説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】本構成を有していない場合と比較して、処理に関する設定の回数を減らすことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、原稿の特徴と処理とを対応付けて記憶する記憶手段と、原稿から原稿の特徴を読み取る読取手段と、前記記憶手段を参照して、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴が処理に対応付けられている場合には、これに従って画像を処理するように制御する制御手段とを有する画像処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2次元の画像パターンからなるコード情報によって構成される指定情報を含むシート媒体の画像を読み取り、ジョブを実行する画像処理装置が開示されている。
特許文献2には、非可視の特殊バーコードとして印刷された指示書を含む処理対象文書を読み込み、各処理を実行する印刷装置が開示されている。
特許文献3には、複数の設定用紙から画像を読み取り、読み取った画像の組み合わせに対応する認証コードがあるか否かを判断することによって認証処理を実行する画像読取装置が開示されている。
特許文献4には、二次元コードとして記録された装置制御設定情報を含む原稿を読み取り、認証及び動作を実行する多機能入出力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−316053号公報
【特許文献2】特開2005−262754号公報
【特許文献3】特開2006−261832号公報
【特許文献4】特開2007−221747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、本構成を有していない場合と比較して、処理に関する設定の回数を減らすことができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[画像処理装置]
請求項1に係る発明は、原稿の特徴と処理とを対応付けて記憶する記憶手段と、原稿から原稿の特徴を読み取る読取手段と、前記記憶手段を参照して、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴が処理に対応付けられている場合には、これに従って画像を処理するように制御する制御手段とを有する画像処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記原稿の特徴は、予め定められた文字列又は図形を含む画情報と、この画情報の原稿における位置を示す位置情報とである請求項1に記載の画像処理装置である。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記記憶手段は、原稿の特徴と、処理と、この処理の結果を集計する集計単位とを対応付けて記憶し、処理に対応付けられている集計単位に基づいて、前記処理手段により行われた処理の結果を集計する集計手段をさらに有する請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記記憶手段は、処理の実行が許可される認証単位と、処理の実行が許可されるための認証情報とをさらに対応付けて記憶し、前記制御手段は、入力された認証情報が、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる認証情報と一致するか否か、及び、認証情報を入力した主体が、認証単位と一致するか否かに応じて、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる認証単位、及び、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる処理に従って、画像を処理するように制御する請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
【0009】
[プログラム]
請求項5に係る発明は、原稿の特徴と処理とを対応付けて記憶するステップと、原稿から原稿の特徴を読み取るステップと、読み取られた原稿の特徴が処理に対応付けられている場合には、これに従って画像を処理するように制御するステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、処理に関する設定の回数を減らすことができる画像処理装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、原稿の特徴として、画情報及びこの位置情報を適用することができる画像処理装置を提供することができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明による効果に加えて、本構成を有していない場合と比較して、集計単位を設定する回数を減らすことができる画像処理装置を提供することができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明による効果に加えて、本構成を有していない場合と比較して、認証単位を設定する回数を減らす画像処理装置を提供することができる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、処理に関する設定の回数を減らすことができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置である、複合機のハードウエア構成を示す図である。
【図2】複合機で動作する第1のジョブ実行プログラムの構成を示す図である。
【図3A】タッチパネルに表示される画面例である。
【図3B】タッチパネルに表示される画面例である。
【図3C】タッチパネルに表示される画面例である。
【図3D】タッチパネルに表示される画面例である。
【図3E】タッチパネルに表示される画面例である。
【図4】複合機で動作する第1のジョブ実行プログラムの動作フローを示すフローチャートである。
【図5】複合機で動作する第2のジョブ実行プログラムの構成を示す図である。
【図6】タッチパネルに表示される画面例である。
【図7】複合機で動作する第2のジョブ実行プログラムの動作フローを示すフローチャートである。
【図8】複合機で動作する第3のジョブ実行プログラムの構成を示す図である。
【図9】タッチパネルに表示される画面例である。
【図10】複合機で動作する第3のジョブ実行プログラムの動作フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は本発明を実施するのにあたっての一例に過ぎず、本発明が以下に説明される事項に限定されるわけではなく必要に応じて適宜変更可能である。例えば、以下の説明は、コピー、プリント、ファクシミリ送信、メール送信及びネットワーク転送などの複数の機能を有するいわゆる複合機に限定されているが、ファクシミリ送信の機能のみを有するファクシミリなどにも適用可能である。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置である、複合機1のハードウエア構成を示す図である。図1に示すように、複合機1は、CPU10、メモリ12、ハードディスクドライブなどの記憶装置14、他のコンピュータとデータを送受信する通信インターフェース(IF)16、タッチパネルなどのユーザインターフェース(UI)装置18、スキャナ20およびプリント部22から構成される。これらの構成要素は、制御バス24を介して互いに通信可能に接続される。
メモリ12は、第1のジョブ実行プログラム26、第2のジョブ実行プログラム28及び第3のジョブ実行プログラム30(いずれも詳細は後述)及びスキャナ20により読み取られた画像情報などを記憶する。
記憶装置14は、ジョブ登録情報、集計情報及び認証情報(いずれも詳細は後述)などを記憶する。
CPU10は、メモリ12に記憶された第1のジョブ実行プログラム26、第2のジョブ実行プログラム28及び第3のジョブ実行プログラム30などに基づいて、所定の処理を実行して、複合機1の動作を制御する。
なお、記憶装置14に記憶される情報はメモリ12に記憶されてもかまわないし、メモリ12に記憶される情報が記憶装置14に記憶されてもかまわない。
【0018】
UI装置18は、各種情報の入力を受け付け、各種情報を表示する。
スキャナ20は、原稿をスキャンして、画像情報を読み取る。
【0019】
図2(a)は、図1の複合機1上で動作する第1のジョブ実行プログラム26の構成を示す図であり、図2(b)は、図1の複合機1上で動作する第1のジョブ実行プログラム26の別の構成を示す図である。
図2(a)に示すように、第1のジョブ実行プログラム26は、ジョブ制御部260及び判定部262を有する。このような構成により、第1のジョブ実行プログラム26は、原稿から読み取った画像情報に基づいて、ジョブを実行することができる。
ジョブ制御部260は、複合機1に原稿がセットされ、図1のUI装置18のスタートボタン(不図示)が押下された場合、ジョブを実行するための前作業を実行する(ジョブ起動)よう、図1の各構成部を制御する。また、ジョブ制御部260は、判定部262からジョブの内容が出力された場合、そのジョブが実行されるよう、図1の各構成部を制御する。一方、判定部262からエラーが出力された場合、エラーが表示されるよう、図1のUI装置18を制御する。
【0020】
ジョブ制御部260によってジョブが起動された後、判定部262は、図1のメモリ12及び記憶装置14を参照し、図1のスキャナ20により読み取られた画像情報が、ジョブ登録情報として設定された原稿の特徴を含むか否かを判定する。
判定部262は、読み取られた画像情報が、ジョブ登録情報として設定された原稿の特徴を含むと判定する場合、原稿の特徴に対応付けられたジョブの内容をジョブ制御部260に出力し、これ以外の場合、エラーをジョブ制御部260に出力する。
【0021】
なお、図2(a)では、判定前にジョブを起動するとして説明したが、判定後にジョブを起動及び実行してもよい。例えば、図2(b)に示すように、複合機1に原稿がセットされ、スタートボタンが押下された場合、判定部264が、メモリ12及び記憶装置14を参照して、スキャナ20により読み取られた画像情報がジョブ登録情報として設定された原稿の特徴を含むか否かを判定し、ジョブ実行部266が、この判定結果に基づいて、図1の各構成部を制御してもよい(以下、図5及び8において同様)。
【0022】
図3は、図1のUI装置18であるタッチパネル(不図示)に表示される画面例である。
図3Aは、原稿の特徴として、原稿に含まれる画像の種類及びその位置を設定する場合、タッチパネルに表示される画面例である。図3Aに示すように、原稿に含まれる画像の種類及びその位置を選択することができる。
なお、以下、原稿の特徴は、原稿に含まれる画像の種類及びその位置として説明するが、これに限らない。
また、以下、ジョブ登録情報は、システム管理者が設定してもよいし、ジョブ登録画面として集計単位及び認証単位が設定される場合には、集計単位及び認証単位であるユーザが設定してもよい。
【0023】
図3Bは、図3Aの画面例において原稿の特徴を設定した後、ジョブの種別を設定する場合、タッチパネルに表示される画面例である。図3Bに示すように、ジョブの種別を選択することができる。ここでは、ジョブの種別として、コピーが選択されるものとする。
【0024】
図3Cは、図3Bの画面例においてジョブの種別を設定した後、ジョブに関するパラメータ(ジョブパラメータ)を設定する場合、タッチパネルに表示される画面例である。図3Cに示すように、コピーに関する各種パラメータを設定することができる。
【0025】
図3Dは、図3Aの画面例において原稿の特徴が設定され、図3B及び図3Cの画面例においてジョブが設定された後、設定内容を確認する場合、タッチパネルに表示される画面例である。図3Dに示すように、図3Aの設定内容(原稿の特徴)と、図3B及び図3Cの設定内容(ジョブの種別及びジョブパラメータ)とが表示され、これらを対応付けること(登録)ができる。
なお、登録ボタンを押下することによって対応付けられた原稿の特徴、ジョブの種別及びジョブパラメータは、ジョブ登録情報として図1の記憶装置14に記憶される。
【0026】
図3A〜Dを参照して説明したのと同様の方法により、図3Dの画面例に示す設定内容とは異なる設定内容を、ジョブ登録情報として記憶してもよい。図3Bの画面例において、ジョブの種別として、ファクシミリが選択された場合には、例えば、図3Eに示す画面例がタッチパネルに表示される。
以下、図3Dの画面例に示す組合せを「フォーマット1」と記述し、図3Eの画面例に示す組合せを「フォーマット2」と記述する。
【0027】
図4は、図1の複合機1上で動作する第1のジョブ実行プログラム26の動作フロー(S10)を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップ100(S100)において、図2のジョブ制御部260は、複合機1に原稿がセットされ、スタートボタンが押下された場合、ジョブが起動されるよう、図1の各構成部を制御する。
【0028】
ステップ102(S102)において、図1のスキャナ20は、ステップ100でセットされた原稿をスキャンし、画像情報を読み取る。一度に読み取られる原稿が2枚以上ある場合には、すべての原稿をスキャンする。
ここで、次に読み取られる原稿がある場合には、次に読み取られる原稿に対し、ステップ104〜108の処理を繰り返す。なお、次に読み取られた画像情報に含まれる原稿の特徴が、最初に読み取られた画像情報に含まれる原稿の特徴と異なる場合、いずれの原稿の特徴に基づいてジョブを実行するかは、ユーザから受け付けた選択に基づいてもよい。
【0029】
ステップ104(S104)において、図2の判定部262は、図1の記憶装置14を参照し、ステップ102で読み取られた画像情報が、ジョブ登録情報として設定された原稿の特徴をいくつ含むか判定する。
判定部262は、原稿の特徴を含まないと判定する場合、処理を終了し、原稿の特徴を1つだけ含むと判定する場合、ステップ106の処理に進み、原稿の特徴を2つ以上含むと判定する場合(スキャナ20が誤って認識した場合も含む)には、ステップ108の処理に進む。
例えば、ジョブ登録情報として、フォーマット1及び2が設定されている場合、判定部262は、フォーマット3の原稿が読み取られたとき、処理を終了し、フォーマット1の原稿が読み取られたとき、ステップ106の処理に進み、フォーマット1の原稿及びフォーマット2の原稿が読み取られたとき、ステップ108の処理に進む。
【0030】
ステップ106(S106)において、判定部262は、記憶装置14を参照し、ステップ104において画像情報に含まれると判定された原稿の特徴に対応付けられるジョブの内容を、ジョブ制御部260に出力する。ジョブ制御部260は、判定部262から出力されたジョブの内容に基づいて、ジョブを実行する。
例えば、フォーマット1の原稿が読み取られた場合、判定部262は、フォーマット1に対応付けられているジョブの種別及びジョブパラメータを、ジョブ制御部260に出力する。
【0031】
ステップ108(S108)において、判定部262は、記憶装置14を参照し、ステップ104において画像情報に含まれると判定された原稿の特徴のうち、いずれかに対応付けられるジョブの内容を、ジョブ制御部260に出力する。ジョブ制御部260は、判定部262から出力されたジョブの内容に基づいて、ジョブを実行する。
例えば、フォーマット1の原稿及びフォーマット2の原稿が読み取られた場合、判定部262は、最初に読み取ったフォーマットに対応付けられるジョブが実行されるようにしてもよいし、フォーマット1及びフォーマット2に対応付けられるジョブの内容それぞれが、タッチパネルに表示され、ユーザによって選択されるようにしてもよい。
また、フォーマット1の原稿が100部読み取られ、フォーマット2の原稿が100部読み取られた場合、判定部262は、最初の100部(1〜100部)にはフォーマット1に対応付けられるジョブが実行され、次の100部(101〜200部)にはフォーマット2に対応付けられるジョブが実行されるようにしてもよいし、200部すべてにフォーマット1(又はフォーマット2)に対応付けられるジョブが実行されるようにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、原稿の特徴及びジョブの内容を予め対応付けることにより、ジョブに関する設定の回数が減る。また、悪意ある第三者などが、予め対応付けられた内容とは異なる内容でジョブを実行したり、正規のユーザが故意に間違えた内容でジョブを実行したりすることが起こりにくくなる。さらに、システム管理者以外のユーザは、基本的に、予め対応付けられた内容を知り得ないので、情報漏えいが起こりにくくなる。
また、ジョブの内容そのものを画情報として原稿に埋め込む場合、ジョブの内容が変更されたときには、画情報も変更する必要があるのに比べ、画情報を含む原稿の特徴及びジョブの内容を対応付ける場合、ジョブの内容だけを変更すればよく、画情報まで変更する必要はない。
【0033】
図5は、図1の複合機1上で動作する第2のジョブ実行プログラム28の構成を示す図である。図5に示すように、第2のジョブ実行プログラム28は、ジョブ制御部280及び判定部282を有する。第2のジョブ実行プログラム28は、このような構成により、原稿から読み取った画像情報に基づいて、ジョブを実行しつつ、ジョブの実行結果を集計することができる。
ジョブ制御部280は、図2に示したジョブ制御部260と同様、複合機1に原稿がセットされ、スタートボタンが押下された場合、ジョブを起動して、図1の各構成部を制御するとともに、判定部282からジョブの内容が出力された場合、ジョブが実行されるよう、図1の各構成部を制御する。
さらに、ジョブ制御部280は、実行されたジョブに関する情報(例えば、コピーされた部数)は、集計単位と対応付け、集計情報として図1の記憶装置14に記録する。
判定部282は、図2の判定部262と同様、ジョブ制御部280によってジョブが起動された後、図1のメモリ12及び記憶装置14を参照し、読み取られた画像情報がジョブ登録情報として設定された原稿の特徴を含む場合、原稿の特徴に対応付けられるジョブの内容をジョブ制御部280に出力し、これ以外の場合、エラーをジョブ制御部280に出力する。
【0034】
図6は、第2のジョブ実行プログラム28が実行された場合であって、図3Aの画面例において原稿の特徴が設定され、図3B及び図3Cの画面例においてジョブが設定された後、設定内容を確認する場合、タッチパネルに表示される画面例である。
図6に示すように、図3Dの画面例における表示内容に加え、ジョブの集計単位が表示される。図6に示すジョブ登録情報に基づいてジョブが実行される場合、グループ1のジョブとして集計される。
ここでは、集計単位をグループとしたが、ユーザであってもよい。また、集計単位を課金の対象としてもよい。
【0035】
図7は、図1の複合機1上で動作する第2のジョブ実行プログラム28の動作フロー(S20)を示すフローチャートである。
図7におけるステップ200〜206,210(S200〜206,210)は、図5におけるステップ100〜108(S100〜108)と同じ処理である。
ステップ208(S208)において、図5のジョブ制御部280は、図1の記憶装置14を参照し、ステップ204において画像情報に含まれると判定された原稿の特徴に対応付けられるジョブの内容に基づいて、集計情報を更新する。
ステップ212(S212)において、ジョブ制御部280は、記憶装置14を参照し、ステップ204において画像情報に含まれると判定された原稿の特徴のうち、いずれかに対応付けられるジョブの内容に基づいて、集計情報を更新する。
【0036】
以上、ジョブの実行に認証が要求されないものとして説明したが、以下、ジョブの実行に認証が要求される場合を説明する。
ジョブの実行に認証を要求する場合には、例えば、ジョブの実行が許可されたユーザ名及びパスワードを、図1の記憶装置14に予め記憶しておき、ジョブ実行時、ユーザに対し、ユーザ名及びパスワードの入力を促す。
予め記憶されたユーザ名及びパスワードが入力された場合、認証に成功したとされ、ユーザは認証ユーザとしてログインする。一方、これ以外の場合には、認証に失敗したとされ、ユーザは未認証ユーザとしてログインする。ログイン状態(ログイン又はログアウト)は、ユーザ名及びパスワードに対応付けられて、認証情報として記憶装置14に記憶される。なお、認証に失敗した場合、エラーをタッチパネル等に表示し、未認証ユーザとしてログインすること自体を禁止してもよい。
【0037】
図8は、図1の複合機1上で動作する第3のジョブ実行プログラム30の構成を示す図である。図8に示すように、第3のジョブ実行プログラム30は、ジョブ制御部300及び判定部302を有する。第3のジョブ実行プログラム30は、このような構成により、原稿から読み取った画像情報に基づいて、ジョブの実行に認証を要求することができる。
ジョブ制御部300は、図5に示したジョブ制御部280と同様、複合機1に原稿がセットされ、スタートボタンが押下された場合、ジョブを起動し、図1の各構成部を制御するとともに、判定部302からジョブの内容が出力された場合には、ジョブが実行されるよう、図1の各構成部を制御する。
さらに、ジョブ制御部300は、ログインユーザが認証単位とは異なるユーザ又は未認証ユーザであり、認証単位のジョブとしてジョブが実行された場合には、認証情報のログイン状態を再度更新する。
【0038】
判定部302は、図5に示した判定部282と同様、ジョブ制御部300によってジョブが起動された後、図1のメモリ12及び記憶装置14を参照し、読み取られた画像情報がジョブ登録情報として設定された原稿の特徴を含むか否かを判定する。
さらに、判定部302は、記憶装置14を参照し、認証情報に含まれるログインユーザが、ジョブ登録情報として設定された認証単位と同じユーザ、ジョブ登録情報として設定された認証単位とは異なるユーザ及び未認証ユーザのいずれであるかを判定する。
判定部302は、ログインユーザが認証単位と同じユーザであると判定する場合には、このユーザのジョブとしてジョブが実行されるよう、ジョブの内容をジョブ制御部300に出力する。また、ログインユーザが認証単位とは異なるユーザであると判定する場合には、ログインユーザ及び認証単位のいずれかのジョブとしてジョブが実行されるよう、ジョブの内容をジョブ制御部300に出力する。ログインユーザが未認証ユーザであると判定する場合には、認証単位のジョブとしてジョブが実行されるよう、ジョブの内容をジョブ制御部300に出力する。
なお、ログインユーザが認証単位とは異なるユーザ又は未認証ユーザであり、認証単位のジョブとしてジョブが実行される場合には、認証情報のログイン状態を更新する。
【0039】
図9は、第3のジョブ実行プログラム30が実行された場合であって、図3Aの画面例において原稿の特徴が設定され、図3B及び図3Cの画面例においてジョブが設定された後、設定内容を確認する場合、タッチパネルに表示される画面例である。
図9に示すように、図3Dの画面例における表示内容に加え、ジョブの実行が許可される認証単位が表示される。図9に示すジョブ登録情報に基づいてジョブが実行される場合、認証が要求される。
ここでは、認証単位をユーザとしたが、グループであってもよい。また、図6の画面例の集計単位をさらに設定してもよいし、認証単位及び集計単位を同じユーザ又はグループとして設定してもよい。
【0040】
図10は、図1の複合機1上で動作する第3のジョブ実行プログラム30の動作フロー(S30)を示すフローチャートである。
図10におけるステップ300〜304(S300〜304)は、図7におけるステップ200〜204(S200〜204)と同じ処理である。
ステップ306(S306)において、図8の判定部302は、図1の記憶装置14を参照し、ステップ304において画像情報に含まれると判定された原稿の特徴のうち、いずれかに対応付けられる認証単位を決定する。どの原稿の特徴を選択するかは、例えば、ユーザから受け付けた選択に基づく。
【0041】
ステップ308(S308)において、判定部302は、記憶装置14を参照し、認証情報に含まれるログインユーザが、ジョブ登録情報として設定された認証単位(又は、選択された原稿の特徴に対応付けられる認証単位)と同じユーザ、異なるユーザ、及び、未認証ユーザのいずれであるかを判定する。
判定部302は、ログインユーザが認証単位と同じユーザである場合、ステップ310の処理に進み、ログインユーザが認証単位とは異なるユーザである場合、ステップ312の処理に進み、ログインユーザが未認証ユーザである場合、ステップ318の処理に進む。
ステップ310(S310)において、図7におけるステップ206と同じ処理が行われる。
【0042】
ステップ312(S312)において、図8のジョブ制御部300は、ログインユーザ及び認証単位のいずれとしてジョブが実行されるかに応じて、認証情報を更新する。
ジョブ制御部300は、認証単位のジョブとしてジョブが実行される場合には、記憶装置14を参照し、認証情報のうち、ログイン状態を更新する。
具体的には、ジョブ制御部300は、ログインユーザのログイン状態をログアウトに変更し、認証単位として設定されているユーザのログイン状態をログインに変更する(つまり、ログインユーザを一時的に変更する)。
例えば、認証単位が富士太郎であり、ログインユーザが富士次郎である場合、富士太郎がログインし、富士次郎がログアウトするよう、ログイン状態を一時的に変更する。一方、ログインユーザとしてジョブが実行される場合には、認証情報を更新しない。
なお、ログインユーザ及び認証単位のいずれとしてジョブが実行されるかは、例えば、ユーザから受け付けた選択に基づいてもよいし、予め定められた設定に基づいてもよい。
ステップ314(S314)において、図7におけるステップ206と同じ処理が行われる。
【0043】
ステップ316(S316)において、ジョブ制御部300は、認証情報が更新され、認証単位のジョブとしてジョブが実行された場合には、ステップ312において更新された認証情報を再度更新する。
具体的には、ステップ312でログイン状態をログインに変更されたユーザについて、ログイン状態をログアウトに再変更し、ステップ314でログイン状態をログアウトに変更されたユーザについて、ログイン状態をログインに再度変更する(つまり、一時的に変更されたログインユーザを元に戻す)。
例えば、認証単位が富士太郎であり、ログインユーザが富士次郎である場合、ステップ312でログインした富士太郎がログアウトし、ログアウトされた富士次郎がログインするよう、ログイン状態を再度変更する。
なお、ジョブ登録情報として集計単位が設定されている場合には、ジョブ制御部300は、図7におけるステップ208と同様にして、集計情報を更新する。
【0044】
ステップ318〜322(S318〜322)において、ジョブ制御部300は、ステップ312〜316と同様の処理を行う。
なお、認証に失敗した場合、未認証ユーザとしてログインすること自体を禁止するときには、ジョブ制御部300は、ステップ318〜322の処理は行わず、エラーを出力して処理を終了する。
【符号の説明】
【0045】
1 複合機
10 CPU
12 メモリ
14 記憶装置
16 通信IF
18 UI装置
20 スキャナ
22 プリント部
24 制御バス
26 第1のジョブ実行プログラム
260 ジョブ制御部
262 判定部
264 判定部
266 ジョブ実行部
28 第2のジョブ実行プログラム
280 ジョブ制御部
282 判定部
30 第3のジョブ実行プログラム
300 ジョブ制御部
302 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の特徴と処理とを対応付けて記憶する記憶手段と、
原稿から原稿の特徴を読み取る読取手段と、
前記記憶手段を参照して、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴が処理に対応付けられている場合には、この処理に従って画像を処理するように制御する制御手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記原稿の特徴は、予め定められた文字列又は図形を含む画情報と、この画情報の原稿における位置を示す位置情報とである
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、原稿の特徴と、処理と、この処理の結果を集計する集計単位とを対応付けて記憶し、
処理に対応付けられている集計単位に基づいて、前記処理手段により行われた処理の結果を集計する集計手段
をさらに有する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、処理の実行が許可される認証単位と、処理の実行が許可されるための認証情報とをさらに対応付けて記憶し、
前記制御手段は、入力された認証情報が、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる認証情報と一致するか否か、及び、認証情報を入力した主体が、認証単位と一致するか否かに応じて、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる認証単位、及び、前記読取手段により読み取られた原稿の特徴に対応付けられる処理に従って、画像を処理するように制御する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
原稿の特徴と処理とを対応付けて記憶するステップと、
原稿から原稿の特徴を読み取るステップと、
読み取られた原稿の特徴が処理に対応付けられている場合には、この処理に従って画像を処理するように制御するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−226583(P2010−226583A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73472(P2009−73472)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】