説明

画像処理装置

【課題】フルカラーの原稿を多色印刷するために生成された印刷データに対して、新たな要素を簡単に追加する。
【解決手段】画像処理装置1は、指定された設定条件に応じて、フルカラー原稿データから、複数色で多色印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成部12と、印刷データを、設定条件と対応させて記憶する記憶部5とを備え、印刷データ生成部12は、指示に応じて、フルカラーの追加データを記憶部5に記憶された設定条件に基づき処理して印刷データに追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理を行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フルカラーの原稿を多色印刷することがある。多色印刷は、複数のドラムを有する孔版印刷装置等の多色印刷機において、複数色を用いて行う印刷である。例えば、多色印刷として、2色のそれぞれに対応した2つのドラムを有する孔版印刷装置を用いて、フルカラーの原稿を2色印刷することがある。
【0003】
この場合、フルカラーの原稿データから、各ドラムに対応する色ごとに印刷するための印刷データを生成する分版が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−197324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一旦、分版条件を設定された印刷データに対し、ユーザが、他のフルカラーの原稿から新たな画像等の要素を追加したい場合がある。従来、新たな要素を追加するには、元の原稿データに所望の画像等の要素を追加し、この追加後の原稿データに対して分版条件の設定を行わなければならなかった。この際、ユーザは、分版に関する設定等の操作を再度行わなければならず、手間および時間を要していた。このため、分版条件を設定された印刷データに新たな要素を簡単に追加することができなかった。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、フルカラーの原稿を多色印刷するために生成された印刷データに対して、新たな要素を簡単に追加できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置の第1の特徴は、指定された設定条件に応じて、フルカラー原稿データから、複数色で多色印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、前記印刷データを、前記設定条件と対応させて記憶する記憶部とを備え、前記印刷データ生成部は、指示に応じて、フルカラーの追加データを前記記憶部に記憶された前記設定条件に基づき処理して前記印刷データに追加することにある。
【0008】
本発明に係る画像処理装置の第2の特徴は、前記記憶部は、前記フルカラー原稿データを、前記印刷データおよび前記設定条件と対応させて記憶することにある。
【0009】
本発明に係る画像処理装置の第3の特徴は、前記印刷データ生成部は、フルカラーの前記追加データを前記フルカラー原稿データに追加することにある。
【0010】
本発明に係る画像処理装置の第4の特徴は、前記印刷データ生成部は、前記追加データを前記設定条件とは異なる条件で処理して前記印刷データに追加可能であることにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る画像処理装置の第1の特徴によれば、多色印刷用の印刷データを、指定された設定条件と対応させて記憶部に記憶する。印刷データ生成部は、フルカラーの追加データを記憶部に記憶された設定条件に基づき処理して印刷データに追加する。このため、追加データの追加時に改めて設定を行う必要がなく、印刷データに対して新たな要素を簡単に追加できる。
【0012】
本発明に係る画像処理装置の第2の特徴によれば、記憶部が、フルカラー原稿データを、多色印刷用の印刷データおよび設定条件と対応させて記憶するので、印刷データ生成後にフルカラー原稿データをユーザが保持していなくても、多色印刷に加えてフルカラー印刷が可能である。
【0013】
本発明に係る画像処理装置の第3の特徴によれば、フルカラー原稿データにフルカラーの追加データを追加するので、追加データを含むフルカラー印刷が可能である。
【0014】
本発明に係る画像処理装置の第4の特徴によれば、追加データを印刷データの設定条件とは異なる条件で処理して印刷データに追加可能であるので、ユーザの希望に柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】編集画面の一例を示す図である。
【図3】分版基本設定画面の一例を示す図である。
【図4】色設定画面の一例を示す図である。
【図5】編集画面における編集作業を説明するための図である。
【図6】印刷データに対する追加データの追加処理のフローチャートである。
【図7】設定変更確認画面の一例を示す図である。
【図8】追加データの設定変更受付モードにおける編集画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る画像処理装置1は、アプリケーション部2と、分版処理部3と、入力部4と、記憶部5と、表示部6と、通信部7とを備える。本実施の形態では、画像処理装置1は、複数のドラムを有する孔版印刷装置(図示せず)での多色印刷用の印刷データを生成するものとする。
【0018】
アプリケーション部2は、印刷対象となるフルカラー原稿データを生成する。
【0019】
分版処理部3は、アプリケーション部2で生成されたフルカラー原稿データの分版処理を行い、多色印刷用の印刷データを生成する。分版処理部3は、設定部11と、印刷データ生成部12とを備える。
【0020】
設定部11は、ユーザ操作による分版に関する設定条件(分版設定条件)の指定を受け付ける。
【0021】
印刷データ生成部12は、指定された分版設定条件に応じて、アプリケーション部2で生成された印刷対象のフルカラー原稿データから、孔版印刷装置で多色印刷するための印刷データを生成する。また、印刷データ生成部12は、ユーザにより印刷データを記憶するよう指示されると、生成した印刷データを、その分版設定条件を示す情報および元のフルカラー原稿データと対応させて、記憶部5に記憶させる。
【0022】
入力部4は、ユーザによる画像処理装置1に対する操作を受け付ける。
【0023】
記憶部5は、印刷データ生成部12で分版処理により生成された印刷データを、分版設定条件を示す情報および元のフルカラー原稿データと対応させて記憶する。
【0024】
表示部6は、各種設定画面等を表示する。
【0025】
通信部7は、画像処理装置1を外部の孔版印刷装置等と通信可能とするものである。
【0026】
画像処理装置1は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置を有するパーソナルコンピュータ等を備えて構成される。CPUがハードディスク等の記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、アプリケーション部2の機能が実現される。また、CPUがハードディスク等の記憶装置に格納された分版プログラムを実行することにより、分版処理部3の機能が実現される。また、入力部4は、キーボード、マウス等からなる。記憶部5は、ハードディスク等の記憶装置により実現される。表示部6は、例えば、液晶表示装置により実現される。通信部7は、画像処理装置1をLAN等のネットワークに接続する通信制御装置により実現される。
【0027】
次に、画像処理装置1の動作について説明する。
【0028】
画像処理装置1では、ユーザが分版に関する条件設定を行って、原稿の編集を行うことができる。原稿の編集に際して、印刷データ生成部12は、編集画面を表示部6に表示させる。編集画面の一例を図2に示す。図2に示すように、編集画面20は、印刷イメージ表示欄21を有する。印刷イメージ表示欄21は、分版設定条件に応じた原稿の印刷画像のイメージである印刷イメージ22を表示する領域である。
【0029】
アプリケーション部2で生成されたフルカラー原稿をはじめて分版、編集する場合、印刷データ生成部12は、フルカラー原稿を分版に関する基本設定条件に応じた印刷イメージ22を、印刷イメージ表示欄21に表示させる。分版に関する基本設定条件は、ユーザにより予め設定されるものである。
【0030】
ユーザが分版に関する基本設定を行うための分版基本設定画面の一例を図3に示す。図3に示すように、分版基本設定画面30は、分版モード選択欄31,32を有する。分版モード選択欄31は、原稿中の文字およびイラストのオブジェクトに応じた分版モードの選択欄である。分版モード選択欄32は、原稿中の写真のオブジェクトに応じた分版モードの選択欄である。
【0031】
分版モードは、原稿における色に対する印刷色(インク色)の振り分け方を設定するものである。例えば、「有彩色→第1インク色・無彩色→第2インク色」という分版モードは、原稿中の有彩色を第1インク色、無彩色を第2インク色に振り分ける設定を示す。また、「赤系→第1インク色・黒→第2インク色」という分版モードは、原稿中の赤系の色を第1インク色、黒色を第2インク色に振り分ける設定を示す。この場合、赤系でも黒色でもない色は、色相に応じて第1および第2インク色のいずれかに振り分けるか、第1および第2インク色の混色により表現するために、色相に応じた割合で両色に振り分ける設定とする。
【0032】
基本設定条件におけるインク色は、ユーザにより設定可能である。基本設定条件におけるインク色を設定するための色設定画面の一例を図4に示す。図4に示すように、色設定画面40は、ユーザが複数のインク色を設定するための複数のインク色設定欄41A〜41Dと、印刷に用いられる用紙の色を設定するための用紙色設定欄42とを有する。
【0033】
図3の分版基本設定画面30および図4の色設定画面40により、ユーザは、分版に関する基本設定を行うことができる。
【0034】
なお、図3では、オブジェクトの種類(文字、イラスト、写真)に応じて色の設定を行う例を示しているが、このようにオブジェクトの種類ごとに分けた設定としなくてもよい。また、分版に関する基本設定条件は、画像処理装置1における初期値として設定されたものでもよい。なお、詳細な説明は省略するが、分版に関する基本設定条件には、後述するイメージ処理に関する設定も含まれ、この内容についてもユーザが設定可能である。
【0035】
図2に戻り、編集画面20は、複数の色指定ボタン23A〜23Dを有する。色指定ボタン23A〜23Dは、ユーザが、印刷イメージ表示欄21に表示された印刷イメージ22中の印刷色(インク色)を変更するためのものである。各色指定ボタン23A〜23Dには、ユーザ操作により、インク色が対応付けられるようになっている。また、編集画面20は、イメージ処理選択欄24を有する。イメージ処理選択欄24には、ユーザが各種のイメージ処理を変更するためのアイコンが表示されている。イメージ処理は、オブジェクトの種類に適した誤差拡散処理、網点処理、濃度調整処理等の、各種の画像処理である。イメージ処理選択欄24内の各アイコンに対応するイメージ処理の内容は、ユーザにより設定可能になっている。
【0036】
例えば、図5に示すように、ユーザは、印刷イメージ22中において領域25を指定し、指定ボタン23Aを選択する操作を行うことで、領域25で指定したオブジェクトの印刷色を、指定ボタン23Aに対応する印刷色に変更することができる。また、ユーザは、イメージ処理選択欄24内のアイコンを選択する操作を行うことで、領域25で指定したオブジェクトのイメージ処理を変更することができる。なお、印刷色の変更は、オブジェクトごとに直接指定することもできる。印刷データ生成部12は、このようなユーザ操作による設定の変更に応じて、印刷イメージ22の表示を変更する。
【0037】
上記のように領域やオブジェクトごとに色設定を変更したり、領域ごとにイメージ処理を変更したりすることにより、ユーザは原稿を編集する。ユーザによる編集の操作が行われると、設定部11は、編集による設定内容を受け付ける。印刷データ生成部12は、編集後の分版設定条件に応じた印刷データを生成する。そして、印刷データ生成部12は、ユーザ操作により印刷データを保存するよう指示されると、この印刷データを、分版設定条件を示す情報および元のフルカラー原稿データと対応させてファイル化し、このファイルを記憶部5に記憶させる。分版設定条件は、例えば、原稿中の文字およびイラストについては、有彩色を赤インク、無彩色を黒インクに振り分け、原稿中の写真については、赤系の色を赤インク、黒色を黒インクに振り分け、領域25内のオブジェクトは、原稿中の色にかかわらず青インクに振り分ける、のような色に関する設定条件を含む。また、分版設定条件は、イメージ処理に関する設定内容も含む。
【0038】
ここで、ユーザ操作により、印刷データに基づき多色印刷することが指示された場合、印刷データ生成部12は、記憶部5から印刷データを読み出し、これを通信部7を介して孔版印刷装置に送信する。ユーザは、編集画面20から印刷指示を行うことができる。印刷開始に際し、ユーザは、印刷データにおける印刷色(インク色)に対応するドラムを孔版印刷装置にセットしておく。これにより、孔版印刷装置で印刷データに応じた多色印刷が行われる。
【0039】
また、本実施の形態では、多色印刷用の印刷データに対応して元のフルカラー原稿データが記憶されているので、これを用いてフルカラー印刷装置でフルカラー印刷を行うことができる。多色印刷用の印刷データに対応する元の原稿のフルカラー印刷を行うことがユーザにより指示されると、印刷データ生成部12は、記憶部5から元のフルカラー原稿データを読み出し、これを通信部7を介してフルカラー印刷装置に送信する。これにより、フルカラー印刷装置で元の原稿のフルカラー印刷が行われる。
【0040】
記憶部5に記憶された多色印刷の印刷データを開く指示がされると、印刷データ生成部12は、記憶部5に記憶された印刷データに基づき、前回の編集終了時の印刷イメージ22を印刷イメージ表示欄21に表示した編集画面20を表示部6に表示させる。ユーザは、この状態から再度編集の作業を行うことができる。
【0041】
画像処理装置1では、記憶部5に記憶された分版済みの多色印刷用の印刷データに対し、他のフルカラー原稿データから新たな要素を追加できる。この印刷データに対する追加処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
記憶部5に記憶された多色印刷の印刷データを開く操作が行われると、図6のステップS10において、印刷データ生成部12は、編集画面20を表示部6に表示させる。このとき、印刷データ生成部12は、記憶部5に記憶された印刷データに基づき、前回の編集終了時の印刷イメージ22を印刷イメージ表示欄21に表示させる。
【0043】
この後、ユーザが、印刷データに追加する要素を含む、追加元のフルカラー原稿データを開く操作を行う。この追加元のフルカラー原稿データは、印刷データの元のフルカラー原稿データと同じアプリケーションプログラムにより作成されたものでもよいし、他のアプリケーションプログラムにより作成されたものでもよい。追加元のフルカラー原稿データを開く操作が行われると、ステップS20において、アプリケーション部2は、追加元のフルカラー原稿を表示部6に表示させる。
【0044】
次いで、ステップS30において、印刷データ生成部12は、印刷データに追加元のフルカラー原稿データから追加データを追加するための追加操作が行われたか否かを判断する。追加操作は、例えば、表示部6に表示されている追加元のフルカラー原稿のオブジェクトを、編集画面20の印刷イメージ22内の所望の位置へとドラッグすることにより行われる。追加操作が行われていないと判断した場合(ステップS30:NO)、印刷データ生成部12は、追加操作が行われるまで待機する。
【0045】
追加操作が行われたと判断した場合(ステップS30:YES)、ステップS40において、印刷データ生成部12は、設定変更確認画面を表示部6に表示させる。設定変更確認画面の一例を図7に示す。設定変更確認画面50は、追加データについての分版設定条件を、追加先の印刷データにおける分版設定条件とは異なる条件に変更するか否かをユーザに確認するための画面である。設定変更確認画面50には、ユーザが分版設定条件を変更することを選択するための「はい」ボタン51と、変更しないことを選択するための「いいえ」ボタン52とが表示される。
【0046】
次いで、ステップS50において、印刷データ生成部12は、分版設定条件を変更することが選択されたか否か、つまり、「はい」ボタン51および「いいえ」ボタン52のいずれが選択されたかを判断する。
【0047】
「はい」ボタン51が選択されたと判断した場合(ステップS50:YES)、ステップS60において、印刷データ生成部12は、追加データの設定変更受付モードを開始する。
【0048】
追加データの設定変更受付モードにおける編集画面20の一例を図8に示す。図8において、追加データのオブジェクト26が印刷イメージ22に表示されている。また、オブジェクト26に対応して、オブジェクト26が設定変更対象であることを示す枠27が表示されている。
【0049】
設定変更操作前の状態では、オブジェクト26は、追加先の印刷データにおける分版設定条件により分版された場合の状態で表示される。追加先の印刷データにおける分版設定条件は、印刷データと対応されて記憶部5に記憶されているので、印刷データ生成部12は、これに基づいて、オブジェクト26を表示させる。例えば、オブジェクト26が、追加元のフルカラー原稿データにおいて有彩色のイラストであり、追加先の印刷データにおける分版設定条件で有彩色を赤インクに振り分ける場合、オブジェクト26は、設定変更受付モードの編集画面20において、赤色で表示される。また、例えば、オブジェクト26の一部が、追加先の印刷データにおいて青インクに振り分けられる設定の領域内にある場合、オブジェクト26における当該領域内の部分は青色で表示される。
【0050】
ユーザは、枠27内のオブジェクト26に対して、色指定ボタン23A〜23Dを用いて印刷色を変更できる。また、枠27内において領域を指定し、その領域内について、色指定ボタン23A〜23Dを用いてオブジェクト26の印刷色を変更することもできる。同様に、ユーザは、イメージ処理選択欄24内のアイコンにより、オブジェクト26のイメージ処理を変更することができる。ユーザによる分版設定変更の操作が行われると、設定部11は、設定変更内容を受け付ける。
【0051】
次いで、ステップS70において、印刷データ生成部12は、設定変更受付モードを終了するか否かを判断する。印刷データ生成部12は、ユーザにより設定変更受付モードを終了するための所定の操作が行われると、設定変更受付モードを終了すると判断する。設定変更受付モードを終了しないと判断した場合(ステップS70:NO)、印刷データ生成部12は、ステップS70を繰り返す。
【0052】
設定変更受付モードを終了すると判断した場合(ステップS70:YES)、ステップS80において、印刷データ生成部12は、編集画面20の設定変更受付モードの表示を終了するとともに、設定変更後の分版設定条件で追加データを分版処理して印刷データに追加する。
【0053】
そして、ステップS90において、印刷データ生成部12は、記憶部5に印刷データと対応して記憶されている元のフルカラー原稿データに、フルカラーの追加データを追加する。
【0054】
一方、ステップS50において、「いいえ」ボタン52が選択されたと判断した場合(ステップS50:NO)、ステップS100において、印刷データ生成部12は、追加先の印刷データにおける分版設定条件により追加データを分版処理して印刷データに追加する。その後、印刷データ生成部12は、ステップS90の処理に進む。
【0055】
以上により、多色印刷用の印刷データに追加データが追加される。また、印刷データの元のフルカラー原稿データにも追加データが追加される。
【0056】
なお、画像処理装置1によって、他の装置で生成された、分版設定条件を示す情報(および元のフルカラー原稿データ)が保持されていない多色印刷用の印刷データに、追加データを追加することもできる。この場合、印刷データの分版設定条件を示す情報が保持されていないため、追加データの追加操作時に、追加データに対する分版設定条件をユーザが新たに指定することで、印刷データに追加データを追加できる。また、印刷データにフルカラーの追加データを追加することもできる。ただし、この場合、フルカラーで印刷可能なのは追加データの部分のみである。
【0057】
以上説明したように、画像処理装置1では、多色印刷用の印刷データを、分版設定条件を示す情報と対応させて記憶部5に記憶する。このため、印刷データ生成部12は、印刷データに追加データを追加する場合、記憶されている印刷データの分版設定条件を用いて追加データを分版処理して印刷データに追加できる。したがって、追加データの追加時に改めて分版設定等を行う必要がなく、印刷データに対して新たな要素を簡単に追加できる。
【0058】
また、画像処理装置1では、多色印刷用の印刷データと対応させて、元のフルカラー原稿データを記憶するので、ユーザが分版後に元のフルカラー原稿データを保持していなくても、多色印刷に加えてフルカラー印刷が可能である。
【0059】
また、画像処理装置1では、多色印刷用の印刷データと対応して記憶されたフルカラー原稿データにフルカラーの追加データを追加するので、追加データを含むフルカラー印刷が可能である。
【0060】
また、画像処理装置1では、追加データを追加先の印刷データの分版設定条件とは異なる条件で分版処理して印刷データに追加可能であるので、ユーザの希望に柔軟に対応できる。
【0061】
なお、上記実施の形態では、追加データとしてオブジェクトを追加したが、ページ単位で追加挿入してもよい。
【0062】
上記実施の形態では、画像処理装置1は、複数のドラムを有する孔版印刷装置での多色印刷用の印刷データを生成するものとしたが、これに限らない。例えば、画像処理装置1は、多色印刷機能を有するフルカラー印刷可能なインクジェット印刷装置での多色印刷用の印刷データを生成するものであってもよい。
【0063】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 画像処理装置
2 アプリケーション部
3 分版処理部
4 入力部
5 記憶部
6 表示部
7 通信部
11 設定部
12 印刷データ生成部
20 編集画面
30 分版基本設定画面
40 色設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された設定条件に応じて、フルカラー原稿データから、複数色で多色印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、
前記印刷データを、前記設定条件と対応させて記憶する記憶部とを備え、
前記印刷データ生成部は、指示に応じて、フルカラーの追加データを前記記憶部に記憶された前記設定条件に基づき処理して前記印刷データに追加することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記フルカラー原稿データを、前記印刷データおよび前記設定条件と対応させて記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷データ生成部は、フルカラーの前記追加データを前記フルカラー原稿データに追加することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記印刷データ生成部は、前記追加データを前記設定条件とは異なる条件で処理して前記印刷データに追加可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−30883(P2013−30883A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164181(P2011−164181)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】