説明

画像出力装置、システム、方法およびプログラム

【課題】 携帯情報端末を介して情報の必要な部分を選択的に画像で出力する。
【解決手段】サーバ2の情報処理部21は、端末情報DB2aを参照し、携帯情報端末1から受信した端末IDに対応する端末仕様情報(画面解像度など)とテンプレートIDを端末情報DB2aから取得する。情報処理部21は、取得したテンプレートIDに対応するテンプレートのうち、受信した出力情報の数に応じた配置を規定したものを記憶部22の不揮発性記憶媒体(HDDなど)から選択して読み出し、同じく記憶部22の揮発性記憶媒体(RAM)に一時記憶する。情報処理部21は、選択したテンプレートに従って受信した出力情報をレイアウトした画像データである出力画像を作成する。さらに情報処理部21は、取得した端末仕様情報に適合するよう出力画像を変換し、印刷プレビュー画面を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯情報端末による印刷内容の選択とその選択に応じた印刷内容のプレビュー表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によると、コンテンツサーバ2の通信部204が、当該画像データを携帯電話7から受信すると(C1)、制御部206が、通信部204に選択メニュー情報(装飾用画像データ記憶部201に記憶されている複数の装飾用画像データの中から特定の装飾用画像データをユーザに選択させるための選択メニューを示す情報)を、制御部206が通信部204に送信させる(C2)。コンテンツサーバ2の通信部204が上記装飾用画像データ指定指示を携帯電話7から受信すると(C3)、データ検索部205が、当該装飾用画像データ指定指示で指定された装飾用画像データを、装飾用画像データ記憶部201から検索して読み出す(C4)。そして、画像合成部202が、C1で受信していた画像データと、当該読み出した装飾用画像データとを合成する(C5)。これら両画像データを合成した後の合成データは、通信部204がドキュメントサーバ3に送信する(C6)。
【0003】
その他、本願発明に関係する技術として特許文献2〜4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−269268号公報、段落0057、0059、図7
【特許文献2】特開2006−115044号公報
【特許文献3】特開2009−78373号公報
【特許文献4】特開2005−128852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、携帯情報端末に格納されている画像やドキュメントなどの情報を直接プリンタなどの外部機器へ出力する場合、指定された情報を一括出力するだけで、不要な部分まで出力されている。
【0006】
本発明は、携帯情報端末を介して情報の必要な部分を選択的に画像で出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、携帯情報端末と接続して情報を通信可能な通信部と、識別情報の付与された携帯情報端末ごとの表示能力に応じた出力情報のレイアウトを定義したレイアウト定義情報を記憶するレイアウト定義情報記憶部と、通信部と接続した携帯情報端末を介して所望の出力情報の指定を受け付ける出力情報指定部と、通信部と接続した携帯情報端末から携帯情報端末の識別情報を受信する受信部と、受信部の受信した携帯情報端末の識別情報に対応したレイアウト定義情報をレイアウト定義情報記憶部から選択する選択部と、選択部の選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って出力情報指定部が指定を受け付けた出力情報が配置された画像を作成する画像処理部と、を備える画像出力装置を提供する。
【0008】
好ましくは、携帯情報端末の表示能力は、携帯情報端末の画面解像度および表示色のうち少なくとも一方を含み、画像処理部は携帯情報端末の画面解像度および表示色のうち少なくとも一方に適合するよう出力情報が配置された画像を作成する。
【0009】
好ましくは、選択部は、通信部と接続した携帯情報端末の画面解像度に基づいて出力情報指定部が指定を受け付けた出力情報の各々の出力サイズを算出した上、算出された出力情報の各々の出力サイズの同一性に応じてレイアウト定義情報を選択する。
【0010】
好ましくは、選択部は、算出された出力情報の各々の出力サイズが同一でない場合、算出された出力情報の各々の出力サイズの中の多数派の出力サイズに対応するレイアウト定義情報をレイアウト定義情報記憶部から選択する。
【0011】
好ましくは、選択部は、多数派の出力サイズに最も近似する画面解像度に対応するレイアウト定義情報をレイアウト定義情報記憶部から選択する。
【0012】
本発明は、好ましくは、プリンタごとの出力仕様を定義したプリンタ出力定義情報を記憶するプリンタ出力定義情報記憶部と、携帯情報端末を介して所望のプリンタの指定を受け付けるプリンタ指定部と、選択部の選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って配置された出力情報に基づき、プリンタ出力定義情報記憶部においてプリンタ指定部が指定を受け付けたプリンタに対応するプリンタ出力定義情報が定義する出力仕様に適合するプリントデータを作成するプリントデータ処理部と、プリントデータ処理部からのプリントデータをプリンタ指定部が指定を受け付けたプリンタに送信する送信部と、を備える。
【0013】
本発明は、好ましくは、画像処理部からの画像を通信部と接続した携帯情報端末に送信する画像送信部を備える。
【0014】
本発明は、上記の画像出力装置と、携帯情報端末と、を備える画像出力システムを提供する。
【0015】
本発明は、情報処理装置が、識別情報の付与された携帯情報端末ごとの表示能力に応じた出力情報のレイアウトを定義したレイアウト定義情報を記憶媒体に記憶するステップと、携帯情報端末を介して所望の出力情報の指定を受け付けるステップと、携帯情報端末から携帯情報端末の識別情報を受信するステップと、受信した携帯情報端末の識別情報に対応したレイアウト定義情報を記憶媒体から選択するステップと、選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って指定を受け付けた出力情報が配置された画像を作成するステップと、を含む画像出力方法を提供する。
【0016】
この画像出力方法を情報処理装置に実行させるための画像出力プログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、携帯情報端末で選んだ所望の情報が携帯情報端末の表示能力にあったレイアウトで配置された画像が作成される。その画像を携帯情報端末の表示装置に表示したり、各種のプリンタに出力することで、携帯情報端末を用いて、必要な情報を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】プリントシステムの構成図
【図2】テンプレートの一例を示す図
【図3】メールに対応したテンプレートの一例を示す図
【図4】Webサイトに対応したテンプレートの一例を示す図
【図5】Webサイトに対応したテンプレートの他の一例を示す図
【図6】携帯情報端末のブロック図
【図7】サーバのブロック図
【図8】端末情報DBの情報の概念説明図
【図9】出力先情報DBの情報の概念説明図
【図10】出力処理のフローチャート
【図11】携帯通信端末による出力情報の指定の一例を示す図
【図12】S5の他の例のフローチャート
【図13】類似画像検索の概念説明図
【図14】抽出キーワードに基づいて関連づけられた出力情報の配置の一例を示す図
【図15】テンプレート選択処理(S4)の他の例のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1はプリントシステムの概略構成を示す。このシステムは、携帯情報端末1、サーバ2、プリンタ3aおよび3b(まとめてプリンタ3と表記)を含む。プリントシステムは、ネットワーク5を介してメールサーバ6やWebサーバ7と接続されてもよい。
【0020】
携帯情報端末1は、携帯電話やPDAなどで構成されることができる。サーバ2はパソコンで構成されることができる。サーバ2は、端末情報DB2aおよび出力先情報DB2bを含む。
【0021】
携帯情報端末1は、サーバ2およびプリンタ3とネットワーク5を介して接続されている。ネットワーク5の通信方式は任意であり、LAN,インターネットなどが挙げられる。
【0022】
プリンタ3aはネットワーク5以外の通信経路で携帯情報端末1と接続されている。両者の通信経路は任意であり、赤外線やブルートゥースなどの無線方式であってもよいし、USBなどの有線方式であってもよい。プリンタ3aはネットワーク5を介してサーバ2と接続されていても接続されていなくてもよい。プリンタ3bはネットワーク5を介してサーバ2と接続されている。
【0023】
図では、携帯情報端末1、プリンタ3a、プリンタ3bが1つずつ示されているが、これらは複数存在してもよい。
【0024】
このシステムでは、携帯情報端末1が、所望の出力情報をサーバ2に送信すると(P1)、サーバ2がこの出力情報を受信して端末情報DB2aに予め用意された携帯情報端末1に適合するテンプレートに従って出力情報を配置した印刷プレビュー画面SCを生成し(P2)、サーバ2は当該印刷プレビュー画面に対応する出力情報を携帯情報端末1経由でプリンタ3aに送信するか(P3)、または当該印刷プレビュー画面に対応する出力情報をプリンタ3bに直接送信する(P4)。
【0025】
テンプレートとは、識別情報の付与された携帯情報端末1から指定された1または複数の所望の出力情報(画像および/またはテキスト)のレイアウトを当該携帯情報端末1の識別情報に対応する表示能力に応じて定義する情報である。テンプレートは、指定された出力情報の数に相当する配置領域を規定する。テンプレートには、その識別情報であるテンプレートIDが付与されている。
【0026】
一例として、端末ID「T001」の付与された携帯情報端末1の表示部13の表示能力がQVGA(320x240ピクセルの画面解像度、16の表示色)であれば、その端末ID「T001」に対応するテンプレートID「tmp001」の付与されたテンプレートの定義する配置は、垂直方向に沿って2列に、指定された情報n個(ただしいずれの情報の画素サイズもQQVGA以下に間引かれる)を所定の順序で(例えば水平方向の走査)並べるものとする。
【0027】
図2は、画像から抽出された3つの情報の配置を規定するテンプレートの一例T0を示す。また図3は、メールサーバ6から受信した、タイトルテキストTX1、本文テキストTX2、および画像IMの3つの出力情報を含むメール(図3(a))と、当該メールの3つの出力情報に対応する配置を規定する枠1〜3を含むテンプレート(図3(b))の一例T1を示す。また図4は、Webサーバ7のショッピングサイトから操作部14を介して購入候補として選択された6つの商品画像A〜Fの配置を規定するテンプレートの一例T2を示す。また図5は、購入候補として選択された6つの商品画像A〜Fとそれらに付随する情報(関連するHTMLファイルの取得先のURLやFlashムービー)の配置を規定するテンプレートの一例T3を示す。
【0028】
図6は携帯情報端末1のブロック構成を示す。携帯情報端末1は、情報処理部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15を備える。記憶部12、表示部13、操作部14は、携帯情報端末1に内蔵されてもよいし携帯情報端末1に外付けされる周辺機器でもよい。
【0029】
情報処理部11は、CPUやワンチップマイコンなどの情報処理装置で構成される。記憶部12は、情報処理部11による情報の読み取りまたは書き込みが可能な記憶媒体である。すなわち、記憶部12は、揮発性記憶媒体(RAM)および不揮発性記憶媒体(ROMやEEPROMなど)を含む。記憶部12は、HDDのような大容量記憶媒体や、CDROM、DVD、MO、メモリカード、磁気テープ、穿孔テープなどの可搬性情報記憶媒体からの情報読み取り/書き込み装置を含んでもよい。
【0030】
記憶部12は、携帯情報端末1を識別する情報である端末IDを記憶する。端末IDは携帯情報端末1の種類に固有である。
【0031】
また記憶部12は、後述する出力情報のソースである画像および/またはテキストを記憶する。出力情報のソースの取得元は任意である。例えば、携帯情報端末1がネットワーク5を介してアクセスしたメールサーバ6から受信したメールに含まれる画像やテキスト、携帯情報端末1がアクセスしたネットワーク5を介してアクセスしたWebサーバ7から受信したWebコンテンツに含まれる画像やテキスト、携帯情報端末1が撮像部16により撮像した画像、操作部14から入力された文字情報、撮像部16で撮像した画像からOCRリーダーを介して取得した文字情報などが、出力情報のソースとして記憶部12に記憶されうる。
【0032】
例えば、各種の機器のメンテナンスの要員が携帯情報端末1を携帯し、故障した機器の拡大写真を撮像部16に撮影し、操作部14から機器の故障の概要を入力し、これらを報告書の形式に配置するテンプレートを用意しておけば、メンテナンスの報告書を携帯情報端末1でプレビュー表示でき、プリンタ3に出力できる。あるいは、携帯情報端末1が図3(a)のようなメールをメールサーバ6から受信すれば、図3(b)のようなテンプレートに従い簡単にメールの内容を携帯情報端末1でプレビュー表示でき、プリンタ3に出力できる。あるいは、携帯情報端末1がWebサーバ7からWebページを受信すれば、図5のようなテンプレートに従い簡単にWebページを携帯情報端末1でプレビュー表示でき、プリンタ3に出力できる。
【0033】
表示部13は、情報処理部11の制御に従って所望の情報を表示する手段であり、例えばLCDおよびそのドライバを含む。表示される情報は、記憶部12に記憶されたりネットワーク5経由でメールサーバ6やWebサーバ7から取得した文字情報や画像情報を含む。
【0034】
操作部14は、テンキー、文字ボタン、スクロールボタン、情報確定ボタン、タッチパネル、音声インターフェース、視線インターフェースなど、ユーザから情報処理部11へ対する指示を受け付ける回路である。情報処理部11は、操作部14からの指示に応じて、撮像部16の撮像動作、通信部15の通信動作、表示部13の表示動作、記憶部12のデータ記憶動作など、各部の動作を制御する。
【0035】
通信部15は、ネットワーク5を介してサーバ2やプリンタ3aと接続するための通信インターフェースである。通信部15は、接続経路に応じた通信プロトコルでデータを送受信する。通信部15の送受信するデータの内容は情報処理部11によって制御される。通信部15は、情報処理部11の制御に応じて、ネットワーク5を介して接続されたWebサーバ7やメールサーバ6などから、画像データや文字データをダウンロードし、記憶部12に記憶することができる。あるいは、通信部15は、情報処理部11の制御に応じて、外部から取得されたり記憶部12に記憶された画像データや文字データのうち、操作部14から指定された任意のデータである出力情報を、サーバ2やプリンタ3に送信することもできる。
【0036】
撮像部16は、撮像光学系を介して結像した被写体像を画像データに変換して出力する回路であり、撮像光学系(フォーカスレンズ・ズームレンズ、絞り)、撮像素子(CCDやCMOS)、アナログフロントエンド回路、A/D変換回路、画像処理回路など、公知のデジタル画像データ出力装置(デジタルカメラ)の構成を含む。撮像部16のデジタル画像データ出力動作は情報処理部11によって制御される。情報処理部11は、撮像部16の出力した画像データを記憶部12のRAMに一旦記憶し、RAMの画像データを表示部13にて表示させる。また、情報処理部11は、操作部14からの指示に応じ、RAMの画像データを、記憶部12のメモリカードなどの不揮発性記憶媒体に記憶する。
【0037】
図7はサーバ2のブロック図を示す。サーバ2は、情報処理部21、記憶部22、表示部23、操作部24、通信部25を含む。情報処理部21、記憶部22、表示部23、操作部24、通信部25は、それぞれ情報処理部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15と同様に構成することができる。
【0038】
記憶部12に含まれるHDDなどの大容量記憶媒体は、端末情報DB2aおよび出力先情報DB2bを含む。
【0039】
図8は端末情報DB2aの構造の一例を示す。端末情報DB2aは、端末ID、端末仕様情報およびテンプレートIDの組からなるデータセットを1または複数組格納する。端末仕様情報は、表示部13の画像および/または文字の表示能力を示す情報、例えば画面解像度(QVGAやVGAなど)、最大表示色、表示可能な文字種の定義などを含みうる。
【0040】
端末情報DB2aは、サーバ2に接続されうる不特定多数の携帯情報端末1の端末IDおよび当該携帯情報端末1の端末仕様情報を網羅していることが好ましい。
【0041】
テンプレートIDは、携帯情報端末1からサーバ2に送信される出力データの配置を示すテンプレートの識別情報である。携帯情報端末1の端末情報、すなわち当該携帯情報端末1の端末IDおよび端末仕様情報ごとに用意されたテンプレートは、記憶部22に記憶されている。
【0042】
図9は出力先情報DB2bの構造の一例を示す。出力先情報DB2bは、出力先IDと出力先仕様情報との組からなるデータセットである出力先情報を1または複数組格納する。出力先仕様情報は、プリンタ3の画像および/または文字の出力能力を示す情報である。一例として、出力先仕様情報は、プリンタドライバ情報、出力データフォーマットおよびの出力先アドレスの組からなる。あるいは出力先仕様情報は、最大プリントサイズ、解像度、最大プリント色、プリント可能な文字種の定義などを含みうる。
【0043】
出力先IDとは、プリンタ3を識別する情報である。プリンタドライバ情報、出力データフォーマット、出力先アドレスは、それぞれ、これらの組に対応づけられた出力先IDで識別されるプリンタ3に採用されるプリンタドライバ、出力データフォーマット、ネットワーク5のアドレスを示す。
【0044】
図10は本システムで実行される出力処理のフローチャートを示す。この処理のS1〜3、9を携帯情報端末1に実行させるためのプログラム、S4〜8、10〜11をサーバ2に実行させるためのプログラムは、それぞれ記憶部12および記憶部22に記憶されている。
【0045】
S1では、携帯情報端末1の情報処理部11は、出力情報の指定を操作部14を介して受け付ける。情報処理部11は、まず記憶部12に記憶されたデータから、所望のデータ(画像および/またはテキスト)を操作部14を介して選択または入力させる。出力情報とすべきテキストは操作部14から入力されてもよい。情報処理部11、選択または入力されたデータを表示部13に表示する。そして、情報処理部11は、選択されたデータから、さらに、出力情報とすべき部分の指定を受け付ける。
【0046】
例えば、図11に示すように、携帯情報端末1は、操作部14からの選択操作に応じて選択された記憶部12の画像データを表示部13に表示し、さらに、表示部13に表示された画像データの中から、出力情報とすべき画像の部分領域の範囲指定を操作部14を介して受け付ける。例えば、情報処理部11は、操作部14の十字キーやタッチパネルの操作に応じて枠を画像上に設定し、操作部14の情報確定キー操作に応じて枠で囲まれた部分領域を出力情報と認識する。複数の出力情報の指定は一括でもよいし1つずつでもよい。無論画像全体が出力情報に指定されてもよい。文字情報についても、操作部14からの範囲選択操作に応じて出力情報を指定できる。
【0047】
S2では、携帯情報端末1の情報処理部11は、指定された出力情報を記憶部12に一時記憶する。
【0048】
S3では、携帯情報端末1の情報処理部11は、記憶部12に記憶された端末IDと出力情報をサーバ2に送信するよう通信部15を制御する。
【0049】
S4では、サーバ2の情報処理部21は、携帯情報端末1から送信された端末IDと出力情報を、通信部25を介して受信し、受信した情報を記憶部22に記憶する。情報処理部21は、端末情報DB2aを参照し、受信した端末IDに対応する端末仕様情報(画面解像度など)とテンプレートIDを端末情報DB2aから取得する。
【0050】
S5では、サーバ2の情報処理部21は、取得したテンプレートIDに対応するテンプレートのうち、受信した出力情報の数に応じた配置を規定したものを記憶部22の不揮発性記憶媒体(HDDなど)から選択して読み出し、同じく記憶部22の揮発性記憶媒体(RAM)に一時記憶する。
【0051】
情報処理部21は、選択したテンプレートに従って受信した出力情報をレイアウトした画像データである出力画像を作成する。さらに情報処理部21は、取得した端末仕様情報(画面解像度など)に適合するよう出力画像を変換し、印刷プレビュー画面を作成する。例えば、サーバ2の情報処理部21は、出力画像の出力サイズを、端末仕様情報に含まれる画面解像度に適合するよう画素数を間引く。あるいは、端末仕様情報に携帯情報端末1の表示色などの制限が記述されていれば、サーバ2の情報処理部21は、出力情報の色を端末仕様情報の表示色に適合するよう減色してもよい。
【0052】
S6では、サーバ2の情報処理部21は、携帯情報端末1の操作部14を介し、出力情報を携帯情報端末1経由でプリンタ3aに出力するかまたはサーバ2経由でプリンタ3bに出力するかの選択を受け付ける。情報処理部21は、出力情報の出力先をプリンタ3aとする選択を受け付けた場合はS7に進み、出力情報の出力先をプリンタ3bとする選択を受け付けた場合はS10に進む。
【0053】
S7では、サーバ2の情報処理部21は、プリンタ3aの出力先IDを送信するよう携帯情報端末1に要求する。携帯情報端末1は、サーバ2からの要求に応じ、プリンタ3aと交信してプリンタ3aの出力先IDを取得し、通信部15を介してサーバ2に転送する。情報処理部21は、通信部25を介して携帯情報端末1から受信したプリンタ3aの出力先IDに対応する出力先仕様情報を、出力先情報DB2bから取得する。情報処理部21は、出力データを当該取得した出力先仕様情報に適合するよう再構成した補正出力情報を作成する。なお、サーバ2がネットワーク5を介してプリンタ3aに直接出力先IDを送信するよう要求し、プリンタ3aがこの要求に応じて直接自己の出力先IDをネットワーク5を介してサーバ2に送信してもよい。
【0054】
S8では、サーバ2の情報処理部21は、通信部25を介し、補正出力情報と印刷プレビュー画面とを対応づけて携帯情報端末1に送信する。
【0055】
S9では、携帯情報端末1の情報処理部11は、サーバ2から補正出力情報と印刷プレビュー画面とを通信部15を介して受信し、記憶部12に記憶する。携帯情報端末1の情報処理部11は、記憶した印刷プレビュー画面を表示部13に表示する。そして、携帯情報端末1の情報処理部11は、表示した印刷プレビュー画面に対応する補正出力情報をプリンタ3aに出力するか否かの選択を操作部14から受け付ける。情報処理部11は、補正出力情報をプリンタ3aに出力する選択を受け付けたことに応じ、通信部15を介して補正出力情報をプリンタ3aに送信する。プリンタ3aは、携帯情報端末1から受信した補正出力情報に基づき、画像および/または文字をプリントアウトする。
【0056】
S10では、サーバ2の情報処理部21は、通信部25を介し、プリンタ3bの出力先IDを送信するようプリンタ3bに要求する。プリンタ3bは、自己の出力先IDをネットワーク5を介してサーバ2に転送する。情報処理部21は、通信部25を介してプリンタ3bから受信した出力先IDに対応する出力先仕様情報を、出力先情報DB2bから取得する。情報処理部21は、出力データを当該取得した出力先仕様情報に適合するよう出力画像を再構成した補正出力情報を作成する。補正出力情報はプレビュー画像から作成されてもよい。サーバ2の情報処理部21は、補正出力情報をプリンタ3bに送信するよう通信部25を制御する。プリンタ3bは、サーバ2から受信した補正出力情報に基づき、画像および/または文字をプリントアウトする。
【0057】
以上の処理によると、ユーザは、携帯情報端末1上で所望の出力情報を選択することができ、携帯情報端末1の表示部13に表示された印刷プレビュー画面を参照することで、自ら選んだ出力情報のレイアウトを確認できる。また、ユーザは、携帯情報端末1上で出力情報のプリントアウト先も自由に選べる。
【0058】
<第2実施形態>
図12は印刷プレビュー画面作成処理(S5)の他の例のフローチャートを示す。
【0059】
S21では、サーバ2の情報処理部21は、出力情報と、出力情報となった部分領域の切り出し元の画像の付帯情報を記憶部22に保存する。この情報は、S1にて指定された出力対象となる画像の部分領域やテキスト、部分領域の切り取り元となった画像の拡張子、当該画像のタグ情報などを含む。なお情報処理部21は、出力情報として指定された画像の部分領域からOCRを用いて認識された文字情報を、当該画像の付帯情報とみなしてもよい。
【0060】
S22では、情報処理部21は、全ての出力情報と付帯情報の保存が完了したか否かを、携帯情報端末1の操作部14から部分領域の確定指示が入力されたか否かに応じて判断する。Yesの場合はS23に進み、Noの場合はS22に戻って部分領域の指定を受け付ける。
【0061】
S23では、情報処理部21は、出力情報の個数に基づき、端末IDに対応するテンプレートの中からテンプレートの候補を選択する。
【0062】
S24では、情報処理部21は、出力情報を画像情報と文字情報に分離する。
【0063】
S25では、情報処理部21は、分離された文字情報および画像情報の付帯情報からそれぞれキーワードを抽出する。キーワードは予め記憶部22に定義されている。情報処理部21は、携帯情報端末1の操作部14からの所望のキーワードの定義を受け付けて記憶部22に記憶してもよい。
【0064】
S26では、情報処理部21は、文字情報から抽出したキーワードと画像情報の付帯情報から抽出したキーワードの同一性に基づき、出力情報に含まれる文字情報と画像情報の関連づけを行う。例えば、出力情報に指定されたある文字情報(出力対象1)から、キーワード「桜、花見」が抽出され、また出力情報に指定されたある画像の部分領域(出力対象2)の付帯情報から、キーワード「桜、花」が抽出されたとする。この場合、情報処理部11は、出力対象1と出力対象2はともに同一キーワード「桜」を有しているため、出力対象1と出力対象2とを関連づける。同様にして3以上の部分領域同士が関連づけられてもよい。
【0065】
部分領域に対応する付帯情報に全くキーワードが含まれないか、あっても不十分な場合は、部分領域の画像特徴量を解析および抽出し、この画像特徴量を、図示しない画像サーバに蓄積された画像の画像特徴量と照合することで画像サーバから類似画像を検索し、その類似画像に対応するタグ情報を部分領域に対応する付帯情報とみなせばよい。
【0066】
画像特徴量とは、画像データの平均、分散、最大値、最小値、輝度ヒストグラムといった画素値に関する特徴量や、抽出領域の位置、抽出領域の輪郭の円形度やモーメントなど形状に関する特徴量や、断面の半径、体積、面積など大きさに関する特徴量の他、ROI(関心領域)の形状情報やテクスチャ情報などを含むことができる。あるいは、これらの情報を所定の数式(例えば主成分分析、独立成分分析)で処理した値を特徴量としてもよい。要するに、公知の手法で得られた、注目領域の輪郭・画素値、位置情報などを画像特徴量とすることができる。
【0067】
例えば図13に示すように、情報処理部11は、ある部分領域I1の画像特徴量と類似する画像特徴量を有する類似画像I2を画像サーバから検索し、類似画像I2に対応づけられたタグ情報「千鳥ヶ淵、東京、桜、ピンク」のうち、部分領域I1のタグ情報に含まれていないもの「桜、ピンク」を、部分領域I1の新たなタグ情報と認識する。情報処理部11は、この新たなタグ情報を、部分領域I1のタグ情報として記憶部12に記憶してもよい。情報処理部11が類似画像を検索するか否かは操作部14の指示に応じてもよい。この後、情報処理部11は、抽出したキーワードの同一性に基づき、文字情報と画像の関連づけを行う。
【0068】
S27では、情報処理部21は、選択されたテンプレート候補上における、関連づけられた文字情報と画像の出力位置を決定する。関連づけられた部分領域の出力位置、例えば上述の出力対象1および出力対象2は、互いに近接していることが好ましい(図14参照)。情報処理部21は、決定された出力位置に従って出力情報を配置した画像である印刷プレビュー画面を生成する。また情報処理部21は、当該配置を保持した補正出力情報を作成し、携帯情報端末1からの指示に応じてプリンタ3aまたは3bに当該補正出力情報を出力する。このように、文字情報と画像の付帯情報のキーワードを照合することで、内容の関連性の高い画像と文字を、プレビュー画像やプリントアウトデータに関連づけて配置することができる。
【0069】
<第3実施形態>
図15はテンプレート選択処理(S4)の他の例のフローチャートを示す。
【0070】
S31では、携帯情報端末1は、ユーザエージェントなどにより自身の表示部13の画面解像度を示す情報をサーバ2に通知し、サーバ2の情報処理部21は、携帯情報端末1から送信された当該情報を記憶部22に記憶する。あるいは、サーバ2の情報処理部21は、携帯情報端末1から送信された端末IDと出力情報(すなわち画像の部分領域)を、通信部25を介して受信し、端末情報DB2aを参照して、受信した端末IDに対応する画面解像度を端末情報DB2aから取得してもよい。また、サーバ2の情報処理部21は、携帯情報端末1から送信された出力情報と、出力情報となった部分領域の切り出し元の画像の付帯情報とを、通信部25を介して受信し、記憶部22に記憶する。
【0071】
S32では、サーバ2の情報処理部21は、S31にて受信した出力情報の切り出し元の画像の付帯情報に基づいて、出力情報を並べ替える。例えば情報処理部21は、付帯情報に含まれるキーワードのあいうえお順やアルファベット順で、あるいは付帯情報に含まれる画像記録日時の早い順あるいは遅い順で、各付帯情報に対応する各出力情報をソートする。
【0072】
S33では、サーバ2の情報処理部21は、受信した画面解像度に基づき、各出力情報の実表示サイズを算出する。実表示サイズとは、出力情報のアスペクト比を維持しながら表示部13内で表示されうる出力情報の最大限のサイズである。
【0073】
S34では、サーバ2の情報処理部21は、各出力情報の実表示サイズが同一であれば、その実表示サイズをテンプレートの抽出基準となる画面解像度(端末仕様情報)と認識する。サーバ2の情報処理部21は、各出力情報の実表示サイズが同一でなければ、多数派の実表示サイズをテンプレートの抽出基準となる画面解像度(端末仕様情報)と認識する。あるいは、サーバ2の情報処理部21は、各出力情報の実表示サイズが同一でなければ、その実表示サイズの最大値、最小値、平均値など、各出力情報の実表示サイズを所定の算術式に代入して得られた値をテンプレートの抽出基準となる画面解像度(端末仕様情報)と認識してもよい。
【0074】
S35では、サーバ2の情報処理部21は、S34で認識された画面解像度(端末仕様情報)に対応するテンプレートIDを端末情報DB2aから抽出する。情報処理部21は、S34で認識された画面解像度に対応するテンプレートIDが端末情報DB2aに存在しない場合、当該画面解像度に最も近似する画面解像度に対応するテンプレートIDを端末情報DB2aから抽出する。
【0075】
S36では、サーバ2の情報処理部21は、S35にて少なくとも1つのテンプレートIDが抽出されたか否かを判断する。Yesの場合はS37、Noの場合はS38に進む。
【0076】
S37では、サーバ2の情報処理部21は、S35で抽出されたテンプレートIDに対応するテンプレートのうち、指定された出力情報の数に相当する配置領域を規定するテンプレートを端末情報DB2aから検索・抽出する。
【0077】
S38では、サーバ2の情報処理部21は、指定された出力情報の数に相当する配置領域を規定するテンプレートを端末情報DB2aから検索・抽出する。
【0078】
S39では、サーバ2の情報処理部21は、S37またはS38で少なくとも1つのテンプレートが抽出されたか否かを判断する。Yesの場合はS5、Noの場合はS40に進む。
【0079】
S40では、サーバ2の情報処理部21は、最大の数の配置領域を規定するテンプレートを端末情報DB2aから検索・抽出する。そしてS5に進む。これはS5で作成される印刷プレビュー画面のページ数を少なくするためである。
【0080】
S5は上述した通りである。ただしここでは、情報処理部21は、S37、S38またはS40で抽出したテンプレートに従って受信した出力情報をレイアウトした画像データである出力画像を作成する。
【0081】
出力情報の配置領域へのレイアウト順はS32の並び順に従う。例えば、各配置領域に配置順が付与されていれば、その配置順とS32の並び順とが整合するようにレイアウトする。具体例を挙げると、「配置順1」の配置領域には「千鳥ヶ淵」のキーワードに対応する「出力情報1」が、配置順「2」の配置領域には「東京」のキーワードに対応する「出力情報2」が配置される。
【0082】
さらに情報処理部21は、取得した端末仕様情報(画面解像度など)に適合するよう出力画像を変換し、印刷プレビュー画面を作成する。
【符号の説明】
【0083】
1:携帯情報端末、2:サーバ、3:プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末と接続して情報を通信可能な通信部と、
識別情報の付与された携帯情報端末ごとの表示能力に応じた出力情報のレイアウトを定義したレイアウト定義情報を記憶するレイアウト定義情報記憶部と、
前記通信部と接続した携帯情報端末を介して所望の出力情報の指定を受け付ける出力情報指定部と、
前記通信部と接続した携帯情報端末から前記携帯情報端末の識別情報を受信する受信部と、
前記受信部の受信した携帯情報端末の識別情報に対応したレイアウト定義情報を前記レイアウト定義情報記憶部から選択する選択部と、
前記選択部の選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って前記出力情報指定部が指定を受け付けた出力情報が配置された画像を作成する画像処理部と、
を備える画像出力装置。
【請求項2】
前記携帯情報端末の表示能力は、前記携帯情報端末の画面解像度および表示色のうち少なくとも一方を含み、
前記画像処理部は前記携帯情報端末の画面解像度および表示色のうち少なくとも一方に適合するよう前記出力情報が配置された画像を作成する請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記通信部と接続した携帯情報端末の画面解像度に基づいて前記出力情報指定部が指定を受け付けた出力情報の各々の出力サイズを算出した上、前記算出された出力情報の各々の出力サイズの同一性に応じて前記レイアウト定義情報を選択する請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記算出された出力情報の各々の出力サイズが同一でない場合、前記算出された出力情報の各々の出力サイズの中の多数派の出力サイズに対応するレイアウト定義情報を前記レイアウト定義情報記憶部から選択する請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記多数派の出力サイズに最も近似する画面解像度に対応するレイアウト定義情報を前記レイアウト定義情報記憶部から選択する請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項6】
プリンタごとの出力仕様を定義したプリンタ出力定義情報を記憶するプリンタ出力定義情報記憶部と、
前記携帯情報端末を介して所望のプリンタの指定を受け付けるプリンタ指定部と、
前記選択部の選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って配置された出力情報に基づき、前記プリンタ出力定義情報記憶部において前記プリンタ指定部が指定を受け付けたプリンタに対応するプリンタ出力定義情報が定義する出力仕様に適合するプリントデータを作成するプリントデータ処理部と、
前記プリントデータ処理部からのプリントデータを前記プリンタ指定部が指定を受け付けたプリンタに送信する送信部と、
を備える請求項1〜5のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記画像処理部からの画像を前記通信部と接続した携帯情報端末に送信する画像送信部を備える請求項1〜6のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像出力装置と、
携帯情報端末と、
を備える画像出力システム。
【請求項9】
情報処理装置が、
識別情報の付与された携帯情報端末ごとの表示能力に応じた出力情報のレイアウトを定義したレイアウト定義情報を記憶媒体に記憶するステップと、
携帯情報端末を介して所望の出力情報の指定を受け付けるステップと、
前記携帯情報端末から前記携帯情報端末の識別情報を受信するステップと、
前記受信した携帯情報端末の識別情報に対応したレイアウト定義情報を前記記憶媒体から選択するステップと、
前記選択したレイアウト定義情報の定義するレイアウトに従って前記指定を受け付けた出力情報が配置された画像を作成するステップと、
を備える画像出力方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像出力方法を情報処理装置に実行させるための画像出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−138315(P2011−138315A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297875(P2009−297875)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】