説明

画像化組成物、画像化方法および画像化部材

【課題】改善されたオゾン安定性を有する画像を形成する、新規な画像化方法、画像化組成物および画像化部材を提供する。
【解決手段】銅フタロシアニン色素およびアミノアントラキノン色素を含有する熱画像化組成物であって、該アミノアントラキノン色素は、下記の式(I)で表される。


アミノアントラキノン色素は、銅フタロシアニン色素とともに、形成される画像の色を有意に変化させることなく、この画像のオゾン安定性を増加させるために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許第6,537,410号に関連する。この米国特許の全開示は、本明
細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、画像化方法、画像化組成物および画像化部材に関し、そしてより特
定すると、オゾン退色に耐性である画像を形成するための、画像化方法、画像化組成物お
よび画像化部材に関する。
【背景技術】
【0003】
熱画像化方法および部材、特に、カラーデジタル画像の再生における使用には、かなり
の興味が持たれている。カラー熱画像化の従来の方法(例えば、熱蝋移動印刷および色素
拡散熱移動)は、代表的に、別々のドナー材料およびレシーバー材料の使用を包含する。
このドナー材料は、代表的に、有色の画像形成材料、または色形成画像化材料が、基板の
表面にコーティングされており、そしてこの画像形成材料または色形成画像化材料が、熱
によって、レシーバー材料に移動される。多色画像を作製するために、異なる色の材料ま
たは異なる色形成材料の連続的なパッチを有するドナー材料が、使用され得る。交換可能
なカセットまたは1つより多くのサーマルヘッドのいずれかを有するプリンターの場合に
は、異なる単色ドナーリボンが利用され、そして複数の色分離がなされ、そして互いの上
に連続的に堆積される。
【0004】
カラーデジタル画像を印刷し得るインクジェットプリンターは、次第に人気が出ている
。このようなプリンター(インクの複数の不連続な液滴を、1つ以上のノズルから、これ
らのノズルに隣接して位置する記録シート上に発射することによって、画像を形成する)
は、反射印刷とスライドとの両方を作成し得る。
【0005】
カラー画像(上で議論された画像化方法のいずれかによって作製されたものを含む)の
、オゾン退色は、いくつかの例において欠点になっている。銅フタロシアニン色素(画像
化製品において広範に使用されている)は、オゾン退色に対して高い感受性を有すること
が公知である。このような色素を、従来のオゾン化防止剤(公知であり、他の非画像化産
業製品において使用されている)と混合することは、代表的に、色素が溶液中にあること
を必要とするシステムに対して適切ではない。これは、色素を含む画像化部材の製造のた
め、またはインクジェット印刷において使用されるインク溶液を調製するために必要とさ
れる、水系または溶媒系に対するこれらのオゾン化防止剤の溶解度が比較的低いことに起
因する。このようなオゾン化防止剤の使用はまた、画像化方法の間に形成される色に対す
るいかなる寄与もなしで、画像形成層またはインク溶液中の固体の全負荷を増加させる。
【0006】
これらの効率的なオゾン化防止剤のいくつかはまた、空気と反応し、強い色の化合物を
生じ、これによって、これらのオゾン化防止剤を、画像化製品における使用のために不適
切にする。例えば、p−フェニレンジアミンは、効果的なオゾン化防止剤であるが、これ
らの化合物は、空気またはオゾンに曝露されると、激しい脱色を起こす。
【0007】
退色に対してより安定な画像を提供するために、種々の試みがなされている。例えば、
特許文献1は、ローダミン色素および金属化マゼンタ色素を含有する、インクジェット組
成物を記載する。それにもかかわらず、この問題を取り扱うために、当該分野において、
退色に耐性である画像を形成し得る、新たな画像化方法、組成物および部材を見出すため
の努力が続けられている。
【0008】
インクジェット印刷において使用するための熱印刷またはインク溶液において使用され
る、カラー画像形成層のような画像化材料に、形成される画像を、オゾンへの曝露などに
よる退色に対してより耐性にする成分を組み込み得ることが、望ましい。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0159616号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の目的は、改善されたオゾン安定性を有する画像を形成する、新規な画像化方法
、画像化組成物および画像化部材を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、銅フタロシアニン色素を、アミノアントラキノン色素と組み合わ
せて含有する、画像化方法および画像化部材において使用するための画像化組成物を提供
することである。
【0011】
本発明の別の目的は、本発明の組成物を利用する熱画像化方法および熱画像化部材を提
供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、インクジェット印刷方法において使用するための、新規なイ
ンク組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つの局面において、新規なカラー画像化組成物が提供され、この組成物は、
銅フタロシアニン色素を、アミノアントラキノン色素と組み合わせて含有する。本発明に
よれば、アミノアントラキノン色素は、銅フタロシアニン色素とともに、形成される画像
の色を有意に変化させることなく、この画像のオゾン安定性を増加させるために使用され
る。
【0014】
本発明に従って利用されるアミノアントラキノン色素は、オゾン化防止特性に寄与する
官能基を含み、そしてまた、縮合環系において、電子吸引性カルボニル基を含み、その結
果、有色酸化生成物の形成が減少し、オゾン化防止特性のかなりの損失を、まったく伴わ
ない。
【0015】
アミノアントラキノン色素はまた、さまざまな電気陰性度を有する他の基を含む。アミ
ノアントラキノン色素が、本発明に従って銅フタロシアニン色素と混合される場合に、こ
の混合色素形のオゾン安定性が、銅フタロシアニン色素単独でのオゾン安定性より良好で
あることが見出された。添加されるアミノアントラキノン色素の、オゾン化防止剤として
の効率は、少なくとも部分的に、この色素に存在する置換基にかなり依存することが見出
された。代表的に、電子供与性置換基は、オゾン化防止剤の効果を増加させ、そして電子
吸引性置換基は、オゾン化防止剤の効果を低下させる。
【0016】
本発明の別の局面において、新規なカラー熱画像化部材、およびこの画像化部材を利用
する熱画像化方法が提供される。
【0017】
本発明の別の局面において、インクジェット画像化インク、およびこのインクを利用す
るインクジェット印刷方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の色形成画像化組成物は、銅フタロシアニン色素を、アミノアントラキノン色素
と組み合わせて含有し、このアミノアントラキノン色素は、以下の式によって表される:
【0019】
【化2】

ここで、
Rは:
a.水素;
b.直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルであって、好ましくは、1個〜12個の炭素
原子を有し、例えば、メチル、エチル、プロピルなどである、アルキル;
c.例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピルなどの、ヒドロキシアルキル;
d.例えばフェニルなどの、アリール;および
e.置換アリールであって、例えば、アルキルなどの1つ以上の置換基で置換された
フェニルである、置換アリール、
から選択され;
XおよびYは、各々独立して:
a.水素;
b.臭素のようなハロゲン;
c.−OH;
d.−NHRであって、ここでRは、先に定義されたとおりである、−NHR、
から選択されるか;または
XまたはYは、独立して、XまたはYが結合している環部分の炭素原子のうちの2つと
一緒になって、1個以上のカルボニル基を含む5員または6員の炭素環式環または複素環
式環を形成するために必要な炭素原子、窒素原子または酸素原子であり;そして
mおよびnは、各々独立して、1〜3の整数である。
【0020】
(定義)
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、飽和した、直鎖、分枝鎖、また
は環状の、炭化水素ラジカルを指す。アルキルラジカルの例としては、メチルラジカル、
エチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピルラジカル、n−ブチルラジカル、te
rt−ブチルラジカル、ネオペンチルラジカル、n−ヘキシルラジカル、シクロヘキシル
ラジカル、n−オクチルラジカル、n−デシルラジカル、n−ドデシルラジカル、および
n−ヘキサデシルラジカルが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0021】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書中で使用される場合、本明細書中で定義さ
れるようなアルキル基に結合しているヒドロキシ基(ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピルなどが挙げられるが、これらに限定はされない)を指す。
【0022】
用語「ハロ」および「ハロゲン」とは、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、
臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
【0023】
用語「アリール」とは、本明細書中で使用される場合、1つ、2つ、または3つの芳香
環を有する、単環式、二環式、または三環式の炭素環式環系(フェニル、ナフチル、アン
トリル、アズリル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが挙げられるが
、これらに限定はされない)を指す。
【0024】
用語「カルボニル」とは、本明細書中で使用される場合、炭素原子を介して親分子部分
に結合しているカルボニル基を指し、この炭素原子はまた、水素原子も保有するか、また
は「置換カルボニル」の場合には、以下の「置換(型)」の定義において記載されるよう
な置換基も保有する。
【0025】
用語「置換(型)」とは、本明細書中で、「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「
置換アリール」、「置換ヘテロアリール」、「置換へテロシクロアルキル」、「置換カル
ボニル」、「置換アルコキシ」、「置換アシル」、「置換アミノ」、「置換アリールオキ
シ」などの句において使用される場合には、アルキル基、アルケニル基、ヘテロシクロア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、シアノ基、ハロ基、メルカプト基、ニトロ基、カルボニル基、ア
シル基、アリール基、およびヘテロアリール基から独立して選択されるがこれらに限定は
されない置換基で、置換される部分にある水素原子のうちの1つ以上を独立して置換して
いることを指す。
【0026】
用語「複素環式」とは、本明細書中で使用される場合、ヘテロシクロアルキルおよびヘ
テロアリールを指す。用語「置換複素環式」とは、本明細書中で使用される場合、置換へ
テロシクロアルキルおよび置換ヘテロアリールを指す。
【0027】
用語「ヘテロアリール」とは、本明細書中で使用される場合、5個〜10個の環原子を
有する環状芳香族ラジカルであって、それらの環原子のうちの1つの環原子がS、O、お
おびNから選択され;0個、1個、または2個の環原子が、S、O、およびNから独立し
て選択されるさらなるヘテロ原子であり;そして、残りの環原子は、炭素であり、上記ラ
ジカルは、その原子のうちのいずれかを介してその分子の残りに結合している環状芳香族
ラジカル(例えば、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イ
ミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジ
アゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなど)を指す。
【0028】
用語「置換ヘテロアリール」とは、本明細書中で使用される場合、本明細書中で定義さ
れるようなヘテロアリール基であって、その基に存在する水素原子のうちの1つ以上が、
アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジア
ルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボ
シアルデヒド、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、アリール、置換
アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ベンジル、ベンジルオキシ、アリール
オキシ、ヘテロアリールオキシ、C〜Cアルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシエ
トキシ、アミノ、ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、C〜C
アルキルアミノ、チオ、アリール−チオ、ヘテロアリール−チオ、ベンジル−チオ、C
〜Cアルキル−チオ、またはメチルチオメチルなどであるがこれらに限定されない置換
基から独立して選択される置換基で独立して置換されている、ヘテロアリール基を指す。
代表的な置換基としては、F、Cl、Br、I、OH、NO、CN、C(O)−C
アルキル、C(O)−アリール、C(O)−ヘテロアリール、CO−アルキル、C
−アリール、CO−ヘテロアリール、CONH、CONH−C〜C−アルキ
ル、CONH−アリール、CONH−ヘテロアリール、OC(O)−C〜C−アルキ
ル、OC(O)−アリール、OC(O)−ヘテロアリール、OCO−アルキル、OCO
−アリール、OCO−ヘテロアリール、OCONH、OCONH−C〜C−ア
ルキル、OCONH−アリール、OCONH−ヘテロアリール、NHC(O)−C〜C
−アルキル、NHC(O)−アリール、NHC(O)―ヘテロアリール、NHCO
アルキル、NHCO−アリール、NHCO−ヘテロアリール、NHCONH、NH
CONH−C〜C−アルキル、NHCONH−アリール、NHCONH−ヘテロアリ
ール、SO−C〜C−アルキル、SO−アリール、SO−ヘテロアリール、S
NH、SONH−C〜C−アルキル、SONH−アリール、SONH−
ヘテロアリール、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、CF、CH
CF、CHCl、CHOH、CHCHOH、CHNH、CHSO
、テトラフルオロフェニル、およびペンタフルオロフェニルが挙げられるが、これら
に限定はされない。
【0029】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書中で使用される場合、酸素、硫黄および
窒素から独立して選択される1個と3個との間のヘテロ原子を有する、非芳香族の、3員
環、4員環、5員環、6員環もしくは7員環、または縮合6員環を含む二環式基または三
環式基をいい、ここで、(i)各5員環は、0〜1個の二重結合を有し、そして各6員環
は、0〜2個の二重結合を有し、(ii)窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、必要
に応じて酸化され得、(iii)窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化され得、そして
(iv)上記複素環式環のいずれかは、ベンゼン環と縮合し得る。代表的な複素環として
は、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル
、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニ
ル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルが挙げられるが、
これらに限定されない
用語「置換ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書中で使用される場合、シクロアルキ
ル基の水素原子のうちの1つ以上を置換基で独立して置き換えることにより置換された、
本明細書中で定義されたようなシクロアルキル基をいう。これらの置換基は、例えば、ア
ルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
キルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキ
シアルデヒド、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、アリール、置換
アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ベンジル、ベンジルオキシ、アリール
オキシ、ヘテロアリールオキシ、C〜C−アルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシ
エトキシ、アミノ、ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、C〜C
−アルキルアミノ、チオ、アリール−チオ、ヘテロアリールチオ、ベンジル−チオ、C
〜C−アルキル−チオ、またはメチルチオメチルであるが、これらに限定されない。
代表的な置換基としては、F、Cl、Br、I、OH、NO、CN、C(O)−C
アルキル、C(O)−アリール、C(O)−ヘテロアリール、CO−アルキル、C
−アリール、CO−ヘテロアリール、CONH、CONH−C〜C−アルキ
ル、CONH−アリール、CONH−ヘテロアリール、OC(O)−C〜C−アルキ
ル、OC(O)−アリール、OC(O)−ヘテロアリール、OCO−アルキル、OCO
−アリール、OCO−ヘテロアリール、OCONH、OCONH−C〜C−ア
ルキル、OCONH−アリール、OCONH−ヘテロアリール、NHC(O)−C〜C
−アルキル、NHC(O)−アリール、NHC(O)−ヘテロアリール、NHCO
アルキル、NHCO−アリール、NHCO−ヘテロアリール、NHCONH、NH
CONH−C〜C−アルキル、NHCONH−アリール、NHCONH−ヘテロアリ
ール、SO−C〜C−アルキル、SO−アリール、SO−ヘテロアリール、S
NH、SONH−C〜C−アルキル、SONH−アリール、SONH−
ヘテロアリール、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、CF、CH
CF、CHCl、CHOH、CHCHOH、CHNH、CHSO
、テトラフルオロフェニル、およびペンタフルオロフェニルが挙げられるが、これら
に限定はされない。
【0030】
用語「アルコキシ」とは、本明細書中で使用される場合、酸素原子を介して親分子部分
に結合している、先に定義されたような置換または非置換のアルキル基、アルケニル基ま
たはヘテロシクロアルキル基をいう。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、お
よびn−ヘキソキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の画像化組成物は、少なくとも1種の銅フタロシアニン色素、および式Iの少な
くとも1種のアミノアントラキノン色素を含有する。本発明に従って使用するために好ま
しいアミノアントラキノン色素としては、Disperse Blue 3、Dispe
rse Blue 7、Disperse Blue 14、Disperse Blu
e 56、Disperse Blue 60、Solvent Blue 14、So
lvent Blue 35、Solvent Blue 59、Solvent Bl
ue 104、Solvent Green 3、Solvent Green 28、
Disperse Violet 1が挙げられる。
【0032】
アミノアントラキノン色素は、代表的に、種々の範囲のスペクトルにおいて吸収し、そ
して代表的に、画像化製品に組み込まれる色素と比較して、低い吸光度を示す。銅フタロ
シアニン色素に近い領域において吸収して、得られる画像の色がいかなる顕著な程度にも
シフトしない、式Iのアミノアントラキノン色素を利用することが好ましい。
【0033】
銅フタロシアニン色素は、式:
【0034】
【化3】

によって表されるコア構造を有する。本発明に従って有用な銅フタロシアニン色素は、式
IIの部分を含み、そして1つ以上のフェニル環上に、1つまたは複数の置換基を有し得
る。
【0035】
任意の適切な銅フタロシアニン色素が、本発明の画像化組成物において使用され得、こ
れらの色素としては、Solvent Blue 44、Solvent Blue 6
7およびSolvent Blue 70が挙げられる。好ましい銅フタロシアニン色素
としては、通常の有機溶媒中での良好な溶解度、望ましい吸収スペクトル、および高い吸
光係数を有するものが挙げられる。
【0036】
ここで図1を参照すると、本発明による、色形成熱画像化部材が見られる。画像化部材
10は、カラー画像形成材料層14を有する基板12を備え、そして代表的に別々のドナ
ー材料およびレシーバー材料の使用を包含する、熱移動印刷方法(例えば、熱蝋移動印刷
および色素拡散熱移動印刷)において使用するために好ましい。
【0037】
基板12は、熱画像化部材において使用するために適切な、任意の材料(例えば、ポリ
マー材料)であり得、そして透過性であっても反射性であってもよく、そしてまた、ミク
ロ多孔性であり得る。
【0038】
画像形成材料層14は、式Iの1種以上のアミノアントラキノン色素、および1種以上
の銅フタロシアニン色素を含有し得る。代表的に、画像形成層14は、約1モル当量の銅
フタロシアニン色素に対して、約1.0モル当量〜約2.0モル当量のアミノアントラキ
ノン色素を含有する。好ましくは、層14は、各々約1モル当量の、それぞれの型の色素
を含有する。
【0039】
銅フタロシアニン色素は、代表的に、シアンであり、そしてスペクトルの緑色から紫色
の領域において吸収するが、いくつかは、赤外色素であり、そして700nmより長い波
長で吸収する。
【0040】
本発明に従って使用するために好ましいアミノアントラキノン色素は、好ましい銅フタ
ロシアニン色素と同じスペクトル範囲(すなわち、緑色から紫色)において吸収するシア
ン色素である。しかし、これらの好ましいアミノアントラキノン色素のスペクトル吸収は
、代表的に、銅フタロシアニン色素のスペクトル吸収よりずっと低い。従って、好ましい
アミノアントラキノン色素と銅フタロシアニン色素との組み合わせのスペクトルは、銅フ
タロシアニン色素のスペクトルに非常に近い。
【0041】
画像形成層14は、任意の厚さであり得る。任意の特定の例におけるこの層の厚さは、
主として、特定の用途に依存する。層14は、代表的に、厚さが約0.5μm〜約4.0
μmであり、好ましくは、約2μmである。画像形成層14は、固体材料の分散物、乳化
液体、アモルファスもしくは固体の材料、またはポリマー結合剤中の活性材料の溶液、あ
るいは上記のものの任意の組み合わせを含有し得る。
【0042】
本発明による、特に好ましい熱移動画像化部材は、米国特許第6,537,410号に
記載されている型のものであり、この米国特許は、その全体が本明細書中に参考として援
用される。このような熱画像化部材、またはドナー要素は、熱移動材料の層を保有する基
板を備え、この熱移動材料は、色素を含有するアモルファス(非結晶)相を含有し、この
相は、少なくとも1種の色素を含有し、そしてこのアモルファス相に存在する色素は、連
続フィルムを形成する。必要に応じて、好ましくは、熱移動材料層は、少なくとも1種の
熱溶媒(thermal solvent)を含有し、その結果、この熱溶媒材料の少な
くとも一部は、色素含有相に組み込まれ、そしてこの熱溶媒の別の部分は、色素含有相と
は別の第二の結晶相を形成する。熱移動材料層中の結晶性の熱溶媒は、融解して、色素含
有層を溶解または液化させ、これによって、結晶性熱溶媒の非存在下で溶解または液化が
起こる温度より低い温度で、溶解または液化が起こることを可能にする。
【0043】
熱移動材料層は、固体の透明または半透明なフィルムであり、室温ではいかなる検出可
能な流動も起こさないことを特徴とし、そしてこのフィルムは、アモルファス層の色素に
よって形成される。
【0044】
このような熱移動画像化部材の熱移動材料層において使用される色素は、それ自体がア
モルファスである固体(すなわち、結晶性の固体に特徴的な、長距離の順序付けられた構
造を欠く固体)を形成する色素であり得る。低分子量の有機化合物から形成されるアモル
ファス固体は、当該分野において記載されている。このようなフィルムは、熱力学的に(
例えば、ガラス相において、2種以上の化学的に類似した分子の混合物を使用することに
より)、または速度論的に、個々の分子の間の弱い結合(例えば、水素結合)のネットワ
ークによってのいずれかで、対応する結晶相に関して安定化され得る。
【0045】
2相の実施形態において、熱移動材料層は、色素含有相と、少なくとも1つの「熱溶媒
」との混合物を含有し、この熱溶媒は、結晶性材料である。熱移動材料層中に存在する熱
溶媒の少なくとも一部は、色素含有相とは別の相を形成する。熱溶媒は、色素含有アモル
ファス相中に存在するアモルファス形態と、他の相中に存在する結晶形態との間で、平衡
化されていると考えられる。
【0046】
色素含有アモルファス相中に存在し得る熱溶媒の量は、このアモルファス相のTによ
って制限されると考えられ、このTは、好ましくは、少なくとも約50℃であり、そし
て特に好ましくは、約60℃である。この様式で、熱移動ドナーシートのブロック化(す
なわち、互いへの粘着)は、高温での保存条件下でさえも回避され得る。好ましくは、熱
移動材料層全体について、一次相変化は存在しないべきである。すなわち、約50℃未満
で、層の融解が存在しないべきである。
【0047】
結晶性の熱溶媒は、ドナーシートの加熱の間に融解し、そして色素含有相を溶解または
液化させ、これによって、受容シートへのこの移動層の一部の移動が、結晶性の熱溶媒の
非存在下でこのような移動が起こるよりも低い温度で起こることを可能にする。色素と熱
溶媒との混合物は、結晶性の熱溶媒自体の融点とおよそ同じ温度(粉末(結晶)形態の色
素の融点よりかなり低い温度)で融解する。
【0048】
いくつかの好ましい実施形態において、移動層のために選択される熱溶媒は、色素含有
層の色素に対する良好な溶媒である。これらの実施形態において、移動される画像化材料
のドットサイズは、可変のドット印刷のために最適化された熱印刷ヘッドの使用によって
、変動し得る。
【0049】
2相の実施形態は、移動層が同じ色素含有層のみを含有する場合に達成可能であるより
もかなり低い温度で、従って、画像化される単位面積あたりのより低いエネルギー投入で
、色素の移動が行われることを可能にする。使用される熱溶媒は、周囲温度より高温で融
解し、そして色素含有相を溶解または液化させて、色素含有相単独でよりも低い温度で移
動する混合物を形成する、任意の可融材料であり得る。熱溶媒対色素の比は、重量で約1
:3〜約3:1の範囲であり得る。好ましい比は、約2:1である。従って、2相の実施
形態は、薄いドナー層を維持しながら、画像化温度のかなりの低下を提供し得る。熱溶媒
は、この混合物が画像化後に冷却すると、第二の相に分離し得、そして好ましくは、熱溶
媒は、得られる画像の質に有害な影響を与えるような大きい結晶を形成するべきではない
。熱溶媒は、好ましくは、室温よりかなり高い融点を有し、その結果、ドナー層は、室温
で粘着せず、そして画像化前にドナーシートの輸送および保存の間におそらく遭遇する温
度において、融解しない。
【0050】
2相の実施形態において使用される、結晶性の熱溶媒は、代表的に、約60℃〜約12
0℃の範囲、そして好ましくは、約85℃〜約100℃の範囲の融点を有する。熱溶媒が
、約90℃の融点を有することが、特に好ましい。
【0051】
本発明の画像化組成物が、米国特許第6,537,410号に記載される型の熱画像化
部材の画像形成層において使用される場合、この画像形成層は、良好な画像化特徴(特に
、代表的には少なくとも約1.5であるべき画像の最大光学密度)に一致して、可能な限
り薄い。従って、この型の熱画像化部材において、画像形成層は、代表的に、約1.5μ
m以下、好ましくは、1.0μm以下の厚さを有する。
【0052】
本発明の熱画像形成部材が、熱移動画像化方法において使用される場合、任意の適切な
画像受容部材が使用され得る。好ましい画像受容部材は、米国特許第6,761,788
号に記載されており、この米国特許は、その全体が、本明細書中に参考として援用される

【0053】
熱移動画像化方法において使用される場合、本発明の熱画像形成部材は、銅フタロシア
ニン色素と、式Iのアミノアントラキノン色素との相を有する基板を備え得る。本発明の
熱画像形成部材は、図1に図示されるように、熱単色画像化方法において個々に使用され
得るか、または多色熱画像化方法において、異なる色の1つ以上の異なる熱画像形成部材
(例えば、マゼンタおよび黄色の画像形成部材)と組み合わせて使用され得る。あるいは
、本発明の熱画像形成部材は、同じ基板上で互いに隣接して配置された、2つ以上の異な
るセクション(すなわち、「パッチ」)を備え得る。
【0054】
このような熱画像化部材およびこれらの種々の組み合わせは、一般に周知であり、そし
てこれらの材料を使用して感熱記録要素を調製する種々の方法は、周知であり、そして例
えば、米国特許第3,539,375号、同第4,401,717号、同第4,415,
633号、および同第4,503,095号に記載されている。
【0055】
本発明のカラー熱画像化組成物は、任意の適切な熱画像化部材および熱画像化方法にお
いて、使用され得る。多くの熱画像化方法(移動型と直接型との両方)は、当該分野にお
いて周知であり、従って、このような方法の広範な議論は、必要ではない。一般に、熱移
動画像化方法において、熱画像化部材は、画像受容部材と接触され、そしてサーマルプリ
ントヘッドまたはプリントヘッドによって熱画像化部材に付与される熱エネルギーの画像
ごとのパターンに従って、画像材料の画像ごとのパターンが、画像受容部材に映される。
【0056】
本発明のインクジェットインク組成物の処方、ならびにインクジェット印刷を実施する
ために使用される印刷装置および方法は、当該分野において周知である技術を使用しても
たらされ得る。従って、銅フタロシアニン色素および式Iの色素は、このようなインク組
成物の調製の当業者に周知である従来の技術を使用して、水性インク組成物に処方され得
る。例えば、このインク組成物は、共溶媒としてアルコールまたはグリコールを含有し得
るが、本発明の色素は、水に充分に可溶であり、その結果、このような共溶媒の使用は、
必ずしも必要ではない。これらのインク組成物は、任意の適切な添加剤を含有し得る。こ
のような組成物のための代表的な添加剤としては、安定化剤、粘度調節剤、殺菌剤、真菌
剤などが挙げられる。代表的に、測定された量の各インク組成物は、別々のインクジェッ
トカートリッジに入れられ、このカートリッジは、ハウジングを備え、このハウジングは
、このインクのためのレザバを規定する壁、およびインクがこのカートリッジを離れてプ
リントヘッド(代表的に、熱型または圧電型のもの)へと流れる出口を備える。この出口
は、インクの液滴の流れを提供し、そしてこれらの液滴を、レシーバー表面(代表的に、
紙シートである)に方向付ける。
【実施例】
【0057】
本発明の方法が、ここで、例として特定の好ましい実施形態に関してさらに記載される
。これらの実施形態は、例示のみを意図され、そして本発明は、これらの実施形態に記載
される材料、量、手順およびプロセスパラメータに限定されないことが、理解される。全
ての部および百分率は、他に特定されない限り、重量基準である。
【0058】
(実施例I)
コントロールの銅フタロシアニン色素のコーティングおよび本発明による画像化組成物
のコーティングを、ポリエチレンテレフタレートシート上に形成した。この銅フタロシア
ニン色素は、Solvent Blue 70であった。この色素を、n−ブタノールに
、約3.23%の銅フタロシアニン(Solvent Blue 70)および約0.7
7%のアミノアントラキノン色素(Solvent Blue 14)の濃度で溶解し、
基板上にコーティングし、そして空気中で、周囲温度(約22℃〜24℃)で、約5分間
〜10分間乾燥させた。色素層の厚さは、約0.5μmであった。
【0059】
これらのコーティングを、10ppmのオゾンに、1時間、パイレックス(登録商標)
瓶および水銀アルゴンランプから作製したオゾン発生チャンバに曝露した。オゾンを、チ
ャンバ内の周囲空気中の水素の直接光重合によって、インサイチュで発生させた。このチ
ャンバ内のファンにより、全てのコーティングがオゾンに均一に曝露されることを確実に
した。
【0060】
Gretag SPM50濃度計を使用して、オゾンへの曝露の前後の各コーティング
の反射密度、比色パラメータおよびスペクトルを測定し、そして記録した。アミノアント
ラキノン色素に起因するオゾン安定化の程度を、表Iに示されるように、反射密度、およ
び個々のパラメータ(すなわち、L、aおよびb)の変化から計算した比色パラメ
ータ(ΔE)の差によって、定量した。
【0061】
【表1】

表Iに示されるデータから、本発明による組成物のコーティングは、アミノアントラキ
ノン色素の存在に起因して、オゾンに対する改善された安定化を示したことがわかる。
【0062】
コントロール、および本発明の画像化組成物A−1の反射スペクトルを、図2Aに示す
。Solvent Blue 70(コントロール)コーティングは、曝露後に、吸収の
かなりの損失、およびオゾンへの曝露に起因するスペクトルのシフトを示し、一方で、本
発明の画像化組成物A−1は、密度のかなり少ない損失を示したことがわかる。図2Bは
、コントロールと、本発明の画像化組成物A−7との、オゾンへの曝露の前後の反射密度
を示す。本発明による画像化組成物A−7は、オゾンへの曝露に起因する吸収の、かなり
少ない損失を有したことがわかる。
【0063】
(実施例II)
コントロールの熱画像化部材、および本発明の熱画像化部材を調製した。最初に、色素
(2重量%)および適切な量の熱溶媒を1−ブタノール中に含有する、コーティング組成
物を調製した。次いで、この溶液を、約4.5μmの厚さのポリ(エチレンテレフタレー
ト)フィルムベース(これは、反対側の面に、熱印刷のためのスリップコーティングを有
した)に、#7Meyer棒を使用してコーティングした。このコーティングを、温空気
を使用して乾燥させた。
【0064】
乾燥後、得られたドナー要素を、米国特許第6,761,788号に記載される型のレ
シーバーシート上に、ドナー要素のコーティングされた面をミクロ多孔性レシーバーコー
ティングと接触させて配置した。得られたアセンブリを、Kyocera Corpor
ation,Kyoto,Japanによって供給されるサーマルヘッドを備える実験室
の試験台プリンターを使用して、以下に記載されるように印刷した。
【0065】
コントロールを、約2%の銅フタロシアニン色素(Solvent Blue 70)
および5%の熱溶媒(p−メトキシドデシルベンズアミド)の、n−ブタノール中の溶液
を形成し、そしてこの溶液の層を、約4.5μmの厚さのポリ(エチレンテレフタレート
)のシート上に堆積させることによって、調製した。この層を空気中で乾燥させて、約1
.1μmの乾燥コーティングを得た。
【0066】
本発明の熱画像化部材を、上に記載されたように、1.6%のSolvent Blu
e 70、0.33%の式Iのアミノアントラキノン色素(Disperse Blue
14)および5%のp−メトキシドデシルベンズアミド熱溶媒から調製した。
【0067】
熱画像化部材を、米国特許第6,537,410号に記載されるような熱移動画像化方
法において、実験室の試験台プリンターとともに使用した。以下の印刷パラメータを使用
した:
プリントヘッド幅: 4インチ
抵抗器サイズ: 70×70ミクロン
抵抗: 1124Ω
電圧: 11V
印刷速度: 1.67インチ/秒(1行あたり2m秒)
圧力: 1.5ポンド/線インチ〜2ポンド/線インチ
ドナー剥離: 90°の角度、印刷後0.1秒〜0.2秒
ドットパターン: 連続した線内で交互に印刷された、奇数のピクセルおよび偶数のピ
クセル;紙の移動方向に、線の間に1ピクセル(70ミクロン)の間隔。
【0068】
コントロールおよび本発明の画像化部材を用いて形成された画像を、オゾンに曝露し、
そして曝露の前後の密度を、実施例Iに記載されるように読み取った。これらの結果を、
表IIに示す。本発明の画像化部材は、オゾンへの曝露後に、コントロールよりも高いシ
アン密度を保持したことがわかる。
【0069】
【表2】

本発明は、種々の好ましい実施形態に関して詳細に記載されたが、これらの実施形態に
限定されることは意図されず、むしろ、当業者は、本発明の精神および添付の特許請求の
範囲の範囲内で、バリエーションおよび改変が可能であることを認識する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明をさらに良く理解するため、ならびに本発明の他の目的および利点およびさらな
る特徴をさらに良く理解するために、添付の図面と組合わせた本発明の種々の好ましい実
施形態の詳細な説明に対して、言及がなされる。
【図1】図1は、本発明に従う色形成画像化部材の部分概略断面図である。
【図2A】図2Aは、オゾンに対して曝露する前および後の、コントロールコーティングおよび本発明のコーティング組成物の反射スペクトルを示す。
【図2B】図2Bは、オゾンに対して曝露する前および後の、コントロールコーティングおよび本発明のコーティング組成物の反射スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅フタロシアニン色素およびアミノアントラキノン色素を含有する、熱画像化組成物で
あって、該アミノアントラキノン色素は、以下の式:
【化1】

によって表され、ここで、
Rは:
a.水素;
b.直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキル;
c.ヒドロキシアルキル;
d.アリール;および
e.置換アリール、
から選択され;
XおよびYは、各々独立して:
a.水素;
b.ハロゲン;
c.−OH;
d.−NHRであって、Rは、先に定義されたとおりである、−NHR、
から選択されるか;または
e.XまたはYは、独立して、XまたはYが結合している環部分の炭素原子の2つと
一緒になって、1個以上のカルボニル基を含む5員または6員の炭素環式環または複素環
式環を形成するために必要な炭素原子、窒素原子または酸素原子を表し;そして
mおよびnは、各々独立して、1〜3の整数である、
画像化組成物。
【請求項2】
前記フタロシアニン色素が、Solvent Blue 44、Solvent Bl
ue 67、Solvent Blue 70、およびこれらの混合物から選択される、
請求項1に記載の画像化組成物。
【請求項3】
前記アミノアントラキノン色素が、Disperse Blue 3、Dispers
e Blue 7、Disperse Blue 14、Disperse Blue
56、Disperse Blue 60、Solvent Blue 14、Solv
ent Blue 35、Solvent Blue 59、Solvent Blue
104、Solvent Green 3、Solvent Green 28、Di
sperse Violet 1およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載
の画像化組成物。
【請求項4】
熱画像化部材であって、請求項1に記載の組成物を含有する熱画像形成材料の層を有す
る基板を備える、熱画像化部材。
【請求項5】
前記熱画像形成材料の層が、約1モル当量のアミノアントラキノン色素に対して、約1
モル当量〜約2モル当量の銅フタロシアニン色素を含有する、請求項4に記載の熱画像化
部材。
【請求項6】
前記銅フタロシアニン色素が、Solvent Blue 44、Solvent B
lue 67、Solvent Blue 70、およびこれらの混合物から選択される
、請求項4に記載の熱画像化部材。
【請求項7】
前記アミノアントラキノン色素が、Disperse Blue 3、Dispers
e Blue 7、Disperse Blue 14、Disperse Blue
56、Disperse Blue 60、Solvent Blue 14、Solv
ent Blue 35、Solvent Blue 59、Solvent Blue
104、Solvent Green 3、Solvent Green 28、Di
sperse Violet 1およびこれらの混合物から選択される、請求項4に記載
の熱画像化部材。
【請求項8】
前記熱画像形成材料の層が、色素含有アモルファス相を含有し、該色素含有アモルファ
ス相は、前記銅フタロシアニン色素および前記アミノアントラキノン色素を含有し、該色
素が、連続フィルムを形成している、請求項4に記載の熱画像化部材。
【請求項9】
前記熱画像形成材料の層が、熱溶媒をさらに含有し、該熱溶媒の少なくとも一部が、異
なる結晶相を形成している、請求項8に記載の熱画像化部材。
【請求項10】
前記熱溶媒が、約50℃より高い融点を有する、請求項9に記載の熱画像化部材。
【請求項11】
前記画像形成材料の層が、約1μm以下の厚さを有する、請求項8に記載の熱画像化部
材。
【請求項12】
熱画像化方法であって、該方法は、
請求項4に記載の熱画像化部材を加熱する工程、および
前記熱画像形成材料の一部分を、レシーバー部材へと、画像ごとに移動させる工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
前記熱画像形成材料の層が、約1モル当量のアミノアントラキノン色素に対して、約1
モル当量〜約2モル当量の銅フタロシアニン色素を含有する、請求項12に記載の熱画像
化方法。
【請求項14】
前記銅フタロシアニン色素が、Solvent Blue 44、Solvent B
lue 67、Solvent Blue 70、およびこれらの混合物から選択される
、請求項12に記載の熱画像化方法。
【請求項15】
前記アミノアントラキノン色素が、Disperse Blue 3、Dispers
e Blue 7、Disperse Blue 14、Disperse Blue
56、Disperse Blue 60、Solvent Blue 14、Solv
ent Blue 35、Solvent Blue 59、Solvent Blue
104、Solvent Green 3、Solvent Green 28、Di
sperse Violet 1およびこれらの混合物から選択される、請求項12に記
載の熱画像化方法。
【請求項16】
前記熱画像形成材料の層が、色素含有アモルファス相を含有し、該色素含有アモルファ
ス層が、前記銅フタロシアニン色素および前記アミノアントラキノン色素を含有し、該色
素が、連続フィルムを形成している、請求項12に記載の熱画像化方法。
【請求項17】
前記熱画像形成材料の層が、熱溶媒をさらに含有し、該熱溶媒の少なくとも一部が、異
なる結晶相を形成している、請求項16に記載の熱画像化方法。
【請求項18】
前記熱溶媒は、約50℃より高い融点を有する、請求項16に記載の熱画像化方法。
【請求項19】
前記画像形成材料の層が、約1μm以下の厚さを有する、請求項16に記載の熱画像化
方法。
【請求項20】
液体キャリアに分散または溶解した、請求項1に記載の組成物を含有する、インクジェ
ットインク組成物。
【請求項21】
前記液体キャリアが、水、水性アルコールまたは水性グリコールである、請求項20に
記載のインクジェットインク組成物。
【請求項22】
前記銅フタロシアニン色素が、Solvent Blue 44、Solvent B
lue 67、Solvent Blue 70、およびこれらの混合物から選択される
、請求項20に記載のインクジェットインク組成物。
【請求項23】
前記アミノアントラキノン色素が、Disperse Blue 3、Dispers
e Blue 7、Disperse Blue 14、Disperse Blue
56、Disperse Blue 60、Solvent Blue 14、Solv
ent Blue 35、Solvent Blue 59、Solvent Blue
104、Solvent Green 3、Solvent Green 28、Di
sperse Violet 1およびこれらの混合物から選択される、請求項20に記
載のインクジェットインク組成物。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公開番号】特開2011−105001(P2011−105001A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256081(P2010−256081)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【分割の表示】特願2007−530287(P2007−530287)の分割
【原出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(307017028)センシン・キャピタル,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (18)
【Fターム(参考)】