説明

画像形成システム、サーバ装置および画像形成装置

【課題】 画像形成装置からの機密漏洩を防止する。
【解決手段】ネットワーク7に、複合機3と、サーバ装置2と、文書データから画像出力データを生成しサーバ装置2へ送信するクライアント装置1とが接続されている。サーバ装置2では、出力データ管理部21が、受信された画像出力データを、宛先のユーザ識別情報または宛先のユーザグループ識別情報に関連付けて出力データ記憶部22に格納する。サーバ装置2は、複合機3においてユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を受信すると、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定し、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合、画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データ、あるいはそのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データをその複合機3へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、サーバ装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された画像形成装置には、パーソナルコンピュータからのプリントコマンドを受信すると、ネットワーク上のファイルサーバから文書ファイルを取得し、その文書ファイルをビットマップ画像に展開し、ビットマップ画像に基づいて印刷を行うものがある(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
その画像形成装置では、コピージョブの実行中の場合、コピージョブ終了後に、IDカードからユーザIDが取得され、そのユーザIDと文書ファイルのユーザ識別子とが一致するか否かが判定され、両者が一致することを確認した後に、その文書ファイルに基づく印刷が実行される。
【0004】
一方、コピージョブが実行されていない場合には、ただちに文書ファイルに基づく印刷が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−251358号公報
【特許文献2】特開2004−168065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のシステムでは、パーソナルコンピュータから画像形成装置へプリントコマンドが供給されると、コピージョブが実行中でなければ、印刷が開始される。したがって、印刷実行時には、ユーザがパーソナルコンピュータの設置場所におり、画像形成装置の設置場所にはいない。このため、ユーザが画像形成装置の設置場所まで印刷物を取りに行くまで、印刷物が放置されてしまい、機密保持の観点から好ましくない。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、機密漏洩を防止できる画像形成システム、並びに、そのシステムに使用可能なサーバ装置および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0009】
本発明に係る画像形成システムは、ネットワークに接続された少なくとも1つの画像形成装置と、ネットワークに接続されたサーバ装置と、ネットワークに接続され、ユーザの操作に従って、文書データから画像出力データを生成しそのユーザのユーザ認証情報および宛先となるユーザグループ識別情報とともにサーバ装置へ送信するクライアント装置とを備える。そして、サーバ装置は、ネットワークに接続された第1通信装置と、第1通信装置でユーザ認証情報、宛先となるユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方、並びに画像出力データを受信するデータ受信手段と、ユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方に関連付けて画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、第1通信装置でネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データを、画像形成装置へ第1通信装置で送信するデータ送信手段とを有する。また、画像形成装置は、ネットワークに接続された第2通信装置と、ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、第2通信装置でユーザ認証情報をサーバ装置へ送信し、第2通信装置で、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データを、サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段とを有する。
【0010】
これにより、画像出力データがサーバ装置により一旦保存され、画像形成装置の設置場所からサーバ装置のユーザ認証を経ないと、画像出力データが画像形成装置へ供給されない。このため、ユーザが印刷後すぐに画像形成装置から印刷物を取ることができる。したがって、画像形成装置からの機密漏洩を防止できる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、画像出力データに基づく画像形成処理の前に、画像出力処理により得られる画像についてのプレビュー画像を所定の表示装置に表示させる。
【0012】
これにより、ユーザがプレビューで印刷物の画像を事前に確認することができるため、ユーザが必要としない印刷が実行されない。したがって、不要な印刷物が発生しにくく、不要な印刷物が放置されることによる機密漏洩を防止できる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置のデータ管理手段は、画像出力データに関連付けてプレビュー画像データを所定の記憶装置に格納し、データ送信手段は、プレビュー画像データを画像形成装置へ第1通信装置で送信する。そして、画像形成装置の制御手段は、第2通信装置でプレビュー画像データを受信し、プレビュー画像データに基づきプレビュー画像を表示させる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置は、画像出力データからプレビュー画像データを生成する画像処理手段を有する。
【0015】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置のデータ受信手段は、第1通信装置でクライアント装置からプレビュー画像データを受信する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、プレビュー画像データは、画像出力データと同一の解像度を有する。
【0017】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、サーバ装置から受信した画像出力データに基づきプレビュー画像を表示させる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成システムは、ネットワークに接続され、登録済みのユーザ認証情報を有し、登録済みのユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証サーバ装置を備える。サーバ装置の認証処理手段は、画像形成装置または電子機器からのユーザ認証情報を第1通信装置で認証サーバ装置へ送信してユーザ認証を実行させ、第1通信装置で認証サーバ装置からユーザ認証の結果を受信し、その結果に基づいて、ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する。
【0019】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、ユーザ識別情報またはユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストをサーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいてリストから画像出力データを選択し、選択した画像出力データの送信要求をサーバ装置へ送信し、その画像出力データをサーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる。また、サーバ装置のデータ送信手段は、画像形成装置から要求された画像出力データを、ユーザ認証情報および送信要求を送信した画像形成装置へ送信する。
【0020】
これにより、一部の画像出力データのみについて画像形成処理を実行させることができ、サーバ装置へ画像出力データを保存させた後に、各画像出力データを画像形成装置へ供給するタイミングをユーザが決定することができる。
【0021】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。画像形成装置の制御手段は、ユーザ識別情報またはユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストをサーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいてリストから画像出力データを選択し、選択した画像出力データに対応するプレビュー画像データの送信要求をサーバ装置へ送信し、そのプレビュー画像データをサーバ装置から受信してそのプレビュー画像データに基づきプレビュー画像を表示させる。また、サーバ装置のデータ送信手段は、画像形成装置から要求されたプレビュー画像データを、ユーザ認証情報および送信要求を送信した画像形成装置へ送信する。
【0022】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像出力データのリストは、画像出力処理により得られる画像についてのサムネイル画像を有する。そして、プレビュー画像の解像度は、サムネイル画像の解像度より高く設定される。
【0023】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置のデータ管理手段は、画像形成装置において画像出力データに対する画像形成処理が実行されると、その画像出力データの識別情報およびユーザ識別情報を含むジョブ実行ログを格納する。
【0024】
これにより、ジョブ実行ログを参照することで、ユーザグループ内で、ある画像出力データについてジョブを実行していないユーザを特定することができる。
【0025】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置のデータ管理手段は、画像形成装置において画像出力データに対するプレビューが実行されると、その画像出力データの識別情報およびユーザ識別情報を含むプレビューログを格納する。
【0026】
これにより、プレビューログを参照することで、ユーザグループ内で、ある画像出力データについてプレビューを実行していないユーザを特定することができる。
【0027】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像出力データは、ページ記述言語で記述された印刷データである。
【0028】
本発明に係るサーバ装置は、ネットワークに接続された通信装置と、通信装置で、宛先となるユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方、並びに画像出力データを受信するデータ受信手段と、ユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方に関連付けて画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、通信装置でネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データを、ユーザ認証情報を送信した画像形成装置へ通信装置で送信するデータ送信手段とを備える。
【0029】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークに接続された通信装置と、ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、ネットワークに接続されているサーバ装置へ通信装置でユーザ認証情報および画像出力データの送信要求を送信し、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データを、通信装置でサーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、画像形成システムにおける機密漏洩を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1における複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す画像形成システムにおいて、複合機でジョブを実行させる際の処理を説明する図である。
【図5】実施の形態1における、画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。
【図6】図1に示す画像形成システムにおいて、プリンタで印刷を実行させる際の処理を説明する図である。
【図7】実施の形態1においてクライアント装置により表示される入力画面の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1における、ユーザグループ宛の画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。
【図9】実施の形態3に係る画像形成システムにおいて、複合機でプレビュー表示をさせる際の処理を説明する図である。
【図10】実施の形態3における、プレビュー画像を表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0034】
この画像形成システムでは、クライアント装置1、サーバ装置2、複合機3、プリンタ4およびカードリーダ5、並びに認証サーバ装置6が、ネットワーク7を介して互いに接続されている。これらの装置には、ネットワーク7において一意に特定可能な識別子(IPアドレス、マシン名など)が割り当てられている。
【0035】
クライアント装置1は、パーソナルコンピュータなどといった、ユーザにより操作される端末装置である。クライアント装置1は、プリンタドライバなどといった出力ドライバ11を有する。出力ドライバ11は、文書データから画像出力データを生成する処理部である。文書データは、アプリケーションで生成されデータファイルとして保存されているデータである。画像出力データは、例えば、ページ記述言語(Page Description Language )により記述された印刷データである。
【0036】
サーバ装置2は、ネットワーク7に接続されたコンピュータ装置であり、出力データ管理部21および出力データ記憶部22を有する。出力データ管理部21は、クライアント装置1から受信された画像出力データを、出力データ記憶部22に格納する処理部である。
【0037】
複合機3は、画像出力データに基づき画像形成処理を実行する画像形成装置である。画像形成処理には、印刷、ファクシミリ送信、コピーなどがある。この複合機3は、カードリーダ31を有する。カードリーダ31は、ログイン時にユーザのIDカード101を近づけられると、そのIDカードからそのユーザのユーザ認証情報を読み取る。IDカードは、ICカードなどである。ユーザ認証情報は、ユーザID、暗号化されたユーザIDなどである。複合機3は、ユーザのユーザ認証情報をサーバ装置2に送信し、そのユーザがクライアント装置1からサーバ装置2へ送信した画像出力データを受信し、その画像出力データに基づき画像形成処理を実行する。
【0038】
プリンタ4は、サーバ装置2からネットワーク7を介して供給された画像出力データに基づき印刷を実行する画像形成装置である。カードリーダ5は、プリンタ4と同一の場所に設置されており、プリンタ4に予め関連付けられている。カードリーダ5は、ユーザのIDカード101を近づけられると、そのIDカードからそのユーザのユーザ認証情報を読み取り、ネットワーク7を介してサーバ装置2へ送信する。
【0039】
認証サーバ装置6は、ネットワーク7に接続されたコンピュータ装置であり、ユーザ登録データ61および機器登録データ62を有する。ユーザ登録データ61は、正規ユーザのユーザ認証情報を有する。機器登録データ62は、プリンタ4とカードリーダ5との対応関係の情報を有する。認証サーバ装置6は、サーバ装置2からユーザ認証の要求があると、ユーザ登録データ61を参照してユーザ認証処理を行い、認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する。また、認証サーバ装置6は、カードリーダ5に対応する画像形成装置の問い合わせがあると、機器登録データ62を参照して、カードリーダ5に対応する画像形成装置(ここではプリンタ4)をサーバ装置2へ通知する。認証サーバ装置6としては、例えば、アクティブディレクトリサーバが稼働している装置が使用される。
【0040】
ネットワーク7は、例えば、有線および/または無線のLAN(Local Area Network)である。
【0041】
次に、サーバ装置2および複合機3の詳細な構成について説明する。
【0042】
図2は、図1におけるサーバ装置2の構成を示すブロック図である。
【0043】
図2において、CPU(Central Processing Unit )201は、プログラムを実行し、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROM(Read Only Memory)202は、プログラムおよびデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAM(Random Access Memory)203は、プログラムを実行する際にそのプログラムおよびデータを一時的に記憶するメモリである。
【0044】
また、HDD(Hard Disc Drive)204は、図示せぬオペレーティングシステム、サーバプログラム211などを格納する記録媒体を有する記憶装置である。この実施の形態1では、サーバプログラム211がCPU201で実行されることにより、出力データ管理部21、通信処理部221、認証処理部222、および使用量監視部223が実現される。
【0045】
通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205を制御し、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )といった通信プロトコルでデータを送受する処理部である。通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205で画像出力データを受信するとともに、画像出力データを、複合機3、プリンタ4などの画像形成装置へネットワークインタフェースカード205で送信する。
【0046】
認証処理部222は、通信処理部221を使用して、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、ネットワークインタフェースカード205でネットワーク7を介して複合機3、またはプリンタ4に予め関連付けられているカードリーダ5から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する処理部である。
【0047】
使用量監視部223は、ユーザまたはユーザの属する部門ごとに、複合機3およびプリンタ4において実行される画像形成処理(印刷、ファクシミリ送信、コピーなど)に伴うページ数などの使用量を監視する処理部である。
【0048】
また、ネットワークインタフェースカード205は、ネットワーク7に接続された通信装置である。
【0049】
また、記憶装置206は、各種データを格納する装置である。記憶装置206としては、ハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどが適宜使用される。記憶装置206の一部の領域が出力データ記憶部22として使用される。また、記憶装置206は、使用量データ231および設定データ232を格納する。使用量データ231は、ユーザまたはそのユーザの属する部門ごとに、複数の項目のそれぞれについての使用量の値および上限値を有する。設定データ232は、CPU201により実現される処理部の処理実行時に参照されるデータである。なお、使用量データ231および設定データ232は、記憶装置206とは別の記憶装置に格納されるようにしてもよい。また、実施の形態1では、出力データ記憶部22は、サーバ装置2内にあるが、サーバ装置2に接続される外部装置内にあってもよいし、ネットワーク7に接続されたファイルサーバやデータベースサーバ内にあってもよい。
【0050】
CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、NIC205および記憶装置206は、バス、コントローラ、インタフェースなどを介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0051】
図3は、図1における複合機3の構成を示すブロック図である。
【0052】
複合機3は、カードリーダ31、ネットワークインタフェースカード301、印刷装置302、モデム303、画像読取装置304、記憶装置305、制御装置306および操作パネル307を有する。
【0053】
ネットワークインタフェースカード301は、ネットワーク7に接続された通信装置である。
【0054】
印刷装置302は、例えばレーザ印刷機構を有し、画像出力データから印刷画像を形成し、その印刷画像に対応する制御信号を生成し、その制御信号で印刷機構を制御して、印刷用紙に画像を印刷する装置である。
【0055】
モデム303は、画像出力データからファクシミリ画像を形成し、そのファクシミリ画像に対応するファクシミリデータを生成し、そのファクシミリデータを送信する装置である。また、モデム303は、ファクシミリデータを受信すると、そのファクシミリデータに対応するファクシミリ画像のデータを生成する。
【0056】
画像読取装置304は、原稿画像を光学的に読み取り、その原稿画像の画像データを生成する装置である。
【0057】
記憶装置305は、設定データ311を格納する装置である。記憶装置305としては、ハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどが適宜使用される。設定データ311は、制御装置306による処理実行時に参照されるデータである。
【0058】
制御装置306は、印刷装置302、モデム303および画像読取装置304を制御して画像形成処理を実行させる装置である。また、制御装置306は、カードリーダ31により取得されたユーザ認証情報をネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2から画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信する処理を実行する。なお、制御装置306は、例えば制御プログラムをマイクロプロセッサで実行することにより実現される。また、印刷画像の形成およびファクシミリデータの生成は、制御装置306が実行してもよい。
【0059】
操作パネル307は、表示装置および入力装置を有し、複合機3の設置場所にいるユーザが使用可能なユーザインタフェースである。表示装置としては、例えば液晶ディスプレイが使用され、入力装置としては、例えば、タッチパネルおよび複数のキースイッチが使用される。
【0060】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0061】
まず、カードリーダを有する画像形成装置でジョブを実行させる際の処理を説明する。
【0062】
図4は、図1に示す画像形成システムにおいて、複合機3でジョブを実行させる際の処理を説明する図である。
【0063】
クライアント装置1では、ユーザが図示せぬアプリケーションを介して出力ドライバ11を起動する。出力ドライバ11は、文書データに対応する画像出力データを生成し(ステップS1)、図示せぬネットワークインタフェースカードを介してサーバ装置2へ送信する(ステップS2)。このとき、画像出力データとともに、そのユーザのユーザ認証情報が送信される。あるいは、ユーザ認証情報に関連付けられている識別情報が画像出力データとともに送信される。
【0064】
その画像出力データは、サーバ装置2により受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がその画像出力データを受信する。出力データ管理部21は、その出力データを、そのユーザ認証情報に関連付けて、出力データ記憶部22に格納する(ステップS3)。
【0065】
これにより、画像出力データがサーバ装置2において一旦保持される。
【0066】
その後、ユーザは複合機3の設置場所へ行き、ログイン操作を行う。この実施の形態1では、ログイン操作として、ユーザは、自己に割り当てられたIDカード101をカードリーダ31にかざす。複合機3のカードリーダ31は、近づけられたIDカード101を検出すると、そのIDカード101からユーザ認証情報を読み出す(ステップS4)。
【0067】
制御装置306は、カードリーダ31によりユーザ認証情報が読み出されると、ネットワークインタフェースカード301で、ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報をサーバ装置2へ送信する(ステップS5)。
【0068】
そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報はサーバ装置2に受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がそのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信する。ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報が受信されると、認証処理部222は、ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を、ネットワーク7を介して認証サーバ装置6へ送信する(ステップS6)。
【0069】
認証サーバ装置6は、そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信すると、ユーザ登録データ61を参照し、受信したユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS7)。そして、認証サーバ装置6は、その認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する(ステップS8)。
【0070】
サーバ装置2の通信処理部221は、ネットワーク7およびネットワークインタフェースカード205を介して、その認証結果を受信し、認証処理部222へ供給する。認証処理部222は、その認証結果に基づいて複合機3からのユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS9)。
【0071】
そして、認証処理部222が、複合機3からのユーザ認証情報が正規のものであると判定した場合には、出力データ管理部21は、出力データ記憶部22内の画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストを生成し、通信処理部221に、そのリストを複合機3へ送信させる(ステップS10)。通信処理部221は、そのリストを、ネットワークインタフェースカード205およびネットワーク7を介して、複合機3へ送信する。
【0072】
なお、認証処理部222が、複合機3からのユーザ認証情報が正規のものではないと判定した場合には、認証処理部222が、通信処理部221を使用して、認証結果のみを複合機3へ送信する。
【0073】
送信したユーザ認証情報についてのユーザ認証が成功した場合、複合機3の制御装置306は、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストを、ネットワークインタフェースカード205で受信し、操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0074】
図5は、実施の形態1における、画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。図5に示すように、リストには、ユーザID、画像出力データのサーバ保存日時、ページ数、およびサムネイル画像が含まれている。ユーザIDは、ユーザ認証情報の一部、またはユーザ認証情報に対応する識別情報である。また、サーバ装置2の出力データ管理部21が画像出力データの先頭ページのサムネイル画像データを生成し、リストに付加する。図5に示すサムネイル画像は、そのサムネイル画像データに基づいて表示される。
【0075】
その後、操作パネル307の入力装置に対してユーザによる選択操作があると(ステップS11)、制御装置306は、その選択操作に従って、リストから画像出力データを選択し、その画像出力データの送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信する(ステップS12)。例えば図5に示すようなリストの場合、サーバ保存日時またはシリアル番号により、選択された画像出力データが特定される。
【0076】
サーバ装置2において、その送信要求が通信処理部221により受信されると、出力データ管理部21は、要求された画像出力データを読み出し、通信処理部221に、その画像出力データを複合機3へ送信させる(ステップS13)。
【0077】
なお、出力データ管理部21は、画像出力データが送信された後に、その画像出力データを出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。あるいは、出力データ管理部21は、画像出力データが送信された後に、所定の期間の経過後に、その画像出力データを自動的に出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。
【0078】
複合機3の制御装置306は、その画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信し、ユーザが操作パネル307で選択した画像形成処理を実行させる(ステップS14)。例えば、図5に示す画面において、印刷ボタンが押下されると(ステップS11)、印刷装置302を使用して画像出力データに基づく印刷が実行され、ファクシミリ送信ボタンが押下されると(ステップS11)、モデム303を使用して画像出力データに基づくファクシミリ送信が実行される。
【0079】
なお、ユーザ認証が成功した場合、認証処理部22は、このセッションに固有のセッションIDを生成し、通信処理部221が、そのセッションIDをリストとともに複合機3へ送信する。複合機3の制御装置306は、セッションIDを画像出力データの送信要求に付加してから、画像出力データの送信要求をサーバ装置2へ送信する。
【0080】
このように、画像出力データを発行したユーザが複合機3の設置場所にいるときに、画像出力処理のジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。
【0081】
次に、カードリーダを有さない画像形成装置でジョブを実行させる際の処理を説明する。
【0082】
図6は、図1に示す画像形成システムにおいて、プリンタ4で印刷を実行させる際の処理を説明する図である。
【0083】
まず、複合機3で画像形成処理を行わせる場合と同様にして、画像出力データがクライアント装置1からサーバ装置2へ伝送され、サーバ装置2において保持される(ステップS1〜S3)。
【0084】
プリンタ4で印刷を実行させる場合には、ユーザはプリンタ4とカードリーダ5の設置場所へ行き、ログイン操作を行う。この実施の形態1では、ログイン操作として、ユーザは、自己に割り当てられたIDカード101をカードリーダ5にかざす。カードリーダ5は、近づけられたIDカード101を検出すると、そのIDカード101からユーザ認証情報を読み出し(ステップS21)、ネットワーク7を介してサーバ装置2へ送信する(ステップS22)。
【0085】
そのユーザ認証情報はサーバ装置2に受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205で、通信処理部221がそのユーザ認証情報を受信する。カードリーダ5からのユーザ認証情報が受信されると、認証処理部222は、そのユーザ認証情報を、ネットワーク7を介して認証サーバ装置6へ送信する(ステップS23)。
【0086】
認証サーバ装置6は、そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信すると、ユーザ登録データ61を参照し、受信したユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS24)。そして、認証サーバ装置6は、その認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する(ステップS25)。
【0087】
サーバ装置2の通信処理部221は、ネットワーク7およびネットワークインタフェースカード205を介して、その認証結果を受信し、認証処理部222へ供給する。認証処理部222は、その認証結果に基づいてカードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS26)。
【0088】
そして、認証処理部222は、カードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものであると判定した場合には、認証サーバ装置6に、そのカードリーダ5に関連付けられている画像形成装置を問い合わせ、認証サーバ装置6からその応答を受信し、その応答に基づいて、画像出力データの送信先となる画像形成装置(ここでは、プリンタ4)を特定する(ステップS27)。このとき、認証サーバ装置6は、その問い合わせを受信すると、機器登録データ62を参照して、カードリーダ5に関連付けられている画像形成装置を特定し、その画像形成装置を示す応答をサーバ装置2へ送信する。
【0089】
そして、出力データ管理部21は、出力データ記憶部22内の画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを読み出し、通信処理部221に、特定された画像形成装置(ここではプリンタ4)へ送信させる(ステップS28)。通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205で、画像出力データを順番に、ネットワーク7を介してプリンタ4へ送信する。
【0090】
なお、認証処理部222が、カードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものではないと判定した場合には、今回のセッションを終了する。
【0091】
カードリーダ5から送信したユーザ認証情報についてのユーザ認証が成功した場合、プリンタ4は、画像出力データを順番に受信し、その画像出力データに基づき印刷を実行する(ステップS29)。
【0092】
このように、画像出力データを発行したユーザがプリンタ4およびカードリーダ5の設置場所にいるときに、印刷ジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。
【0093】
このシステムでは、以上のようにして、クライアント装置1の生成した画像出力データが、サーバ装置2に保存され、複合機3またはプリンタ4が、サーバ装置2から画像出力データを取得して、印刷などの画像出力処理を行う。さらに、このシステムでは、記憶装置206に、複数のユーザグループのユーザグループ識別情報および各ユーザグループに属するユーザ識別情報を含むユーザグループテーブル(図示せず)が格納されており、複合機3またはカードリーダ5においてログインしたユーザが、いずれかのユーザグループに属する場合、複合機3またはプリンタ4が、サーバ装置2からそのユーザグループ宛の画像出力データを取得して、印刷などの画像出力処理を行う。
【0094】
この場合、クライアント装置1では、出力ドライバ11は、図示せぬネットワークインタフェースカードを介してサーバ装置2へ画像出力データを送信するとき(ステップS2)、画像出力データとともに、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストを送信する。
【0095】
出力ドライバ11は、画像出力データを送信する前に、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストの入力画面を表示させ、ユーザによる入力操作(例えば、後述の送信ボタンの押下)に基づいて、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストを特定する。図7は、実施の形態1においてクライアント装置1により表示される入力画面の一例を示す図である。図7に示す入力画面では、送信者のユーザID、宛先ユーザグループの入力フィールド、付属テキスト(図中ではタイトル)の入力フィールド、送信ボタンおよびキャンセルボタンが表示される。これらの入力フィールドにユーザグループ識別情報および付属テキストが入力された後、送信ボタンが押下されると、出力ドライバ11は、画像出力データとともに、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストを送信する。なお、宛先として、2以上のユーザグループ識別情報を指定してもよい。
【0096】
その画像出力データ、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストは、サーバ装置2により受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がその画像出力データ、宛先のユーザグループ識別情報および付属テキストを受信する。出力データ管理部21は、その画像出力データを、そのユーザグループ識別情報および付属テキストに関連付けて、出力データ記憶部22に格納する(ステップS3)。なお、宛先として、2以上のユーザグループ識別情報が指定されている場合には、同一の複数の画像出力データが、それぞれのユーザグループ識別情報に関連付けられて格納される。
【0097】
これにより、ユーザグループ宛の画像出力データがサーバ装置2において一旦保持される。
【0098】
その後、ユーザが複合機3でログイン操作を行い、ユーザ認証が成功した場合、複合機3の制御装置306は、そのユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストを、ネットワークインタフェースカード205で受信し、操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0099】
このとき、制御装置306は、リストの送信要求およびこのユーザのユーザ認証情報をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、この送信要求を受信すると、ユーザグループテーブルを参照して、このユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられているユーザグループ識別情報を特定し、特定したユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストを生成し、複合機3へ送信する。なお、制御装置306がユーザ認証情報を送信せずに、サーバ装置2の出力データ管理部21がセッションIDからユーザ認証情報を特定するようにしてもよい。
【0100】
図8は、実施の形態1における、ユーザグループ宛の画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。図8に示すように、リストには、タイトル、送信者のユーザID、画像出力データのサーバ保存日時、およびページ数が含まれている。タイトルは、画像出力データに付加されている付属テキストであり、ユーザIDは、ユーザ認証情報の一部、またはユーザ認証情報に対応するユーザ識別情報である。また、サーバ装置2の出力データ管理部21が画像出力データの先頭ページのサムネイル画像データを生成し、リストに付加するようにしてもよい。サムネイル画像は、そのサムネイル画像データに基づいて表示される。
【0101】
その後、操作パネル307の入力装置に対してユーザによる選択操作があると(ステップS11)、制御装置306は、その選択操作に従って、リストから画像出力データを選択し、その画像出力データの送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信する(ステップS12)。例えば図8に示すようなリストの場合、サーバ保存日時またはシリアル番号により、選択された画像出力データが特定される。
【0102】
サーバ装置2において、その送信要求が通信処理部221により受信されると、出力データ管理部21は、要求された画像出力データを読み出し、通信処理部221に、その画像出力データを複合機3へ送信させる(ステップS13)。
【0103】
複合機3の制御装置306は、その画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信し、ユーザが操作パネル307で選択した画像形成処理を実行させる(ステップS14)。例えば、図8に示す画面において、印刷ボタンが押下されると(ステップS11)、印刷装置302を使用して画像出力データに基づく印刷が実行され、ファクシミリ送信ボタンが押下されると(ステップS11)、モデム303を使用して画像出力データに基づくファクシミリ送信が実行される。
【0104】
画像形成処理が完了すると、制御装置306は、画像出力データの識別情報(シリアル番号など)およびユーザ識別情報を含むジョブ完了通知をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、そのジョブ完了通知を受信すると、そのジョブ完了通知により特定される画像出力データに関連付けて、そのユーザ識別情報のユーザによるジョブ実行(印刷など)が完了したことを示すジョブ実行ログを格納する。なお、このとき、制御装置306がユーザ認証情報を送信せずに、サーバ装置2の出力データ管理部21がセッションIDからユーザ認証情報を特定するようにしてもよい。
【0105】
なお、出力データ管理部21は、各画像出力データのジョブ実行ログを定期的に参照し、ユーザグループ内のすべてのユーザについていずれかの複合機3へ画像出力データが送信された後、あるいはユーザグループ内のすべてのユーザによるジョブ実行が完了した後に、自動的にその画像出力データを出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。あるいは、出力データ管理部21は、ユーザグループ内のすべてのユーザについていずれかの複合機3へ画像出力データが送信されてから、あるいはユーザグループ内のすべてのユーザによるジョブ実行が完了してから、所定の期間の経過後に、その画像出力データを自動的に出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。
【0106】
このように、画像出力データの宛先のユーザグループに属するユーザが複合機3の設置場所にいるときに、画像出力処理のジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。また、複数のユーザの属するユーザグループ宛の画像出力データをサーバ装置へ送信することで、そのユーザグループに属する複数のユーザが同一の印刷物を取得することができる。
【0107】
さらに、ジョブ実行ログにより、ユーザグループ内のユーザによるジョブ実行状況を管理することができる。例えば、上述のように、ユーザグループのすべてのユーザが印刷した後に自動的に画像出力データを削除することができる。その他、管理者、送信者、およびユーザグループ内のユーザのいずれかがジョブ実行ログをクライアント装置1などから閲覧することで、ユーザグループ内のユーザによるジョブ実行状況を把握することができる。例えば、サーバ装置2でウェブサーバを稼働させておき、クライアント装置1、複合機3などのウェブクライアント(ウェブブラウザなど)がそのウェブサーバへアクセスすると、ウェブサーバが、ジョブ実行状況を含むウェブページデータを提供して、ウェブクライアントが、そのウェブページデータに基づいて、ジョブ実行状況を含む画面を表示するようにしてもよい。
【0108】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る画像形成システムは、実施の形態1のシステムに加えて、クライアント装置1の出力ドライバ11により、宛先となるユーザを指定できるようにしたものである。実施の形態2に係る画像形成システムの構成は、実施の形態1と同様であるが、クライアント装置1、サーバ装置2および複合機3は、以下のように動作する。
【0109】
実施の形態2においては、クライアント装置1では、出力ドライバ11は、図示せぬネットワークインタフェースカードを介してサーバ装置2へ画像出力データを送信するとき(ステップS2)、画像出力データとともに、宛先のユーザ識別情報(つまり、ユーザID)および付属テキストを送信する。
【0110】
出力ドライバ11は、画像出力データを送信する前に、宛先のユーザ識別情報および付属テキストの入力画面を表示させ、ユーザによる入力操作に基づいて、宛先のユーザ識別情報および付属テキストを特定する。なお、宛先として、2以上のユーザ識別情報を指定してもよい。また、宛先のユーザ識別情報に、自己のユーザ識別情報を含めてもよい。
【0111】
その画像出力データ、宛先のユーザ識別情報および付属テキストは、サーバ装置2により受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がその画像出力データ、宛先のユーザ識別情報および付属テキストを受信する。出力データ管理部21は、その画像出力データを、そのユーザ識別情報および付属テキストに関連付けて、出力データ記憶部22に格納する(ステップS3)。なお、宛先として、2以上のユーザ識別情報が指定されている場合には、同一の複数の画像出力データが、それぞれのユーザ識別情報に関連付けられて格納される。
【0112】
これにより、特定のユーザ宛の画像出力データがサーバ装置2において一旦保持される。
【0113】
その後、ユーザが複合機3でログイン操作を行い、ユーザ認証が成功した場合、複合機3の制御装置306は、そのユーザのユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストを、ネットワークインタフェースカード205で受信し、操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0114】
このとき、制御装置306は、リストの送信要求およびこのユーザのユーザ認証情報をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、この送信要求を受信すると、このユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストを生成し、複合機3へ送信する。なお、制御装置306がユーザ認証情報を送信せずに、サーバ装置2の出力データ管理部21がセッションIDからユーザ認証情報を特定するようにしてもよい。なお、ユーザ認証情報が、ユーザIDのみである場合には、ユーザ認証情報がユーザ識別情報となる。
【0115】
ユーザグループ宛の画像出力データのリストと同様に、ユーザ宛の画像出力データのリストには、タイトル、送信者のユーザID、画像出力データのサーバ保存日時、およびページ数が含まれている。タイトルは、画像出力データに付加されている付属テキストである。また、サーバ装置2の出力データ管理部21が画像出力データの先頭ページのサムネイル画像データを生成し、リストに付加するようにしてもよい。サムネイル画像は、そのサムネイル画像データに基づいて表示される。
【0116】
その後、操作パネル307の入力装置に対してユーザによる選択操作があると(ステップS11)、制御装置306は、その選択操作に従って、リストから画像出力データを選択し、その画像出力データの送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信する(ステップS12)。
【0117】
サーバ装置2において、その送信要求が通信処理部221により受信されると、出力データ管理部21は、要求された画像出力データを読み出し、通信処理部221に、その画像出力データを複合機3へ送信させる(ステップS13)。
【0118】
複合機3の制御装置306は、その画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信し、ユーザが操作パネル307で選択した画像形成処理を実行させる(ステップS14)。例えば、リスト画面において、印刷ボタンが押下されると(ステップS11)、印刷装置302を使用して画像出力データに基づく印刷が実行され、ファクシミリ送信ボタンが押下されると(ステップS11)、モデム303を使用して画像出力データに基づくファクシミリ送信が実行される。
【0119】
画像形成処理が完了すると、制御装置306は、画像出力データの識別情報(シリアル番号など)およびユーザ識別情報を含むジョブ完了通知をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、画像出力データのジョブ完了通知を受信すると、その画像出力データをただちに削除したり、所定の時間経過後に削除してもよい。
【0120】
このように、画像出力データの宛先のユーザが複合機3の設置場所にいるときに、画像出力処理のジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。
【0121】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る画像形成システムは、実施の形態1または実施の形態2のシステムに加えて、プレビュー表示を可能にしたものである。実施の形態3に係る画像形成システムの構成は、実施の形態1または実施の形態2と同様であるが、サーバ装置2および複合機3は、以下のように動作する。
【0122】
図9は、実施の形態3に係る画像形成システムにおいて、複合機3でプレビュー表示をさせる際の処理を説明する図である。
【0123】
上述のステップS3において画像出力データが格納される際、サーバ装置2の出力データ管理部21は、画像出力データに対応するプレビュー画像データを、その画像出力データに関連付けて、出力データ記憶部22に格納する。このプレビュー画像データは、出力データ管理部21により、画像出力データから生成される。あるいは、クライアント装置1の出力ドライバ11が、プレビュー画像データをサーバ装置2へ送信するようにしてもよい。この場合、例えば、出力ドライバ11がプレビュー画像データを生成する。
【0124】
プレビュー画像データは、イメージ形式(例えばJPEG、TIFFなど)の画像データである。この実施の形態では、プレビュー画像データの解像度は、画像出力データの解像度と同一とされる。ただし、プレビュー画像の解像度は、上述のサムネイル画像の解像度より高ければ、画像出力データの解像度より低くてもよい。なお、画像出力データが、表示用データ形式の画像データである場合には、プレビュー画像データを別途保存せずに、画像出力データをプレビュー画像データとして使用するようにしてもよい。
【0125】
その後、複合機3から送信したユーザ認証情報についてのユーザ認証が成功した場合、上述のステップS10において、複合機3の制御装置306は、そのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている画像出力データのリスト、あるいは、そのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報に関連付けられている画像出力データのリストをサーバ装置2から取得し、例えば図8に示すように、操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0126】
プレビューが可能である場合には、図8に示すように、リスト画面に、プレビューボタンが表示される。
【0127】
その後、操作パネル307の入力装置に対してユーザによる選択操作があるとともにプレビューボタンの押下があると(ステップS101)、制御装置306は、その操作に従って、リストから画像出力データを選択し、その画像出力データに対応するプレビュー画像データの送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信する(ステップS102)。例えば図8に示すようなリストの場合、サーバ保存日時またはシリアル番号により、選択された画像出力データが特定される。
【0128】
サーバ装置2において、その送信要求が通信処理部221により受信されると、出力データ管理部21は、要求されたプレビュー画像データを読み出し、通信処理部221に、その画像出力データを複合機3へ送信させる(ステップS103)。
【0129】
複合機3の制御装置306は、そのプレビュー画像データをネットワークインタフェースカード301で受信し、そのプレビュー画像データに基づくプレビュー画像を、例えば図10に示すように、操作パネル307における表示装置に表示させる(ステップS104)。
【0130】
プレビュー画像が表示されると、制御装置306は、画像出力データの識別情報(シリアル番号など)およびユーザ識別情報を含むプレビュー完了通知をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、そのプレビュー完了通知を受信すると、そのプレビュー完了通知により特定される画像出力データに関連付けて、そのユーザ識別情報のユーザによるプレビューが完了したことを示すプレビューログを格納する。なお、このとき、制御装置306がユーザ認証情報を送信せずに、サーバ装置2の出力データ管理部21がセッションIDからユーザ認証情報を特定するようにしてもよい。
【0131】
さらに、プレビューログにより、ユーザグループ内のユーザによるプレビュー実行状況を管理することができる。例えば、管理者、送信者、およびユーザグループ内のユーザのいずれかがプレビューログをクライアント装置1などから閲覧することで、ユーザグループ内のユーザによるプレビュー実行状況を把握することができる。例えば、サーバ装置2でウェブサーバを稼働させておき、クライアント装置1、複合機3などのウェブクライアント(ウェブブラウザなど)がそのウェブサーバへアクセスすると、ウェブサーバが、プレビュー実行状況を含むウェブページデータを提供して、ウェブクライアントが、そのウェブページデータに基づいて、プレビュー実行状況を含む画面を表示するようにしてもよい。また、ウェブサーバが、ジョブ実行状況とプレビュー実行状況の両方を含むウェブページデータを提供して、ウェブクライアントが、そのウェブページデータに基づいて、ジョブ実行状況およびプレビュー実行状況を含む画面を表示するようにしてもよい。
【0132】
図10は、実施の形態3における、プレビュー画像を表示する画面の一例を示す図である。図10に示すように、操作パネル307においてプレビュー画像401が表示される。また、プレビュー画像401とともに、その画面において、プレビュー画像に対応する画像出力データの関連情報402、印刷ボタン403、ファクシミリ送信ボタン404、次ページボタン405、前ページボタン406、印刷設定編集ボタン407、データ削除ボタン408、削除予約設定ボタン409、およびプレビュー終了ボタン410が表示される。これらのボタン403〜409のいずれかに対するユーザの押下操作が操作パネルの入力装置により検出されると、制御装置306は、押下操作があったボタンに対応する処理を実行する。
【0133】
印刷ボタン403は、上述のように、画像出力データを取得しその画像出力データに基づき印刷処理を実行させるためのボタンである。ファクシミリ送信ボタン404は、上述のように、画像出力データを取得しその画像出力データに基づきファクシミリ送信処理を実行させるためのボタンである。印刷ボタン403またはファクシミリ送信ボタン404が押下された場合、制御装置306は、プレビュー画像に対応する画像出力データを取得し、印刷またはファクシミリ送信のジョブを実行する(ステップS12〜S14)。
【0134】
プレビュー画像データが複数ページのプレビュー画像を有している場合、最初に、先頭ページのプレビュー画像401が表示される。次ページボタン405は、次のページのプレビュー画像401を表示させるためのボタンであり、前ページボタン406は、前のページのプレビュー画像401を表示させるためのボタンである。次ページボタン405または前ページボタン406が押下された場合、制御装置306は、表示されているプレビュー画像を、次ページまたは前ページのプレビュー画像に切り替える。
【0135】
印刷設定編集ボタン407は、クライアント装置1において設定された印刷設定値(ページ指定、カラー設定など)を複合機3において編集するためのボタンである。印刷設定編集ボタン407が押下された場合、制御装置306は、設定画面を操作パネル307に表示させ、操作パネル307に対するユーザの操作による新たな印刷設定値を検出し、その新たな印刷設定値を適用して印刷処理を実行させる。
【0136】
データ削除ボタン408は、サーバ装置2におけるプレビュー画像データとそれに関連付けられている画像出力データを削除させるためのボタンである。データ削除ボタン408が押下された場合、制御装置306は、シリアル番号などで、画像出力データおよび/またはプレビュー画像データを指定した削除要求をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、その削除要求に従って、画像出力データおよびプレビュー画像データを削除する。
【0137】
削除予約設定ボタン409は、ジョブ実行後に自動的に、サーバ装置2におけるプレビュー画像データとそれに関連付けられている画像出力データを削除させるためのボタンである。削除予約設定ボタン409が押下された場合、制御装置306は、設定画面を操作パネル307に表示させ、操作パネル307に対するユーザの操作により、ジョブ実行後に画像出力データおよびプレビュー画像データを削除するか否かを特定する。ジョブ実行後に画像出力データおよびプレビュー画像データを削除する場合、制御装置306は、画像出力データに基づくジョブ(印刷またはファクシミリ送信)が完了すると、その画像出力データおよびそれに関連付けられているプレビュー画像データの削除要求をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2の出力データ管理部21は、その削除要求に従って、画像出力データおよびプレビュー画像データを削除する。
【0138】
なお、出力データ管理部21は、削除要求を送信したユーザのユーザ識別情報が、画像出力データを送信したユーザのユーザ識別情報または管理者のユーザ識別情報である場合のみ、それらの削除または削除予約を許可するようにしてもよい。
【0139】
プレビュー終了ボタン410は、プレビュー画像410の表示を終了するためのボタンである。プレビュー終了ボタン410が押下された場合、制御装置306は、例えば図9に示すプレビュー画面を削除し、例えば図8に示すリスト画面を再度表示させる。
【0140】
以上のように、上記実施の形態3によれば、複合機3の制御装置306は、画像形成処理の前に、画像出力処理により得られる画像についてのプレビュー画像を所定の表示装置に表示させる。
【0141】
これにより、ユーザがプレビューで印刷物の画像を事前に確認することができるため、ユーザが必要としない印刷が実行されない。したがって、不要な印刷物が発生しにくく、不要な印刷物が放置されることによる機密漏洩を防止できる。
【0142】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0143】
例えば、上記各実施の形態において、画像出力データは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、TIFF(Tagged Image File Format)形式、GIF(Graphics Interchange Format)形式、PNG(Portable Network Graphics)形式などといったイメージ形式、PDF(Portable Document Format)形式、EPS(Encapsulated Post Script)形式などのデータであってもよい。
【0144】
また、上記各実施の形態では、複合機3は1台だけであるが、複数の複合機がネットワーク7に接続されているシステムも構成可能である。
【0145】
また、上記各実施の形態において、認証サーバ装置6を設けずに、認証サーバ装置6の機能をサーバ装置2に持たせるようにしてもよい。
【0146】
また、上記各実施の形態において、複合機3、プリンタ4といった画像形成装置のグループを設け、クライアント装置1において画像出力データにグループ識別情報が付加され、サーバ装置2において、グループ識別情報に関連付けて画像出力データを保持するようにしてもよい。この場合、サーバ装置2から複合機3へ、その画像形成装置の属するグループのグループ識別情報およびログインユーザのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストが送信される。
【0147】
また、上記各実施の形態において、複合機3の制御装置306は、画像出力データのリストが表示された後、ユーザにより選択された画像出力データについて、その画像出力データの削除要求をネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信するようにしてもよい。この場合、通信処理部221によりその削除要求が受信されると、サーバ装置2の出力データ管理部21は、要求された画像出力データを出力データ記憶部22から削除する。なお、この削除要求にはセッションIDが付加される。
【0148】
また、上記各実施の形態において、サーバ装置2の出力データ管理部21は、保存から所定の期間(例えば1ヶ月)が経過した画像出力データを自動的に削除するようにしてもよい。
【0149】
また、上記各実施の形態において、クライアント装置1およびサーバ装置2はプレビュー画像データを取り扱わず、複合機3が、画像出力データからプレビュー画像データを生成するようにしてもよい。
【0150】
また、上記各実施の形態において、プレビュー画像データが複数ページのプレビュー画像を有している場合、画像形成装置3は、プレビュー画像を表示する際に、1ページずつ、プレビュー画像データをサーバ装置2から取得してもよいし、総てのページのプレビュー画像データを1回で取得するようにしてもよい。
【0151】
また、上記各実施の形態において、ユーザごとに、プレビュー画像の表示を許可するか否かを示す情報を、予めサーバ装置2または認証サーバ装置6に格納しておき、サーバ装置2は、ユーザの認証が成功した後に、そのユーザに対してプレビュー画像の表示が許可されている場合のみ、プレビュー画像データを複合機3へ提供するようにしてもよい。
【0152】
また、上記各実施の形態において、プリンタ4およびカードリーダ5に関連付けられているネットワーク機器の表示装置にプレビュー画像を表示させるようにしてもよい。この場合、そのネットワーク機器またはプリンタ4が、プレビューに関するデータ通信をサーバ装置2と行い、プリンタ4が、プレビュー画像に対応する画像出力データに基づく印刷を実行する。
【0153】
また、上記各実施の形態において、ユーザグループテーブルを、認証サーバ装置6に格納しておき、サーバ装置2は、認証サーバ装置6に、ユーザ識別情報に対応するユーザグループ識別情報を問い合わせるようにしてもよい。例えば、アクティブディレクトリにより、ユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報を管理する。
【0154】
また、上記各実施の形態において、ユーザごとに、ユーザ識別情報に関連付けて、電子メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を予め格納しておき、出力データ管理部21が、定期的にジョブ実行ログを参照し、画像出力データがサーバ装置2に格納されてから所定の時間が経過しても、宛先ユーザ、または宛先ユーザグループのすべてのユーザが、その画像出力データに対して印刷などのジョブを実行させていない場合には、ジョブを実行させていないユーザの連絡先情報を特定し、連絡先情報に対する通信方法で、ジョブを実行させていない画像出力データがある旨のメッセージを送信するようにしてもよい。なお、その通信方法に必要な通信装置は予めサーバ装置2に設けられる。
【0155】
また、上記各実施の形態において、ユーザごとに、ユーザ識別情報に関連付けて、電子メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を予め格納しておき、出力データ管理部21が、ジョブ実行ログを格納する際に、画像出力データの送信ユーザの連絡先情報を特定し、ジョブを実行させたユーザを通知するメッセージを、連絡先情報に対する通信方法で送信するようにしてもよい。なお、その通信方法に必要な通信装置は予めサーバ装置2に設けられる。
【0156】
また、上記各実施の形態において、ユーザごとに、ユーザ識別情報に関連付けて、電子メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を予め格納しておき、出力データ管理部21が、画像出力データを格納する際に、宛先ユーザ、または宛先ユーザグループのユーザの連絡先情報を特定し、そのユーザ宛ての画像出力データがあることを通知するメッセージを、連絡先情報に対する通信方法で送信するようにしてもよい。なお、その通信方法に必要な通信装置は予めサーバ装置2に設けられる。
【0157】
また、上記各実施の形態において、ユーザごとに、ユーザ識別情報に関連付けて、電子メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を予め格納しておき、クライアント装置1の出力ドライバ11が、親展か否かを示すフラグを画像出力データとともにサーバ装置2に送信し、そのフラグの値が所定の値である場合、出力データ管理部21が、宛先ユーザ、または宛先ユーザグループのユーザの連絡先情報を特定し、そのユーザ宛ての、親展の画像出力データがあることを通知するメッセージを、連絡先情報に対する通信方法で送信するようにしてもよい。なお、その通信方法に必要な通信装置は予めサーバ装置2に設けられる。
【0158】
また、上記各実施の形態において、ジョブ完了通知に印刷部数を含め、ユーザが印刷した部数をジョブ実行ログに含めるようにしてもよい。
【0159】
また、上記各実施の形態において、ユーザグループは、例えば、会社の部門、学校のクラスなどとされ、社内報、学級だよりなどの文書データから画像出力データが生成される。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、例えば、複数の複合機を有する画像形成システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0161】
1 クライアント装置
2 サーバ装置
3 複合機(画像形成装置の一例)
4 プリンタ(画像形成装置の一例)
5 カードリーダ(電子機器の一例)
6 認証サーバ装置
7 ネットワーク
21 出力データ管理部(データ管理手段の一例,画像処理手段の一例)
31 カードリーダ(取得手段の一例)
205 ネットワークインタフェースカード(第1通信装置の一例,通信装置の一例)
221 通信処理部(データ受信手段の一例,データ送信手段の一例)
222 認証処理部(認証処理手段の一例)
301 ネットワークインタフェースカード(第2通信装置の一例,通信装置の一例)
306 制御装置(制御手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された少なくとも1つの画像形成装置と、
前記ネットワークに接続されたサーバ装置と、
前記ネットワークに接続され、ユーザの操作に従って、文書データから画像出力データを生成し、そのユーザのユーザ認証情報、並びに宛先となるユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方とともに前記サーバ装置へ送信するクライアント装置とを備え、
前記サーバ装置は、
前記ネットワークに接続された第1通信装置と、
前記第1通信装置で前記ユーザ認証情報、前記ユーザ識別情報および前記ユーザグループ識別情報のいずれか一方、並びに前記画像出力データを受信するデータ受信手段と、
前記ユーザ識別情報および前記ユーザグループ識別情報のいずれか一方に関連付けて前記画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、
ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、前記第1通信装置で前記ネットワークを介して前記画像形成装置または前記画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、
そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループの前記ユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報に関連付けられている前記画像出力データを、前記画像形成装置へ前記第1通信装置で送信するデータ送信手段とを有し、
前記画像形成装置は、
前記ネットワークに接続された第2通信装置と、
ユーザ操作に基づいて前記ユーザ認証情報を取得する取得手段と、
前記第2通信装置で前記ユーザ認証情報を前記サーバ装置へ送信し、前記第2通信装置で、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループの前記ユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれるユーザ識別情報に関連付けられている前記画像出力データを、前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段とを有すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記画像出力データに基づく前記画像形成処理の前に、前記画像出力処理により得られる画像についてのプレビュー画像を所定の表示装置に表示させることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記サーバ装置の前記データ管理手段は、前記画像出力データに関連付けてプレビュー画像データを所定の記憶装置に格納し、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記プレビュー画像データを前記画像形成装置へ前記第1通信装置で送信し、
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記第2通信装置で前記プレビュー画像データを受信し、前記プレビュー画像データに基づき前記プレビュー画像を表示させること、
を特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記画像出力データから前記プレビュー画像データを生成する画像処理手段を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記サーバ装置の前記データ受信手段は、前記第1通信装置で前記クライアント装置から前記プレビュー画像データを受信することを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記プレビュー画像データは、前記画像出力データと同一の解像度を有することを特徴とする請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記サーバ装置から受信した前記画像出力データに基づき前記プレビュー画像を表示させることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記ネットワークに接続され、登録済みのユーザ認証情報を有し、前記登録済みのユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証サーバ装置を備え、
前記サーバ装置の認証処理手段は、前記画像形成装置または前記電子機器からのユーザ認証情報を前記第1通信装置で前記認証サーバ装置へ送信してユーザ認証を実行させ、前記第1通信装置で前記認証サーバ装置から前記ユーザ認証の結果を受信し、その結果に基づいて、前記ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記ユーザ識別情報または前記ユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データのリストを前記サーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいて前記リストから前記画像出力データを選択し、選択した前記画像出力データの送信要求を前記サーバ装置へ送信し、その画像出力データを前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせ、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記画像形成装置から要求された前記画像出力データを、前記ユーザ認証情報および前記送信要求を送信した前記画像形成装置へ送信すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記ユーザ識別情報または前記ユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データのリストを前記サーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいて前記リストから前記画像出力データを選択し、選択した前記画像出力データに対応する前記プレビュー画像データの送信要求を前記サーバ装置へ送信し、そのプレビュー画像データを前記サーバ装置から受信してそのプレビュー画像データに基づきプレビュー画像を表示させ、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記画像形成装置から要求された前記プレビュー画像データを、前記ユーザ認証情報および前記送信要求を送信した前記画像形成装置へ送信すること、
を特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記リストは、前記画像出力処理により得られる画像についてのサムネイル画像を有し、
前記プレビュー画像の解像度は、前記サムネイル画像の解像度より高いこと、
を特徴とする請求項9または請求項10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記サーバ装置の前記データ管理手段は、前記画像形成装置において前記画像出力データに対する画像形成処理が実行されると、その画像出力データの識別情報および前記ユーザ識別情報を含むジョブ実行ログを格納することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記サーバ装置の前記データ管理手段は、前記画像形成装置において前記画像出力データに対するプレビューが実行されると、その画像出力データの識別情報および前記ユーザ識別情報を含むプレビューログを格納することを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記画像出力データは、ページ記述言語で記述された印刷データであることを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項15】
ネットワークに接続された通信装置と、
前記通信装置で、宛先となるユーザ識別情報およびユーザグループ識別情報のいずれか一方、並びに画像出力データを受信するデータ受信手段と、
前記ユーザ識別情報および前記ユーザグループ識別情報のいずれか一方に関連付けて前記画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、
ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、前記通信装置で前記ネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、
そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループの前記ユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている前記画像出力データを、前記ユーザ認証情報を送信した前記画像形成装置へ前記通信装置で送信するデータ送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項16】
ネットワークに接続された通信装置と、
ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、
前記ネットワークに接続されているサーバ装置へ前記通信装置でユーザ認証情報および画像出力データの送信要求を送信し、そのユーザ認証情報のユーザが属するユーザグループのユーザグループ識別情報に関連付けられている前記画像出力データ、またはそのユーザ認証情報に含まれているユーザ識別情報に関連付けられている前記画像出力データを、前記通信装置で前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−170234(P2010−170234A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10410(P2009−10410)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】