説明

画像印刷制御装置および画像印刷制御方法

【課題】視覚および嗅覚を刺激し、臨場感に満ちた画像鑑賞を可能とする画像印刷制御装置を提供すること。
【解決手段】撮影された撮影画像の画像領域のうち、操作部140によって香り付けを希望する一部画像領域(例えば、花が存在する領域)をユーザが指定すると、これに応答して、香り付け領域設定部112が香り付け領域Rを設定し(S2)、その後、絵画風画像に変換し(S3)、印刷制御部114が撮影画像の画像領域の全体を記録媒体上に印刷材料にて印刷し、かつ、印刷制御部114が香り付け領域を香料にて印刷する(S4)。これによって、出来上がった印刷済みの絵画風画像のうち、花が存在する香り付け領域Rからのみ香りが発生することとなり、絵画風画像を視覚上だけでなく嗅覚上でも臨場感を持って楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香り付き画像を形成するための画像印刷制御装置および画像印刷制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、指定された香料を対象物に付着させる香り付着手段と、入力される画像情報に基づいてこの画像情報が鑑賞者に与える印象を検出する画像印象検出手段と、当該画像印象検出手段で検出した画像印象に対応する香りを、前記画像印象と香りとの対応を表す香印象情報に基づいて設定する香り設定手段と、前記香り設定手段で設定した香りを前記対象物に付着させるように前記香り付着手段を制御する制御手段を備えた香り付着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−6443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、画像印象によって画像全体が香り付けされてしまうため、却って、臨場感に乏しいものとなっていた。すなわち、画像中には、香り発生物(花等)と香り非発生物が混在していることも多く、この場合、香り非発生物からも香りが生じてしまうことから、実物からはかけ離れ、却って、臨場感に乏しいものとなる。
【0005】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたもので、視覚および嗅覚を刺激し、臨場感に満ちた画像鑑賞を可能とする画像印刷制御装置および画像印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像印刷制御装置は、
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置である。
【0007】
また、本発明に係る他の画像印刷制御装置は、
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を表示させる表示制御手段と、
この表示制御手段の制御により表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定手段と、
前記表示制御手段の制御により表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定手段によって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置である。
【0008】
また、本発明に係る画像印刷制御方法は、
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定ステップと、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法である。
【0009】
また、本発明に係る他の画像印刷制御方法は、
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像を表示させる表示制御ステップと、
この表示ステップにおいて表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定ステップによって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定手段によって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像の画像領域のうち、香り付けしたい一部の画像領域を指定すると、その指定に基づいて、香り付け対象となった香り付け領域を設定した上で、画像全体を印刷材料にて印刷させることができると共に、香り付け領域を香料にて印刷させることができる。
また、本発明によれば、表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称(例・バラ、獣名)と色(例:ばら色、獣の色)とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定した上で、表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させることができる一方で、設定された香り付け領域を香料にて印刷させることができる。
このために、出来上がった画像全体からでなく、当該画像の一部からのみ香りが発生することとなり、画像を視覚上だけでなく嗅覚上でも臨場感を持って楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る画像印刷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の印刷部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の印刷部における印刷用ヘッドの構成を示す図である。
【図4】図1における画像印刷制御装置の香り付き絵画風画像印刷処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートにおける香り付け対象設定処理を示すフローチャートである。
【図6】図4のフローチャートにおける絵画風変換処理を示すフローチャートである。
【図7】図4のフローチャートにおける画像印刷処理を示すフローチャートである。
【図8】図1中の画像印刷制御装置におけるRAMの構成を示す図である。
【図9】香り付け対象設定処理のステップS21での表示画面を示す図である。
【図10】香り付け対象設定処理のステップS22での表示画面を示す図である。
【図11】絵画風変換処理のステップS31での表示画面を示す図である。
【図12】絵画風変換処理のステップS32での表示画面を示す図である。
【図13】画像印刷処理のステップS41での表示画面を示す図である。
【図14】画像印刷処理のステップS44での表示画面を示す図である。
【図15】印刷された絵画風画像とスクラッチ操作後の香りの発生状態の表示画面を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係る画像印刷制御装置の香り付け対象設定処理を示すフローチャートである。
【図17】香り付け対象設定処理のステップS121での表示画面を示す図である。
【図18】香り付け対象設定処理のステップS122での表示画面を示す図である。
【図19】香り付け対象設定処理のステップS122での確認画面を示す図である。
【図20】出来上がった画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
図1から図15を参照しつつ、本発明に係る画像印刷制御装置の第1の実施形態について説明する。
【0013】
本実施形態の画像印刷制御装置100には、図1に示すように、印刷部10、表示部30および撮影部40が接続されている。
なお、画像印刷制御装置100は、印刷部10および表示部30と一体となりプリンタ装置を構成していてもよい。また、画像印刷制御装置100は、表示部30および撮影部40と一体となりカメラを構成していてもよい。
【0014】
まず、上記印刷部10について説明する。
上記印刷部10は、紙等の記録媒体の上に画像を印刷するための印刷手段である。この印刷部10は、図2に示すように、印刷用ヘッド11と、インクを貯留するインクカートリッジ12と、インクカートリッジ12に貯留されたインクを印刷用ヘッド11に供給するインク供給部13と、上記印刷用ヘッド11を移動させるためのヘッド移動部14と、光照射部15とを有している。
このうち印刷用ヘッド11は、紙等の記録媒体に向けてインクを吐出するためのものであり、この印刷用ヘッド11としては、インクを微滴化し、記録媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷用ヘッドが使用されている。なお、この印刷用ヘッド11として、インクジェット方式の印刷用ヘッドに代えて、熱転写方式の印刷用ヘッドを使用してもよいことは勿論である。
また、印刷部10は、図3に示すように、この印刷用ヘッド11として、基本色インクを吐出する基本色インク用ヘッド11aと、香料を吐出する香料用ヘッド11bと、コーティング剤を吐出するコーティング剤用ヘッド11cとを有している。
なお、以下の説明で、単に「印刷用ヘッド11」と言うときは、基本色インク用ヘッド11a、香料用ヘッド11bおよびコーティング剤用ヘッド11cの全てを含むものとする。
【0015】
上記基本色インク用ヘッド11aは5つ設けられている。この5つの基本色インク用ヘッド11aはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)のインクを個別に吐出するものである。そこで、この5つの基本色インク用ヘッド11aは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)のインクを個別に貯留する基本色インク用カートリッジに接続されている。図2においては、この基本色インク用カートリッジと、後述の香料用カートリッジおよびコーティング剤用カートリッジは便宜上1つのカートリッジ12として示してある。
なお、基本色インク用ヘッド11aおよび基本色インク用カートリッジの種類や数は5つに限定されない。ここに挙げた5つの色以外の基本色インクに対応した基本色インク用ヘッド11aおよび基本色インク用カートリッジが設けられていてもよいし、例えば、ブラック(K)やホワイト(W)の基本色インク用ヘッド11aおよび基本色インク用カートリッジを備えない構成としてもよい。
【0016】
また、上記香料用ヘッド11bは少なくとも1つ設けられている。そして、香料用ヘッド11bは、香料を貯留する香料用カートリッジに接続されている。この香料用カートリッジとして、互いに異なる香料を個別に貯留する複数の香料用カートリッジを設けることが好ましい。
この場合の香料は、芳香性を有する物質であればよく、特に限定されない。この香料としては、例えば、イランイラン、クラリセージ、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、ジャスミン、ジュニパー、スイートオレンジ、スイートフェンエル、ゼラニウム、ティートリー、ネロリ、バジル、パチュリー、フランキンセンス、ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、ユーカリ、ラベンダー、レモン、ローズ、ローズウッド、ローズマリー、カモミール、オレガノ、オレンジ、キャロットシード、エバーラスティング、ラベンダー、シダーツリー、シトロネラ、ベリー、セイボリー、セージ、タイム、タラゴン、タンジェリン、ディル、パインシルべスタ、ヒソップ、ミントアルベンシス、ライム、ラバンジン、レモングラス等の植物性香料、ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリス等の動物性香料、消臭用香料等が挙げられる。
なお、これらは、香料単独で用いてもよいし、ポリマーあるいはオリゴマーと混合して用いてもよい。また、ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、グレープシードオイル、小麦胚芽オイル、オリーブオイル等、各種オイルと混合して用いてもよい。
【0017】
また、コーティング剤用ヘッド11cは1つ設けられている。そして、このコーティング剤用ヘッド11cは、コーティング剤を貯留するコーティング剤用カートリッジに接続されている。
このコーティング剤は、例えば紫外線等の光(活性エネルギー線)を照射することにより硬化、乾燥するジェルインクであり、即乾性、即硬化性に優れるものである。なお、コーティング剤は、スクラッチ可能で且つ透明なものであることが好ましいが、剥離可能で透明なものであってもよい。
例えば、紫外線硬化型樹脂としては、メタクリレート、アクリレート(特にウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレ−ト)、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂等が挙げられる。これらは、モノマーおよび/又はオリゴマーの状態のものを使用すればよい。
【0018】
上記光照射部15は、コーティング剤用ヘッドから吐出されたコーティング剤を硬化させるための紫外線を照射する光照射手段である。この光照射部15は、例えば半導体発光素子(LED;light emitting diode 発光ダイオード)や紫外線ランプであり、例えば350nm程度の波長の紫外線を照射するようになっている。
【0019】
次に、上記表示部30について説明する。
この表示部30は、例えば液晶パネル(液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display))等で構成され、印刷制御処理を行う際等に各種表示を行う表示手段である。この表示部30は液晶パネルで構成されるものに限定されず、例えば有機ELディスプレイ等であってもよい。
なお、表示部30の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、スタイラスペンや指先等により表示部30の表面をタッチすることによって各種の入力を行うことができる。つまり、この場合には、表示部30も後述の操作部140と同様の機能を備えることになる。
【0020】
次に、上記撮影部40について説明する。
この撮影部40は、風景等の撮影画像を取り込む撮像手段である。
【0021】
次に、画像印刷制御装置100について説明する。
この画像印刷制御装置100は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部110と、記憶手段としてのROM(Read Only Memory)120およびRAM130(Random Access Memory)と、操作部140とを備えている。なお、記憶手段は、画像印刷制御装置100内のROM120、RAM130に限定されず、画像印刷制御装置100の他に設けられた記憶手段であってもよい。
【0022】
この画像印刷制御装置100の制御部110は、機能的に見た場合、撮影制御部111、香り付け領域設定部112、絵画風変換処理部113、印刷制御部114および表示制御部115を有している。これら撮影制御部111、香り付け領域設定部112、絵画風変換処理部113、印刷制御部114および表示制御部115としての機能は、CPUとROM120に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
【0023】
ここで、上記撮影制御部111は、撮像部40から撮影画像を取り込んでRAM130に記憶させる撮影処理手段である。この場合、撮影制御部111は、撮影画像のカラー情報もRAM130に同時に記憶させる。
【0024】
また、上記香り付け領域設定部112は、撮影画像の中で香り付けをする領域を設定する香り付け設定手段である。この香り付け領域の設定は、ユーザが操作部140を操作することによって指定した一部画像領域についてなされる。そして、この香り付け領域設定部112は、香り付け領域を撮影画像と対応付けて、RAM130に記憶させる。なお、互いに異なる複数の香りが用意されている場合には、香り付け領域設定部112は、ユーザの操作部140の操作によって指定された香りをも香り付け領域に対応付けて、RAM130に記憶させる。
【0025】
また、上記絵画風変換処理部113は、撮影画像を絵画風画像に変換し、当該絵画風画像を上記香り付け領域に対応付けてRAM130に記憶させる絵画風変換処理手段である。ここで、絵画風画像とは、印刷によって形成される油彩画風画像、水彩画風画像、鉛筆画風画像および版画風画像等の各種の画像を含む概念である。この実施形態では、絵画風画像の種類は一義的に決定されることとしているが、ユーザの種類指定によって任意の絵画風画像を選択できるようにしてもよい。
【0026】
また、上記印刷制御部114は、印刷用ヘッド11、インク供給部13、ヘッド移動部14および光照射部15の動作制御を行う印刷制御手段である。
【0027】
また、上記表示制御部115は、表示手段としての表示部30に各種の表示をさせる表示制御手段である。本実施形態では、表示制御部115は、例えば画像や各種の案内画面や指示画面等を表示部30に表示させる。
【0028】
また、記憶手段としてのROM120には、撮影処理プログラム、香り付け領域設定プログラム、絵画風変換プログラム、印刷制御処理プログラム等の各種プログラム、香料の種類を示すデータ、インクの種類等のデータが記憶されている。
【0029】
また、記憶手段としてのRAM130は、各種データ等を記憶する記憶領域と、制御部110が各種処理を行う際に使用される作業領域(図示せず)とを備えている。
【0030】
また、上記操作部140は、ユーザが各種入力操作を行うための入力手段である。この操作部140として、カーソルキー、文字キー、決定キー等が設けられている。
【0031】
次に、上記画像印刷制御装置100による香り付き絵画風画像印刷処理について、図4から図7のフローチャートと、図8から図15とに基づいて説明する。
【0032】
図4は、画像印刷制御装置100による香り付き絵画風画像印刷処理のメインフローを示している。
この香り付き絵画風画像印刷処理では、まず、画像印刷制御装置100は撮影処理を実行する(ステップS1)。このステップS1では、撮影制御部111は、撮像部40からの撮影画像を順次にRAM130に記憶させる。例えば、RAM130の第1記憶部131に撮影画像を順次に記憶させた例が図8に示されている。この場合、撮影制御部111は撮影画像をRAM130に記憶させるにあたって、カラー情報も同時に記憶させる。
【0033】
次に、画像印刷制御装置100は香り付け対象設定処理を実行する(ステップS2)。
このステップS2においては、図5に示すように、表示制御部115は、RAM130に記憶されている複数の撮影画像を表示部30に順次に表示させる。このとき、表示制御部115は、図9に示すように、「複数の撮影画像の中から香りを付けたい香り付け対象画像を指定して下さい。」の指示の案内メッセージも同時に表示部30に表示させる。この指示に従って、ユーザが操作部140を操作して複数の撮影画像の中から1つの撮影画像を指定すると、その指定に従って、香り付け領域設定部111は当該撮影画像を香り付け対象画像として設定し、表示制御部115は、図9に示すように、当該香り付け対象画像を表示部30に表示させる(ステップS21)。
次に、表示制御部115は、図10に示すように、「香り付け領域を指定して下さい。」の指示の案内メッセージを表示部30に表示させる。この指示に従って、ユーザが香り付け領域を指定すると、その指定に従って、香り付け領域設定部111が香り付け領域を設定する(ステップS22)。この場合の香り付け領域の指定は、例えば表示画面上の香り付けしたい領域に指でタッチするか、表示画面上でカーソルを動作させ決定キーを押圧することによって行われる。
それから、香り付け領域設定部111は、香り付け対象画像に対応付けてこの香り付け領域をRAM130に記憶させる(ステップS23)。例えば、RAM130の第2記憶部132に、香り付け対象画像に対応付けて香り付け領域を順次に記憶させた例が図8に示されている。
なお、複数の香りが用意されている場合には、「香りの種類を指定して下さい。」等の指示を表示すると共に香りの選択肢を表示し、ユーザが操作部140等を操作して香りの種類を指定することができるようにしてもよい。また、香り付け領域の指定は複数に亘ってすることができるようにしてもよい。
以上の香り付け対象設定処理は、このステップS21〜S23までの処理を繰り返し行うことによって、複数の撮影画像または複数の画面領域について連続的に行うことができる。この場合、連続的に香り付け対象設定処理を行うか、それとも香り付け対象設定処理を終了するかの催促画面がその都度表示される。
【0034】
次に、ユーザの操作部140の操作に基づいて香り付け対象設定処理を終了すると、図4のフローに戻り、画像印刷制御装置100は絵画風変換処理を実行する(ステップS3)。
【0035】
このステップS3においては、図6に示すように、表示制御部115は香り付け対象画像をRAM130から読み出して表示部30に順次に表示させる。このとき、表示制御部115は、図11に示すように、「香り付け対象画像の中から絵画風に変換したい変換対象画像を指定して下さい。」の案内メッセージも同時に表示させる。この指示に従って、ユーザが操作部140を操作して絵画風画像に変換したい1つの香り付け対象画像を指定すると、絵画風変換処理部113は当該香り付け対象画像を変換対象画像として設定し、表示制御部115は表示部30に当該変換対象画像を表示させる(ステップS31)。
次に、絵画風変換処理部113は、当該変換対象画像を絵画風画像に変換し(ステップS32)、当該絵画風画像を香り付け領域に対応付けてRAM130に記憶させる(ステップS33)。例えば、RAM130の第3記憶部134に絵画風画像を香り付け領域に対応付けて順次に記憶させた例が図8に示されている。この場合、絵画風変換処理部113は絵画風画像をRAM130に記憶させるにあたって、カラー情報も同時に記憶させる。なお、この場合、表示制御部115は、図12に示すように、絵画風画像を表示部30に表示させると共に、「撮影画像(香り付け画像)が絵画風画像に変換されました。」との画像変換された旨の案内メッセージを表示する。
なお、この絵画風変換処理は画像中の一部で行ってもよい。
以上の絵画風変換処理は、このステップS31〜S33までの処理を繰り返し行うことによって、複数の画像について連続的に行うことができる。この場合、連続的に絵画風変換処理を行うか、それとも絵画風変換処理を終了するかの催促画面がその都度表示される。
【0036】
次に、ユーザの操作部140の操作に基づいて絵画風変換処理を終了すると、図4のフローチャートに戻り、画像印刷制御装置100は画像・香り・コーティング剤印刷処理を実行する(ステップS4)。
【0037】
このステップS4においては、表示制御部115は絵画風画像をRAM130から読み出して表示部30に順次に表示させる。このとき、表示制御部115は、図13に示すように、「複数の絵画風画像の中から印刷したい印刷対象画像を指定して下さい。」の指示メッセージも同時に表示させる。この指示に従って、ユーザが操作部140を操作して絵画風画像の1つを指定すると、印刷制御部114は当該絵画風画像を印刷対象画像として設定し、表示制御部115は当該印刷対象画像を表示する(ステップS41)。また、画像印刷制御装置100はこの印刷対象画像をRAM130に記憶させる。例えば、RAM130の第4記憶部134に撮影画像を順次に記憶させた例が図8に示されている。
次に、印刷制御部114は、基本色インク用ヘッド11aを制御して印刷対象画像全体を記憶媒体Pの上に印刷させる一方で、香料用ヘッド11bを制御して香料を香り付け領域Rの上に印刷によって付着させる(ステップS42)。その後、印刷制御部114は、コーティング剤用ヘッド11cを制御してコーティング剤を少なくとも香り付け領域を覆うように印刷によって付着させる(ステップS43)。その後、表示制御部115は、印刷対象画像と共に「香り付き絵画風画像が印刷されました。」との案内メッセージと、「香り鑑賞の際には香り付け領域をスクラッチした下さい。」との案内メッセージを表示させる(図14、ステップS44)。
【0038】
以上のようにして、香り付き絵画風画像印刷処理を終了する。
図15には、印刷後の香り付き絵画風画像Pが示されている。この香り付き絵画風画像Pは、香り付け領域Rをスクラッチすることによって、コーティング層が破壊され、当該香り付け領域Rから香りが発せられる。
【0039】
このように構成された画像印刷制御装置100によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本画像印刷制御装置100によれば、操作部140によって香り付けしたい一部画像領域を指定すると、その指定に基づいて、香り付け領域設定部112が香り付け領域を設定し、印刷制御部114が画像を印刷させると共に、香料付着制御部である印刷制御部114が香り付け領域に香料を付着して印刷させるので、印刷後の出来上がった画像の一部からのみ香りが発生することとなり、画像を視覚上だけでなく嗅覚上でも臨場感を持って楽しむことができる。
【0040】
また、出来上がった画像は、この実施の形態の場合、絵画風画像であるので、撮影画像に比べて、幻想的な感覚が醸し出されることになる。
【0041】
さらに、変換表示部30に表示された撮影画像の中で領域を指示することによって香り付け領域を指定するので、香り付け領域の指定が簡単に行えることになる。
【0042】
また、香り付け領域に香り付けをした後に、当該香り付け領域にコーティング剤を付着させ、コーティング膜をスクラッチすることにより、香りを楽しむようになっているので、長期間、香りを楽しむことができる。
【0043】
[第2の実施形態]
この第2の実施形態においても、香り付き絵画風画像印刷処理は図4のメインフローに従って行われる。しかしながら、この第2の実施形態は、図4の香り付け対象設定処理(ステップS2)の中身が第1の実施形態のそれと異なっている。
【0044】
この第2の実施形態においては、ステップS2の香り付け対象設定処理にあたり、図16に示すように、表示制御部115は、RAM130に記憶されている複数の撮影画像を表示部30に順次に表示させる。このとき、表示制御部115は「複数の撮影画像の中から香りを付けたい香り付け対象画像を指定して下さい。」の指示メッセージも同時に表示部30に表示させる(図17)。この指示に従って、ユーザが操作部140を操作して1つの撮影画像を指定すると、その指定に従って、香り付け領域設定部111は当該撮影画像を香り付け対象画像として設定し、表示制御部115は当該香り付け対象画像を表示部30に表示させる(ステップS121)。
このステップS121の処理は第1の実施形態のステップS21の処理と同様である。
しかしながら、この第2の実施形態においては、次のステップS122で、表示制御部115は、当該撮影画像と共に、または当該撮影画像に代えて、花の種類および色の指定画面を表示部30に表示させる。
図18はその指定画面の一例を示している。
この指定画面には、「バラ」、「チューリップ」および「芝桜」のように花の種類が名前で表示されている。また、その指定画面の右横には「赤色」、「白色」、「ピンク色」および「青色」の文字が表示されている。そこで、ユーザは、ステップS122の中のステップS122Aで花の種類と色とを指定する。
同図では、「芝桜」で「ピンク色」を指定した例が示されている。その後、表示制御部115は、ステップS122Bにおいて図19に示すような確認画面を表示させる。
確認画面を表示した状態のもとで、決定キーを指定すると、香り付け領域設定部111は、ユーザが指定・確認した花の種類に従って香料の種類を設定し、ユーザが指定・確認した花の色に従って香り付け領域を設定し、それをRAM130に記憶させる(ステップS122C)。この場合、香り付け領域設定部111は、ユーザが花の種類を指定すると、指定された花の種類に基づいて当該花の種類と対応する香料を設定する。
手法としては、例えば、花の種類が「バラ」と指定されたならば、この指定された花の種類の「バラ」の香りを設定する。
また、ユーザが花の色を指定すると、撮影画像に含まれるカラー情報に基づいて当該花の色と同じ色部分を香り付け領域として設定する。
手法としては、例えば、単位面積あたりで、指定した花の色と同じ色部分のドット数をカウントし、その数が所定の閾値以上の場合に当該領域を香り付け領域とする。
以上の香り付け対象設定処理は、このステップS121〜S122までの処理を繰り返し行うことによって、複数の撮影画像について連続的に行うことができる。この場合、連続的に香り付け対象設定処理を行うか、それとも香り付け対象設定処理を終了するかの催促画面がその都度表示される。
そして、ユーザの操作部140の操作に基づいて香り付け対象設定処理が終了する。
次に、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、画像・香り・コーティング剤印刷処理を実行する(ステップS123)。
すなわち、印刷制御部114は、基本色インク用ヘッド11aを制御して印刷対象画像全体を記憶媒体Pの上に印刷させる一方で、香料用ヘッド11bを制御して香料を香り付け領域Rの上に印刷によって付着させる(ステップS42参照)。その後、印刷制御部114は、コーティング剤用ヘッド11cを制御してコーティング剤を少なくとも香り付け領域を覆うように印刷によって付着させる(ステップS43参照)。その後、表示制御部115は、印刷対象画像と共に「香り付き絵画風画像が印刷されました。」との案内メッセージと、「香り鑑賞の際には香り付け領域をスクラッチして下さい。」との案内メッセージを表示させる(図14、ステップS44参照)。
図20には、印刷後の香り付き絵画風画像Pが示されている。この香り付き絵画風画像Pは、香り付け領域Rをスクラッチすることによって、コーティング層が破壊され、当該香り付け領域Rから香りが発せられる。
【0045】
このように構成された画像印刷制御装置100によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、花の種類である名前と色とを指定することによって、指定された花の名前に対応した香りの種類と花の色に対応した香り付け領域とが自動的に選択されるので、その指定が容易となる。このために、ユーザーは、花の種類である名前と花の色とを指定するのみで、香り付け領域を指定することなく、指定された花の色に対応した香り付け領域からのみ、指定された花の名前に対応した香りを楽しむことができる。
【0046】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
例えば、上記実施形態では、1つの香り付けをする場合について説明したが、画面中の2カ所以上の領域に同じあるいは異なる香り付けをすることもできることはもちろんである。
【0047】
また、上記実施形態では、印刷制御部114が香料付着制御部(香料付着制御手段)およびコーティング剤付着制御部(コーティング剤付着制御手段)を兼ね、印刷部10が香料付着部(香料付着手段)およびコーティング材付着部(香料付着手段)を兼ねていたが、印刷制御部114とは別に香料付着制御部およびコーティング剤付着制御部を設けると共に、印刷部10とは別に香料付着部およびコーティング材付着部を設けてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、印刷制御部114がコーティング剤用ヘッド11cを制御してコーティング剤を少なくとも香り付け領域を覆うように印刷によって付着させ、香り付け領域Rをスクラッチすることによって、コーティング層が破壊され、当該香り付け領域Rから香りが発せられるようにしているが、香り付け領域Rから香りが所定時間継続されるのみで足りると考える場合は、コーティング剤を香り付け領域を覆うように印刷によって付着させなくともよい。
【0049】
また、上記実施形態では、絵画風画像の一部画像領域に香り付けをしたが、撮影画像の一部画像領域をユーザが指定し、香り付け領域設定部112がその一部画像領域を香り付け領域として設定し、印刷制御部114が撮影画像を印刷し、その際、香り付け領域に香り付けの印刷を行わせるようにしてもよい。その際に、撮影画像の中に含まれる色を指定することにより、香り付け領域設定部112が撮影画像の中の前記色に対応する領域を香り付け領域として設定するように構成してもよい。
【0050】
また、印刷制御部114が印刷部10を制御して複数種の香り発生物に対応する香料を個別に印刷させるように構成され、操作部140で香り発生物を指定することで、香り付け領域設定部112が香りの種類を設定するように構成してもよい。この場合の香り発生物は花に限定されるものではない。この香り発生物には、例えば、香りがある動植物は勿論のこと、お菓子その他、香りがあるもの一般が含まれる。
【0051】
また、上記実施形態では、絵画風画像への変換前の撮影画像の段階で香り付け対象設定処理を行ったが、絵画風画像へ変換した後に香り付け対象設定処理を行ってもよい。
【0052】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
<請求項2>
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定ステップと、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定ステップによって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法。
<請求項3>
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を表示させる表示制御手段と、
この表示制御手段の制御により表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定手段と、
前記表示制御手段の制御により表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定手段によって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
<請求項4>
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像を表示させる表示制御ステップと、
この表示ステップにおいて表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定ステップによって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定ステップによって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法。
<請求項5>
撮影画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域をユーザが指定可能な操作手段と、
前記操作手段によるユーザ指定に基づいて前記一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域である前記一部画像領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
<請求項6>
撮影画像を絵画風画像に変換する絵画風変換処理手段と、
前記撮影画像または前記絵画風画像を表示させる表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段によって表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域をユーザが指定可能な操作手段と、
前記操作手段から指定された前記一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域である前記一部画像領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
<請求項7>
前記操作手段は、前記表示制御手段の制御により表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の中の一部を指示することによって前記一部画像領域の指定を行うように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像印刷制御装置。
<請求項8>
前記操作手段は、前記表示制御手段の制御により表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の中に含まれる色を指定するように構成され。
前記香り付け領域設定手段は、前記操作手段からの指定に基づいて前記色に対応する領域を香り付け領域として設定することを特徴とする請求項6または7に記載の画像印刷制御装置。
<請求項9>
前記印刷制御手段は、複数種の香り発生物に対応する香料を個別に印刷させるように構成され、
前記操作手段は、前記香り発生物を指定可能に構成され、
前記香り付け領域設定手段は、前記操作手段からの指定に基づいて前記香料の種類を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像印刷制御装置。
<請求項10>
コーティング剤を付着させるコーティング剤付着制御手段を備え、
前記コーティング剤付着制御手段は、香り付け領域に付着させた香料の上に前記コーティング剤を付着させることを特徴とする請求項1、3、5から9いずれか一項に記載の画像印刷制御装置。
【符号の説明】
【0053】
100 画像印刷制御装置
112 香り付け領域設定部
113 絵画風変換処理部
114 印刷制御部
115 表示制御部
140 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
【請求項2】
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域がユーザ指定に基づいて指定されると、この指定された一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定ステップと、
前記一方の画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定ステップによって設定された香り付け領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法。
【請求項3】
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を表示させる表示制御手段と、
この表示制御手段の制御により表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定手段と、
前記表示制御手段の制御により表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定手段によって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
【請求項4】
撮影画像または当該撮影画像から変換された絵画風画像の一方の画像を印刷する画像印刷制御装置に用いられる画像印刷制御方法において、
前記一方の画像を表示させる表示制御ステップと、
この表示ステップにおいて表示されている画像の中に存在する香り発生対象の名称と色とが指定されると、この指定された香り発生対象の名称に対応する香りの種類と指定された香り発生対象の色に対応する香り付け領域とを設定する香り付け領域設定ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示されている画像の画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定ステップによって設定された香り付け領域を当該香り付け領域設定ステップによって設定された香料にて印刷させるように制御する印刷制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像印刷制御方法。
【請求項5】
撮影画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域をユーザが指定可能な操作手段と、
前記操作手段によるユーザ指定に基づいて前記一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域である前記一部画像領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
【請求項6】
撮影画像を絵画風画像に変換する絵画風変換処理手段と、
前記撮影画像または前記絵画風画像を表示させる表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段によって表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の画像領域のうち、香り付けを希望する一部画像領域をユーザが指定可能な操作手段と、
前記操作手段から指定された前記一部画像領域を香り付け領域として設定する香り付け領域設定手段と、
前記画像領域を印刷材料にて印刷させるように制御する一方で、前記香り付け領域設定手段によって設定された香り付け領域である前記一部画像領域を香料にて印刷させるように制御する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷制御装置。
【請求項7】
前記操作手段は、前記表示制御手段の制御により表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の中の一部を指示することによって前記一部画像領域の指定を行うように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像印刷制御装置。
【請求項8】
前記操作手段は、前記表示制御手段の制御により表示された前記撮影画像または前記絵画風画像の中に含まれる色を指定するように構成され。
前記香り付け領域設定手段は、前記操作手段からの指定に基づいて前記色に対応する領域を香り付け領域として設定することを特徴とする請求項6または7に記載の画像印刷制御装置。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、複数種の香り発生物に対応する香料を個別に印刷させるように構成され、
前記操作手段は、前記香り発生物を指定可能に構成され、
前記香り付け領域設定手段は、前記操作手段からの指定に基づいて前記香料の種類を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像印刷制御装置。
【請求項10】
コーティング剤を付着させるコーティング剤付着制御手段を備え、
前記コーティング剤付着制御手段は、香り付け領域に付着させた香料の上に前記コーティング剤を付着させることを特徴とする請求項1、3、5から9いずれか一項に記載の画像印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−245726(P2012−245726A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120253(P2011−120253)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】