説明

画像処理装置上で文書を処理する方法

本発明は、それぞれいくつかの設定値のいずれにも設定できる複数の設定を処理することができる画像処理装置上で文書を処理する方法に関し、方法は、設定の第1のサブセットを規定するステップと、設定に対して選択できるいくつかの設定値のいずれも設定する第1のサブセットの各設定に対して、対応する設定値を設定されないままの第2のサブセットの各設定に対して、および処理される各文書に対して、第1のサブセットと区別する、設定の第2のサブセットを規定するステップと、デジタル文書を処理するためのジョブを規定するステップと、第1のサブセットおよび第2のサブセット、ならびに第1のサブセットの設定値をジョブと関連付けるステップと、第2のサブセットの各設定に対して設定値を対話で設定するステップと、第1のサブセットおよび第2のサブセットの設定値を伴うジョブを画像処理装置に提出するステップと、第1のサブセットおよび第2のサブセットの設定値に従って画像処理装置を用いて文書を処理するステップとを含む。本発明はまた、画像処理装置、および請求される方法のステップを実行するためのコンピュータプログラム製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各文書に対して設定の値に従って文書を処理するステップを含む、それぞれある値に設定することができる複数の設定に従って文書を処理することができる画像処理装置上で文書を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル文書を処理するそのような方法が、たとえば欧州特許出願公開第1557749号明細書により開示された。この特許出願で開示された方法は、ユーザのワークステーションから文書を印刷するのに適しており、デジタル文書ファイルをプリンタに提出するためにプリンタドライバを活動化させるステップと、プリンタドライバでプリント処理設定を指定するステップと、文書ファイルおよび設定をプリンタに提出するようドライバに命令するステップとを含み、設定の値は個々にまたは一括して指定される。そのような一括指定がユーザ選択可能な事前に記憶された1組の設定の選択として規定され、しばしばテンプレートと呼ばれる。たとえば、プリンタドライバのウィンドウが、そのような事前に記憶された1組の設定に関連する複数のボタンを含む。
【0003】
米国特許出願公開第2007/0097437号明細書でもテンプレートが使用されている。この特許出願によれば、ユーザが印刷機器にジョブを提出するとき、いくつかのトレーからのトレー選択と組み合わせて、いくつかの媒体設定テンプレートから媒体設定テンプレートを選択することができる。媒体設定テンプレートが、印刷機器に対して利用できる媒体を含む設定の第1のサブセットを含む。トレーが、印刷機器のトレーを含む設定の第2のサブセットから選択される。印刷機器にジョブを提出している間、ユーザが設定の第1のサブセット(媒体設定テンプレート)を要求するたびに、ユーザはまた設定の第2のサブセット(印刷機器のトレー)から選択をしなければならない。媒体設定テンプレートにはトレーフィールドは含まれない。
【0004】
上記で言及された欧州特許出願公開第1557749号明細書によれば、所定の1組の設定の少なくとも1つの値が、個々に指定されユーザにより確認されるたびに、新しいテンプレートが自動的に規定され、プリンタドライバ内で選択可能にされる。しかしながらこの様態は、ユーザがそのような値をしばしば変更する場合、多数のテンプレートをもたらす。この問題を克服するためには、新しく規定されたテンプレートが、たとえば即座に恒久的になり得るのではなく、ユーザの保存動作により恒久的にされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1557749号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0097437号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一部の設定では、値はジョブごとに変わることがある。たとえば、ジョブのいくつかのコピーが、または、スキャンジョブの場合にはスキャンジョブの結果が送信されなければならない電子メールアドレスが、その後のジョブに対して変わることがある。設定値が変わるたびに、ジョブは別のテンプレートを使って規定されなければならない。設定値が変わるたびに、ユーザは別のテンプレートを選択または生成しなければならない。これは、実質的にかなりの量の時間がかかり、ユーザにとって繰り返し動作となる。
【0007】
本発明の目的は、上述の問題が緩和される、画像処理装置上で文書を処理する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、文書を処理する前に、設定の第1のサブセットを規定するステップと、第1のサブセットと区別する設定の第2のサブセットを規定するステップと、第1のサブセットの各設定に対して値を設定するステップとを含む方法により達成され、方法は、処理される各文書に対して、ジョブデータ、ならびに第1のサブセットおよび第2のサブセットを含む設定を伴うジョブをユーザにより生成するステップと、第2のサブセットの各設定に対して値を自動的に要求するステップと、ユーザにより第2のサブセットの各設定に対して値を入力するステップとをさらに含む。
【0009】
設定に対して値を変える頻度は、多数のジョブに対して設定の値が同一の状況から、ジョブごとに設定の値が変化することになる状況まで変わることがある。したがって、文書処理のために任意のジョブを生成する前に、ユーザは複数の設定のうち2つのサブセットを選択することができる。多数のジョブに対して同一の値を有し一度に設定されるのに適した設定を含む、複数の設定のうちの第1のサブセットが選択されることができる。値がより頻繁に変わる設定を含む、第1のサブセットと区別する、複数の設定のうちの第2のサブセットが選択されることができる。第1のサブセットの規定、第1のサブセットに対する値の設定、および第2のサブセットの規定が、ユーザにより個々に、または情報サービス部門により会社ごとに行われることがある。
【0010】
処理される各文書に対して、文書を処理するために、ジョブデータ、ならびに第1のサブセットおよび第2のサブセットを含む本明細書の上述の複数の設定を伴うジョブが生成される。第1のサブセットの値が設定され、第1のサブセットの値に従って文書が処理されることになる。文書を処理する前、ユーザは、画像処理装置のユーザインタフェースを介して、またはユーザのワークステーション上のユーザインタフェースを介して、たとえば画像処理装置に適したドライバのユーザインタフェースを介して、第2のサブセットの値を要求される。第2のサブセットの設定の数は一般に大きくないので、第2のサブセットの値の入力に非常に多くの時間がかかるわけではない。第2のサブセットの各設定がユーザにより入力された値を提供されるまで、ジョブは処理されない。ユーザにより第2のサブセットの値が提供されるとすぐに、第2のサブセットの値はジョブの複数の設定に設定され、文書が第1のサブセットおよび第2のサブセットの値に従って画像処理装置により処理されることができる。ユーザは第2のサブセットの値を実際に入力しなければならないので、ユーザがこれらの値を入力することを忘れることはあり得ない。
【0011】
一実施形態では、方法は、欧州特許出願公開第1557749号明細書により規定されるように、第1のサブセットの各設定に対して値が設定された、第1のサブセットおよび第2のサブセットを含むテンプレートを生成する追加のステップを含む。第1のサブセットの値は、多数のジョブに対して同じとなることがある。第1のサブセットの値のインスタンスごとに、少なくとも1つの第2のサブセットが規定されることがある。この実施形態を適用することにより、前に言及された従来技術の問題が、上記で規定されるような第1のサブセットおよび第2のサブセットを含むテンプレートの生成により緩和される。画像処理装置上で処理されるいくつかのジョブがそのようなテンプレートを使用することができる。第1のサブセットおよび第2のサブセットは、処理されるジョブの生成前に、たとえばテンプレートの生成中に規定されることがある。
【0012】
第1のサブセットの値は、ジョブの設定のときに必要とされるが、任意のジョブの生成前のテンプレートの生成中に設定される。第1のサブセットおよび第2のサブセットを規定するステップ、および第1のサブセットの値を設定するステップの後に、テンプレートの規定が完了する。ユーザは、文書を画像処理装置上で処理するために、いくつかのジョブに特有のジョブに対してこのテンプレートを使用することを決定することができる。ユーザが画像処理装置用プリンタドライバ、画像処理装置のローカルのユーザインタフェース、または画像処理装置のためのWebユーザインタフェースを用いてこの決定を明らかにするとすぐに、ユーザは第2のサブセットの値を入力するよう自動的に要求される。そのような要求は、文書が処理される前に行われる。ユーザは、プリンタドライバ、ローカルのユーザインタフェース、またはWebユーザインタフェースを用いて第2のサブセットの値を入力する。第2のサブセットの値を入力した後、第1のサブセットおよび第2のサブセットを含むジョブの設定が完了し、ジョブは画像処理装置により処理される準備ができている。ジョブは、第1のサブセットおよび第2のサブセットの値を含むジョブの設定を考慮して、画像処理装置により処理される。
【0013】
一実施形態では、設定の第1のサブセットだけを含むテンプレートが生成される。設定の第2のサブセットはテンプレートの一部ではないが、ユーザのワークステーション上に、または画像処理装置のメモリ内に記憶されることがある。第2のサブセットはユーザインタフェースを介して追加で要求されることがある。ユーザインタフェースは、画像処理装置の一部でも、ユーザのワークステーション上のプログラムの一部でもよい。
【0014】
一実施形態では、方法は、いくつかの前に生成されたテンプレートに基づき追加のテンプレートの生成を自動的に提案するステップを含む。テンプレートが大多数の設定、およびこの大多数の設定の値も共通に有するような方法でいくつかのテンプレートが生成されると仮定する。ユーザは、共通設定の共通の値の第1のサブセット、およびいくつかの前に生成されたテンプレートに含まれちょうど規定された第1のサブセットの一部でない設定の第2のサブセットを含む新しいテンプレートの生成を提案されることがある。新しいテンプレートの生成後、いくつかの前に生成されたテンプレートはユーザにより削除されることができる。これは、テンプレートの数が低減され、より調査しやすくなるので有利である。
【0015】
一方、たとえば処理装置のコントローラにより、テンプレートが少数の値を除き第2のサブセットの同じ値で頻繁に使用されていることが認められる場合、処理装置は、たとえば処理装置のユーザインタフェースを介して、多くのジョブに対して値が同じである第2のサブセットの設定が第2のサブセットから第1のサブセットに移される新しいテンプレートを生成するようユーザに提案することができる。この方法では、第2のサブセット内の設定の数が低減されたので、テンプレートを使用するユーザは第2のサブセットの値を入力する際にそれほど努力する必要がない。
【0016】
一実施形態では、プリンタ、コピー機、スキャナ、または、印刷、コピー、およびスキャンニングの機能の2つ以上を結合する多機能装置上で文書を処理する方法が意図される。プリンタの場合、プリントジョブ設定が設定されることができる。また、プリントジョブ設定を含むテンプレートがユーザにより使用されることができる。
【0017】
コピー機の場合、コピージョブ設定が、コピー機に結合されるローカルのユーザインタフェースを介して、またはコピー機に接続されるワークステーションを介して設定されることができる。また、コピー機上に記憶されることができるコピージョブ設定を含むテンプレートが使用されることができる。
【0018】
スキャナの場合、スキャンジョブ設定が、スキャナに結合されるローカルのユーザインタフェースを介して、またはスキャナに接続されるワークステーションを介して設定されることができる。また、スキャンジョブ設定を含むテンプレートが使用されることができる。
【0019】
一実施形態では、画像処理装置はプリンタである。ユーザは、第1のサブセットおよび第2のサブセットを使ってテンプレートを生成するために、プリンタに適した、ユーザのワークステーション上にインストールされるドライバを使用することができる。ユーザは生成されたテンプレートを、ドライバを介して選択し、プリンタにジョブデータおよび設定を送信することを試みることができる。そうすることにより、次に、ユーザはドライバにより第2のサブセットの値を入力するよう促されることができる。第2のサブセットの値を完成させた後、ジョブ設定が完了し、ジョブはプリンタに自動的に送信されることができる。
【0020】
プリンタを有する別の実施形態では、ユーザはたとえばドライバを介してジョブのために第1のサブセットおよび第2のサブセットを使って、前に生成されたテンプレートを選択し、実際には第2のサブセットの値を入力することなくプリンタにジョブを送信することができる。ジョブがプリンタに到着すると、ユーザがプリンタに到着するまで、ジョブは保留される。ユーザは、ジョブに関連する文書をプリンタに印刷させるために、プリンタのローカルのユーザインタフェースを介してジョブを解放することができる。ジョブを解放するとき、ユーザは、ジョブのテンプレートの設定の一部である第2のサブセットの値を要求される。この方法では、ジョブは、ジョブのテンプレートの第1のサブセットおよび第2のサブセットの値を考慮して処理される。
【0021】
一実施形態では、画像処理装置はプリンタであり、方法はユーザのワークステーション上のユーザインタフェースを介して実行される。方法のすべてのステップが、ユーザのワークステーション上にインストールされるプログラムのユーザインタフェースを介して実行される。そのようなプログラムはドライバでもよく、設定の第1のサブセットおよび第2のサブセットを示す。
【0022】
一実施形態では、ユーザインタフェースはWebユーザインタフェースである。ユーザのワークステーションにはローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、またはインターネットへの接続がある。Webユーザインタフェースは、設定の第1のサブセットおよび第2のサブセットに対して値で埋められるべきフィールドを含む。
【0023】
一実施形態では、画像処理装置はプリンタであり、方法は、ユーザのワークステーションのユーザインタフェースを介して部分的に実行され、画像処理装置のユーザインタフェースを介して部分的に実行される。たとえば、第1のサブセットおよび第2のサブセットを生成するステップ、ならびに第1のサブセットの各設定に対して値を設定するステップが、ワークステーションのユーザインタフェースを介して実行されることができる。これらのステップを実行した後、ユーザは、ワークステーションのユーザインタフェースを介して各文書が処理されるジョブを生成し、ジョブをプリンタに提出することができる。ジョブがプリンタに到着し、ジョブがプリンタのユーザインタフェースを介して選択されることができるとき、第2のサブセットの各設定に対する値を自動的に要求しユーザにより第2のサブセットの各設定に対して値を入力する残りのステップが、プリンタのユーザインタフェースを介して実行されることができる。
【0024】
一実施形態では、第1のサブセットおよび第2のサブセットを規定し第1のサブセットの値を設定する方法のステップは、Webユーザインタフェースを用いて実行され、Webユーザインタフェースは、規定された設定および値を画像処理装置に送信することを可能にしている。第2のサブセットに対する値の設定は、画像処理装置のユーザインタフェースを介して実行されることができる。
【0025】
本発明はまた、発明された方法のステップを実行するように構成されるユーザインタフェースを含む画像処理装置に関する。
【0026】
本発明は、図1から図8と併せて実施形態を参照することにより説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ワークステーションおよび画像処理装置のネットワークシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態による画像処理装置の概略の機能図を示す。
【図3】本発明の一実施形態によるユーザのワークステーション上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4A−1】プリンタ上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4A−2】プリンタ上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4B−1】スキャナ上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4B−2】スキャナ上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4C−1】コピー機上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図4C−2】コピー機上のユーザインタフェースのウィンドウの概略図を示す。
【図5】印刷される文書の場合、プリンタドライバを用いて実行される発明された方法のステップを提示する流れ図を示す。
【図6】印刷される文書の場合、ユーザにより、部分的にプリンタドライバを用いて、部分的にプリンタのユーザインタフェースを用いて実行される発明された方法のステップを提示する流れ図を示す。
【図7】スキャンされる文書の場合、ユーザにより実行される発明された方法のステップを提示する流れ図を示す。
【図8】コピーされる文書の場合、ユーザにより実行される発明された方法のステップを提示する流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1はローカルネットワークNに接続されるワークステーション1を含むシステムを示す。本発明の一実施形態による方法は、画像処理装置2が、ワークステーション1の1つで作業をしており1組の文書を印刷またはスキャンする意図があるユーザに利用できる、また、文書をコピーしたいだけのユーザに利用できるこの種の環境での使用に特に適している。画像処理装置2はネットワークNに接続され、ワークステーション1から印刷ジョブを受け取るのに適している。ネットワークNは無線でもよい。画像処理装置2はユーザインタフェース9を含み、ユーザインタフェース9はさらに続けて説明される。
【0029】
一実施形態では、ワークステーション1のそれぞれが、ワークステーションにログインしたユーザに画像処理装置2上で文書を印刷させるためにプロセッサユニット、表示ユニット、キーボードおよびマウス、または別の入力手段を提供されたパーソナルコンピュータである。
【0030】
図2に示される一実施形態では、画像処理装置2は、開始ボタン8および取り消しボタン7を含むユーザインタフェース9、ならびにメモリ要素4たとえばハードディスクを含むコントローラ3を含み、デジタル文書の印刷を実行するために、表示手段25、ならびにユーザが指令を入力することができるようにするための入力手段24たとえばキーボードおよびマウスにさらに接続される。表示手段25はタッチスクリーンにより実現されることがある。取り消しボタン7および開始ボタン8は、表示手段25がタッチスクリーンである場合、表示手段25の一部となることがある。メモリ要素4はローカルネットワークN(図1)を介して画像処理装置2に提出された複数のジョブを含むのに適している。複数のジョブの一部が表示手段25上に表示されることができる。ユーザが、自分が処理したいジョブを表示手段25上で選択することができる。
【0031】
一実施形態では、ユーザのワークステーションからユーザにより提出される印刷ジョブの場合、ワークステーションにはいわゆるプリンタドライバが提供される。プリンタドライバがワークステーションのプロセッサユニットにより制御されるアプリケーションであり、印刷装置にデジタル文書を提出するタスクを印刷ジョブとして実行することができる。この実施形態の流れ図が図5に示されている。ワークステーションのメモリ手段上に記憶される、またはワークステーション上で実行されているアプリケーションプログラムにより生成される1つまたは複数のデジタル文書をユーザが印刷したいとき、ユーザは、たとえばこの目的のために意図されるアイコン(図示せず)をクリックすることによりプリンタドライバを呼び出す(S500)。インタフェースが、印刷される1つまたは複数のデジタル文書のためのテンプレートを、たとえば欧州特許出願公開第1557749号明細書で説明されるテンプレートを生成するためのボタンを表示する。ユーザが新しいテンプレートを生成したい場合(S510)、ユーザはテンプレート生成ボタンを選択する(S520)。テンプレート生成ボタンをクリックした後、プリンタドライバは、印刷設定31および入力フィールド32を含む、図3に示されるウィンドウ30を示すことができる。印刷設定31の値はユーザにより入力フィールド32内に印刷設定に対する値を入力する(S550)ことにより指定される。この時点で値が、たとえばプリンタ名称、印刷範囲、およびファイルへ出力のオプションが設定される印刷設定は、本発明による第1のサブセットを規定する(S530)。この時点で値が、たとえばカラー/グレースケールのオプションがまだ設定されない印刷設定は、本発明による第2のサブセットを規定する(S540)。ユーザは、テンプレートに名称38を付与し保存ボタン39を押下することにより、規定されたテンプレートを保存する(S560)。ユーザが別のテンプレートを生成したい場合、上記で説明されたステップS520〜S560が繰り返されることができる。別の実施形態では、説明されたステップS520〜S560は、プリンタドライバと別個に構成されるテンプレートドライバの呼び出しにより実行されることができる。この実施形態によれば、第1のサブセットおよび第2のサブセットは、入力フィールド32内に印刷設定に対する値を入力することにより暗黙のうちに規定される。
【0032】
別の実施形態では、第1のサブセットを規定するステップ(S530)および第2のサブセットを規定するステップ(S540)は第1のサブセットの値を入力するステップ(S550)から分離され、第1のサブセットの値を入力するステップ(S550)に先行することがある。
【0033】
ユーザは、プリンタ2に送信されるジョブを生成するとき、生成されたテンプレートを使用することができる。したがって、プリンタドライバは、保存されたテンプレートのリスト41aを介してユーザによりテンプレートが選択されることができる(S570)、図4a−1によるウィンドウを示すことができる。ウィンドウは無効にされた開始ボタン45を含む。テンプレートの、たとえばテンプレート−1の選択後、図4a−2によるウィンドウが、印刷設定42の第2のサブセットに対する入力フィールド43を示すために表示されることができる。ユーザは入力フィールド43内に値を入力する(S580)。ジョブは、有効にされた開始ボタン44を押下する(S590)ことによりプリンタに送信されることができる。プリンタ2にジョブが到着した後、ユーザは、印刷されるジョブを選択することができ、開始ボタン8(図2)を押下することができる。ジョブは、プリンタのユーザインタフェースを介して任意の追加の印刷設定を要求することなく印刷される。
【0034】
別の実施形態では、プリンタドライバを介してワークステーションで印刷ジョブが生成される。この実施形態のフローチャートが図6に示されている。プリンタドライバが呼び出され(S600)、ユーザは利用できるテンプレートのリストからテンプレートを選択する(S610)。しかしながら、テンプレートを選択した後、ジョブは印刷ボタンを押下することにより(S620)プリンタ2(図2)に即座に送信され、プリンタ2のメモリ4(図2)内に保存される。ユーザはプリンタまで赴いて(S630)、プリンタ2の場所で、メモリ4内の印刷ジョブが、たとえばプリンタ2の表示手段25(図2)を介して印刷するために選択されることができる(S640)。メモリ4内の印刷ジョブが処理されるように選択されたとき、表示手段25により図4a−2によるウィンドウに類似するウィンドウが示される。ウィンドウは、ジョブに属する印刷設定のまだ指定されていない値に対する入力フィールドを含む。ユーザは入力フィールドの中に値を入力することにより残りの設定を指定しなければならない(S650)(ジョブが誤っている、または印刷される必要がない場合、ジョブは取り消しボタン7(図2)を用いて取り消されることができる)。本明細書において上記で説明されたようにプリンタの場所でユーザにより指定されるべき印刷設定は、本発明による印刷設定の第2のサブセットと呼ばれる。ユーザがウィンドウ上ですべての入力フィールドに入力した場合、ユーザインタフェース9(図2)の開始ボタン8(図2)、またはウィンドウ上の開始ボタンが、プリンタ2に印刷ジョブを処理させるために押下されることができる(S660)。
【0035】
一実施形態では、印刷ジョブがユーザのワークステーション上に常駐するアプリケーションプログラムの出力である。アプリケーションは、第1の1組の印刷設定が、アプリケーションを用いて印刷ジョブを準備している間に設定されるような方法で構成されることができる。ユーザが自分の印刷ジョブを画像処理装置2(図2)に送信するとき、少なくとも2つの可能性がある。1つの可能性が、ユーザに第2のサブセットの値を入力させるために、ユーザのワークステーションがウィンドウを示すことである。その場合、印刷ジョブは画像処理装置2に提出され、画像処理装置2で任意の追加の印刷設定をユーザに要求することなく画像処理装置2により処理される。別の可能性が、ユーザはユーザのワークステーションのインタフェースを介して第2のサブセットの値を要求されず、印刷ジョブは画像処理装置2に送信されることである。ジョブが処理されようとするとすぐに、画像処理装置2の表示手段25がウィンドウ5(図2)を示す。ウィンドウ5は、印刷が行われる前にユーザが第2の1組の印刷設定の値を入力せざるを得ないような方法で構成される。
【0036】
スキャンジョブのフローチャートが図7に示されている。スキャンジョブの場合、ユーザは画像処理装置2(図2)まで赴いて(S700)、スキャンオプションを選択する(S710)。スキャンオプションの選択は、画像処理装置がスキャンニング機能しか有しない場合、省かれることがある。ユーザは、ユーザ自身、オペレータ、もしくは情報サービス部門により生成された、または納品のときに画像処理装置2と共に提供されたスキャンテンプレートのリスト51aからスキャンテンプレートを選択するために(S720)、表示手段25(図2)上に図4b−1によるウィンドウを得ることができる。ウィンドウは無効にされた開始ボタン55を含む。選択されたスキャンテンプレートは、スキャンされた文書から得られる結果のファイルの特性を決定する1組のスキャンジョブ設定をユーザに提供する。本発明によれば、値が設定された1組のスキャンジョブ設定は本発明による第1のサブセットと呼ばれる。
【0037】
スキャンテンプレートを、たとえばテンプレート−1という名称のスキャンテンプレートを選択した後、開始ボタン55が有効にされる。開始ボタン8(図2)または有効にされた開始ボタン55は、スキャンジョブを開始させるために押下されることができる(S730)。開始ボタンの1つを押下した直後、図4b−2によるウィンドウが表示手段25上に示される。ウィンドウは、選択されたスキャンテンプレートの名称51b、選択されたスキャンテンプレートに属するスキャン設定52、およびスキャン設定52に対応する入力フィールド53を含む。入力フィールド53は、選択されたスキャンテンプレートに対応するスキャンジョブ設定の第2のサブセットの値を指定するためにユーザにより値で埋められる(S740)ためのものである。たとえば、ユーザはスキャンされた文書がスキャンニング後に送信されなければならない電子メースアドレス、またはスキャンされた文書の所望のファイル形式を指定するよう要求される。具体的には、ユーザは、スキャンジョブを処理するために必要とされ、スキャンテンプレートでまだ設定されていない値を指定する。本発明によれば、これらの値は本発明による第2のサブセットと呼ばれる。入力フィールド53内に値を入力した後、ジョブは、たとえばこの場合も開始ボタン8を押下することにより(S750)、または図4b−2によるウィンドウの有効にされた開始ボタン54を押下することにより処理されることができる。
【0038】
本明細書において上記で説明された実施形態に類似する別の実施形態では、図4b−2によるウィンドウは、スキャン設定52の第2のサブセットの値をユーザに入力させる(S740)ためにスキャンテンプレートの選択(S720)後、即座に示される。この方法では、開始ボタン8(図2)、または図4b−2によるウィンドウの有効にされた開始ボタン54が一度だけ押下される必要がある(S750)。
【0039】
コピージョブのフローチャートが図8に示されている。コピージョブの場合、ユーザは画像処理装置2(図2)に赴いて(S800)、コピーオプションを選択する(S810)。コピーオプションの選択は、画像処理装置2がコピー機能だけを有する場合、省かれることがある。ユーザは、ユーザ自身またはオペレータにより生成された、または納品のときに画像処理装置2と共に提供されたコピーテンプレートのリスト61aからコピーテンプレートを選択する(S820)ために、表示手段25(図2)上に図4c−1によるウィンドウを得る。ウィンドウは無効にされた開始ボタン65を含む。選択されたコピーテンプレートは、元の文書をコピーした結果を決定する1組のコピージョブ設定をユーザに提供する。本発明によれば、値が設定された1組のコピージョブ設定は、本発明による第1のサブセットと呼ばれる。
【0040】
コピーテンプレートを選択した後、開始ボタン64が有効にされて、開始ボタン8(図2)または有効にされた開始ボタン64が、コピージョブを開始させるために押下されることができる(S830)。開始ボタン8または有効にされた開始ボタン64を押下した直後、図4c−2によるウィンドウが表示手段25上に示される。ウィンドウは、選択されたコピーテンプレートの名称61b、選択されたコピーテンプレートに属するコピー設定62、およびコピー設定62に対応する入力フィールド63を含む。入力フィールド63は、選択されたコピーテンプレートに属するコピー設定の第2の1組62の値を指定するためにユーザにより値で埋められる(S840)ためのものである。たとえば、ユーザは、文書がコピーされなければならない紙が選択されなければならない出力トレー、コピーの枚数、片面/両面オプションなどを指定する。具体的には、ユーザは、コピージョブを処理するために必要とされコピーテンプレートでまだ設定されていない値を指定する。本発明によれば、それらの値は本発明による第2のサブセットと呼ばれる。入力フィールド63に値を入力した後、コピージョブは、たとえばこの場合も開始ボタン8を押下することにより(S850)、または図4c−2によるウィンドウの有効にされた開始ボタン64を押下することにより処理されることができる。
【0041】
本明細書において上記で説明された実施形態に類似する別の実施形態では、図4c−2によるウィンドウは、コピー設定の第2のサブセット62の値をユーザに入力させる(S840)ためにコピーテンプレートの選択(S820)後、即座に示される。この方法では、開始ボタン8(図2)、または図4c−2によるウィンドウの有効にされた開始ボタン64は、一度だけ押下される必要がある(S850)。
【0042】
上記で説明されたスキャンジョブは、多機能装置またはスキャナ上で処理されることができる。上記で説明されたコピージョブは、多機能装置またはコピー機上で処理されることができる。
【0043】
本発明が上記の実施形態に基づき説明されたが、当業者は請求項の明確な表現の範囲内に入る別の実施形態を理解する。そのような実施形態は本特許の保護によりカバーされると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各文書に対して設定の値に従って文書を処理するステップを含む、それぞれある値に設定できる複数の設定に従って文書を処理することができる画像処理装置上で文書を処理する方法であって、
文書を処理するステップの前に、
(a)設定の第1のサブセットを規定するステップと、
(b)第1のサブセットと区別する、設定の第2のサブセットを規定するステップと、
(c)第1のサブセットの各設定に対して値を設定するステップと
を含み、処理される各文書に対して、
(d)ユーザにより、ジョブデータ、ならびに(a)および(b)で規定される設定を伴うジョブを生成するステップと、
(e)第2のサブセットの各設定に対して値を自動的に要求するステップと、
(f)ユーザにより第2のサブセットの各設定に対して値を入力するステップと
をさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
第1のサブセットおよび第2のサブセットを含む、ユーザが選択できる事前に保存された1組の設定であるテンプレートを生成する追加ステップを含みことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
いくつかの前に生成されたテンプレートに基づき追加のテンプレートの生成を自動で提案するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
画像処理装置がプリンタ、コピー機、またはスキャナである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
画像処理装置が、方法が実行されるローカルのユーザインタフェースを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
画像処理装置がプリンタであり、方法がユーザのワークステーション上のユーザインタフェースを介して実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ユーザインタフェースがWebユーザインタフェースである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザインタフェースがプリンタドライバのユーザインタフェースである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
画像処理装置がプリンタであり、方法がユーザのワークステーションのユーザインタフェースを介して部分的に実行され、画像処理装置のユーザインタフェースを介して部分的に実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
請求項1による方法のステップを実行するように構成されるユーザインタフェースを含む画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A−1】
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【図4A−2】
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【図4B−1】
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【図4B−2】
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【図4C−1】
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【図4C−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−516794(P2012−516794A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548643(P2011−548643)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050904
【国際公開番号】WO2010/089235
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】