説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】画像内の目標位置における画素の画素値を取得することができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、入力画像に対し、所定の画像処理を行う画像フィルタ1と、画像フィルタ1により処理された処理画像における目標位置を対象画素により検索する際の検索開始乃至検索終了までの間の所望のタイミングで、対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、対象画素の画素値を変更する画素値変更部2と、画素値が変更された対象画素により、当該対象画素の処理画像内での目標位置を検索する座標検索部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査や試験などに使用することができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理には、シャープ、ぼかし、エンボス、ソラリゼーション、輪郭強調、又は輪郭検出などを目的としたフィルタリング処理がある。このようなフィルタリング処理を施した場合、画像処理を施す前後の画像を比較し、画像処理が正常に行われたか否かを試験する場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、プリンタ・複写機等の画像出力装置の試験過程において、開発中の画像出力装置が生成した試験対象となる画像データと既成の画像出力装置が生成した基準となる画像データとの画像比較を行うための装置が開示されている。
【0004】
この特許文献1に記載の画像データ比較装置では、画像出力装置が生成した試験対象となる被試験画像データと既成の画像出力装置が生成した基準となる基準画像データの画素値で画像比較する。基準画像データと被試験画像データを入力し、この二つの画像データの画素値を1ドットずつ比較し、相違ドットの位置を検出する。画像データの比較においては、基準画像データと被試験画像データの相違ドット周辺の座標を検出し、表示部で相違ドットの周辺を色付け表示させると共に、その相違ドットからの距離に応じて色を変えて表示させる。こうして、基準画像と被試験画像との相違を数値として表示または出力するのではなく、可視化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4215459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像処理装置における不良解析を行う場合、表示画像の指定座標の画素値をレジスタへ格納してCPU(Central Processing Unit)が当該画素値を読み出し、処理前のデータと比較する等する必要がある場合がある。ただし、単に座標を指定して画素値を読み出すと、当該指定座標が画面内のどの位置の画素の画素値を検出しているかがユーザにはわからない。したがって、表示画像内における目標位置の画素値を読みだす際に、当該目標位置をユーザが視認できる必要がある。
【0007】
特に、デジタルTVやBD(Blu-ray Disc)プレーヤ等の画像を扱う分野において多ビット化や画像処理の高度化に伴い、画像処理後の画素値の観測の必要性が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、前記対象画素の画素値を変更する画素値変更部と、前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有するものである。
【0009】
本発明においては、対象画素の画素値を変更することで、画像内での対象画素の画素位置を視認することができ、目標位置を目で見て検索することができる。
【0010】
本発明に係る他の画像処理装置は、対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つの画素である注目画素の画素値を変更する画素値変更部と、前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有するものである。
【0011】
本発明においては、対象画素に隣接する注目画素の画素値を変更するので、その画素値が変更された注目画素を視認することができる。これにより、画像内での目的の位置を目視により検索することができる。
【0012】
本発明に係る画像処理方法は、対象画素の画素値を読み出し、前記対象画素の画素値を変更し、前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定し、対象画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得するものである。
【0013】
本発明に係る他の画像処理方法は、対象画素の画素値を読み出し、前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つの画素である注目画素の画素値を変更し、前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定し、注目画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得するものである。
【0014】
また、本発明に係るプログラムは、上述した画像処理をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像内の目標位置における画素の画素値を取得することができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる画像処理装置を示す図である。
【図2】画素値の変更方法の一例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる画像処理装置のより詳細を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態2における対象画素及び注目画素を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる画像処理装置の詳細を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態3における対象画素及び注目画素を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる画像処理装置の詳細を示す回路図である。
【図8】本発明の実施の形態4における対象画素及び注目画素を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4にかかる画像処理装置の詳細を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、TV、STB(Set-top box)、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ/レコーダ、又はBDプレーヤ/レコーダなどの画像表示機器に搭載される画質調整回路に適用したものである。
【0018】
上述したように、ある製品の例えば低電圧不良問題を解析する際に、画素値観測機能が必要となる場合がある。ここでいう画像観測機能とは、表示画像の指定座標の画素値をレジスタへ格納し、CPUにより読み出し、解析等することができる機能を指す。この場合、どの座標の画素値を検出しているかを視認するため、マーカー機能(指定座標に指定幅のマーカーを表示する)をON/OFFしながら座標を決める方法がある。しかしながら、マーカー機能を実現するためには回路規模が大きくなるという問題点がある。
【0019】
そこで、本願発明者等は鋭意実験研究した結果、簡便に、画像(画面)内の目標位置における画素の画素値を取得することができる画像処理装置を見い出した。すなわち、画像内の目標位置を視認するため、画素値を読みだす画素又はそれに隣接する画素の色を変更する。このことにより、画素値を取得したい画素の画像上の位置が視認することができ、また画像処理結果の確認が迅速に行うことができる。
【0020】
本発明の実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像処理装置を示す図である。画像処理装置は、
画像内の目標位置における画素(以下、対象画素という。)の画素値を取得するものである。この画像処理装置は、入力画像に対して所定の画像処理を行う画像フィルタ1、出力画像の所望の位置の画素の画素値を変更する画素値変更部2、CPU3、CPUバス4及び画素値取得部5を有する。画素値取得部5は、画像フィルタ1により処理された処理画像(出力画像)における目標位置を対象画素により検索する際の検索開始乃至検索終了までの間の所望のタイミングで、対象画素の画素値を取得する、画素値読出部としての画素値レジスタを有する。さらに、画素値取得部5は、CPU3及びCPUバス4と協働し、画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部を構成する。座標指定部で対象画素の座標を変更することで、当該対象画素の出力画像内での目標位置を検索することができる。
【0021】
画像フィルタ1は、例えばシャープ、ぼかし、エンボス、ソラリゼーション、輪郭強調、又は輪郭検出などを目的とした処理である。これらの画像処理は、画面一律に同じ処理を施すのではなく、特定の領域を抽出し、特定の処理を施す場合があり、そのような特定領域における画素値を取得し、例えば処理前後の値を比較、解析するなど試験する場合がある。このような場合に、本実施の形態にかかる画像処理装置においては、画素値を取得する対象画素の画素値を変更する、すなわち、対象画素の色を変更するため、対象画素を視認しながら目標位置を検索することができる。すなわち、本画像処理装置により、画面内における所望の位置の画素の画素値を取得することができ、例えば、処理前後における画素値を比較することで、画像処理が適切に行われたか否か等を試験することができる。
【0022】
図2は、画素値の変更方法の一例を説明する図である。例えば、1画素が、赤色を構成する10ビットのデータ、緑色を構成する10ビットのデータ及び青色を構成する10ビットのデータからなる場合について説明する。
【0023】
出力画像をラスタスキャンで表示する場合、画像フィルタ1からは、走査線に対応する一列ごとのピクセル(画素)の値が出力され表示される。ラスタスキャンでは、図2に示すように、各走査線の最後の位置にきたとき、次の走査線に移る(垂直走査)。このような処理を繰り返して一枚の画像が転送、表示されるが、画素値取得部5は、画像フィルタ1から出力されるこれらのデータを所望のタイミングでレジスタに格納する。一方で、出力の前段には画素値変更部2が設けられており、例えば出力画像の画素値の最上位ビットMSB(Most Significant Bit)を反転するなどして対象画素の画素値を変更する。
【0024】
以下、本実施の形態にかかる画像処理装置について更に詳細に説明する。図3は、出力画像をラスタスキャンで表示する場合の画像処理装置のより詳細を示す回路図である。図3に示すように、画素値変更部2は、画素値のMSBを反転するためのインバータ22と、反転又は非反転のMSBを選択的に出力するセレクタ21とを有する。フィルタ処理された画像データのうち、MSB以外はそのまま出力される。MSBは、そのままのデータと、インバータ22で反転されたデータとがセレクタ21に入力され、画素値を変更する場合にのみ、セレクタ21にて反転データが選択して出力される。例えば、10ビットの信号のMSBを置き代える場合、その値が511であれば、MSBを反転することによりその値が1023になる。
【0025】
このセレクタ21の制御信号は、画素値取得部5から出力される。画素値取得部5は、画素値レジスタ51、Hカウンタ52、Vカウンタ53、X座標設定部54、Y座標設定部55、一致検出部56、57、及びAND回路58を有する。
【0026】
画素値レジスタ51は、画像フィルタ1の出力信号を受け、AND回路58からの出力に基づき、所望の画素値を格納する。すなわち、画素値レジスタ51は、AND回路58の出力がアクティブになるタイミングで画素値を取り込む。
【0027】
Hカウンタ52は、画像データの水平方向の画素値をカウントするもので、検索中の表示画像の横方向の位置を示す。Vカウンタ53は、画像データの垂直方向の画素値をカウントするもので、表示画像の縦方向の位置を示す。Hカウンタは、HSYNC(水平同期信号、Horizontal Synchronizing signal)により、クリアされる。Vカウンタ53は、VSYNC(Vertical Synchronizing signal、垂直同期信号)により、クリアされる。
【0028】
X座標設定部54、Y座標設定部55は、CPU3からCPUバス4を介して、それぞれX座標、Y座標が設定される。一致検出部56は、Hカウンタ52のカウント値がX座標設定部54の設定値と一致すると一致信号をAND回路58に出力する。一致検出部57は、Vカウンタ53のカウント値がY座標設定部55の設定値と一致すると一致信号をAND回路58に出力する。
【0029】
AND回路58は、一致検出部56、57からの出力が共にHigh(一致信号を出力)のとき、出力をアクティブ(High)にする。これにより、画素値レジスタ51は、画素値を取り込むと共に、セレクタ21は、反転出力を選択する。すなわち、画素値を画素値レジスタ51に取り込んだ後、当該画素値を変更する。
【0030】
これにより、画面上には、CPUにより設定された所望の位置の画素の色が変更されて表示される。ユーザは、この表示を見て、画素値を取得した画素が所望の位置にあるか否かを視認することができる。例えば、画面上で特定の領域にある画像処理を施した場合に、当該特定の領域のある画素の画素値を取得したい場合がある。そのような場合には、例えば、先ず、適当に対象画素のX座標、Y座標を設定し、色を変更する。そこで、対象画素の位置が、取得したい特定領域からずれている場合は、その特定領域に対象画素が位置するよう、X座標、Y座標を変更し、再び対象画素の色を変更して位置を確かめる。こうして、対象画素の色を変更することで対象画素が視認することができるため、当該対象画素を使用して、対象画素を所望の位置に移動することができる。これにより、目的の位置の画素値を取得することができる。なお、目的の位置の座標データを取得したい場合は、対象画素が目的の位置に位置したときのX座標設定部54、Y座標設定部55の設定値を読み出せばよい。これにより、画面内の目標位置における座標データを取得することも可能である。
【0031】
また、本実施の形態においては、画素値の最上位ビットMSBを反転することで、対象画素の色を変更したが、色を変更する(画素値を変更する)方法は、これに限らない。例えば、画素値の全ビットを反転する方法がある。10ビットの画素値である場合、その信号が255であれば、全ビット反転することにより768となる。
【0032】
また、画素値に所定の値を加算してもよい。例えば画素値が256の場合、加算値が256であると、加算後の画素値は512となる。なお、加算値は、例えばユーザの指示等によりCPU3にて設定、変更すればよい。また、所定の値を減算するようにしてもよい。
【0033】
さらに、画素値を右又は左にシフトしてもよい。例えば、右へ1ビットシフトすると、画素値は1/2倍になり、右へ2ビットシフトすると画素値は1/4倍となる。また、左へ1ビットシフトすると、画素値は2倍になり、左に2ビットシフトすれば、画素値は4倍になる。
【0034】
さらに、画素値をある値に置き換えることも可能である。この場合は、ユーザの指示等により、CPU3にて画素値を設定、変更すればよい。
【0035】
本発明の実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上述の実施の形態においては、画素値を取得する対象画素の色を変更したが、本実施の形態においては、対象画素の右隣りの画素の色を変更する。図4は、対象画素及び注目画素を示す図である。画素値を読み込む画素である対象画素80の周囲8近傍の隣接画素81のうち、右隣りの画素を注目画素82とする。本実施の形態においては、この注目画素82の画素値を変更する。
【0036】
図5は、本実施の形態にかかる画像処理装置を示す図である。ここでは、出力画像をラスタスキャンで表示する場合について説明する。なお、図5に示す本実施の形態、並びに図7及び図9に示す他の実施の形態において、図3に示す実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
ラスタスキャンであるため、X座標、Y座標で指定された対象画素の右に隣接する隣接画素(注目画素82)は、対象画素の画素値を画素値レジスタ51に取り込んだ1クロック後に出力される。このため、画素値レジスタ51に画素値を取り込むよう指示するAND回路58の出力を、1クロック遅延し、その遅延信号を、セレクタ21の選択信号とすればよい。よって、本実施の形態にかかる画像処理装置では、AND回路58の出力を1クロック遅延するためのフリップフロップ(DFF)59が、AND回路58とセレクタ21との間に設けられている。このDFF59により、画素値を画素値レジスタ51に取り込ませる信号を1クロック遅らせ、この遅延信号に応じて、画素値のMSBを反転する。
【0038】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を奏する。すなわち、ユーザが適当な座標を設定すると、その画素値を取り込むと共に、その右隣りの注目画素の色が変更される。このため、ユーザは、画素値を取り込んだ対象画素が画面上でどの位置に位置するかを視認することができる。よって、色が変更される注目画素を使用して、画面上の目的の位置の画素値を対象画素の画素値として抽出することができる。
【0039】
本発明の実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上述の実施の形態2においては、画素値を取得する対象画素の右隣りの画素の色を変更したが、本実施の形態においては、対象画素の右隣り及び左隣りの画素の色を変更する。図6は、対象画素及び注目画素を示す図である。画素値を読み込む画素である対象画素80の周囲8近傍の隣接画素81のうち、右隣りの画素(82)及び左隣りの画素(83)を注目画素とする。本実施の形態においては、この注目画素82、83の画素値を変更する。
【0040】
図7は、本実施の形態にかかる画像処理装置を示す図である。ラスタスキャンであるため、画素値の取り込みを指示する信号の前後の信号を色反転を指示する信号として使用する。そのため、AND回路58の出力を1クロック遅延させるDFF58と、このDFF58の信号を更に1クロック遅延させるDFF60を追加する。さらに、AND回路58の出力及びDFF60の出力の論理和を出力するOR回路61を設け、この出力をセレクタ21への制御信号とする。
【0041】
これにより、AND回路58の出力により、注目画素83の画素値が変更され、DFF59の出力により、対象画素80の画素値が画素値レジスタ51に取り込まれ、更に、DFF60の出力により、注目画素82の画素値が変更される。
【0042】
本実施の形態においては、対象画素80の左右の画素の色が変更されるので、更に注目画素を視認しやすくなり、対象画素の画素位置をより早く確認することができる。
【0043】
本発明の実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。上述の実施の形態3においては、画素値を取得する対象画素の左右に隣接する画素の色を変更したが、本実施の形態においては、対象画素の上下左右に隣接する4つの隣接画素の色を変更する。図8は、対象画素及び注目画素を示す図である。画素値を読み込む画素である対象画素80の周囲8近傍の隣接画素81のうち、右隣りの画素(82)、左隣りの画素(83)、上側に隣接する画素(84)及び下側に隣接する画素(85)を注目画素とする。本実施の形態においては、この注目画素82乃至85の画素値を変更する。
【0044】
図9は、本実施の形態にかかる画像処理装置を示す図である。本実施の形態においては、X座標設定部54、Y座標設定部55により指定された対象画素80の画素値を画素値レジスタ51へ取り込んだ後に、当該対象画素80の上下左右の画素の色を変更する。本実施の形態においては、画素値を画素値レジスタ51に取り込む信号(AND回路58の出力)を画素の色を変更する信号(セレクタ21の制御信号)に使用しない。その代わり、本実施の形態にかかる画像処理装置は、座標設定部54、Y座標設定部55により指定される対象画素80の上下左右の座標を予め算出し、その値とHカウンタ52及びVカウンタ53のカウント値と比較することで、注目画素の画素値のMSBを反転する。更に、画像処理装置は、一致検出回路66、67、68、69、及びX座標設定部54の設定値をインクリメントする加算器70、デクリメントする減算器71、Y座標設定部55の設定値をインクリメントする加算器72、デクリメントする減算器73を有している。また、一致検出回路66、67の論理和を出力するOR回路64、一致検出回路68、69の論理和を出力するOR回路65、OR回路64、65の論理積を出力するAND回路63を有する。
【0045】
本実施の形態においては、対象画素80の上下左右の画素の色が変更されるので、更に注目画素を視認しやすくなり、対象画素の画素位置をより早く確認することができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0047】
例えば、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
【0048】
また、上述の実施の形態2乃至4の実施の形態においては、対象画素80に隣接する8近傍の隣接画素81のうちの一部の画素を注目画素として画素値を変更したが、全ての隣接画素の画素値を変更してもよい。また、隣接画素のみならず、対象画素の周囲の画素であって、対象画素を特定することができる位置の画素値を変更するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 画像フィルタ
2 画素値変更部
3 CPU
4 CPUバス
5 画素値取得部
21 セレクタ
22 インバータ
51 画素値レジスタ
52 Hカウンタ
53 Vカウンタ
54 座標設定部
55 座標設定部
56、57、66−69 一致検出部
58、63 AND回路
61、64、65 OR回路
70、72 加算器
71、73 減算器
80 対象画素
81 隣接画素
82−85 注目画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、
前記対象画素の画素値を変更する画素値変更部と、
前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有する画像処理装置。
【請求項2】
対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、
前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つの画素である注目画素の画素値を変更する画素値変更部と、
前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有する画像処理装置。
【請求項3】
前記画素値変更部は、前記対象画素又は前記注目画素の
画素値の最上位ビットを反転する、
画素値の全ビットを反転する、
画素値に所定の値を加減算する、
画素値を右又は左に所定ビットシフトする、又は
画素値を所定の値に置き換える
ことにより、前記対象画素又は前記注目画素の画素値を変更する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
入力画像に対し、所定の画像処理を行う画像フィルタと、
前記画像フィルタにより処理された処理画像における目標位置を対象画素により検索する際の検索開始乃至検索終了までの間の所望のタイミングで、前記対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、
前記対象画素の画素値を変更する画素値変更部と、
前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有する画像処理装置。
【請求項5】
入力画像に対し、所定の画像処理を行う画像フィルタと、
前記画像フィルタにより処理された処理画像における目標位置を注目画素により検索する際の検索開始乃至検索終了までの間の所望のタイミングで、対象画素の画素値を読み出す画素値読出部と、
前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つ画素である前記注目画素の画素値を変更する画素値変更部と、
前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定する座標指定部と、を有する画像処理装置。
【請求項6】
前記座標指定部は、
X座標をカウントする水平カウンタと、
Y座標をカウントする垂直カウンタと、
X座標値が設定されるX座標値格納部と、
Y座標値が設定されるY座標値格納部と、を有し、
前記画素値読出部は、前記水平カウンタ及び垂直カウンタのカウント値が、それぞれ前記X座標値格納部及びY座標値格納部に設定されたX座標値及びY座標値に一致したタイミングで、前記対象画素の画素値を読み出す
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項7】
対象画素の画素値を読み出し、
前記対象画素の画素値を変更し、
前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定し、対象画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得する、画像処理方法。
【請求項8】
対象画素の画素値を読み出し、
前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つの画素である注目画素の画素値を変更し、
前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定し、注目画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得する、画像処理方法。
【請求項9】
画像内の目標位置における画素の画素値を取得する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
対象画素の画素値を読み出し、
前記対象画素の画素値を変更し、
前記画素値が変更された対象画素の画像内での位置を指定し、対象画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得する、プログラム。
【請求項10】
画像内の目標位置における画素の画素値を取得する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
対象画素の画素値を読み出し、
前記対象画素に隣接する隣接画素のうち少なくとも1つの画素である注目画素の画素値を変更し、
前記画素値が変更された注目画素を隣接画素とする対象画素の画像内での位置を指定し、注目画素の画像内での位置を確認することで、目標位置における対象画素の前記画素値を取得する、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−40966(P2011−40966A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186059(P2009−186059)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】