説明

画像合成装置、画像合成方法、及びプログラム

【課題】合成する3次元画像を、ユーザにより指定された優先順序に対応する視差量に調整し、調整後の3次元画像を合成する。
【解決手段】左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92は、複数の3次元画像のうち、合成される2枚以上の3次元画像を選択し、調整部252は、選択された3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得し、取得した合成順序に基づいて、選択された3次元画像の視差量を調整し、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92は、合成順序に従って、調整後の3次元画像を合成する。本発明は、例えば、3次元画像どうしを合成するコンピュータ等に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像合成装置、画像合成方法、及びプログラムに関し、特に、例えば、3次元画像を合成する場合に用いて好適な画像合成装置、画像合成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが、スイッチャを用いて選択した3次元画像どうしを合成するスーパーインポーズ等の合成技術が存在する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ここで、3次元画像とは、左眼用2次元画像、及び右眼用2次元画像により構成されており、左眼用2次元画像と右眼用2次元画像との間には、鑑賞者により視認される画像上の物体が立体的に見えるように視差が設けられている。
【0004】
また、3次元画像を鑑賞者に提示する場合には、例えば、左眼用2次元画像を鑑賞者の左眼のみで視認できるように提示し、右眼用2次元画像を鑑賞者の右眼のみで視認できるように提示するようにする。
【0005】
鑑賞者は、左眼用2次元画像と右眼用2次元画像に設けられた視差の量(視差量)に応じて知覚される奥行きz、換言すれば、3次元画像に対して垂直な方向に定義される、3次元画像上に存在する物体の立体的な位置zに基づいて、視認した画像を立体的な3次元画像として認識することとなる。
【0006】
なお、3次元画像の視差量を調整する調整技術も存在する(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−321992号公報
【特許文献2】特開平11−164328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した合成技術によれば、例えば、ユーザにより選択された3次元画像を合成する際、ユーザが指定した合成順序に従って、選択された3次元画像が合成される。
【0009】
この場合、合成順序が、合成する3次元画像それぞれに存在する物体の立体的な位置z(物体の前後関係)と一致しないときには、3次元画像の合成結果として、3次元画像上の物体の立体的な位置zと、合成順序とが一致しない不自然な(違和感のある)合成3次元画像が生成されてしまうことがあった。
【0010】
具体的には、例えば、2枚の3次元画像が選択されて合成される場合、選択された2枚の3次元画像のうち、一方の3次元画像上に存在する第1の物体が、他方の3次元画像上に存在する第2の物体よりも近くに認識されるときには、鑑賞者により認識される、第1及び第2の物体の位置関係に一致するように、第1の物体を、第2の物体よりも手前に表示するように合成する必要がある。
【0011】
ところが、ユーザにより指定された合成順序が、第2の物体を、第1の物体よりも手前に表示するように合成する合成順序である場合、鑑賞者により認識される、第1及び第2の物体の位置関係に反して、第2の物体を、第1の物体よりも手前に表示するように合成してしまい、非常に違和感のある合成3次元画像が生成されてしまっていた。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、合成する3次元画像上に存在する物体の立体的な位置と、合成順序とが一致する違和感のない合成3次元画像を生成できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の画像合成装置は、複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択する画像選択手段と、選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得する順序取得手段と、前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整する視差量調整手段と、前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する画像合成手段とを含む画像合成装置である。
【0014】
選択された前記3次元画像の元の視差量から、前記合成順序に対応する視差量に調整する際の進行状況を表すフェーダ情報を取得するフェーダ取得手段をさらに設けることができ、前記視差量調整手段では、前記フェーダ情報に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整し、前記画像合成手段では、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像を合成するようにすることができる。
【0015】
前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像それぞれの視差量を比較して得られる比較結果に基づいて、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像上の全領域のうち、合成後の前記3次元画像として表示される領域を表す領域情報を生成する比較生成手段をさらに設けることができ、前記画像合成手段では、前記領域情報に基づいて、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像を合成するようにすることができる。
【0016】
前記順序取得手段では、ユーザにより前記合成順序を指定する指定操作が行われたことに対応して、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序を取得するようにすることができる。
【0017】
選択された前記3次元画像それぞれの視差量を計測する計測手段と、前記合成順序に基づいて、計測された前記視差量を、前記合成順序に対応する視差量に調整するための調整量を算出する調整量算出手段とをさらに設けることができ、前記視差量調整手段では、前記合成順序に基づき算出された前記調整量を用いて、前記視差量を調整するようにすることができる。
【0018】
前記調整量を一時的に保持する調整量保持手段をさらに設けることができ、前記視差量調整手段では、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序で合成を行なうことを指示する指示操作が行われたことに対応して、前記調整量保持手段に保持されている前記調整量を用いて前記視差量を調整し、前記画像合成手段では、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成するようにすることができる。
【0019】
前記視差量調整手段では、調整後の前記3次元画像の視差量が、予め決められた閾値未満となる場合のみ、選択された前記3次元画像の視差量についての調整を行なうようにすることができる。
【0020】
ユーザの確認のために表示されるプレビュー用確認画像として、前記画像合成手段の合成により得られる合成3次元画像を出力して表示させる第1の出力手段と、前記合成3次元画像を、最終的な合成3次元画像として出力する第2の出力手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0021】
前記順序取得手段では、前記合成順序として、選択された前記3次元画像を合成した場合に手前側に表示される順序を取得するようにすることができる。
【0022】
本発明の一側面の画像合成方法は、複数の3次元画像を合成する画像合成装置の画像合成方法であって、前記画像合成装置は、画像選択手段と、順序取得手段と、視差量調整手段と、画像合成手段とを含み、前記画像選択手段が、複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択し、前記順序取得手段が、選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得し、前記視差量調整手段が、前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整し、前記画像合成手段が、前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成するステップを含む画像合成方法である。
【0023】
本発明の一側面のプログラムは、コンピュータを、複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択する画像選択手段と、選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得する順序取得手段と、前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整する視差量調整手段と、前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する画像合成手段として機能させるためのプログラムである。
【0024】
本発明によれば、複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像が選択され、選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序が取得され、前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量が調整され、前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像が合成される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、合成する3次元画像上に存在する物体の立体的な位置と、合成順序とが一致する違和感のない合成3次元画像を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施の形態である画像合成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態である画像合成装置が行なう処理の概要を示す図である。
【図3】奥行きzの平均値に基づいて、優先順序を決定する決定方法の一例を示す図である。
【図4】奥行きzの中央値に基づいて、優先順序を決定する決定方法の一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態である画像合成装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図6】左眼用スイッチャの構成例を示すブロック図である。
【図7】優先順序決定部の構成例を示すブロック図である。
【図8】優先順序決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】画像合成処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】操作卓の一例を示す図である。
【図11】操作卓に設けられたボタンの状態遷移の一例を示す状態遷移図である。
【図12】第2の実施の形態である画像合成装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態である画像合成装置が行なう処理の概要を示す図である。
【図14】第2の実施の形態である画像合成装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図15】調整部の構成例を示すブロック図である。
【図16】第1の視差量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】第2の視差量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】第3の視差量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態における処理の概要を示す第1の図である。
【図20】第3の実施の形態における処理の概要を示す第2の図である。
【図21】第3の実施の形態である画像合成装置の構成例を示すブロック図である。
【図22】フェーダ調整部の構成例を示すブロック図である。
【図23】左眼用スイッチャの構成例を示すブロック図である。
【図24】奥行き比較部乃至合成処理部が行なう処理の一例を示す図である。
【図25】フェーダ調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】左眼用スイッチャの画像合成部の他の構成例を示すブロック図である。
【図27】4枚の3次元画像を合成する場合の一例を示す第1の図である。
【図28】4枚の3次元画像を合成する場合の一例を示す第2の図である。
【図29】フェーダ値に応じて、4枚の左眼用2次元画像を合成する場合の画像合成部が設けられた左眼用スイッチャの構成例を示す図である。
【図30】調整部が設けられた左眼用スイッチャの構成例を示すブロック図である。
【図31】プレビュー機能が設けられた左眼用スイッチャの構成例を示すブロック図である。
【図32】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1. 第1の実施の形態(3次元画像の視差量に対応する優先順序で、3次元画像を合成 する場合の一例)
2. 第2の実施の形態(ユーザにより指定された優先順序で、その優先順序に対応する 視差量に調整された3次元画像を合成する場合の一例)
3. 第3の実施の形態(ユーザにより調整されたフェーダ値に応じて、3次元画像の視 差量を調整して合成する場合の一例)
4. 変形例
【0028】
<1.第1の実施の形態>
[操作卓21及び画像合成装置22による構成]
図1は、第1の実施の形態である、操作卓21からの操作信号に応じて3次元画像を合成する画像合成装置22の構成例を示している。
【0029】
この画像合成装置22は、例えば、ケーブルにより操作卓21と接続されている。
【0030】
操作卓21は、画像合成装置22に供給される複数の3次元画像のうち、合成する3次元画像を選択するための選択ボタン等により構成されている。操作卓21は、ユーザに操作されたことに対応して、ユーザの操作に対応する操作信号を生成し、画像合成装置22に供給する。なお、操作卓21の詳細については、図10及び図11を参照して後述する。
【0031】
画像合成装置22は、操作卓21からの操作信号に応じた処理を行う。すなわち、例えば、画像合成装置22は、操作卓21からの操作信号に基づいて、供給される複数の3次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された3次元画像の合成を行う。そして、画像合成装置22は、その合成により得られる合成後の3次元画像を出力する。
【0032】
ここで、3次元画像とは、左眼用2次元画像、及び右眼用2次元画像により構成されており、左眼用2次元画像と右眼用2次元画像との間には、鑑賞者により視認される画像上の物体が立体的に見えるように視差が設けられている。
【0033】
なお、3次元画像を鑑賞者に提示する場合には、例えば、左眼用2次元画像を鑑賞者の左眼のみで視認できるように提示し、右眼用2次元画像を鑑賞者の右眼のみで視認できるように提示するようにする。これにより、鑑賞者は、左眼用2次元画像と右眼用2次元画像に設けられた視差の量(視差量)に応じて知覚される奥行きz、換言すれば、3次元画像に対して垂直な方向に定義される、3次元画像上に存在する物体の立体的な位置zに基づいて、視認した画像を立体的な3次元画像として認識することとなる。
【0034】
以下、説明を簡単にするために、ユーザが、操作卓21を用いて、合成する3次元画像を2枚だけ選択するものとして説明するが、合成する3次元画像の枚数は2枚に限定されず、3枚以上の3次元画像を選択することができる。
【0035】
[画像合成装置22が行う処理の概要]
図2は、画像合成装置22が行う処理の概要を示している。
【0036】
図2A下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの一方の3次元画像41が示されている。この3次元画像41には、犬41a及び木41bが表示されている。
【0037】
図2A上側において、横軸は、3次元画像41上の横方向の位置を表しており、縦軸は、3次元画像41における左眼用2次元画像と右眼用2次元画像との間に設けられた視差に応じた奥行きzを表している。このことは、図2B上側、及び図2C上側についても同様である。
【0038】
図2A上側において、複数の座標61aは、3次元画像41上の犬41aが存在する領域を構成する画素それぞれに対応した奥行きzを示す座標を表している。また、複数の座標61bは、3次元画像41上の木41bが存在する領域を構成する画素それぞれに対応した奥行きzを示す座標を表している。
【0039】
図2B下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの他方の3次元画像42が示されている。この3次元画像42には、自動車42aが表示されている。
【0040】
また、図2B上側において、複数の座標62aは、3次元画像42上の自動車42aが存在する領域を構成する画素それぞれに対応した奥行きzを表す座標を表している。
【0041】
図2C下側には、3次元画像41及び42を合成した場合に得られる合成後の3次元画像43の一例が示されている。
【0042】
図2C上側において、複数の座標61b'は、木41bを構成する領域のうち、自動車42aと重畳(合成)される重畳部分を構成する画素それぞれに対応した奥行きzを示す座標を表している。
【0043】
また、図2C上側において、複数の座標62a'は、自動車42aを構成する領域のうち、木41bと重畳される重畳部分を構成する画素それぞれに対応した奥行きzを示す座標を表している。
【0044】
画像合成装置22は、ユーザにより選択された3次元画像41及び42に基づいて、3次元画像41及び42を合成した場合に、3次元画像41上の犬41a及び木41bを構成する領域と、3次元画像42上の自動車42aを構成する領域とが重畳される重畳部分を検出する。
【0045】
そして、画像合成装置22は、3次元画像41上の重畳部分を構成する画素それぞれに対応する奥行きz(図2C上側における複数の座標61b'に対応)を算出する。
【0046】
また、画像合成装置22は、3次元画像42上の重畳部分を構成する画素それぞれに対応する奥行きz(図2C上側における複数の座標62a'に対応)を算出する。
【0047】
さらに、画像合成装置22は、3次元画像41について算出した奥行きz、及び3次元画像42について算出した奥行きzについて、それぞれ、平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、3次元画像41及び42を合成する際の優先順序を決定する。
【0048】
そして、画像合成装置22は、決定した優先順序で、3次元画像41及び42を合成して出力する。
【0049】
ここで、優先順序とは、3次元画像上の物体(例えば、3次元画像42上の自動車42a)が、他の3次元画像上の物体(例えば、3次元画像41上の犬41a及び41b)に優先して手前に重畳されるべき順序を表す。
【0050】
なお、優先順序とは、3次元画像を合成する合成順序のことを意味するものであるが、第1乃至第3の実施の形態では、合成順序を優先順序として説明するものとする。
【0051】
すなわち、第1乃至第3の実施の形態では、合成順序が、合成される3次元画像上の物体が優先して手前に重畳される順序を表すことに注目して、合成順序を優先順序として説明するようにしている。
【0052】
次に、図3は、奥行きzの平均値に基づいて、優先順序を決定する決定方法の一例を示している。
【0053】
画像合成装置22は、図3A上側に示されるように、3次元画像41について算出した奥行きz(複数の座標61b'それぞれに対応する奥行きz)の平均値ave1を算出する。また、画像合成装置22は、図3B上側に示されるように、3次元画像42について算出した奥行きz(複数の座標62a'それぞれに対応する奥行きz)の平均値ave2を算出する。
【0054】
そして、画像合成装置22は、算出した平均値ave1と平均値ave2とを比較し、その比較結果に基づいて、優先順序を、奥行きzの平均値が小さい順序に決定する。
【0055】
いまの場合、3次元画像42上の自動車42aにおける奥行きzの平均値ave2は、3次元画像41上の木41bにおける奥行きzの平均値ave1よりも小さくなっている。このため、画像合成装置22は、3次元画像42上の自動車42aが、3次元画像41上の木41bよりも手前側に表示されるように、3次元画像42の優先順序を1番に、3次元画像41の優先順序を2番に決定する。
【0056】
なお、画像合成装置22は、奥行きzの平均値に基づいて、優先順序を決定するようにしたが、その他、例えば、zの中央値に基づいて優先順序を決定することができる。
【0057】
[zの中央値に基づいて優先順序を決定する決定方法]
次に、図4は、奥行きzの中央値に基づいて、優先順序を決定する決定方法の一例を示している。
【0058】
画像合成装置22は、図4A上側に示されるように、3次元画像41について算出した奥行きz(複数の座標61b'それぞれに対応する奥行きz)の中央値med1を算出する。また、画像合成装置22は、図4B上側に示されるように、3次元画像42について算出した奥行きz(複数の座標62a'それぞれに対応する奥行きz)の中央値med2を算出する。
【0059】
そして、画像合成装置22は、算出した中央値med1と中央値med2とを比較し、その比較結果に基づいて、優先順序を、奥行きzの中央値が小さい順序に決定する。
【0060】
いまの場合、3次元画像42上の自動車42aにおける奥行きzの中央値med2は、3次元画像41上の木41bにおける奥行きzの中央値med1よりも小さくなっている。このため、画像合成装置22は、3次元画像42上の自動車42aが、3次元画像41上の木41bよりも手前側に表示されるように、3次元画像42の優先順序を1番に、3次元画像41の優先順序を2番に決定する。
【0061】
[画像合成装置22の詳細]
次に、図5は、画像合成装置22の構成例を示している。
【0062】
この画像合成装置22は、制御部81、左眼用スイッチャ82、SDI(serial digital interface)端子83乃至86、優先順序決定部87、SDI端子88乃至91、及び右眼用スイッチャ92により構成される。
【0063】
なお、画像合成装置22には、3次元画像として、3次元画像を構成する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像が供給される。すなわち、画像合成装置22において、左眼用スイッチャ82には、3次元画像に対応する左眼用2次元画像が、右眼用スイッチャ92には、3次元画像に対応する右眼用2次元画像が、それぞれ供給される。
【0064】
制御部81には、操作卓21からの操作信号が供給される。制御部81は、操作卓21からの操作信号に基づいて、左眼用スイッチャ82、優先順序決定部87、及び右眼用スイッチャ92を制御する。
【0065】
左眼用スイッチャ82は、制御部81からの制御にしたがって、供給される複数の左眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像41及び42(図2)に対応する左眼用2次元画像それぞれを選択する。
【0066】
そして、左眼用スイッチャ82は、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子83に供給し、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子84に供給する。
【0067】
また、左眼用スイッチャ82は、SDI端子85から供給される優先順序で、SDI端子85からの、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像と、SDI端子86からの、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像とを合成し、合成後の左眼用2次元画像を出力する。なお、左眼用スイッチャ82は、合成する画像として、SDI端子85およびSDI端子86からの画像を使用せず、外部から入力されている左眼用2次元画像をそのまま使用するようにすることも可能である。
【0068】
SDI端子83乃至86は、それぞれ、左眼用スイッチャ82と優先順序決定部87とをケーブルにより接続するものである。すなわち、図5において、SDI端子83乃至86は、それぞれ、左眼用スイッチャ82と優先順序決定部87とをケーブルにより接続することを示す。
【0069】
SDI端子83及び84は、それぞれ、左眼用スイッチャ82からの左眼用2次元画像を、優先順序決定部87に供給する。
【0070】
SDI端子85及び86は、それぞれ、優先順序決定部87からの左眼用2次元画像を、左眼用スイッチャ82に供給する。また、SDI端子85は、優先順序決定部87から優先順序が供給された場合、その優先順序を左眼用スイッチャ82に供給する。なお、優先順序決定部87からSDI端子86に優先順序が供給されるように構成した場合には、SDI端子86が、優先順序決定部87からの優先順序を左眼用スイッチャ82に供給する。なお、SDI信号が画像以外の付加情報を伝送できることは既知の通りである。
【0071】
優先順序決定部87は、SDI端子83からの、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像と、SDI端子88からの、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像41として取得する。そして、優先順序決定部87は、取得した3次元画像41に基づいて、3次元画像41の視差量(3次元画像41において、左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に設けられた視差量)を計測する。
【0072】
また、優先順序決定部87は、SDI端子84からの、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像と、SDI端子89からの、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像42として取得する。そして、優先順序決定部87は、取得した3次元画像42に基づいて、3次元画像42の視差量(3次元画像42において、左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に設けられた視差量)を計測する。
【0073】
さらに、優先順序決定部87は、計測した3次元画像41及び42の視差量に基づいて優先順序を決定し、決定した優先順序をSDI端子85及び90に供給する。なお、優先順序決定部87は、決定した優先順序を、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92に通知するために、SDI端子85及び90に供給するようにしたが、例えば、決定した優先順序を、SDI端子86及び91に供給するようにしてもよい。
【0074】
また、優先順序決定部87は、取得した3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子85に供給し、同じく取得した3次元画像41に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子90に供給する。
【0075】
さらに、優先順序決定部87は、取得した3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給し、同じく取得した3次元画像42に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0076】
SDI端子88乃至91は、それぞれ、右眼用スイッチャ92と優先順序決定部87とをケーブルにより接続するものである。すなわち、図5において、SDI端子88乃至91は、それぞれ、右眼用スイッチャ92と優先順序決定部87とをケーブルにより接続することを示す。
【0077】
SDI端子88及び89は、それぞれ、右眼用スイッチャ92からの右眼用2次元画像を、優先順序決定部87に供給する。
【0078】
SDI端子90及び91は、それぞれ、優先順序決定部87からの右眼用2次元画像を、右眼用スイッチャ92に供給する。また、SDI端子90は、優先順序決定部87から優先順序が供給された場合、その優先順序を右眼用スイッチャ92に供給する。なお、優先順序決定部87からSDI端子91に優先順序が供給されるように構成した場合には、SDI端子91が、優先順序決定部87からの優先順序を右眼用スイッチャ92に供給する。
【0079】
右眼用スイッチャ92は、左眼用スイッチャ82と同様の処理を行なう。すなわち、右眼用スイッチャ92は、供給される複数の右眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像41及び42(図2)に対応する右眼用2次元画像それぞれを選択する。
【0080】
そして、右眼用スイッチャ92は、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子88に供給し、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子89に供給する。
【0081】
また、右眼用スイッチャ92は、SDI端子90から供給される優先順序で、SDI端子90からの、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像と、SDI端子91からの、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像とを合成し、合成後の右眼用2次元画像を出力する。
【0082】
[左眼用スイッチャ82の構成例]
次に、図6は、左眼用スイッチャ82の構成例を示している。
【0083】
なお、右眼用スイッチャ92は、左眼用スイッチャ82と同様に構成されているため、左眼用スイッチャ82の構成についてのみ説明し、右眼用スイッチャ92についての説明は省略する。
【0084】
左眼用スイッチャ82は、画像選択部111及び画像合成部112により構成される。また、左眼用スイッチャ82は、入力ラインL1乃至L9を有している。
【0085】
入力ラインL1乃至L9のうち、入力ラインL1乃至L7には、画像合成装置22に供給される複数の3次元画像(いまの場合7枚の3次元画像)に対応する左眼用2次元画像それぞれが入力(供給)される。
【0086】
また、入力ラインL1乃至L9のうち、入力ラインL8には、SDI端子85から、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像及び優先順序が、入力ラインL9には、SDI端子86から、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像が、それぞれ入力される。
【0087】
なお、左眼用スイッチャ82は、9本の入力ラインL1乃至L9を有することとしたが、入力ラインの本数は9本に限定されず、いずれの本数により構成してもよい。
【0088】
画像選択部111は、制御部81からの制御にしたがって、入力ラインL1乃至L7から供給される7枚の左眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像41及び42それぞれに対応する左眼用2次元画像を選択し、一方をSDI端子83に他方をSDI端子84に供給する。
【0089】
すなわち、例えば、画像選択部111は、クロスポイントスイッチ131a及び131b、バスライン132a及び132b、並びに信号処理部(Video Proc)133a及び133bにより構成される。
【0090】
クロスポイントスイッチ131aは、制御部81からの制御にしたがって、バスライン132aと入力ラインL1乃至L9とが交差する各点(バツ印で示す)の接続を制御する。クロスポイントスイッチ131aは、各点の接続を制御し、入力ラインL1乃至L7それぞれから供給される左眼用2次元画像のうち、例えば3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、バスライン132aを介して、ビデオ信号処理部133aに供給する。
【0091】
クロスポイントスイッチ131bは、制御部81からの制御にしたがって、バスライン132bと入力ラインL1乃至L9とが交差する各点の接続を制御する。クロスポイントスイッチ131bは、各点の接続を制御し、入力ラインL1乃至L7それぞれから供給される左眼用2次元画像のうち、例えば3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、バスライン132bを介して、ビデオ信号処理部133bに供給する。
【0092】
ビデオ信号処理部133aは、バスライン132aから供給される、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像に対して、所定の処理を施してSDI端子83に供給する。ビデオ信号処理部133bは、バスライン132bから供給される、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像に対して、所定の処理を施してSDI端子84に供給する。
【0093】
画像合成部112は、クロスポイントスイッチ151a乃至151k、バスライン152a乃至152k、キー信号処理部(Key Proc)153a乃至153d、ビデオ信号処理部(Video Proc)154a乃至154c、及び合成処理部155により構成される。
【0094】
クロスポイントスイッチ151aは、制御部81からの制御にしたがって、バスライン152aと入力ラインL1乃至L9とが交差する各点の接続を制御し、例えば入力ラインL8から供給される、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像及び優先順序を、バスライン152aを介して、キー信号処理部153aに供給する。
【0095】
クロスポイントスイッチ151bは、制御部81からの制御にしたがって、バスライン152bと入力ラインL1乃至L9とが交差する各点の接続を制御し、例えば入力ラインL8から供給される、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、バスライン152bを介して、キー信号処理部153aに供給する。
【0096】
キー信号処理部153aは、バスライン152aからの左眼用2次元画像に基づいて、重畳用の加工を施した画像を生成し、合成処理部155に供給する。また、キー信号処理部153aは、バスライン152bからの左眼用2次元画像に基づいて、左眼用2次元画像のキー信号を生成し、合成処理部155に供給する。
【0097】
なお、キー信号とは、画像上の全領域のうち、背景以外の物体が存在する領域を表す。第1の実施の形態において、このキー信号は、例えば、対応する左眼用2次元画像から生成するものとし、キー信号処理部153aは、左眼用2次元画像から、キー信号を抽出することにより、左眼用2次元画像のキー信号を生成するようにしているものとする。
【0098】
さらに、キー信号処理部153aは、バスライン152aからの優先順序を、合成処理部155に供給する。
【0099】
なお、クロスポイントスイッチ151c及び151d,151e及び151f,並びに、151g及び151hは、クロスポイントスイッチ151a及び151bと同様に構成されている。また、キー信号処理部153b乃至153dは、キー信号処理部153aと同様に構成されている。例えば、クロスポイントスイッチ151c及び151dは、入力ラインL9から供給される、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、バスライン152c及び152dを介して、キー信号処理部153bに供給する。
【0100】
ここで、第1の実施の形態では、2枚の3次元画像41及び42を合成する場合について説明しているため、例えば、クロスポイントスイッチ151a乃至151hのうちクロスポイントスイッチ151a乃至151dを、キー信号処理部153a乃至153dのうちキー信号処理部153a及び153bをそれぞれ用いることとしている。
【0101】
3枚以上の3次元画像(左眼用2次元画像)を合成する場合には、さらに、クロスポイントスイッチ151e乃至151hやキー信号処理部153c及び153dが用いられることとなる。なお、以降で説明する背景画像と、各キー信号処理部で扱う画像との関係も、既に示した例の3次元画像41と42との関係のように、z方向に関する前後関係を考慮しても良い。例えば、キー信号処理部のうち153aのみを使用する場合でも、背景となる画像との前後関係を考慮するようにしても良い。ここでは説明を簡単にするために、2つの3次元画像についての前後関係を考慮した合成に注目して説明している。
【0102】
クロスポイントスイッチ151i乃至151k、バスライン152i乃至152k、及びビデオ信号処理部154a乃至154cでは、例えば、3次元画像41及び42に対して合成する背景を表す背景用3次元画像を構成する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像のうち、左眼用2次元画像を、合成処理部155に供給する。
【0103】
この場合、例えば、入力ラインL1乃至L9のうち、入力ラインL1乃至L7からは、それぞれ、背景用3次元画像を構成する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像のうち、左眼用2次元画像としての背景画像が供給される。
【0104】
クロスポイントスイッチ151iは、制御部81からの制御にしたがって、バスライン152iと入力ラインL1乃至L9とが交差する各点の接続を制御し、入力ラインL1乃至L7から供給される背景画像のうちのいずれかを選択し、バスライン151iを介して、ビデオ信号処理部154aに供給する。
【0105】
ビデオ信号処理部154aは、バスライン151iからの背景画像に対して、所定の処理を施して合成処理部155に供給する。
【0106】
なお、クロスポイントスイッチ151j及び151kは、クロスポイントスイッチ151iと同様に構成され、ビデオ信号処理部154b及び154cは、ビデオ信号処理部154aと同様に構成されている。
【0107】
クロスポイントスイッチ151j及び151k、並びにビデオ信号処理部154b及び154cは、例えば、3次元画像41及び42に合成する背景用3次元画像が複数枚である場合に用いられる。例えば、合成処理部155内部にワイプ波形生成器を設け、そこで生成されるワイプ波形により画面を区切り、画面上に複数の背景用3次元画像を配置することが可能である。
【0108】
合成処理部155は、例えば、キー信号処理部153a及び153bからのキー信号を用いて、キー信号処理部153aからの優先順序で、キー信号処理部153a及び153bから供給される2枚の左眼用2次元画像を合成する合成処理を行い、背景画像に対して合成して、その結果得られる合成後の左眼用2次元画像を、出力ラインから出力する。
【0109】
[優先順序決定部87の詳細]
図7は、優先順序決定部87の構成例を示している。
【0110】
この優先順序決定部87は、視差量計測部171及び順序決定部172により構成される。
【0111】
視差量計測部171は、SDI端子83からの左眼用2次元画像、及びSDI端子88からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像41として取得する。
【0112】
また、視差量計測部171は、SDI端子84からの左眼用2次元画像、及びSDI端子89からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像42として取得する。
【0113】
そして、視差量計測部171は、取得した3次元画像41及び42に基づいて、3次元画像41及び42を合成した場合に、3次元画像41上の犬41a及び木41bを構成する領域と、3次元画像42上の自動車42aを構成する領域とが重畳される重畳部分を検出する。
【0114】
すなわち、例えば、視差量計測部171は、SDI端子83からの、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像、及びSDI端子84からの、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像から算出により生成するキー信号に基づいて、左眼用2次元画像上の重畳部分を検出する。
【0115】
また、視差量計測部171は、SDI端子88からの、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像、及びSDI端子89からの、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像から算出により生成するキー信号に基づいて、右眼用2次元画像上の重畳部分を検出する。
【0116】
なお、キー信号の生成には、例えば明るさから生成するルミナンスキー手法などを用いる。
【0117】
視差量計測部171は、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に基づいて、3次元画像41において、左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分の視差量(以下、3次元画像41の視差量という)を計測する。そして、視差量計測部171は、計測した3次元画像41の視差量を、3次元画像41とともに、順序決定部172に供給する。
【0118】
また、視差量計測部171は、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に基づいて、3次元画像42において、左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分の視差量(以下、3次元画像42の視差量という)を計測する。そして、視差量計測部171は、計測した3次元画像42の視差量を、3次元画像42とともに、順序決定部172に供給する。
【0119】
順序決定部172は、視差量計測部171からの、3次元画像41の視差量に基づいて、3次元画像41における奥行きzの平均値ave1を算出する。
【0120】
また、順序決定部172は、視差量計測部171からの、3次元画像42の視差量に基づいて、3次元画像42における奥行きzの平均値ave2を算出する。
【0121】
そして、順序決定部172は、3次元画像41及び42それぞれにおける奥行きzの平均値ave1及びave2どうしを比較し、その比較結果に基づいて、優先順序を決定して、SDI端子85及び90に供給する。
【0122】
順序決定部172は、視差量計測部171からの3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子85に、視差量計測部171からの3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0123】
また、順序決定部172は、視差量計測部171からの3次元画像41に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子90に、視差量計測部171からの3次元画像42に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0124】
[画像合成装置22の動作説明]
次に、図8のフローチャートを参照して、画像合成装置22が行う優先順序決定処理について説明する。
【0125】
この優先順序決定処理は、例えば、ユーザが操作卓21を用いて、画像合成装置22に供給される複数の3次元画像のうち、合成する3次元画像41及び42を選択する選択操作を行ったときに開始される。
【0126】
このとき、制御部81には、ユーザの選択操作に応じた操作信号が、操作卓21から供給される。そして、制御部81は、操作卓21からの操作信号に応じて、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92を制御する。
【0127】
すなわち、ステップS1において、左眼用スイッチャ82の画像選択部111は、制御部81からの制御にしたがって、入力ラインL1乃至L7から入力される7枚の左眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像41及び42それぞれに対応する左眼用2次元画像を取得する。
【0128】
そして、画像選択部111は、取得した左眼用2次元画像のうち、一方の左眼用2次元画像を、SDI端子83に供給し、他方の左眼用2次元画像を、SDI端子84に供給する。SDI端子83及び84は、それぞれ、画像選択部111からの左眼用2次元画像を、優先順序決定部87に供給する。
【0129】
また、右眼用スイッチャ92は、制御部81からの制御にしたがって、左眼用スイッチャ82の画像選択部111と同様にして、取得した右眼用2次元画像のうち、一方の右眼用2次元画像を、SDI端子88に供給し、他方の右眼用2次元画像を、SDI端子89に供給する。SDI端子88及び89は、それぞれ、右眼用スイッチャ92からの右眼用2次元画像を、優先順序決定部87に供給する。
【0130】
ステップS2において、優先順序決定部87の視差量計測部171は、SDI端子83からの、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像、及びSDI端子84からの、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像それぞれに基づいて、左眼用2次元画像上の重畳部分を検出する。
【0131】
また、視差量計測部171は、SDI端子88からの、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像、及びSDI端子89からの、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像それぞれに基づいて、右眼用2次元画像上の重畳部分を検出する。
【0132】
視差量計測部171は、3次元画像41(SDI端子83からの左眼用2次元画像、及びSDI端子88からの右眼用2次元画像の組合せ)に対応する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に基づいて、3次元画像41の視差量を計測し、3次元画像41とともに、順序決定部172に供給する。
【0133】
また、視差量計測部171は、3次元画像42(SDI端子84からの左眼用2次元画像、及びSDI端子89からの右眼用2次元画像の組合せ)に対応する左眼用2次元画像及び右眼用2次元画像それぞれの重畳部分に基づいて、3次元画像42の視差量を計測し、3次元画像42とともに、順序決定部172に供給する。
【0134】
ステップS3において、順序決定部172は、視差量計測部171からの、3次元画像41の視差量に基づいて、3次元画像41における奥行きzの平均値ave1を算出する。また、順序決定部172は、視差量計測部171からの、3次元画像42の視差量に基づいて、3次元画像42における奥行きzの平均値ave2を算出する。
【0135】
そして、順序決定部172は、3次元画像41及び42それぞれにおける奥行きzの平均値ave1及びave2どうしを比較し、その比較結果に基づいて、優先順序を決定して、SDI端子85及び90に供給する。
【0136】
順序決定部172は、視差量計測部171からの3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子85に、視差量計測部171からの3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0137】
また、順序決定部172は、視差量計測部171からの3次元画像41に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子90に、視差量計測部171からの3次元画像42に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0138】
SDI端子85は、順序決定部172からの左眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子86は、順序決定部172からの左眼用2次元画像を、それぞれ左眼用スイッチャ82に供給する。
【0139】
また、SDI端子90は、順序決定部172からの右眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子91は、順序決定部172からの右眼用2次元画像を、それぞれ右眼用スイッチャ92に供給する。
【0140】
ステップS4において、左眼用スイッチャ82の画像合成部112は、SDI端子85から入力ラインL8を介して供給される左眼用2次元画像、及びSDI端子86から入力ラインL9を介して供給される左眼用2次元画像を、SDI端子85から入力ラインL8を介して供給される優先順序で合成し、その結果得られる合成後の左眼用2次元画像を出力ラインに出力する。
【0141】
また、右眼用スイッチャ92は、左眼用スイッチャ82と同様にして、SDI端子90からの右眼用2次元画像、及びSDI端子91からの右眼用2次元画像を、SDI端子90からの優先順序で合成し、その結果得られる合成後の右眼用2次元画像を出力ラインに出力する。
【0142】
以上説明したように、優先順序決定処理によれば、例えば、画像合成装置22が、ユーザの選択操作により選択された3次元画像41及び42それぞれの視差量に基づいて、3次元画像41及び42それぞれの視差量に対応した優先順序を決定し、決定した優先順序で、3次元画像41及び42を合成するようにしたので、合成する3次元画像41及び42それぞれの視差量との対応がとれていない優先順序で、3次元画像41及び42が合成される事態を防止することが可能となる。
【0143】
このため、優先順序決定処理では、3次元画像41及び42それぞれの視差量との対応がとれていない優先順序で合成された不自然な3次元画像が生成されることを防止できるので、鑑賞者において、視差量との対応がとれた違和感のない3次元画像を鑑賞することが可能となる。
【0144】
また、優先順序決定処理では、ユーザは、操作卓21を用いて、合成する3次元画像41及び42を選択するだけで、3次元画像41及び42それぞれの視差量に対応した優先順序で、3次元画像41及び42が合成されることとなる。
【0145】
このため、例えば、視差量に対応した優先順序で合成できるように、ユーザが、操作卓21を用いて、合成する順序、又は3次元画像の視差量を調整する必要がある場合と比較して、ユーザによる操作を少なくすることができ、操作卓21を用いたユーザによる操作の煩わしさを低減することが可能となる。
【0146】
第1の実施の形態では、優先順序決定部87が、3次元画像41及び42の視差量を計測し、その計測結果に基づいて、優先順序を決定するようにしたが、図9に示される画像合成装置22のように、例えば、左眼用スイッチャ182に、優先順序決定部87と同様の機能を有する優先順序決定部87a乃至87dを設けるように構成することができる。
【0147】
[画像合成装置22の他の構成例]
次に、図9は、画像合成装置22の他の構成例を示している。
【0148】
図9の画像合成装置22は、制御部181、左眼用スイッチャ182、及び右眼用スイッチャ183により構成されている。
【0149】
制御部181は、操作卓21からの操作信号に基づいて、左眼用スイッチャ182及び右眼用スイッチャ183を制御する。
【0150】
左眼用スイッチャ182は、優先順序決定部87と同様に構成される優先順序決定部87a乃至87dが新たに設けられた画像合成部112により構成される。なお、優先順序決定部87a乃至87dは相互に制御用の通信路で接続され、また制御部181と制御用の通信路で接続されており、さらに右眼用スイッチャ183の同一要素とも制御用の通信路で接続されており、全体で連携して動作する。
【0151】
左眼用スイッチャ182には、複数の3次元画像それぞれに対応する左眼用2次元画像として、入力ラインL1乃至L9それぞれから左眼用2次元画像が供給される。
【0152】
なお、左眼用スイッチャ182の画像合成部112において、図6の画像合成部112と同様に構成されている部分については同一の番号を付しているため、それらの説明は適宜省略する。
【0153】
クロスポイントスイッチ151aは、入力ラインL1乃至L9それぞれから供給される左眼用2次元画像のうち、例えば、ユーザの選択操作により選択された3次元画像41に対応する左眼用2次元画像を選択し、バスライン152aを介して、優先順序決定部87aに供給する。
【0154】
また、クロスポイントスイッチ151cは、入力ラインL1乃至L9それぞれから供給される左眼用2次元画像のうち、例えば、ユーザの選択操作により選択された3次元画像42に対応する左眼用2次元画像を選択し、バスライン152cを介して、優先順序決定部87bに供給する。
【0155】
優先順序決定部87aは、右眼用スイッチャ183中の同一部分と通信し連携処理して、バスライン152aからの、3次元画像41に対応する左眼用2次元画像と、右眼用スイッチャ183から制御部181を介して供給される、3次元画像41に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像41として処理に使用する。
【0156】
また、優先順序決定部87bは、右眼用スイッチャ183中の同一部分と通信し連携処理して、バスライン152cからの、3次元画像42に対応する左眼用2次元画像と、右眼用スイッチャ183から制御部181を介して供給される、3次元画像42に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像42として処理に使用する。
【0157】
そして、優先順序決定部87a及び87bは、取得した3次元画像41及び3次元画像42に基づいて、優先順序決定部87と同様にして、優先順序を決定する。優先順序決定部87aは、決定した優先順序を、取得した3次元画像41及び42それぞれに対応する左眼用2次元画像とともに、キー信号処理部153a及び153bに供給する。
【0158】
これにより、上述のように、キー信号処理部153a,153b、及び合成処理部155において、3次元画像41及び42を合成する処理が行なわれ、左眼用スイッチャ182から、合成後の左眼用2次元画像が出力される。
【0159】
また、優先順序決定部87a及び87bは、決定した優先順序を、制御部181を介して右眼用スイッチャ183と共有する。
【0160】
なお、優先順序決定部87c及び87dは、優先順序決定部87aと同様に構成されており、3枚以上の3次元画像を合成する場合に、例えば、優先順序決定部87a乃至87dそれぞれが、3枚以上の3次元画像の視差量を相互にやりとりすることで、優先順序を決定することとなる。
【0161】
右眼用スイッチャ183は、優先順序決定部87aと、制御部181を介して共有する優先順序で、3次元画像41及び42それぞれに対応する右眼用2次元画像を合成し、合成後の右眼用2次元画像を出力する。
【0162】
図9の画像合成装置22では、例えば図5の画像合成装置22と比較して、SDI端子83乃至SDI端子86、優先順序決定部87、及びSDI端子88乃至SDI端子91を省略することができる。
【0163】
また、第1の実施の形態では、ユーザが、合成する3次元画像41及び42を選択したことに対応して、画像合成装置22が、合成する3次元画像41及び42の優先順序(合成の前後関係)を決定するようにしたが、運用中の状況に応じて、優先順序は、ユーザが、操作卓21を用いて指定した優先順序を適用するように構成することができる。
【0164】
[操作卓21の上面図]
次に、図10は、ユーザが、優先順序を指定する場合に用いられる操作卓21の一例を示している。
【0165】
操作卓21は、「PRIOR SET」ボタン191、「KEY PRIOR」ボタン192、「BKGD」ボタン193、「KEY1」ボタン194、「KEY2」ボタン195、「KEY3」ボタン196、「KEY4」ボタン197、優先順序表示部198、及びフェーダ変更レバー199、その他、画像合成装置22を制御するために操作される複数のボタンにより構成される。
【0166】
以下の説明では、ユーザが、優先順序を指定する際に操作される「PRIOR SET」ボタン191乃至「KEY4」ボタン197、及び優先順序表示部198についてのみ説明し、それ以外のボタンについての説明は省略する。
【0167】
なお、フェーダ変更レバー199は、後述する第3の実施の形態において、フェーダ値を変更する際に操作される。フェーダ変更レバー199及びフェーダ値については、第3の実施の形態において説明する。
【0168】
「PRIOR SET」ボタン191は、優先順序を指定する際に操作される。すなわち、例えば、「PRIOR SET」ボタン191が押下されている間、「KEY PRIOR」ボタン192乃至「KEY4」ボタン197は、優先順序を指定するためのボタンとして機能する。
【0169】
「KEY PRIOR」ボタン192は、操作卓21が「KEY PRIOR」ボタン192を操作可能なモードに設定されている場合にオン状態又はオフ状態のいずれかの状態とされる。また、「KEY PRIOR」ボタン192は、オン状態である場合に点灯し、オフ状態である場合に消灯する。なお、「KEY PRIOR」ボタン192には、LED(light emitting diode)等が内蔵されており、オン又はオフ状態のいずれかの状態に応じて、点灯又は消灯する。
【0170】
また、例えば、「KEY PRIOR」ボタン192は、オン状態又はオフ状態のいずれかの状態に応じて、優先順序を設定する対象を指定する。
【0171】
すなわち、例えば、「KEY PRIOR」ボタン192がオフ状態とされて消灯しているときに、currentモードにおける優先順序を設定の対象として指定し、「KEY PRIOR」ボタン192がオン状態とされて点灯しているときに、nextモードにおける優先順序を設定の対象として指定する。
【0172】
なお、currentモードとは、現在、操作卓21に設定されているモードを表し、nextモードとは、ユーザの遷移操作に応じて、currentモードから遷移されるモードを表す。画像合成装置22は、操作卓21に設定されているモードにおける優先順序で、3次元画像を合成する。
【0173】
「BKGD」ボタン193は、nextモードにおける優先順序が設定の対象とされている場合に、ユーザにより操作されることに対応して、nextモードにおける優先順序を、currentモードにおける優先順序と同一の優先順序に設定する。
【0174】
ユーザは、「KEY1」ボタン194乃至「KEY4」ボタン197を操作することにより、「KEY PRIOR」ボタン192に応じて、設定の対象と指定されたモードの優先順序を設定する。
【0175】
「KEY1」ボタン194乃至「KEY4」ボタン197には、それぞれ、合成する3次元画像が対応付けられている。「KEY1」ボタン194乃至「KEY4」ボタン197は、それぞれ、対応する3次元画像の優先順序を設定する場合に操作される。
【0176】
すなわち、例えば、「KEY1」ボタン194が押下された場合、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像の優先順序が1番となり、「KEY2」ボタン195乃至「KEY4」ボタン197それぞれに対応する3次元画像の優先順序は、「KEY1」ボタン194が押下される前の順序を保つように変更される。
【0177】
優先順序表示部198は、「KEY1」ボタン194の状態を表すKEY1表示領域198a、「KEY2」ボタン195の状態を表すKEY2表示領域198b、「KEY3」ボタン196の状態を表すKEY3表示領域198c、及び「KEY4」ボタン197の状態を表すKEY4表示領域198dにより構成される。
【0178】
KEY1表示領域198aは、「KEY1」ボタン194がオン又はオフのいずれかの状態であるかを表示するとともに、「KEY1」ボタン194に対応付けられている3次元画像の優先順序を表示する。また、KEY2表示領域198b乃至KEY4表示領域198dは、KEY1表示領域198aと同様に構成されているため、それらの説明は省略する。
【0179】
なお、「KEY PRIOR」ボタン192は、「PRIOR SET」ボタン191が押下されていない場合、currentモードにおける優先順序、又はnextモードにおける優先順序の一方を表示させるときに操作される。
【0180】
すなわち、例えば「KEY PRIOR」ボタン192がオフ状態とされて消灯している場合、優先順序表示部198のKEY1表示領域198a乃至198dそれぞれにおいて、currentモードにおける優先順序として、番号「1」,「2」,「3」,「4」のうち、対応する番号が点灯する。
【0181】
また、例えば、「KEY PRIOR」ボタン192がオン状態とされて点灯している場合、優先順序表示部198のKEY1表示領域198a乃至198dそれぞれにおいて、nextモードにおける優先順序が表示される。
【0182】
具体的には、例えば、優先順序表示部198のKEY1表示領域198a乃至198dそれぞれにおいて、currentモードにおける優先順序と、nextモードにおける優先順序とで同一の優先順序となる部分(番号「1」,「2」,「3」,「4」)については点灯表示され、異なる優先順序となる部分については点滅表示される。
【0183】
このように、ユーザは、操作卓21を用いて、合成する3次元画像の優先順序を指定することができる。
【0184】
[操作卓21による遷移例]
次に、図11は、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、合成する3次元画像の優先順序を指定する場合における「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195の状態を示している。
【0185】
なお、図11では、説明を簡単にするために、ユーザは、「KEY1」ボタン194乃至「KEY4」ボタン197のうち、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195のみをオン状態又はオフ状態とするように操作するものとする。
【0186】
そして、図11では、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195それぞれの優先順序、つまり、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像、及び「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像のうち、いずれの3次元画像を手前に表示させるようにして合成するかを変更するものとする。
【0187】
「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195は、オン又はオフのいずれかの状態とされ、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195の状態に応じて、状態1乃至状態4のいずれかの状態とされる。
【0188】
これに対応して、制御部81は、操作卓21から供給される操作信号に基づいて、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195の状態に応じて、左眼用スイッチャ82、優先順序決定部87、及び右眼用スイッチャ92を制御する。
【0189】
具体的には、例えば、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195がいずれもオン状態である場合、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が手前に表示されるように、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195それぞれに対応する3次元画像どうしが合成される状態1とされる。
【0190】
状態1において、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が手前に表示されるように、優先順序を変更するユーザ操作に対応する操作信号は無視(又は破棄)される。すなわち、制御部81は、操作卓21からの、優先順序を変更するユーザ操作に対応する操作信号を無視して、そのユーザ操作は行われなかったものとして取り扱う。
【0191】
また、状態1において、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を合成対象から除外するために、「KEY1」ボタン194をオフ状態とするKEY1オフ操作が行われた場合、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が手前に表示される状態2に遷移する。
【0192】
状態1から状態2に遷移する場合、制御部81は、優先順序決定部87の順序決定部172を制御し、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で、優先順序を決定させる。いまの場合、順序決定部172は、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像の優先順序を1番に決定するものとなる。そして、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92では、順序決定部172が決定した優先順序に従って、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で合成が行なわれる。
【0193】
なお、例えば、「KEY3」ボタン196、及び「KEY4」ボタン197がオン状態とされている場合には、順序決定部172は、制御部81からの制御に従って、KEY1オフ操作が行われる前の優先順序を維持するように、「KEY3」ボタン196に対応する3次元画像の優先順序、及び「KEY4」ボタン197に対応する3次元画像の優先順序を、新たに決定することとなる。
【0194】
このことは、以下の説明において、「KEY1」ボタン194や「KEY2」ボタン195のオンオフに応じて、順序決定部172により、優先順序が新たに決定される場合についても同様である。
【0195】
状態2において、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を新たに合成対象として追加するとともに、その優先順序を例えば1番とするために、「KEY1」ボタン194をオン状態とするKEY1オン操作が行われた場合、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が手前に表示されても問題がない(視差量に応じた優先順序となる)ときには、KEY1オン操作に応じて、「KEY1」ボタン194をオン状態とし、状態2から状態1に遷移する。
【0196】
この場合、制御部81は、優先順序決定部87の順序決定部172を制御し、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が新たに合成対象として追加された状態で、優先順序を決定させる。
【0197】
なお、状態2において、順序決定部172が決定した、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像の優先順序が、1番とならない場合、すなわち、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が手前に表示されると問題がある(視差量に応じた優先順序にならない)ときには、KEY1オン操作は行われなかったものとして取り扱うようにし、状態1には遷移せず、状態2のままとされる。すなわち、制御部81は、操作卓21からのKEY1オン操作に対応する操作信号を無視して、KEY1オン操作に対応する制御を行わない。
【0198】
また、状態2において、優先順序を変更するための順序変更操作として、例えば、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を合成対象から除外するために、「KEY2」ボタン195をオフ状態とするKEY2オフ操作が行われ、KEY1オン操作が行われた場合、KEY2オフ操作及びKEY1オン操作に応じて、「KEY2」ボタン195をオフ状態とし、「KEY1」ボタン194をオン状態として、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が手前に表示される状態3に遷移する。
【0199】
状態2から状態3に遷移する場合、制御部81は、順序決定部172を制御し、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を合成対象から除外し、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が新たに合成対象として追加された状態で、優先順序を決定させる。いまの場合、順序決定部172は、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像の優先順序を1番に決定するものとなる。そして、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92では、順序決定部172が決定した優先順序に従って、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で合成が行なわれる。
【0200】
状態3において、順序変更操作として、例えば、KEY1オフ操作が行われ、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を新たに合成対象に追加するとともに、その優先順序を例えば1番とするために、「KEY2」ボタン195をオン状態とするKEY2オン操作が行われた場合、KEY1オフ操作及びKEY2オン操作に応じて、「KEY1」ボタン194をオフ状態とし、「KEY2」ボタン194をオン状態として、状態2に遷移する。
【0201】
状態3から状態2に遷移する場合、制御部81は、順序決定部172を制御し、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を合成対象から除外し、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が新たに合成対象として追加された状態で、優先順序を決定させる。いまの場合、順序決定部172は、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像の優先順序を1番に決定するものとなる。そして、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92では、順序決定部172が決定した優先順序に従って、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で合成が行なわれる。
【0202】
また、状態3において、KEY2オン操作が行われた場合、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が手前に表示されても問題がない(視差量に応じた優先順序となる)ときには、KEY2オン操作に応じて、「KEY2」ボタン195をオン状態とし、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が手前に表示されるように、「KEY1」ボタン194及び「KEY2」ボタン195それぞれに対応する3次元画像どうしが合成される状態4に遷移する。
【0203】
この場合、制御部81は、順序決定部172を制御し、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が新たに合成対象として追加された状態で、優先順序を決定させる。
【0204】
なお、状態3において、順序決定部172が決定した、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像の優先順序が、1番とならない場合、すなわち、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像が手前に表示されると問題がある(視差量に応じた優先順序にならない)ときには、KEY2オン操作は行われなかったものとして取り扱うようにし、状態4には遷移せずに、状態3のままとされる。すなわち、制御部81は、操作卓21からのKEY2オン操作に対応する操作信号を無視して、KEY2オン操作に対応する制御を行わない。
【0205】
状態4において、KEY2オフ操作が行われた場合、状態3に遷移する。状態4から状態3に遷移する場合、制御部81は、順序決定部172を制御し、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で、優先順序を決定させる。いまの場合、順序決定部172は、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像の優先順序を1番に決定するものとなる。そして、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92では、順序決定部172が決定した優先順序に従って、「KEY2」ボタン195に対応する3次元画像を合成対象から除外した状態で合成が行なわれる。
【0206】
また、状態4において、「KEY1」ボタン194に対応する3次元画像が手前に表示されるように、優先順序を変更するユーザ操作に対応する操作信号は無視される。すなわち、制御部81は、操作卓21からの、優先順序を変更するユーザ操作に対応する操作信号を無視して、そのユーザ操作は行われなかったものとして取り扱う。
【0207】
第1の実施の形態では、図11を参照して行なった説明において、優先順序を変更するユーザ操作が行われた場合、そのユーザ操作に対応する優先順序が、視差量に対応する優先順序とは異なるときには、ユーザの操作は行われなかったものとして取り扱うようにしたが、その際に、例えば、ユーザ操作に対応する優先順序が、視差量に対応する優先順序とは異なる旨の警告を表示したり、その旨の警告を示す警告音を出力するようにしてもよい。
【0208】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態として、ユーザにより指定された優先順序に対応する視差量となるように、合成する3次元画像の視差量を調整し、調整後の3次元画像を合成する場合の画像合成装置211について説明する。
【0209】
[操作卓21及び画像合成装置211による構成]
図12は、第2の実施の形態である、操作卓21からの操作信号に応じて3次元画像を合成する画像合成装置211の構成例を示している。
【0210】
なお、操作卓21は、第1の実施の形態の操作卓21と同様に構成されていることから、同一の番号を付しており、その説明は省略している。
【0211】
画像合成装置211は、操作卓21からの操作信号に基づいて、供給される複数の3次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された3次元画像どうしを、ユーザにより指定された優先順序で合成する。
【0212】
次に、図13は、画像合成装置211が行う処理の概要を示している。
【0213】
図13A下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの一方の3次元画像231が示されている。この3次元画像231には、物体231aが表示されている。図13A上側には、物体231aを上から見た様子が示されている。
【0214】
図13B下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの他方の3次元画像232が示されている。この3次元画像232には、物体232aが表示されている。図13B上側には、物体232aを上から見た様子が示されている。
【0215】
図13C下側には、3次元画像231及び3次元画像232を合成した場合に得られる3次元画像233の一例が示されている。また、図13C上側には、3次元画像233上の物体231a及び232aの奥行きzが示されている。
【0216】
操作卓21は、ユーザが、合成する3次元画像として、3次元画像231及び232を選択する選択操作を、操作卓21を用いて行ったことに応じて、ユーザの選択操作に対応する操作信号を生成し、画像合成装置211に供給する。
【0217】
この場合、画像合成装置211は、操作卓21からの操作信号に応じて、供給される複数の3次元画像のうち、ユーザの選択操作より選択された3次元画像231及び232を選択する。
【0218】
また、操作卓21は、ユーザが、操作卓21を用いて、優先順序を指定する指定操作を行ったことに応じて、ユーザの指定操作に対応する操作信号を生成し、画像合成装置211に供給する。
【0219】
画像合成装置211は、操作卓21からの操作信号に応じて、ユーザにより指定された優先順序で、3次元画像231及び232を合成できるように、3次元画像231の視差量、及び3次元画像232の視差量を、ユーザにより指定された優先順序に対応する視差量に調整する。
【0220】
いまの場合、例えば、ユーザが、3次元画像231の優先順序を2番に、3次元画像232の優先順序を1番に指定した場合、画像合成装置211は、図13C上側に示されるように、3次元画像232上の物体232aにおける奥行きzが、3次元画像231上の物体231aにおける奥行きzよりも小さくなるように、3次元画像231及び232それぞれの視差量を調整する。
【0221】
そして、画像合成装置211は、視差量が調整された3次元画像231及び232を、ユーザにより指定された優先順序で合成することにより、図13C下側に示されるような3次元画像233を生成して出力する。
【0222】
[画像合成装置211の詳細]
次に、図14は、画像合成装置211の構成例を示している。
【0223】
なお、この画像合成装置211は、第1の実施の形態における図5の画像合成装置22と同様に構成される部分については同一の符号を付しているため、以下においてその説明は適宜省略する。
【0224】
すなわち、画像合成装置211は、制御部81及び優先順序決定部87に代えて、制御部251及び調整部252が設けられている他は、図5の画像合成装置22と同様に構成されている。
【0225】
制御部251は、操作卓21からの操作信号に基づいて、左眼用スイッチャ82、調整部252、及び右眼用スイッチャ92を制御する。
【0226】
また、制御部251は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザが指定した優先順序を表す制御信号を、調整部252に供給する。
【0227】
調整部252は、SDI端子83からの、3次元画像231に対応する左眼用2次元画像と、SDI端子88からの、3次元画像231に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像231として取得する。
【0228】
また、調整部252は、SDI端子84からの、3次元画像232に対応する左眼用2次元画像と、SDI端子89からの、3次元画像232に対応する右眼用2次元画像との組合せを、3次元画像232として取得する。
【0229】
そして、調整部252は、優先順序決定部87と同様にして、取得した3次元画像231に基づいて、3次元画像231の視差量を計測するとともに、取得した3次元画像232に基づいて、3次元画像232の視差量を計測する。
【0230】
調整部252は、計測した3次元画像231及び232それぞれの視差量が、ユーザの指定操作により指定された優先順序に対応する視差量となるように、3次元画像231及び232それぞれの視差量を調整する。
【0231】
調整部252は、調整後の3次元画像231に対応する左眼用2次元画像、及びユーザの指定操作により指定された優先順序を、SDI端子85に供給する。また、調整部252は、調整後の3次元画像232に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0232】
さらに、調整部252は、調整後の3次元画像231に対応する右眼用2次元画像、及びユーザの指定操作により指定された優先順序を、SDI端子90に供給する。また、調整部252は、調整後の3次元画像232に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0233】
[調整部252の構成例]
次に、図15は、調整部252の構成例を示している。
【0234】
この調整部252は、順序取得部271、視差量計測部272、調整量算出部273、及び視差量調整部274により構成される。
【0235】
順序取得部271には、制御部251からの制御信号として、ユーザの指定操作より指定された優先順序を表す制御信号が供給される。順序取得部271は、制御部251からの制御信号に基づいて、ユーザにより指定された優先順序を取得し、調整量算出部273及び視差量調整部274に供給する。
【0236】
視差量計測部272は、SDI端子83からの左眼用2次元画像、及びSDI端子88からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像231として取得する。さらに、視差量計測部272は、SDI端子84からの左眼用2次元画像、及びSDI端子89からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像232として取得する。
【0237】
そして、視差量計測部272は、視差量計測部171と同様にして、取得した3次元画像231及び232に基づいて、3次元画像231及び232それぞれの視差量を計測し、調整量算出部273に供給する。
【0238】
また、視差量計測部272は、取得した3次元画像231及び232を、視差量調整部274に供給する。
【0239】
調整量算出部273は、調整量計測部272からの、3次元画像231及び232それぞれの視差量に基づいて、その視差量に対応する優先順序を算出する。
【0240】
そして、調整量算出部273は、算出した、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致するか否かを判定する。
【0241】
調整量算出部273は、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致しないと判定した場合、3次元画像231及び232それぞれの視差量を、順序取得部271からの優先順序に対応する視差量に調整するための調整量を算出する。
【0242】
すなわち、例えば、調整量算出部273は、順序取得部271からの優先順序、並びに、視差量計測部272からの3次元画像231及び232それぞれの視差量に基づいて、3次元画像231及び232それぞれに対する調整量を算出する。そして、調整量算出部273は、算出した調整量を視差量調整部274に供給する。
【0243】
また、調整量算出部273は、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致すると判定した場合、その旨を視差量調整部274に通知する。
【0244】
視差量調整部274は、調整量算出部273から、調整量が供給された場合、供給された調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像231及び232の視差量を調整する。
【0245】
すなわち、例えば、視差量調整部274は、調整量算出部273からの、3次元画像231の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像231の視差量を調整する。また、例えば、視差量調整部274は、調整量算出部273からの、3次元画像232の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像232の視差量を調整する。
【0246】
視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する左眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0247】
また、視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する右眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子90に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0248】
なお、視差量調整部274は、調整量算出部273から、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致する旨の通知が供給された場合、視差量計測部272からの3次元画像231及び232それぞれの視差量の調整を行なわずに、左眼用2次元画像を、SDI端子85及び86に供給するとともに、右眼用2次元画像を、SDI端子90及び91に供給する。また、視差量調整部274は、順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85及び90に供給する。
【0249】
[画像合成装置211の動作説明]
次に、図16のフローチャートを参照して、画像合成装置211が行う第1の視差量調整処理について説明する。
【0250】
この第1の視差量調整処理は、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、画像合成装置211に供給される複数の3次元画像のうち、合成する3次元画像231及び232を選択する選択操作を行ったときに開始される。このことは、後述する第2及び第3の視差量調整処理についても同様である。
【0251】
このとき、制御部251には、ユーザの選択操作に対応する操作信号が、操作卓21から供給される。そして、制御部251は、操作卓21からの操作信号に応じて、左眼用スイッチャ82及び右眼用スイッチャ92を制御する。そして、ステップS31において、図8のステップS1と同様の処理が行なわれる。
【0252】
また、ユーザが、操作卓21を用いて、3次元画像231及び232それぞれの優先順序を指定する指定操作を行ったときに、操作卓21は、ユーザの指定操作に対応する操作信号を生成し、制御部251に供給し、処理はステップS32に進められる。
【0253】
ステップS32において、制御部251は、操作卓21からの操作信号に応じて、ユーザの指定操作により指定された優先順序を表す制御信号を、順序取得部271に供給する。
【0254】
順序取得部271は、制御部251からの制御信号に基づいて、ユーザにより指定された優先順序を取得し、調整量算出部273及び視差量調整部274に供給する。
【0255】
ステップS33において、視差量計測部272は、SDI端子83からの左眼用2次元画像、及びSDI端子88からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像231として取得する。また、視差量計測部272は、SDI端子84からの左眼用2次元画像、及びSDI端子89からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像232として取得する。
【0256】
そして、視差量計測部272は、視差量計測部171と同様にして、取得した3次元画像231及び232に基づいて、3次元画像231及び232それぞれの視差量を計測し、調整量算出部273に供給する。
【0257】
また、視差量計測部272は、取得した3次元画像231及び232を、視差量調整部274に供給する。
【0258】
ステップS34において、調整量算出部273は、視差量計測部272からの、3次元画像231及び232それぞれの視差量に基づいて、その視差量に対応する優先順序を算出する。
【0259】
すなわち、例えば、調整量算出部273は、3次元画像231の視差量に対応する奥行きzの平均値と、3次元画像232の視差量に対応する奥行きzの平均値とを比較し、奥行きzの平均値が小さい順序を、視差量に対応する優先順序として算出する。なお、調整量算出部273は、奥行きzの平均値ではなく、奥行きzの中央値に基づいて、視差量に対応する優先順序を算出するようにしてもよい。
【0260】
ステップS35において、調整量算出部273は、算出した、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致するか否かを判定し、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致しないと判定した場合、処理をステップS36に進める。
【0261】
ステップS36において、調整量算出部273は、視差量計測部272からの、3次元画像231及び232それぞれの視差量、並びに順序取得部271からの優先順序に基づいて、3次元画像231及び232それぞれに対する調整量を算出し、視差量調整部274に供給する。
【0262】
ステップS37において、視差量調整部274は、調整量算出部273からの、3次元画像231の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像231の視差量を調整する。また、視差量調整部274は、調整量算出部273からの、3次元画像232の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像232の視差量を調整する。
【0263】
そして、視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する左眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0264】
また、視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する右眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子90に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給して、処理をステップS38に進める。
【0265】
なお、ステップS35において、調整量算出部273は、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致すると判定した場合、その旨を視差量調整部274に通知する。
【0266】
視差量調整部274は、調整量算出部273から、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致する旨が通知されたことに対応して、視差量計測部272からの3次元画像231及び232において、左眼用2次元画像を、SDI端子85及び86に供給するとともに、右眼用2次元画像を、SDI端子90及び91に供給する。
【0267】
さらに、視差量調整部274は、順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85及び90に供給して、処理をステップS38に進める。
【0268】
ステップS38では、SDI端子85は、視差量調整部274からの左眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子86は、視差量調整部274からの左眼用2次元画像を、それぞれ左眼用スイッチャ82に供給する。
【0269】
SDI端子90は、視差量調整部274からの右眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子91は、視差量調整部274からの右眼用2次元画像を、それぞれ右眼用スイッチャ92に供給する。
【0270】
そして、ステップS38において、図8のステップS4と同様の処理が行なわれる。以上で第1の視差量調整処理は終了される。
【0271】
以上説明したように、第1の視差量調整処理によれば、画像合成装置211において、3次元画像231及び232それぞれの視差量が、ユーザの指定操作により指定された優先順序に対応する視差量とは異なる場合に、3次元画像231及び232それぞれの視差量を、ユーザの指定操作により指定された優先順序に対応する視差量となるように調整し、調整後の3次元画像231及び232を合成するようにした。
【0272】
このため、第1の視差量調整処理では、合成する3次元画像231及び232それぞれの視差量と対応がとれていない優先順序で、3次元画像231及び232が合成される事態を防止して、ユーザの所望する優先順序で、3次元画像231及び232を合成することが可能となる。
【0273】
次に、図17のフローチャートを参照して、画像合成装置211が行う第2の視差量調整処理について説明する。
【0274】
ステップS51乃至ステップS54において、図16のステップS31乃至ステップS34と同様の処理が行なわれる。
【0275】
ステップS55において、調整量算出部273は、図16のステップS35の場合と同様にして、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致するか否かを判定する。そして、調整量算出部273は、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致しないと判定した場合、処理をステップS56に進める。
【0276】
ステップS56において、調整量算出部273は、図16のステップS36の場合と同様にして、調整量を算出し、算出した調整量を、視差量調整部274に供給する。視差量調整部274は、調整量算出部273からの調整量を、内蔵するメモリに供給して記憶させる。
【0277】
なお、画像合成装置211において、第2の視差量調整処理が行なわれる場合、視差量調整部274には、図示せぬメモリが内蔵されているものとする。
【0278】
ステップS57において、視差量調整部274は、制御部251から、3次元画像231及び232の合成の開始を指示する合成指示信号を受信したか否かを判定し、合成指示信号を受信したと判定するまで、ステップS57の処理を繰り返し行なう。
【0279】
なお、ユーザが、操作卓21を用いて、3次元画像231及び232の合成の開始を指示する操作を行った場合、制御部251は、操作卓21からの操作信号に対応して、合成指示信号を、視差量調整部274に供給する。
【0280】
ステップS57において、視差量調整部274は、制御部251から、合成指示信号を受信したと判定した場合、処理をステップS58に進める。
【0281】
ステップS58において、視差量調整部274は、内蔵するメモリに記憶されている、3次元画像231の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像231の視差量を調整する。また、視差量調整部274は、内蔵するメモリに記憶されている、3次元画像232の調整量に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像232の視差量を調整する。なお、内蔵するメモリへの記憶を行わず、常に新しい視差量を受け取るように構成しても良い。
【0282】
そして、視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する左眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0283】
また、視差量調整部274は、視差量を調整後の3次元画像231に対応する右眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子90に供給し、視差量を調整後の3次元画像232に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給して、処理をステップS59に進める。
【0284】
そして、ステップS59では、図16のステップS38と同様の処理が行なわれる。
【0285】
なお、ステップS55において、調整量算出部273は、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致すると判定した場合、その旨を視差量調整部274に通知し、処理をステップS60に進める。
【0286】
ステップS60において、視差量調整部274は、制御部251から、合成指示信号を受信したか否かを判定し、合成指示信号を受信したと判定するまで、ステップS60の処理を繰り返し行なう。
【0287】
ステップS60において、視差量調整部274は、制御部251から、合成指示信号を受信したと判定した場合、視差量計測部272からの3次元画像231及び232について、左眼用2次元画像をSDI端子85及び86に供給し、右眼用2次元画像をSDI端子90及び91に供給する。
【0288】
さらに、視差量調整部274は、順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85及び90に供給して、処理をステップS59に進め、図16のステップS38と同様の処理が行なわれる。以上で第2の視差量調整処理は終了される。
【0289】
以上説明したように、第2の視差量調整処理によれば、画像合成装置211において、ユーザが指示するタイミングで、3次元画像231及び232を合成するようにしたので、ユーザの所望するタイミングで、3次元画像231及び232を合成することが可能となる。また、合成を行わない時点では視差の調整を行わず、そのままの画像を提供し、合成時には合成に合わせた視差にして提供することができる。
【0290】
次に、図18のフローチャートを参照して、画像合成装置211が行う第3の視差量調整処理について説明する。
【0291】
ステップS71乃至ステップS76において、図17のステップS51乃至図56と同様の処理が行なわれる。また、ステップS75において、処理がステップS82に進められた場合、ステップS82において、図17のステップS60と同様の処理が行なわれる。
【0292】
ステップS77において、視差量調整部274は、調整量算出部273からの調整量(内蔵するメモリに記憶されている)に基づいて、その調整量により調整後の視差量(3次元画像231又は232の視差量の少なくとも一方)が、予め決められた上限値を超えるものとなるか否かを判定し、調整量により調整後の視差量が、上限値を超えるものにはならないと判定した場合、処理をステップS78に進める。なお、内蔵するメモリへの記憶を行わず、常に新しい視差量を受け取るように構成しても良い。
【0293】
ステップS78乃至ステップS80において、図17のステップS57乃至ステップS59と同様の処理が行なわれる。
【0294】
また、ステップS77において、視差量調整部274は、調整量算出部273からの調整量により調整後の視差量が、上限値を超えるものとなると判定した場合、処理をステップS81に進める。
【0295】
ステップS81では、視差量調整部274は、ユーザの指定操作により指定された優先順序で合成することができない旨を表すエラーを、図示せぬモニタなどに出力させる。以上で、第3の視差量調整処理は終了される。
【0296】
以上説明したように、第3の視差量調整処理によれば、ステップS77において、視差量調整部274により、調整量算出部273からの調整量に基づいて調整される視差量が、上限値を超えるものとなると判定された場合、処理をステップS81に進め、ステップS81において、視差量調整部274は、ユーザの指定操作により指定された優先順序で合成することができない旨を表すエラーを、図示せぬモニタなどに出力させるようにしたので、予め決定されている上限値を超えて、視差量が調整されることを防止できる。
【0297】
この場合、視差量を大きく調整し過ぎたことに対応して、合成後の3次元画像が、鑑賞者にとって見にくい画像となることを防止することが可能となる。
【0298】
第2の実施の形態では、3次元画像231及び232それぞれの視差量を、直接、ユーザの指定操作により指定された優先順序に対応する視差量に調整するようにしたが、例えば、操作卓21のフェーダ変更レバー199が操作された操作量に対応して、視差量を、徐々に、優先順序に対応する視差量に調整するように構成することができる。
【0299】
次に、フェーダ変更レバー199に対する操作量に応じて、視差量を調整する第3の実施の形態について説明する。
【0300】
<3.第3の実施の形態>
[第3の実施の形態における処理の概要]
図19及び図20は、第3の実施の形態における処理の概要を説明するための図である。
【0301】
図19は、複数の3次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された3次元画像の一例を示している。
【0302】
図19A下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの一方の3次元画像291が示されている。この3次元画像291には、物体291aが表示されている。図13A上側には、物体231aを上から見た様子を示している。
【0303】
図19B下側には、ユーザが選択した2枚の3次元画像のうちの他方の3次元画像292が示されている。この3次元画像292には、物体292aが表示されている。図19B上側には、物体292aを上から見た様子を示している。
【0304】
ユーザは、操作卓21のフェーダ変更レバー199を用いて、フェーダ値を変更することにより、物体291aの奥行きzと、物体292aの奥行きzとを調整することができる。
【0305】
ここで、フェーダ値とは、視差量の調整の進行状況(進行比率)を表す値であり、フェーダ値が0[%]である場合には、視差量の調整が全く行なわれていないことを表しており、フェーダ値が100[%]である場合には、視差量が、優先順序に対応する視差量に完全に調整されたことを表している。
【0306】
図20は、ユーザが、フェーダ値を変更することに応じて、物体291aと物体292aとの奥行きzが調整される様子の一例を示している。
【0307】
図20A、図20B、及び図20Cには、それぞれ、フェーダ値が0[%]、50[%]、及び100[%]とされた場合に、3次元画像291及び292を合成して得られる3次元画像293が示されている。
【0308】
ユーザが、操作卓21のフェーダ変更レバー199を操作して、フェーダ値を0[%]に設定した場合、物体291aの奥行きzが物体292aの奥行きzよりも大きいときには、図20Aに示されるように、物体291aの奥行きzと、物体292aの奥行きzとは変更されず、物体292aが手前側に存在する3次元画像293が生成される。一方、物体291aの奥行きzが物体292aの奥行きzよりも大きくはないときには、視差を調整して、図20Aに示すような奥行きzの状態にする。
【0309】
また、ユーザが、操作卓21のフェーダ変更レバー199を操作して、フェーダ値を50[%]に設定した場合、図20Bに示されるように、各視差を調整することにより、物体292aの一部分が、物体291aに隠れたような3次元画像293が生成される。
【0310】
さらに、ユーザが、操作卓21のフェーダ変更レバー199を操作して、フェーダ値を100[%]に設定した場合、図20Cに示されるように、各視差を調整することにより、物体291aが手前側に存在する3次元画像293が生成される。
【0311】
[画像合成装置301の構成例]
図21は、第3の実施の形態である画像合成装置301の構成例を示している。
【0312】
なお、この画像合成装置301は、第2の実施の形態における図14の画像合成装置211と同様に構成される部分については同一の符号を付しているため、以下、それらの説明は適宜省略する。
【0313】
すなわち、画像合成装置301は、制御部251、調整部252、左眼用スイッチャ82、及び右眼用スイッチャ92それぞれに代えて、制御部311、フェーダ調整部312、左眼用スイッチャ313、及び右眼用スイッチャ314が設けられている他は、画像合成装置211と同様に構成されている。
【0314】
制御部311は、例えば、操作卓21からの操作信号に基づいて、フェーダ調整部312、左眼用スイッチャ313、及び右眼用スイッチャ314を制御する。
【0315】
なお、ユーザが、操作卓21のフェーダ変更レバー199を用いて、フェーダ値を変更するためのフェーダ値変更操作を行ったことに対応して、操作卓21は、ユーザのフェーダ値変更操作に対応する操作信号を生成し、制御部311に供給する。
【0316】
この場合、制御部311は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザのフェーダ値変更操作により変更されたフェーダ値を取得し、フェーダ調整部312に供給する。
【0317】
また、制御部311は、制御部251と同様にして、ユーザにより指定された優先順序を表す制御信号を、フェーダ調整部312に供給する。
【0318】
フェーダ調整部312は、SDI端子83からの左眼用2次元画像、及びSDI端子88からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像291として取得する。また、フェーダ調整部312は、SDI端子84からの左眼用2次元画像、及びSDI端子89からの右眼用2次元画像の組合せを、3次元画像292として取得する。
【0319】
フェーダ調整部312は、制御部311からの制御信号に基づいて、優先順序を取得し、取得した優先順序と、制御部311からのフェーダ値に基づいて、取得した3次元画像291及び292それぞれの視差量を調整する。
【0320】
左眼用スイッチャ313は、制御部311からの制御にしたがって、供給される複数の左眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像291及び292(図19)に対応する左眼用2次元画像それぞれを選択する。
【0321】
そして、左眼用スイッチャ313は、3次元画像291に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子83に供給し、3次元画像292に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子84に供給する。
【0322】
また、左眼用スイッチャ313は、SDI端子85から供給される優先順序で、SDI端子85からの左眼用2次元画像、及びSDI端子86からの左眼用2次元画像を合成し、フェーダ値に対応して合成された左眼用2次元画像を出力する。
【0323】
右眼用スイッチャ314は、制御部311からの制御にしたがって、供給される複数の右眼用2次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像291及び292(図19)に対応する右眼用2次元画像それぞれを選択する。
【0324】
そして、右眼用スイッチャ314は、3次元画像291に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子88に供給し、3次元画像292に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子89に供給する。
【0325】
また、右眼用スイッチャ314は、SDI端子90から供給される優先順序で、SDI端子90からの右眼用2次元画像、及びSDI端子91からの右眼用2次元画像を合成し、フェーダ値に対応して合成された右眼用2次元画像を出力する。
【0326】
[フェーダ調整部312の詳細]
次に、図22は、フェーダ調整部312の構成例を示している。
【0327】
なお、このフェーダ調整部312は、第2の実施の形態における図15の調整部252と同様に構成される部分については同一の符号を付しているため、以下において、その説明は適宜省略する。
【0328】
すなわち、フェーダ調整部312は、視差量調整部274に代えて、視差量調整部331が設けられている他は、調整部252と同様に構成されている。
【0329】
視差量調整部331には、順序取得部271から優先順序が、視差量計測部272から3次元画像291及び292が、調整量算出部273から、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致する旨の通知、又は調整量のいずれか一方が供給される他、制御部311からフェーダ値が供給される。
【0330】
視差量調整部331は、調整量算出部273から、調整量が供給される場合、調整量算出部273からの調整量と、制御部311からのフェーダ値とに基づいて、視差量計測部272からの3次元画像291及び292それぞれの視差量を、フェーダ値に応じた視差量となるように調整する。
【0331】
そして、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291に対応する左眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85に供給し、調整後の3次元画像292に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0332】
また、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291に対応する右眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子90に供給し、調整後の3次元画像292に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0333】
さらに、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、SDI端子85及び90に供給する。
【0334】
これにより、SDI端子85は、視差量調整部331から供給される、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、左眼用スイッチャ313に供給する。
【0335】
また、SDI端子90は、視差量調整部331から供給される、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、右眼用スイッチャ314に供給する。
【0336】
なお、視差量調整部331は、調整量算出部273から、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致する旨の通知が供給された場合、視差量調整部274と同様の処理を行なう。
【0337】
[左眼用スイッチャ313の構成例]
次に、図23は、左眼用スイッチャ313の構成例を示している。
【0338】
なお、右眼用スイッチャ314は、左眼用スイッチャ313と同様に構成されているため、左眼用スイッチャ313の構成についてのみ説明し、右眼用スイッチャ314の構成についての説明は省略する。
【0339】
左眼用スイッチャ313は、図6の左眼用スイッチャ82を構成する画像選択部111及び画像合成部112のうち、画像合成部112に代えて画像合成部351が設けられている他は、左眼用スイッチャ82と同様に構成されている。
【0340】
なお、図23では、図面が煩雑になるのを避けるために、左眼用スイッチャ82の画像選択部111と同様に構成される機能ブロック、画像合成部351のうち、左眼用スイッチャ82の画像合成部112と同様に構成される機能ブロックについては図示を省略している。
【0341】
すなわち、左眼用スイッチャ313における画像合成部351は、新たに奥行き比較部371及び乗算部372が設けられているとともに、合成処理部151に代えて合成処理部373が設けられている他は、左眼用スイッチャ82の画像合成部112と同様に構成される。
【0342】
左眼用スイッチャ313には、SDI端子85から、フェーダ値に応じて調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量が供給される。そして、SDI端子85からの3次元画像291の視差量は、キー信号処理部153aを介して、奥行き比較部371に、SDI端子85からの3次元画像292の視差量は、キー信号処理部153bを介して、奥行き比較部371に供給される。
【0343】
奥行き比較部371は、キー信号処理部153aからの、3次元画像291の視差量と、キー信号処理部153bからの、3次元画像292の視差量とに基づいて、3次元画像291上の物体291aの奥行きzと、3次元画像292上の物体292aの奥行きzとを比較する。なお、別の構成として、視差量を受け取らず、右眼用スイッチャの該当部分と連携して、ここで視差を算出するように構成しても良い。
【0344】
そして、奥行き比較部371は、その比較結果に基づいて、3次元画像292上の物体292aのうち、3次元画像291上の物体291aよりも手前に存在する部分(物体292aの奥行きzが、物体291aの奥行きzよりも小さくなる部分)に対応する領域を表すキー信号391を生成し、乗算部372に供給する。
【0345】
乗算部372には、奥行き比較部371からのキー信号391の他、キー信号処理部153bから、3次元画像292上の物体292aが存在する領域を表すキー信号392が供給される。
【0346】
乗算部372は、奥行き比較部371からのキー信号391と、キー信号処理部153bからのキー信号392とを乗算する。そして、乗算部372は、その乗算により得られる、3次元画像292上の物体292aのうち、3次元画像291上の物体291aよりも手前に存在する部分に対応する領域を表すキー信号393を、合成処理部373に供給する。
【0347】
合成処理部373には、乗算部372からのキー信号393が供給される他、キー信号処理部153aから、3次元画像291上の物体291aが存在する領域を表すキー信号394が供給される。また、合成処理部373には、キー信号処理部153aから、3次元画像291に対応する左眼用2次元画像、及び優先順序が、キー信号処理部153bから、3次元画像292に対応する左眼用2次元画像が、それぞれ供給される。
【0348】
合成処理部373は、キー信号処理部153aからの優先順序で、キー信号処理部153aからの左眼用2次元画像と、キー信号処理部153bからの左眼用2次元画像とを合成する。
【0349】
すなわち、例えば、3次元画像292の優先順序が1番で、3次元画像291の優先順序が2番である場合、合成処理部372は、3次元画像291に対応する左眼用2次元画像上の、キー信号処理部153aからのキー信号394が表す領域(物体291aが存在する領域)よりも、3次元画像292に対応する左眼用2次元画像上の、乗算部372からのキー信号393が表す領域(物体292aのうちの一部分が存在する領域)が手前になるように、3次元画像291及び292を合成する。
【0350】
なお、合成処理部373に、背景画像を表す背景画像信号が供給される場合、合成処理部373は、供給される背景画像信号に対応する背景画像を、背景として合成する。
【0351】
[奥行き比較部371乃至合成処理部373が行なう処理]
次に、図24は、奥行き比較部371乃至合成処理部373が行なう処理を示している。
【0352】
奥行き比較部371は、図24Aに示されるように、キー信号処理部153aからの、3次元画像291の視差量と、キー信号処理部153bからの、3次元画像292の視差量とに基づいて、3次元画像291上の物体291aと、3次元画像292上の物体292aとの奥行きzを比較する。
【0353】
そして、奥行き比較部371は、その比較結果に基づいて、3次元画像292上の物体292aのうち、3次元画像291上の物体291aよりも手前側に存在する部分292a'を検出し、部分292a'が存在する領域を表すキー信号391を生成して、乗算部372に供給する。
【0354】
乗算部372は、キー信号処理部153bからのキー信号392と、奥行き比較部371からのキー信号391とを乗算し、その乗算により得られる、部分292a'が存在する領域を表すキー信号393を、合成処理部373に供給する。
【0355】
合成処理部373は、乗算部372からのキー信号393に基づいて、物体292aのうち、物体291aよりも手前に表示させる部分292a'を判断する。そして、合成処理部373は、物体292aのうち、検出した部分292a'が、物体291aの手前に表示されるように、キー信号処理部153aからの左眼用2次元画像、及びキー信号処理部153bからの左眼用2次元画像を合成する。
【0356】
これにより、図24Bに示されるように、物体292aの一部分292a'と、物体291aの一部分291a'が表示された左眼用2次元画像293が生成されることとなる。
【0357】
そして、合成処理部373は、その合成により得られる、合成後の左眼用2次元画像を出力する。
【0358】
なお、合成処理部373は、乗算部372からのキー信号393を用いるようにしたが、乗算部372から出力されるキー信号393と、奥行き比較部371から出力されるキー信号391とは、キー信号の生成方法によっては同一のキー信号となるため、奥行き比較部371から出力されるキー信号391を、乗算部372からのキー信号393の代わりに用いるようにしてもよい。この場合、乗算部372を省略して、画像合成部351を構成することができる。
【0359】
[画像合成装置301の動作説明]
次に、図25のフローチャートを参照して、画像合成装置301が行うフェーダ調整処理について説明する。
【0360】
このフェーダ調整処理は、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、画像合成装置301に供給される複数の3次元画像のうち、合成する3次元画像291及び292を選択する選択操作を行ったときに開始される。
【0361】
このとき、制御部311には、ユーザの選択操作に応じた操作信号が、操作卓21から供給される。そして、制御部311は、操作卓21からの操作信号に応じて、左眼用スイッチャ313及び右眼用スイッチャ314を制御する。
【0362】
そして、ステップS101において、左眼用スイッチャ313は、制御部311からの制御にしたがって、左眼用スイッチャ82と同様にして、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像291及び292それぞれに対応する左眼用2次元画像を取得する。
【0363】
左眼用スイッチャ313は、取得した左眼用2次元画像のうち、一方の左眼用2次元画像を、SDI端子83に供給し、他方の左眼用2次元画像を、SDI端子84に供給する。SDI端子83及び84は、それぞれ、左眼用スイッチャ313からの左眼用2次元画像を、フェーダ調整部312の視差量計測部272に供給する。
【0364】
また、右眼用スイッチャ314は、制御部311からの制御にしたがって、左眼用スイッチャ313と同様にして、取得した右眼用2次元画像のうち、一方の右眼用2次元画像を、SDI端子88に供給し、他方の右眼用2次元画像を、SDI端子89に供給する。SDI端子88及び89は、それぞれ、右眼用スイッチャ314からの右眼用2次元画像を、視差量計測部272に供給する。
【0365】
ステップS102乃至ステップS104において、図16のステップS32乃至ステップS34と同様の処理が行なわれる。
【0366】
ステップS105において、調整量算出部273は、図16のステップS35の場合と同様にして、算出した、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致するか否かを判定し、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致しないと判定した場合、処理をステップS106に進める。
【0367】
ステップS106では、調整量算出部273は、図16のステップS36の場合と同様にして調整量を算出し、算出した調整量を、視差量調整部331に供給する。これに対応して、視差量調整部331は、調整量算出部273からの調整量を、図示せぬ内蔵のメモリに供給して記憶させる。
【0368】
ステップS107において、視差量調整部331は、制御部311からのフェーダ値が入力(供給)されたか否かを判定し、制御部311からフェーダ値が入力されたと判定するまで、ステップS107の処理を繰り返して行なう。
【0369】
ステップS107において、視差量調整部331は、制御部311からのフェーダ値が入力されたと判定した場合、処理をステップS108に進める。ステップS108において、視差量調整部331は、内蔵のメモリに記憶されている調整量と、制御部311からのフェーダ値に基づいて、視差量計測部272からの3次元画像291及び292それぞれの視差量を、制御部311からのフェーダ値に対応する視差量に調整する。なお、内蔵のメモリに記憶されている調整量を使用するのではなく、常に最新の調整量を算出してそれを使用する様な構成にしても良い。
【0370】
そして、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291に対応する左眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子85に供給し、調整後の3次元画像292に対応する左眼用2次元画像を、SDI端子86に供給する。
【0371】
また、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291に対応する右眼用2次元画像、及び順序取得部271からの優先順序を、SDI端子90に供給し、調整後の3次元画像292に対応する右眼用2次元画像を、SDI端子91に供給する。
【0372】
さらに、視差量調整部331は、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、SDI端子85及び90に供給する。
【0373】
ステップS109において、SDI端子85は、視差量調整部331からの左眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子86は、視差量調整部331からの左眼用2次元画像を、それぞれ左眼用スイッチャ313に供給する。
【0374】
また、SDI端子85は、視差量調整部331から供給される、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、左眼用スイッチャ313に供給する。
【0375】
SDI端子90は、視差量調整部331からの右眼用2次元画像及び優先順序を、SDI端子91は、視差量調整部331からの右眼用2次元画像を、それぞれ右眼用スイッチャ314に供給する。
【0376】
また、SDI端子90は、視差量調整部331から供給される、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量を、右眼用スイッチャ314に供給する。
【0377】
そして、ステップS109において、左眼用スイッチャ313は、SDI端子85からの、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量に基づいて生成したキー信号を用いて、SDI端子85からの左眼用2次元画像、SDI端子86からの左眼用2次元画像を、SDI端子85からの優先順序で、フェーダ値に応じて合成し、その結果得られる合成後の左眼用2次元画像を出力ラインに出力する。
【0378】
また、右眼用スイッチャ314は、左眼用スイッチャ313と同様にして、SDI端子90からの、調整後の3次元画像291及び292それぞれの視差量に基づいて生成したキー信号を用いて、SDI端子90からの右眼用2次元画像、SDI端子91からの右眼用2次元画像を、SDI端子90からの優先順序で、フェーダ値に応じて合成し、その結果得られる合成後の右眼用2次元画像を出力ラインに出力する。
【0379】
ステップS109の処理の終了後、処理は、ステップS107に戻り、それ以降同様の処理が行なわれる。
【0380】
なお、ステップS107乃至ステップS109の処理が繰り返し行なわれる場合、このフェーダ調整処理は、例えば、ユーザが操作卓21を用いて、フェーダ調整処理の終了を指示したときに終了される。
【0381】
また、ステップS105において、調整量算出部273は、算出した、視差量に対応する優先順序が、順序取得部271からの優先順序と一致すると判定した場合、その旨を、視差量調整部331に供給して、処理をステップS110に進める。
【0382】
ステップS110において、視差量調整部331は、図16のステップS35からステップS38に進んだ場合と同様の処理を行い、処理は終了される。
【0383】
以上説明したように、フェーダ調整処理では、ユーザが行うフェーダ値変更操作により変更されるフェーダ値に応じて、3次元画像291及び292を合成するようにしたので、ユーザは、所望のフェーダ値に応じて、3次元画像291及び292を合成した3次元画像293を生成することが可能となる。
【0384】
<4.変形例>
[左眼用スイッチャ313の他の構成例]
次に、図26は、左眼用スイッチャ313の画像合成部351の他の構成例を示している。
【0385】
なお、この画像合成部351は、図23の画像合成部351と同様に構成される部分については同一の符号を付しているため、以下、それらの説明は適宜省略する。
【0386】
すなわち、図26の画像合成部351は、奥行き比較部371及び合成処理部373に代えて、奥行き比較部431及び合成処理部433が設けられているとともに、新たに乗算部432が設けられている他は、図23の画像合成部351と同様に構成されている。
【0387】
奥行き比較部431には、キー信号処理部153aから、3次元画像291の視差量が、キー信号処理部153bから、3次元画像292の視差量が供給される。
【0388】
奥行き比較部431は、キー信号処理部153aからの、3次元画像291の視差量と、キー信号処理部153bからの、3次元画像292の視差量とに基づいて、3次元画像291上の物体291aと、3次元画像292上の物体292aとの奥行きzを比較する。
【0389】
そして、奥行き比較部431は、その比較結果に基づいて、3次元画像292上の物体292aのうち、3次元画像291上の物体291aよりも手前側に存在する部分292a'を検出し、部分292a'が存在する領域を表すキー信号391を生成して、乗算部372に供給する。
【0390】
また、奥行き比較部431は、その比較結果に基づいて、3次元画像291上の物体291aのうち、3次元画像292上の物体292aよりも手前側に存在する部分291a'を検出し、部分291a'が存在する領域を表すキー信号441を生成して、乗算部432に供給する。
【0391】
乗算部432には、奥行き比較部431からキー信号441の他、キー信号処理部153aからキー信号394が供給される。乗算部441は、奥行き比較部371からのキー信号441と、キー信号処理部153aからのキー信号394とを乗算し、その乗算により得られる、部分291a'が存在する領域を表すキー信号442を、合成処理部433に供給する。
【0392】
合成処理部433では、乗算部441からのキー信号442に基づいて、物体291aの一部分291a'を検出する。また、合成処理部433は、合成処理部373と同様にして、乗算部372からのキー信号393に基づいて、物体292aのうち、物体291aよりも手前に表示させる部分292a'を検出する。
【0393】
そして、合成処理部433は、物体291aのうち、検出した部分291a'が、物体292aの手前に表示されるとともに、物体292aのうち、検出した部分292a'が、物体291aの手前に表示されるように、キー信号処理部153aからの左眼用2次元画像、及びキー信号処理部153bからの左眼用2次元画像を合成する。
【0394】
なお、合成処理部433は、乗算部432からのキー信号442を用いるようにしたが、乗算部432から出力されるキー信号442と、奥行き比較部431から出力されるキー信号441とは、キー信号の生成方法によっては同一のキー信号となるため、奥行き比較部431から出力されるキー信号441を、乗算部432からのキー信号442の代わりに用いるようにしてもよい。この場合、乗算部432を省略して、画像合成部351を構成することができる。なお、乗算後の各キー信号を受け取る合成処理部433等では、各キー信号に基づいて画像への加工を行い、合成が見た目に美しく(Artifactを減らすように)処理されるように構成できる。
【0395】
第1乃至第3の実施の形態において、ユーザの選択操作により選択された2枚の3次元画像を合成することについて説明したが、合成する3次元画像の枚数は、2枚に限定されない。
【0396】
すなわち、例えば、図27及び図28に示されるように、合成する3次元画像の枚数を、4枚とすることができる。
【0397】
図27は、複数の3次元画像のうち、ユーザの選択操作により選択される4枚の3次元画像の一例を示している。
【0398】
図27A乃至図27Dにおいて、図中下側には、ユーザの選択操作により選択された4枚の3次元画像451乃至454が示されている。
【0399】
なお、3次元画像451には、物体451aが表示されており、3次元画像452には、物体452aが表示されている。また、3次元画像453には、物体453a及び453bが表示されており、3次元画像454には、物体454a及び454bが表示されている。
【0400】
また、図27A上側には、物体451aを上から見た様子が示されており、図27B上側には、物体452aを上から見た様子が示されている。さらに、図27C上側には、物体453a及び453bを上から見た様子が示されており、図27D上側には、物体454a及び454bを上から見た様子が示されている。
【0401】
図28は、4枚の3次元画像451乃至454を合成して得られる3次元画像456の一例を示している。
【0402】
図28上側には、合成により得られる3次元画像456上に表示される物体451a乃至454bの奥行きzを示している。すなわち、上から見た様子が示されている。物体451a乃至454bにおいて、図中上側に存在する物体ほど、奥行きzが大きなもの(遠くに見える)となっている。
【0403】
図28下側には、3次元画像456が示されている。この3次元画像456には、物体451a乃至454bそれぞれにおいて、最も手前に表示される各部分451a'乃至454b'が表示される。
【0404】
第1乃至第3のいずれの形態においても、図28に示されるように、3次元画像451乃至454を合成して得られる、合成後の3次元画像456を出力することが可能である。
【0405】
なお、第2及び第3の実施の形態において、3次元画像451乃至454の視差量が調整される場合には、図28上側に示されるように、3次元画像451乃至454の視差量が調整されることにより、視差量それぞれに対応する奥行きzの範囲R1乃至R4が変更される。
【0406】
すなわち、例えば、3次元画像451,452,453及び454の順序で、(奥から)優先順序が指定されている場合、優先順序の順に、奥行きzが大きくなるように、範囲R1乃至R4が変更される。そして、変更後の範囲R1乃至R4は、さらに、予め決められている幅に拡大(又は縮小)されることとなる。
【0407】
すなわち、例えば、優先順序に対応する視差量となるように、3次元画像451乃至454の視差量が調整されたことにより、3次元画像451乃至454の視差量それぞれに対応する奥行きzの範囲が、範囲R1乃至R4に変更された場合、変更後の範囲R1乃至R4を、予め決められた幅に拡大(又は縮小)する。
【0408】
変更後の範囲R1は、奥行きz11未満であって、奥行きz12以上の範囲である。また、変更後の範囲R2は、奥行きz21(=z12)未満であって、奥行きz22以上の範囲である。さらに、変更後の範囲R3は、奥行きz31(=z22)未満であって、奥行きz32以上の範囲である。また、変更後の範囲R4は、奥行きz41(z=32)未満であって、奥行きz42以上の範囲である。
【0409】
したがって、範囲R1の幅(大きさ)z1wは|z11-z12|となり、範囲R2の幅z2wは|z21-z22|となっている。また、範囲R3の幅z3wは|z31-z32|となり、範囲R4の幅z4wは|z41-z42|となっている。
【0410】
第2及び第3の実施の形態では、例えば、変更後の範囲R1乃至R4全体の範囲(幅|z11-z42|)を、奥行きzA未満であって奥行きzB以上の範囲(幅|zA-zB|)に拡大(又は縮小)する。
【0411】
すなわち、例えば、第2及び第3の実施の形態において、r=|zA-zB|/|z1w+z2w+z3w+z4w|を求め、拡大(又は縮小)前の範囲R1乃至R4の幅z1w乃至z4wにrを乗算する。これにより、拡大(又は縮小)後の範囲R1の幅z1v(=z1w×r)、拡大後の範囲R2の幅z2v(=z2w×r)、拡大後の範囲R3の幅z3v(=z3w×r)、及び拡大後の範囲R4の幅z1v(=z4w×r)が算出される。
【0412】
これにより、拡大後の範囲R1は、奥行きzB未満であって奥行き(zB+z1v)以上となり、拡大後の範囲R2は、奥行き(zB+z1v)未満であって奥行き(zB+z1v+z2v)以上となる。また、拡大後の範囲R3は、奥行き(zB+z1v+z2v)未満であって奥行き(zB+z1v+z2v+z3v)以上となり、拡大後の範囲R4は、奥行き(zB+z1v+z2v+z3v)未満であって奥行きzA以上となる。
【0413】
すなわち、例えば、拡大前の範囲R1(奥行きz11未満であって、奥行きz12以上の範囲)は、拡大後の範囲R1として、奥行きzB未満であって奥行き(zB+z1v)以上の範囲となるように写像される。このことは、範囲R2乃至R4についても同様である。なお、通常は画像の内容に対して、奥行きを縮小することは見る者に負担にならないが、拡大すると見る者の疲労などにつながる場合があり、一般には好ましくない。このため、縮小が必要になる場合のみ上記処理を施し、拡大が必要な場合(rが1よりも大きい場合)には、rを乗ずることは抑制させる方が好ましい結果になるので、rを乗ずるかどうかrの値で判断するように構成しても良い。
【0414】
また、図26の画像合成部351では、2枚の3次元画像それぞれに対応する左眼用2次元画像を合成するために、2枚の左眼用2次元画像それぞれについての合成に用いるキー信号を出力する2個の乗算部372及び432を設けるようにしているが、例えば、4枚の3次元画像それぞれに対応する左眼用2次元画像を合成するように構成することができる。
【0415】
すなわち、例えば、図29に示されるように、4枚の左眼用2次元画像それぞれについての合成に用いるキー信号を出力する4個の乗算部372,432,471、及び472を設けるようにすれば、4枚の左眼用画像を合成することができる。
【0416】
この場合、キー信号処理部153c及び乗算部471において、キー信号処理部153a及び乗算部432と同様の処理が行なわれる。このことは、キー信号処理部153d及び乗算部472についても同様である。
【0417】
なお、上述したように、第1の実施の形態では、図9に示されたように、左眼用スイッチャ182に、優先順序決定部87と同様の機能を有する優先順序決定部87a乃至87dを設けるようにして、画像合成装置22において、SDI端子83乃至SDI端子86、優先順序決定部87、及びSDI端子88乃至SDI端子91を省略するようにした。
【0418】
同様にして、第2の実施の形態においても、図30に示されるように、画像合成装置211の左眼用スイッチャ82に、調整部252と同様の機能を有する調整部252a乃至252dを設けるように構成すれば、図14の画像合成装置211に設けられている、SDI端子83乃至SDI端子86、調整部252、及びSDI端子88乃至SDI端子91を省略できるようになる。このことは、第3の実施の形態についても同様である。この場合、調整部252が、右眼用スイッチャの該当部分と通信して連携して動作することも同様である。なお、図30のVideoProc154a乃至154cと合成処理部155との間に、調整部を更に設け、背景用の画像とキー画像として合成する画像との奥行きの関係も、上記と同様に処理するようにしても良い。通常、背景用の画像は最も奥に配置されるという概念であるので、それと一致するように調整されるようにするのが好ましい。
【0419】
また、第2の実施の形態では、図30の画像合成装置211において、図31に示されるように、画像合成部111に、新たに、キー信号処理部153a乃至153dと同様の機能を有するキー信号処理部153a'乃至153d'とともに、合成処理部155と同様の機能を有する合成処理部155'を設けるようにすることができる。
【0420】
そして、画像合成部111において、キー信号処理部153a'乃至153d'及び合成処理部155'により、合成された左眼用2次元画像を確認する際のプレビュー用の左眼用2次元画像を生成させるようにして、プレビュー用の左眼用2次元画像を出力するプレビュー出力ラインに出力させるように構成できる。
【0421】
この場合、プレビュー用に出力されて図示せぬ表示部に表示される合成後の左眼用2次元画像を、ユーザが適宜確認するようにして、ユーザが、プレビュー用に出力されて表示された合成後の左眼用2次元画像に満足した場合、キー信号処理部153a乃至153d及び合成処理部155により、最終的な合成後の左眼用2次元画像を生成させて、最終的な合成による合成結果として出力させるようにすることが可能となる。このことは、右眼用スイッチャ92についても同様である。
【0422】
なお、第1及び第3の実施の形態においても同様に、プレビュー用のキー信号処理部153a'乃至153d'及び合成処理部155'を新たに設けることにより、プレビュー用の左眼用2次元画像を生成することができるようになる。
【0423】
また、第1の実施の形態において、図7の優先順序決定部87は、視差量計測部171及び順序決定部172により構成するようにしたが、例えば、視差量計測部171を省略して順序決定部172のみにより構成することができる。
【0424】
すなわち、例えば、3次元画像41(を構成する左眼用2次元画像又は右眼用2次元画像の少なくとも一方)に、3次元画像41の視差量が含まれており、3次元画像42に、3次元画像42の視差量が含まれている場合には、順序決定部172は、視差量計測部171と同様にして、3次元画像41及び42を取得し、取得した3次元画像41及び42から、3次元画像41及び42それぞれの視差量を抽出することができる。
【0425】
そして、順序決定部172は、抽出した3次元画像41及び42それぞれの視差量に基づいて、優先順序を決定する等、図7の順序決定部172と同様の処理を行なうことができる。
【0426】
このことは、第2及び第3の実施の形態についても同様のことが言える。したがって、合成対象の3次元画像に、その3次元画像の視差量が含まれている場合には、視差量を計測することなく、3次元画像に含まれる視差量を抽出して取得できるようになるため、第2及び第3の実施の形態においても、視差量計測部272を省略することができる。又は、元々入力されるすべての3次元画像の視差の範囲は、準規格的に限定されているのが通常であるので、その全範囲を縮小して、合成するように構成しても良い。例えば、5つの画像を合成する場合、規格の視差の範囲を各画像で1/5に縮小して、それを合成すれば、合成された結果の3次元画像においても規格の視差の範囲に収まるようになる。
【0427】
また、第1乃至第3の実施の形態における画像合成装置としては、例えば、3次元画像どうしを合成したり、3次元画像に文字列等を合成(スーパーインポーズ)するコンピュータ等を採用することができる。その場合、文字列の画像は、コンピュータ・グラフィックス装置により生成された画像となり、その視差はあらかじめ指定したり、取得することが容易である。このため、第1乃至第3の実施の形態では入力された画像に対して視差を調整していたが、コンピュータ・グラフィックス装置に対してあらかじめ視差(z軸上の位置)を指定することで、同じ効果を得ることができる。
【0428】
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、いわゆる組み込み型のコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0429】
[コンピュータの構成例]
図32は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成例を示している。
【0430】
CPU(Central Processing Unit)531は、ROM(Read Only Memory)532、または記憶部538に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)533には、CPU531が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU531、ROM532、およびRAM533は、バス534により相互に接続されている。
【0431】
CPU531にはまた、バス534を介して入出力インタフェース535が接続されている。入出力インタフェース535には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部536、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部537が接続されている。CPU531は、入力部536から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU531は、処理の結果を出力部537に出力する。
【0432】
入出力インタフェース535に接続されている記憶部538は、例えばハードディスクからなり、CPU531が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部539は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0433】
また、通信部539を介してプログラムを取得し、記憶部538に記憶してもよい。
【0434】
入出力インタフェース535に接続されているドライブ540は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア541が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部538に転送され、記憶される。
【0435】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを記録する記録媒体は、図32に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(compact disc-read only memory),DVD(digital versatile disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(mini-disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア541、または、プログラムが一時的もしくは永続的に記録されるROM532や、記憶部538を構成するハードディスクなどにより構成される。記録媒体へのプログラムの記録は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部539を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0436】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0437】
また、本実施の形態は、上述した第1乃至第3の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0438】
21 操作卓, 22 画像合成装置, 81 制御部, 82 左眼用スイッチャ, 83乃至86 SDI端子, 87,87a乃至87d 優先順序決定部, 88乃至91 SDI端子, 92 右眼用スイッチャ, 111 画像選択部, 112 画像合成部, 131a及び131b クロスポイントスイッチ, 132a及び132b バスライン, 133a及び133b ビデオ信号処理部, 151a乃至151k クロスポイントスイッチ, 152a乃至152k バスライン, 153a乃至153d キー信号処理部, 154a乃至154c ビデオ信号処理部, 155 合成処理部, 171 視差量計測部, 172 順序決定部, 181 制御部, 182 左眼用スイッチャ, 183 右眼用スイッチャ, 211 画像合成装置, 251 制御部, 252,252a乃至252d 調整部, 271 順序取得部, 272 視差量計測部, 273 調整量算出部, 274 視差量調整部, 301 画像合成装置, 311 制御部, 312 フェーダ調整部, 313 左眼用スイッチャ, 314 右眼用スイッチャ, 331 視差量調整部, 351 画像合成部, 371 奥行き比較部, 372 乗算部, 373 合成処理部, 431 奥行き比較部, 432 乗算部, 433 合成処理部, 471及び472 乗算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択する画像選択手段と、
選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得する順序取得手段と、
前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整する視差量調整手段と、
前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する画像合成手段と
を含む画像合成装置。
【請求項2】
選択された前記3次元画像の元の視差量から、前記合成順序に対応する視差量に調整する際の進行状況を表すフェーダ情報を取得するフェーダ取得手段をさらに含み、
前記視差量調整手段は、前記フェーダ情報に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整し、
前記画像合成手段は、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像を合成する
請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項3】
前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像それぞれの視差量を比較して得られる比較結果に基づいて、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像上の全領域のうち、合成後の前記3次元画像として表示される領域を表す領域情報を生成する比較生成手段をさらに含み、
前記画像合成手段は、前記領域情報に基づいて、前記フェーダ情報に基づき調整された前記3次元画像を合成する
請求項2に記載の画像合成装置。
【請求項4】
前記順序取得手段は、ユーザにより前記合成順序を指定する指定操作が行われたことに対応して、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序を取得する
請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項5】
選択された前記3次元画像それぞれの視差量を計測する計測手段と、
前記合成順序に基づいて、計測された前記視差量を、前記合成順序に対応する視差量に調整するための調整量を算出する調整量算出手段と
をさらに含み、
前記視差量調整手段は、前記合成順序に基づき算出された前記調整量を用いて、前記視差量を調整する
請求項4に記載の画像合成装置。
【請求項6】
前記調整量を一時的に保持する調整量保持手段をさらに含み、
前記視差量調整手段は、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序で合成を行なうことを指示する指示操作が行われたことに対応して、前記調整量保持手段に保持されている前記調整量を用いて前記視差量を調整し、
前記画像合成手段は、前記ユーザの指定操作により指定された前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する
請求項5に記載の画像合成装置。
【請求項7】
前記視差量調整手段は、調整後の前記3次元画像の視差量が、予め決められた閾値未満となる場合のみ、選択された前記3次元画像の視差量についての調整を行なう
請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項8】
ユーザの確認のために表示されるプレビュー用確認画像として、前記画像合成手段の合成により得られる合成3次元画像を出力して表示させる第1の出力手段と、
前記合成3次元画像を、最終的な合成3次元画像として出力する第2の出力手段と
をさらに含む請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項9】
前記順序取得手段は、前記合成順序として、選択された前記3次元画像を合成した場合に手前側に表示される順序を取得する
請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項10】
複数の3次元画像を合成する画像合成装置の画像合成方法において、
前記画像合成装置は、
画像選択手段と、
順序取得手段と、
視差量調整手段と、
画像合成手段と
を含み、
前記画像選択手段が、複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択し、
前記順序取得手段が、選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得し、
前記視差量調整手段が、前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整し、
前記画像合成手段が、前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する
ステップを含む画像合成方法。
【請求項11】
コンピュータを、
複数の3次元画像のうち、2枚以上の3次元画像を選択する画像選択手段と、
選択された前記3次元画像それぞれを合成する際の順序を表す合成順序を取得する順序取得手段と、
前記合成順序に基づいて、選択された前記3次元画像の視差量を調整する視差量調整手段と、
前記合成順序に従って、調整後の前記3次元画像を合成する画像合成手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−221690(P2011−221690A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88465(P2010−88465)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】