説明

画像処理装置上で文書を処理するための方法

本発明は、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュール、および処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットを含む画像処理装置により印刷ジョブを処理するための方法に関し、前記方法は、各印刷ジョブに対して、画像処理装置により印刷ジョブを印刷するステップ、および出力モジュールで印刷ジョブの出力をスタックするステップを含み、制御ユニットは出力チェックリストを維持するように構成されること、および方法は、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力中に失敗したページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性があるページをチェックするようにオペレータに助言するために、出力スタック中にエントリを自動的に生成するステップを含むことを特徴とする。本発明はまた、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュール、処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニット、および印刷ジョブの回復可能エラーを検出するための検出手段を含む、印刷ジョブを印刷するための画像処理装置に関し、制御ユニットは、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力中に不完全なページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性があるページについてオペレータに助言するために、自動的にそれぞれ生成されるエントリを含む出力チェックリストを維持するように構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュール、および処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットを含む画像処理装置により印刷ジョブを処理するための方法であって、各印刷ジョブに対して、画像処理装置により印刷ジョブを印刷するステップと、印刷ジョブの出力を出力モジュールにスタックするステップとを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ上で印刷ジョブを処理するための方法が、たとえば米国特許第6681245号明細書により開示された。この特許で開示される方法は、ユーザのワークステーションから文書を印刷するのに適しており、プリンタ、プリンタサーバ、ジョブ、またはユーザの操作に関係のある通常のイベントおよび特殊なイベントの検出を含む。これらのイベントはログファイルで提示される。方法は、ユーザ対話を伴うジョブの印刷を対象とする。すべての種類のイベントが登録されるので、ログファイルは大きくなる。ログファイルは通常、イベントの発生の時間により配列されるので、ある種類のイベントのエントリがログファイルのエントリの中に分散される。イベントが印刷ジョブと関係がない場合、イベントに対応する印刷ジョブを追跡することが困難になる。したがって、ログファイルは、ある種類のイベントの大要を即座に得るのに、または不完全な印刷ジョブを追跡するのに適さない。
【0003】
画像処理装置上で文書を印刷するとき、プリンタエラーが発生することがある。文書が間違って印刷されることがある。画像処理装置が、エラーのために停止することがあり、ユーザは、たとえば画像処理装置の出力モジュールに不完全な文書を見つけ出すことになる。こうして見つけ出すことは、この不完全な文書が画像処理装置により印刷された最後の文書であるので、容易であることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6681245号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/112452号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文書が間違って印刷され、画像処理装置の停止に至らないことがある。この種類の印刷エラーが、文書の出力の障害に、さらにはまったく出力しないことに至ることがある。画像処理装置がそのような不完全なジョブの後にキューから印刷ジョブを継続したとき、そのようなエラーはマシン回復可能エラーまたは非致命的エラーと呼ばれる。そのような不完全なジョブには、いくつかの原因が、たとえば文書のソースファイルの誤ったページフォーマット、画像処理装置のエラー回復動作による余分のページ、画像処理装置のセンサの範囲外の値、または画像処理装置のメモリ不足問題があり得る。特に、ユーザの介入なしに多くの文書を印刷するとき、マシン回復可能エラーが発生することがあり、ジョブが間違って印刷されるが、それにもかかわらずジョブは出力モジュールにより受け取られ完了されることを引き起こすことがある。不完全なジョブに引き続き、不完全なジョブの不完全な出力が出力モジュールの中で、印刷される文書すべての間にあるようにジョブが印刷される。
【0006】
オペレータの介入によってだけ処理されることができるエラーが発生することがある。そのようなエラーは、オペレータ回復可能エラーを呼ばれる。オペレータ回復可能エラーの一例が、画像処理装置での紙詰まりである。このとき、オペレータは画像処理装置の扉を開けて、紙を取り除き、扉を再び閉めるなどしなければならない。オペレータが出力モジュールで文書に干渉しなかった場合、紙詰まりを引き起こした印刷ジョブは完了しており、印刷ジョブの出力は画像処理装置の出力モジュールにスタックされたが、それにもかかわらず印刷ジョブの出力が、欠陥を含んでいることがある。
【0007】
この応用で説明されるジョブの処理は、ジョブをキューから連続して画像処理装置に印刷させることを対象とする。印刷ジョブが完了されることができない、あるいはマシン回復可能エラーまたはオペレータ回復可能エラーの場合にジョブの異常終了が発生した場合、画像処理装置は停止するのではなく、キューの中の次の印刷ジョブを継続する。以下、マシン回復可能エラーおよびオペレータ回復可能エラーは、両方とも回復可能エラーと呼ばれる。
【0008】
米国特許出願公開第2003/112452号明細書が、画像処理装置により生成されるイベントログファイルを開示していることが留意される。プリンタへの印刷ジョブの伝達エラー、および印刷可能ファイルを破損させる変換エラーが記録され、装置での一般的なエラーメッセージ、および装置の処理の停止をもたらす。ジョブは実行されず、出力を生成しない。イベントログはまた、画像処理装置のプリンタ機能によるエラーを含む。印刷ジョブにではなく、ユーザにより選択されるプリンタ機能に関係のある情報、たとえばコレータ(collator)またはステープラ(stapler)のようなプリンタの機械構成要素の使用が追跡される。そのようなイベントログから、印刷機能エラーによるスタックされた出力での不完全なページの位置は、明らかではない。さらに、そのようなイベントログは、種々の種類の多数のエントリを含み、出力スタック中で不正確に印刷された可能性があるシートに関係のある情報を抽出することは困難である、または少なくとも多くの時間を必要とする。
【0009】
ジョブの異常終了が、ユーザにより期待された出力で印刷ジョブが画像処理装置により翻訳されないことであり得る。時々、ユーザファイルが、破損している、または画像処理装置によりサポートされていないフォーマットであることがある。このとき、画像処理装置は、印刷ジョブの入力を正しく処理することができない、または印刷ジョブの画像データの処理中に問題に行き当たる。このことが、印刷されるべき文書の欠けたページをもたらす、または出力をまったくもたらさない、換言すれば、文書のすべてのページが欠けているがことがある。一部の状況では追加のページが印刷されることがある。これは、たとえば、画像処理装置が不完全なページを検出し、画像処理装置に不完全なページのエラーを含まない余分なページを不完全なページに続いて印刷するように起動するエラー回復機構を提供される場合に言えることがある。
【0010】
ユーザが、1つのジョブまたは複数のジョブを画像処理装置に送信する。ユーザは、すべてのジョブが処理された後に画像処理装置まで近寄り、画像処理装置に着くことができる。次に、ユーザはユーザインタフェースを見て、画像処理装置により発生させられたイベントロギングを詳細に調べることができる。ユーザは、ロギングから、複数の印刷ジョブを処理している間に、何らかのエラーが発生したと結論づけることができるが、どのジョブがエラーの原因であるか、どのジョブがうまく完了さられなかったか、および/またはどのジョブが異常終了で完了されたかを即座に判断することができない。不完全なジョブ出力は、複数のジョブの印刷された文書のスタックの中にしばしば覆い隠される。時々、画像処理装置は、不完全なジョブに対して別個の出力モジュールを提供され、このとき、ユーザは不完全な出力を求めてこの別個の出力モジュールをチェックすることができる。しかしながら、画像処理装置がそのような別個の出力モジュールを提供されない場合、不完全な出力は通常の出力モジュールで見つけ出すことが困難なことがある。このことは、大部分の幅の広い判のプリンタがそのような別個の出力モジュールを提供されないので、幅の広い判の文書を印刷する際に特に言える。
【0011】
大抵の場合、たとえば、印刷が無人で行われるとき、印刷された文書の数が多くなることがあり、そのことが画像処理装置の出力モジュールに大量の文書をもたらす。たとえば、オペレータの介入の可能性がまったくない、印刷が停止しなかった一晩中の印刷では、オペレータは朝、印刷された文書のスタックを見つけ出すであろう。文書が、本明細書において上記で説明されるように不完全にまたは過剰に印刷されたかどうかを明らかにするために、文書のスタックを一見することでは十分ではない。オペレータは文書を1枚ずつ見る、またはログファイルを調べてみなければならず、いずれの作業の方法もかなり重荷となる。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題が解決される、画像処理装置上で文書を処理するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、制御ユニットが出力チェックリストを維持するように構成されること、および方法が、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力に不完全なページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生する場合、出力スタック中の失敗した可能性があるページについてオペレータに助言するために、出力スタック中にエントリを自動的に生成するステップをさらに含むことを特徴とする前提部分による方法により達成される。
【0014】
出力チェックリスト中の各エントリは、印刷ジョブに関係する。印刷ジョブが、画像処理装置により印刷される1つまたは複数の文書を含むことがある。印刷ジョブと出力チェックリストエントリとのこの結合が、異常に完了された印刷ジョブを判定することを容易にする。異常終了の場合、印刷ジョブのページが欠けていることも、過剰なこともあり、換言すれば、印刷されたデータはユーザの期待と一致しないことがある。画像処理装置は、たとえば回復動作またはロールの終わりの状況の結果として、ユーザにより期待されなかったページを生成することがある。ロールの終わりの状況では、最後の完全な画像が印刷された後に完全な画像が印刷されることができない紙の切れ端が残されることが発生することがある。第2のロールが、依然として印刷されるべき文書の画像の印刷を引き継ぐ場合、紙の切れ端は文書の完全なページの間に存在する。
【0015】
無人印刷が大量の文書をもたらした場合、不完全なまたは過剰な文書を含むことがある。このことは山積みの外側から直接見えない。本解決策は、ユーザが出力チェックリストを調べてみることにより、山積みから不完全なまたは過剰な文書を見つけ出すことができるようにする。出力チェックリストにエントリがない場合、山積みの文書の中にそのようなジョブがないことをユーザが知る。
【0016】
画像処理装置は回復可能エラーを伴う印刷ジョブを印刷した場合がまれであると期待されるが、これらの場合はユーザに最も不快を引き起こさない方法で扱われる必要がある。これらの問題の予想は、たとえば画像処理装置により処理されることができないまたは印刷されることができないジョブを提出することを防止することにより、できるだけ早期に行われる。問題が予想されるとき、ユーザは、そのことを知り、自分の文書を印刷する前に適切な処置をとることができる。しかしながら、本発明は、予想が可能でない状況で使用される。その場合、上記で説明されるような出力チェックリストは、回復可能エラーを発生させた印刷ジョブに関係のあるエントリを直接追跡するのに役立つ。エントリは、印刷ジョブに関係のあるエラー記述を含む。不完全な印刷ジョブの文書ファイルが、ワークステーションの記憶手段に移動されることができる。オペレータまたはユーザは、エラー記述を分析し、同じエラーを防止する処置をとり、印刷ジョブをワークステーションの記憶手段から画像処理装置に再び送信することを決定することができる。
【0017】
本発明の方法の一実施形態では、方法は、出力チェックリストにエントリが生成されたときに画像処理装置によりワークステーションに通知を送信するステップを含む。不完全な印刷ジョブが発生した場合、出力チェックリストが更新されたことをユーザが通知される。不完全な印刷ジョブはまれであるので、新しい不完全な印刷ジョブのエントリが出力チェックリストに生成された場合だけ、画像処理装置のユーザは、出力チェックリストを見る必要を感じることができる。作業のそのような方法を容易にするために、エントリが出力チェックリストに追加された場合だけ、ユーザは通知される。通知は、ユーザのワークステーション上のポップアップメッセージ、またはユーザのメールボックスの特殊なメールにより形成されることができる。ユーザまたはオペレータが、不完全な印刷ジョブを処理するのを忘れないことを確実にするために、どのイベントが通知を引き起こしたかをチェックするために、ユーザが出力チェックリストを開いた後だけ通知が消えるように通知が構成されることができる。通知は、出力チェックリストの変化が発生したときに直ちに存在することができる。大抵通知は、たとえば、印刷ジョブのバッチが一晩中印刷された後に、ユーザのワークステーションでのユーザのログインと結合される。
【0018】
本発明の方法の一実施形態では、方法は、ユーザにより通知を選択し、操作するステップを含む。ユーザによる操作後、出力チェックリストがユーザのワークステーションに示される。ユーザは出力チェックリストを分析し、適切な処置をとることができる。
【0019】
本発明による方法の一実施形態では、方法は、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるステップを含む。文書の記憶は、エントリが出力チェックリストに追加される直前、および追加された直後に行われることができる。記憶は、画像処理装置内の記憶手段上で、または関係のあるユーザのワークステーション内の記憶手段上で行われることができる。同様に、上述される以外の文書が記憶される場合、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書とその他の文書を区別するために、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書は、印をつけられることができる。
【0020】
本発明による方法の一実施形態では、方法は、出力チェックリストをワークステーション上に示すステップを含む。出力チェックリストの各エントリは、選択可能である。ユーザにより出力チェックリストを開いた後、ユーザは出力チェックリストのエントリを分析することができ、分析されたエントリに対応して印刷ジョブの不完全な文書をユーザが適合させなければならないと結論を下すことができる。次に、ユーザはエントリを選択し、操作し、ワークステーションまたは画像処理装置の記憶手段に存在する対応する印刷ジョブの少なくとも1つの文書が、ナビゲートされ、示される。これは、ユーザが、出力チェックリストのエントリで報告されたエラーを克服するために不完全な印刷ジョブを即座に適合させ、適合された印刷ジョブを画像処理装置に再び送信することができるので、有利である。マルチ文書印刷ジョブの場合、適合された文書だけを画像処理装置に再び送信することが、さらにより効果的となり得る。
【0021】
一実施形態によれば、出力チェックリストは遠隔で呼び出す(callable)ことができる。ユーザが画像処理装置から遠隔でワークステーション上で作業している場合、ユーザが画像処理装置の出力チェックリストをこのワークステーション上で見ることを望むことをユーザが示すことができる。オペレータは、出力チェックリストを見て、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブを判定する。印刷ジョブが、印刷される複数の文書を含む場合、ユーザは、どの文書が印刷ジョブの出力に欠けているかを、または不完全な文書のどのページが欠けているかさえ判定することができる。次に、オペレータは、欠けている文書および/または欠けているページを、たとえば異なる方法でユーザの机から再び印刷することができる。欠けている文書および/またはページをうまく印刷した後、ユーザは、印刷されたジョブのすでに印刷された文書のスタックに、文書の欠けているページを追加することができる。
【0022】
一実施形態によれば、方法は、画像処理装置のユーザインタフェースを介して出力チェックリストを示すステップを含む。前の実施形態で説明されたのと正確に同じ手順が、印刷ジョブの不完全な文書を完了させるためにとられることができる。
【0023】
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストのエントリを選択するステップを含む。エントリを選択した後、別の操作、たとえばエントリを編集することおよびエントリを取り除くことが、このエントリに対して行われることができる。
【0024】
一実施形態によれば、方法は出力チェックリストのエントリを取り除くステップを含む。印刷ジョブによるエラーが、出力チェックリストの1つまたは複数のエントリを分析した後に実行されるオペレータの操作により回復されることができる。次に、これらのエントリは出力チェックリストから取り除かれることができる。そうすることにより、出力チェックリストは、まだ注意を払われていない不完全な印刷ジョブだけを含み、常に短いリストとなる。
【0025】
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストでエントリを生成した後の所定の時間に出力チェックリストのエントリを自動的に取り除くステップを含む。
【0026】
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストでエントリを生成した後の所定の時間に出力チェックリストのエントリを自動的に取り除くステップを含む。
【0027】
本発明はまた、印刷ジョブを印刷するための画像処理装置に関し、画像処理装置は、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュールと、処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットと、印刷ジョブの回復可能エラーを検出するための検出手段とを含み、制御ユニットが、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力に失敗したページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性のあるページについてオペレータに助言するために、自動的にそれぞれ生成されるエントリを含む出力チェックリストを維持するように構成されることを特徴とする。
【0028】
一実施形態によれば、画像処理装置は、出力チェックリストにエントリが生成されたとき、画像処理装置によりネットワークを介してワークステーションに通知を送信するための送信手段を含む。
【0029】
一実施形態によれば、画像処理装置は、出力チェックリストが示されるユーザインタフェースを含む。
【0030】
一実施形態によれば、出力スタック中の印刷ジョブの失敗した可能性があるページの場合に、印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるための画像処理装置記憶手段。印をつけることは、記憶手段でフラグを用いて実行されることができる。フラグは、文書が印をつけられたかどうかを示すいくつかのバイトを含む、記憶手段内のメモリ領域でもよい。
【0031】
本発明は図1から図8と併せて実施形態を参照することにより説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ワークステーションおよび画像処理装置のネットワークシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態による画像処理装置の概略的な機能図を示す。
【図3】本発明の一実施形態による回復可能エラーによる不完全なジョブについてユーザに通知するための通知オブジェクトを含むウィンドウを示す。
【図4】本発明の一実施形態による出力チェックリストを示す。
【図5】不完全な印刷ジョブに関係のある文書のリストを示す。
【図6】画像処理装置の観点から本発明による方法の流れ図を示す。
【図7】本発明の方法による出力チェックリストの使用の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図6および図7の流れ図のステップは、本発明による方法を説明し、図1から図4の説明の範囲内で言及される。点線のステップS740、S760、およびS780は、ユーザにより実行されるが、残りのステップS600、S605、S610、S615、S617、S620、S715、S730、S740、S750、S760、S770、S780、およびS790は、画像処理装置の制御ユニットにより実行される。
【0034】
図1は、ローカルネットワークNに接続されるワークステーション1を含むシステムを示す。本発明の一実施形態による方法は、ワークステーション1の1つを使って作業し、ワークステーション1の1つから画像処理装置2に1組の文書を含む印刷ジョブを送信しようとするユーザにとって画像処理装置2が利用可能であるこの種の環境での使用に特に適している。画像処理装置2は、ネットワークNに接続され、ワークステーション1から印刷ジョブを受け取るのに適している。ネットワークNは、無線であってもよい。
【0035】
画像処理装置2は、さらに先で説明されるユーザインタフェース9を含む。
【0036】
一実施形態では、ワークステーション1のそれぞれは、プロセッサユニット、表示ユニット、キーボード、およびマウス、またはワークステーションにログインされるユーザに画像処理装置2上で1つまたは複数の印刷ジョブを印刷させるための任意の別の入力手段を提供されるパーソナルコンピュータである。画像処理装置は、小さいおよび/または幅の広い判の文書のためのプリンタでもよい。
【0037】
図2に示される一実施形態では、画像処理装置2はユーザインタフェース9、およびハードディスクなどの制御ユニットを含むコントローラ3を含み、表示手段25、およびユーザがデジタル文書の印刷を実行するためにコマンドを入力することができるようにするための入力手段24、たとえばキーボードにさらに接続される。表示手段25および入力手段24は、タッチスクリーンにより実現されてもよい。本発明による方法を実行するときに画像処理装置がどのように使用されることができるかが、図6に言及されるステップS600〜S620に示されている。
【0038】
制御ユニット3は、印刷ジョブをキューに入れる、印刷キューが空きかどうかチェックする(S600)、印刷されるために、キューに入れられた印刷ジョブから画像処理装置2の印刷エンジンに文書を提出する(S605)のに適している。画像処理装置2で印刷される(S610)印刷ジョブが回復可能エラーによる不完全なジョブで終わる場合(S615)、ジョブの文書は、制御ユニット3に含まれる記憶手段4に記憶される(S617)。エントリが、表示手段25の一部であるウィンドウ5上に示されることができる出力チェックリストに追加される(S620)。以下、出力チェックリストが図4に基づき詳細に説明される。
【0039】
出力チェックリストを分析するためにユーザにより実行されることができるステップS715〜S790が、図7の流れ図に示される。
【0040】
ユーザが、ワークステーション1を起動した、または画像処理装置2に到着し、表示装置25および/または入力手段24を介してユーザ自身を識別したとき、画像処理装置2の制御ユニット3は、ユーザがこのリストを最後に見たとき以後に、ウィンドウ5に示された出力チェックリストが変更されたかどうかをチェックする(S715)。
【0041】
出力チェックリストが変化した場合、画像処理装置2の制御ユニット3は、通知をワークステーション1、別々に画像処理装置2のユーザインタフェース9に送信する(S730)。
【0042】
次に、ユーザインタフェース9の表示手段24、別々にユーザのワークステーション1は、不完全な印刷ジョブの場合に通知オブジェクトを示す(S730)。通知オブジェクトは、表示手段25上のポップアップウィンドウ8またはキューウィンドウにより形成されることができる。ポップアップウィンドウ8は、画像、アイコン、テキストフィールド、または記号の組み合わせを含むことができ、出力チェックリストが更新されたことを示す。キューウィンドウ30の一例が、図3に示されている。キュー警告メッセージ33および警告アイコン31が、通知を示す。警告アイコン31、およびキュー警告メッセージ33の一部32をクリックすることができる。ユーザがポップアップウィンドウ8を、またはキュー警告メッセージの場合には警告アイコン31を、またはキュー警告メッセージのクリック可能部分32をクリックした場合(S740)、出力チェックリスト5が、ワークステーション1上に、別々に表示手段25上に表示されることができる(S750)。ユーザが、対応するジョブをそのジョブに関係のあるエラーを克服するように適合させるために(S780)、出力チェックリスト5からエントリを選択し操作することができる(S760)。ユーザがエントリを操作したとき、対応する印刷ジョブの少なくとも1つの文書へのナビゲーションが達成される(S770)こととなる。ユーザが出力チェックリスト5を開いた後、画像処理装置2の制御ユニット3はキュー警告メッセージ33および警告アイコン33を消去する(S790)。ユーザが、選択された文書または対応する印刷ジョブに対して適切な処置をとり(S780)、キューウィンドウ30に戻るとき、警告アイコン31およびキュー警告メッセージ33は、もはや見えず、次に、回復可能エラーによる新しいイベントが発生した後にだけ出現することとなる。
【0043】
この実施形態では、画像処理装置2のユーザインタフェース9は、出力チェックリストを表示する。出力チェックリストは(また)、図1に示されるネットワークNを介して画像処理装置2に結合されるワークステーション1の1つに遠隔で表示されることができる。
【0044】
図4には、一実施形態によるチェック出力リスト40が示されている。チェック出力リスト40は、1つまたは複数のエントリ41および42を含むことができる。各エントリは、不完全な印刷ジョブによるエラーイベントに関係のある複数のフィールドを含むことができる。第1のフィールド43は、不完全な印刷ジョブの識別、たとえば印刷ジョブIDまたは印刷ジョブ名を含む。第2のフィールド44は、不完全な印刷ジョブに含まれる文書の番号を含む。第3のフィールド45は、不完全な印刷ジョブを送信したユーザのユーザIDまたはユーザ名を含む。第4のフィールド46は、エラーイベントの時間表示、たとえば日付および時刻を含む。第5のフィールド47は、エラーイベントの記述、ならびに回復可能印刷エラーによる不完全なおよび/または過剰な文書の影響を解決する方法の可能な指示を含む。文書の番号は、たとえばマルチファイル印刷ジョブではファイル名に対する最も近い識別でもよい。フィールドの数は、上述のフィールドに限定されるのではなく、正しいジョブおよび正しい文書の識別で、ならびにフィールド、たとえばエラー記述の分析後にとる正しい処置でユーザをサポートするために必要な追加フィールドを使って拡張されることができる。
【0045】
一実施形態では、出力チェックリスト40の各エントリは、たとえばタッチスクリーンとして構成されるたとえば表示手段を介して、またはマウスの(ダブル)クリックを介してマウス装置により操作されることができる。出力チェックリスト40からエントリ41を操作するとき(S760)、ナビゲーションが、選択されたエントリ41に関係のあるエラーを引き起こした少なくとも1つの文書に向けて、制御ユニット3により確立される(S770)。そのような文書は、図2に示されるように制御ユニット3の記憶手段4に、またはユーザのワークステーションの記憶手段に記憶される(S617)。たとえば、出力チェックリスト40のエントリ41を操作した後、選択リストを含むディレクトリ59を示す図5に示されるようなウィンドウ50が出現することができる。ウィンドウ50は、図4による出力チェックリスト40の選択されたエントリ41に関係のある不完全な印刷ジョブの一部である文書51および52の選択リストを含む。ウィンドウ50はまた、印刷ボタン53、編集ボタン54、削除ボタン55、ならびに各文書51および52に対する選択チェックボックス56を含む。選択リスト中の文書51および52は、状態欄に状態アイコン57および58による状態を有する。回復可能エラーを引き起こした文書は、警告アイコン57により選択リスト中で識別可能である。どんなエラーもなしに完全に印刷された文書は、チェックアイコン58により選択リスト中で識別可能である。マウスのカーソルが、選択リスト中の文書のエントリに入ったとき、何がうまくいかなかったかを簡潔に説明するためにツールチップが提供されることができる。
【0046】
次に、ユーザは、ウィンドウ50に示される文書51および52の1つを対応する選択チェックボックス56を介して選択すること、および文書を再び印刷するときに、関係のあるエラーを回避するために、選択された文書の編集動作を編集ボタン54を介して開始することを決定することができる。編集された文書は、印刷ボタン53を介して再び印刷される、または削除ボタン55を介して削除されることができる。
【0047】
ユーザは、たとえば、印刷された文書の不完全なページを置換するために余分なページが印刷されたことをエラー記述の分析が明らかにしたとき、文書を再び印刷しないことを決定することができる。不完全なページが、たとえば、デジタル入力ファイル中の不完全なページ記述により、あるいは幅の広い判の文書のロール印刷の場合には、誤った切断またはロールの終わりの状況により引き起こされることがある。その場合、ユーザは出力チェックリスト中のエントリのフィールドを用いて不完全なジョブを識別することができ、ユーザは出力チェックリストで識別された不完全なジョブの出力をチェックすることができ、ユーザは不完全なジョブの出力から余分なページを取り除くことができる。
【0048】
本発明が上記の実施形態に基づき説明されたが、当業者は特許請求の範囲の明確な記述の範囲内で別の実施形態を認識するであろう。そのような実施形態は、本発明の保護によりカバーされると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュールと、処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットとを含む画像処理装置により印刷ジョブを処理するための方法であって、前記方法が各印刷ジョブに対して、
(a)画像処理装置により印刷ジョブを印刷するステップと、
(b)出力モジュールに印刷ジョブの出力をスタックするステップと
を含み、
制御ユニットが出力チェックリストを維持するように構成されること、および方法が、
(c)処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力中に不完全なページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性があるページについてオペレータに助言するために、出力チェックリスト中にエントリを自動的に生成するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
出力チェックリスト中にエントリが生成されるとき、画像処理装置によりワークステーションに通知を送信するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワークステーション上に出力チェックリストを示すステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
画像処理装置のユーザインタフェースを介して出力チェックリストを示すステップを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
出力チェックリストのエントリを選択するステップを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
出力チェックリストのエントリを取り除くステップを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
出力チェックリストの各エントリについて、ジョブ識別項目、ジョブプロパティ、エラーの発生の日付および時刻、エラーの記述、ならびにエラーを解決する方法の指示のうち少なくとも1つを示すステップを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
出力チェックリストのエントリが、出力チェックリス中のエントリの生成後、所定の時間に自動的に取り除かれることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
出力スタック中の印刷ジョブの失敗した可能性のあるページの場合に印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるステップを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
対応する印刷ジョブの文書を自動的に示すステップを含むことを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
印刷ジョブを印刷するための画像処理装置であって、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュールと、処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットと、印刷ジョブの回復可能エラーを検出するための検出手段とを含み、制御ユニットが、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力に失敗したページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性があるページについてオペレータに助言するために、自動的にそれぞれ生成されるエントリを含む出力チェックリストを維持するように構成されることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
出力チェックリストにエントリが生成されたとき、画像処理装置によりネットワークを介してワークステーションに通知を送信するための送信手段を含むことを特徴とする、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
出力チェックリストが示されるユーザインタフェースを含むことを特徴とする、請求項11〜12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
出力スタック中の印刷ジョブの失敗した可能性があるページの場合に印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるための記憶手段を含むことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528741(P2012−528741A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513537(P2012−513537)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056963
【国際公開番号】WO2010/139563
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】