説明

画像変換出力システム、画像変換出力サーバ、画像ハンドリング方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】 データベース内の画像データに対して、Web用データへの変換の際、クリッピングパスでの外接矩形で画像をトリミングする機能を付加した切り抜き機能を可能とする画像変換出力システム等を提供する。
【解決手段】 サーバは、画像変換出力を行う際、商品情報データベースから検索、取得した少なくとも1つの出力対象の画像データから、クリッピングパス情報を取得し、クリッピングパス情報をベクトルデータに変換し、ベクトルデータからマスクデータを作成する。作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得し、マスクデータと画像データのマスク合成を行い、取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用した、データベースにて画像データ、商品情報等を記憶、管理するデータベース内の画像データの画像変換出力を行う画像変換出力システムに係り、特に、データベース内の画像データを変換出力する際の画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き機能に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カタログ制作を行う際、コンピュータの普及に伴い、カタログに載せる商品データをデータベース化して利用することが始まっている。データベースと連携し、デスクトップパブリッシング(DTP)等でカタログ制作作業を行い、その効率化が図られてきている。例えば、商品情報や画像データ等を蓄積したデータベースと、データベースの情報を管理し、データベースの情報の入出力、検索、閲覧等の機能を提供するサーバと複数のユーザ端末装置等からなるWeb上で動作するデータベースシステムが存在する。
【0003】
商品情報や、画像データを管理できるデータベースシステムにおいて、データベース内の画像を加工し、このようなWebカタログなどのサイトに使用することが現在求められている。
この画像の加工においては、DTPデータからWeb用データの変換、例えば、Adobe社Photoshop(商標名)のEPS形式からJPEG形式への画像フォーマット変換、CMYKからRGBへのカラーモード変換、EPSのクリッピングパスでの切り抜き処理等を行う。
このような切り抜き処理においては、マスク合成による画像の切り抜き処理を行う画像処理装置等が存在する(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−324975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、切り抜き処理を行った際に、出力画像は、画像自体のサイズが変わらず、切り抜いた背景の余白部分が残っていた。
図17は、従来のシステムによる画像切り抜き処理の出力結果を示す図である。図17に示すように、出力画像1780は、画像1788の周囲に切り抜いた背景1789の余白部分が残る。尚、図17では、本来は、画像1788周囲の黒線は無いが、背景1789の余白部分を分かりやすくするため、あえて黒線を付けて記載している。この場合、加工した画像を、そのままWeb上で使用すると、無駄な余白部分ができ、体裁が悪くなるという状況が発生していた。
また、体裁が悪くならないようにするために、画像編集アプリケーションを使用して、出力画像1780を1点ずつ手作業で切り抜いた外接矩形でのトリミングし作成画像1787を作成していた。この場合、目視によってトリミングを行うので作業が大変な上、作業者のスキルに依存して微妙なズレが発生する可能性があった。また、トリミングを一点ずつ手作業で行うと、かなり効率が悪くなる、という問題があった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、データベース内の画像データに対して、Web用データへの変換の際、クリッピングパスでの外接矩形で画像をトリミングする機能を付加した切り抜き機能を可能とする画像変換出力システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力する画像変換出力サーバであって、前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、前記画像データに対して、前記クリッピングパス情報での切り抜きを行う切り抜き手段と、を備え、前記切り抜き手段は、前記クリッピングパス情報の外接矩形での画像のトリミングを行うトリミング手段、を具備することを特徴とする画像変換出力サーバである。
【0008】
また、前記トリミング手段によりトリミングした画像を保持する保持手段、を、更に具備することが望ましい。
【0009】
第1の発明による画像変換出力サーバは、クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得し、画像データに対して、クリッピングパス情報での切り抜きを行い、クリッピングパス情報の外接矩形での画像のトリミングを行う。
【0010】
「情報」は、例えば、商品情報であり、商品の文字情報(スペックなど)や、商品の素材情報(画像情報)等からなる。
「クリッピングパス情報」は、切り抜き画像を作るためのパス情報であり、ベジェ曲線などのパラメトリック近似曲線を表すパラメトリック近似曲線データからなる。クリッピングパス情報は、データベースに保持されている画像データ内に含まれている。パラメトリック近似曲線は、所定の複数(例えば、4つ)の制御点によって定義付けられ、曲線情報は制御点から成る点列の座標により構成される。
【0011】
第1の発明では、サーバは、DTPデータからWeb用データの変換時の切り抜き処理にて、切り抜いた外接矩形で画像を自動でトリミングする機能を付加することにより、効率的なWebカタログ用画像の作成が可能となる。
また、各画像のクリッピングパスに合わせてトリミングするための情報が自動的に収集され、その情報を元にトリミング処理が自動で実行され、作業者は変換の設定でトリミング処理の実行を選択するのみで手間がかからなくなり、更に、複数の画像に対して、一度にクリッピングパスの外接矩形でのトリミングが可能となり、作業の効率が向上する。
【0012】
また、第2の発明は、クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力する画像変換出力サーバであって、前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換手段と、前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成手段と、作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得手段と、前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得手段により取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミング手段と、を具備することを特徴とする画像変換出力サーバである。
【0013】
第2の発明による画像変換出力サーバは、クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得し、クリッピングパス情報をベクトルデータに変換し、ベクトルデータからマスクデータを作成する。作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得し、マスクデータと画像データのマスク合成を行い、取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングする。
【0014】
また、第3の発明は、クライアント端末と、画像を表す画像データ、情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力する画像変換出力サーバと、がネットワークを介して接続されるシステムであって、前記クライアント端末は、前記サーバに、前記データベースから検索、取得した少なくとも1つ以上の画像データに対する画像変換出力要求を送信する送信手段、を備え、前記サーバは、前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換手段と、前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成手段と、作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得手段と、前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得手段により取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミング手段と、を具備することを特徴とする画像変換出力システムである。
【0015】
第3の発明は、第2の発明の画像変換出力サーバと、データベースから検索、取得した少なくとも1つ以上の画像データに対する画像変換出力要求を送信するクライアント端末から構成される画像変換出力システムに関する発明である。
【0016】
また、第4の発明は、画像データから輪郭図形データであるクリッピングパス情報での切り抜きを行う画像ハンドリング方法であって、入力された画像データから、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得ステップと、前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換ステップと、前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成ステップと、作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得ステップと、前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得ステップにより取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミングステップと、を具備することを特徴とする画像ハンドリング方法である。
第4の発明は、入力された画像データから、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得し、クリッピングパス情報をベクトルデータに変換し、ベクトルデータからマスクデータを作成し、作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得し、マスクデータと画像データのマスク合成を行い、取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングする画像ハンドリング方法に関する発明である。
【0017】
第5の発明は、コンピュータを第4の発明の画像ハンドリング方法を実行させるプログラムである。
第6の発明は、コンピュータを第4の発明の画像ハンドリング方法を実行させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0018】
上述のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、データベース内の画像データに対して、Web用データへの変換の際、クリッピングパスでの外接矩形で画像をトリミングする機能を付加した切り抜き機能を可能とする画像変換出力システム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像変換出力システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0021】
図1は、本発明の本実施の形態に係る画像変換出力システム100の概略構成を示す図である。
【0022】
図1は、画像変換出力システム100の1例であり、図1に示すように、画像変換出力システム100は、サーバ101、複数のクライアント端末103等が、ネットワーク109を介して接続されて構成される。尚、画像変換出力システム100は、WWW(World Wide Web)技術を用いて実現した場合の構成図である。
【0023】
ネットワーク109は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、社内LAN等のネットワークであり、有線、無線を問わない。
【0024】
サーバ101は、サーバコンピュータ等であり、WWWサーバ110、画像変換出力手段111、データベースサーバ112等を有する。画像変換出力手段111は、Web用データに変換出力する際、データベースサーバ112を介して、商品情報データベース301内の画像情報312を取得し、画像情報312に対して、クリッピングパスでの切り抜き、及びクリッピングパスの外接矩形でのトリミング処理を行う。データベースサーバ112は、商品情報データベース301の情報を管理し、データベースの情報の入出力、検索、閲覧等を行う。
【0025】
クライアント端末103は、パーソナルコンピュータ、携帯型端末機(Personal Digital Assistant)等である。クライアント端末103には、WWWブラウザ120が搭載される。クライアント端末103は、WWWブラウザ120を介して、サーバ101のWWWサーバ110にアクセスし、商品情報データベース301の所望する画像情報312の検索要求、画像変換出力指示等を送信する。
【0026】
尚、本実施の形態の画像変換出力システム100は、サーバ101、複数のクライアント端末103等が、ネットワーク109を介して接続されて構成され、サーバ101にWWWサーバ110、画像変換出力手段111、データベースサーバ112等を有するが、WWWサーバ110、データベースサーバ112、複数のクライアント端末103等がネットワーク109を介して接続されて構成され、WWWサーバ110に画像変換出力手段111を有するシステム構成であってもよい。この場合、クライアント端末103からの画像変換出力要求に応じて、WWWサーバ110の画像変換出力手段111は、ネットワーク109を介して、データベースサーバ112にアクセスし、商品情報データベース301内の画像情報312を取得し、画像情報312に対して、クリッピングパスでの切り抜き、及びクリッピングパスの外接矩形でのトリミング処理等の画像変換出力処理を行う。尚、画像変換出力システムのインタフェースやシステム動作自体は、本画像変換出力システム100と基本的に同じである。
【0027】
次に、サーバ101のハードウェア構成を説明する。図2は、サーバ101のハードウェア構成図である。
【0028】
サーバ101は、制御部201、記憶部202、メディア入出力部203、通信制御部204、入力部205、表示部206、印刷部207等が、システムバス209を介して接続されて構成される。
【0029】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0030】
CPUは、記憶部202、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、システムバス209を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ101が行う後述する各種処理(図5、図6、図7参照)を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部202、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部201が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0031】
記憶部202は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部201が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラム391や、本コンピュータを適用するサーバ101が行う後述の処理に相当するアプリケーションプログラム392等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部201により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0032】
メディア入出力部203(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置等を有する。
【0033】
通信制御部204は、通信制御装置、通信ポート等を有し、サーバ101とネットワーク109間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク109を介して、サーバ101と、クライアント端末103間の通信制御を行う。
【0034】
入力部205は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部205を介して、サーバ101に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
【0035】
表示部206は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0036】
印刷部207は、プリンタであり、印刷出力処理を行う。
【0037】
システムバス209は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0038】
次に、図3を参照しながら、サーバ101の記憶部202が保持する情報について説明する。図3は、記憶部202が保持する情報を示す図である。
【0039】
記憶部202内には、複数の商品情報データベース301、及び制御プログラム391、アプリケーションプログラム392等が格納されている。
【0040】
商品情報データベース301には、複数の商品情報310等を有する。尚、サーバ101が管理する商品情報データベース301は、必要に応じて、複数存在してもよい。
商品情報310は、商品のスペック等の文字情報311、商品の素材情報である画像情報312等からなる。
尚、商品情報データベース301のデータ構成は、この構成に限られるものではない。
【0041】
制御プログラム391は、サーバ101の各構成部分を駆動制御するプログラムであり、OS(オペレーティングシステム)に相当する。
アプリケーションプログラム392は、サーバ101が行う後述の処理(図5、図6、図7参照)に相当する実行可能プログラムであり、WWWサーバ110、画像変換出力手段111、データベースサーバ112等に該当するプログラムである。
【0042】
次に、図4を参照しながら、クライアント端末103のハードウェア構成を説明する。図4は、クライアント端末103のハードウェア構成図である。
【0043】
クライアント端末103は、制御部401、記憶部402、通信制御部403、メディア入出力部404、入力部405、表示部406、印刷部407等が、システムバス409を介して接続される。
尚、クライアント端末103のハードウェア構成は、図2について前述したサーバ101と同様の構成を採る。
【0044】
次に、図5、図6を参照しながら、商品情報データベース301内の素材情報(画像情報)312を変換出力する画像変換出力手段111の処理動作について詳しく説明する。図5、図6は、サーバ101の素材情報(画像情報)312を変換出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
サーバ101の記憶部202には、アプリケーションプログラム392である画像変換出力プログラムがインストールされている。以下のサーバ101の処理は、WWWサーバ110、データベースサーバ112を介して、この画像変換出力プログラムの制御に従って、サーバ101の制御部201によって行われる。
また、クライアント端末103の記憶部402には、アプリケーションプログラム392であるWWWブラウザ120がインストールされており、以下のクライアント端末103の処理(WWWブラウザ120を介したサーバ101へのアクセス、サーバ101への指示等)は、クライアント103の制御部401によって行われる。
【0046】
予め、クライアント端末103の制御部401は、データベースサーバ112にアクセスし、商品情報データベース301に出力対象となる画像データの登録要求を行う(ステップS501)。
【0047】
サーバ101の制御部201は、データベースサーバ112を介して、画像データを商品情報データベース301に素材情報(画像情報)312として登録、保持する(ステップS502)。
【0048】
クライアント端末103の制御部401は、サーバ101にアクセスし、商品情報データベース301にログイン要求を行う(ステップS503)。
【0049】
例えば、クライアント端末103のWWWブラウザ120から、サーバ101の所定のURLを指定してサーバ101にアクセスし、サーバ101の制御部201は、データベースサーバ112を介して、ログイン画面データをクライアント端末103に送信する。クライアント端末103の制御部401は、ログイン画面(図示せず)に従って、入力されたユーザID、パスワード、サーバ名をサーバ101に送信する。
【0050】
サーバ101の制御部201は、受け取ったユーザID、パスワード等からユーザ認証を行い、正しくユーザ認証された場合、指定されたサーバ名に応じた商品情報データベース301を設定、接続する(ステップS504)。
【0051】
クライアント端末103の制御部401は、出力対象の素材情報(画像情報)312の検索要求を行う(ステップS505)。制御部201は、商品情報データベース301から、検索条件に基づいて検索した検索結果データである素材情報一覧データを送信する(ステップS506)。
【0052】
クライアント端末103の制御部401は、メイン画面10上に素材情報一覧11を表示する(ステップS507)。
【0053】
図8は、メイン画面(素材情報一覧)10を示す図である。
メイン画面(素材情報一覧)10には、検索結果である素材情報レコード12からなる素材情報一覧11等が表示される。
素材情報レコード12には、画像、素材ファイルのファイル名、素材ファイルの元ファイル名等からなる。
【0054】
クライアント端末103の制御部401は、選択した少なくとも1つ以上の出力対象の素材情報(画像情報)312に対する素材ファイル出力要求を行う(ステップS508)。
【0055】
図9は、メイン画面10での素材ファイル出力指示を示す図である。
図9に示すように、利用者は、メイン画面10の素材情報一覧11から出力対象となる素材情報レコード12を選択し、表示された素材情報メニュ画面15上の「素材ファイル出力」16を選択する。
【0056】
サーバ101の制御部201は、素材ファイル出力要求に対して、アプリケーションプログラム392の画像変換出力プログラムを起動する(ステップS509)。
【0057】
制御部201は、出力対象設定画面データを送信する(ステップS510)。
制御部401は、受け取った出力対象設定画面20を表示する(ステップS511)。
【0058】
図10は、出力対象設定画面20を示す図である。
図10に示すように、出力対象設定画面20には、変換出力設定21、出力素材設定、関連素材出力設定等の出力対象設定と、「変換設定」ボタン24が表示される。
素材(画像)の変換出力を行う場合、利用者は変換出力設定21「する」を選択し、「変換設定」ボタン24を押下すると、制御部401は、素材(画像)変換出力設定要求を送信する(ステップS601)。
【0059】
サーバ101の制御部201は、素材変換設定画面データを送信する(ステップS602)。
制御部401は、素材変換設定画面30を表示する(ステップS603)。
【0060】
図11は、素材変換設定画面30を示す図である。
図11に示すように、素材変換設定画面30には、クリッピングパスでの切り抜き有無を指定する切り抜き設定31、クリッピングパスの外接矩形でのトリミング有無を指定するトリミング設定32、背景色を指定する背景色33等のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理、及びEPS形式からJPEG形式への画像フォーマット変換、CMYKからRGBへのカラーモード変換等に関する画像変換設定が表示される。
利用者は、クリッピングパスに対する外接矩形切り抜きを行う場合、クリッピングパスでの切り抜き設定31「切り抜く」、トリミング設定32「する」、背景色33等を設定し、制御部401は、素材(画像)変換出力要求を行う(ステップS605)。
【0061】
サーバ101の制御部201は、出力実行ステータスに基づいた素材ファイル出力実行状況データを送信し(ステップS606)、クライアント端末103の制御部401は、素材ファイル出力実行状況画面40上に素材ファイル出力実行状況41を表示する(ステップS607)。
【0062】
サーバ101の制御部201は、出力対象の素材情報(画像情報)312に対して、画像属性情報を取得し、画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理を行う画像ハンドリング処理を行う(ステップS608)。素材(画像)変換された画像は、指定されたクライアント端末103上のフォルダに出力、保存される。
【0063】
制御部201は、出力対象の全ての素材(画像)の変換出力処理が終了か判断する(ステップS609)。
全ての出力対象の素材(画像)変換出力処理終了と判断するまで(ステップS609のNo)、出力実行ステータスを更新し(ステップS610)、ステップ606乃至ステップS610までの処理を繰り返す。
尚、本実施の形態では、1画像の変換出力毎に、出力実行ステータスを更新、表示しているが、これに限らない。例えば、ステップS608の画像ハンドリング処理内で更に詳細に出力実行ステータスを更新してもよい。
【0064】
次に、図7を参照しながら、ステップS608の画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理を行う画像ハンドリング処理について、詳しく説明する。図7は、画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理を行う画像ハンドリング処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
制御部201は、商品情報データベース301の出力対象の当該素材情報(画像情報)312から、画像属性情報であるクリッピングパス情報を取得する(ステップS701)。クリッピングパス情報は、ベジェ曲線などのパラメトリック近似曲線を表すパラメトリック近似曲線データからなる。
【0066】
図12は、原画像50の一例を示す図である。
図12に示すように、原画像50は、商品情報データベース301から取得した素材情報(画像情報)312の画像データであり、クリッピングパス51は、切り抜き画像を作るための曲線近似輪郭図形データである。
【0067】
制御部201は、パラメトリック近似曲線データをベクトルデータに変換する(ステップS702)。
【0068】
図13(a)は、図12のX部を拡大して示した拡大図であり、パラメトリック近似曲線(ベジェ曲線)52を示し、図13(b)は、(a)のパラメトリック近似曲線データをベクトル変換した輪郭ベクトル図形53を示す図である。
図13(a)を示すように、パラメトリック近似曲線52は所定の複数個、例えば、4つの制御点の制御点P1〜P4によって定義付けられ、曲線情報は制御点P1〜P4から成る点列の座標により構成される。
図13(b)を示すように、輪郭ベクトル図形53は、パラメトリック近似曲線(ベジェ曲線)データをベクトルデータに変換して得られ、制御点Q1、Q2、Q3、…等からなる点列の座標により構成される。
【0069】
制御部201は、ベクトルデータからマスクデータを作成する(ステップS703)。
図14は、マスクデータ画像60の一例を示す図である。図14に示すように、マスクデータ画像60は、原画像50と縦横の大きさが同じ座標値の配列データを用意し、合成を行わない画素に対しては0の値を設定し、合成を行う画素には1の値を設定し、白黒の2値画像で作成したものである。
【0070】
制御部201は、マスクデータの合成後表示部分の上端、下端、左端、右端の座標を取得、保持し(ステップS704)、マスクデータと原画像50のマスク合成を行い、取得した座標で画像をトリミングする(ステップS705)。
【0071】
図15は、マスク合成画像70を示す図である。図16は、画像変換出力結果である出力画像80を示す図である。
図15に示すように、マスク合成画像70の上端座標71、下端座標72、左端座標73、右端座標74で画像を切り取る。
制御部201は、以上の過程を経て、画像切り抜き、トリミング処理を行い、図16に示すように、クリッピングパスの外接矩形でのトリミングが行われている出力画像80を出力する。
【0072】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、サーバ101の制御部201は、画像変換出力を行う際、商品情報データベース301から少なくとも1つ以上の出力対象の画像情報312を取得し、当該画像データから、クリッピングパス情報を取得し、クリッピングパス情報をベクトルデータに変換し、ベクトルデータからマスクデータを作成する。作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得し、マスクデータと画像データのマスク合成を行い、取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングする。
【0073】
これにより、DTPデータからWeb用データの変換時の切り抜き処理にて、切り抜いた外接矩形で画像を自動でトリミングする機能を付加することにより、効率的なWebカタログ用画像の作成が可能となる。
また、各画像のクリッピングパスに合わせてトリミングするための情報が自動的に収集され、その情報を基にトリミング処理が自動で実行され、作業者は変換の設定でトリミング処理の実行を選択するのみで手間がかからなくなり、更に、複数の画像に対して、一度にクリッピングパスの外接矩形でのトリミングが可能となり、作業の効率が向上する。
【0074】
尚、本実施の形態では、サーバ101側に、WWWサーバ110、画像変換出力手段111、データベースサーバ112等を有し、クライアント端末103から、サーバ101にアクセスし、WWWサーバ110を介して画像変換出力プログラムを起動したが、予め、クライアント端末103側に画像変換出力プログラムをダウンロードにしておき、クライアント端末103に画像変換出力手段111を有するシステム構成であってもよい。この場合、クライアント端末103(制御部401)が、クライアント端末103上の画像変換出力プログラムを起動し、サーバ101側のデータベースサーバ112の商品情報データベース301をアクセスし、取得した画像情報312に対して画像変換出力処理を行う。
【0075】
また、図1のシステム構成で前述したように、画像変換出力システムとして、WWWサーバ110、データベースサーバ112、複数のクライアント端末103等がネットワーク109を介して接続されて構成され、WWWサーバ110に画像変換出力手段111を有するシステム構成であってもよい。この場合、クライアント端末103からの画像変換出力要求に応じて、WWWサーバ110の画像変換出力手段111は、ネットワーク109を介して、データベースサーバ112にアクセスし、取得した画像情報312に対して画像変換出力処理を行う。
【0076】
尚、サーバ側(サーバ101又はWWWサーバ110)で画像変換出力手段(画像変換出力プログラム)を動作する場合、及びクライアント端末103側で画像変換出力手段(画像変換出力プログラム)を動作する場合、両者とも、画像変換出力システムのインタフェースやシステム動作自体は、基本的に同じである。
【0077】
また、図7に示す画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理に相当する画像ハンドリング処理プログラムは、例えば、ActiveXDLLで記載されており、他のアプリケーションおよびコンポーネントに組み込むことができる。
【0078】
尚、図5、図6、図7等に示す処理を行うプログラムはCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像変換出力システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施の形態に係る画像変換出力システム100の概略構成を示す図
【図2】サーバ101のハードウェア構成図
【図3】記憶部202が保持する情報を示す図
【図4】クライアント端末103のハードウェア構成図
【図5】サーバ101の素材情報(画像情報)312を変換出力処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】サーバ101の素材情報(画像情報)312を変換出力処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】画像のクリッピングパスに対する外接矩形切り抜き処理を行う画像ハンドリング処理の処理手順を示すフローチャート
【図8】メイン画面(素材情報一覧)10を示す図
【図9】メイン画面10における素材ファイル出力指示を示す図
【図10】出力対象設定画面20を示す図
【図11】素材変換設定画面30を示す図
【図12】原画像50の一例を示す図
【図13】(a)図12のX部の拡大図であり、パラメトリック近似曲線52を示す図、(b)パラメトリック近似曲線データをベクトル変換した輪郭ベクトル図形53を示す図
【図14】マスクデータ画像60の一例を示す図
【図15】マスク合成画像70を示す図
【図16】画像変換出力結果である出力画像80を示す図
【図17】従来のシステムによる画像切り抜き処理の出力結果を示す図
【符号の説明】
【0081】
100………画像変換出力システム
101………サーバ
103………クライアント端末
109………ネットワーク
110………WWWサーバ
111………画像変換出力手段
112………データベースサーバ
120………WWWブラウザ
201、401………制御部
202、402………記憶部
301………商品情報データベース
310………商品情報
311………文字情報
312………素材情報(画像情報)
11………素材情報一覧
12………素材情報レコード
50………画像
51………クリッピングパス
52………パラメトリック近似曲線(ベジェ曲線)
53………輪郭ベクトル図形
60………マスクデータ画像
70………マスク合成画像
80………出力画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力する画像変換出力サーバであって、
前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、
前記画像データに対して、前記クリッピングパス情報での切り抜きを行う切り抜き手段と、
を備え、
前記切り抜き手段は、
前記クリッピングパス情報の外接矩形での画像のトリミングを行うトリミング手段、
を具備することを特徴とする画像変換出力サーバ。
【請求項2】
クライアント端末にネットワークを介して接続され、画像を表す画像データを含む情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力する画像変換出力サーバであって、
前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、
前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換手段と、
前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成手段と、
作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得手段と、
前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得手段により取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミング手段と、
を具備することを特徴とする画像変換出力サーバ。
【請求項3】
前記クリッピングパス情報は、パラメトリック近似曲線データであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像変換出力サーバ。
【請求項4】
前記トリミング手段によりトリミングした画像を保持する保持手段、
を、更に具備する特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像変換出力サーバ。
【請求項5】
前記サーバはWebサーバであり、前記クライアント端末はWebブラウザとして機能するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像変換出力サーバ。
【請求項6】
クライアント端末と、画像を表す画像データ、情報を記憶、管理するデータベースを有し、前記画像を変換出力するサーバと、がネットワークを介して接続される画像変換出力システムであって、
前記クライアント端末は、
前記サーバに、前記データベースから検索、取得した少なくとも1つの画像データに対する画像変換出力要求を送信する送信手段、
を備え、
前記サーバは、
前記クライアント端末からの画像変換出力要求に応じて、前記データベースから取得した少なくとも1つ以上の出力対象の前記画像データに対して、輪郭図形データであるクリッピングパス情報を取得するパス取得手段と、
前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換手段と、
前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成手段と、
作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得手段と、
前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得手段により取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミング手段と、
を具備することを特徴とする画像変換出力システム。
【請求項7】
画像データから輪郭図形データであるクリッピングパス情報での切り抜きを行う画像ハンドリング方法であって、
入力された画像データから、前記クリッピングパス情報を取得するパス取得ステップと、
前記クリッピングパス情報をベクトルデータに変換するベクトル変換ステップと、
前記ベクトルデータからマスクデータを作成する作成ステップと、
作成したマスクデータの合成後に表示される画像領域の上端、下端、左端、右端の座標を取得する座標取得ステップと、
前記マスクデータと前記画像データのマスク合成を行い、前記座標取得ステップにより取得した座標で、マスク合成後の画像データをトリミングするトリミングステップと、
を具備することを特徴とする画像ハンドリング方法。
【請求項8】
コンピュータに請求項7に記載の画像変換方法を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに請求項7に記載の画像変換方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−252115(P2006−252115A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67025(P2005−67025)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】