説明

画像処理装置及び画像処理方法、プログラム並びに記憶媒体

【課題】 用紙上の任意の位置から紙指紋情報を抽出でき、その位置を第三者には特定できないようにする。
【解決手段】 用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を読み込み、紙指紋情報とその紙指紋情報の位置情報とを用紙上で対角の位置をなす二隅に埋め込む。そして、埋め込まれた位置情報に基づいて、紙指紋情報を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を処理する画像処理装置及び画像処理方法、プログラム並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写可能な多機能の画像処理装置の普及に伴い、セキュリティに対する重要性が高まっている。多機能の画像処理装置は便利な反面、使い方次第では、機密情報の漏洩や違法な文書偽造を招きかねない。そのため、多機能の複写機には、偽造防止装置やコピーガード機能などが搭載されている。また、紙自体の特徴を識別し、それに基づき、原稿の唯一性や原本性の保証を行う技術(例えば、特許文献1を参照)も開発されている。
【特許文献1】特開2004−102562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1に開示された技術を用いると、用紙固有の繊維パターンを識別することで用紙一枚一枚の識別が可能となる。しかしながら、照合の容易性と確実性を優先すると、識別すべき繊維パターン(以下、紙指紋と呼ぶ)を採取する位置が固定されてしまうという問題が生じる。更には、固定位置で紙指紋を採取する場合、その場所に文字や画像が印字されると、照合時に照合率が低下するという問題がある。
【0004】
この問題を解決すべく、採取位置に特定マークを予め設けることで採取位置を特定する方法が提案されているが、紙指紋の位置がマークにより特定されるため、切り取り、貼り付け、目隠しなどによる改ざんが容易になり、セキュリティ上好ましくない。
【0005】
本発明は、用紙上の任意の場所から紙指紋情報を抽出でき、その位置を第三者には特定できないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を処理する画像処理装置であって、前記用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を読み込む手段と、前記紙指紋情報と当該紙指紋情報の位置情報とを前記用紙上で対角の位置をなす二隅に埋め込む手段と、前記埋め込まれた位置情報に基づいて前記紙指紋情報を抽出する抽出手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を処理する画像処理方法であって、前記用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を読み込む工程と、前記紙指紋情報と当該紙指紋情報の位置情報とを前記用紙上で対角の位置をなす二隅に埋め込む工程と、前記埋め込まれた位置情報に基づいて前記紙指紋情報を抽出する抽出工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙上の任意の場所から紙指紋情報を抽出でき、その位置を第三者には特定できないようにすることで、自由度とセキュリティの両立を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0010】
<システム構成(図1)>
図1は、第1の実施形態による画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成装置110は、画像入力デバイスであるスキャナ部113、画像出力デバイスであるプリンタ部114、制御ユニット(Control Unit)111、及びユーザインターフェースである操作部112を有する。操作部112、スキャナ部113、プリンタ部114はそれぞれ制御ユニット111に接続され、制御ユニット111からの命令によって制御される。また、制御ユニット111は、ローカルエリアネットワーク(LAN)100などのネットワーク伝送手段、公衆回線(WAN)102に接続されている。公衆回線102からは、カラー画像送信を含むG3、G4ファックスによる送信が可能である。
【0011】
また、LAN100には、画像形成装置110と同様な機器構成を有する他の画像形成装置120、130も接続されている。即ち、画像形成装置120は、スキャナ部123、プリンタ部124、操作部122を有し、それぞれが制御ユニット121に接続され、制御される。また、画像形成装置130は、スキャナ部133、プリンタ部134、操作部132を有し、それぞれが制御ユニット131に接続され、制御される。
【0012】
そして、パーソナルコンピュータ(PC)101は、LAN100などのネットワーク伝送手段に接続されている。パーソナルコンピュータ101は、FTP、SMBのような標準的なファイル転送プロトコルを使用したファイルの送受信や、電子メールの送受信が可能である。
【0013】
<画像形成装置110の外観(図2)>
図2は、第1の実施形態における画像形成装置の外観を示す図である。図2に示す画像入力デバイスであるスキャナ部113は、複数のCCDを有している。各CCDの感度がそれぞれ異なっていると、例え原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素がそれぞれ違う濃度であると認識されてしまう。そのため、スキャナ部113では、最初に白板(一様に白い板)を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換して制御ユニット111に出力している。
【0014】
尚、後述する制御ユニット111内のシェーディング補正部が、各CCDから得られた電気信号に基づいて各CCDの感度の違いを認識し、認識した感度の違いを利用して原稿上の画像をスキャンして得られた電気信号の値を補正している。
【0015】
更に、後述するシェーディング補正部は、後述する制御ユニット111内のCPUからゲイン調整の情報を受け取ると、当該情報に応じたゲイン調整を行う。このゲイン調整は、原稿を露光走査して得られた電気信号の値をどのように0〜255の輝度信号値に割り付けるかを調整するために用いられる。このゲイン調整により、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を高い輝度信号値に変換したり、低い輝度信号値に変換したりすることができるようになっている。
【0016】
次に、この原稿上の画像をスキャンする構成について説明する。スキャナ部113は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。更に、電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとして制御ユニット111に対して出力する。
【0017】
尚、原稿は原稿フィーダ201のトレイ202にセットされる。ユーザが操作部112から読み取り開始を指示すると、制御ユニット111からスキャナ部113に原稿の読み取り指示が与えられる。スキャナ部113は、この指示を受けると原稿フィーダ201のトレイ202から原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。
【0018】
また、原稿の読み取り方法は原稿フィーダ201による自動送り方式だけでなく、原稿を不図示のガラス面上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であっても良い。
【0019】
一方、プリンタ部114は、制御ユニット111から受け取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。尚、プリンタ部114の画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式なども適用可能である。また、プリンタ部114には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の給紙手段を備え、それぞれに対応した用紙カセット203、204、205が設けられている。そして、排紙トレイ206には、印字後の用紙が排出される。
【0020】
<制御ユニット111の詳細(図3)>
図3は、画像形成装置110における制御ユニット111の詳細な構成を示すブロック図である。制御ユニット111は、スキャナ部113やプリンタ部114と電気的に接続し、一方ではLAN100や公衆回線(WAN)102を介してPC101や外部の装置などと接続されている。これにより、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0021】
制御ユニット111において、CPU301は、ROM303に格納されたプログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このRAM302は、記憶した内容を電源オフ後も保持しておくSRAM及び電源オフ後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMにより構成されている。ROM303には、装置のブートプログラムや制御データなどが格納されている。HDD304はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納する。
【0022】
操作部I/F305は、システムバス310と操作部112とを接続するためのインターフェース部である。操作部I/F305は、操作部112に表示するための画像データをシステムバス310から受け取り、操作部112に出力すると共に、操作部112から入力された情報をシステムバス310へと出力する。
【0023】
ネットワーク(Network)I/F306はLAN100tの接続を司り、LAN100に対して情報の入出力を行う。モデム(MODEM)307はWAN102との接続を司り、WAN102に対して情報の入出力を行う。2値画像回転部308はモデム307で2値画像を送信する前に画像データの方向を変換する。2値画像圧縮・伸張部309は、送信前の画像データの解像度を所定の解像度や相手能力に合わせた解像度に変換する。また、圧縮及び伸張は、JBIG、MMR、MR、MHなどの方式をサポートしている。
【0024】
画像バス330は、画像データを授受するための伝送路であり、PCIバスやIEEE1394で構成されている。画像バス330に接続されるスキャナ画像処理部312は、スキャナ部113からスキャナI/F311を介して受け取った画像データに対して補正、加工、及び編集を行う。
【0025】
尚、スキャナ画像処理部312は、受け取った画像データがカラー原稿か白黒原稿か、或いは文字原稿か写真原稿かなどを判定する。そして、その判定結果を画像データに付随させる。これ以降、この付随情報を属性データと称する。このスキャナ画像処理部312で行われる処理の詳細については後述する。
【0026】
圧縮部313は、画像データを受け取り、この画像データを32×32画素のブロック単位に分割する。尚、この32×32画素の画像データをタイル画像データと称する。
【0027】
図4は、タイル画像データを概念的に表した図である。原稿(読み取り前の紙媒体)において、このタイル画像データに対応する領域をタイル画像と称する。タイル画像データには、32×32画素のブロックにおける平均輝度情報やタイル画像の原稿上の座標位置がヘッダ情報として付加されている。
【0028】
更に、圧縮部313は、複数のタイル画像データからなる画像データを圧縮する。伸張部316は、複数のタイル画像データからなる画像データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部315に送る。
【0029】
プリンタ画像処理部315は、伸張部316から送られた画像データを受け取り、その画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F314を介してプリンタ部114に出力される。このプリンタ画像処理部315で行われる処理の詳細については後述する。
【0030】
画像変換部317は、画像データに対して所定の変換処理を施す。この処理部は以下に示すような処理部により構成される。
【0031】
伸張部318は、受け取った画像データを伸張する。圧縮部319は、受け取った画像データを圧縮する。回転部320は、受け取った画像データを回転する。変倍部321は、受け取った画像データに対して、例えば600dpiから200dpiへの解像度変換処理や、例えば25%から400%への変倍処理を行う。尚、変倍処理の前には、32×32画素の画像を32ライン単位の画像に並び替える。
【0032】
色空間変換部322は、受け取った画像データの色空間を変換する。この色空間変換部322は、マトリクス又はテーブルを用いて公知の下地飛ばし処理や、公知のLOG変換処理(RGB→CMY)、公知の出力色補正処理(CMY→CMYK)を行う。2値多値変換部323は、受け取った2階調の画像データを256階調の画像データに変換する。また逆に、多値2値変換部324は、受け取った256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により2階調の画像データに変換する。
【0033】
合成部327は、受け取った2つの画像データを合成し、1枚の画像データを生成する。尚、2つの画像データを合成する際には、合成対象の画素同士が持つ輝度値の平均値を合成輝度値とする方法や、輝度レベルで明るい方の画素の輝度値を合成後の画素の輝度値とする方法が適用される。また、暗い方を合成後の画素とする方法の利用も可能である。更に、合成対象の画素同士の論理和演算、論理積演算、排他的論理和演算などで合成後の輝度値を決定する方法なども適用可能である。これらの合成方法は、何れも周知の手法である。
【0034】
間引き部326は、受け取った画像データの画素を間引くことで解像度変換を行い、1/2,1/4,1/8の画像データを生成する。移動部325は、受け取った画像データに余白部分を付けたり余白部分を削除したりする。
【0035】
ラスターイメージプロセッサ(RIP)328は、PC101などから送信されたPDLコードデータに基づいて生成された中間データを受け取り、ビットマップデータ(多値)に展開する。
【0036】
<スキャナ画像処理部312の詳細(図5)>
図5は、図3に示すスキャナ画像処理部312の構成の一例を示すブロック図である。スキャナ画像処理部312は、入力画像データとしてRGB各8ビットの輝度信号を受け取る。シェーディング補正部500は、この輝度信号に対してシェーディング補正する。シェーディング補正とは、上述したように、CCDの感度のばらつきによって原稿の明るさが誤認識されてしまうことを防止するための処理である。また、上述したように、このシェーディング補正部500は、CPU301からの指示によりゲイン調整を行うことが可能である。
【0037】
次に、シェーディング補正された輝度信号は、マスキング処理部501によりCCDのフィルタ色に依存しない標準的な輝度信号に変換される。フィルタ処理部502は、受け取った画像データの空間周波数を任意に補正する。具体的には、受け取った画像データに対して、例えば7×7のマトリクスを用いた演算処理を行う。
【0038】
ところで、複写機や複合機では、後述する図21に示す操作画面のタブ2104を押下することにより、コピーモードとして文字モード、写真モード、文字/写真モードの何れかを選択することができる。
【0039】
ここで、ユーザによって文字モードが選択された場合は、フィルタ処理部502は文字用のフィルタを画像データ全体にかける。また、写真モードが選択された場合は、写真用のフィルタを画像データ全体にかける。或いは、文字/写真モードが選択された場合は、後述の文字写真判定信号(属性データの一部)に応じて画素毎に適応的にフィルタを切り替える。つまり、画素毎に写真用のフィルタをかけるか、文字用のフィルタをかけるかが決定される。
【0040】
尚、写真用のフィルタには、高周波成分のみ平滑化が行われるような係数が設定されている。これは、画像のざらつきを目立たせないためである。また、文字用のフィルタには強めのエッジ強調を行うような係数が設定されている。これは、文字のシャープさを出すためである。
【0041】
ヒストグラム生成部503は、受け取った画像データを構成する各画素の輝度データをサンプリングする。より詳細に説明すると、主走査方向、副走査方向にそれぞれ指定した開始点と終了点で囲まれた矩形領域内の輝度データを、主走査方向、副走査方向に一定のピッチでサンプリングする。そして、サンプリング結果に基づいてヒストグラムデータを生成する。生成されたヒストグラムデータは、下地飛ばし処理を行う際に、下地レベルを推測するために用いられる。入力側ガンマ補正部504は、テーブル等を利用して非線形特性を持つ輝度データに変換する。
【0042】
カラーモノクロ判定部505は、受け取った画像データを構成する各画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、その判定結果をカラーモノクロ判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
【0043】
文字写真判定部506は、画像データを構成する各画素が文字を構成する画素なのか、網点を構成する画素なのか、網点中の文字を構成する画素なのか、ベタ画像を構成する画素なのかを各画素の画素値と各画素の周辺画素の画素値とに基づいて判定する。ここで、何れにも当てはまらない画素は、白領域を構成している画素である。そして、この判定の結果を文字写真判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
【0044】
紙指紋情報取得部507は、入力されたRGBの画像データから所定領域の画像データを用紙固有の繊維パターン(紙指紋)として採取する。図6は、用紙固有の繊維パターン(紙指紋)を採取する領域を示す図である。図6において、600はサイズがA4の用紙を示し、用紙600内の領域601と領域602で紙指紋を採取する。
【0045】
尚、紙指紋を採取する領域601及び602は、図6に示す位置に特定されるものではなく、図7に示す用紙700内の領域701及び702であっても良い。また、採取個所は1ヶ所でも良いが、照合時の利便性ならびに判定精度の向上を考慮すると、隣接しない離れた2ヶ所以上で採取することが望ましい。このとき、採取した領域の位置を記憶しておく。
【0046】
図8は、紙指紋情報取得部507における紙指紋情報取得処理を示すフローチャートである。まず、ステップS801において、紙指紋情報取得部507が図6に示す領域から採取した画像データをグレイスケールの画像データに変換する。次に、ステップS802において、グレイスケールの画像データから印刷や手書きの文字といった誤判定の要因となり得るものを取り除くためのマスクデータを作成する。このマスクデータは“0”又は“1”の2値データである。グレイスケールの画像データにおいて、輝度信号値が第1の閾値以上である(即ち、明るい)画素については、マスクデータの値を“1”に設定する。また、輝度信号値が第1の閾値未満である画素については、マスクデータの値を“0”に設定する。このマスクデータ作成処理をグレイスケールの画像データに含まれる全ての画素に対して行う。
【0047】
そして、ステップS803では、ステップS801で変換されたグレイスケールの画像データとステップS802で作成したマスクデータとを紙指紋情報としてRAM302に保存する。紙指紋情報取得部507は、上記所定領域の紙指紋情報を不図示のデータバスを介してRAM302に保存する。
【0048】
ここで図5に戻り、復号部508は、上述したマスキング処理部501から出力された画像データ内に符号画像データが存在するか否かを判定する。そして、存在する場合は、その符号画像データを復号化して情報を取り出す。
【0049】
<プリンタ画像処理部315の詳細(図9)>
図9は、図3に示すプリンタ画像処理部315の構成の一例を示すブロック図である。下地飛ばし処理部901は、スキャナ画像処理部312のヒストグラム生成部503で生成されたヒストグラムを用いて画像データの下地色を飛ばす(除去する)。モノクロ生成部902は、入力されたカラーの画像データをモノクロの画像データに変換する。Log変換部903は、入力された画像データの輝度濃度変換を行う。このLog変換部903は、例えばRGBの画像データをCMYの画像データに変換する。
【0050】
出力色補正部904は、出力色補正を行う。例えば、CMYの画像データをテーブルやマトリックスを用いてCMYKの画像データに変換する。出力側ガンマ補正部905は、CMYKの画像データの値と、複写出力後の反射濃度値とが比例するように、CMYKの画像データを補正する。中間調補正部906は、出力するプリンタ部の階調数に合わせて中間調処理を行う。例えば、受け取った高階調の画像データに対して2値化や32値化などを行う。
【0051】
符号画像合成部907は、出力側ガンマ補正部905で補正した(原稿)画像データと、後述する<紙指紋情報符号化処理>で生成された符号画像データとを合成する。ここで符号画像データの合成位置の一例を、図10及び図11を用いて説明する。
【0052】
図10は、図6に示す用紙600上に符号画像データを配置した状態を示す図である。図10に示す例では、用紙内でその対角となる2ヶ所に符号画像データを配置する。この例では1001及び1002が符号画像データに相当する。この符号画像データ内に領域601と領域602の位置情報を付加しておく。尚、位置情報は符号画像データとは別に合成しても構わない。また、位置情報は可視でも不可視でも構わない。
【0053】
図11は、図7に示す用紙700上に符号画像データを配置した状態を示す図である。図11に示す例では、用紙内でその対角となる2ヶ所に符号画像データを配置する。この例では1101及び1102が符号画像データに相当する。また、図10と同様に、位置情報を付加しておく。
【0054】
ここで、紙指紋採取領域と符号画像データの位置を関連付けるため、操作者は操作部上の指示に従い、用紙をセットする。即ち、紙指紋情報を取得するスキャンならびに紙指紋情報のRAM302への登録の後、表裏、縦横など後述する図21に示す2101に表示される指示された向きで、用紙を用紙カセット203〜205や不図示の手差しトレーにセットする。
【0055】
また、プリント時に用紙カセット203〜205から用紙が搬送される過程に不図示の読取装置を設置し、そこで紙指紋を採取した上で符号化を行う。その後、符号画像データと画像データとを合成し、印字しても良い。
【0056】
尚、スキャナ画像処理部312やプリンタ画像処理部315の各処理部で、受け取った画像データに各処理を施さずに出力させても良い。このような、ある処理部で処理を施さずにデータを通過させることを、以下では「処理部をスルーさせる」と表現する。
【0057】
<紙指紋情報符号化処理>
次に、CPU301が紙指紋情報取得部507でRAM302に保存された所定領域の紙指紋情報を読み出し、その紙指紋情報を符号化処理して符号画像データを生成する。
【0058】
尚、第1の実施形態では、符号画像とは、二次元コード画像やバーコード画像といった画像のことを示す。
【0059】
また、CPU301は、生成した符号画像データを不図示のデータバスによりプリンタ画像処理部315内の符号画像合成部907に送信する。
【0060】
尚、上述した符号化処理及び送信処理は、CPU301がRAM302内に格納されたプログラムを実行することによって行うものである。
【0061】
<紙指紋情報照合処理>
また、CPU301は、紙指紋情報取得部507により処理されてRAM302に保存された紙指紋情報を読み出し、その紙指紋情報と他の紙指紋情報とを照合する。
【0062】
尚、他の紙指紋情報とは、前述の符号画像データ内に含まれる紙指紋情報やLAN100に接続されるサーバ(不図示)に登録されている紙指紋情報のことを意味する。符号画像データ内に含まれる紙指紋情報の抽出方法は、後述する<紙指紋抽出処理>で説明する。
【0063】
図12は、第1の実施形態における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU301により統括的に制御される。
【0064】
まず、ステップS1201において、符号画像データ内に含まれる紙指紋情報やサーバに登録されている紙指紋情報を読み出す。
【0065】
【数1】

【0066】
(1)式において、α1はステップS1201で取出された(登録されていた)紙指紋情報中のマスクデータである。f1はステップS1201で取出された(登録されていた)紙指紋情報中のグレイスケール画像データである。α2はステップS1202で紙指紋情報取得部507から送られてきた(今、取出されたばかりの)紙指紋情報中のマスクデータである。f2はステップS1202で紙指紋情報取得部507から送られてきた(今、取出されたばかりの)紙指紋情報中のグレイスケール画像データである。
【0067】
具体的な方法を、図30乃至図33を用いて説明する。図30において、(A)に登録されている紙指紋情報のイメージ図を、(B)に今回得られた紙指紋情報のイメージ図を表す。それぞれ横n画素、縦m画素から構成されているものとする。
【0068】
上記(1)式に示した関数において、i,jをそれぞれ−n+1〜n−1、−m+1〜m−1の範囲でそれぞれ1画素毎にずらし、登録されていた紙指紋情報と今回得られたばかりの紙指紋情報の誤差値E(i,j)を(2n−1)×(2m−1)個求める。即ち、E(−n+1,−m+1)〜E(n−1,m−1)を求める。
【0069】
図31の(A)は、登録されている紙指紋情報の左上1画素に対して、今回得られた紙指紋情報の右下1画素だけ重なっているイメージ図を表す。この状態において、式(1)の関数により求まる値をE(−n+1,−m+1)とする。図31の(B)は、図31の(A)よりも今回得られた紙指紋情報を右に1画素分だけ移動したイメージ図を表す。この状態において、式(1)の関数により求まる値をE(−n+2,−m+1)とする。同様に今回得られたばかりの紙指紋情報を移動させながら演算を行う。図31の(C)では、今回得られたばかりの紙指紋情報を、登録されていた紙指紋情報と重なるところまで移動させており、これによりE(0,−(m−1))が求まる。さらに、図31の(D)では、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動して、E(n−1,−m+1)を求める。このように、横方向にずらすと、E(i,j)のうちのiが1づつ加算される。
【0070】
同様に図32の(A)では、図31の(A)よりも、縦方向である下に1画素だけ今回得られた紙指紋情報を移動して、E(−n+1,−m+2)の値を求める。
【0071】
さらに図32の(B)は、図32の(A)に対して、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動してE(n−1,−m+2)の値を求める。
【0072】
図33の(A)は、登録されている紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が,同じ位置の場合を表し、このときのE(i,j)の値をE(0,0)とする。
【0073】
同様に、それぞれの紙指紋情報が少なくとも1画素以上重なるように画像をずらしながら演算を行う。最後に図33の(B)のように、E(n−1,m−1)を求める。
【0074】
このようにして、(2n−1)×(2m−1)個の誤差値E(i,j)の集合を求める。
【0075】
ここで、上記(1)式の意味を考えるために、i=0,j=0であり、かつ、α1(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α2(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合を考えてみることにする。つまり、α1(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α2(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合のE(0,0)を求めることにする。
【0076】
なお、i=0,j=0とは、図33の(A)のように、登録されていた紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が同じ位置であることを示す。
【0077】
ここで、α1(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、登録されていた紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、登録されていた紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
【0078】
また、α2(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、今回取得した紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、今取得されたばかりの紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
【0079】
このように、α1(x,y)=1とα2(x−i,y−j)=1とが全ての画素において成り立つ時、上記(1)式は、次式と表されることになる。
【0080】
【数2】

【0081】
この{f1(x,y)−f2(x,y)}は、登録されていた紙指紋情報中のグレイスケール画像データと、今取出されたばかりの紙指紋情報中のグレイスケール画像データとの差の二乗値を示す。従って、この(1)式は、二つの紙指紋情報同士の各画素における差の二乗を合計したものになる。つまり、f1(x,y)とf2(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほど、このE(0,0)は、小さな値を取ることになる。
【0082】
以上説明したのは、E(0,0)の求め方であるが、同じようにして他のE(i,j)を求めていく。ちなみに、f1(x,y)とf2(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほどE(i,j)が小さな値を取る。
【0083】
E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、登録されていた紙指紋情報を取得した際の位置と、今取得されたばかりの紙指紋情報を取得した際の位置とは、互いにk,lずれていたことがわかる。
【0084】
<αの意義>
上記(1)式の分子は、{f1(x,y)−f2(x−i,y−j)}に対してα1とα2とがかけられた結果を意味する(正確には、さらにΣ記号により合計値が求められている)。このα1とα2は、濃い色の画素は0、薄い色の画素は1を示す。
【0085】
従って、α1とα2とのうちどちらか一方(又は両方)が0の場合には、α1α2{f1(x,y)−f2(x−i,y−j)}は0になることになる。
【0086】
即ち、どちらか一方(または両方)の紙指紋情報において対象とする画素が濃い色であった場合には、その画素における濃度差は考慮しないことを示している。これは、ゴミや色材がのってしまった画素を無視するためである。
【0087】
この処理により、Σ記号により合計する数が増減するため、総数Σα1(x,y)α2(x−i,y−j)で割ることで正規化を行う。なお、上記(1)式の分母にあるΣα1(x,y)α2(x−i,y−j)が0になる誤差値E(i,j)は、後述の誤差値の集合(E(−(n−1),−(m−1))〜E(n−1,m−1))には含めないものとする。
【0088】
<マッチング度合いの決定方法>
上述したように、E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、登録されていた紙指紋情報を取得した際の位置と、今取得されたばかりの紙指紋情報を取得した際の位置とは互いにk,lずれていたことがわかる。
【0089】
続いて、二つの紙指紋情報がどれだけ似ているのかを示す値(この値を、マッチング度合いと称する)を、そのE(k,l)及び他のE(i,j)を使って求める。
【0090】
まず、上記(1)の関数により求まった誤差値の集合(例えば、E(0,0)=10※,E(0,1)=50,E(1,0)=50,E(1,1)=50)から平均値(40)を求める。…(A)
なお、※は、値とは関係がない。注目して頂くために記載しただけである。注目して頂きたかった理由は後述する。
【0091】
次に、平均値(40)から各誤差値(10※,50,50,50)を引いて、新たな集合(30※,−10,−10,−10)を求める。…(B)
そして、この新たな集合から標準偏差(30×30+10×10+10×10+10×10=1200,1200/4=300,√300=10√3=約17)を求める。そして、上記新たな集合を17で割り、商を求める(1※,−1,−1,−1)。…(C)
そして、求められた値のうちの最大値をマッチング度合い(1※)とする。なお、この1※という値は、E(0,0)=10※という値と対応した値である。E(0,0)というのは、今回の場合、E(0,0)=min{E(i,j)}を満たす値である。
【0092】
<マッチング度合いの決定方法の概念的な説明>
上記マッチング度合いの決定方法を行う処理は、結局、複数の誤差値集合の中で最も小さな誤差値が、平均的な誤差値とどれだけ離れているかを計算する(A及びB)。
【0093】
そして、その離れ具合を標準偏差で割ることでマッチング度合いを求める(C)。
【0094】
最後にマッチング度合いを閾値と比較することで、照合結果を得る(D)。
【0095】
なお、標準偏差は、「各誤差値と平均値との差」の平均的な値を意味する。言い換えると、標準偏差は、集合の中で大体どれくらいのばらつきが全体的に生じているかを示す値である。
【0096】
このような全体的なばらつき値で上記離れ具合を割ることで、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中でどれだけ小さいか(突出して小さいか、ちょっと小さいか)がわかることになる。
【0097】
そして、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合に有効と判断し、それ以外の場合に無効と判断する(D)。
【0098】
<min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合のみ有効と判断する理由>
ここで、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが、同じ紙から取得されたと仮定する。
【0099】
すると、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが極めて一致する場所(ずれ位置)があるはずである。この時、このずれ位置では、登録されていた紙指紋情報と、今取得されたばかりの紙指紋情報とが極めて一致するため、E(i,j)は非常に小さくなるはずである。
【0100】
一方、このずれ位置から少しでもずらすと、登録されていた紙指紋情報と今取得されたばかりの紙指紋情報には何ら関連性がなくなる。従って、E(i,j)は通常の大きな値になるはずである。
【0101】
そのため、「二つの紙指紋情報が同じ紙から取得された」という条件は、「最も小さなE(i,j)が集合E(i,j)の中で突出して小さい」という条件と一致する。
【0102】
ここで、<紙指紋情報照合処理>に説明を戻す。
【0103】
ステップS1203では、ステップS1202において求められた2つの紙指紋情報のマッチング度合いと所定の閾値との比較を行って、「有効」「無効」を決定する。なお、マッチング度合いのことを類似度と称することもある。また、マッチング度合いと所定の閾値との比較結果のことを、照合結果と称することもある。
【0104】
<紙指紋抽出処理>
次に、上述した紙指紋情報照合処理の際に、用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を、図13〜図16を用いて説明する。
【0105】
図13〜図16は、図10に示す用紙600から紙指紋符号化情報1001、1002をスキャナ部113で読み取り、紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。上述したように、用紙600には紙指紋情報とその位置を符号化した紙指紋符号化情報1001、1002が含まれる。そして、用紙600から紙指紋符号化情報1001、1002を、例えば画像形成装置110に搭載されるスキャナ部113で読み取る。
【0106】
用紙600がスキャナ部113で図中のスキャン副走査方向で読まれるとき、紙指紋符号化情報1002が最初に読まれる。紙指紋符号化情報1002には、紙指紋符号化情報の印字位置情報と、紙指紋情報を採取した領域601及び602の位置情報と紙指紋情報の符号化情報が印字されている。ここで、紙指紋符号化情報の印字位置情報と紙指紋情報の採取位置情報の2種類の位置情報から、用紙600内の紙指紋採取位置を特定することが可能となる。
【0107】
即ち、紙指紋符号化情報の印字位置と2つの採取位置とをスキャンの副走査方向に比較し、副走査方向の読み取りについて、紙指紋符号化情報の印字位置に対して時間、或いは位置的に後で読まれる領域を紙指紋採取位置として選択する。図13の場合、領域602が後で読まれる領域に相当する。そして、領域602の位置が特定できたので、紙指紋符号情報1002をその領域602から紙指紋情報を抽出する。
【0108】
図14は、図13に示す用紙600の上下を反転させた場合を示す図である。この場合、紙指紋符号化情報1001が最初に読まれ、その中の紙指紋符号化情報の印字位置情報と紙指紋情報の採取位置情報から領域601を選択し、その領域601から紙指紋情報を抽出する。
【0109】
図15は、用紙600の向きが横向きになった場合の抽出方法を示す図である。図15に示す例では、紙指紋符号化情報1001が最初に読まれ、その中の紙指紋符号化情報の印字位置情報と紙指紋情報の採取位置情報から領域602を採取位置に選択し、その領域602から紙指紋情報を抽出する。
【0110】
図16は、図15に示す用紙600の上下を反転させた場合を示す図である。この場合、紙指紋符号化情報1002が最初に読まれ、その中の紙指紋符号化情報の印字位置情報と紙指紋情報の採取位置情報から領域601を採取位置に選択し、その領域601から紙指紋情報を抽出する。
【0111】
尚、上述した紙指紋情報の抽出は、紙指紋の抽出位置が図10と異なる図11の場合にも、図13〜図16と同様に抽出することができる。
【0112】
図17〜図20は、図11に示す用紙700から紙指紋符号化情報1101、1102をスキャナ部113で読み取り、紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。領域702の位置が紙の中央にある場合でも、図17〜図20に示すように、何れの方向で紙を読み取っても紙指紋情報の位置を特定し、紙指紋情報を抽出可能である。図18及び図20に示すように、場所によっては2ヶ所の紙指紋情報を抽出可能となる。
【0113】
上述したように、紙指紋符号化情報に、その位置情報と、紙指紋情報の取得位置情報を付加し、紙指紋符号化情報を紙の対角位置をなす二隅に配置することで、紙指紋情報の位置を正確に特定することができ、必要な紙指紋を的確に抽出可能となる。また、紙指紋情報を少なくとも2ヶ所で抽出することで、紙を上下左右何れの方向から読み取っても、紙指紋情報の位置を特定できる。
【0114】
尚、紙指紋符号化情報は、二次元バーコードのような情報のため、容易に認識が可能である。また、位置情報を必ずしも紙指紋符号化情報に埋め込む必要はない。個別に持っていても良い。その場合、可視でも不可視でも構わない。
【0115】
<操作画面の説明>
次に、画像形成装置110の操作部112に表示された画面からユーザが紙指紋情報を登録及び照合する処理を、図21〜図23を用いて説明する。
【0116】
図21は、画像形成装置110における初期画面の一例を示す図である。領域2101は、画像形成装置110がコピーできる状態にあるか否かを示し、かつ設定したコピー部数を示している。タブ2104は、原稿のタイプを選択するためのタブであり、このタブ2104が押下されると文字、写真、文字/写真モードの3種類の選択メニューをポップアップ表示する。
【0117】
フィニッシングタブ2106は、各種フィニッシングに関わる設定を行うためのタブである。両面設定タブ2107は、両面読込み及び両面印刷に関する設定を行うためのタブである。読み取りモードタブ2102は、原稿の読み取りモードを選択するためのタブである。このタブが押下されるとカラー/ブラック/自動(ACS)の3種類の選択メニューをポップアップ表示する。尚、カラーが選択された場合にはカラーコピーが、ブラックが選択された場合にはモノクロコピーが行われる。また、ACSが選択された場合には、上述したモノクロカラー判定信号によりコピーモードが決定される。
【0118】
タブ2108は、紙指紋情報の登録処理を選択するためのタブである。この登録処理の詳細については、更に後述する。タブ2109は、紙指紋情報の照合処理を選択するためのタブである。この照合処理の詳細については、更に後述する。
【0119】
<紙指紋情報登録処理>
ここで、タブ2108がユーザによって押下され、スタートキーが押下された際に実行される紙指紋情報登録処理を、図22を用いて説明する。
【0120】
図22は、第1の実施形態における紙指紋情報登録処理を示すフローチャートである。まず、ステップS2201において、CPU301は、スキャナ部113で読み取られた原稿を画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送る。そして、ステップS2202において、スキャナ画像処理部312は、一般的なゲイン調整値をシェーディング補正部500に設定した上で、この画像データに対して図5に示す処理を行い、新たな画像データと共に属性データを生成する。また、この属性データを画像データに付随させる。
【0121】
更に、スキャナ画像処理部312は、上述のゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値をシェーディング補正部500に設定する。そして、画像データに対して小さいゲイン調整値を適用することで得られた各輝度信号値を紙指紋情報取得部507に対して出力する。その後、出力データに基づいて紙指紋情報取得部507が紙指紋情報を取得する。そして、取得された紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に格納する。この処理のため、シェーディング補正部500は、2つのシェーディング補正回路を保持する。マスキング処理部501も2つのマスキング処理回路を用意し、1つ目のマスキング処理回路の出力は、フィルタ処理部502へ出力され、2つ目のマスキング処理回路の出力は、紙指紋情報取得部507へ出力される。尚、画像メモリを用いて、画像を保持し、時分割にシェーディング補正回路とマスキング処理回路を用いることで、1つのシェーディング補正回路、マスキング処理回路を用いても同様の処理を実現できる。
【0122】
次に、ステップS2202での処理が終了すると、ステップS2203及びステップS2208の処理を同時に開始する。このとき、紙指紋情報を取得する領域は、操作画面上に原稿画像をプレビューしたり、或いはイメージ図を描画し、操作者に位置を指定させても良いし、ランダムに決めても良い。また、下地の信号レベルから、例えば下地部を自動で決定したり、エッジ量などを見て、適度な画像領域内を自動で選択しても良い。
【0123】
ステップS2208において、CPU301が紙指紋情報を符号化して符号画像データを生成し、当該生成された符号画像データをプリンタ画像処理部315内の符号画像合成部907に送信する。
【0124】
一方、ステップS2203では、圧縮部313がスキャナ画像処理部312で生成された新たな画像データを32×32画素のブロック単位に分割しタイルデータを生成する。更に、圧縮部313は、この複数のタイルデータからなる画像データを圧縮する。
【0125】
次に、ステップS2204では、CPU301が圧縮部313で圧縮された画像データをRAM302に格納する。尚、この画像データは必要に応じて画像変換部317に送られ、画像処理が施された上で再びRAM302に送られ格納される。
【0126】
次に、ステップS2205では、CPU301は、RAM302に格納されている画像データを伸張部316に送る。更に、ここで、伸張部316がこの画像データを伸張する。また、伸張部316は、伸張後の複数のタイルデータからなる画像データをラスタ展開する。ラスタ展開後の画像データはプリンタ画像処理部315に送られる。
【0127】
次に、ステップS2206では、プリンタ画像処理部315が画像データに付随されている属性データに応じて画像データを編集する。この処理は、図9を用いて説明した処理である。ここで、ステップS2208で生成された符号画像データと(原稿の)画像データとが合成される。
【0128】
具体的には、出力側ガンマ補正部905から出力されてきた(原稿の)画像データと、ステップS2208で生成された符号画像データとを符号画像合成部907が合成する。そして、合成により得られた合成画像データを中間調補正部906が出力するプリンタ部114の階調数に合わせて中間調処理を行う。中間調処理後の合成画像データはプリンタI/F314を介してプリンタ部114に送られる。
【0129】
そして、ステップS2207では、プリンタ部114が合成画像データを出力用紙上に画像形成する。
【0130】
<紙指紋情報照合処理>
次に、図21に示すタブ2109がユーザによって押下され、スタートキーが押下された際に実行される紙指紋情報照合処理を、図23を用いて説明する。
【0131】
図23は、第1の実施形態における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。まず、ステップS2301において、CPU301は、スキャナ部113で読み取られた原稿を画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送る。そして、ステップS2302において、スキャナ画像処理部312は、この画像データに対して図5に示す処理を行い、新たな画像データと共に属性データを生成する。また、この属性データを画像データに付随させる。
【0132】
更に、このステップS2302では、スキャナ画像処理部312内の紙指紋情報取得部507が紙指紋情報を取得する。尚、紙指紋情報を取得するために、シェーディング補正部500のゲイン調整を行うなどの構成は上述した通りである。また、紙指紋情報の取得における位置決めは、<紙指紋抽出処理>で説明した通りである。そして、当該取得された紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に格納する。
【0133】
また、このステップS2302では、スキャナ画像処理部312内の復号部508が、符号画像が存在する場合は、当該符号画像を復号して情報を取得する。そして、当該取得された情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に格納する。
【0134】
次に、ステップS2303では、CPU301が紙指紋情報の照合処理を行う。この紙指紋情報照合処理については、<紙指紋情報照合処理>で図12を用いて説明した通りである。
【0135】
次に、ステップS2304では、CPU301が<紙指紋情報照合処理>により得られた結果(有効か無効か)を操作部112の表示画面上に表示する。
【0136】
以上説明したように、紙指紋符号化情報に、その位置情報と、紙指紋の採取位置情報を付加し、その上で、紙指紋符号化情報を紙上で対角位置をなす二隅に配置することにより、紙指紋位置を正確に特定することができ、必要な紙指紋を的確に抽出可能となる。
【0137】
また、紙指紋を少なくとも2ヶ所で採取することで、紙を上下左右何れの方向から読み取っても紙指紋位置を特定できる。
【0138】
尚、位置情報については、必ずしも紙指紋符号化情報に埋め込む必要はない。また個別に持っていても良い。その場合、可視でも不可視でも構わない。
【0139】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態では、紙指紋符号化情報に、その位置情報と、紙指紋の採取位置情報を付加し、その上で、紙指紋符号化情報を用紙上で対角位置をなす二隅に配置することで、紙指紋位置を正確に特定することができた。しかし、用紙がスキャナ上で意図的に斜めに置かれた場合、紙指紋を読み取れない場合もある。
【0140】
そこで、第2の実施形態として、用紙が斜めに置かれても紙指紋位置を特定できる方法を、図24〜図27を用いて説明する。
【0141】
図24は、置き方によって紙指紋を抽出できない例を示す図である。図24に示す用紙2400では、領域2402の位置が、第1の実施形態とは異なる。つまり、対角をなす二隅の紙指紋符号化情報を結ぶ対角線2411に対して領域2401及び2402が同じ側にある。この用紙2400では、対角線2411の上側に存在する。
【0142】
第1の実施形態で説明した抽出方法によれば、用紙2400が上下反転、左右反転しても紙指紋位置を特定可能であるが、図25に示すように、スキャナ部113で斜めに読むと、特定できないことがある。実際に紙指紋を読み取った位置より副走査方向の後ろ側に紙指紋符号化情報が印字されているため、紙指紋位置の特定ができない。これを解決する方法を、図26及び図27を用いて説明する。
【0143】
図26及び図27は、第2の実施形態における紙指紋情報の抽出方法を説明するための図である。図26に示す用紙2600において、紙指紋情報を抽出する際に、四隅のうちの二隅を結ぶ対角線2611の両側(左右側)で紙指紋情報を抽出するようにする。即ち、領域2601、2602の位置で抽出を行う。この紙指紋抽出位置をユーザに指定させる場合には、このルールに沿ったユーザインターフェイスを提供すればよい。即ち、1つめの紙指紋抽出位置をユーザが指示した後、2つめの紙指紋抽出位置を制限するユーザインターフェイスを提供する。
【0144】
また、用紙にプリントするデータが存在しない白部、もしくは白部に近い低濃度部分は、紙がトナー、インク等の記録材により覆われないため紙の繊維情報が読み取り易いので紙指紋抽出位置として好ましい。
【0145】
従って、画像形成装置のCPU301が紙指紋抽出位置を判断する構成を採用した場合には、プリントする画像データが用紙上に記録されても、次のように決定する。画像形成が行なわれない部分もしくは、低濃度でしか画像形成が行なわれない部分であり、かつ、四隅のうち二隅を結ぶ対角線2611の両側を紙指紋抽出位置に決定する。
【0146】
このようにすることで、図27に示すように、スキャナ部113で斜めに読んだとしても、何れか一方の紙指紋情報は抽出可能となる。
【0147】
以上説明したように、紙指紋符号化情報に、その位置情報と、紙指紋情報の位置情報を付加し、その上で、紙指紋符号化情報を紙上で対角位置をなす二隅に配置し、かつ、その対角線の両側で紙指紋情報を抽出する。これにより、紙指紋位置を正確に特定することが可能となり、必要な紙指紋情報を的確に抽出可能となる。
【0148】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第3の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態では、紙指紋情報と紙指紋符号化情報を復号化し、得られた紙指紋情報が一致しない場合には読み取った紙指紋情報か復号化した紙指紋情報の何れか一方を90度、180度、270度回転すれば一致していた。しかし、予め何度回転すれば良いかが予めわかっていれば、照合処理を1度で済ませられる。
【0149】
また、第2の実施形態では、90度単位ではなく、不定の傾きを有しているため、照合処理における照合精度を高めるためには傾きを検知し補正する必要がある。
【0150】
そこで、第3の実施形態では、用紙の向きと傾きを検知し、補正する方法を説明する。まず、上下左右を検知し、90度単位の傾きを決定する。その後、補正のために、90度未満の傾きを検知する。
【0151】
図28は、用紙の向き(上下左右、90度単位)を検知する検知方法の一例を示す図である。図28に示す(A)が基本となる用紙の向きを示す図で、紙指紋符号化情報と同じ位置に、例えばL字型のマークを紙指紋符号化情報と同時に印字する。少なくとも対角をなす二箇所の隅にL字型のマーク2801及び2802を印字する。このとき、L字型のマーク2801及び2802の向きは同一にしておく。
【0152】
図28に示す(B)は、(A)に示す用紙が左90度回転して読まれた場合を示す図である。この場合、L字型のマーク2801及び2802を用いて向きを検知できる。また(C)は、(A)に示す用紙が右90度回転して読まれた場合、更に(D)は、(A)に示す用紙が上下に反転して読まれた場合である。何れの場合でもL字型のマーク2801及び2802を判別することで向きを特定できる。
【0153】
ここでは、L字型のマークを例に説明したが、これに限るものではない。容易に検出ができ、向きの判別がし易いマークであれば問題はない。また、マークでなく、符号化情報内に向きを示す情報を予め埋め込んでおいても構わない。また、対角をなす二隅にマークを入れる説明をしたが、1ヶ所でも特定可能である。しかし、複数箇所にマークを入れることで、向きの特定精度を向上させ、スキャン方向の読み取り先端で向きを検知することで、リアルタイムな処理がし易いなどの利点がある。
【0154】
次に、90度単位に向きを検知すると共に、傾きを検知することにより、図29に示すように、照合精度を向上させることができる。
【0155】
図29は、用紙の傾きを検知する検知方法の一例を示す図である。図29に示す(A)が基本となる図で、紙指紋符号化情報と同じ位置に、例えば、L字型マーク2901及び2902を紙指紋符号化情報と同時に印字する。このとき、このマークの特定部位、例えばL字型のマークを形成する長短の線分の交点の座標を符号化情報と共に印字しておく。このとき、紙に対して仮想の座標系を設定し、座標を決める。
【0156】
図29に示す(A)では、L字型マーク2901の座標を(X1,Y1)とし、L字型マーク2902の座標を(X2,Y2)とする。これらの座標から傾きを検出する。符号化情報埋め込み時の傾きGは、G=(Y1−Y2)/(X1−X2)となる。
【0157】
次に、実際に読み取った画像から座標を決定する。図29に示す(B)は、用紙が傾いて読まれた場合を示す図である。この場合、実際のL字型マーク2901の座標が(X3,Y3)で、L字型マーク2902の座標が(X4,Y4)であれば、読み取りデータ上での傾きGはG=(Y3−Y4)/(X3−X4)となる。
【0158】
符号化情報埋め込み時の傾きと、照合スキャン時の画像データの傾きとを比較し、照合に必要な交差内に収まるように補正する。この補正は、スキャンデータをアフィン変換などの周知の回転処理を用いれば良い。この方法によれば、符号化情報書き込み時の解像度と照合時の解像度に依存性がないため、照合時の自由度が高い利点がある。
【0159】
以上説明したように、符号化情報と向き検知用マークとを印字し、照合時の読み取りの際に、紙の向きを検知する。更に、符号化情報と符号化時の向き検知用マークの座標位置を埋め込んでおき、照合時のスキャンで得た画像中の向き検知用マークの座標と比較することで、傾きを検知することができる。また、必要に応じて、この傾きから回転処理により傾き補正を実施した上で照合処理を実施し、照合精度を維持することが可能となる。
【0160】
以上説明した実施形態によれば、照合のための読み取り時には、何れの方向から用紙がスキャンされても、必ず符号化情報を先に取得し、その符号化情報から紙指紋位置を特定できる。その結果、紙指紋情報を任意の位置で抽出可能となる。
【0161】
また、紙指紋位置を符号化情報にして紙に印字するため、紙指紋の採取位置を第三者に知られることはない。そのため、改ざんなどを防止でき、高いセキュリティレベルを実現できる。
【0162】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0163】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0164】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0165】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0166】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0167】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】第1の実施形態による画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における画像形成装置の外観を示す図である。
【図3】画像形成装置110における制御ユニット111の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】タイル画像データを概念的に表した図である。
【図5】図3に示すスキャナ画像処理部312の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】用紙固有の繊維パターン(紙指紋)を採取する領域を示す図である。
【図7】用紙固有の繊維パターン(紙指紋)を採取する他の領域を示す図である。
【図8】紙指紋情報取得部507における紙指紋情報取得処理を示すフローチャートである。
【図9】図3に示すプリンタ画像処理部315の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図6に示す用紙600上に符号画像データを配置した状態を示す図である。
【図11】図7に示す用紙700上に符号画像データを配置した状態を示す図である。
【図12】第1の実施形態における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。
【図13】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図14】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図15】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図16】図10に示す用紙600から紙指紋符号化情報1001、1002をスキャナ部113で読み取り、紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図17】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図18】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図19】用紙内から紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図20】図11に示す用紙700から紙指紋符号化情報1101、1102をスキャナ部113で読み取り、紙指紋情報を抽出する方法を説明するための図である。
【図21】画像形成装置110における初期画面の一例を示す図である。
【図22】第1の実施形態における紙指紋情報登録処理を示すフローチャートである。
【図23】第1の実施形態における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。
【図24】置き方によって紙指紋を抽出できない例を示す図である。
【図25】置き方によって紙指紋を抽出できない例を示す図である。
【図26】置き方によって紙指紋を抽出できない例を解決するための事例を示す図である。
【図27】第2の実施形態における紙指紋の抽出方法を説明するための図である。
【図28】用紙の向き(上下左右、90度単位)を検知する検知方法の一例を示す図である。
【図29】用紙の傾きを検知する検知方法の一例を示す図である。
【図30】(A)は登録された紙指紋情報を示す図、(B)は今回得られた紙指紋情報を示す図である。
【図31】(A)はE1×1の求め方を示す図、(B)はE2×1の求め方を示す図、(C)はEn×1の求め方を示す図、(D)はE2n−1×1の求め方を示す図である。
【図32】(A)はE1×2の求め方を示す図、(B)はE2n−1×2の求め方を示す図である。
【図33】(A)はEn×mの求め方を示す図、(B)はE2n−1×2m−1の求め方を示す図である。
【符号の説明】
【0169】
100 ローカルエリアネットワーク(LAN)
101 パーソナルコンピュータ(PC)
102 公衆回線(WAN)
110 画像形成装置
111 制御ユニット(Control Unit)
112 操作部
113 スキャナ部
114 プリンタ部
120 画像形成装置
121 制御ユニット(Control Unit)
122 操作部
123 スキャナ部
124 プリンタ部
130 画像形成装置
131 制御ユニット(Control Unit)
132 操作部
133 スキャナ部
134 プリンタ部
201 原稿フィーダ
202 トレイ
203 カセット
204 カセット
205 カセット
206 排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を処理する画像処理装置であって、
前記用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を読み込む手段と、
前記紙指紋情報と当該紙指紋情報の位置情報とを前記用紙上で対角の位置をなす二隅に埋め込む手段と、
前記埋め込まれた位置情報に基づいて前記紙指紋情報を抽出する抽出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記埋め込む手段は、前記紙指紋情報と当該紙指紋情報の位置情報とを符号化し、符号化情報として埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記符号化情報を読み出し、復号した位置情報に基づいて前記紙指紋情報を抽出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記読み込む手段は、前記用紙の対角線に対して左右側に位置する領域の紙指紋情報を読み込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記読み込んだ紙指紋情報と前記抽出した紙指紋情報とを照合し、照合した結果を表示する手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記紙指紋情報を照合する際に、前記抽出する紙指紋情報の向きを検知し、補正を行うことを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記紙指紋情報を照合する際に、前記抽出する紙指紋情報の傾きを検知し、補正を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記傾きの検知は、前記用紙上の対角をなす隅に印字されたマークに基づいて検知することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記傾きの検知は、前記用紙上の対角線上の隅に印字されたマークに基づいて検知することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記マークは同じ方向であることを特徴と請求項8又は9記載の画像処理装置。
【請求項11】
用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を処理する画像処理方法であって、
前記用紙固有の繊維パターンを表す紙指紋情報を読み込む工程と、
前記紙指紋情報と当該紙指紋情報の位置情報とを前記用紙上で対角の位置をなす二隅に埋め込む工程と、
前記埋め込まれた位置情報に基づいて前記紙指紋情報を抽出する抽出工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項11記載の画像処理方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−147719(P2008−147719A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328847(P2006−328847)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】