説明

画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】原稿には存在しないスジ画像を精度よく検出できるようにする。
【解決手段】スジ検知処理部129は、原稿の読取画像データに設定された判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、エッジ画素について、立ち上りエッジ画素か立ち下りエッジ画素かを判定する隣接画素濃度差算出部202および立ち上り/立ち下りエッジ検出部203と、判定領域の各画素を注目画素とし、注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、注目画素がエッジ画素である第1の条件、ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、およびブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、注目画素をスジ画素と判定するスジ画素判定部204とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の読取画像データにおけるスジ画像を検知する画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコピー機やファクシミリ装置は、原稿画像の読取の際に、シートスルータイプの自動原稿送り装置(ADF: Automatic Document Feeder)によって原稿を移動させる一方、固定された光学系にて原稿画像を読み取る画像読取装置を備えている。このような画像読取装置では、ADFの給紙部に配置された原稿が順次自動的にコンタクトガラス上に搬送されるので、ユーザーが一枚一枚原稿をコンタクトガラス上において載せ替えるといった煩わしさを解消することができる。また、読み取り光学系が副走査方向に往復運動しないので、多数枚の原稿を読み取る場合であっても、全ての原稿を読み取るまでの時間が短縮されるという利点がある。
【0003】
しかしながら、ADFを利用した上記画像読取装置では、光路上に塵や埃が存在すると、原稿に照射される光が遮られるので、読取画像に縦スジが発生するという問題がある。この場合には、印刷された画像にも原稿にはないスジが現れることになる。
【0004】
このような問題を解決するためのものとして、例えば特許文献1には、読取画像におけるスジ画像を検知する構成が開示されている。具体的には、画像読取部が互いに異なる色に対して反応のピークを有するCCDを備え、この画像読取部が読み取った画像の各々について、スジ画像検知部がスジピーク画素を抽出する。さらに、1つのCCDのみでスジピーク画素と判定された画素をスジ画像候補とし、それが副走査線方向に所定の数以上続いたものをスジ画像として検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−028684号公報(2008年02月07日公開)
【特許文献2】特開2004−289496号公報(2004年10月14日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載の技術では、1つのCCDのみでスジピーク画素と判定された画素をスジ画像候補としているため、互いに異なる色に対して反応のピークを有する3つのラインCCDのうち、複数のラインCCDにおいて複数の色に反応のピークが発生した場合には、スジ画像を検出できないという問題がある。
【0007】
一方、スジ画像は、CCDに至る光路上のゴミが原因となって発生するだけではなく、ADFの使用時に原稿のインクやトナー、あるいは汚れなどがコンタクトガラス上に付着することが原因となることも多い。そして、後者がスジ画像の原因となる場合には、各CCDにおいて反応のピークが発生するため、スジ画素候補すなわちスジ画像を検出できないという問題もある。
【0008】
したがって、本発明は、例えば原稿を移動させながら画像を読み取る画像読取装置(ADFを利用した画像読取装置)の使用時における塵や埃の存在により、原稿の読取画像データにおける、原稿には存在しないスジ画像の発生を精度よく検知することができる画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、原稿から読み取られた読取画像データについて、スジ画像を含む読取画像データを検知するスジ検知処理部を備えた画像処理装置において、前記スジ検知処理部は、原稿から読み取られた読取画像データに設定された判定領域について、この判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、かつ検出したエッジ画素について、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって高くなる立ち上りエッジ画素か、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって低くなる立ち下りエッジ画素かを判定するエッジ画素検出部と、前記判定領域の各画素を注目画素とし、その注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、前記注目画素がエッジ画素である第1の条件、前記ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、および前記ブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、前記注目画素をスジ画素と判定するスジ画素判定部とを備えていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の画像処理方法は、原稿から読み取られた読取画像データについて、スジ画像を含む読取画像データを検知するスジ検知処理を行う画像処理方法において、前記スジ検知処理は、原稿から読み取られた読取画像データに設定された判定領域について、この判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、かつ検出したエッジ画素について、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって高くなる立ち上りエッジ画素か、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって低くなる立ち下りエッジ画素かを判定するエッジ画素検出工程と、前記判定領域の各画素を注目画素とし、その注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、前記注目画素がエッジ画素である第1の条件、前記ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、および前記ブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、前記注目画素をスジ画素と判定するスジ画素判定工程とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、スジ検知処理部は(スジ検知処理工程では)、原稿から読み取られた読取画像データについて、スジ画像を含む読取画像データを検知する。この場合に、エッジ画素検出部は(エッジ画素検出工程では)、原稿から読み取られた読取画像データに設定された判定領域について、この判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、かつ検出したエッジ画素について、画素の濃度が主走査方向に向かって高くなる立ち上りエッジ画素か、画素の濃度が主走査方向に向かって低くなる立ち下りエッジ画素かを判定する。スジ画素判定部は(スジ画素判定工程では)、前記判定領域の各画素を注目画素とし、その注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、前記注目画素がエッジ画素である第1の条件、前記ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、および前記ブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、前記注目画素をスジ画素と判定する。
【0012】
上記のように、スジ画素判定部は(スジ画素判定工程では)、第1から第3の条件が全て満たされる場合に注目画素をスジ画素と判定するので、スジ画素の判定を高精度に行うことができる。すなわち、第1から第3の条件が全て満たされる場合、主走査方向には濃度差のあるエッジの組合せが1組ずつ存在し、副走査方向には濃度差が存在するエッジが存在しないことになり、副走査方向に1本の縦スジが存在すると判定することができる。したがって、例えば原稿を移動させながら画像を読み取る画像読取装置(ADFを利用した画像読取装置)の使用時における塵や埃の存在により、原稿の読取画像データにおける、原稿には存在しないスジ画像の発生を精度よく検出することができる。また、この場合、スジ画像の検知のために特別な作業を行う必要がなく、通常の読取画像データから精度よくスジ画像を検知することができる。
【0013】
上記の画像処理装置において、前記スジ検知処理部は、前記読取画像データにおける原稿の読取先端側あるいは読取後端側の領域を前記判定領域として設定する判定領域抽出部と、前記エッジ画素検出部にて検出された、前記判定領域に含まれるエッジ画素の数を計数するエッジ画素数計数部と、前記判定領域を無地領域か否か判定するためのエッジ画素数を設定した無地領域判定閾値と前記エッジ画素数計数部にて計数されたエッジ画素数とを比較し、前記判定領域が無地領域か否かを判定する無地領域判定部と、前記無地領域判定部にて前記判定領域が無地領域と判定された場合に、前記判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定するスジ有無判定部とを備えている構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、判定領域抽出部は、読取画像データにおける原稿の読取先端側あるいは読取後端側の領域を前記判定領域として設定する。エッジ画素数計数部は、エッジ画素検出部にて検出された、判定領域に含まれるエッジ画素の数を計数する。無地領域判定部は、判定領域を無地領域か否か判定するためのエッジ画素数を設定した無地領域判定閾値とエッジ画素数計数部にて計数されたエッジ画素数とを比較し、判定領域が無地領域か否かを判定する。スジ有無判定部は、無地領域判定部にて判定領域が無地領域と判定された場合に、判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定する。
【0015】
上記のように、読取画像データにスジ画像が含まれているか否かを判定する判定領域は、通常において原稿画像が描かれていない、読取画像データにおける原稿の読取先端側あるいは読取後端側の領域が設定されている。さらに、判定領域が無地領域と判定された場合に、判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定している。したがって、スジ画像の有無の判定は、誤判定の生じ難い、最適な領域のみで行われる。これにより、読取画像データにおけるスジ画像の検知精度を向上することができる。
【0016】
上記の画像処理装置において、前記スジ検知処理部は、前記スジ画素判定部にてスジ画素と判定された画素数を計数するスジ画素数計数部を備え、前記スジ有無判定部は、前記判定領域にスジ画像が含まれていると判定するためのスジ画素数を設定したスジ有無判定閾値と前記スジ画素数計数部にて計数されたスジ画素数とを比較し、前記判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定する構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、スジ有無判定部は、判定領域にスジ画像が含まれていると判定するためのスジ画素数を設定したスジ有無判定閾値とスジ画素数計数部にて計数されたスジ画素数とを比較し、判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定する。これにより、読取画像データの判定領域でのスジ画像の有無の検知を高精度にて行うことができる。
【0018】
例えば、判定領域に副走査方向に3画素よりなる縦スジが存在する場合、スジ画素は、通常、各縦スジについて主走査方向において立ち上り画素および立ち下り画素の2画素ずつ検出される。一方、3画素よりなる縦スジのうち、中央の縦スジの画素については、両隣の縦スジの画素との濃度差により、エッジ画素と判定されない場合がある。そこで、スジ有無判定閾値は、スジ画素が主走査方向において立ち上り画素および立ち下り画素の少なくとも2画素存在することを考慮し、判定領域における副走査方向の画素数(主走査方向のライン数)を2倍にした値とする。このスジ有無判定閾値とスジ画素数計数部にて計数されたスジ画素数とを比較し、スジ画素数がスジ有無判定閾値よりも大きい場合に、判定領域にはスジ画像が存在すると判定する。
【0019】
上記のように、スジ有無判定閾値は、判定領域における副走査方向の画素数(主走査方向のライン数)に、判定領域の主走査方向の1ラインにおいて発生が想定されるスジ画素数の最低値を乗じた値に設定されるのが好ましい。
【0020】
上記の画像処理装置は、読取画像データにスジ画像が発生していることを知らせるスジ発生警告を行うスジ発生警告装置と、前記スジ有無判定部により、連続する複数の前記読取画像データについてスジ画像が含まれていると判定された場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせる制御部とを備えている構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、制御部は、スジ有無判定部により、連続する複数の前記読取画像データについてスジ画像が含まれていると判定された場合に、スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせる。
【0022】
これにより、画像処理装置の操作者は、スジ発生警告により、原稿の読取画像データにスジ画像が発生していることを知ることができ、原稿の読取位置において、スジ画像の発生原因となる塵や埃などを除去することができる。また、スジ有無判定部の誤判定や、例えば1回のみスジ画像が検知され、その後にスジ画像が解消された場合など、不要なスジ発生警告を回避することができる。
【0023】
上記の画像処理装置において、前記制御部は、前記スジ有無判定部によりスジ画像が含まれていると判定された読取画像データであるスジ発生原稿データの連続数を計数し、この連続数がスジ発生警告閾値を超えた場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせるものであり、複数の読取画像データの処理を含む第1のジョブにおいてスジ発生原稿データが発生し、かつスジ発生原稿データの連続数が前記スジ発生警告閾値以下である場合に、第1のジョブでのスジ発生原稿データの連続数を保持し、複数の読取画像データの処理を含む第2のジョブにおいて第1のジョブからのスジ発生原稿データの連続数が前記スジ発生警告閾値を超えた場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせる構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、複数の読取画像データの処理を含む第1のジョブにおいてスジ発生原稿データが発生し、かつスジ発生原稿データの連続数が前記スジ発生警告閾値以下である場合に、第1のジョブでのスジ発生原稿データの連続数を保持する。また、複数の読取画像データの処理を含む第2のジョブにおいて第1のジョブからのスジ発生原稿データの連続数がスジ発生警告閾値を超えた場合に、スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせる。
【0025】
したがって、原稿の読取画像データにスジ画像が発生している場合に、迅速にスジ発生警告を行うことができる。
【0026】
本発明の画像読取装置は、上記のいずれかの画像処理装置を備え、原稿を読取位置に搬送しながら原稿の画像を読み取り、前記読取画像データを取得する構成である。
【0027】
原稿を読取位置に搬送しながら原稿の画像を読み取り、読取画像データを取得する画像読取装置では、原稿を読み取る光路上の塵や埃により、読取画像データにスジ画像が発生し易くなっている。このような画像読取装置が上記のいずれかの画像処理装置を備えることにより、読取画像データにおけるスジ画像を精度良く検知できる画像読取装置を提供することができる。
【0028】
上記の画像読取装置は、表面のみに画像が形成されている片面原稿の画像を読み取る際に、原稿の表面および裏面の読み取りを行い、前記画像処理装置は、原稿の裏面の読取画像データについてのスジ画像の検知を行う構成としてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、画像読取装置は、表面のみに画像が形成されている片面原稿の画像を読み取る際に、原稿の表面および裏面の読み取りを行い、画像処理装置は、原稿の裏面の読取画像データについてのスジ画像の検知を行う。
【0030】
これにより、片面原稿の画像を読み取る場合であっても、裏面の読取画像データによりスジ画像の検知を行うことができ、画像読取装置についてスジ画像が発生する状態であるかどうかを把握することができる。
【0031】
本発明の画像形成装置は、上記の画像読取装置を備え、前記画像処理装置にて処理された前記読取画像データに基づいて画像を印刷する構成である。
【0032】
したがって、読取画像データについてスジ画像の検知が行われ、スジ画像を含む画像を印刷する事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明の構成によれば、例えば原稿を移動させながら画像を読み取る画像読取装置(ADFを利用した画像読取装置)の使用時における塵や埃の存在により、原稿の読取画像データにおける、原稿には存在しないスジ画像の発生を精度よく検出することができる。また、この場合、スジ画像の検知のために特別な作業を行う必要がなく、通常の読取画像データから精度よくスジ画像を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示した、自動原稿送り装置を備えた画像読取装置としての画像入力装置の構造を示す縦断面図である。
【図3】図1に示したスジ検知処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したスジ検知処理部におけるスジ検知動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した画像形成装置における、スジ発生原稿データを検出した場合に警告を行う動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の画像形成装置におけるハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【図7】図3に示した判定領域抽出部にて抽出された、読取画像データの判定領域において、副走査方向に1本の縦スジが存在する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置の構成の概略を示すブロック図である。画像形成装置は、図1に示すように、画像入力装置111、画像処理装置112、画像出力装置113、画像表示装置114、送受信部/記憶部115、制御部116および操作部117を有する。
【0036】
画像処理装置112は、画像入力装置111または送受信部/記憶部115から取得する画像データを処理し、画像出力装置113または画像表示装置114に出力する。
【0037】
画像入力装置111は、スキャナとしての機能を有し、原稿上に形成されている画像を光学的に読み取って画像データを生成する。このために、画像入力装置111は、図示しないCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを備え、原稿から反射してきた光を、R,G,B(R:赤、G:緑、B:青)に色分解された電気信号に変換する。画像入力装置111の詳細については後述する。
【0038】
画像出力装置113は、プリンタとしての機能を有し、画像処理装置112が処理した画像データを、紙等の媒体上に印刷する。したがって、画像出力装置113は、例えば電子写真方式プリンタまたはインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する印刷装置となっている。
【0039】
画像表示装置114は、画像形成装置において行う処理(操作)の内容を表示したり、画像処理装置112が処理した画像データの画像、または画像処理装置112が処理する際の中間画像データの画像を表示したりする。したがって、画像表示装置114は、例えば複写機または複合機の操作パネルに設置された液晶ディスプレイ等の画像を表示する装置となっている。
【0040】
送受信部/記憶部115は、ネットワークを介して画像処理装置112に入力され、または画像処理装置112から出力される画像データ、および制御信号を送受信する。また、送受信部/記憶部115は、画像処理装置112が処理する画像データを格納する。送受信部/記憶部115が格納する画像データは、画像入力装置111から入力される画像データ、および送受信部/記憶部115が送受信する画像データである。また、送受信部/記憶部115は、制御部116が制御処理を実行する際のワークメモリとしての機能を有していてもよい。
【0041】
制御部116は、画像処理装置112が実行する各種の画像処理に対する設定、および画像処理装置112が有する各部の制御を行う。また、制御部116は、画像入力装置111および画像出力装置113を制御し、画像表示装置114が表示する画像を生成する。また、制御部116は、送受信部/記憶部115を制御して、画像データの送受信を行わせ、さらに送受信部/記憶部115が備えるHDD等の記録装置に対する画像データの格納および読み出しを行わせる。操作部117は、画像形成装置にて行われるジョブに対しての設定情報を操作者が入力する入力部となっている。操作部117は、液晶ディスプレイよりなる表示部と設定を行うボタンなどを備えている。
【0042】
画像処理装置112は、アナログ・デジタル変換部(以下、「A/D変換部」という。)121、シェーディング補正部122、入力処理部123、領域分離処理部124、色補正部125、黒生成/下色除去部126、空間フィルタ部127、中間調生成部128、スジ検知処理部129および表示制御部130を有する。
【0043】
A/D変換部121は、画像入力装置111が備えるCCDラインセンサから入力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)を、デジタル信号に変換する。シェーディング補正部122は、デジタル信号に含まれている、画像入力装置111の照明系、結像系および撮像系で生じる各種の歪みを取り除く。
【0044】
入力処理部123は、シェーディング補正部122により処理されたRGBデジタル信号に対してγ補正を行う。なお、以下の説明では、RGBデジタル信号による画像をRGB画像と称する。
【0045】
表示制御部130は、画像表示装置114に表示する画面を生成し、画像表示装置114の表示動作を制御する。表示制御部130により表示される情報は、画像処理装置112が実行する処理の状況、および処理に対する設定情報である。また、スジ検知処理部129においてスジなどが検知された場合には、操作者に注意を促す情報なども表示される。
【0046】
色補正部125は、RGB画像をCMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)画像に色空間変換し、さらに、色再現性を高める処理を行う。
【0047】
領域分離処理部124は、RGB画像の各画素が、黒文字、色文字、網点および印画紙写真(連続階調領域)等の複数種類の領域のうちの、何れの領域に属する画素かを判定する。また、領域分離処理部124は、判定した結果を各画素が属する領域の種類を表す領域分離データとして、黒生成/下色除去部126、空間フィルタ部127および中間調生成部128に出力する。領域分離データが入力される各部では、領域の種類に対応した処理が実行される。
【0048】
黒生成/下色除去部126は、3色のトナーにて表現することのできるCMY画像を、4色のトナーにて表現するCMYK(K:黒)画像に変換する。空間フィルタ部127は、CMYK画像に対し、強調処理および平滑処理を行う。中間調生成部128は、CMYK画像を印刷出力するために、階調再現処理を行う。
【0049】
図2は自動原稿送り装置(ADF: Automatic Document Feeder)を備えたスキャナとしての画像入力装置111の構造を示す縦断面図である。図2に示すように、画像入力装置111は、下部筐体1、上部筐体2および排紙トレイ3を備えている。画像入力装置111では、原稿を静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送しながら画像を読み取る走行読取モード、および原稿を搬送しながら原稿における両面の画像を読み取る両面読取モードにて原稿の画像読み取りを行えるようになっている。
【0050】
読取モードの選択は、例えば操作部117において行われ、選択された読取モードは、読取モード信号として伝達として伝達される。なお、原稿セットトレイ22に原稿がセットされた状態(原稿セット検出センサで原稿が検知された状態)で、コピーボタンが押された時は、走行読取モードによって原稿画像を読み取るように設定されている。また、両面読取モードで読み取る際は、操作部117より両面読取モードの設定が行われる。
【0051】
画像入力装置111では、原稿台としての第1コンタクトガラス11に原稿が置かれると、下部筐体1内あるいは第1コンタクトガラス11の近傍に配置された原稿サイズセンサ(例えば、フォトセンサ)によって原稿サイズが検知され、コピーボタンが押されると、静止読取モードにて原稿の読み取りを行う。
【0052】
画像入力装置111は、原稿画像の読み取りを、静止読取モードでは下部筐体1内の第1読取部10によって行う一方、走行読取モードでは上部筐体2内の第2読取部23によって行うようになっている。また、両面読取モードでは、これら第1読取部10および第2読取部23の双方を同時に用いるようになっている。
【0053】
図2に示すように、下部筐体1は、第1読取部10および第1コンタクトガラス11を備え、第1読取部10は、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD(Charge Coupled Device)15および第2コンタクトガラス16を備えている。
【0054】
第1コンタクトガラス11は、静止読取モードで読み取る原稿を載置するための原稿台である。第1走査ユニット12は、第1コンタクトガラス11に沿って左から右に一定速度Vで移動しながら原稿を露光する。このために、第1走査ユニット12は、光源(露光ランプ)50、および原稿の反射光を第2走査ユニット13に導く第1の反射ミラー51を有している。
【0055】
第2走査ユニット13は、第1走査ユニット12に追従してV/2の速度で移動するようになっており、第1反射ミラー51からの光を結像レンズ14およびCCD15に導く第2反射ミラー52および第3反射ミラー53を備えている。
【0056】
結像レンズ14は、第3反射ミラー53からの反射光を、CCD15上で結像させる。CCD15は、結像レンズ14からの光をアナログの電気信号に変換する。なお、この電気信号は、画像処理装置112によってデジタルの画像データに変換される。
【0057】
第1読取部10は、第1コンタクトガラス11上に載置された原稿画像の読み取り、および上部筐体2の部材によって搬送される原稿画像の読み取りを行う。
【0058】
第1走査ユニット12は、第1コンタクトガラス11上の原稿を読み取る際には、図2に示すPos1の位置からPos2の位置の方向に、原稿サイズ検出手段(図示せず)にて検出された原稿サイズに応じて、所定距離だけ移動する。一方、搬送されている原稿を読み取る際には、Pos3の位置に停止している。また、使用されていない待機中には、Pos1の位置とPos3の位置との中間のPos0(図示せず)の位置であるホームポジションに、停止している。
【0059】
第1コンタクトガラス11の前端側位置には、原稿基準板(図示せず)が備えられている。この原稿基準板は、第1コンタクトガラス11に載置する原稿のサイズ・載置方向を示す指標となる。したがって、画像形成装置の操作者は、原稿基準板に従って、第1コンタクトガラス11に原稿を容易に載置できる。
【0060】
第2読取部23は、原稿セットトレイ22に載置された原稿の画像を読み取るものであり、原稿搬送部31、イメージセンサ部32、原稿搬送路33および原稿排出部34を備えている。
【0061】
原稿搬送部31は、原稿セットトレイ22に載置された原稿を取り込み、原稿搬送路33上を搬送させるものである。イメージセンサ部32は、搬送されている原稿の画像を読み取るものである。原稿排出部34は、イメージセンサ部32によって画像を読み取られた後の原稿を、排紙トレイ3に排出するものである。
【0062】
原稿搬送部31は、給送補助ローラ61、原稿セット検出センサ62、原稿抑え板63、摩擦パッド64、給送タイミングセンサ65、給送ローラ66および整合ローラ対67を備えている。
【0063】
給送補助ローラ61および原稿抑え板63は、原稿セット検出センサ62に検知された原稿を、第2読取部23内部に引き入れるものである。摩擦パッド64、給送ローラ66および整合ローラ対67は、給送タイミングセンサ65の検知結果に基づいて、引き込まれた原稿を1枚毎にイメージセンサ部32に導くものである。
【0064】
なお、整合ローラ対67は、その駆動軸に電磁クラッチ(図示せず)を備え、駆動モータ(図示せず)からの駆動力の伝達を制御できるようになっており、原稿のない状態では停止している。そして、原稿の先端が給送タイミングセンサ65に接触し、このセンサから所定の信号が伝達されたときに、原稿を下流側に搬送する方向に回動するように設定されている。
【0065】
整合ローラ対67は、停止した状態で、摩擦パッド64および給送ローラ66により上流側より搬送されてきた原稿の先端が、整合ローラ対67のニップ部に付き当たり、原稿に所定の撓みを形成した後に、下流側に原稿を搬送するように回動する。この際に、整合ローラ対67のニップ部により、原稿の先端が搬送方向に直角となるように整合される。さらに、整合ローラ対67は、第2コンタクトガラス16との間で、原稿搬送路33の一部を形成している。
【0066】
原稿排出部34は、原稿排出ローラ対69および原稿排出センサ59を備えている。原稿排出ローラ対69の上側ローラは、駆動側のローラであり、上部筐体2の左側部に一体的に設けられて、上部筐体2中の駆動機構により駆動される。原稿排出ローラ対69の上側ローラは、下部筐体1側に回転自在に設けられた原稿排出ローラ対69の下側ローラ(従動ローラ)とで、原稿搬送路33を通った原稿を挟持搬送して、排紙トレイ3上に排出する。
【0067】
また、原稿排出センサ59は、原稿排出ローラ対69の下流側に配置されており、原稿の排出を、後述する読取制御部に伝達するものである。
【0068】
イメージセンサ部(CIS:Contact Image Sensor)32は、上部筐体2に設けられており、原稿搬送路33を走行する原稿における上側の画像を読み取る。なお、開放扉24は、イメージセンサ部32の上方の空間を開放可能となっている。
【0069】
次に、上記構成の画像入力装置111の動作について説明する。
画像入力装置111は、静止読取モードでは、片面モードだけが選択可能となり、第1読取部10だけが原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部10の第1走査ユニット12は、まずホームポジション(図2中のPos3とPos1との間にあるPos0)に配置される。そして、読取制御部の指示に応じて、Pos1の位置から第1コンタクトガラス11上に載置された原稿を走査しながら、第2走査ユニット13とともにPos2側に移動する。これにより、CCD15に、原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能となる。このように、第1読取部10は、静止した原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0070】
走行読取モードでは、片面読取モードと両面読取モードの両方が選択可能となる。走行読取モードの片面読取モードでは、第1読取部10だけが原稿の読み取りに用いられる。このモードの指示があると、第1読取部10の第1走査ユニット12は、ホームポジションPos0の位置からPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して、走行する原稿の読み取りを行う。そして、読取制御部の指示に応じて、CCD15が、第2コンタクトガラス16を介して、原稿搬送路33を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。すなわち、第1読取部10は、原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0071】
走行読取モードの両面読取モードでは、第1読取部10およびイメージセンサ部32の双方が原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部10の第1走査ユニット12は、走行読取モードの片面読取モード時と同様に、Pos3の位置に停止される。
【0072】
そして、読取制御部の指示に応じて、第1読取部10が、第2コンタクトガラス16を介して、原稿搬送路33を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。また、同様に、イメージセンサ部32が、搬送される原稿の上側の面(裏面)に形成されている画像を上側から読み取る。
【0073】
このように、本読取装置における両面読取モードでは、第1読取部10およびイメージセンサ部32が、搬送原稿の表裏両面の画像を、上下方向から一度に読み取ることとなる。
【0074】
なお、表面のみに画像が形成されている片面原稿の画像を読み取る際に、原稿の表面および裏面の読み取りを行い、原稿の裏面の読取画像データについてのスジ画像の検知を行うようにしてもよい。この場合、原稿の表面の読み取りは第1読取部10によって行われ、原稿の裏面の読み取りは、第2読取部23によって行われる。
【0075】
次に、画像処理装置112が備えるスジ検知処理部129について説明する。
図3は図1に示したスジ検知処理部129の構成を示すブロック図である。
【0076】
スジ検知処理部129は、図3に示すように、判定領域抽出部201、隣接画素濃度差算出部(エッジ画素検出部)202、立ち上り/立ち下りエッジ検出部(エッジ画素検出部)203、スジ画素判定部204、スジ画素カウント部(スジ画素数計数部)205、エッジ画素カウント部(エッジ画素数計数部)206、無地領域判定部207、スジ有無判定部208、エッジ閾値設定部209、無地領域判定閾値設定部210およびスジ有無判定閾値設定部211を備えている。
【0077】
判定領域抽出部201は、原稿の読取画像データ(RGB画像)における原稿の読取先端側の数ライン分あるいは原稿の読取後端側の数ライン分を判定領域として抽出する。このように、読取画像データにおける原稿の読取先端側の数ライン分あるいは原稿の読取後端側の数ライン分を判定領域として設定するのは、一般に原稿の端部には、原稿画像が描かれた領域が少ないためである。このように判定領域を設定することにより、原稿に意図的に描かれたラインやエッジを誤ってスジと判定する誤判定を防止することができる。
【0078】
スジ検知処理部129では、判定領域抽出部201により抽出された判定領域について、原稿画像データが有する画素毎に、各画素を注目画素として属性を判定する。この判定では、注目画素を中心とするn×mの画素ブロックを用いる。n・mは自然数であり、例えば7である。
【0079】
隣接画素濃度差算出部202は、n×mの画素ブロックに含まれる各画素と各画素に隣接する画素との濃度差を算出する。
【0080】
立ち上り/立ち下りエッジ検出部203は、隣接画素濃度差算出部202にて算出された濃度差とエッジ閾値(例えば10)とを比較し、各画素がエッジ画素であるか否かを判定する。また、エッジ画素と判定したものについては、隣接画素濃度差算出部202にて算出された濃度差の値から、立ち上りエッジ画素であるか、立ち下りエッジ画素であるかを判定する。この判定では、左側の画素の濃度値(画素値)からその画素の右側に隣接する画素の濃度値を引いたとき、濃度値が負になる場合を立ち上りエッジ画素、正になる場合を立ち下りエッジ画素と判定する。なお、上記エッジ閾値(例えば10)は、エッジ閾値設定部209に設定される。
【0081】
エッジ画素カウント部206は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がエッジ画素と判定されたものについてカウントする。
【0082】
スジ画素判定部204は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がスジ画素であるか否かを判定する。この判定においては、次の第1から第3の条件が全て満たされる場合に、注目画素をスジ画素と判定する。
【0083】
第1の条件は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がエッジ画素であること、第2の条件は、n×mの画素ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素が1組存在すること、第3の条件は、副走査方向のライン全てにおいて、エッジ画素(水平方向のエッジ画素)が存在しないことである。これにより、主走査方向には濃度差のあるエッジの組合せが1組ずつ存在し、副走査方向には濃度差が存在するエッジが存在しないことになり、図7に示すような副走査方向に1本の縦スジが存在すると判定することができる。なお、第1の条件および第2の条件にて検出しているのは垂直方向のエッジ画素である。
【0084】
スジ画素カウント部205は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がスジ画素判定部204においてスジ画素と判定されたものをカウントする。
【0085】
無地領域判定部207は、エッジ画素カウント部206でのエッジ画素カウント数と無地領域判定閾値とを比較することにより、判定領域抽出部201にて抽出された判定領域が原稿に意図的に描かれたラインが存在しない無地領域であるか否かを判定する。この判定において、無地領域判定閾値は、判定領域の副走査ライン数×所定値(例えば5)に設定される。そして、エッジ画素カウント数<無地領域判定閾値である場合に、判定領域を無地領域と判定する一方、エッジ画素カウント数≧無地領域判定閾値である場合に、判定領域を無地領域でないと判定する。
【0086】
スジ有無判定部208は、無地領域判定部207において上記判定領域が原稿に意図的に描かれたラインが存在しない無地領域であると判定された場合に、スジ画素カウント部205でのスジ画素カウント数とスジ有無判定閾値とを比較することにより、無地領域と判定された判定領域において原稿に存在しないスジが発生しているか否かを判定する。この判定において、スジ有無判定閾値は、判定領域の副走査方向画素数×所定値(例えば2)に設定される。そして、スジ画素カウント数>スジ有無判定閾値である場合に、原稿の読取画像データすなわち判定領域には、原稿に存在しないスジが発生していると判定する。一方、スジ画素カウント数≦スジ有無判定閾値である場合に、原稿の読取画像データすなわち判定領域には、原稿に存在しないスジが発生していないと判定する。
【0087】
上記スジ有無判定閾値の設定に関し、例えば、判定領域に副走査方向に3画素よりなる縦スジが存在する場合、スジ画素は、通常、各縦スジについて主走査方向において立ち上り画素および立ち下り画素の2画素ずつ検出される。一方、3画素よりなる縦スジのうち、中央の縦スジの画素については、両隣の縦スジの画素との濃度差により、エッジ画素と判定されない場合がある。そこで、スジ有無判定閾値は、スジ画素が主走査方向において立ち上り画素および立ち下り画素の少なくとも2画素存在することを考慮し、判定領域における副走査方向の画素数(副走査方向のライン数)を2倍にした値とする。このスジ有無判定閾値とスジ画素カウント部205にて計数されたスジ画素数とを比較し、スジ有無判定部208は、スジ画素数がスジ有無判定閾値よりも大きい場合に、判定領域にはスジ画像が存在すると判定する。
【0088】
上記のように、スジ有無判定閾値は、判定領域における副走査方向の画素数(主走査方向のライン数)に、判定領域の主走査方向の1ラインにおいて発生が想定されるスジ画素数の最低値を乗じた値に設定されるのが好ましい。
【0089】
上記の構成において、画像処理装置112のスジ検知処理部129の動作について以下に説明する。図4は、図3に示したスジ検知処理部129におけるスジ検知動作を示すフローチャートである。
【0090】
判定領域抽出部201では、原稿画像データが入力されると、その先端の数ライン分あるいは後端の数ライン分を判定領域として抽出する(S11)。この判定領域は、例えば、600dpiの解像度では、原稿画像データのそれぞれ300ラインである。
【0091】
次に、隣接画素濃度差算出部202は、注目画素を中心とするn×mの画素ブロックの各画素aとその隣接画素b(右側に隣接する画素)との濃度差(a−b)を算出する(S12)。
【0092】
次に、立ち上り/立ち下りエッジ検出部203は、隣接画素濃度差算出部202にて算出された隣接濃度差(a−b)の絶対値とエッジ閾値とを比較し、各画素がエッジ画素であるか否かを判定する(S13)。この判定では、隣接濃度差(a−b)の絶対値>エッジ閾値、となる場合にその画素をエッジ画素と判定する。
【0093】
次に、エッジ画素カウント部206は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がエッジ画素と判定された画素をエッジ画素としてカウントする(S14)。
【0094】
また、立ち上り/立ち下りエッジ検出部203は、隣接濃度差(a−b)>0であるか否かを判定する(S15)。この判定において、隣接濃度差が負(a−b<0)の場合には、立ち上り画素と判定し(S16)、隣接濃度差が正(a−b>0)の場合には、立ち下り画素と判定する(S17)。立ち上り/立ち下りエッジ検出部203およびエッジ画素カウント部206では、n×mの画素ブロックにおける全ての画素について、S12〜S17の処理を行う。
【0095】
次に、スジ画素判定部204は、n×mの画素ブロックにおいて、上記第1から第3の条件が全て満たされる場合のみ、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がスジ画素であると判定する(S18)。すなわち、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がエッジ画素であり(第1の条件)、n×mの画素ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素が1組存在し(第2の条件)、副走査方向のライン全てにおいて、エッジ画素(水平方向のエッジ画素)が存在しない(第3の条件)場合にのみ、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がスジ画素であると判定する(S18)。
【0096】
次に、スジ画素カウント部205は、n×mの画素ブロックの中心である注目画素がスジ画素であると判定されたものについて、スジ画素としてカウントする(S19)。
【0097】
スジ検知処理部129では、上記S12〜S19の処理を判定領域のRGB画像における全ての画素について終了するまで繰り返し(S20)、処理が終了すればS21に進む。
【0098】
次に、無地領域判定部207は、エッジ画素カウント部206でのエッジ画素カウント数と無地領域判定閾値とを比較し、スジ検出を行う判定領域がスジ以外に書き込み等がない無地領域であるか否かを判定する(S21)。
【0099】
S21の判定において、無地領域判定閾値は、判定領域の副走査ライン数×所定値(例えば5)である。そして、S21の判定では、エッジ画素カウント数<無地領域判定閾値である場合に、判定領域を無地領域と判定する。この場合、判定領域は、RGB画像にスジが発生しているか否かの判定対象となる。
【0100】
一方、エッジ画素カウント数≧無地領域判定閾値である場合に、判定領域を無地領域でないと判定する(S22)。この場合、判定領域内には原稿に意図的に描かれた領域(ライン等)が存在していると判断され、判定領域は、スジ発生の有無判断の対象とならない。この場合、後述のスジ発生原稿連続枚数はリセットされない。
【0101】
スジ有無判定部208は、S21において判定領域が無地領域と判定された場合(エッジ画素カウント数<無地領域判定閾値である場合)に、スジ画素カウント部205でのスジ画素カウント数とスジ有無判定閾値とを比較し、判定領域に原稿に存在しないスジか発生しているか否かを判定する(S23)。
【0102】
S23の判定において、スジ有無判定閾値は、判定領域の副走査方向画素数×所定値(例えば2)である。そして、S23の判定では、スジ画素カウント数>スジ有無閾値であれば、原稿の読取画像データには原稿に存在しないスジが発生していると判定する(S25)。一方、スジ画素カウント数≦スジ有無閾値であれば、原稿の読取画像データには原稿に存在しないスジが発生していないと判定する(S24)。
【0103】
次に、読取画像データに原稿には存在しないスジ画像が発生しているスジ発生原稿データを検出した場合に警告を行う画像処理装置112の動作について説明する。図5は、スジ発生原稿データを検出した場合に警告を行う画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0104】
画像処理装置112のスジ検知処理部129では、操作者により、画像入力装置111の走行読取モード(ADF機能を使用)が選択された場合に、スジ発生原稿データについての検知動作を行う。なお、スジ発生原稿データかどうかの判定は、原稿の読取画像データ全体についてではなく、上記のように、原稿の先端あるいは後端に対応する判定領域について行われる。また、例えば制御部116は、スジ検知処理部129において連続してスジ発生原稿データと判定される読取画像データの数(スジ発生原稿連続枚数)をカウントしている。さらに、制御部116は、スジ発生原稿連続枚数がスジ発生警告閾値よりも大きくなった場合に、例えば操作部117の表示部において警告表示を行うようになっている。スジ発生警告閾値は、例えば3に設定される。なお、操作者に対するスジ発生警告の方法は、操作部117の表示部(スジ発生警告装置)での警告表示の他、音声にて、あるいは表示および音声にて行ってもよい。警告を音声で行う場合は、単純に警告を鳴らす他、表示部での警告表示すべき内容を合成音声にて伝えるものでもよい。
【0105】
図5に示すように、画像処理装置112では、画像入力装置111においてADF機能、すなわち走行読取モードが選択された場合(S51)、ADF機能により順次搬送されて読み取られた原稿の各読取画像データについて、スジ検知処理部129がスジ検知処理を行う(S52)。すなわち、スジ検知処理部129は、原稿の読取画像データがスジ発生原稿データであるか否かを判定する。
【0106】
S52でのスジ検知処理の結果、読取画像データの判定領域が無地領域でなければ(S53)、S59の処理に進む。一方、S52でのスジ検知処理の結果、読取画像データの判定領域が無地領域であれば、その読取画像データについてスジ発生原稿データであるか否かを判定する(S54)。
【0107】
S54での判定の結果、読取画像データがスジ発生原稿データでなければ、制御部116はカウントしているスジ発生原稿連続枚数をリセットして(S58)、S59の処理に進む。
【0108】
一方、S54での判定の結果、読取画像データがスジ発生原稿データであれば、制御部116はカウントしているスジ発生原稿連続枚数を1増やし(S55)、スジ発生原稿連続枚数がスジ発生警告閾値(例えば3)よりも大きくなったか否かを判定する(S56)。
【0109】
S56での判定の結果、スジ発生原稿連続枚数がスジ発生警告閾値よりも大きくなければ、S59の処理に進む。一方、スジ発生原稿連続枚数がスジ発生警告閾値よりも大きければ、制御部116は、例えば操作部117の表示部において、スジ発生警告表示を行う(S57)。
【0110】
以上のS51〜S57の処理は、画像入力装置111にセットされている全ての原稿の読取画像データについての処理が終了するまで繰り返し(S59)、全ての原稿の読取画像データについての処理が終了すれば、処理を終了する。
【0111】
上記のように、本実施の形態の画像処理装置112では、スジ有無判定部208において、第1から第3の条件が全て満たされる場合に注目画素をスジ画素と判定するので、スジ画素の判定を高精度に行うことができる。これにより、画像入力装置111(ADF)の使用時における塵や埃の存在により、原稿の読取画像データにおける、原稿には存在しないスジ画像の発生を精度よく検出することができる。
【0112】
また、上記画像処理装置112では、原稿には存在しないスジ画像が連続して原稿の読取画像データに発生している場合に、読取画像データにスジが発生していることを操作者に警告するようになっている。これにより、操作者は、原稿には存在しないスジ画像の原因となる塵や埃を原稿の読取領域から除去し、原稿の読取画像データにおけるスジ画像の発生の問題を解消することができる。
【0113】
なお、スジ発生警告の要否をスジ発生原稿データの連続枚数で判定しているのは、第1には、原稿に意図的に描かれた線をスジと誤判定する可能性を軽減させるためである。第2には、画像入力装置111において、ADF使用時に付着した埃や汚れが原因となって読取画像データに発生するスジ画像は、埃や汚れがADF使用中に除去されてしまう可能性があり、このような場合にまでもスジ発生警告を行うことを防止するためである。
【0114】
また、スジ発生原稿連続枚数は、画像入力装置111にセットされた一部の原稿(一連の原稿)の読取作業が終了してもリセットされることなく、送受信部/記憶部115に記憶され、次の原稿の読取時にも引き継がれる。これにより、1回の画像入力装置111(ADF)使用時のスジ発生原稿枚数のみに依存せず、読取画像データにおけるスジ画像の発生を操作者に対して早期に警告することができる。
【0115】
また、画像入力装置111(ADF)が原稿の両面読み取りに対応している場合、スジ発生原稿連続枚数については、表面と裏面のそれぞれでカウントされるようになっている。また、操作者により原稿の片面の読取のみが選択された場合にも、原稿の両面の読取を行い、裏面の読取画像データについてのスジ発生原稿連続枚数のカウントを継続し、操作者により次回に原稿の両面読み取りが選択された場合に、スジ発生警告を行えるようにしてもよい。
【0116】
また、画像読取装置として画像入力装置111が画像処理装置112の機能、特にスジ検知処理部129の機能を備えていてもよい。
【0117】
次に、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態の画像形成装置におけるハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【0118】
図6に示すように、画像形成装置900は、画像処理部910(図1の画像処理装置112および制御部116に対応)、スキャナ920(図1の画像入力装置111に対応)、ハードディスク装置(以下、単位HDDと称する。図1の送受信部/記憶部115に対応)930、ドライブ装置940、およびプリンタ980(図1の画像出力装置113に対応)を備えている。画像処理部910は、画像処理部910に接続される各部の制御、および画像形成装置900が出力する画像データを処理する。
【0119】
画像処理部910は、CPU901、ROM902、RAM903、画像処理ASIC904、スキャナインタフェース(以下、単にスキャナI/Fと称する)912、HDDインタフェース(以下、単にHDD−I/Fと称する)913、ドライブインタフェース(以下、単にドライブI/Fと称する)914、プリンタインタフェース(以下、単にプリンタI/Fと称する)918、および通信インタフェース(以下、単に通信I/Fと称する)919を有する。
【0120】
CPU901は、コンピュータプログラムを実行することにより、画像処理部910の各部、および画像処理部910に接続される各部を制御する。ROM902は、例えばCPU901が実行するコンピュータプログラムを格納する。
【0121】
CPU901は、また原稿自動判定処理、描画コマンド生成処理、および非表示コンテンツが付加されたイメージの生成処理を行う機能を有していてもよい。
【0122】
RAM903は、画像処理ASIC904、およびCPU901がコンピュータプログラムを実行する場合に処理される画像データを格納する。なお、この画像データは、ROM902に格納されてもよい。
【0123】
画像処理ASIC904は、画像データに対する各種処理を行う。画像処理ASIC904は、例えば、領域分離処理、下地除去処理、色補正処理、黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、出力階調補正処理、および中間調生成処理の何れか一以上の処理を行うものであってもよい。
【0124】
スキャナI/F912は、スキャナ920から入力される画像データを受け取り、スキャナ920の特性に応じた画像処理を行う。HDD−I/F913は、CPU901の制御に基づいて、HDD930に格納される画像データの入出力を行う。ドライブI/F914は、ドライブ装置940に挿入される可搬性記録媒体941に対するデータの入出力を行う。
【0125】
プリンタI/F918は、画像処理部910が処理した画像データを、プリンタ980に出力する際のインタフェースである。通信I/F919は、画像処理部910からネットワーク990を介して他の装置と画像データまたは制御信号を通信する際のインタフェースである。
【0126】
スキャナ920は、画像が形成されている原稿を光学的に読み取って読取画像データを出力する。スキャナ920が出力する読取画像データは、アナログ信号でも、アナログ信号から変換されたデジタル信号でもよい。
【0127】
HDD930は、画像処理部910が処理する画像データを格納する。HDD930は、例えばスキャナ920から入力される画像データ、通信I/F919から入力される画像データ、並びにCPU901および画像処理ASIC904の処理により生成される中間画像データを格納する。ドライブ装置940は、可搬性記録媒体941が挿入されることにより、可搬性記録媒体941に対するデータの書き込みおよび読み出しを行う。可搬性記録媒体941には、例えばCPU901が実行するコンピュータプログラムが格納される。
【0128】
プリンタ980は、画像処理部910により処理された画像データを、用紙等の媒体上に形成して出力する。
【0129】
画像形成装置の各ブロック、特に画像処理装置112は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0130】
すなわち、画像処理装置112は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像処理装置112の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像処理装置112に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0131】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0132】
また、画像処理装置112を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0133】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、スキャナ、プリンタ、画像処理装置、複写機および複合機に利用することができる。
【符号の説明】
【0135】
111 画像入力装置(画像読取装置)
112 画像処理装置
113 画像出力装置
116 制御部
117 操作部(スジ発生警告装置)
129 スジ検知処理部
201 判定領域抽出部
202 隣接画素濃度差算出部(エッジ画素検出部)
203 立ち上り/立ち下りエッジ検出部(エッジ画素検出部)
204 スジ画素判定部
205 スジ画素カウント部(スジ画素数計数部)
206 エッジ画素カウント部(エッジ画素数計数部)
207 無地領域判定部
208 スジ有無判定部
209 エッジ閾値設定部
210 無地領域判定閾値設定部
211 スジ有無判定閾値設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から読み取られた読取画像データについて、スジ画像を含む読取画像データを検知するスジ検知処理部を備えた画像処理装置において、
前記スジ検知処理部は、
原稿から読み取られた読取画像データに設定された判定領域について、この判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、かつ検出したエッジ画素について、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって高くなる立ち上りエッジ画素か、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって低くなる立ち下りエッジ画素かを判定するエッジ画素検出部と、
前記判定領域の各画素を注目画素とし、その注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、前記注目画素がエッジ画素である第1の条件、前記ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、および前記ブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、前記注目画素をスジ画素と判定するスジ画素判定部とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記スジ検知処理部は、
前記読取画像データにおける原稿の読取先端側あるいは読取後端側の領域を前記判定領域として設定する判定領域抽出部と、
前記エッジ画素検出部にて検出された、前記判定領域に含まれるエッジ画素の数を計数するエッジ画素数計数部と、
前記判定領域を無地領域か否か判定するためのエッジ画素数を設定した無地領域判定閾値と前記エッジ画素数計数部にて計数されたエッジ画素数とを比較し、前記判定領域が無地領域か否かを判定する無地領域判定部と、
前記無地領域判定部にて前記判定領域が無地領域と判定された場合に、前記判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定するスジ有無判定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記スジ検知処理部は、
前記スジ画素判定部にてスジ画素と判定された画素数を計数するスジ画素数計数部を備え、
前記スジ有無判定部は、前記判定領域にスジ画像が含まれていると判定するためのスジ画素数を設定したスジ有無判定閾値と前記スジ画素数計数部にて計数されたスジ画素数とを比較し、前記判定領域にスジ画像が含まれているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
読取画像データにスジ画像が発生していることを知らせるスジ発生警告を行うスジ発生警告装置と、
前記スジ有無判定部により、連続する複数の前記読取画像データについてスジ画像が含まれていると判定された場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせる制御部とを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記スジ有無判定部によりスジ画像が含まれていると判定された読取画像データであるスジ発生原稿データの連続数を計数し、この連続数がスジ発生警告閾値を超えた場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせるものであり、
複数の読取画像データの処理を含む第1のジョブにおいてスジ発生原稿データが発生し、かつスジ発生原稿データの連続数が前記スジ発生警告閾値以下である場合に、第1のジョブでのスジ発生原稿データの連続数を保持し、複数の読取画像データの処理を含む第2のジョブにおいて第1のジョブからのスジ発生原稿データの連続数が前記スジ発生警告閾値を超えた場合に、前記スジ発生警告装置によりスジ発生警告を行わせることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置を備え、原稿を読取位置に搬送しながら原稿の画像を読み取り、前記読取画像データを取得する画像読取装置。
【請求項7】
表面のみに画像が形成されている片面原稿の画像を読み取る際に、原稿の表面および裏面の読み取りを行い、
前記画像処理装置は、原稿の裏面の読取画像データについてのスジ画像の検知を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像読取装置を備え、前記画像処理装置にて処理された前記読取画像データに基づいて画像を印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
原稿から読み取られた読取画像データについて、スジ画像を含む読取画像データを検知するスジ検知処理を行う画像処理方法において、
前記スジ検知処理は、
原稿から読み取られた読取画像データに設定された判定領域について、この判定領域に含まれるエッジ画素を検出し、かつ検出したエッジ画素について、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって高くなる立ち上りエッジ画素か、画素の濃度が原稿の読み取りにおける主走査方向に向かって低くなる立ち下りエッジ画素かを判定するエッジ画素検出工程と、
前記判定領域の各画素を注目画素とし、その注目画素を中心して主走査方向および副走査方向に複数画素を含むブロックを設定し、前記注目画素がエッジ画素である第1の条件、前記ブロックにおける主走査方向のライン毎に、立ち上りエッジ画素と立ち下りエッジ画素とが1組存在する第2の条件、および前記ブロックにおける副走査方向の全てのラインにエッジ画素が存在しない第3の条件が全て満たされる場合に、前記注目画素をスジ画素と判定するスジ画素判定工程とを備えていることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置の前記の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−9116(P2013−9116A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139894(P2011−139894)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】