説明

画像出力装置及びその制御方法

【課題】 接続された外部装置が画像表示装置か画像形成装置かを判別して、外部装置が画像表示装置であれば、画像出力装置が有する画像ファイルを外部装置に自動的に表示させることが可能な画像出力装置を提供する。
【解決手段】 例えばPictBridgeプロトコルに従って外部装置の情報を取得し、外部装置の種別を判別する(S108)。そして、外部装置が液晶プロジェクタのような表示装置であると判別された場合には、表示中の画像に対応する画像ファイルを転送するための要求(例えば印刷ジョブ)を、自動的に生成して外部装置に送信する(S113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像出力装置及びその制御方法に関し、特に接続された外部装置に画像データを出力する画像出力装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラ(以下、DSCという)からフォトダイレクトプリンタ(以下、PDプリンタという)に、コンピュータ(PC)を介さずデジタル静止画像を直接送信してプリントするダイレクトプリントシステムが普及してきている。このダイレクトプリントシステムにおいて、DSCとPDプリンタとが異なるメーカの製品である場合でも、DSCからPDプリンタへのダイレクトプリントを可能にするための規格としてPictBridgeがある。
【0003】
PictBridgeに準拠したDSCとPDプリンタとで構成されるダイレクトプリントシステムにおける印刷手順は以下の通りである。ユーザは、DSCが有する表示装置の画面に表示された画像の中から、印刷したい画像を選択する。またユーザは、USB(Universal Serial Bus)ケーブルでPDプリンタとDSCを接続する。次にユーザは、DSCの操作部にあるダイレクトプリントボタンを押下する。これにより、DSCは選択された画像に対応する画像ファイルを記録媒体から読み出して接続されたPDプリンタに送信し、PDプリンタは、受信した画像ファイルを印刷する。
【0004】
近年、ダイレクトプリントの利便性を向上するための種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、DSCとPDプリンタを直接接続できるインタフェースを備えることで、USBケーブルを用いずにダイレクトプリントを可能にしたシステムが開示されている。
【0005】
特許文献2では、デジタルカメラとプリンタとに対応するコネクタを設けて直接着脱可能に構成し、デジタルカメラの装着時にカメラ内の画像データが自動的にプリンタのメモリに転送されるシステムが開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、デジタルカメラをプリンタに直接着脱可能としたプリントシステムにおいて、プリンタからデジタルカメラへ画像情報を供給し、デジタルカメラの機能を利用して画像情報を表示したり記録したりすることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006-254220号公報
【特許文献2】特開平11-155120号公報
【特許文献3】特開平11-275418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
PictBridge規格は、ダイレクトプリントの標準化を目的としているので、DSCの接続対象は、主としてPDプリンタなどの印刷装置が想定されている。そのため、DSCを液晶プロジェクタなどの画像表示装置と接続し、DSCに記憶された画像を画像表示装置に表示させたい場合でも、DSCが備えるダイレクトプリントボタンを押す必要があり、使い勝手が良くなかった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものである。本発明は、接続された外部装置が画像表示装置か画像形成装置かを判別して、外部装置が画像表示装置であれば、画像出力装置が有する画像ファイルを外部装置に自動的に表示させることが可能な画像出力装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的は、画像ファイルを記憶する記憶手段と、外部装置を接続するための通信インタフェースとを有する画像出力装置であって、画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段と、通信インタフェースを介して外部装置が接続されたことに応じて、外部装置から情報を取得し、取得した情報に基づいて外部装置が印刷装置か表示装置であるかを判別する判別手段と、判別手段により外部装置が表示装置であると判別された場合には、表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを外部装置に転送するための要求を通信インタフェースを通じて外部装置に自動的に送信し、判別手段により外部装置が印刷装置であると判別された場合には、ユーザからの印刷開始指示を受け付けたことに応じて、表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを外部装置に転送するための要求を通信インタフェースを通じて外部装置に送信する制御手段とを有することを特徴とする画像出力装置によって達成される。
【0011】
また、上述の目的は、画像ファイルを記憶する記憶手段と、外部装置を接続するための通信インタフェースと、画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段とを有する画像出力装置の制御方法であって、通信インタフェースを介して外部装置が接続されたことに応じて、外部装置から情報を取得し、取得した情報に基づいて外部装置が印刷装置か表示装置であるかを判別する判別工程と、判別工程により外部装置が表示装置であると判別された場合には、表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを外部装置に転送するための要求を通信インタフェースを通じて外部装置に自動的に送信し、判別手段により外部装置が印刷装置であると判別された場合には、ユーザからの印刷開始指示を受け付けたことに応じて、表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを外部装置に転送するための要求を通信インタフェースを通じて外部装置に送信する制御工程とを有することを特徴とする画像出力装置の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0012】
このような構成により、本発明によれば、接続された外部装置が画像表示装置か画像形成装置かを判別して、外部装置が画像表示装置であれば、画像出力装置が有する画像ファイルを外部装置に自動的に表示させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適なかつ例示的な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像出力装置及び外部表示装置によって構成される画像表示システムの外観例を模式的に示す図である。
【0014】
本実施形態において、画像出力装置はデジタルスチルカメラ(DSC)、外部表示装置は液晶プロジェクタ(PJ)であるものとする。しかし、これらは一例であり、他の装置を用いて画像表示システムを構成してもよい。
【0015】
図1において、PJ1とDSC2は、通信インタフェースとしてUSBインタフェースを備え、USBケーブル300によって接続されている。そして、ファイル転送プロトコルとしてのPictBridgeプロトコルに従った通信により、DSC2から画像ファイルをPJ1へ直接送信して表示を行うダイレクトプロジェクションを実現している。なお、PJ1とDSC2の接続は、ワイヤレスUSBによってなされてもよい。
【0016】
図に示すように、PJ1は、ユーザが各種の操作を行うための操作パネル101と、映像入力用I/F102と、USBケーブル300を接続するためのUSB I/F(PJ側)103を備えている。
【0017】
また、DSC2は、背面側に表示画面を有する、LCDディスプレイなどの表示部201を有する。ユーザがDSC2のメニュー操作などを行うための操作キー202は、方向キー及び決定キーを含む。動作モード切り替えスイッチ203は、ユーザがDSC2の動作モードを撮影モードと再生モードとの間で切り替えるためのスイッチである。
【0018】
プリントボタン204は、ユーザがDSC2に対して印刷開始指示を入力するためのボタンである。プリントボタン204が押下されるとCPU210は、PictBridgeプロトコルに従った印刷ジョブを生成し、USB I/F208を介して接続された外部装置に送信する。メニュー表示ボタン205は、表示部201におけるメニュー画面の表示/非表示をユーザが切り替えるためのボタンである。
【0019】
表示部201には、撮像素子213(図2参照)がリアルタイムに撮像するEVF画像や、本撮影によって得られた撮像画像や、メニュー画面が表示される。DSC2の上面に、シャッターボタン206と、再生モードにおいて表示部201へ撮像画像を表示する際の表示形式(例えばシングル表示またはインデックス表示)を切り替える表示モード切り替えスイッチ207が設けられている。図1では、シングル表示が選択された状態の例を示している。また、DSC2の側面には、USBケーブル300を接続するためのUSB I/F(DSC側)208が設けられている。
【0020】
図2は、図1に示す画像表示システムの機能構成例を示すブロック図である。図2において、図1と共通する構成には同じ参照数字を付し、重複する説明は省略する。
PJ1において、CPU104は、ROM106に記憶された制御プログラムを実行して装置内の各部を制御することにより、装置全体の制御を行う。CPU104内に記載されたブロック(デコーダ108及びエンコーダ109)は、CPU104によってソフトウェア的に実現されていることを示すが、個別のハードウェアで実現されてもよい。
【0021】
USBコントローラ(ホストコントローラ)110は、USB I/F(PJ側)103を介した信号の送受信を制御する。PictBridgeは、DSCがUSBデバイス、印刷装置(外部装置)がUSBホストとしてファイル転送を行うプロトコルである。そのため、PJ1が有するUSBコントローラ110はホストコントローラ、DSC2が有するUSBコントローラはデバイスコントローラとなる。
【0022】
映像処理部111は、映像入力I/F102から入力された映像信号を処理する。投写エンジン105は、液晶パネル及びその駆動ドライバ、レンズ及びその駆動系および光源で構成され、映像処理部111が出力する映像信号を投写する。RAM107は、USBコントローラ110より受信した撮像画像を一時的に記憶するための記憶領域や、CPU104がプログラム実行時に用いるワークエリアとして用いられる。
【0023】
PJ1が備える各部の間におけるデータの送受信は、内部バス112を介して行われる。また、CPU104は、プログラムを実行することにより、PTP(Picture Transfer Protocol)形式のコマンドとPictBridge形式のコマンドのデコーダ108及びエンコーダ109として機能する。なお、このデコーダ108とエンコーダ109は、図3を用いて後述するPictBridgeの通信プロトコルアーキテクチャの構成を有する。
【0024】
次にDSC2について説明する。操作部は、ユーザがDSC2に各種指示を入力するためのキーやボタンから構成される。図1に示した操作キー202、動作モード切り替えスイッチ203、プリントボタン204、メニュー表示ボタン205、シャッターボタン206、表示モード切り替えスイッチ207は、操作部に含まれる。他のボタンやスイッチが操作部に含まれていてもよい。
【0025】
CPU210は、ROM214に記憶された制御プログラムを実行して装置内の各部を制御することにより、装置全体の制御を行う。CPU210内に記載されたブロックは、CPU104によってソフトウェア的に実現されていることを示すが、個別のハードウェアで実現されてもよい。
【0026】
光学ユニット211は、レンズ及びその駆動系(モータ等)で構成される。ドライバ212は、光学ユニット211のフォーカスレンズやシャッタ、絞りなどの駆動を制御する。撮像素子213は光電変換素子であり、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
【0027】
USBコントローラ(デバイスコントローラ)209は、USB I/F(DSC側)208を介した信号の送受信を制御する。RAM215は、撮像画像を一時的に記憶するための記憶領域や、CPU210がプログラム実行時に用いるワークエリアとして用いられる。VRAM216は、表示部201に表示するデータを記憶するビデオメモリである。メモリコネクタ217には、撮像画像データを記録するための記録媒体の一例としての半導体メモリカード218が装着される。
【0028】
これらDSC2が備える各部の間におけるデータの送受信は、内部バス223を介して行われる。また、CPU210は、プログラムを実行することにより、PTP形式のコマンドとPictBridge形式のコマンドのデコーダ219及びエンコーダ220として機能する。なお、このデコーダ219とエンコーダ220は、図3を用いて後述するPictBridgeの通信プロトコルアーキテクチャの構成を有する。
【0029】
判別部222は、USBケーブル300を介して接続された外部装置が、表示装置か印刷装置かを判断する。画像処理部221は、メモリカード218から読み出した画像を表示する際の縮小処理を始めとした画像処理を行う。OSD作成部224は、メニュー画面などのOSD(On-Screen Display)を作成する。本実施形態において、判別部222、画像処理部221及びOSD作成部224は、CPU210がプログラムを実行することによりソフトウェア的に実現しているが、個別のハードウェアによって実現してもよい。
【0030】
DSC2とPJ1との間のデータの送受信は、USB I/F(DSC側)208と、USBケーブル300と、USB I/F(PJ側)103とを介して行われる。
【0031】
図3に、PictBridgeの通信プロトコルアーキテクチャを示す。
PictBridgeでは、物理層にUSB40を用い、その上のトランスポート層にPTP47を用いる。そして、図に示されるように、トランスポート層とアプリケーション層との間に、新たな変換用のレイヤ(層)であるDPS層を設けて、このDPS層で、PTP47とDPSアプリケーションとの間のマッピングを行う。PictBridgeは、このDPS層と、DPS層とアプリケーション層とのインタフェースプロトコルを規格化したものである。
【0032】
次に、図3を参照して、PictBridgeのソフトウェアコンポーネントについて説明する。PictBridgeのソフトウェアコンポーネントのうち、アプリケーション層内にはPrint Server43、Print Client44、Storage Server45、Storage Client46が設けられる。また、DPS層内には、DPS Discovery41、42が設けられる。
【0033】
PictBridgeでは、DSCから印刷要求を行い、印刷を行う画像ファイルは、印刷の実行時に印刷装置がDSCに要求することを想定している。そのため、通常はユーザーがStorage Client46を意識することはない。DPSアプリケーションでは、基本的に、Clientからの要求に対してServerが応答し、その結果をClientに返答するというシーケンスで各DPS Operationが完結する。また、Serverから発行される通知に対してClientが応答して、その受け取り確認をServerに返答するというシーケンスでDPS Eventが完結する。
【0034】
(動作の説明)
次に、図1と、図4に示すシーケンス図とを用い、本実施形態に係る画像表示システムを構成するPJ1とDSC2の動作について説明する。以下の説明においては個々に言及しないが、PTPコマンドやPictBridgeコマンドの生成、解釈は、CPU104及び210が実現するデコーダ108、219及びエンコーダ109、220を用いて行う。
【0035】
まずユーザーが、動作モード切り替えスイッチ203でDSC2の動作モードを再生モードに切り替える(S101)。
DSC2のCPU210は、再生モードへの切り替え操作を検出すると、表示形式の設定、具体的にはモード切り替えスイッチ207の位置を確認する。ここではシングル表示が設定されているものとする。CPU210は、メモリカード218に記録されている撮像画像を1つ読み出し、画像処理部221によって表示用のサイズに縮小してからVRAM216へ転送する。これにより、表示部201に1枚の撮像画像が表示される(S102)。ここで、メモリカード218に記録されている撮像画像のうち、どれを読み出すかの条件は、予め設定しておくことができる。例えば、最後に撮像された画像から読み出すように設定されていてよい。
【0036】
ユーザーは、PJ1で表示させたい画像が表示部201に表示されるまで、DSC2の操作キー202を操作し、表示画像を切り替える(S103)。表示部201に表示されている画像が、選択された画像になる。
CPU210は、操作キー202の操作に応じて表示部201に表示させる画像を順次切り替える(S104)。
【0037】
ユーザーはPJ1で表示したい画像が表示部201に表示された状態になったら、DSC2とPJ1の通信インタフェース(USB I/F208及び103)を、USBケーブル300により接続する(S105)。これにより、DSC2とPJ1との間のシステムフローが開始される。
【0038】
USBケーブル300でDSC2とPJ1とが接続されると、まずPJ1のCPU104とDSC2のCPU210とは、PTPでの接続を確立する。次に、CPU104及び210は、PTPでの接続の確立に応じて、互いにDPS機能を有する機器(PictBridge対応機器)かどうかを検出するネゴシエーションであるDPS_Discoveryを行う(S106)。
【0039】
互いにPictBridge対応機器であることが確認されたら、Print Server43とPrint Client44との間でDPS_ConfigurePrintServiceが行われる。DPS_ConfigurePrintServiceがにより、両機器がどんなサービス機能を有するか通知し合う(S107)。
【0040】
DSC2の判別部222は、DPS_ConfigurePrintServiceで取得した外部装置の情報を基に、接続された外部装置が印刷装置なのか、画像表示装置なのかを判別することができる(S108)。本実施形態では、判別部222は、外部装置が画像表示装置であることを判別する。
【0041】
次にCPU210(Print Client44)はPJ1(Print Server43)に対してDPS_GetCapabilityにより、PJ1に設定可能な能力を要求する(S109)。
【0042】
CPU104(Print Server43)は、DPS_GetCapabilityの要求を受け、投写パネルのサイズ(表示可能な画素数)や設定可能な能力情報を送信し(S110)、CPU210はそれら設定可能な能力情報を受信する(S111)。
【0043】
次にCPU210(Print Client44)は、判別部222によって外部装置が画像表示装置であると判別されている場合、ユーザの指示を待たずに、表示部201に表示されている画像を外部装置で表示させるための要求を生成する。
【0044】
一方、判別部222によって外部装置が印刷装置であると判別されている場合、CPU210(Print Client44)は、ユーザによる画像の選択(S201)及びプリントボタン204の押下(S202)を待つ。このうち、既に表示部201に画像が表示されている場合には画像の選択は必須でない。CPU210(Print Client44)は、プリントボタン204の押下、すなわち印刷開始指示の入力に応じて、その時点で表示部201に表示されている画像を外部装置で印刷させるための要求を生成する(S112)。
【0045】
ここで生成する要求は、外部装置が画像表示装置である場合も、印刷装置である場合も、表示部201で表示されている画像ファイルの識別子とシングル印刷の指示を記載したシングル印刷Jobスクリプトである。ただし、外部装置が画像表示装置の場合と印刷装置の場合では、受信する能力情報が異なるため、スクリプト内で指定する各種の印刷設定情報の内容も異なる。
【0046】
そして、CPU210は生成したシングル印刷JobスクリプトをPJ1に送信する(S113)。
なお、画像ファイルの識別子とは、メモリカード218に記録されたファイルの階層構造を構成するディレクトリや画像ファイルに割り当てられた識別子である。
【0047】
CPU104(Print Server43)は、シングル印刷Jobスクリプトを受信する(S114)。そして、CPU104は、シングル印刷Jobスクリプトに記載されたファイル識別子についてのファイル情報の送信を要求するコマンド(DPS_GetFileInfo)をDSC2へ送信する(S115)。
【0048】
CPU210(Print Client44)は、DPS_GetFileInfoを受信すると、要求のあったファイル識別子のファイル情報(File Info)をPJ1に送信する(S116)。ここで、ファイル情報とは、例えば、ファイル名、ファイルサイズ、ファイル属性などである。
【0049】
CPU104(Print Server43)は、指定したファイル識別子のファイル情報を受信する(S117)。そして、CPU104は、受信したファイル情報に基づいて、画像ファイルを受信するための準備を行う。また、CPU104は、RAM107の空き容量のチェックを行い、ファイル情報に含まれるファイルサイズと比較して、受信可能かどうかの判断を行う。そして、受信可能であれば、CPU104(Print Server43)は、DSC2にファイルの転送を要求するコマンド(DPS_GetFile)を送信する(S118)。
【0050】
CPU210(Print Client44)は、ファイル転送要求コマンドを受信すると、コマンドで指定されたファイル識別子に対応する画像ファイル(Image File)をメモリカード218から読み出し、PJ1に対して送信する(S119)。
【0051】
CPU104(Print Server43)は、転送要求した画像ファイルを受信する(S120)。CPU104は受信した画像ファイルをRAM107に転送し、映像処理部111によって表示用の形式に変換して投写エンジン105へ供給する。
【0052】
投写エンジン105は、映像処理部111から供給される映像信号を投写する(S121)。
CPU104(Print Server43)は、投写を完了すると、その結果をDPS_NotifyDeviceStatusとしてDSC2に送信する(S122)。CPU210(Print Client44)はこのDSP_NotifyDeviceStatusを受信し、画像ファイルの出力処理の終了を確認する(S123)。
【0053】
なお、外部装置が印刷装置である場合、印刷Jobスクリプトの内容が異なること、外部装置で行う処理が投写ではなく印刷処理であることを除き、S114以降のPJ1と同様の処理となる。
【0054】
再生モードで画像を鑑賞中にDSCが画像表示装置に接続された場合、その目的は、DSCの表示部で表示中の画像を(プロジェクタ等のより大きな表示が可能な画像表示装置で)表示させるためであろうと考えられる。本実施形態のDSC2によれば、接続された外部装置が画像表示装置であると判別された場合には、ユーザの指示を待たずに自動的に印刷Jobスクリプトを生成し、外部装置(PJ1)へ送信する。従って、ユーザがわざわざプリントボタン204を押下しなくても、外部装置で表示させたい画像が表示部201に表示された状態でDSC2をPJ1に接続するだけで、直ちに画像が投写され、利便性が高い。
【0055】
一方、接続された外部装置が印刷装置であると判別された場合には、従前通りのダイレクトプリント操作が可能であり、ユーザの指示を待って出力要求を行うので、印刷装置との接続時に予期せずプリントが開始されてしまうことがない。
【0056】
(他の実施形態)
上述の実施形態においては、画像出力装置と外部装置との間の通信プロトコルがPictBridgeである場合についてのみ説明した。しかし、本発明は特定の通信プロトコルの利用に限定されず、画像出力装置が外部装置の種別を判別可能であり、画像出力装置から外部装置へ画像ファイルが転送可能な任意のプロトコルを利用することができる。
【0057】
同様に、画像出力装置が画像ファイルの表示を外部装置に命令する際に送信する要求は、最終的に外部装置へ画像出力装置から画像ファイルが転送され、表示されるまでの処理が自動的に行われさえすれば、どのような要求であってもよい。例えば、画像ファイルの送信要求であっても、印刷ジョブの送信要求であっても、画像ファイルそのものであっても、印刷ジョブそのものであってもよい。
【0058】
上述の実施形態は、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0059】
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0060】
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0061】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0062】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0063】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0064】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る画像出力装置及び外部表示装置によって構成される画像表示システムの外観例を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す画像表示システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】PictBridgeの通信プロトコルアーキテクチャを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像表示システムを構成するPJ1とDSC2の動作について説明するシーケンスチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ファイルを記憶する記憶手段と、外部装置を接続するための通信インタフェースとを有する画像出力装置であって、
前記画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段と、
前記通信インタフェースを介して外部装置が接続されたことに応じて、前記外部装置から情報を取得し、前記取得した情報に基づいて前記外部装置が印刷装置か表示装置であるかを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記外部装置が表示装置であると判別された場合には、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを前記外部装置に転送するための要求を前記通信インタフェースを通じて前記外部装置に自動的に送信し、前記判別手段により前記外部装置が印刷装置であると判別された場合には、ユーザからの印刷開始指示を受け付けたことに応じて、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを前記外部装置に転送するための要求を前記通信インタフェースを通じて前記外部装置に送信する制御手段とを有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記通信インタフェースを介して接続された前記外部装置との通信が、前記外部装置をホストとするファイル転送プロトコルに基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記ファイル転送プロトコルが、PictBridgeであることを特徴とする請求項2記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記要求が、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルの送信要求、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルの印刷ジョブの送信要求、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイル、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルの印刷ジョブ、のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項5】
画像ファイルを記憶する記憶手段と、外部装置を接続するための通信インタフェースと、前記画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段とを有する画像出力装置の制御方法であって、
前記通信インタフェースを介して外部装置が接続されたことに応じて、前記外部装置から情報を取得し、前記取得した情報に基づいて前記外部装置が印刷装置か表示装置であるかを判別する判別工程と、
前記判別工程により前記外部装置が表示装置であると判別された場合には、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを前記外部装置に転送するための要求を前記通信インタフェースを通じて前記外部装置に自動的に送信し、前記判別手段により前記外部装置が印刷装置であると判別された場合には、ユーザからの印刷開始指示を受け付けたことに応じて、前記表示手段に表示されている画像に対応する画像ファイルを前記外部装置に転送するための要求を前記通信インタフェースを通じて前記外部装置に送信する制御工程とを有することを特徴とする画像出力装置の制御方法。
【請求項6】
画像ファイルを記憶する記憶手段と、外部装置を接続するための通信インタフェースと、前記画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段とを有する画像出力装置のコンピュータに、請求項5記載の画像出力装置の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−50650(P2010−50650A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212274(P2008−212274)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】