説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】医用画像の比較読映を容易に行えるようにすること。
【解決手段】実施の形態の画像処理装置では、変換部が、所定の形状の天板を有する第一医用画像診断装置によって撮像された被検体の第一医用画像、及び、前記第一医用画像診断装置と同一種類の医用画像を撮像する医用画像診断装置であり、前記所定の形状とは異なる天板を有する第二医用画像診断装置によって撮像された前記被検体の第二医用画像と前記第一医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置などの医用画像診断装置によって撮像された医用画像を比較して読映が行われている。かかる比較読映が行われる場合には、今回の検査で撮像された医用画像と過去の検査で撮像された医用画像とが比較されることが多い。
【0003】
例えば、X線CT装置によって撮像されたX線CT画像を用いて放射線治療が行われる場合には、治療前の画像と治療後の画像とを比較読映して、病変部位の経過観察が行われる。ここで、放射線治療の治療計画に用いられる治療計画専用のX線CT装置は、撮像時の被検体の体位が放射線治療時の体位と同一になるように、放射線治療装置に備えられている天板と同一形状の天板を有している。
【0004】
具体的には、放射線治療装置の天板は、治療を行うごとの被検体の体位の変化を抑制して、体内における病変部位の位置を一定に保つために、硬質な水平形状を有している。従って、治療計画専用のX線CT装置は、放射線治療装置と同様の水平形状の天板を有している。一方、診断用のX線CT装置は、種々の形状の天板を有しており、水平形状の天板のほかに、例えば、被検体側に湾曲した形状の天板であるR天板を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−207615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、医用画像の比較読映が困難になる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の画像処理装置は変換部を備える。変換部は、所定の形状の天板を有する第一医用画像診断装置によって撮像された被検体の第一医用画像、及び、前記第一医用画像診断装置と同一種類の医用画像を撮像する医用画像診断装置であり、前記所定の形状とは異なる天板を有する第二医用画像診断装置によって撮像された前記被検体の第二医用画像と前記第一医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施例1に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、医用画像データベースによって記憶された医用画像の一例を示す図である。
【図3】図3は、位置決定部による処理の一例を示す図である。
【図4】図4は、画像変換部による重畳処理の一例を示す図である。
【図5】図5は、画像変換部による座標算出処理の一例を示す図である。
【図6】図6は、画像変換部によって算出された座標の一例を示す図である。
【図7】図7は、画像変換部による画像変換処理の一例を示す図である。
【図8】図8は、表示制御部による処理の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施例1に係る画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
まず、実施例1に係る画像処理装置の構成について説明する。図1は、実施例1に係る画像処理装置100の構成を示す図である。図1に示すように、実施例1に係る画像処理装置100は、入力部110と、表示部120と、位置決定部130と、画像変換部140と、変換画像記憶部150と、表示制御部160とを有する。そして、画像処理装置100は、医用画像診断装置200によって生成され医用画像データベース300に格納されている医用画像に対して、比較読映を行うための画像処理を実行する。
【0010】
なお、変換画像記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。また、位置決定部130、画像変換部140及び表示制御部160は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0011】
医用画像診断装置200は、X線CT装置やMRI装置、CR装置などである。医用画像データベース300は、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースなどである。
【0012】
本実施例では、画像処理装置100が、同一被検体の過去と最新のX線CT検査において、医用画像診断装置200としてのX線CT装置によって生成された医用画像に対して画像処理を実行する場合について説明する。また、以下では、過去の検査によって医用画像診断装置200としてのX線CT装置が生成した医用画像を過去医用画像と記し、最新の検査によって医用画像診断装置200としてのX線CT装置が生成した医用画像を最新医用画像と記す。
【0013】
図2は、医用画像データベース300によって記憶された医用画像の一例を示す図である。例えば、医用画像データベース300は、図2の(A)に示すように、「2010年1月12日」に「患者:A」が、水平形状の天板であるフラット天板を有するX線CT装置によって検査された際の複数の断面画像を過去医用画像群として記憶している。また、医用画像データベース300は、図2の(B)に示すように、「2010年3月12日」に「患者:A」が、被検体側に湾曲した天板であるR天板を有するX線CT装置によって検査された際の複数の断面画像を最新医用画像群として記憶している。なお、図2に示す関心領域とは病変部位を意味している。
【0014】
図1に戻って、入力部110は、画像処理装置100の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボードなどを有する。そして、入力部110は、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、表示制御部160に転送する。例えば、入力部110は、図2に示す「患者:A」の過去医用画像及び最新医用画像を医用画像データベース300から読み出す旨の指示を操作者から受け付ける。
【0015】
表示部120は、操作者に対して各種情報を表示出力するディスプレイなどを有する。例えば、表示部120は、操作者に対して「患者:A」の過去医用画像及び最新医用画像を同時に表示出力する。
【0016】
位置決定部130は、過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれから、各医用画像における被検体の生体組織に由来する特徴点を抽出する。具体的には、位置決定部130は、過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれから被検体のほぼ同一の位置の断面画像を抽出して、抽出した断面画像に対して変形処理を実行するための位置情報を特徴点として決定する。
【0017】
図3は、位置決定部130による処理の一例を示す図である。例えば、位置決定部130は、図3に示すように、まず、過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれにおいて関心領域が出現し始める断面画像を抽出する。そして、位置決定部130は、抽出した断面画像それぞれにおける関心領域の座標を特徴点として算出する。例えば、位置決定部130は、図3に示すように、過去医用画像の特徴点として(X、Y、Z)=(a、b、c)を算出する。同様に、位置決定部130は、図3に示すように、最新医用画像の特徴点として(X、Y、Z)=(e、f、g)を算出する。なお、座標(X、Y、Z)は、それぞれ「X:画像における横方向の位置」、「Y:画像における縦方向の位置」及び「Z:被検体の体軸方向の位置」を意味している。
【0018】
図1に戻って、画像変換部140は、所定の形状の天板を有する第一医用画像診断装置によって撮像された被検体の第一医用画像、及び、第一医用画像診断装置と同一種類の医用画像を撮像する医用画像診断装置であり、所定の形状とは異なる天板を有する第二医用画像診断装置によって撮像された被検体の第二医用画像と前記第一医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換する。
【0019】
具体的には、画像変換部140は、位置決定部130によって抽出された過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれの特徴点に基づいて、被検体の同一部位を撮像した2つの医用画像を抽出する。そして、画像変換部140は、過去医用画像群から抽出した断面画像と最新医用画像群から抽出した断面画像とを、それぞれの特徴点が重なるように重畳配置する。
【0020】
図4は、画像変換部140による重畳処理の一例を示す図である。画像変換部140は、図4に示すように、まず、過去医用画像及び最新医用画像それぞれの特徴点に基づいて、「患者:A」のほぼ同一の位置の断面画像を抽出する。例えば、画像変換部140は、過去医用画像の特徴点(X、Y、Z)=(a、b、c)における「Z=c」と最新医用画像の特徴点(X、Y、Z)=(e、f、g)における「Z=g」とを、被検体の体軸方向においてほぼ同一の位置とする。そして、画像変換部140は、操作者が所望する位置の断面画像を過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれから抽出する。
【0021】
例えば、画像変換部140は、「患者:A」のほぼ同一の位置の断面画像として、図4に示すように、基準点(X、Y、Z)=(a、b、c1)の断面画像及び基準点(X、Y、Z)=(e、f、g1)の断面画像を過去医用画像群及び最新医用画像群からそれぞれ抽出する。なお、図4に示す基準点とは、各画像において特徴点の位置に相当する位置を意味している。また、図4に示す基準点の「Z=c1」と「Z=g1」とは、「c1−c=g1−g」となる位置の座標である。
【0022】
そして、画像変換部140は、基準点が重なるように抽出した断面画像を重畳配置する。例えば、画像変換部140は、図4に示すように、基準点(X、Y、Z)=(a、b、c1)と基準点(X、Y、Z)=(e、f、g1)とが重なるように断面画像を重畳配置する。
【0023】
そして、画像変換部140は、重畳した医用画像それぞれから被検体の輪郭線を抽出し、一方の医用画像から抽出した輪郭線に対して他方の医用画像から抽出した輪郭線を重ねるように当該他方の医用画像を変換する。具体的には、画像変換部140は、まず、重畳配置した断面画像それぞれにおける被検体の輪郭線から任意の座標を算出する。
【0024】
図5は、画像変換部140による座標算出処理の一例を示す図である。例えば、画像変換部140は、図5に示すように、基準点を通る直線と最新医用画像の断面画像の輪郭線との交点の座標P1(X、Y、Z)=(e1、f1、g1)を算出する。また、画像変換部140は、図5に示すように、基準点を通る直線と過去医用画像の断面画像の輪郭線との交点の座標P2(X、Y、Z)=(a1、b1、c1)を算出する。同様に、画像変換部140は、基準点を通る直線と断面画像それぞれの輪郭線との交点の座標を任意の数だけ算出する。例を挙げれば、画像変換部140は、基準点を中心とした360°方向において10°ごとに基準点を通る直線と断面画像それぞれとの交点の座標を算出する。
【0025】
そして、画像変換部140は、算出した座標のうち、一方の断面画像の座標が同一線上に位置する他方の断面画像の座標と重なるように画像変換を実行する。例えば、画像変換部140は、R天板を有するX線CT装置によって撮像された最新医用画像の断面画像の座標を、フラット天板を有するX線CT装置によって撮像された過去医用画像の断面画像の座標に重ねるように画像変換を実行する。
【0026】
図6は、画像変換部140によって算出された座標の一例を示す図である。例えば、画像変換部140は、図6に示すように、R天板の断面画像の座標として、「P1(X、Y、Z)=(e1、f1、g1)」、「P3(X、Y、Z)=(e2、f2、g1)」、「P5(X、Y、Z)=(e3、f3、g1)」などを算出する。また、画像変換部140は、図6に示すように、フラット天板の断面画像の座標として、「P2(X、Y、Z)=(a1、b1、c1)」、「P4(X、Y、Z)=(a2、b2、c1)」、「P6(X、Y、Z)=(a3、b3、c1)」などを算出する。なお、図6においては、R天板の断面画像及びフラット天板の断面画像それぞれにおいて、同一線上に位置する座標を対応付けて示している。
【0027】
そして、画像変換部140は、R天板の断面画像のすべての座標における(X、Y)が、対応するフラット天板の断面画像の座標(X、Y)に重なるように画像を変換するための座標変換を実行する。例えば、画像変換部140は、「P1(X、Y)=(e1、f1)」、「P3(X、Y)=(e2、f2)」、「P5(X、Y)=(e3、f3)」などを、それぞれ対応する座標「P2(X、Y)=(a1、b1)」、「P4(X、Y)=(a2、b2)」、「P6(X、Y)=(a3、b3)」などに変換する変換関数を決定する。例を挙げれば、画像変換部140は、R天板の断面画像の座標及びフラット天板の断面画像の座標をそれぞれ行列にし、正則行列を用いてR天板の断面画像の座標の行列をフラット天板の断面画像の座標の行列に変換する相似変換によって画像変換を実行する。
【0028】
そして、画像変換部140は、決定した変換関数を用いてR天板の断面画像を変換する。図7は、画像変換部140による画像変換処理の一例を示す図である。図7に示すように、画像変換部140は、R天板の断面画像の輪郭線をフラット天板の断面画像の輪郭線に重ねるように座標変換を実行して、R天板の断面画像を変換する。そして、画像変換部140は、変換した断面画像を変換画像記憶部150に格納する。
【0029】
図1に戻って、変換画像記憶部150は、画像変換部140によって変換された医用画像を記憶する。例えば、変換画像記憶部150は、画像変換部140によって変換されたR天板の断面画像を記憶する。
【0030】
表示制御部160は、操作者が入力部110を介して入力した指示に基づいて、比較読映を行う医用画像を表示部120に表示させる。図8は、表示制御部160による処理の一例を示す図である。例えば、表示制御部160は、図8に示すように、「2010年1月12日」に「患者:A」がフラット天板を有するX線CT装置によって検査された際の断面画像を表示部120に表示させる。また、表示制御部160は、「2010年3月12日」に「患者:A」がR天板を有するX線CT装置によって検査された際の断面画像が変換され、フラット天板が付加された断面画像を表示部120に表示させる。
【0031】
次に、図9を用いて、実施例1に係る画像処理装置100の処理について説明する。図9は、実施例1に係る画像処理装置100による画像処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、実施例1に係る画像処理装置100においては、画像処理装置100の操作者によって画像変換コマンドが実行されると(ステップS101肯定)、位置決定部130が特徴点を決定する(ステップS102)。具体的には、操作者によって比較読映を行うことを所望する2つの医用画像群が選択され、画像変換処理を実行する旨の指示を入力部110から受付けると、位置決定部130が、選択された医用画像群の特徴点を決定する。
【0032】
そして、画像変換部140は、位置決定部130によって決定された特徴点に基づいて、被検体の同一位置の断面画像を医用画像群それぞれから抽出して(ステップS103)、抽出した断面画像を重畳配置する(ステップS104)。その後、画像変換部140は、重畳配置した断面画像それぞれから被検体の輪郭線を抽出して、輪郭線における座標を算出する(ステップS105)。
【0033】
そして、画像変換部140は、決定した座標のうち、一方の断面画像の座標が同一線上に位置する他方の断面画像の座標と重なるように画像を変換して(ステップS106)、処理を終了する。なお、画像処理装置100は、画像変換コマンドが実行されるまで待機状態である。
【0034】
上述したように、実施例1によれば、位置決定部130が、フラット形状の天板を有する医用画像診断装置200によって撮像された過去医用画像群、及び、R形状の天板を有する医用画像診断装置200と同一種類の医用画像診断装置200によって過去医用画像群と同一の被検体が撮像された最新医用画像群それぞれに含まれる被検体領域に基づいて、当該被検体の位置を合せるための特徴点を決定する。そして、画像変換部140が、位置決定部130によって決定された特徴点に基づいて、比較読映が行われる断面画像を過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれから抽出して重畳し、重畳した断面画像それぞれから被検体の輪郭線を抽出し、一方の断面画像から抽出した輪郭線に対して他方の断面画像から抽出した輪郭線を重ねるように当該他方の断面画像を変換する。従って、実施例1に係る画像処理装置100は、天板の形状が異なることにより被検体の体位が変化することで比較読映が困難な医用画像であっても、画像を変換して比較読映を容易に行えるようにすることを可能にする。
【0035】
また、実施例1によれば、画像処理装置100が天板の形状が異なる医用画像間の比較読映を容易に行えるようにすることで、過去画像と同一形状の天板を有する医用画像診断装置で新たな撮像を行うことを回避することができ、被検体の被爆のリスクを低減することが可能となる。
【実施例2】
【0036】
さて、これまで実施例1について説明したが、上述した実施例1以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0037】
(1)医用画像診断装置
上述した実施例1では、医用画像診断装置としてX線CT装置を用いる場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、MRI装置などの他の医用画像診断装置を用いる場合であってもよい。
【0038】
(2)レジストレーション
上述した実施例1では、過去医用画像群及び最新医用画像群それぞれから被検体のほぼ同一の位置の断面画像を抽出する際の位置合せ(registration、レジストレーション)の指標として、関心部位の出現位置を用いる場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、ランドマーク(landmark)を用いる場合であってもよい。ランドマークとしては、例えば、肺血管の分岐点や気管支の分岐点が用いられる場合であってもよい。また、医用画像群において、頭頂部の出現位置を位置合せの指標として用いる場合であってもよい。
【0039】
(3)輪郭線
上述した実施例1では、医用画像に含まれる被検体の輪郭線を画像処理装置が抽出する場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置の操作者から指定された輪郭線を用いる場合であってもよい。具体的には、画像変換部140が、被検体の同一部位を撮像した2つの医用画像が重畳した重畳画像を参照した操作者から入力部110を介して受付けた被検体の輪郭線に基づいて、医用画像の変換処理を行う。
【0040】
(4)重畳処理
上述した実施例1では、断面画像を重畳配置する際に、基準点が重なるように配置する場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、重畳する断面画像それぞれに含まれる被検体領域が重なる領域の面積が最大となるように重畳配置する場合であってもよい。
【0041】
(5)座標決定
上述した実施例1では、画像変換に用いられる輪郭線上の座標を、画像変換部140が任意に決定する場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置100の操作者が設定する場合であってもよい。具体的には、画像変換部140が、被検体の同一部位を撮像した2つの医用画像が重畳した重畳画像を参照した操作者から入力部110を介して受付けた輪郭線上の座標に基づいて、医用画像の変換処理を行う。
【0042】
(6)変換関数
上述した実施例1では、一方の断面画像の座標が同一線上に位置する他方の断面画像の座標と重ねる画像変換を行うごとに、断面画像それぞれの座標を用いて変換関数を決定する場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、同一の医用画像群間において複数の位置で比較読映を行う場合に、一度決定した形状の変換関数を図1には図示しない記憶部に記憶させておき、画像変換を行うごとに変換関数を読み出して用いる場合であってもよい。
【0043】
以上説明したとおり、実施例1、2によれば、医用画像の比較読映を容易に行えるようにすることを可能にする。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
100 画像処理装置
110 入力部
120 表示部
130 位置決定部
140 画像変換部
150 変換画像記憶部
160 表示制御部
200 医用画像診断装置
300 医用画像データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状の天板を有する第一医用画像診断装置によって撮像された被検体の第一医用画像、及び、前記第一医用画像診断装置と同一種類の医用画像を撮像する医用画像診断装置であり、前記所定の形状とは異なる天板を有する第二医用画像診断装置によって撮像された前記被検体の第二医用画像と前記第一医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換する変換部を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第一医用画像及び前記第二医用画像それぞれから、各医用画像における前記被検体の生体組織に由来する特徴点を抽出する抽出部をさらに備え、
前記変換部は、前記抽出部によって抽出された前記第一医用画像及び前記第二医用画像それぞれの特徴点に基づいて、当該第一医用画像と当該第二医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変換部は、前記被検体の同一部位を撮像した2つの医用画像が重畳した重畳画像を参照した操作者から所定の入力部を介して受付けた前記被検体の輪郭線に基づいて、変換処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
所定の形状の天板を有する第一医用画像診断装置によって撮像された被検体の第一医用画像、及び、前記第一医用画像診断装置と同一種類の医用画像を撮像する医用画像診断装置であり、前記所定の形状とは異なる天板を有する第二医用画像診断装置によって撮像された前記被検体の第二医用画像と前記第一医用画像のいずれか一方を、一方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線が他方の医用画像に描出される前記被検体の輪郭線と一致するように変換する変換手順をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−16418(P2012−16418A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154502(P2010−154502)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】