画像処理装置
【課題】 夜間において、標識を確実に認識することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 入力された画像画素のRGB値から色判定を行う色判定処理部11のステップS2の処理と、色判定処理部11のステップS2の処理の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする各色画素数カウント及び削減率選定処理部13と、色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定するRGB値削減率テーブル部12と、RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成部14と、RGB値削減画像のRGBちから色判定を行う色判定処理部11のステップS6の処理と、色判定処理部11のステップS6の処理の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う標識認識処理部15を備えた。
【解決手段】 入力された画像画素のRGB値から色判定を行う色判定処理部11のステップS2の処理と、色判定処理部11のステップS2の処理の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする各色画素数カウント及び削減率選定処理部13と、色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定するRGB値削減率テーブル部12と、RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成部14と、RGB値削減画像のRGBちから色判定を行う色判定処理部11のステップS6の処理と、色判定処理部11のステップS6の処理の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う標識認識処理部15を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他車のナンバーや道路標識を画像から認識するために画像処理を行う画像処理装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、印刷物検査装置による検査の結果得られる不良画像と基準画像のそれぞれから不良位置に対応する部分のRGB値素値を抽出し、このRGB画素値と、RGBとYMCKの対応関係を示す色判定データベース内のRGB値との相関を求め、相関の高いRGB値に対応するYMCK値を選択することにより、不良画像、基準画像それぞれに対応するYMCK値を求め、両者のYMCK画素値の差分を演算して色変化量を得ることにより不良内容を判別している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−208055号公報(第2−5頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来にあっては、例えば車両において得られる夜間画像から標識を認識すると、RGB値の差分による色の判定では、前走車がブレーキをかけた際や、赤みがかった街頭下の場合、画面全体が赤く判定され標識が認識できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、夜間において、標識を確実に認識することができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、画面画素の第1の色判定におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて、RGB値を変更し、第2の色判定を行う処理手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の画像処理装置を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例1と、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例2とに基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
実施例1では、画像処理装置として、標識を認識して警報を出す標識認識警報装置を例にして説明する。
図1は実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
実施例1の標識認識警報装置1は、車両に設けたカメラ2(画像撮影装置)により撮像した画像を処理して標識を認識し、車内に設けられたモニタ3とスピーカ4により乗員へ警報する構成である。
標識認識警報装置1は、色判定処理部11、RGB値削減率テーブル部12、各色画素数カウント及び削減率選定処理部13、RGB値削減画像生成部14、標識認識処理部15、警報出力データ生成部16を主要な構成にしている。
【0009】
色判定処理部11は、撮像した画像の色判定を行う。
RGB値削減率テーブル部12は、予め特性データを取り作成した赤画素数と削減率のデータテーブルである。
図2は実施例1の標識認識警報装置の赤画素数と削減率の関係を示す説明図である。
図2が示すのは、画像中の赤画素数がカウントされた際に、その赤画素数がいくつの場合に、R成分(赤成分)をそれくらい減らす処理を行えばよいかをデータテーブルとしたものである。
【0010】
各色画素数カウント及び削減率選定処理部13は、撮像し、色判定がされた画像について、R値(赤値)、G値(緑値)、B値(青値)の画素数をカウントする。そして、R値についてのカウント値をRGB値削減率テーブル部12へ出力し、削減率を得る処理を行う。
RGB値削減画像生成部14は、得た削減率と、撮像し色判定した画像から、そのR値を削減した画像を生成する。
【0011】
標識認識処理部15は、ラベリング部151とパターンマッチング部152を備え、標識の種類と内容を認識する処理を行う。
ラベリング部151は、所定領域ごとにラベルを付けていく処理を行う。
パターンマッチング部152は、予めパターン化された標識データに処理画像を比較して当てはめる処理を行い、撮像画像中の標識を認識する。
警報出力データ生成部16は、認識された標識に応じて、警報出力をモニタ3、スピーカ4に行う。
【0012】
作用を説明する。
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図3に示すのは、実施例1の標識認識警報装置で実行される標識を認識し、警報を出力する処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについ手説明する。
【0013】
ステップS1では、カメラ2で撮像された元画像を取り込む処理を行う。
【0014】
ステップS2では、第1の色判定を行う。
この色判定では、RGB値の差分を比較して画素毎の色判定を行う。R値とG値の差分が最大の場合には赤色、B値とR値の差分が最大の場合には青色、G値とB値の差が最大の場合には黄色という処理である。
【0015】
ステップS3では、判定された各色の画素数をカウントする。
【0016】
ステップS4では、各色の画素数からRGB値の削減率をRGB値削減率テーブル部12から選定する。
【0017】
ステップS5では、元画像のRGB値削減画像を作成する。
【0018】
ステップS6では、第2の色判定を行う。
【0019】
ステップS7では、ラベリング処理を行う。
【0020】
ステップS8では、パターンマッチング処理を行う。
【0021】
ステップS9では、認識した標識の有無を判定し、認識した標識があるならばステップS10に進み、認識した標識がないならばステップS1へ戻る。
【0022】
ステップS10では、警報出力データを生成して処理を終了する。
【0023】
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図4は実施例1の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図5は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図6は実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図7は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図7では、R成分の削減率を45%減としている。
以下、各図において、赤色と判定した部分を符号101、青色と判定した部分を符号102、黄色と判定した部分を符号103、黒色と判定した部分を符号104、色無し(グレーが割り当てられる)と判定した部分を符号105、白色と判定した部分を符号106とする。但し、色判定画像では、これらが画素ごとに判定されるため、代表的な部分及び説明に用いる部分のさらに一部にのみ符号で示すものとする。
【0024】
実施例1の標識認識警報装置では、前走車を含む前方画像に含まれる道路標識を認識し、警報する例である。図4、図5における中央上部のやや左側の標識を認識する。
カメラ2で撮像した画像が取り込まれると(ステップS1)、色判定処理部11により第1の色判定が行われる(ステップS2)。この色判定では、RGB値の差分を比較して画素毎の色判定を行う。R値とG値の差分が最大の場合には赤色、B値とR値の差分が最大の場合には青色、G値とB値の差が最大の場合には黄色という判定処理となる。
【0025】
図4、図5では分かり難いが、図6で分かるように、RGB値の判定を行うと、前走車のストップランプ、及び街灯により、カメラ2で撮像した画像は殆ど赤みがかった画像になってしまっている。また、図6から分かるように、前走車のストップランプ、及び街灯は輝度が高すぎて色判定で、色なしのグレーに判定されている。その周囲から画面全体に拡がっている、ストップランプ、及び街灯より濃いグレー部分が赤色判定部分である。そして、図6において、その赤色判定部分の左側(画面左側)、前走車の下側に広がる白い部分は、黄色判定部分である。
このように、実施例1で例として上げた画像は、図4、図5では、分かり難いが、図6から分かるように、画面全体が、ストップランプ、及び街灯の赤色光成分に影響を受けている。それは、認識したい図4〜図7の中央上部のやや左側の標識においても同じであり、赤色成分の影響を多く受けている。
【0026】
このように画像の各画素の色判定が成されると、次に、各色画素数カウント及び削減率選定処理部13が、赤色の画素数をカウントする(ステップS3)。そして、図2に示すデータを備えたRGB値削減率テーブル部12から、赤色の削減率を決定する(ステップS4)。
赤色の削減率が決定すると、RGB値削減画像生成部14により赤色を削減した画像を生成する(ステップS5)。
【0027】
図4、図5では分かり難いが、図6と図7の比較により、赤色成分が抑制されていることが分かる。改善効果を得られるように、図2に基づく、赤色成分の削減を行う。つまり、画素毎のRGB値のR値を図2の削減率に基づき、削減する。
そして、第2の色判定(処理内容は第1の色判定と同じ)を行った画像が図7である。図7においても、前走車のストップランプ、及び街灯は輝度が高すぎて色判定で、色なしのグレーに判定され、その周囲で、ストップランプ、及び街灯より濃いグレー部分が赤色判定部分である。またその赤色判定部分の周囲で、白い部分が黄色判定部分である。このように、R値の削減により、赤色判定部分と黄色判定部分が抑制され、図7の中央上部のやや左側の標識が、ストップランプ、及び街灯の影響を非常に少なくされていることがわかる。
【0028】
このようにして、R値を削減し、第2の色判定をした画像が得られると、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)、パターンマッチング部152による認識処理が行われ(ステップS8)、認識した標識に応じた警報が出力される(ステップS10)。
【0029】
図8は実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
図9は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。なお、図9では、R成分の削減率を45%減としている。
【0030】
図8に示す、元画像に第1の色判定を施したものでは、ストップランプ、及び街灯の影響により標識の周囲及び内部で、標識周囲の赤色部分に溶け込むように標識内部で赤くなっている部分があり、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)で、赤色面積部分がラベリングされることにより、その後のパターンマッチング部152のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「横断歩道・自転車分離帯」への当てはめができず問題となる。
【0031】
実施例1では、R成分を削減し、第2の色判定を施したものでは、図9に示すように、ストップランプ、及び街灯の影響により標識の周囲及び内部で、標識周囲の赤色部分に溶け込むように標識内部で赤くなっている部分はない。そして、青色で構成される全体の三角形、中央よりやや左側、そしてわずかに右側に、色なしと判定された部分があり、主に、青色の面積、形状のラベリング処理により、その後のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「横断歩道・自転車分離帯」への当てはめが成される。
【0032】
これにより実施例1では、モニタ3、スピーカ4から、「横断歩道・自転車分離帯」を示す表示や警告音等が発せられ、ドライバがこれに気づくことにより、より夜間運転が良好に行えるよう支援することができる。
このように実施例1では、夜間画像において、少なくとも赤判定される画素が多すぎる場合に、R値を適度に削減し、標識認識が確実に行われるようにできる。
【0033】
次に、効果を説明する。
実施例1の画像処理装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)画面画素の第1の色判定(ステップS2)におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて(ステップS3)、RGB値を変更し(ステップS4,S5)、第2の色判定(ステップS6)を行う標識認識警報装置1を備えたため、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0034】
(2)標識認識警報装置1は、入力された画像画素のRGB値から色判定を行う色判定処理部11のステップS2の処理と、色判定処理部11のステップS2の処理の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする各色画素数カウント及び削減率選定処理部13と、色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定するRGB値削減率テーブル部12と、RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成部14と、RGB値削減画像のRGBちから色判定を行う色判定処理部11のステップS6の処理と、色判定処理部11のステップS6の処理の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う標識認識処理部15を備えるため、画面中で多くなり過ぎ、認識処理に影響を与える色のRGB値を削減して、再度色判定を行うようにして、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0035】
(3)各色画素数カウント及び削減率選定処理部13は、赤色画素の数をカウントするものであり、RGB値削減率テーブル部12は、R値の削減率を設定するものであり、RGB値削減画像生成部14は、R値の削減を行った画像を生成するものであるため、夜間中の画像の主にライトなどの発光色による影響を非常に抑制して、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0036】
(4)標識認識処理部15は、少なくとも道路標識の認識処理をラベリング処理とパターンマッチング処理で行うものであるため、夜間画像における発光色などの色影響を減じるようRGB値を削減して、再度色判定を行うことで、標識内で標識にない色がラベリングすることを防ぎ、より正確なパターンマッチングが行われるようにして、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【実施例2】
【0037】
実施例2の画像処理装置では、実施例1と同様に、標識を認識して警報を出す標識認識警報装置を例にして説明する。
実施例2では、夜間において、上下に配置された標識を認識する例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0038】
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図10は実施例2の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図11は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図11では、R成分の削減率を45%減としている。
図12は実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図13は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図13では、R成分の削減率を45%減としている。
【0039】
実施例2の標識認識警報装置では、前走車を含む前方画像に含まれる道路標識を認識し、警報する例である。但し、認識するのは、図10、図11における左端部上部の標識であり、上下に並べて配置された2つの標識である。
【0040】
図10、図11では分かり難いが、図12で分かるように、RGB値の判定を行うと、前走車のストップランプ、及び街灯により、実施例1ほどではないが、カメラ2で撮像した画像の一部が赤みがかった画像になってしまっている。
特にわかりやすい部分について説明すれば、図12において、前走車のストップランプの周囲の濃いグレー部分が赤色判定部分であり、他の部分では、画面下半分に多く分布している。図12では、この分布した赤色判定部分に応じるように、図では白く見える黄色判定部分が多いことで、赤色判定部分が、多く分布していることがわかる。
【0041】
このように、実施例1ほどではないが、実施例2で例として挙げた画像は、図10、図11では、分かり難いが、図12から分かるように、画面の一部が、ストップランプ、及び街灯の赤色光成分に影響を受けている。
【0042】
赤色の削減率が決定され、RGB値削減画像生成部14により赤色を削減した画像を生成する(ステップS5)と、図10、図11では分かり難いが、図12と図13の比較により、赤色成分が抑制されていることが分かる。
そして、第2の色判定を行った画像が図13である。図13においては、R値の削減により、赤色判定部分と黄色判定部分が図12に比較して抑制され、図13の右端部には、青色部分が多く分布し、全体的にも青色部分が多くなっていることがわかる。
【0043】
このようにして、R値を削減し、第2の色判定をした画像が得られると、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)、パターンマッチング部152による認識処理が行われ(ステップS8)、認識した標識に応じた警報が出力される(ステップS10)。
【0044】
図14は実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
図15は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。なお、図15では、R成分の削減率を35%減としている。(説明上、違いを分かりやすくするため)
【0045】
図14に示す、元画像に第1の色判定を施したものでは、ストップランプ、及び街灯の影響により上下に並んで配置された道路標識、「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」の環状に赤い部分が、接続してしまっている。そのため、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)で、赤色面積部分がラベリングされることにより、8の字状の赤い面積部分とラベリングされる。すると、その後のパターンマッチング部152のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」への当てはめができず問題となる。
【0046】
実施例2では、R成分を削減し、第2の色判定を施したものでは、図15に示すように、ストップランプ、及び街灯の影響により上下の標識の環状の赤い部分が接続してしまうことがない。
そのため、それぞれ、上下に丸い標識があると判定され、ラベリング処理、その後のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」への当てはめが成される。
【0047】
これにより実施例1では、モニタ3、スピーカ4から、「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」を示す表示や警告音等が発せられ、ドライバがこれに気づくことにより、より夜間運転が良好に行えるよう支援することができる。
このように実施例2では、夜間画像において、少なくとも赤判定される画素が多すぎる場合に、R値を適度に削減し、標識認識が確実に行われるようにできる。なお、図14と図15の比較において、制限速度である「40」について図15の方が読み取りにくく見えるが、実際では、図14、図15に示すものより解像度が高いこと、あるいは、標識と認識後にさらに標識部分のみ再画像処理されるようにしてもよいことで、解決されるものであることを付言しておく。
【0048】
次に、効果を説明する。
この実施例2の画像処理装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果を、夜間における上下に並んで配置された道路標識を認識する際にも得ることができる。
【0049】
以上、本発明の画像処理装置を実施例1、実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1、実施例2では、標識認識をラベリング、パターンマッチングにより行うようにしたが、他の方法によるものであってもよい。
【0050】
例えば、実施例1、実施例2では、夜間における道路標識を例に説明したが、他の標識であってもよい。
例えば、実施例1、実施例2では、R値を削減したが、同様にG値、B値を状況に応じて減じる処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
【図2】実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
【図3】実施例1の標識認識警報装置で実行される標識を認識し、警報を出力する処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例1の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図5】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図6】実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図7】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図8】実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図9】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図10】実施例2の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図11】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図12】実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図13】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図14】実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図15】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
1 標識認識警報装置
11 色判定処理部
12 RGB値削減率テーブル部
13 各色画素数カウント及び削減率選定処理部
14 RGB値削減画像生成部
15 標識認識処理部
151 ラベリング部
152 パターンマッチング部
16 警報出力データ生成部
2 カメラ
3 モニタ
4 スピーカ
101 赤色と判定した部分
102 青色と判定した部分
103 黄色と判定した部分
104 黒色と判定した部分
105 色無しと判定した部分
106 白色と判定した部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、他車のナンバーや道路標識を画像から認識するために画像処理を行う画像処理装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、印刷物検査装置による検査の結果得られる不良画像と基準画像のそれぞれから不良位置に対応する部分のRGB値素値を抽出し、このRGB画素値と、RGBとYMCKの対応関係を示す色判定データベース内のRGB値との相関を求め、相関の高いRGB値に対応するYMCK値を選択することにより、不良画像、基準画像それぞれに対応するYMCK値を求め、両者のYMCK画素値の差分を演算して色変化量を得ることにより不良内容を判別している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−208055号公報(第2−5頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来にあっては、例えば車両において得られる夜間画像から標識を認識すると、RGB値の差分による色の判定では、前走車がブレーキをかけた際や、赤みがかった街頭下の場合、画面全体が赤く判定され標識が認識できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、夜間において、標識を確実に認識することができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、画面画素の第1の色判定におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて、RGB値を変更し、第2の色判定を行う処理手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の画像処理装置を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例1と、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例2とに基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
実施例1では、画像処理装置として、標識を認識して警報を出す標識認識警報装置を例にして説明する。
図1は実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
実施例1の標識認識警報装置1は、車両に設けたカメラ2(画像撮影装置)により撮像した画像を処理して標識を認識し、車内に設けられたモニタ3とスピーカ4により乗員へ警報する構成である。
標識認識警報装置1は、色判定処理部11、RGB値削減率テーブル部12、各色画素数カウント及び削減率選定処理部13、RGB値削減画像生成部14、標識認識処理部15、警報出力データ生成部16を主要な構成にしている。
【0009】
色判定処理部11は、撮像した画像の色判定を行う。
RGB値削減率テーブル部12は、予め特性データを取り作成した赤画素数と削減率のデータテーブルである。
図2は実施例1の標識認識警報装置の赤画素数と削減率の関係を示す説明図である。
図2が示すのは、画像中の赤画素数がカウントされた際に、その赤画素数がいくつの場合に、R成分(赤成分)をそれくらい減らす処理を行えばよいかをデータテーブルとしたものである。
【0010】
各色画素数カウント及び削減率選定処理部13は、撮像し、色判定がされた画像について、R値(赤値)、G値(緑値)、B値(青値)の画素数をカウントする。そして、R値についてのカウント値をRGB値削減率テーブル部12へ出力し、削減率を得る処理を行う。
RGB値削減画像生成部14は、得た削減率と、撮像し色判定した画像から、そのR値を削減した画像を生成する。
【0011】
標識認識処理部15は、ラベリング部151とパターンマッチング部152を備え、標識の種類と内容を認識する処理を行う。
ラベリング部151は、所定領域ごとにラベルを付けていく処理を行う。
パターンマッチング部152は、予めパターン化された標識データに処理画像を比較して当てはめる処理を行い、撮像画像中の標識を認識する。
警報出力データ生成部16は、認識された標識に応じて、警報出力をモニタ3、スピーカ4に行う。
【0012】
作用を説明する。
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図3に示すのは、実施例1の標識認識警報装置で実行される標識を認識し、警報を出力する処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについ手説明する。
【0013】
ステップS1では、カメラ2で撮像された元画像を取り込む処理を行う。
【0014】
ステップS2では、第1の色判定を行う。
この色判定では、RGB値の差分を比較して画素毎の色判定を行う。R値とG値の差分が最大の場合には赤色、B値とR値の差分が最大の場合には青色、G値とB値の差が最大の場合には黄色という処理である。
【0015】
ステップS3では、判定された各色の画素数をカウントする。
【0016】
ステップS4では、各色の画素数からRGB値の削減率をRGB値削減率テーブル部12から選定する。
【0017】
ステップS5では、元画像のRGB値削減画像を作成する。
【0018】
ステップS6では、第2の色判定を行う。
【0019】
ステップS7では、ラベリング処理を行う。
【0020】
ステップS8では、パターンマッチング処理を行う。
【0021】
ステップS9では、認識した標識の有無を判定し、認識した標識があるならばステップS10に進み、認識した標識がないならばステップS1へ戻る。
【0022】
ステップS10では、警報出力データを生成して処理を終了する。
【0023】
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図4は実施例1の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図5は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図6は実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図7は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図7では、R成分の削減率を45%減としている。
以下、各図において、赤色と判定した部分を符号101、青色と判定した部分を符号102、黄色と判定した部分を符号103、黒色と判定した部分を符号104、色無し(グレーが割り当てられる)と判定した部分を符号105、白色と判定した部分を符号106とする。但し、色判定画像では、これらが画素ごとに判定されるため、代表的な部分及び説明に用いる部分のさらに一部にのみ符号で示すものとする。
【0024】
実施例1の標識認識警報装置では、前走車を含む前方画像に含まれる道路標識を認識し、警報する例である。図4、図5における中央上部のやや左側の標識を認識する。
カメラ2で撮像した画像が取り込まれると(ステップS1)、色判定処理部11により第1の色判定が行われる(ステップS2)。この色判定では、RGB値の差分を比較して画素毎の色判定を行う。R値とG値の差分が最大の場合には赤色、B値とR値の差分が最大の場合には青色、G値とB値の差が最大の場合には黄色という判定処理となる。
【0025】
図4、図5では分かり難いが、図6で分かるように、RGB値の判定を行うと、前走車のストップランプ、及び街灯により、カメラ2で撮像した画像は殆ど赤みがかった画像になってしまっている。また、図6から分かるように、前走車のストップランプ、及び街灯は輝度が高すぎて色判定で、色なしのグレーに判定されている。その周囲から画面全体に拡がっている、ストップランプ、及び街灯より濃いグレー部分が赤色判定部分である。そして、図6において、その赤色判定部分の左側(画面左側)、前走車の下側に広がる白い部分は、黄色判定部分である。
このように、実施例1で例として上げた画像は、図4、図5では、分かり難いが、図6から分かるように、画面全体が、ストップランプ、及び街灯の赤色光成分に影響を受けている。それは、認識したい図4〜図7の中央上部のやや左側の標識においても同じであり、赤色成分の影響を多く受けている。
【0026】
このように画像の各画素の色判定が成されると、次に、各色画素数カウント及び削減率選定処理部13が、赤色の画素数をカウントする(ステップS3)。そして、図2に示すデータを備えたRGB値削減率テーブル部12から、赤色の削減率を決定する(ステップS4)。
赤色の削減率が決定すると、RGB値削減画像生成部14により赤色を削減した画像を生成する(ステップS5)。
【0027】
図4、図5では分かり難いが、図6と図7の比較により、赤色成分が抑制されていることが分かる。改善効果を得られるように、図2に基づく、赤色成分の削減を行う。つまり、画素毎のRGB値のR値を図2の削減率に基づき、削減する。
そして、第2の色判定(処理内容は第1の色判定と同じ)を行った画像が図7である。図7においても、前走車のストップランプ、及び街灯は輝度が高すぎて色判定で、色なしのグレーに判定され、その周囲で、ストップランプ、及び街灯より濃いグレー部分が赤色判定部分である。またその赤色判定部分の周囲で、白い部分が黄色判定部分である。このように、R値の削減により、赤色判定部分と黄色判定部分が抑制され、図7の中央上部のやや左側の標識が、ストップランプ、及び街灯の影響を非常に少なくされていることがわかる。
【0028】
このようにして、R値を削減し、第2の色判定をした画像が得られると、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)、パターンマッチング部152による認識処理が行われ(ステップS8)、認識した標識に応じた警報が出力される(ステップS10)。
【0029】
図8は実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
図9は実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。なお、図9では、R成分の削減率を45%減としている。
【0030】
図8に示す、元画像に第1の色判定を施したものでは、ストップランプ、及び街灯の影響により標識の周囲及び内部で、標識周囲の赤色部分に溶け込むように標識内部で赤くなっている部分があり、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)で、赤色面積部分がラベリングされることにより、その後のパターンマッチング部152のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「横断歩道・自転車分離帯」への当てはめができず問題となる。
【0031】
実施例1では、R成分を削減し、第2の色判定を施したものでは、図9に示すように、ストップランプ、及び街灯の影響により標識の周囲及び内部で、標識周囲の赤色部分に溶け込むように標識内部で赤くなっている部分はない。そして、青色で構成される全体の三角形、中央よりやや左側、そしてわずかに右側に、色なしと判定された部分があり、主に、青色の面積、形状のラベリング処理により、その後のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「横断歩道・自転車分離帯」への当てはめが成される。
【0032】
これにより実施例1では、モニタ3、スピーカ4から、「横断歩道・自転車分離帯」を示す表示や警告音等が発せられ、ドライバがこれに気づくことにより、より夜間運転が良好に行えるよう支援することができる。
このように実施例1では、夜間画像において、少なくとも赤判定される画素が多すぎる場合に、R値を適度に削減し、標識認識が確実に行われるようにできる。
【0033】
次に、効果を説明する。
実施例1の画像処理装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)画面画素の第1の色判定(ステップS2)におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて(ステップS3)、RGB値を変更し(ステップS4,S5)、第2の色判定(ステップS6)を行う標識認識警報装置1を備えたため、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0034】
(2)標識認識警報装置1は、入力された画像画素のRGB値から色判定を行う色判定処理部11のステップS2の処理と、色判定処理部11のステップS2の処理の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする各色画素数カウント及び削減率選定処理部13と、色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定するRGB値削減率テーブル部12と、RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成部14と、RGB値削減画像のRGBちから色判定を行う色判定処理部11のステップS6の処理と、色判定処理部11のステップS6の処理の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う標識認識処理部15を備えるため、画面中で多くなり過ぎ、認識処理に影響を与える色のRGB値を削減して、再度色判定を行うようにして、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0035】
(3)各色画素数カウント及び削減率選定処理部13は、赤色画素の数をカウントするものであり、RGB値削減率テーブル部12は、R値の削減率を設定するものであり、RGB値削減画像生成部14は、R値の削減を行った画像を生成するものであるため、夜間中の画像の主にライトなどの発光色による影響を非常に抑制して、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【0036】
(4)標識認識処理部15は、少なくとも道路標識の認識処理をラベリング処理とパターンマッチング処理で行うものであるため、夜間画像における発光色などの色影響を減じるようRGB値を削減して、再度色判定を行うことで、標識内で標識にない色がラベリングすることを防ぎ、より正確なパターンマッチングが行われるようにして、夜間において、標識を確実に認識することができる。
【実施例2】
【0037】
実施例2の画像処理装置では、実施例1と同様に、標識を認識して警報を出す標識認識警報装置を例にして説明する。
実施例2では、夜間において、上下に配置された標識を認識する例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0038】
[R値を抑制した画像を生成して標識認識を確実にする処理]
図10は実施例2の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図11は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図11では、R成分の削減率を45%減としている。
図12は実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
図13は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。なお、図13では、R成分の削減率を45%減としている。
【0039】
実施例2の標識認識警報装置では、前走車を含む前方画像に含まれる道路標識を認識し、警報する例である。但し、認識するのは、図10、図11における左端部上部の標識であり、上下に並べて配置された2つの標識である。
【0040】
図10、図11では分かり難いが、図12で分かるように、RGB値の判定を行うと、前走車のストップランプ、及び街灯により、実施例1ほどではないが、カメラ2で撮像した画像の一部が赤みがかった画像になってしまっている。
特にわかりやすい部分について説明すれば、図12において、前走車のストップランプの周囲の濃いグレー部分が赤色判定部分であり、他の部分では、画面下半分に多く分布している。図12では、この分布した赤色判定部分に応じるように、図では白く見える黄色判定部分が多いことで、赤色判定部分が、多く分布していることがわかる。
【0041】
このように、実施例1ほどではないが、実施例2で例として挙げた画像は、図10、図11では、分かり難いが、図12から分かるように、画面の一部が、ストップランプ、及び街灯の赤色光成分に影響を受けている。
【0042】
赤色の削減率が決定され、RGB値削減画像生成部14により赤色を削減した画像を生成する(ステップS5)と、図10、図11では分かり難いが、図12と図13の比較により、赤色成分が抑制されていることが分かる。
そして、第2の色判定を行った画像が図13である。図13においては、R値の削減により、赤色判定部分と黄色判定部分が図12に比較して抑制され、図13の右端部には、青色部分が多く分布し、全体的にも青色部分が多くなっていることがわかる。
【0043】
このようにして、R値を削減し、第2の色判定をした画像が得られると、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)、パターンマッチング部152による認識処理が行われ(ステップS8)、認識した標識に応じた警報が出力される(ステップS10)。
【0044】
図14は実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
図15は実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。なお、図15では、R成分の削減率を35%減としている。(説明上、違いを分かりやすくするため)
【0045】
図14に示す、元画像に第1の色判定を施したものでは、ストップランプ、及び街灯の影響により上下に並んで配置された道路標識、「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」の環状に赤い部分が、接続してしまっている。そのため、ラベリング部151のラベル処理(ステップS7)で、赤色面積部分がラベリングされることにより、8の字状の赤い面積部分とラベリングされる。すると、その後のパターンマッチング部152のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」への当てはめができず問題となる。
【0046】
実施例2では、R成分を削減し、第2の色判定を施したものでは、図15に示すように、ストップランプ、及び街灯の影響により上下の標識の環状の赤い部分が接続してしまうことがない。
そのため、それぞれ、上下に丸い標識があると判定され、ラベリング処理、その後のパターンマッチング処理で、本来処理されるべき「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」への当てはめが成される。
【0047】
これにより実施例1では、モニタ3、スピーカ4から、「上:最高速度規制」、「下:駐車禁止」を示す表示や警告音等が発せられ、ドライバがこれに気づくことにより、より夜間運転が良好に行えるよう支援することができる。
このように実施例2では、夜間画像において、少なくとも赤判定される画素が多すぎる場合に、R値を適度に削減し、標識認識が確実に行われるようにできる。なお、図14と図15の比較において、制限速度である「40」について図15の方が読み取りにくく見えるが、実際では、図14、図15に示すものより解像度が高いこと、あるいは、標識と認識後にさらに標識部分のみ再画像処理されるようにしてもよいことで、解決されるものであることを付言しておく。
【0048】
次に、効果を説明する。
この実施例2の画像処理装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果を、夜間における上下に並んで配置された道路標識を認識する際にも得ることができる。
【0049】
以上、本発明の画像処理装置を実施例1、実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1、実施例2では、標識認識をラベリング、パターンマッチングにより行うようにしたが、他の方法によるものであってもよい。
【0050】
例えば、実施例1、実施例2では、夜間における道路標識を例に説明したが、他の標識であってもよい。
例えば、実施例1、実施例2では、R値を削減したが、同様にG値、B値を状況に応じて減じる処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
【図2】実施例1の標識認識警報装置のブロック構成を示す図である。
【図3】実施例1の標識認識警報装置で実行される標識を認識し、警報を出力する処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例1の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図5】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図6】実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図7】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図8】実施例1の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図9】実施例1の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図10】実施例2の標識認識警報装置で処理する元画像を白黒処理した図及び参考用にカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図11】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減した元画像を白黒処理した図及び参考用にR成分を削減したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図12】実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図13】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図である。
【図14】実施例2の標識認識警報装置で処理した元画像に第1の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及び元画像に第1の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【図15】実施例2の標識認識警報装置でR成分を削減し第2の色判定を施し白黒処理した図の標識部分の拡大図及びR成分を削減し第2の色判定を施したカラー図を白黒化(明細書作成時)した図の標識部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
1 標識認識警報装置
11 色判定処理部
12 RGB値削減率テーブル部
13 各色画素数カウント及び削減率選定処理部
14 RGB値削減画像生成部
15 標識認識処理部
151 ラベリング部
152 パターンマッチング部
16 警報出力データ生成部
2 カメラ
3 モニタ
4 スピーカ
101 赤色と判定した部分
102 青色と判定した部分
103 黄色と判定した部分
104 黒色と判定した部分
105 色無しと判定した部分
106 白色と判定した部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面画素の第1の色判定におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて、RGB値を変更し、第2の色判定を行う処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記処理手段は、
入力された画像画素のRGB値から色判定を行う第1色判定手段と、
第1色判定手段の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする色画素カウント手段と、
前記色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定する削減率設定手段と、
前記RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成手段と、
RGB値削減画像のRGB値から色判定を行う第2色判定手段と、
第2色判定手段の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う認識処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記色画素カウント手段は、赤色画素の数をカウントするものであり、
前記削減率設定手段は、R値の削減率を設定するものであり、
前記RGB値削減画像生成手段は、R値の削減を行った画像を生成するものである、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、
前記認識処理手段は、少なくとも道路標識の認識処理をラベリング処理とパターンマッチング処理により行うものである、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
画面画素の第1の色判定におけるいずれかの判定色の画素数に基づいて、RGB値を変更し、第2の色判定を行う処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記処理手段は、
入力された画像画素のRGB値から色判定を行う第1色判定手段と、
第1色判定手段の色判定結果から、画像中の少なくとも色画素の数をカウントする色画素カウント手段と、
前記色画素カウント値に基づいて、RGB値の削減率を設定する削減率設定手段と、
前記RGB値の削減率に基づいて、RGB値の削減を行った画像を生成するRGB値削減画像生成手段と、
RGB値削減画像のRGB値から色判定を行う第2色判定手段と、
第2色判定手段の色判定結果から、画像中の被認識物の認識処理を行う認識処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記色画素カウント手段は、赤色画素の数をカウントするものであり、
前記削減率設定手段は、R値の削減率を設定するものであり、
前記RGB値削減画像生成手段は、R値の削減を行った画像を生成するものである、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、
前記認識処理手段は、少なくとも道路標識の認識処理をラベリング処理とパターンマッチング処理により行うものである、ことを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−197769(P2008−197769A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30171(P2007−30171)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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