説明

画像処理装置

【課題】 原稿に対し、処理範囲を特定するためのマーキングを、別途、事前に施すことなく、原稿の中から、加筆・修正されたページを、ページ毎に、容易に分別することが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】 画像処理装置1は、原稿90をページ毎に読み取り、画像データを生成する読取部13と、原稿上端の所定領域94に付されているマーキング95を画像データから抽出するとともに、マーキング95の色を判別する抽出部14と、生成された画像データについて、判別された色と同色のマーキングが有るか否かに基づいて、ページ毎に加筆・修正の有無を判定する加筆・修正判定部15と、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページを抜き出す分別部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マーカーでマーキングされた領域の文書に対して特殊処理を施すマーカー編集機能を有する画像処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、予め記載されている複数の処理指定情報の中から所望する処理指定情報をカラーマーカーでマーキングして選択するとともに、処理対象領域をカラーマーカーで指定することにより、指定された処理対象領域の原稿情報に対して、選択された処理指定情報により特定される処理を施す画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1記載の画像処理装置は、まず、原稿の原稿情報を読み取り、原稿情報から処理対象領域を指定する領域指定情報、及び、該領域指定情報と組合せて指定される処理内容を指定する処理指定情報を抽出する。その際に、画像処理装置は、領域指定情報と同じ色で指定された画像データを処理対象情報として抽出する。そして、画像処理装置は、領域指定情報で指定される領域における原稿情報を処理対象情報として、処理指定情報で指定される処理を施す。この画像処理装置によれば、処理対象となる領域を指定するための色等の情報を予め装置に登録しておくことなく処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−27243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1記載の画像処理装置では、原稿に対して所望の処理を施すためには、処理対象領域をカラーマーカーで指定するとともに、処理対象領域を指定したカラーマーカーと同じ色で所望する処理指定情報をマーキングして選択する必要がある。ここで、例えば、複数ページからなる原稿から生成される画像データをページ単位で分別したい場合がある。より具体的には、例えば、複数ページからなる原稿から、加筆・修正があるページだけを抜き出したい場合がある。しかしながら、特許文献1記載の画像処理装置では、例えば、加筆・修正されているページ全体を抜き出したい場合、処理指定情報を予め選択するとともに、ページ全体にマーキングを施す必要がある。そのため、事前のマーキング作業などに手間がかかり、使い勝手があまりよくなかった。特に、原稿が複数ページからなる場合には顕著であった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、原稿に対し、処理範囲を特定するためのマーキングを、別途、事前に施すことなく、原稿の中から、加筆・修正されたページを、ページ毎に、容易に分別することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、原稿をページ毎に読み取り、画像データを生成する読取手段と、原稿上の所定領域に記載され、加筆・修正されたページを判別する際の指標となる判別情報を、画像データから抽出する抽出手段と、読取手段により生成された画像データについて、抽出手段により抽出された判別情報の有無に基づいて、ページ毎に、加筆・修正の有無を判定する判定手段と、判定手段により、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページを無加筆・無修正ページと分別する分別手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理装置によれば、原稿上の所定領域から判別情報が抽出され、該判別情報の有無に基づいて、ページ毎に、加筆・修正の有無が判定される。そして、加筆・修正が有ると判定されたページが分別される。よって、判別情報を予め決めて原稿の所定領域に記載しておき、原稿を加筆・修正する際に、判別情報を含んで加筆・修正することにより、容易に加筆・修正ページだけを分別することができる。その結果、原稿に対し、処理範囲を特定するためのマーキングを、別途、事前に施すことなく、原稿の中から、加筆・修正されたページを、ページ毎に、容易に分別することが可能となる。
【0009】
ここで、上記判別情報は、加筆・修正に用いられる筆記具の色の情報、又は加筆される記号の情報であることが好ましい。このようにすれば、加筆・修正する際に使用するカラーペン、カラーマーカーなどの色を予め決めて原稿の所定領域に記載しておき、決められた色のカラーペン、カラーマーカーなどで加筆・修正を行うことにより、加筆・修正ページを容易に分別することができる。また、加筆・修正を示す記号を予め決めて原稿の所定領域に記載しておき、加筆・修正する際に、原稿に決められた記号を記入(加筆)することにより、加筆・修正ページを容易に分別することができる。
【0010】
本発明に係る画像処理装置では、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、分別手段が、該ページの画像データを抜き出すことが好ましい。このようにすれば、必要性が高い加筆・修正が有るページのみを選択的に抜き出すことができる。
【0011】
また、本発明に係る画像処理装置では、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、分別手段が、該ページが加筆・修正ページであることを示す属性情報を、該ページの画像データに付加することが好ましい。この場合、必要性が高い加筆・修正ページに対して属性情報が付加されるため、加筆・修正ページを容易に検索、抽出することができる。
【0012】
また、上述した原稿上の所定領域は、原稿の余白領域に設定されていることが好ましい。このようにすれば、原稿の内容が記載されていない余白領域を利用して判別情報を記載することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原稿に対し、処理範囲を特定するためのマーキングを、別途、事前に施すことなく、原稿の中から、加筆・修正されたページを、ページ毎に、容易に分別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】加筆・修正された原稿の例を示す図である。
【図3】実施形態に係る画像処理装置による加筆・修正原稿分別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。まず、図1を用いて、第1実施形態に係る画像処理装置1の構成について説明する。図1は、画像処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0016】
画像処理装置1は、例えば、複数のページからなる原稿を読み取って画像データを生成し、ページ毎にカラーペン又はカラーマーカー等の加筆・修正の有無を判定するとともに、加筆・修正されているページを抜き出して分別する機能を有している。この機能を実現するために画像処理装置1は、制御部10、操作部11、表示部12、読取部13、及び記憶部17等を備えている。なお、各部はバス(通信路)20で相互に通信可能に接続されている。続いて、各構成要素について詳細に説明する。
【0017】
制御部10は、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを一時的に記憶するRAM、及びデータがバックアップされているバックアップRAM等により構成されている。制御部10は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、画像処理装置1を構成する各部の機能を実現するとともに、画像処理装置1を構成するハードウェアを統合的に制御する。また、制御部10には、上述したハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、後述する抽出部14、加筆・修正判定部15、及び分別部16が構築されている。
【0018】
操作部11は、画像処理装置1の各機能を利用するために用いられる複数のキー、例えば、テンキー、短縮キー、スタートキー、ストップキー、及び各種のファンクションキー等を備えている。操作部11は、例えば、複数のページからなる原稿を読み取って、ページ毎に加筆・修正の有無を判定し、加筆・修正されているページを抜き出して分別する操作をユーザから受け付ける。
【0019】
表示部12は、LCD等を用いた表示装置であり、画像処理装置1の動作状態及び/又は各種設定内容等を表示する。また、表示部12は、読取部13により読み取られた画像データ、及び、加筆・修正の有無によって抜き出されて分別された画像データ(すなわち加筆・修正されたページの画像データ)を表示する。
【0020】
読取部13は、ADF(Auto Document Feeder)を有しており、例えば、図2に示される3ページからなる原稿90をページ毎に読み取り、画像データを生成する。ここで、図2は、第1ページ91、第2ページ92、第3ページ93を含む加筆・修正された原稿90の一例を示す図である。詳細には、読取部13は、光源、及び、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが貼り付けられた単板CCD等を有しており、例えばカラーマーカーで加筆・修正された原稿90を、設定された走査線密度に応じてライン毎に読み取り、RGB各色の画像データを生成する。すなわち、読取部13は、特許請求の範囲に記載の読取手段として機能する。なお、カラーフィルタが貼り付けられた単板CCDに代えて、レンズからの光を分光プリズム内のダイクロック膜の反射によってRGBの3原色に分光し、それぞれの分光を3つのCCDによって光電変換する構成(3CCD方式)を用いてもよい。読取部13で生成された原稿90の画像データは、抽出部14に出力される。
【0021】
抽出部14は、例えば原稿90の上端の余白領域に設定されている所定領域94の領域内に記載され、加筆・修正されたページを判別する際の指標となる判別情報95を、画像データから抽出する。すなわち、抽出部14は、特許請求の範囲に記載の抽出手段として機能する。なお、本実施形態では、図2に示されるように、判別情報95として、加筆・修正で用いられるカラーマーカーの色の情報を用いた。
【0022】
抽出部14は、まず、読取部13により生成された画像データについて、ページ毎に、例えば、ページ上端の所定領域94内に付されたマーキング95を検出するとともに、該マーキング95の色(すなわちカラーマーカーの色)を判定する。より詳細には、抽出部14は、読取部13によって生成された赤(R)緑(G)青(B)の画像データから所定領域94の画像データを抽出し、該所定領域94の画像データの画素(ピクセル)毎に、HLS色空間に変換する。なお、RGB信号からHLS色空間への変換には、公知の手法を用いることができる。HLS色空間は、色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness/Luminance)の3つの成分からなる色空間である。ここで、彩度(S)は、ゼロが無彩色であり、ゼロに近いほどグレースケールに近いことを示す。よって、抽出部14は、まず、画素の彩度(S)に基づいて、該画素が、有彩色(カラー)かグレースケールかを判別することによって、マーキング95を検出する。次に、抽出部14は、抽出したマーキング95の画素の色を判別する。より具体的には、抽出部14は、各画素のHLS色空間中の位置に基づいて、画素毎に当該画素の色(すなわちマーキング95の色)を判別する。なお、抽出部14で抽出されたマーキング95の色情報(図2の例では赤色)は、加筆・修正判定部15に出力される。
【0023】
加筆・修正判定部15は、読取部13により生成された画像データについて、抽出部14により判別されたマーキング95の色と同色のマーキング又は文字などが含まれているか否かを判定することにより、ページ毎に、加筆・修正の有無を判定する。換言すると、加筆・修正判定部15は、同色のマーキングなどの有無に応じて、該ページが、加筆・修正された加筆・修正ページか、加筆・修正されていない無加筆・無修正ページかを判定する。すなわち、加筆・修正判定部15は、特許請求の範囲に記載の判定手段として機能する。
【0024】
より詳細には、加筆・修正判定部15は、抽出部14により判別されたマーキング95の色(図2の例では赤色)と同じ色の画素が、画像データ中に所定値以上含まれている場合、当該ページを加筆・修正ページであると判定する。なお、画像データを構成する画素の色は、上述した方法と同様に、すなわちHLS色空間を用いて判別される。また、上記所定値は、加筆・修正の誤判定を防止することができる数を考慮して設定することが好ましい。なお、加筆・修正判定部15による判定結果は、分別部16に出力される。
【0025】
分別部16は、加筆・修正判定部15により、各ページ91,92,93に加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページを無加筆・無修正ページと分別する。すなわち、分別部16は、特許請求の範囲に記載の分別手段として機能する。より具体的には、分別部16は、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページの画像データを、元の画像データの中から抜き出す。なお、分別部16により抜き出された加筆・修正ページの画像データは、例えば、表示部12又は記憶部17に出力される。
【0026】
記憶部17は、分別部16から出力された加筆・修正ページの画像データを記憶する。なお、記憶部17としては、例えば、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))又はHD(ハードディスク)などが好適に用いられる。
【0027】
次に、図3を参照しつつ、画像処理装置1の動作について説明する。図3は、画像処理装置1による加筆・修正原稿分別処理(抜き出し処理)の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、図2に示された原稿90に対して分別処理(抜き出し処理)を行う場合を例にして説明する。
【0028】
ステップS100では、複数のページ91,92,93からなり、加筆・修正されたページを含む原稿90が読み取られ、RGB各色の画像データが生成される。なお、ステップS100では、原稿90が読み取られる際に、原稿90のページ数(図2の例では3ページ)がカウントされる。続いて、ステップS102では、ステップS100で生成された画像データについて、所定領域94に付されているマーキング95の抽出が行われる。なお、マーキング95の抽出方法は、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0029】
次に、ステップS104では、ステップS102において抽出されたマーキング95の色が判別される。なお、マーキング95の色の判別方法は、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0030】
続くステップS106では、ステップS100で生成された画像データについて、ページ毎に、ステップS104で判別されたマーキング95の色(図2の例では赤色)と同じ色の加筆・修正(マーキング)が施されているか否かについての判断が行われる。ここで、ステップS104で判別された色(赤色)と同じ色の画素の数が所定値以上である場合には、加筆・修正ページであると判定され、ステップS110に処理が移行する。ステップS110では、該ページの画像データが抜き出されて保存される。その後、ステップS112に処理が移行する。
【0031】
一方、同じ色(赤色)の画素の数が所定値未満であるときには、無加筆・無修正ページであると判定され、該ページの画像データが抜き出されることなく、ステップS112処理が移行する。
【0032】
ステップS112では、原稿90のすべてのページ91,92,93について、加筆・修正ページの分別処理(抜き出し処理)が行われたか否かについての判断が行われる。ここで、まだ、すべてのページ91,92,93について処理が終了していない場合には、ステップS102に処理が移行し、次のページの画像データについて、上述したステップS102以降の処理が繰り返し実行される。一方、すべてのページ91,92,93について処理が終了した場合には、ステップS114において、抜き出された画像データが表示部12又は記憶部17に出力される。その後、本処理が終了する。以上の結果、図2に示される原稿90の第1ページ91は、青色のマーキング96しか付されていないため、抜き出されない。第2ページ92は、青色のマーキング96に加えて赤色のマーキング97が付されているため、抜き出される。さらに、第3ページ93は、赤色のマーキング97が付されているため、抜き出される。
【0033】
本実施形態によれば、原稿90の所定領域94からマーキング95が抽出され、該マーキング95と同色の加筆・修正(マーキング)の有無に基づいて、ページ毎に、加筆・修正の有無が判定される。そして、加筆・修正が有ると判定されたページが抜き出されて分別される。よって、カラーマーカーの色を予め決めて原稿90の所定領域94にマーキングしておき、原稿90を加筆・修正する際に、同色のカラーマーカーなどを用いて加筆・修正することにより、容易に加筆・修正ページだけを分別することができる。その結果、原稿90に対し、処理範囲を特定するためのマーキングを、別途、事前に施すことなく、原稿90の中から、加筆・修正されたページを、ページ毎に、容易に分別することが可能となる。
【0034】
本実施形態によれば、ページ91,92,93に加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページの画像データが抜き出されるため、所望する、すなわち必要性が高い加筆・修正が有るページのみを選択的に抜き出すことができる。
【0035】
本実施形態によれば、判別情報(マーキング)95が記載される原稿90上の所定領域94が、原稿の上端の余白領域に設定されている。そのため、原稿90の内容が記載されていない余白領域を利用してマーキングなどの判別情報95を記載することができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、各ページ91,92,93に加筆・修正があると判定された場合に、加筆・修正ページの画像データを抜き出したが、加筆・修正ページの画像データを抜き出すことに代えて、該ページが加筆・修正ページであることを示す属性情報を、該ページの画像データに付加するようにしてもよい。この場合、必要性が高い加筆・修正ページに対して属性情報が付加されるため、加筆・修正ページを容易に検索、抽出することができる。
【0037】
上記実施形態では、判別情報95として、マーキング(カラーマーカー)の色情報を用いたが、色情報に代えて、加筆される記号の情報を用いてもよい。このような記号としては、例えば、チェックマーク「レ」や二重丸「◎」などが挙げられる。その際に、これらの記号は、例えば、文字認識処理(OCR)、又は画像処理などによって認識することができる。ここで、所定領域94に、記号情報(例えばチェックマーク「レ」など)が記載されている場合には、加筆・修正判定部15は、所定領域94に記載されている記号が、画像データに含まれているときに、当該ページを加筆・修正ページであると判定する。よって、加筆・修正を示す記号を予め決めて原稿90の所定領域94に記載しておき、加筆・修正する際に、原稿90に決められた記号を記入(加筆)することにより、加筆・修正ページを容易に分別することができる。
【0038】
上述した図2では、マーキングで加筆・修正されている例を示したが、同色のカラーペンで文字などを書き込むことにより加筆・修正されていてもよい。また、上記実施形態では、事前(加筆・修正前)に予め判別情報95(マーキングの色)を設定したが、加筆・修正後に分別したい(抜き出したい)ページで使用されているカラーマーカーの色を判別情報95として指定してもよい。また、上記実施形態では、判別情報95として、全てのページ91,92,93で同じ色(赤色)のマーキング95を利用したが、ページ毎に異なる判別情報(例えば異なる色のマーキング)を設定してもよい。さらに、上記実施形態では、ページ毎に1つの判別情報95(1つのマーキング)を設定したが、複数の色、又は複数の記号を設定することもできる。また、マーキングの色と記号とを組み合わせて設定してもよい。このようにすれば、複数のユーザによって、複数色のカラーマーカー又は記号で加筆・修正されている場合であっても、所望する加筆・修正ページを柔軟に分別することができる。
【0039】
上記実施形態では、HLS色空間を利用して、マーキングなどの色を判別したが、HLS色空間に代えて、他の色空間、例えばHSV色空間、HSB色空間などを利用してもよい。
【0040】
上記実施形態では、画像処理装置1は単一の筺体に収められていたが、例えば、画像処理装置は、読取部13を有するスキャナと、該スキャナと通信可能に接続され、抽出部14、加筆・修正判定部15、分別部16などが構築されたパーソナルコンピュータとから構成されていてもよい。
【0041】
上記実施形態では、所定領域94は原稿90の上端の余白領域に設定されていたが、所定領域94は、例えば、原稿90の下端の余白領域、又は左右の余白領域に設定してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 画像処理装置
10 制御部
11 操作部
12 表示部
13 読取部
14 抽出部
15 加筆・修正判定部
16 分別部
17 記憶部
20 バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿をページ毎に読み取り、画像データを生成する読取手段と、
原稿上の所定領域に記載され、加筆・修正されたページを判別する際の指標となる判別情報を、前記画像データから抽出する抽出手段と、
前記読取手段により生成された画像データについて、前記抽出手段により抽出された判別情報の有無に基づいて、ページ毎に、加筆・修正の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページを無加筆・無修正ページと分別する分別手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判別情報は、加筆・修正に用いられる筆記具の色の情報、又は加筆される記号の情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記分別手段は、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページの画像データを抜き出すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記分別手段は、ページに加筆・修正が有ると判定された場合に、該ページが加筆・修正ページであることを示す属性情報を、該ページの画像データに付加することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記原稿上の所定領域は、前記原稿の余白領域に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−239012(P2011−239012A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106191(P2010−106191)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】