため、説明を省略する。なお、プロファイル情報は、シーン属性情報を含んでいてもよい。この場合、視覚処理部と基本プロファイル群記憶部とは、取得したシーン属性情報から画像処理に用いるプロファイルを選択する。
【0252】
その他、表示用画像処理装置の各部の動作は、属性情報d111がコンテンツ情報を含む場合と同様であるため説明を省略する。
(4−1−2)
本発明により、上記実施形態で記載した効果と同様の効果が得られる。以下、本変形例に特徴的な効果を記載する。
【0253】
シーン属性情報に応じて適切なプロファイルデータを用いた画像処理を行うことが可能となる。このため、コンテンツ制作側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
シーン属性情報は、入力画像データd112のシーン毎に必要に応じて配置されている。このため、より詳細に画像処理を切り替えることが可能となり、より適切に画像処理を行うことが可能となる。
【0254】
例えば、属性情報d111により、シーン属性情報が「暗い・森・風景」と取得された場合、情報設定部は、「影の暗部を改善するプロファイル」を指定するプロファイル情報を視覚処理部に出力するとともに、「緑色の記憶色補正を行い、肌色の記憶色補正を行わないプロファイル」を指定するプロファイル情報を基本プロファイル群記憶部に出力する。
【0255】
また例えば、属性情報d111により、シーン属性情報が「明るい・人物・アップ」と取得された場合、情報設定部は、「コントラスト強調を抑制したプロファイル」を指定するプロファイル情報を視覚処理部に出力するとともに、「肌色の記憶色補正を行うプロファイル」を指定するプロファイル情報を基本プロファイル群記憶部に出力する。
【0256】
また例えば、属性情報d111により、シーン属性情報が「暗い・人物・風景」と取得された場合、情報設定部は、「人物の暗部を強調し、背景の暗部改善を抑制したプロファイル」を指定するプロファイル情報を視覚処理部に出力するとともに、「ホワイトバランスの調整と肌色の記憶色補正とを行わないプロファイル」を指定するプロファイル情報を基本プロファイル群記憶部に出力する。
【0257】
また例えば、属性情報d111により、シーン属性情報が「人物・ドラマ」と取得された場合、画像内で主たる処理対象は人物となる。よって、情報設定部は、視覚処理部に対して、肌色でかつ輝度の低い領域のコントラスト改善を行い、かつ、それ以外の輝度の低い領域のコントラスト改善をしないプロファイルを指定するプロファイル情報を出力する。また、情報設定部は、基本プロファイル群記憶部に対して、肌色の記憶補正を行い、かつ、それ以外の緑などの記憶色に対する補正を弱めるプロファイルを指定するプロファイル情報を出力する。
【0258】
なお、シーン属性情報は、上記実施形態と同様に、入力部725からCPU724を介して入力されるものであってもよい。この場合、ユーザにとっての主観的な画質をより向上させることが可能となる。
また、人物の移動シーンにおいて背景の太陽光の向きが徐々に変動するような一連のシーンの場合、各シーンごとにシーン属性情報を付加することも可能であるが、その先頭シーンのみにシーン属性情報を付加することも可能である。また、先頭シーンにまずシーン属性情報を付加して、続く連続シーンには先頭シーンからの明るさの変動情報や対象の変動情報のみをシーン属性情報として付加することも可能である。こうすることで、動画像の画像処理におけるちらつきや画質の急激な変化を抑えることが可能となる。
【0259】
(4−2)撮影属性情報
(4−2−1)
図16に、属性情報d111として撮影属性情報が含まれる入力信号d110のフォーマットを示す。図16に示す入力信号d110では、入力信号d110のヘッダ部分に撮影属性情報が配置されている。なお、撮影属性情報は、これに限らず、例えば、フラグ情報を伴うなどして入力画像データd112と分離可能な状態で配置されていてもよい。
【0260】
撮影属性情報は、それに続く入力画像データd112の撮影状況を記述する情報である。例えば、撮影属性情報は、「位置・方角」、「日付」、「時刻」、「撮影機器情報」などといった項目の組み合わせにより記述されている。「位置・方角」は、撮影時にGPSなどから取得される情報である。「撮影機器情報」は、撮影時の機器の情報であり、ストロボ有無、絞り、シャッタースピード、マクロ撮影有無などの情報が格納されている。なお、これらは撮影属性情報の一例であり、これに限定される訳ではない。例えば、撮影時に用いたマクロプログラム(ストロボ有無、絞り、シャッタースピードなどの制御を組み合わせて実行するためのプログラム)を特定するための情報であってもよい。
【0261】
撮影属性情報を含む入力信号d110に対して画像処理を行う表示用画像処理装置は、表示用画像処理装置759(図13参照)を撮影属性情報に対応させたものと同様である。
属性検出部760は、入力信号d110に含まれる撮影属性情報を検出し、属性情報d111として画像処理装置758に出力する。
【0262】
画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111を取得し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。例えば、情報設定部は、属性情報d111から取得される撮影属性情報の各項目とプロファイルとの関連付けを記憶するデータベースを参照するなどして、プロファイル情報を出力する。
【0263】
プロファイル情報は、プロファイル情報d101〜d103と同様であるため、説明を省略する。なお、プロファイル情報は、撮影属性情報を含んでいてもよい。この場合、視覚処理部と基本プロファイル群記憶部とは、取得した撮影属性情報から画像処理に用いるプロファイルを選択する。
【0264】
その他、表示用画像処理装置の各部の動作は、属性情報d111がコンテンツ情報を含む場合と同様であるため説明を省略する。
(4−2−2)
本発明により、上記実施形態で記載した効果と同様の効果が得られる。以下、本変形例に特徴的な効果を記載する。
【0265】
撮影属性情報に応じて適切なプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。このため、コンテンツ制作側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
例えば、「位置・方角」、「日付」、「時刻」、「撮影機器情報」などといった項目から、入力画像データd112が生成された環境における「太陽の方向」、「季節」、「天気」、「太陽光の色」、「ストロボ有無」などの情報を取得し、被写体の撮影状況(例えば、順光か逆光かなど)を解析することが可能となる。さらに、解析された撮影状況に対して適切なプロファイルを用いて画像処理を行うことが可能となる。
【0266】
なお、撮影属性情報は、上記実施形態と同様に、入力部725からCPU724を介して入力されるものであってもよい。この場合、ユーザにとっての主観的な画質をより向上させることが可能となる。
(4−3)放送属性情報
(4−3−1)
図17に、属性情報d111として放送属性情報が含まれる入力信号d110のフォーマットを示す。図17に示す入力信号d110では、入力信号d110のヘッダ部分に放送属性情報が配置されている。なお、放送属性情報は、これに限らず、例えば、フラグ情報を伴うなどして入力画像データd112と分離可能な状態で配置されていてもよい。
【0267】
放送属性情報は、入力信号d110が表示装置720に取得されるまでの媒体に関わる情報であって、特に、どのような放送形態により入力信号d110が取得されたかに関わる情報である。例えば、放送属性情報には、「地上波デジタル放送」「地上波アナログ放送」「衛星デジタル放送」「衛星アナログ放送」「インターネット放送」のいずれかを示す値が格納されている。
【0268】
放送属性情報を含む入力信号d110に対して画像処理を行う表示用画像処理装置は、表示用画像処理装置759(図13参照)を放送属性情報に対応させたものと同様である。
属性検出部760は、入力信号d110に含まれる放送属性情報を検出し、属性情報d111として画像処理装置758に出力する。
【0269】
画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111を取得し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。例えば、情報設定部は、属性情報d111から取得される放送属性情報の各項目とプロファイルとの関連付けを記憶するデータベースを参照するなどして、プロファイル情報を出力する。
【0270】
プロファイル情報は、プロファイル情報d101〜d103と同様であるため、説明を省略する。なお、プロファイル情報は、放送属性情報を含んでいてもよい。この場合、視覚処理部と基本プロファイル群記憶部とは、取得した放送属性情報から画像処理に用いるプロファイルを選択する。
【0271】
その他、表示用画像処理装置の各部の動作は、属性情報d111がコンテンツ情報を含む場合と同様であるため説明を省略する。
(4−3−2)
本発明により、上記実施形態で記載した効果と同様の効果が得られる。以下、本変形例に特徴的な効果を記載する。
【0272】
放送属性情報に応じて適切なプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。例えば、放送経路が画像に与える影響を補正し、放送局側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
より具体的には、例えば、地上波アナログ放送、衛星アナログ放送などにより取得された画像に対しては、伝送時のノイズを過剰に強調しないプロファイルの選択が行われる。これにより、夜景中に被写体が存在する画像に対して、夜景領域の輝度を保持しつつ被写体の明瞭化を行うプロファイルを用いて画像処理を行うことなどが可能となる。
【0273】
また、例えば、アナログ放送とデジタル放送とにおけるノイズ発生の特性の違い(アナログ放送:フィールド間ノイズ、デジタル放送:圧縮ノイズ)を考慮し、記憶色補正を行う色領域を変えて画像処理を行うことなどが可能となる。
なお、放送属性情報は、上記実施形態と同様に、入力部725からCPU724を介して入力されるものであってもよい。この場合、ユーザにとっての主観的な画質をより向上させることが可能となる。
【0274】
(4−4)記録属性情報
(4−4−1)
図18に、属性情報d111として記録属性情報が含まれる入力信号d110のフォーマットを示す。図18に示す入力信号d110では、入力信号d110のヘッダ部分に記録属性情報が配置されている。なお、記録属性情報は、これに限らず、例えば、フラグ情報を伴うなどして入力画像データd112と分離可能な状態で配置されていてもよい。
【0275】
記録属性情報は、入力信号d110が記録された媒体・装置に関わる情報である。例えば、記録属性情報は、入力信号d110が記録された「年代」、記録媒体・装置の「提供メーカ」、記録媒体・装置を特定するための「製品情報」などを含んでいる。
記録属性情報を含む入力信号d110に対して画像処理を行う表示用画像処理装置は、表示用画像処理装置759(図13参照)を記録属性情報に対応させたものと同様である。
【0276】
属性検出部760は、入力信号d110に含まれる記録属性情報を検出し、属性情報d111として画像処理装置758に出力する。
画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111を取得し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。例えば、情報設定部は、属性情報d111から取得される記録属性情報の各項目とプロファイルとの関連付けを記憶するデータベースを参照するなどして、プロファイル情報を出力する。
【0277】
プロファイル情報は、プロファイル情報d101〜d103と同様であるため、説明を省略する。なお、プロファイル情報は、記録属性情報を含んでいてもよい。この場合、視覚処理部と基本プロファイル群記憶部とは、取得した記録属性情報から画像処理に用いるプロファイルを選択する。
【0278】
その他、表示用画像処理装置の各部の動作は、属性情報d111がコンテンツ情報を含む場合と同様であるため説明を省略する。
(4−4−2)
本発明により、上記実施形態で記載した効果と同様の効果が得られる。以下、本変形例に特徴的な効果を記載する。
【0279】
記録属性情報に応じて適切なプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。例えば、「提供メーカ」が色処理を専門的に扱うカメラメーカなどである場合、色処理部が色処理をあまり行わないようにプロファイル情報が出力される。また例えばフィルムなどで記録された入力画像データd112に対しては、フィルムの色表現領域の特性を考慮して色処理を行うようにプロファイル情報が出力される。このように、記録媒体・記録装置が画像に与える影響を補正し、制作側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
【0280】
なお、記録属性情報は、上記実施形態と同様に、入力部725からCPU724を介して入力されるものであってもよい。この場合、ユーザにとっての主観的な画質をより向上させることが可能となる。
(4−5)プロファイル属性情報
(4−5−1)
図19に、属性情報d111としてプロファイル属性情報が含まれる入力信号d110のフォーマットを示す。図19に示す入力信号d110では、入力信号d110のヘッダ部分にプロファイル属性情報が配置されている。なお、プロファイル属性情報は、これに限らず、例えば、フラグ情報を伴うなどして入力画像データd112と分離可能な状態で配置されていてもよい。
【0281】
プロファイル属性情報は、プロファイルを特定するための情報であり、例えば、入力画像データd112を生成する撮影装置などが推奨するプロファイルを特定するための情報である。プロファイル属性情報は、プロファイルが格納するデータ、プロファイルを特定する番号などのタグ情報、プロファイルの処理の特徴を示すパラメータ情報のうちの少なくとも一つを含んでいる。プロファイルのデータ、タグ情報、パラメータ情報は、上記実施形態においてプロファイル情報d101〜d103の説明の際に記載したのと同様である。
【0282】
プロファイル属性情報が特定するプロファイルは、例えば、次の画像処理〔a〕〜画像処理〔c〕のいずれかの画像処理を行うためのプロファイルである。画像処理〔a〕は、入力画像データd112を生成する撮影装置などにおいて、入力画像データd112に対して好適であると判断された画像処理である。画像処理〔b〕は、画像処理〔a〕に加えて、撮影装置の表示部と標準モデルの表示装置との特性の差異を補正するための画像処理を行うための画像処理である。画像処理〔c〕は、画像処理〔a〕に加えて、撮影装置の表示部と表示装置720(図8参照)との特性の差異を補正するための画像処理を行うための画像処理である。
【0283】
さらに、プロファイル属性情報は、入力信号d110に含まれる入力画像データd112が既に撮影装置などにおいて画像処理されたデータであるか否かに関する処理フラグ情報を含んでいる。
プロファイル属性情報を含む入力信号d110に対して画像処理を行う表示用画像処理装置は、表示用画像処理装置759(図13参照)をプロファイル属性情報に対応させたものと同様である。
【0284】
属性検出部760は、入力信号d110に含まれるプロファイル属性情報を検出し、属性情報d111として画像処理装置758に出力する。
画像処理装置758の情報設定部は、属性情報d111を取得し、制御部、視覚処理部、基本プロファイル群記憶部にプロファイル情報を出力する。プロファイル情報は、プロファイル属性情報の形式(プロファイルのデータ、タグ情報、パラメータ情報のいずれか)に関わらず、プロファイルのデータ、タグ情報、パラメータ情報のいずれの形式で出力されてもよい。
【0285】
以下、情報設定部の動作について詳細に説明を加える。
情報設定部は、取得したプロファイル属性情報のうち、プロファイルを特定する情報をそのままプロファイル情報として出力するか否かを判断する。
例えば、プロファイル属性情報が画像処理〔a〕または画像処理〔c〕を行うプロファイルを特定する情報を含んでおり、処理フラグ情報が「処理無し」を示している場合、「出力する」と判断する。
【0286】
それ以外の場合、「出力しない」と判断する。
例えば、プロファイル属性情報が画像処理〔a〕を行うプロファイルを特定する情報を含んでおり、処理フラグ情報が「処理有り」を示している場合、情報設定部は、視覚処理部と色処理部とに画像処理を行わせないプロファイルを特定する情報をプロファイル情報として出力する。
【0287】
例えば、プロファイル属性情報が画像処理〔b〕を行うプロファイルを特定する情報を含んでおり、処理フラグ情報が「処理無し」を示している場合、画像処理〔a〕に加えて、標準モデルの表示装置と表示装置720との特性の差異を補正するための画像処理を行うプロファイルを特定するための情報をプロファイル情報として出力する。
【0288】
例えば、プロファイル属性情報が画像処理〔b〕を行うプロファイルを特定する情報を含んでおり、処理フラグ情報が「処理有り」を示している場合、標準モデルの表示装置と表示装置720との特性の差異を補正するための画像処理を行うプロファイルを特定するための情報をプロファイル情報として出力する。
【0289】
例えば、プロファイル属性情報が画像処理〔c〕を行うプロファイルを特定する情報を含んでおり、処理フラグ情報が「処理有り」を示している場合、情報設定部は、視覚処理部と色処理部とに、撮影装置の表示部と表示装置720とのデバイス特性の差異を補正するための画像処理を行うプロファイルを特定する情報をプロファイル情報として出力する。
【0290】
なお、これらの処理は、一例であり、これに限定される訳ではない。例えば、画像処理装置758では、属性情報d111から取得されるプロファイル属性情報が特定するプロファイルを常に用いてもよい。
また、属性情報d111から取得されるプロファイル属性情報が特定するプロファイルを視覚処理部または基本プロファイル群記憶部が有しない場合には、属性情報d111から特定されるプロファイルを生成するためのプロファイルが選択され、そのプロファイル情報が視覚処理部および基本プロファイル群記憶部に出力される。さらに、制御部には、視覚処理部および基本プロファイル群記憶部に出力されたプロファイル情報により特定されるプロファイルを用いて属性情報d111から特定されるプロファイルを生成するための合成度が出力される。
【0291】
その他、表示用画像処理装置の各部の動作は、属性情報d111がコンテンツ情報を含む場合と同様であるため説明を省略する。
(4−5−2)
本発明により、上記実施形態で記載した効果と同様の効果が得られる。以下、本変形例に特徴的な効果を記載する。
【0292】
プロファイル属性情報に応じて適切なプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。例えば、撮影側で推奨されるプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となる。さらに、撮影側の表示部で確認された画像に近い表示を行うことが可能となる。このため、制作側の意図を考慮して画像処理を行うことが可能となる。
【0293】
なお、プロファイル属性情報は、上記実施形態と同様に、入力部725からCPU724を介して入力されるものであってもよい。この場合、ユーザにとっての主観的な画質をより向上させることが可能となる。
撮影側での画像処理の内容や画像処理の有無を判断できるため、撮影側と表示側で重複した画像処理、相殺する画像処理を行うことが防止可能となる。さらに、画像処理の有無だけでなく、画像処理の程度をプロファイル属性情報として含めることも可能である。この場合、撮影側と表示側で同じ処理を分担することが可能となる。例えば、撮影側で50%の画像処理を行い、表示側で50%の画像処理を行う、といった処理が可能となる。
【0294】
撮影側で使用したプロファイルに関する情報から、撮影側での画像処理前の画像を再生することが可能となる。
プロファイル属性情報として、タグ情報やパラメータ情報を含める場合には、少ない情報でプロファイルに関する情報を付加することが可能となる。
【0295】
(4−5−3)
入力信号d110が属性情報d111としてプロファイル属性情報を含む場合の変形例について記載する。
図20は、図13に示す表示用画像処理装置759の変形例としての表示用画像処理装置765の構成を示すブロック図である。
【0296】
図20に示す表示用画像処理装置765は、属性検出部760(図13参照)の変形例としての属性検出部761を備える点に特徴を有している。属性検出部761は、入力信号d110が含むプロファイル属性情報(以下、入力プロファイル属性情報)を検出し、検出した入力プロファイル属性情報を画像処理装置758に適したプロファイル属性情報(以下、好適プロファイル属性情報)に変換することができるものであり、プロファイル情報検出部762と、プロファイル情報変換部764とから構成されている。なお、表示用画像処理装置765において、表示用画像処理装置759と同様の動作を行う部分には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0297】
プロファイル情報検出部762は、入力信号d110から入力プロファイル属性情報を検出し、属性情報d111として出力する。詳しい動作は、属性検出部760(図13参照)と同様であるため、説明を省略する。
プロファイル情報変換部764は、プロファイル情報検出部762から属性情報d111を取得する。さらに、属性情報d111が含む入力プロファイル属性情報を好適プロファイル属性情報に変換し、プロファイル属性情報d116として出力する。ここで、変換は、予め用意された変換テーブルを用いて行われる。
【0298】
画像処理装置758は、プロファイル属性情報d116を取得し、上記実施形態でプロファイル属性情報を含む属性情報d111を取得した場合と同様の動作により、入力信号d110が含む入力画像データd112(図19参照)の画像処理を行う。
変形例としての表示用画像処理装置765では、入力プロファイル属性情報と好適プロファイル属性情報とのフォーマットが異なる場合であっても、入力プロファイル属性情報に基づいて画像処理を行うことが可能となる。
【0299】
なお、プロファイル情報変換部764は、入力プロファイル属性情報のフォーマットの変換のみを行うものに限定されない。
例えば、画像処理装置758が入力プロファイル属性情報により特定される画像処理を実現できない場合であっても、できるだけ近い画像処理を実現する好適プロファイル属性情報に変換して画像処理を行うことが可能となる。
【0300】
また、入力プロファイル属性情報が入力信号d110の入力画像データd112に既に行われている画像処理の処理度合いなどを含む場合には、その処理度合いに応じて入力プロファイル属性情報の変換を行い、画像処理装置758における画像処理の処理度合いを変化させることなどが可能となる。これによれば、入力信号d110を作成する撮影側と表示側とで画像処理を分担することが可能となる。また、既に行われている画像処理に重複した画像処理、あるいは、既に行われている画像処理を相殺する画像処理を行うことが防止される。
【0301】
[第7実施形態]
図21〜図31を用いて、本発明の第7実施形態としての撮影装置820について説明する。
図21に示す撮影装置820は、画像の撮影を行うスチールカメラ、ビデオカメラなど、画像を撮影する撮影装置である。撮影装置820は、上記実施形態で説明した画像処理装置を含む撮影用画像処理装置832を有する点、自動あるいは手動により画像処理に用いるプロファイルを切り替えることができる点に特徴を有している。なお、撮影装置820は、独立した装置であってもよいが、携帯電話機、PDA、PCなどの携帯情報端末に備えられている装置であってもよい。
【0302】
〈撮影装置820〉
撮影装置820は、撮影部821、撮影用画像処理装置832、表示部834、CPU846、照明部848、入力部850、セキュリティ判定部852、コーデック840、メモリコントローラ842、メモリ844、外部インタフェース(I/F)854、外部装置856を備えている。
【0303】
撮影部821は、画像の撮影を行い、入力画像信号d362を出力する部分であり、レンズ822、絞り・シャッター部824、CCD826、アンプ828、A/D変換部830、CCD制御部836、情報検出部838から構成されている。
レンズ822は、CCD826上に被写体の画像を結像するためのレンズである。絞り・シャッター部824は、レンズ822を通過した光束の通過範囲や通過時間を変えて露出を制御するための機構である。CCD826は、被写体の画像を光電変換して画像信号として出力するためのイメージセンサである。アンプ828は、CCD826から出力された画像信号を増幅するための装置である。A/D変換部830は、アンプ828により増幅されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する装置である。CCD制御部836は、CCD826を駆動するタイミングを制御する装置である。情報検出部838は、デジタル画像信号からオートフォーカス、絞り、露出などの情報を検出し、CPU846に出力する装置である。
【0304】
撮影用画像処理装置832は、[第6実施形態]で図9を用いて説明した表示用画像処理装置723と同様の装置である。撮影用画像処理装置832は、CPU846からの制御を受け、入力画像信号d362に含まれる入力信号d1(図22参照)の画像処理を行い、出力信号d3(図22参照)を含む出力画像信号d361を出力する装置である。撮影用画像処理装置832は、上記実施形態で説明した画像処理装置を含み、プロファイルを用いて画像処理を行う点に特徴を有している。詳細については、後述する。
【0305】
表示部834は、撮影用画像処理装置832により出力された出力画像信号d361を、例えばサムネイル表示する装置である。表示部834は、LCDで構成されることが多いが、PDP、CRT、プロジェクタなど、画像を表示する装置であれば特に限定しない。なお、表示部834は、撮影装置820に内蔵されているものだけでなく、有線あるいは無線のネットワークなどを介して接続されていてもよい。また、表示部834は、撮影用画像処理装置832とCPU846を介して接続されていてもよい。
【0306】
CPU846は、撮影用画像処理装置832、コーデック840、メモリコントローラ842、外部I/F854、とバスラインを介して接続されており、情報検出部838の検出結果、入力部850による入力結果、照明部848による発光情報、セキュリティ判定部852による判定結果などを受け取るとともに、レンズ822、絞り・シャッター部824、CCD制御部836、撮影用画像処理装置832、照明部848、入力部850、セキュリティ判定部852やバスラインに接続された各部などの制御を実行する装置である。
【0307】
照明部848は、被写体に照射する照明光を発光するストロボなどである。
入力部850は、撮影装置820への操作をユーザに行わせるためのユーザインタフェースであり、各部の制御をするためのキー、つまみ、リモコンなどである。
セキュリティ判定部852は、外部から取得されるセキュリティ情報を判定して、CPU846を介して撮影用画像処理装置832の制御を行う部分である。
【0308】
コーデック840は、撮影用画像処理装置832からの出力画像信号d361をJPEGあるいはMPEGなどにより圧縮処理する圧縮回路である。
メモリコントローラ842は、DRAMなどで構成されるCPUのメモリ844のアドレスやアクセスタイミングなどの制御を行う。
【0309】
メモリ844は、DRAMなどで構成され、画像処理などの際に作業用メモリとして用いられる。
外部I/F854は、メモリカード859、PC861などの外部装置856に出力画像信号d361、あるいはコーデック840で圧縮処理された出力画像信号d361を出力するためのインタフェースである。また、外部I/F854は、画像処理を行うためのプロファイルに関する情報であるプロファイル情報などを取得するとともに、取得したプロファイル情報など含む入力画像信号d362を撮影用画像処理装置832に対して出力するためのインタフェースである。プロファイル情報は、[第6実施形態]で説明したのと同様である。外部I/F854は、例えば、メモリカードI/F858、PCI/F860、ネットワークI/F862、無線I/F864などにより構成される。なお、外部I/F854は、ここに例示したものの全てを備えている必要は無い。
【0310】
メモリカードI/F858は、画像データやプロファイル情報などを記録するメモリカード859と撮影装置820とを接続するためのインタフェースである。PCI/F860は、画像データやプロファイル情報などを記録するパーソナルコンピュータなどの外部機器であるPC861と撮影装置820とを接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F862は、撮影装置820をネットワークに接続し、画像データやプロファイル情報などを送受信するためのインタフェースである。無線I/F864は、撮影装置820を無線LANなどを介して外部機器と接続し、画像データやプロファイル情報などを送受信するためのインタフェースである。なお、外部I/F854は、図示したものに限られず、例えば、USB、光ファイバーなどと撮影装置820とを接続するためのインタフェースであってもよい。
【0311】
〈撮影用画像処理装置832〉
図22に、撮影用画像処理装置832の構成を示す。撮影用画像処理装置832は、表示用画像処理装置723と同様の構成を有している。図22では、表示用画像処理装置723と同じ機能を有する部分に同じ符号を付している。
【0312】
撮影用画像処理装置832は、図1を用いて説明した画像処理装置10とほぼ同様の構成を有する画像処理装置750と、環境検出部754とを備えている。
各部の動作は、[第6実施形態]で説明したため、詳しい説明を省略する。
なお、[第6実施形態]では、環境情報d104または環境情報d105が含む環境情報は、「画像処理された画像データが表示され、視覚される環境に関する情報である」、と記載したが、これは、撮影が行われる環境に関する情報であってもよい。撮影が行われる環境とは、例えば、撮影環境の環境光の色温度、照度、光源の種類、被写体までの距離などといった情報である。
【0313】
〈撮影装置820の効果〉
撮影装置820は、[第6実施形態]で説明した表示用画像処理装置723(図9参照)と同様の撮影用画像処理装置832を備えている。このため、表示用画像処理装置723を備える表示装置720(図8参照)と同様の効果を奏することが可能である。
【0314】
(1)
撮影装置820では、画像処理装置10(図1参照)とほぼ同様の構成を有する画像処理装置750を備えている。このため、上記実施形態で説明した画像処理装置10と同様の効果が得られる。
【0315】
特に、撮影装置820では、新たにプロファイルを生成することが可能である。このため、あらかじめ多くのプロファイルを記憶しておく必要が無く、プロファイルの記憶容量を削減することが可能である。さらに、プロファイルの生成では、合成度を変更することにより、プロファイルが実現する画像処理の微妙な調整が可能となる。
【0316】
また、撮影装置820では、複数のプロファイルを用いて新たにプロファイルを生成する。このため、1つのプロファイルを用いる場合に比して、プロファイル生成の自由度が向上する。すなわち、より複雑な画像処理を実現するプロファイルを生成することが可能となる。
【0317】
また、撮影装置820では、生成したプロファイルを用いた画像処理が行われる。プロファイルの生成は画像処理の前にあらかじめ行っておくことが可能である。このため、プロファイルが実現する画像処理が複雑であっても、画像処理の処理速度には影響しない。すなわち、複雑な処理をより高速に行うことが可能となる。このことは、生成したプロファイルにより実現される画像処理がより多くの画像のパラメータを調整する場合に、より顕著となる。
【0318】
(2)
撮影装置820では、環境検出部754により検出された環境情報に応じてプロファイルの選択や合成度の変更などが行われる。このため、環境情報に応じて適切な画像処理が実現され、視覚効果がより向上される。
【0319】
図23を用いて、環境情報と色処理部13(図1参照)で用いられるプロファイルとの関係について説明し、撮影装置820のより具体的な効果を説明する。図23は、環境情報に基づいて選択されたプロファイルz1およびプロファイルz2と制御信号c2が指定する合成度とに基づいて生成されるプロファイルzkを示している。プロファイルzkは、制御信号c2が指定する合成度の値に応じて生成されている。
【0320】
例えば、撮影装置820の撮影環境における環境光の色温度が取得できる場合、基本プロファイル群記憶部12では、低色温度(3000K)用のプロファイルz1と高色温度(5500K)用のプロファイルz2とが選択される。より具体的には、色処理として肌色の記憶色補正を行う場合、低色温度(3000K)用のプロファイルz1として選択されるプロファイルは、高色温度(5500K)用のプロファイルz2に比べて、色調整範囲が赤方向に広めに設定され、かつ、無彩色方向へのゲインが大きく設定されたプロファイルである。
【0321】
さらに、環境情報から取得される色温度に応じて、制御部14から制御信号c2が出力される。色処理部13では、プロファイルz1とプロファイルz2と制御信号c2が含む合成度とに基づいて、新たなプロファイルzkが生成され、生成されたプロファイルzkを用いて色処理が行われる。
【0322】
この場合、色温度に基づいて合成度が指定され、好適なプロファイルが生成される。このため、記憶色補正がより適切に行われる。
なお、図23の説明では、プロファイルが2つ選択されると説明したが、複数選択されてもよい。この場合、さらに画質が向上する。
【0323】
(3)
撮影装置820は、表示部834を備え、画像処理された画像を確認しつつ撮影を行うことが可能である。このため、撮影時の画像の印象と、撮影された画像を表示した時の印象とを近づけることが可能となる。
【0324】
(4)
情報設定部752は、視覚処理部11と色処理部13とにおいて用いられるプロファイルをそれぞれ指定する。このため、視覚処理部11と色処理部13とにおける画像処理がそれぞれ重複する処理となることや相殺する処理となることを防止することが可能となる。
【0325】
〈変形例〉
撮影装置820では、上記実施形態において表示用画像処理装置723に関して記載したのと同様の変形が可能である。以下、撮影装置820に特徴的な変形例を記載する。
(1)
上記実施形態で説明した撮影装置820の各部において、同様の機能を実現する部分は、共通のハードウェアで実現されていてもよい。
【0326】
入力部850(図21参照)は、環境検出部754(図22参照)として環境情報を入力させる装置であってもよい。この場合、入力部850から入力された環境情報は、CPU846(図21参照)を介して環境情報d105として撮影用画像処理装置832に入力される。
【0327】
視覚処理部11(図9参照)においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12(図9参照)は、撮影用画像処理装置832の外部に備えられる物であってもよく、例えば、メモリ844や外部装置856により実現されていてもよい。また、視覚処理部11においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12は、同じ装置により実現されていてもよい。
【0328】
また、視覚処理部11においてプロファイルが記憶されている記憶部や基本プロファイル群記憶部12に記憶されるプロファイルは、予め各部に記憶されているものであってもよいし、外部装置856から取得されるものであってもよい。
また、画像処理装置750の制御部14や情報設定部752の機能は、CPU846により実現されていてもよい。
【0329】
(2)
撮影用画像処理装置832では、環境検出部754に変えて、ユーザに入力を行わせるユーザ入力部を備えていてもよい。
図24に撮影用画像処理装置832の変形例としての撮影用画像処理装置875の構成を示す。撮影用画像処理装置875は、ユーザに入力を行わせるユーザ入力部877を備えている点に特徴を有している。撮影用画像処理装置875において、撮影用画像処理装置832とほぼ同様の機能を果たす部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0330】
ユーザ入力部877は、ユーザの嗜好する画像処理を入力させ、入力された情報を画像処理装置750の情報設定部752(図9参照)に対して、入力情報d108として出力する。
ユーザ入力部877は、例えば、ユーザの嗜好する明るさを入力させる明るさ入力部と、ユーザの嗜好する画質を入力させる画質入力部とから構成されている。
【0331】
明るさ入力部は、例えば、撮影される画像中の光の状態を入力するスイッチ、画像が撮影される環境の光の状態を入力するスイッチなどから構成されている。撮影される画像中の光の状態を入力するスイッチは、例えば、画像中の逆光・順光や、撮影時のストロボの有無や、撮影時に用いられたマクロプログラムの状態などを入力するためのスイッチである。ここで、マクロプログラムとは、撮影装置を被写体の状態に応じて制御するためのプログラムである。画像が撮影される環境の光の状態を入力するスイッチは、例えば、環境光の明るさ、色温度などを入力するためのスイッチである。
【0332】
画質入力部は、ユーザの画質の好みを入力するためのスイッチであり、例えば、デフォルト・ダイナミック・クラシックなどといった異なる視覚効果を入力するスイッチである。
ユーザ入力部877は、明るさ入力部と画質入力部とから入力された情報を入力情報d108として出力する。
【0333】
画像処理装置750では、環境情報d104(図22参照)が入力される場合とほぼ同様の動作が行われる。環境情報d104が入力される場合との相違点は、情報設定部752が入力情報d108とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、プロファイル情報d101〜d103を出力する点である。
【0334】
本変形例の撮影用画像処理装置875では、ユーザの入力に応じて画像処理に用いられるプロファイルを選択し、画像処理を行うことが可能となる。このため、ユーザの嗜好に応じた画像処理を行うことが可能となる。
なお、入力部850(図21参照)は、ユーザ入力部877と同様に動作し、CPU846を介してユーザの嗜好する画像処理を入力させるものであってもよい。この場合、環境情報d105は、入力情報d108と同様の情報を含むこととなる。
【0335】
(3)
《3−1》
撮影装置820において、撮影用画像処理装置832は、セキュリティ情報を取得し、セキュリティ情報に応じて画像処理に用いるプロファイルを切り替える装置であってもよい。ここで、セキュリティ情報とは、撮影装置820の撮影環境において撮影が許可されているか否か、あるいはその許可の程度を表す情報である。
【0336】
図25に、撮影用画像処理装置832の変形例としての撮影用画像処理装置870を示す。撮影用画像処理装置870は、入力信号d1の画像処理を行い、出力信号d3を出力する点において、撮影用画像処理装置832と同様である。撮影用画像処理装置870と撮影用画像処理装置832との相違点は、撮影用画像処理装置870が撮影環境におけるセキュリティ情報を取得するセキュリティ情報入力部872を備える点である。その他、撮影用画像処理装置832と共通する部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0337】
セキュリティ情報入力部872は、例えば、ユーザに直接セキュリティ情報を入力させる入力装置、無線、赤外線あるいは有線によりセキュリティ情報を取得する受信装置などにより主に構成されている。さらに、セキュリティ情報入力部872は、取得したセキュリティ情報をセキュリティ情報d130として出力する。
【0338】
画像処理装置750の情報設定部752(図9参照)では、セキュリティ情報d130が示す撮影許可の程度が高いほど、より高画質な撮影が行えるようなプロファイルを特定し、撮影許可の程度が低いほど、より低画質な撮影しか行えないようなプロファイルを特定する。
【0339】
図26を用いて撮影用画像処理装置870の動作についてさらに詳しく説明する。
図26は、撮影が制御される撮影制御領域880における、撮影用画像処理装置870を備える撮影装置820の動作について説明するための説明図である。
撮影制御領域880には、撮影が禁止される撮影禁止物883が配置されている。撮影禁止物883とは、例えば、人物、書物など、肖像権や著作権などの対象となるものなどである。撮影制御領域880には、セキュリティ情報発信装置881が設置されている。セキュリティ情報発信装置881は、無線、赤外線などによりセキュリティ情報を発信する。
【0340】
撮影制御領域880内の撮影装置820は、セキュリティ情報入力部872(図25参照)によりセキュリティ情報を受信する。セキュリティ情報入力部872は、受信したセキュリティ情報をセキュリティ情報d130として出力する。画像処理装置750の情報設定部752(図9参照)は、セキュリティ情報d130の値とプロファイルとの関連づけを記憶するデータベースなどを参照し、撮影許可の程度の値に応じたプロファイルを特定するためのプロファイル情報d101〜d103を出力する。例えば、データベースでは、より高い撮影許可の程度の値に対して、より高画質な撮影が行えるプロファイルが関連づけられている。
【0341】
より詳しくは、例えば、撮影装置820がセキュリティ情報発信装置881から撮影許可の程度が低いセキュリティ情報を受信した場合、画像処理装置750では、画像中心付近や画像の主要な領域を平滑化する(あるいは階調を落とす)ようなプロファイルを用いた画像処理が行われる。また、画像処理装置750では、画像を無彩色化するようなプロファイルを用いた画像処理が行われる。これにより、適切な画質で撮影を行うことができなくなり、肖像権や著作権などの権利を保護することが可能となる。
【0342】
《3−2》その他
(1)
セキュリティ情報入力部872がセキュリティ情報を受信した場合、撮影用画像処理装置870は、セキュリティ情報d130に応じてプロファイルを切り替えるだけでなく、撮影用画像処理装置870あるいは撮影装置820の一部の機能を停止させてもよい。
【0343】
(2)
画像処理装置750では、セキュリティ情報入力部872からセキュリティ情報を受信し、さらに、撮影装置820の入力部850などからユーザの認証情報d131を取得した場合、撮影許可されたユーザであれば、撮影許可の程度を緩和するようなプロファイルを用いて画像処理を行ってもよい。
【0344】
ユーザの認証情報は、例えば、ユーザの指紋・眼紋などによる認証情報である。この認証情報を取得した画像処理装置750は、撮影許可されたユーザのデータベースを参照し、認証されたユーザが撮影許可されたユーザであるか否かを判断する。また、この際、ユーザの課金情報などにより撮影許可の程度も判断し、その程度が高いほど、より高画質な撮影を行えるようにしてもよい。
【0345】
なお、セキュリティ情報は、撮影許可された撮影装置820を特定するための情報を通知するものであってもよい。
(3)
セキュリティ情報入力部872は、セキュリティ判定部852(図21参照)と兼用されていてもよい。
【0346】
(4)
上記実施形態では、「撮影用画像処理装置832は、画像処理した出力信号d3を含む出力画像信号d361を出力する」、と説明した。
ここで、撮影用画像処理装置832は、出力画像信号d361と入力信号d1とを出力することができる装置であってもよい。例えば、撮影用画像処理装置832は、表示部834には、出力画像信号d361を出力し、コーデック840あるいは外部装置856(図21参照)には、入力信号d1を出力する。
【0347】
この場合、撮影装置820の表示部834では、撮影環境に応じた表示を行うことが可能となる。例えば、環境光の元でコントラストや彩度を高めた画像を表示することが可能となる。また、コーデック840や外部装置856には、撮影した画像そのものを記録したり送信したりすることが可能となる。
【0348】
(5)
撮影用画像処理装置832は、複数の画像処理装置を備えるものであってもよい。
図27に2つの画像処理装置を備える撮影用画像処理装置884の構成を示す。
撮影用画像処理装置884は、入力信号d1の画像処理を行う2つの画像処理装置885と画像処理装置886とを備えている。さらに、それぞれの画像処理装置に対して、環境情報を出力する環境検出部887を備えている。
【0349】
画像処理装置885と画像処理装置886とは、上記実施形態で説明した画像処理装置750(図22参照)と同様の動作を行う。環境検出部887は、上記実施形態で説明した環境検出部754(図22参照)と同様の動作を行う。環境検出部887は、それぞれの画像処理装置に対して、環境情報d134,d135を出力する。
【0350】
画像処理装置885は、環境情報d134を取得し、入力信号d1に画像処理を行い、出力信号d3を表示部834に出力する。画像処理装置886は、環境情報d135を取得し、入力信号d1に画像処理を行い、出力信号d137を出力する。
これにより、撮影用画像処理装置884では、表示部834と外部装置856などとに対して、それぞれ異なる画像処理を行った信号を出力することが可能となる。このため、例えば、表示サイズの小さい表示部834に対しては、コントラストや彩度を上げた画像を表示させ、外部装置856などに対しては、大きな表示サイズの画面で視覚されることを考慮した画像を出力することが可能となる。
【0351】
なお、双方の画像処理装置885,886および環境検出部887に対して、入力部850(図21参照)から環境情報d105を入力し、画像処理に用いるプロファイルを選択させてもよい。
(6)
撮影用画像処理装置832は、画像処理された出力信号d3に対してプロファイル情報を付加して出力する装置であってもよい。
【0352】
図28に撮影用画像処理装置832の変形例としての撮影用画像処理装置890を示す。
撮影用画像処理装置890は、入力信号d1を画像処理し出力信号d3を出力する画像処理装置891と、出力信号d3の画像処理を行う際に推奨されるプロファイルの情報である推奨プロファイル情報d140を出力する推奨プロファイル情報生成部894と、出力信号d3に推奨プロファイル情報d140を付加し出力画像信号d361を出力するプロファイル情報付加部892とを備えている。
【0353】
画像処理装置891は、上記実施形態で説明した画像処理装置10や画像処理装置750などと同様の構成を有しており、入力信号d1に対して画像処理を行い出力信号d3を出力する装置である。
推奨プロファイル情報生成部894は、自動あるいは手動により出力信号d3に付加する推奨プロファイル情報d140を生成する。具体的には、推奨プロファイル情報生成部894は、上記実施形態で説明した環境情報をセンサなどにより取得し、環境情報とプロファイルとを関連付けるデータベースを参照することにより環境情報に好適なプロファイルのプロファイル情報を推奨プロファイル情報d140として出力する。ここで、プロファイル情報とは、上記実施形態で説明したのと同様である。また、推奨プロファイル情報生成部894は、好適なプロファイルをユーザに入力させ、入力されたプロファイルのプロファイル情報を推奨プロファイル情報d140として出力させてもよい。
【0354】
プロファイル情報付加部892は、出力信号d3に対して推奨プロファイル情報d140を付加し、出力画像信号d361として出力する。
図29に、プロファイル情報付加部892が推奨プロファイル情報d140を付加した出力画像信号d361のフォーマット例を示す。
【0355】
図29(a)では、出力画像信号d361の先頭部に推奨プロファイル情報d140が配置されており、それに続いて出力信号d3が配置されている。このようなフォーマットでは、先頭部の推奨プロファイル情報d140を用いて、全ての出力信号d3の画像処理が行うことが可能となる。また、推奨プロファイル情報d140は、出力画像信号d361中において一箇所だけ配置されていればよく、出力画像信号d361に占める推奨プロファイル情報d140の割合を削減することが可能となる。
【0356】
図29(b)では、複数に分割された出力信号d3のそれぞれに対して、推奨プロファイル情報d140が配置されている。このようなフォーマットでは、分割された出力信号d3のそれぞれの画像処理において、異なるプロファイルが用いられる。このため、例えば、出力信号d3のシーン毎に異なるプロファイルを用いた画像処理を行うことが可能となり、より画像処理を適切に行うことが可能となる。また、連続的に変化するような一連のシーンの場合、まず先頭シーンにシーン属性情報を付加して、続く複数のシーンには先頭シーンからの明るさの変動情報や対象の変動情報のみをシーン属性情報として付加することで、動画像の画像処理におけるちらつきや画質の急激な変化を抑えることができる。
【0357】
なお、推奨プロファイル情報d140は、出力信号d3の画像処理に用いられるプロファイルを特定する情報であればどのような形式の情報であってもよく、例えば、データベースに管理されたプロファイル情報と出力信号d3とを関連づける情報であってもよい。
(7)
撮影用画像処理装置832は、入力信号d1に対してプロファイル情報を付加して出力する装置であってもよい。
【0358】
図30に撮影用画像処理装置832の変形例としての撮影用画像処理装置896を示す。
撮影用画像処理装置896は、画像処理装置897と、ユーザ入力部898と、推奨プロファイル情報生成部899と、プロファイル情報付加部900とを備えている。
【0359】
画像処理装置897およびユーザ入力部898は、図24を用いて説明した画像処理装置750とユーザ入力部877と同様に動作する。さらに、ユーザ入力部898は、ユーザの設定した情報を入力情報d142として推奨プロファイル情報生成部899に出力する。
【0360】
推奨プロファイル情報生成部899は、入力情報d142とプロファイルとを関連づけるデータベースを参照し、推奨プロファイル情報d144を出力する。
プロファイル情報付加部900は、入力信号d1に対して推奨プロファイル情報d144を付加し、出力画像信号d361を出力する。ここで、推奨プロファイル情報d144は、図29を用いて説明したのと同様のフォーマットにより付加される。すなわち、図29において、推奨プロファイル情報d140が配置されている位置に推奨プロファイル情報d144が配置され、出力信号d3が配置されている位置に入力信号d1が配置される。
【0361】
これにより、表示サイズの小さい表示部834では、コントラストや彩度を上げた画像を表示して撮影中の画像を確認しつつ、外部装置856などには、大きな表示サイズの画面で視覚されることを考慮したプロファイル情報を付加した出力を行うことが可能となる。
【0362】
なお、画像処理装置897、推奨プロファイル情報生成部899、プロファイル情報付加部900には、ユーザ入力部898に変えてあるいは加えて、CPU846を介して入力部850(図21参照)から入力が行われてもよい。
(8)
出力信号d3に付加される推奨プロファイル情報は、画像処理装置での画像処理の実施情報に応じて生成されるものであってもよい。
【0363】
図31に撮影用画像処理装置832の変形例としての撮影用画像処理装置905を示す。
撮影用画像処理装置905は、画像処理装置906と、推奨プロファイル情報生成部907と、プロファイル情報付加部908とを備えている。
【0364】
画像処理装置906は、入力信号d1に画像処理し出力信号d3を出力する装置であり、図1に示す画像処理装置10とほぼ同様の構成を有している。画像処理装置10との相違点は、視覚処理部11、制御部14、基本プロファイル群記憶部12が、それぞれの動作に応じてプロファイル情報を推奨プロファイル情報生成部907に出力する点である。例えば、視覚処理部11は、視覚処理に用いたプロファイルに関する情報や視覚処理の処理度合いなどをプロファイル情報d148として出力する。制御部14は、視覚処理部11や色処理部13で用いられたプロファイルの合成度などをプロファイル情報d149として出力する。基本プロファイル群記憶部12は、色処理部13の色処理で用いられたプロファイルに関する情報や色処理部13の色処理の処理度合いなどをプロファイル情報d150として出力する。
【0365】
推奨プロファイル情報生成部907は、プロファイル情報d148〜d150を取得し、推奨プロファイル情報d146として出力する。
プロファイル情報付加部908は、出力信号d3に対して推奨プロファイル情報d146を付加し、出力画像信号d361を出力する。ここで、推奨プロファイル情報d146は、図29を用いて説明したのと同様のフォーマットにより付加される。すなわち、図29において、推奨プロファイル情報d140が配置されている位置に推奨プロファイル情報d146が配置される。
【0366】
撮影用画像処理装置905により、表示側では、撮影側での画像処理の内容や画像処理の有無を判断できる。このため、撮影側と表示側で重複した画像処理、相殺する画像処理を行うことが防止可能となる。
さらに、画像処理の有無だけでなく、画像処理の程度を推奨プロファイル情報d146として含めることも可能である。これにより、撮影側と表示側で同じ処理を分担することが可能となる。例えば、撮影側で50%の画像処理を行い、表示側で50%の画像処理を行う、といった処理が可能となる。
【0367】
撮影側で使用したプロファイルに関する情報から、撮影側での画像処理前の画像を再生することが可能となる。このため、表示側においてより高性能な画像処理が行える場合に、撮影側で行った画像処理をはずし、表示側において再度画像処理を行うことが可能となる。この結果、ユーザは、より高画質の画像を享受することが可能となる。
【0368】
推奨プロファイル情報d146として、タグ情報やパラメータ情報を含める場合には、少ない情報でプロファイルに関する情報を付加することが可能となる。
[第8実施形態]
(1)
上記実施形態において、視覚処理部、プロファイル作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などは、ソフトウェアにより実現されていてもハードウェアにより実現されていてもよい。ソフトウェアにより実現されている場合、そのプログラムは、コンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、デジタルテレビなど、画像を取り扱う機器に内蔵、あるいは接続される装置において、ハードディスク、RAM、ROM、メモリカードなどの記憶装置に記憶され、画像の色処理を実行するプログラムであり、例えば、CD−ROMなどの記録媒体を介して、あるいはネットワークを介して提供されてもよい。
【0369】
また、上記視覚処理部、プロファイル作成実行部、制御部あるいは色処理実行部などをLSIの内部に持たせてもよい。LSIの内部に持たせることで、異なる処理は基本プロファイルで提供されるため、異なる処理を実現する毎にLSI設計する必要がなくなる。
より詳しくは、上記実施形態の各機能ブロックは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0370】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0371】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
(2)
上記実施形態において、入力信号d1、画像信号d2は、静止画であっても動画であってもかまわない。
【0372】
(3)
上記実施形態において、画像信号値は、R,G,Bの3原色を用いた色空間の座標として表されるとしたが、本発明の効果は、この色空間のデータを用いた場合に限定されるものではない。例えば、CMY系の色空間であってもよいし、Lab系の色空間であってもよい。
【0373】
また、本発明の効果は、3次元の色空間を取り扱う色処理以外にも有効である。すなわち、本発明の効果は、取り扱う色空間の次元に依存しない。
(4)
上記実施形態の全体の効果として、表示色変換処理、色域変換処理、記憶色補正処理等と呼ばれるそれぞれの処理において、処理度合いを任意に調整することが可能となる。例えば、色処理された画像信号を出力する出力デバイスの環境に対応して色処理を行うことが可能となる。より具体的には、色処理された画像信号を周囲の環境光に応じてモニタ表示させること、あるいは色処理された画像信号を紙質に応じてプリンタによりプリントアウトさせることなどが可能となる。また、表示色変換処理、記憶色補正処理などにおいては、観者それぞれの好みに応じた色処理を行うことが可能となる。
【0374】
これらの効果に加えて、上記実施形態では、色処理の処理度合いを異ならせた膨大な数のルックアップテーブルを有することは必要とされず、ルックアップテーブルを記憶するためのメモリなどの記憶容量を削減することが可能となる。
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態として、上記で説明した画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムの応用例とそれを用いたシステムを図32〜図35を用いて説明する。
【0375】
図32は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
【0376】
しかし、コンテンツ供給システムex100は図32のような組合せに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0377】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラex116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってもどちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0378】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。
【0379】
コンテンツの表示に際して、上記実施形態で説明したが画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを用いてもよい。例えば、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等は、上記実施形態で示した画像処理装置を備え、画像処理方法、画像処理プログラムを実現するものであってもよい。
【0380】
また、ストリーミングサーバex103は、画像処理装置に対して、インターネットex101を介してプロファイルデータを提供するものであってもよい。さらに、ストリーミングサーバex103は、複数台存在し、それぞれ異なるプロファイルデータを提供するものであってもよい。さらに、ストリーミングサーバex103は、プロファイルの作成を行うものであってもよい。このように、インターネットex101を介して、画像処理装置がプロファイルを取得できる場合、画像処理装置は、あらかじめ画像処理に用いるプロファイルを記憶しておく必要が無く、画像処理装置の記憶容量を削減することも可能となる。また、インターネットex101を介して接続される複数のサーバからプロファイルデータを取得できるため、異なる画像処理を実現することが可能となる。
【0381】
一例として携帯電話について説明する。
図33は、上記実施形態の画像処理装置を備えた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
【0382】
さらに、携帯電話ex115について図34を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202および操作キーex204を備えた本体部の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306および音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。
【0383】
電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話および電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex115は、CPU、ROMおよびRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理およびアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
【0384】
さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キーex204の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0385】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303およびLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0386】
画像符号化部ex312は、カメラ部ex203から供給された画像データを圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0387】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0388】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信信号を変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0389】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データの符号化ビットストリームと音声データの符号化ビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0390】
次に、画像復号化部ex309は、画像データの符号化ビットストリームを復号することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
【0391】
以上の構成において、画像復号化部ex309は、上記実施形態の画像処理装置を備えていてもよい。
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図35に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施形態で説明した画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報の符号化ビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置により符号化ビットストリームを復号化してこれを再生する。ここで、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置が上記実施形態で説明した画像処理装置を備えていてもよい。また、上記実施形態の画像処理方法を用いるものであってもよい。さらに、画像処理プログラムを備えていてもよい。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録した符号化ビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施形態で説明した画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に上記実施形態で説明した画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に上記実施形態で説明した画像処理装置を組み込んでもよい。また、アンテナex411を有する車ex412で衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
【0392】
更に、画像信号を符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。レコーダex420が上記実施形態の画像処理を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を画像処理し、モニタex408に表示することができる。
【0393】
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図34に示す構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
【0394】
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
このように、上記実施形態で説明した画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、上記実施形態で説明した効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0395】
本発明は、ルックアップテーブルを記憶するための記憶容量を削減しつつ、様々な色処理に対して処理度合いを任意に調整可能な画像処理装置を提供することが求められる画像処理装置、特に、画像信号の色処理を行う画像処理装置などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0396】
【図1】画像処理装置10の基本構成を説明するブロック図(第1実施形態)
【図2】画像処理装置10の具体的構成を説明するブロック図(第1実施形態)
【図3】色変換プロファイル作成方法について説明するフローチャート(第1実施形態)
【図4】画像処理装置26の具体的構成を説明するブロック図(第2実施形態)
【図5】画像処理装置45の具体的構成を説明するブロック図(第3実施形態)
【図6】画像処理装置60の具体的構成を説明するブロック図(第4実施形態)
【図7】画像処理装置75の具体的構成を説明するブロック図(第5実施形態)
【図8】表示装置720の構成を説明するブロック図(第6実施形態)
【図9】表示用画像処理装置723の構成を説明するブロック図(第6実施形態)
【図10】環境情報とプロファイルとの関係を説明する説明図(第6実施形態)
【図11】ダイナミックレンジ圧縮関数F4について説明するグラフ(第6実施形態)
【図12】表示用画像処理装置755の構成を説明するブロック図(第6実施形態)
【図13】表示用画像処理装置759の構成を説明するブロック図(第6実施形態)
【図14】コンテンツ情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図15】シーン属性情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図16】撮影属性情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図17】放送属性情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図18】記録属性情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図19】プロファイル属性情報を含む入力信号d110のフォーマット(第6実施形態)
【図20】表示用画像処理装置765の構成を説明するブロック図(第6実施形態)
【図21】撮影装置820の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図22】撮影用画像処理装置832の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図23】環境情報とプロファイルとの関係を説明する説明図(第7実施形態)
【図24】撮影用画像処理装置875の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図25】撮影用画像処理装置870の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図26】撮影用画像処理装置870の動作を説明する説明図(第7実施形態)
【図27】撮影用画像処理装置884の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図28】撮影用画像処理装置890の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図29】推奨プロファイル情報d140を含む出力画像信号d361のフォーマット(第7実施形態)
【図30】撮影用画像処理装置896の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図31】撮影用画像処理装置905の構成を説明するブロック図(第7実施形態)
【図32】コンテンツ供給システムの全体構成について説明するブロック図(第9実施形態)
【図33】本発明の画像処理装置を搭載する携帯電話の例(第9実施形態)
【図34】携帯電話の構成について説明するブロック図(第9実施形態)
【図35】ディジタル放送用システムの例(第9実施形態)
【符号の説明】
【0397】
10 画像処理装置
12 基本プロファイル群記憶部
13 色処理部
14 制御部
15 プロファイル作成部
16 色処理実行部
20 プロファイル作成実行部
21 プロファイルRAM
d1 入力信号
d2 画像信号
d3 出力信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、
所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する色変換ルックアップテーブル作成部と、
作成された前記新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記画像信号の色処理を実行する色処理実行部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記色変換ルックアップテーブル作成部は、前記所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルの合成度合いに基づいて前記新たな色変換ルックアップテーブルを作成する作成実行部と、前記作成実行部が作成した前記新たな色変換ルックアップテーブルを記憶するルックアップテーブル記憶部とを有しており、
前記色処理実行部は、前記ルックアップテーブル記憶部に記憶された前記新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記画像信号の色処理を実行する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の基本色変換ルックアップテーブルは、前記所定の色処理についてデフォルトの処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルと、前記デフォルトの処理度合いを高めた、あるいは低めた処理度合いを実現する基本色変換ルックアップテーブルとを含んでいる、
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記基本色変換ルックアップテーブルのそれぞれは、複数の異なる色処理を組み合わせて実現する色変換ルックアップテーブルである、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記色変換ルックアップテーブル作成部は、色処理毎に作成される複数の色変換ルックアップテーブルであって、それぞれの色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて作成される前記複数の色変換ルックアップテーブルを合成することにより新たな色変換ルックアップテーブルを作成する、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像信号の色処理を行う画像処理方法であって、
所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する色変換ルックアップテーブル作成ステップと、
作成された前記新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記画像信号の色処理を実行する色処理実行ステップと、
を備える画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータにより画像信号の色処理を行うための画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、
所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する色変換ルックアップテーブル作成ステップと、
作成された前記新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記画像信号の色処理を実行する色処理実行ステップと、
を備える画像処理方法をコンピュータに行わせるものである、
画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を含む集積回路。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置から出力される色処理された前記画像信号の表示を行う表示手段と、
を備える表示装置。
【請求項10】
画像の撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を前記画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、
を備える撮影装置。
【請求項11】
通信あるいは放送された画像データを受信するデータ受信手段と、
受信された前記画像データを前記画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により色処理された前記画像信号の表示を行う表示手段と、
を備える携帯情報端末。
【請求項12】
画像の撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を前記画像信号として色処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記色処理された前記画像信号を送信するデータ送信手段と、
を備える携帯情報端末。
【請求項13】
入力された画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、
異なる色処理を行うための複数のプロファイルに基づいて、色処理に用いられるプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
前記プロファイル作成手段により作成された前記プロファイルを用いて、前記色処理を行う画像処理実行手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項14】
入力された画像信号の色処理を行う画像処理装置であって、
前記色処理に用いられるプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力するプロファイル情報出力手段と、
前記プロファイル情報出力手段から出力された情報に基づいて特定されるプロファイルを用いて前記色処理を行う画像処理実行手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項15】
前記プロファイル情報出力手段は、前記色処理された画像信号を表示する表示環境に応じて、前記プロファイル情報を出力する、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記プロファイル情報出力手段は、前記画像信号に含まれる情報のうちプロファイルに関わる情報に応じて、前記プロファイル情報を出力する、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記プロファイル情報出力手段は、取得された前記色処理の特徴に関わる情報に応じて、前記プロファイル情報を出力する、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記プロファイル情報出力手段は、前記画像信号が生成された環境に関わる情報に応じて、前記プロファイル情報を出力する、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記画像信号は、画像データと、前記画像信号の属性情報とを含んでおり、
前記プロファイル情報出力手段は、前記属性情報に応じて、前記プロファイル情報を出力する、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記属性情報とは、前記画像データの全体に関わる全体属性情報を含んでいる、
請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記属性情報とは、前記画像データの一部に関わる部分属性情報を含んでいる、
請求項19または20に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記属性情報とは、前記画像信号が生成された環境に関わる生成環境属性情報を含んでいる、
請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記属性情報とは、前記画像信号が取得された媒体に関わる媒体属性情報を含んでいる、
請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項24】
請求項13〜23のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記プロファイルは、2次元LUTであって、
前記画像処理実行手段は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を含む、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項25】
入力された画像信号に色処理を行う画像処理実行手段と、
入力された画像信号に好適な色処理を行うプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力するプロファイル情報出力手段と、
前記画像信号あるいは前記画像処理実行手段により色処理された前記画像信号に対して、前記プロファイル情報を付加して出力するプロファイル情報付加手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項26】
請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置を含む集積回路。
【請求項27】
請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により色処理された前記画像信号の表示を行う表示手段と、
を備える表示装置。
【請求項28】
画像の撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を前記画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、
を備える撮影装置。
【請求項29】
通信あるいは放送された画像データを受信するデータ受信手段と、
受信された前記画像データを前記画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により色処理された前記画像信号の表示を行う表示手段と、
を備える携帯情報端末。
【請求項30】
画像の撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を前記画像信号として色処理を行う請求項13〜25のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記色処理された前記画像信号を送信するデータ送信手段と、
を備える携帯情報端末。
【請求項31】
画像信号の色処理を行う半導体装置であって、
所定の色処理について異なる処理度合いを実現する複数の基本色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記所定の色処理について所定の処理度合いを実現する新たな色変換ルックアップテーブルを作成する色変換ルックアップテーブル作成部と、
作成された前記新たな色変換ルックアップテーブルに基づいて、前記画像信号の色処理を実行する色処理実行部と、
を備える半導体装置。
【請求項32】
入力された画像信号の色処理を行う半導体装置であって、
異なる色処理を行うための複数のプロファイルに基づいて、色処理に用いられるプロファイルを作成するプロファイル作成部と、
前記プロファイル作成部により作成された前記プロファイルを用いて、前記色処理を行う画像処理実行部と、
を備える半導体装置。
【請求項33】
入力された画像信号の色処理を行う半導体装置であって、
前記色処理に用いられるプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力するプロファイル情報出力部と、
前記プロファイル情報出力部から出力された情報に基づいて特定されるプロファイルを用いて前記色処理を行う画像処理実行部と、
を備える半導体装置。
【請求項34】
入力された画像信号に色処理を行う画像処理実行部と、
入力された画像信号に好適な色処理を行うプロファイルを特定するためのプロファイル情報を出力するプロファイル情報出力部と、
前記画像信号あるいは前記画像処理実行部により色処理された前記画像信号に対して、前記プロファイル情報を付加して出力するプロファイル情報付加部と、
を備える半導体装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−42294(P2006−42294A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264006(P2004−264006)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】