画像判別方法およびそれを用いた媒体処理装置
【課題】回転する硬貨および透かしや印刷の位置ずれが大きい紙幣の判別は、メモリ容量の増大や照合処理に多くの時間が費やされる。
【解決手段】挿入された媒体の画像と、予め画像データを所定の回転角度および位置ずれごとに取得した回転角度別および位置ずれ別画像データと該画像データに対して回転角度情報および位置ずれ情報を挿入し角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書を生成して、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで照合が完了する。
【解決手段】挿入された媒体の画像と、予め画像データを所定の回転角度および位置ずれごとに取得した回転角度別および位置ずれ別画像データと該画像データに対して回転角度情報および位置ずれ情報を挿入し角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書を生成して、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで照合が完了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転する画像の認識や位置ずれの大きい画像などの画像を高速かつ高精度に認識するための認識方法およびそれを用いた媒体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置や自動販売機などに組み込まれ、コインの表面模様や紙幣の透かしを認識する方法として模様のパターンマッチング法が使用されている。認識対象物が任意回転角や位置ずれした状態で読み取られることから各種回転角や各種位置ずれのデータを用いておのおの照合する必要がある。これを解決する方法として特開平6−12548号公報に開示の技術では表面模様における小面積のデータを用いて硬貨の回転角、貨種、真偽を先ず識別し、その後に大面積のデータを用いて真偽識別を詳細に行っている。
【特許文献1】特開平6−12548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記方法で述べたように回転する硬貨の認識および透かしや印刷の位置ずれが大きい海外紙幣の認識においては、硬貨の回転および透かしや印刷の位置ずれにそれぞれ対応した照合辞書を持つ必要があり、照合辞書としてメモリ容量の増大や照合処理に多くの時間が費やされる。そのため偽造硬貨や偽造券を排除する真偽判別処理の性能低下にもつながり兼ねない。
【0004】
そこで、本発明は回転や位置ずれを照合する辞書について、角度別の画像データや位置ずれ別画像データを重ね合わせて統合した照合辞書を生成することで、メモリ容量の低減、処理時間の大幅な短縮を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切り出し部と、前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、二値化された画像データを所定の回転角度および位置ずれごとに取得した回転角度別および位置ずれ別画像データと該画像データに対して回転角度情報および位置ずれ情報を挿入し角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別および位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、前記取り込んだ画像データと前記照合辞書の画素を照合して角度別および位置ずれ別の画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、予め角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせた照合辞書を生成しておき、該重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで、照合が完了する。本提案の方法は、処理時間の極端な短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図であり、図2は本発明の図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図、図3は本発明の図1の構成の説明図、図4は図1の照合部の説明図、図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図、図6は、照合結果判定部の説明図、図7は図2の照合辞書生成手順の説明図、図8は、図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
【0008】
図9は本発明の第2の実施の形態の機能構成を示すブロック図通帳取扱装置の制御ブロック図であり、図10は図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図、図11は、図10の照合辞書生成手順の説明図、図12は図9の照合部の説明図、図13は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図、図14は照合結果判定部の説明図である。なお、各図面に共通する要素については同一の符号を付す。
<本発明の第1の実施の形態>
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
この図において、1は入力される媒体である。
2は画像情報取得部であり、挿入された媒体1枚の画像の情報をセンサにより取得する。
3は硬貨画像切出し部であり、画像情報取得部2で取得した画像データに対して硬貨画像のみを切出す。
4は画像二値化部であり、硬貨画像切出し部3で切出された画像に対して二値化処理を行う。ここで、硬貨の模様の陰影は黒、その他は白、とする。
5は画像特徴取得部であり、画像二値化部4で二値化された画像に対してサイズ、面積、重心点などの画像情報を抽出する。
6は硬貨画像位置補正部であり、画像特徴取得部5で取得した重心点座標を基準テンプレート(例えば、64×64画素のテンプレート)の中心に合わせる。
7は制御部であり、照合処理や照合結果の格納などを制御する。
8は照合部であり、予め格納されている照合辞書を入力された画像二値化部4で二値化された画像とを照合する。
9は照合辞書格納部であり、照合部8で照合するための照合辞書を格納する。
10は照合結果情報格納部であり、照合部8で照合された結果を格納する。
11は照合結果集計部であり、照合結果情報格納部10に格納されている照合結果を集計する。
12は照合結果判定部であり、照合結果集計部11で集計された結果を受けて、予め持っている判定閾値と比較し、例えば入力された硬貨1の金種や本物であるか否か、の結果を出力する。
【0010】
図2は図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成の手順を示すブロック図である。
21は辞書生成に用いる硬貨であり、角度別にデータを収集する。
22は画像情報取得切出し部であり、硬貨21に対してセンサにより画像情報を取得し、更に硬貨画像のみを切出す。
23は回転角度別データ格納部であり、画像情報所得切出し部22で切出された硬貨画像に対して角度別に画像を振り分け格納する。本発明では、1度ごとにデータを選別する。
24は平均データ作成部であり、回転角度別データ格納部23に格納されている画像に対して平均データを作成する。
25は二値化部であり、平均データ作成部24に格納された各角度別のデータを二値化処理する。
26は角度番号入力部であり、二値化部25で作成された画像に対して、各角度別に白画素に対応するところに番号を入力する。ここで、角度番号は、0度を0、・・・90度を90、・・・359度を359、とする。
27は回転角度別データ合成部であり、角度番号入力部26で入力された画像を合成する。
28は辞書データ出力部であり、回転角度別データ合成部27で合成されたデータを辞書データとしてセーブする。
【0011】
図3は図1の構成の説明図である。
(a)は画像情報取得部の説明図であり、31は取得画像、32は硬貨、33は背景である。
(b)は硬貨画像切出し部と二値化部の説明図であり、34は画像31から硬貨32を切出し二値化した画像で、35は黒、36は白、37は硬貨34の重心点である。
(c)は硬貨画像位置補正部の説明図であり、38は基準テンプレートを示し39は基準テンプレートの中心を示す。照合する場合は、硬貨の重心点37を39に合わせる処理を硬貨画像位置補正部で行う。
【0012】
図4は図1の照合部の説明図である。
41は入力され図1における硬貨画像位置補正部6で補正された硬貨である。
42は辞書であり、図2の手順により生成された照合辞書である。
43は辞書42に硬貨41を重ね合わせた画像で、44は重ね合わせた時の入力された硬貨画像である。
【0013】
図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
51は図4における画像44であり、52は1画素を表している。
53は辞書角度番号情報を集計した結果であり、入力硬貨と辞書の一致した画素52にと一致した辞書の角度番号を表しており、本説明の場合、画素52に含まれる辞書角度番号情報は、「0,2,4,7,10,16,20」であることを示している。
同様に入力硬貨に対して全画素の角度番号情報53を抽出し、54は各角度番号の個数を集計したものである。
【0014】
図6は照合判定部の説明図であり、61は図5で集計された結果であり、角度番号「0」が1000個あったことを示している。
62は集計結果61で最大個数を取る角度番号「0」と決定し、63は入力硬貨の回転角度として角度番号「0」である0度を決定したことを示す。
64は判定結果の算出方法であり、表記数式のとおりの計算結果と判定閾値を比較する。比較した結果が以上なら65のOK、未満なら66のNGとなる。
【0015】
図7は図2の照合辞書生成手順の説明図である。
71は回転角度別データであり、図2の23における画像の状態である。
72は二値化平均データであり、図2の24,25の処理により二値化されて平均化された画像である。
73は角度番号であり、図2の26で入力するもので、0度に対して0、15度に対して15、というように角度にあわして角度番号が決められている。
74は角度番号を付けられた二値化平均データ72を示している。
75は重ね合わせを示しており、図2の27で行われる処理である。
76は辞書データであり、重ね合わせ75で重ね合わせた辞書データである。
【0016】
図8は図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
91は図2の25の角度0度の画像であり、92は90度である。
93,94はそれぞれ画像91,92の破線部分を画素表示したものであり、1つのブロックが1画素を表している。そして、黒画素(数字「500」の部分)に対して0度の場合は角度番号「0」を入力し、白画素には「−1」を入力する。
同様に、90度の画像92の場合は黒画素に対して90度の角度番号「90」を入力する。
99は辞書データであり、93,94データを重ね合わせることで同一の画素である95には97「−1、90」が、96には98「0、90」が入力されることを示している。
【0017】
初めに、図2における重ね合わせ統合辞書の生成について、図2及び図7,図8を用いて説明する。図7は図2に示すブロック図をイメージ的に捕らえた図であり、図8は図2における重ね合わせ辞書のデータ構成を示している。
まず、画像情報取得切出し部22で辞書生成用の硬貨画像をセンサ(例えば光学式読み取りセンサ)で取得し、取得した硬貨画像から硬貨のみの切出しを行う。そして、切出した硬貨画像に対して、角度別の選別を行い回転角度別データ格納部23に格納する(格納されている画像イメージは71)。ここで、前記画像情報取得切出し部22に硬貨21を挿入する際に、予め収集する角度に合わせて硬貨を挿入する方法を用いても良いし、画像情報取得切出し部22で切出した硬貨画像を目視で確認して角度別にデータを選別しても良く、その手段には限定は無い。
【0018】
前記回転角度別データ格納部23に格納されている角度別の全硬貨画像に対し平均データ作成部24では輝度の平均値を計算する。
平均データ作成部24で作成された角度別の平均データに対し、二値化部25で二値化処理を行う(二値化されたイメージ画像が72であり、文字「500」が黒画素、背景が白画素を示している)。
【0019】
二値化部25で二値化された画像の黒ドット部に対し、角度番号入力部26で角度別に予め決められている番号を入力する。例えば、0度の画像に対しては「0」、359度の画像に対して「359」とするように各角度を番号にするなどである。
回転角度別データ合成部27では、二値化部25で二値化され角度番号入力部26で角度番号が入力された角度別の硬貨データ74を重ね合わせて合成する。ここで、重ね合わせた画像イメージが76であり、硬貨の重心点に対して重ね合わせを行う。
【0020】
重ね合わせ辞書76のデータ構成が図8に示す図であり、二値化され角度番号が入力された角度別の硬貨データが91(0度データ)、92(90度データ)である。91,92に足してそれぞれの黒画素部には角度番号の「0」と「90」が、白画素部には「−1」が既に入力されている。
【0021】
硬貨91と硬貨92の同一の画素領域を93、94で示すと、重ね合わせにより同一の画素どうしを重ね合わせることで、画素95と画素96にはそれぞれ「−1、90」「0,90」の角度番号が保存される。
以上のように、全角度別の画像データを重ね合わせることで各画素ごとに角度番号が保存され、重ね合わせ辞書が完成するのである。
【0022】
次に、図1のブロック図と図3から図6を用いて動作の説明をする。
硬貨1を画像情報取得部2で硬貨1枚の画像の情報31を取得し、硬貨画像切出し部3で硬貨画像32を切出し、画像二値化部4で二値化処理した画像が34であり、黒画素35と白画素36と重心37を示す。
【0023】
画像特徴取得部5で、画像二値化部4で二値化された画像に対してサイズ、面積、重心点などの画像情報を計算する。
硬貨画像位置補正部6では、硬貨画像34の重心点を基準テンプレート38の中心点39に合わせて重ねる。
硬貨画像位置補正部6で位置補正された硬貨画像38は、照合部8で予め格納されている照合辞書と照合する。ここで照合辞書とは、図2,図7及び図8を用いて説明した重ね合わせ統合辞書のことである。
【0024】
照合部8について図4を用いて説明する。
画像41は硬貨画像位置補正部6で補正された硬貨画像であり、辞書42は前記説明した図2の手順により生成された照合辞書であり、照合辞書格納部9に予め格納されている。
まず、照合方法は硬貨画像41と照合辞書42は各々の重心点同士を重ね、重ね合わせた画像が43であり、44は重ね合わせた時の入力された硬貨画像である。
【0025】
次に図5を用いて照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明をする。
51は図4における画像44であり、52は1画素を表している。
照合部8では、画素52に対して照合辞書の同一の画素に対する辞書角度番号情報53を取得する。この作業を硬貨画像の全画素に対して実施し、実施した結果が53である。照合結果格納部10には前記辞書角度番号情報53が格納される。
取得した全画素の辞書角度番号情報53を照合結果集計部11では辞書角度番号情報53の各角度番号の個数の集計とソートを実施し、その結果が54である。
【0026】
次に、図6を用いて照合結果判定部12の説明をする。
照合結果集計部11で集計した照合結果61に対し、例えば最大数「1000個」の角度番号「0」が入力された硬貨の角度として決定する(62)。この場合、角度番号「0」は回転角度0度を示しており、入力された画像は回転角度が0度であったと決定する(63)。そして、次に63で決定した角度が本当に正しいかを判定する。判定方法は、図5における硬貨の黒画素部51の全黒画素数に対する集計した最大数「1000個」の割合とする(64)。例えば判定閾値個70とすると、判定閾値個/全黒画素数」が70%以上ならば入力された画像は角度が0度であると決定し「OK」を最終的な結果として出力し、70%未満なら角度が0度でなかったと判定してこの場合は「NG」を最終的な結果として出力する。
ここで、前記判定は全黒画素数に対する割合としているがこれには限定されず、例えば集計された個数に対して判定しても良い。
【0027】
以上のように、本実施例の方法は、予め角度別の照合辞書を重ね合わせた照合辞書を生成しておき、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで、照合が完了する本提案の方法は、処理時間の極端な短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
【0028】
更に、処理時間の短縮により更なる認識処理(本物か偽物かの真偽判別処理など)を組み込むことが可能となり装置として高精度認識の実現が可能となる。
【0029】
<本発明の第2の実施の形態>
図9は本発明の第2実施例を示すブロック図である。この図において101は入力される紙幣である。
102は画像情報取得部であり、挿入された紙幣1枚の画像の情報をセンサにより取得し、取得した画像データから紙幣を切出す。
103は金種判別部であり、金種判別辞書部104に格納されている判別辞書を用いて挿入された紙幣の金種と向きを判別する。
105は透かし画像切出し部であり、金種判別部103で判定された金種に対して画像データから透かし画像を切出す。
106は画像二値化部であり、透かし画像切出し部105で切出された画像に対して二値化処理を行う。ここで、透かしパタンは黒、その他背景は白、とする。
107は制御部であり、照合処理や照合結果の格納などを制御する。
108は照合部であり、予め格納されている照合辞書を入力された二値化部106で二値化された画像とを照合する。
109は照合辞書格納部であり、照合部108で照合するための照合辞書を格納する。
110は照合結果情報格納部であり、照合部108で照合された結果を格納する。
111は照合結果集計部であり、照合結果情報格納部110に格納されている照合結果を集計する。
112は照合結果判定部であり、照合結果集計部111で集計された結果を受けて、予め持っている判定閾値と比較し、入力された紙幣101が本物であるか否かの結果を出力する。
【0030】
図10は図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成の手順を示すブロック図である。
121は辞書生成に用いる紙幣であり、予め金種別に分類され、更に透かしの位置ずれ別に分類されているデータが用意されている。
122は画像情報取得切出し部であり、紙幣121に対してセンサにより画像情報を取得し、更に透かし画像領域の切出しも行う。
123は位置ずれ別データ格納部であり、画像情報所得切出し部122で切出された透かし画像に対して位置ずれ別に画像を振り分け格納する。本実施例では、透かしは領域内で9箇所(左上、中央上、右上、中央左、中央、中央右、左下、中央下、右下)の位置ずれがあるものとしてデータを選別する。
124は平均データ作成部であり、位置ずれ別データ格納部123に格納されている画像に対して平均データを作成する。
125は二値化部であり、平均データ作成部124に格納された位置ずれ別のデータを二値化処理する。
126は位置ずれ番号入力部であり、二値化部125で作成された画像に対して、各位置ずれ別に白画素に対応するところに番号を入力する。ここで、位置ずれ番号は、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号とする。
127は位置ずれ別データ合成部であり、位置ずれ番号入力部126で入力された画像を合成する。
128は辞書データ出力部であり、位置ずれ別データ合成部127で合成されたデータを辞書データとしてセーブする。
【0031】
図11は図10の照合辞書生成手順の説明図である。
171は位置ずれ別データであり、図10の123における画像の状態である。
172は二値化平均データであり、図10の24,25の処理により二値化されて平均化された画像である。
173は位置ずれ番号であり、図10の26で入力するもので、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号とする。
174は位置ずれ番号を付けられた二値化平均データ172を示している。
175は重ね合わせを示しており、図10の27で行われる処理である。
176は辞書データであり、重ね合わせ175で重ね合わせた辞書データである。
【0032】
図12は図9の照合部の説明図である。
141は入力され図9における紙幣から切り出され二値化処理された透かし画像である。
142は辞書であり、図10の手順により生成された照合辞書である。
143は辞書142に透かし141を重ね合わせた画像で、144は重ね合わせた時の透かし画像を示している。
【0033】
図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
151は図12における画像144であり、152は1画素を表している。
153は辞書位置ずれ番号情報を集計した結果であり、透かしと辞書の一致した画素152と一致した辞書の位置ずれ番号を表しており、本説明の場合、画素152に含まれる辞書位置ずれ番号情報は、「0,2,4,7」であることを示している。
同様に入力紙幣の透かし画像に対して全画その位置ずれ番号情報153を抽出し、154は各位置ずれ番号の個数を集計したものである。
【0034】
図14は照合判定部の説明図であり、161は図13で集計された結果であり、位置ずれ番号「4」が1000個あったことを示している。
162は集計結果161で最大個数を取る位置ずれ番号「4」と決定し、163は入力紙幣の透かし画像のずれ位置として番号「4」である中央位置を決定したことを示す。
164は判定結果の算出方法であり、表記数式のとおりの計算結果と判定閾値を比較する。比較した結果が以上なら165の透かしは本物と判定し、未満なら166の透かしは偽物と判定する。
【0035】
初めに、図10における重ね合わせ統合辞書の生成について、図10及び図11を用いて説明する。図11は図10に示すブロック図をイメージ的に捕らえた図である。
まず、画像情報取得切出し部122で辞書生成用の硬貨画像をセンサ(例えば光学式読み取りセンサ)で取得し、取得した紙幣画像から透かし画像のみの切出しを行う。そして、切出した透かし画像に対して、位置ずれ別の選別を行い位置ずれ別データ格納部123に格納する(格納されている画像イメージは71)。ここで、前記画像情報取得切出し部122に紙幣121を挿入する際に、予め収集する透かしの位置ずれに合わせて紙幣を挿入する方法を用いても良いし、画像情報取得切出し部122で切出した透かし画像を目視で確認して位置ずれ別にデータを選別しても良く、その手段には限定は無い。
【0036】
前記位置ずれ別データ格納部123に格納されている位置ずれ別の全透かし画像に対し平均データ作成部124では輝度の平均値を計算する。
平均データ作成部124で作成された位置ずれ別の平均データに対し、二値化部125で二値化処理を行う(二値化されたイメージ画像が172であり、透かし画像が黒画素、背景が白画素を示している)。
【0037】
二値化部125で二値化された画像の白ドット部に対し、位置ずれ番号入力部126で位置ずれ別に予め決められている番号を入力する。例えば、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号にするなどである。
位置ずれ別データ合成部127では、二値化部125で二値化され位置ずれ番号入力部126で位置ずれ番号が入力された位置ずれ別の透かしデータ174を重ね合わせて合成する。ここで、重ね合わせた画像イメージが176である。
重ね合わせ辞書176のデータ構成は実施例1で示した図8に示す図の考え方と同様であるので説明は省略する。
【0038】
次に、図9のブロック図と図12から図14を用いて動作の説明をする。
紙幣101を画像情報取得部102で挿入された紙幣1枚の画像の情報をセンサにより取得し、取得した画像データから紙幣を切出す。
切出された紙幣に対して金種判別部103では、金種判別辞書部104に格納されている判別辞書を用いて挿入された紙幣の金種と向きを判別する。
【0039】
金種判別部103で判別された金種に対して、透かし画像切出し部105では金種判別部103で画像データから透かし画像を切出す。
透かし画像切出し部105で切出された透かし画像に対して、画像二値化部106では二値化処理を行う。ここで、透かしパタンは黒、その他背景は白、とする。
制御部107は前記切出された透かし画像に対する照合処理の制御を行う。
【0040】
照合部108について図12を用いて説明する。
画像141は画像二値化部106で二値化された透かし画像であり、辞書142は前記説明した図10,図11の手順により生成された照合辞書であり、照合辞書格納部109に予め格納されている。
まず、照合方法は透かし画像141と照合辞書142は同士を重ね、重ね合わせた画像が143であり、144は重ね合わせた時の入力透かし画像である。
【0041】
次に図13を用いて照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明をする。
151は図12における画像144であり、152は1画素を表している。
照合部108では、画素152に対して照合辞書の同一の画素に対する辞書位置ずれ番号情報153を取得する。この作業を透かし画像の全画素に対して実施し、実施した結果が153である。照合結果格納部110には前記辞書角度番号情報153が格納される。
取得した全画素の辞書角度番号情報153を照合結果集計部111では辞書位置ずれ番号情報153の各位置ずれ番号の個数の集計とソートを実施し、その結果が154である。
【0042】
次に、図14を用いて照合結果判定部112の説明をする。
照合結果集計部111で集計した照合結果161に対し、例えば最大数「1000個」の位置ずれ番号「4」が入力された紙幣の透かしのズレ位置として決定する(162)。この場合、位置ずれ番号「4」中央位置を示しており、入力された紙幣の透かし位置は、透かしの切出し領域に対して中央に位置していると決定する(163)。そして、次に163で決定した位置の透かし画像に対して、透かしが本物であるか否かを判定する。判定方法は、図13における透かし画像の黒画素部151の全黒画素数に対する集計した最大数「1000個」の割合とする(164)。
【0043】
例えば、判定閾値を70とした場合に、「1000個/全黒画素数」が70%以上ならば入力された紙幣の透かし画像は本物であると決定し「OK」を最終的な結果として出力し、70%未満なら入力された紙幣の透かし画像はは偽者であると判定してこの場合は「NG」を最終的な結果として出力する。
ここで、前記判定は全黒画素数に対する割合としているがこれには限定されず、例えば集計された個数に対して判定しても良い。
【0044】
以上のように、本実施例の方法は、予め透かしの位置ずれ別の画像データを重ね合わせた照合辞書を生成しておき、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで照合が完了する本提案の方法は、処理時間の短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
更に、処理時間の短縮により更なる新しい認識処理(本物か偽物かの真偽判別処理など)を組み込むことが可能となり装置として高精度認識の実現が可能となる。
【0045】
第1の実施の形態と第2の実施の形態では、硬貨と透かしに対して本提案の説明をしたが、画像の照合を行う場合であればどのような照合にでも応用でき、例えば紙幣全体の画像に対する照合などにも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図である。
【図3】図1の構成の説明図である。
【図4】図1の照合部の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の照合結果判定部の説明図である。
【図7】図2の照合辞書生成手順の説明図である。
【図8】図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図10】図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図である。
【図11】図10の照合辞書生成手順の説明図である。
【図12】図9の照合部の説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の照合結果情報格納部である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の照合結果判定部の説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 硬貨
2 画像情報取得部
8 照合部
9 照合辞書格納部
11 照合結果集計部
12 照合結果判定部
101 紙幣
102 画像情報取得部
104 金種判別辞書部
108 照合部
109 照合辞書格納部
111 照合結果集計部
112 照合結果判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は回転する画像の認識や位置ずれの大きい画像などの画像を高速かつ高精度に認識するための認識方法およびそれを用いた媒体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置や自動販売機などに組み込まれ、コインの表面模様や紙幣の透かしを認識する方法として模様のパターンマッチング法が使用されている。認識対象物が任意回転角や位置ずれした状態で読み取られることから各種回転角や各種位置ずれのデータを用いておのおの照合する必要がある。これを解決する方法として特開平6−12548号公報に開示の技術では表面模様における小面積のデータを用いて硬貨の回転角、貨種、真偽を先ず識別し、その後に大面積のデータを用いて真偽識別を詳細に行っている。
【特許文献1】特開平6−12548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記方法で述べたように回転する硬貨の認識および透かしや印刷の位置ずれが大きい海外紙幣の認識においては、硬貨の回転および透かしや印刷の位置ずれにそれぞれ対応した照合辞書を持つ必要があり、照合辞書としてメモリ容量の増大や照合処理に多くの時間が費やされる。そのため偽造硬貨や偽造券を排除する真偽判別処理の性能低下にもつながり兼ねない。
【0004】
そこで、本発明は回転や位置ずれを照合する辞書について、角度別の画像データや位置ずれ別画像データを重ね合わせて統合した照合辞書を生成することで、メモリ容量の低減、処理時間の大幅な短縮を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切り出し部と、前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、二値化された画像データを所定の回転角度および位置ずれごとに取得した回転角度別および位置ずれ別画像データと該画像データに対して回転角度情報および位置ずれ情報を挿入し角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別および位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、前記取り込んだ画像データと前記照合辞書の画素を照合して角度別および位置ずれ別の画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、予め角度別および位置ずれ別の画像データを重ね合わせた照合辞書を生成しておき、該重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで、照合が完了する。本提案の方法は、処理時間の極端な短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図であり、図2は本発明の図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図、図3は本発明の図1の構成の説明図、図4は図1の照合部の説明図、図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図、図6は、照合結果判定部の説明図、図7は図2の照合辞書生成手順の説明図、図8は、図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
【0008】
図9は本発明の第2の実施の形態の機能構成を示すブロック図通帳取扱装置の制御ブロック図であり、図10は図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図、図11は、図10の照合辞書生成手順の説明図、図12は図9の照合部の説明図、図13は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図、図14は照合結果判定部の説明図である。なお、各図面に共通する要素については同一の符号を付す。
<本発明の第1の実施の形態>
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
この図において、1は入力される媒体である。
2は画像情報取得部であり、挿入された媒体1枚の画像の情報をセンサにより取得する。
3は硬貨画像切出し部であり、画像情報取得部2で取得した画像データに対して硬貨画像のみを切出す。
4は画像二値化部であり、硬貨画像切出し部3で切出された画像に対して二値化処理を行う。ここで、硬貨の模様の陰影は黒、その他は白、とする。
5は画像特徴取得部であり、画像二値化部4で二値化された画像に対してサイズ、面積、重心点などの画像情報を抽出する。
6は硬貨画像位置補正部であり、画像特徴取得部5で取得した重心点座標を基準テンプレート(例えば、64×64画素のテンプレート)の中心に合わせる。
7は制御部であり、照合処理や照合結果の格納などを制御する。
8は照合部であり、予め格納されている照合辞書を入力された画像二値化部4で二値化された画像とを照合する。
9は照合辞書格納部であり、照合部8で照合するための照合辞書を格納する。
10は照合結果情報格納部であり、照合部8で照合された結果を格納する。
11は照合結果集計部であり、照合結果情報格納部10に格納されている照合結果を集計する。
12は照合結果判定部であり、照合結果集計部11で集計された結果を受けて、予め持っている判定閾値と比較し、例えば入力された硬貨1の金種や本物であるか否か、の結果を出力する。
【0010】
図2は図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成の手順を示すブロック図である。
21は辞書生成に用いる硬貨であり、角度別にデータを収集する。
22は画像情報取得切出し部であり、硬貨21に対してセンサにより画像情報を取得し、更に硬貨画像のみを切出す。
23は回転角度別データ格納部であり、画像情報所得切出し部22で切出された硬貨画像に対して角度別に画像を振り分け格納する。本発明では、1度ごとにデータを選別する。
24は平均データ作成部であり、回転角度別データ格納部23に格納されている画像に対して平均データを作成する。
25は二値化部であり、平均データ作成部24に格納された各角度別のデータを二値化処理する。
26は角度番号入力部であり、二値化部25で作成された画像に対して、各角度別に白画素に対応するところに番号を入力する。ここで、角度番号は、0度を0、・・・90度を90、・・・359度を359、とする。
27は回転角度別データ合成部であり、角度番号入力部26で入力された画像を合成する。
28は辞書データ出力部であり、回転角度別データ合成部27で合成されたデータを辞書データとしてセーブする。
【0011】
図3は図1の構成の説明図である。
(a)は画像情報取得部の説明図であり、31は取得画像、32は硬貨、33は背景である。
(b)は硬貨画像切出し部と二値化部の説明図であり、34は画像31から硬貨32を切出し二値化した画像で、35は黒、36は白、37は硬貨34の重心点である。
(c)は硬貨画像位置補正部の説明図であり、38は基準テンプレートを示し39は基準テンプレートの中心を示す。照合する場合は、硬貨の重心点37を39に合わせる処理を硬貨画像位置補正部で行う。
【0012】
図4は図1の照合部の説明図である。
41は入力され図1における硬貨画像位置補正部6で補正された硬貨である。
42は辞書であり、図2の手順により生成された照合辞書である。
43は辞書42に硬貨41を重ね合わせた画像で、44は重ね合わせた時の入力された硬貨画像である。
【0013】
図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
51は図4における画像44であり、52は1画素を表している。
53は辞書角度番号情報を集計した結果であり、入力硬貨と辞書の一致した画素52にと一致した辞書の角度番号を表しており、本説明の場合、画素52に含まれる辞書角度番号情報は、「0,2,4,7,10,16,20」であることを示している。
同様に入力硬貨に対して全画素の角度番号情報53を抽出し、54は各角度番号の個数を集計したものである。
【0014】
図6は照合判定部の説明図であり、61は図5で集計された結果であり、角度番号「0」が1000個あったことを示している。
62は集計結果61で最大個数を取る角度番号「0」と決定し、63は入力硬貨の回転角度として角度番号「0」である0度を決定したことを示す。
64は判定結果の算出方法であり、表記数式のとおりの計算結果と判定閾値を比較する。比較した結果が以上なら65のOK、未満なら66のNGとなる。
【0015】
図7は図2の照合辞書生成手順の説明図である。
71は回転角度別データであり、図2の23における画像の状態である。
72は二値化平均データであり、図2の24,25の処理により二値化されて平均化された画像である。
73は角度番号であり、図2の26で入力するもので、0度に対して0、15度に対して15、というように角度にあわして角度番号が決められている。
74は角度番号を付けられた二値化平均データ72を示している。
75は重ね合わせを示しており、図2の27で行われる処理である。
76は辞書データであり、重ね合わせ75で重ね合わせた辞書データである。
【0016】
図8は図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
91は図2の25の角度0度の画像であり、92は90度である。
93,94はそれぞれ画像91,92の破線部分を画素表示したものであり、1つのブロックが1画素を表している。そして、黒画素(数字「500」の部分)に対して0度の場合は角度番号「0」を入力し、白画素には「−1」を入力する。
同様に、90度の画像92の場合は黒画素に対して90度の角度番号「90」を入力する。
99は辞書データであり、93,94データを重ね合わせることで同一の画素である95には97「−1、90」が、96には98「0、90」が入力されることを示している。
【0017】
初めに、図2における重ね合わせ統合辞書の生成について、図2及び図7,図8を用いて説明する。図7は図2に示すブロック図をイメージ的に捕らえた図であり、図8は図2における重ね合わせ辞書のデータ構成を示している。
まず、画像情報取得切出し部22で辞書生成用の硬貨画像をセンサ(例えば光学式読み取りセンサ)で取得し、取得した硬貨画像から硬貨のみの切出しを行う。そして、切出した硬貨画像に対して、角度別の選別を行い回転角度別データ格納部23に格納する(格納されている画像イメージは71)。ここで、前記画像情報取得切出し部22に硬貨21を挿入する際に、予め収集する角度に合わせて硬貨を挿入する方法を用いても良いし、画像情報取得切出し部22で切出した硬貨画像を目視で確認して角度別にデータを選別しても良く、その手段には限定は無い。
【0018】
前記回転角度別データ格納部23に格納されている角度別の全硬貨画像に対し平均データ作成部24では輝度の平均値を計算する。
平均データ作成部24で作成された角度別の平均データに対し、二値化部25で二値化処理を行う(二値化されたイメージ画像が72であり、文字「500」が黒画素、背景が白画素を示している)。
【0019】
二値化部25で二値化された画像の黒ドット部に対し、角度番号入力部26で角度別に予め決められている番号を入力する。例えば、0度の画像に対しては「0」、359度の画像に対して「359」とするように各角度を番号にするなどである。
回転角度別データ合成部27では、二値化部25で二値化され角度番号入力部26で角度番号が入力された角度別の硬貨データ74を重ね合わせて合成する。ここで、重ね合わせた画像イメージが76であり、硬貨の重心点に対して重ね合わせを行う。
【0020】
重ね合わせ辞書76のデータ構成が図8に示す図であり、二値化され角度番号が入力された角度別の硬貨データが91(0度データ)、92(90度データ)である。91,92に足してそれぞれの黒画素部には角度番号の「0」と「90」が、白画素部には「−1」が既に入力されている。
【0021】
硬貨91と硬貨92の同一の画素領域を93、94で示すと、重ね合わせにより同一の画素どうしを重ね合わせることで、画素95と画素96にはそれぞれ「−1、90」「0,90」の角度番号が保存される。
以上のように、全角度別の画像データを重ね合わせることで各画素ごとに角度番号が保存され、重ね合わせ辞書が完成するのである。
【0022】
次に、図1のブロック図と図3から図6を用いて動作の説明をする。
硬貨1を画像情報取得部2で硬貨1枚の画像の情報31を取得し、硬貨画像切出し部3で硬貨画像32を切出し、画像二値化部4で二値化処理した画像が34であり、黒画素35と白画素36と重心37を示す。
【0023】
画像特徴取得部5で、画像二値化部4で二値化された画像に対してサイズ、面積、重心点などの画像情報を計算する。
硬貨画像位置補正部6では、硬貨画像34の重心点を基準テンプレート38の中心点39に合わせて重ねる。
硬貨画像位置補正部6で位置補正された硬貨画像38は、照合部8で予め格納されている照合辞書と照合する。ここで照合辞書とは、図2,図7及び図8を用いて説明した重ね合わせ統合辞書のことである。
【0024】
照合部8について図4を用いて説明する。
画像41は硬貨画像位置補正部6で補正された硬貨画像であり、辞書42は前記説明した図2の手順により生成された照合辞書であり、照合辞書格納部9に予め格納されている。
まず、照合方法は硬貨画像41と照合辞書42は各々の重心点同士を重ね、重ね合わせた画像が43であり、44は重ね合わせた時の入力された硬貨画像である。
【0025】
次に図5を用いて照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明をする。
51は図4における画像44であり、52は1画素を表している。
照合部8では、画素52に対して照合辞書の同一の画素に対する辞書角度番号情報53を取得する。この作業を硬貨画像の全画素に対して実施し、実施した結果が53である。照合結果格納部10には前記辞書角度番号情報53が格納される。
取得した全画素の辞書角度番号情報53を照合結果集計部11では辞書角度番号情報53の各角度番号の個数の集計とソートを実施し、その結果が54である。
【0026】
次に、図6を用いて照合結果判定部12の説明をする。
照合結果集計部11で集計した照合結果61に対し、例えば最大数「1000個」の角度番号「0」が入力された硬貨の角度として決定する(62)。この場合、角度番号「0」は回転角度0度を示しており、入力された画像は回転角度が0度であったと決定する(63)。そして、次に63で決定した角度が本当に正しいかを判定する。判定方法は、図5における硬貨の黒画素部51の全黒画素数に対する集計した最大数「1000個」の割合とする(64)。例えば判定閾値個70とすると、判定閾値個/全黒画素数」が70%以上ならば入力された画像は角度が0度であると決定し「OK」を最終的な結果として出力し、70%未満なら角度が0度でなかったと判定してこの場合は「NG」を最終的な結果として出力する。
ここで、前記判定は全黒画素数に対する割合としているがこれには限定されず、例えば集計された個数に対して判定しても良い。
【0027】
以上のように、本実施例の方法は、予め角度別の照合辞書を重ね合わせた照合辞書を生成しておき、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで、照合が完了する本提案の方法は、処理時間の極端な短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
【0028】
更に、処理時間の短縮により更なる認識処理(本物か偽物かの真偽判別処理など)を組み込むことが可能となり装置として高精度認識の実現が可能となる。
【0029】
<本発明の第2の実施の形態>
図9は本発明の第2実施例を示すブロック図である。この図において101は入力される紙幣である。
102は画像情報取得部であり、挿入された紙幣1枚の画像の情報をセンサにより取得し、取得した画像データから紙幣を切出す。
103は金種判別部であり、金種判別辞書部104に格納されている判別辞書を用いて挿入された紙幣の金種と向きを判別する。
105は透かし画像切出し部であり、金種判別部103で判定された金種に対して画像データから透かし画像を切出す。
106は画像二値化部であり、透かし画像切出し部105で切出された画像に対して二値化処理を行う。ここで、透かしパタンは黒、その他背景は白、とする。
107は制御部であり、照合処理や照合結果の格納などを制御する。
108は照合部であり、予め格納されている照合辞書を入力された二値化部106で二値化された画像とを照合する。
109は照合辞書格納部であり、照合部108で照合するための照合辞書を格納する。
110は照合結果情報格納部であり、照合部108で照合された結果を格納する。
111は照合結果集計部であり、照合結果情報格納部110に格納されている照合結果を集計する。
112は照合結果判定部であり、照合結果集計部111で集計された結果を受けて、予め持っている判定閾値と比較し、入力された紙幣101が本物であるか否かの結果を出力する。
【0030】
図10は図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成の手順を示すブロック図である。
121は辞書生成に用いる紙幣であり、予め金種別に分類され、更に透かしの位置ずれ別に分類されているデータが用意されている。
122は画像情報取得切出し部であり、紙幣121に対してセンサにより画像情報を取得し、更に透かし画像領域の切出しも行う。
123は位置ずれ別データ格納部であり、画像情報所得切出し部122で切出された透かし画像に対して位置ずれ別に画像を振り分け格納する。本実施例では、透かしは領域内で9箇所(左上、中央上、右上、中央左、中央、中央右、左下、中央下、右下)の位置ずれがあるものとしてデータを選別する。
124は平均データ作成部であり、位置ずれ別データ格納部123に格納されている画像に対して平均データを作成する。
125は二値化部であり、平均データ作成部124に格納された位置ずれ別のデータを二値化処理する。
126は位置ずれ番号入力部であり、二値化部125で作成された画像に対して、各位置ずれ別に白画素に対応するところに番号を入力する。ここで、位置ずれ番号は、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号とする。
127は位置ずれ別データ合成部であり、位置ずれ番号入力部126で入力された画像を合成する。
128は辞書データ出力部であり、位置ずれ別データ合成部127で合成されたデータを辞書データとしてセーブする。
【0031】
図11は図10の照合辞書生成手順の説明図である。
171は位置ずれ別データであり、図10の123における画像の状態である。
172は二値化平均データであり、図10の24,25の処理により二値化されて平均化された画像である。
173は位置ずれ番号であり、図10の26で入力するもので、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号とする。
174は位置ずれ番号を付けられた二値化平均データ172を示している。
175は重ね合わせを示しており、図10の27で行われる処理である。
176は辞書データであり、重ね合わせ175で重ね合わせた辞書データである。
【0032】
図12は図9の照合部の説明図である。
141は入力され図9における紙幣から切り出され二値化処理された透かし画像である。
142は辞書であり、図10の手順により生成された照合辞書である。
143は辞書142に透かし141を重ね合わせた画像で、144は重ね合わせた時の透かし画像を示している。
【0033】
図5は照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
151は図12における画像144であり、152は1画素を表している。
153は辞書位置ずれ番号情報を集計した結果であり、透かしと辞書の一致した画素152と一致した辞書の位置ずれ番号を表しており、本説明の場合、画素152に含まれる辞書位置ずれ番号情報は、「0,2,4,7」であることを示している。
同様に入力紙幣の透かし画像に対して全画その位置ずれ番号情報153を抽出し、154は各位置ずれ番号の個数を集計したものである。
【0034】
図14は照合判定部の説明図であり、161は図13で集計された結果であり、位置ずれ番号「4」が1000個あったことを示している。
162は集計結果161で最大個数を取る位置ずれ番号「4」と決定し、163は入力紙幣の透かし画像のずれ位置として番号「4」である中央位置を決定したことを示す。
164は判定結果の算出方法であり、表記数式のとおりの計算結果と判定閾値を比較する。比較した結果が以上なら165の透かしは本物と判定し、未満なら166の透かしは偽物と判定する。
【0035】
初めに、図10における重ね合わせ統合辞書の生成について、図10及び図11を用いて説明する。図11は図10に示すブロック図をイメージ的に捕らえた図である。
まず、画像情報取得切出し部122で辞書生成用の硬貨画像をセンサ(例えば光学式読み取りセンサ)で取得し、取得した紙幣画像から透かし画像のみの切出しを行う。そして、切出した透かし画像に対して、位置ずれ別の選別を行い位置ずれ別データ格納部123に格納する(格納されている画像イメージは71)。ここで、前記画像情報取得切出し部122に紙幣121を挿入する際に、予め収集する透かしの位置ずれに合わせて紙幣を挿入する方法を用いても良いし、画像情報取得切出し部122で切出した透かし画像を目視で確認して位置ずれ別にデータを選別しても良く、その手段には限定は無い。
【0036】
前記位置ずれ別データ格納部123に格納されている位置ずれ別の全透かし画像に対し平均データ作成部124では輝度の平均値を計算する。
平均データ作成部124で作成された位置ずれ別の平均データに対し、二値化部125で二値化処理を行う(二値化されたイメージ画像が172であり、透かし画像が黒画素、背景が白画素を示している)。
【0037】
二値化部125で二値化された画像の白ドット部に対し、位置ずれ番号入力部126で位置ずれ別に予め決められている番号を入力する。例えば、左上位置から右下位置までの9箇所に対し、「0」から「8」の番号にするなどである。
位置ずれ別データ合成部127では、二値化部125で二値化され位置ずれ番号入力部126で位置ずれ番号が入力された位置ずれ別の透かしデータ174を重ね合わせて合成する。ここで、重ね合わせた画像イメージが176である。
重ね合わせ辞書176のデータ構成は実施例1で示した図8に示す図の考え方と同様であるので説明は省略する。
【0038】
次に、図9のブロック図と図12から図14を用いて動作の説明をする。
紙幣101を画像情報取得部102で挿入された紙幣1枚の画像の情報をセンサにより取得し、取得した画像データから紙幣を切出す。
切出された紙幣に対して金種判別部103では、金種判別辞書部104に格納されている判別辞書を用いて挿入された紙幣の金種と向きを判別する。
【0039】
金種判別部103で判別された金種に対して、透かし画像切出し部105では金種判別部103で画像データから透かし画像を切出す。
透かし画像切出し部105で切出された透かし画像に対して、画像二値化部106では二値化処理を行う。ここで、透かしパタンは黒、その他背景は白、とする。
制御部107は前記切出された透かし画像に対する照合処理の制御を行う。
【0040】
照合部108について図12を用いて説明する。
画像141は画像二値化部106で二値化された透かし画像であり、辞書142は前記説明した図10,図11の手順により生成された照合辞書であり、照合辞書格納部109に予め格納されている。
まず、照合方法は透かし画像141と照合辞書142は同士を重ね、重ね合わせた画像が143であり、144は重ね合わせた時の入力透かし画像である。
【0041】
次に図13を用いて照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明をする。
151は図12における画像144であり、152は1画素を表している。
照合部108では、画素152に対して照合辞書の同一の画素に対する辞書位置ずれ番号情報153を取得する。この作業を透かし画像の全画素に対して実施し、実施した結果が153である。照合結果格納部110には前記辞書角度番号情報153が格納される。
取得した全画素の辞書角度番号情報153を照合結果集計部111では辞書位置ずれ番号情報153の各位置ずれ番号の個数の集計とソートを実施し、その結果が154である。
【0042】
次に、図14を用いて照合結果判定部112の説明をする。
照合結果集計部111で集計した照合結果161に対し、例えば最大数「1000個」の位置ずれ番号「4」が入力された紙幣の透かしのズレ位置として決定する(162)。この場合、位置ずれ番号「4」中央位置を示しており、入力された紙幣の透かし位置は、透かしの切出し領域に対して中央に位置していると決定する(163)。そして、次に163で決定した位置の透かし画像に対して、透かしが本物であるか否かを判定する。判定方法は、図13における透かし画像の黒画素部151の全黒画素数に対する集計した最大数「1000個」の割合とする(164)。
【0043】
例えば、判定閾値を70とした場合に、「1000個/全黒画素数」が70%以上ならば入力された紙幣の透かし画像は本物であると決定し「OK」を最終的な結果として出力し、70%未満なら入力された紙幣の透かし画像はは偽者であると判定してこの場合は「NG」を最終的な結果として出力する。
ここで、前記判定は全黒画素数に対する割合としているがこれには限定されず、例えば集計された個数に対して判定しても良い。
【0044】
以上のように、本実施例の方法は、予め透かしの位置ずれ別の画像データを重ね合わせた照合辞書を生成しておき、その重ね合わせ照合辞書と1度だけの照合を実施することで照合が完了する本提案の方法は、処理時間の短縮と照合辞書容量の削減を実現できる。
更に、処理時間の短縮により更なる新しい認識処理(本物か偽物かの真偽判別処理など)を組み込むことが可能となり装置として高精度認識の実現が可能となる。
【0045】
第1の実施の形態と第2の実施の形態では、硬貨と透かしに対して本提案の説明をしたが、画像の照合を行う場合であればどのような照合にでも応用でき、例えば紙幣全体の画像に対する照合などにも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図である。
【図3】図1の構成の説明図である。
【図4】図1の照合部の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の照合結果情報格納部、照合結果集計部の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の照合結果判定部の説明図である。
【図7】図2の照合辞書生成手順の説明図である。
【図8】図2の角度番号入力部・回転角度別データ合成部・辞書構成の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図10】図9の照合辞書格納部に格納される辞書生成手順のブロック図である。
【図11】図10の照合辞書生成手順の説明図である。
【図12】図9の照合部の説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の照合結果情報格納部である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の照合結果判定部の説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 硬貨
2 画像情報取得部
8 照合部
9 照合辞書格納部
11 照合結果集計部
12 照合結果判定部
101 紙幣
102 画像情報取得部
104 金種判別辞書部
108 照合部
109 照合辞書格納部
111 照合結果集計部
112 照合結果判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記切出した画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の回転角度ごとに取得した回転角度別画像データと該回転角度別画像データに対して回転角度情報を挿入し、角度別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して角度別画像データの画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする画像判別方法。
【請求項2】
請求項1の画像判別方法において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像判別方法。
【請求項3】
請求項1の画像判別方法において、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする画像判別方法。
【請求項4】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の位置ずれごとに取得した位置ずれ別画像データと該位置ずれ別画像データに対して位置ずれ情報を挿入し、位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して位置ずれ別画像データの画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする画像判別方法。
【請求項5】
請求項4の画像判別方法において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の位置ずれごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像判別方法。
【請求項6】
請求項4の画像判別方法において、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする画像判別方法。
【請求項7】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の回転角度ごとに取得した回転角度別画像データと該回転角度別画像データに対して回転角度情報を挿入し、角度別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して角度別画像データの画素の一致度によって前記画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする媒体処理装置。
【請求項8】
請求項7の画像処理装置において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項7の画像処理装置おいて、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項10】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の位置ずれごとに取得した位置ずれ別画像データと該位置ずれ別画像データに対して位置ずれ情報を挿入し、位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して位置ずれ別画像データの画素の一致度によって前記画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする媒体処理装置。
【請求項11】
請求項10の画像処理装置において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項12】
請求項10の画像処理装置おいて、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項1】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記切出した画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の回転角度ごとに取得した回転角度別画像データと該回転角度別画像データに対して回転角度情報を挿入し、角度別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して角度別画像データの画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする画像判別方法。
【請求項2】
請求項1の画像判別方法において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像判別方法。
【請求項3】
請求項1の画像判別方法において、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする画像判別方法。
【請求項4】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の位置ずれごとに取得した位置ずれ別画像データと該位置ずれ別画像データに対して位置ずれ情報を挿入し、位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して位置ずれ別画像データの画素の一致度によって前記取り込んだ画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする画像判別方法。
【請求項5】
請求項4の画像判別方法において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の位置ずれごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像判別方法。
【請求項6】
請求項4の画像判別方法において、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする画像判別方法。
【請求項7】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の回転角度ごとに取得した回転角度別画像データと該回転角度別画像データに対して回転角度情報を挿入し、角度別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の角度別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して角度別画像データの画素の一致度によって前記画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする媒体処理装置。
【請求項8】
請求項7の画像処理装置において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項7の画像処理装置おいて、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項10】
挿入された媒体の画像を画像データとして取り込む画像情報取得部と、前記画像情報取得部にて取り込んだ画像データの一部を画像データとして切出す画像データ切出し部と、
前記取り込んだ画像データを二値化データとする二値化部と、
二値化された画像データを所定の位置ずれごとに取得した位置ずれ別画像データと該位置ずれ別画像データに対して位置ずれ情報を挿入し、位置ずれ別の画像データを重ね合わせ収納した照合辞書と、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の位置ずれ別の画素とを照合する照合部とを有し、
前記取り込んだ画像データを構成する画素と前記照合辞書の画素を照合して位置ずれ別画像データの画素の一致度によって前記画像の判別を行うことを特徴とする特徴とする媒体処理装置。
【請求項11】
請求項10の画像処理装置において、
前記照合部にて照合した結果から得られた所定の回転角度ごとの一致度を集計する集計部を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項12】
請求項10の画像処理装置おいて、
前記照合部にて照合する画素数は所定の数であることを特徴とする媒体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図7】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図7】
【公開番号】特開2006−39732(P2006−39732A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215724(P2004−215724)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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