説明

画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、データ送信方法、コンピュータプログラム及び記録媒体

【課題】利用者がデータの記憶媒体等を持参する必要がない上に、画像形成すべきデータのダウンロードのため利用者を待たせることがなく、更にコストを削減できる画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、データ送信方法及びコンピュータプログラム、並びに該コンピュータプログラムを記憶する記録媒体を提供する。
【解決手段】プリントサーバー1に記憶されている画像形成装置100の所在を表す所在データに基づき、画像形成装置100の所在地を含む所定範囲の領域が決定され、プリントサーバー1が携帯電話300の位置に係る位置データを取得した場合、該位置データと、前記所在データ及び前記領域とに基づき、例えば、携帯電話300が該領域内にある場合、プリントサーバー1が画像形成装置100にデータを送信して、画像形成装置100は該データに基づき画像形成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等に設置された画像形成装置を用いて画像形成を行う際の待ち時間を減少させる、画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、データ送信方法及びコンピュータプログラム、並びに該コンピュータプログラムを記憶する記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が印刷すべきデータをあらかじめプリントサービスのサーバに登録しておき、出先のプリンタを用いて前記サーバからデータを取得して該データに基づく印刷物を入手できる、プリントサービスが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、コンビニエンスストア等に設置されている複写機を利用する際、利用者が自分の携帯電話から該複写機の課金管理装置にダイアルし、該課金管理装置は前記複写機に起動信号を送信して該複合機を使用可能な状態にする画像形成装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、外出先近辺のプリントサービス可能な店舗に遠隔地より印刷予約を行い、また、印刷すべき文書データをサーバに保管しておき、外出先においても容易に印刷物が入手できる文書印刷方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献3においては、ユーザが携帯する無線機器との通信によって該無線機器の識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する文書ファイルをサーバから取得しておき、ユーザから出力を指示する操作があった場合、前記文書ファイルに基づいてプリントを行う出力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−237185号公報
【特許文献2】特開2004−334670号公報
【特許文献3】特開2008−117349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、プリントすべきデータを記憶するサーバについては開示されておらず、利用者は前記データを記憶媒体等に記憶させて当該店舗まで持参する不便を強いられている問題がある。
【0008】
また、特許文献2の文書印刷方法では、印刷予約がされた店舗に利用者が到着してから利用者の操作によってサーバに保管された印刷すべき文書データがダウンロードされるので、ダウンロードが完了するまで、利用者を待たせる結果となるという問題がある。
【0009】
更に、特許文献3の出力装置では、出力装置の無線通信装置が利用者の無線機器の接近を感知した場合、サーバから文書ファイルのダウンロードを開始する構成であるが、前記出力装置の無線通信装置がいわゆる近距離通信方法を用いることから、利用者の無線機器の感知から、利用者の当該店舗への到着までの時間が短く、ダウンロードすべき文書ファイルの容量が大きい場合、依然として利用者を待たせる結果となる。更に、特許文献3の出力装置では、利用者の無線機器の接近を感知する無線通信装置を各出力装置が備えているので、斯かるプリントサービスの提供側にとってはコストがかかると言う問題もある。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、情報処理装置に記憶されている画像形成装置の所在を表す所在データに基づき、前記画像形成装置の所在地を含む所定範囲の領域が決定され、前記情報処理装置が移動体(例えば、利用者の携帯電話)の位置に係る位置データを取得した場合、該位置データと、前記所在データ及び前記領域とに基づき、例えば、前記移動体が該領域内にある場合、前記情報処理装置が前記画像形成装置にデータを送信して、該画像形成装置は該データに基づき画像形成を行うことにより、利用者がデータの記憶媒体等を持参する必要がない上に、画像形成すべきデータのダウンロードのため利用者を待たせることがなく、更にコストを削減できる画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、データ送信方法及びコンピュータプログラム、並びに該コンピュータプログラムを記憶する記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成システムは、移動体と、該移動体の移動の監視及び受信データの記憶を行う情報処理装置と、該情報処理装置からデータを受信して画像形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記画像形成装置の所在を表す所在データを記憶する記憶部と、該画像形成装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定手段と、前記移動体の位置に係る位置データを取得する位置取得手段と、該位置取得手段が取得した位置データ、前記所在データ、及び前記領域に基づき、前記画像形成装置にデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、前記情報処理装置の記憶部が記憶している所在データに基づき、前記情報処理装置の領域決定手段が前記画像形成装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する。前記情報処理装置の位置取得手段が前記移動体の位置に係る位置データを取得する。該位置データ、前記所在データ及び前記領域に基づき、前記情報処理装置の送信手段が前記画像形成装置にデータを送信し、該データを受信した前記画像形成装置は該データに基づき画像形成を行う。
【0013】
本発明に係る画像形成システムは、前記情報処理装置は、前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記移動体の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定手段を備え、該判定手段によって、前記移動体の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、前記情報処理装置の判定手段が、前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記移動体の位置が前記領域内であるか否かを判定し、前記移動体の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始する。
【0015】
本発明に係る画像形成システムは、前記情報処理装置の領域決定手段は、前記画像形成装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、前記情報処理装置の領域決定手段は、前記画像形成装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定する。例えば、送信すべきデータの容量が大きい程、前記領域として広い範囲を決定する。
【0017】
本発明に係る画像形成システムは、前記情報処理装置は、前記送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始した後、前記判定手段によって、前記移動体の位置が前記領域外であると判定された場合、前記画像形成装置に、受信完了データを削除する削除指示を送信する指示送信手段を備え、前記画像形成装置は、前記削除指示を受信した場合、その時点までの受信完了データを削除する手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、前記情報処理装置の送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始した後、前記情報処理装置の判定手段によって、前記移動体の位置が前記領域外であると判定された場合、前記情報処理装置の指示送信手段が前記画像形成装置に前記削除指示を送信する。前記画像形成装置は、該削除指示を受信した場合、その時点までの受信完了データを削除する。
【0019】
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、その旨を前記情報処理装置に通知する終了通知手段を備えており、前記情報処理装置は、前記通知を受信した場合、前記画像形成に係るデータを削除する手段を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、前記画像形成装置の終了通知手段が該画像形成が終了した旨を前記情報処理装置に通知する。前記情報処理装置は、前記通知を受信した場合、前記画像形成に係るデータを削除する。
【0021】
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置が複数であり、前記情報処理装置は、前記位置取得手段が取得した位置データ、並びに前記記憶部が記憶している所在データに基づき何れかの画像形成装置を選択する選択手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、前記画像形成装置が複数である場合、前記情報処理装置の選択手段は、前記情報処理装置の位置取得手段が取得した位置データ、並びに前記情報処理装置の記憶部が記憶している所在データに基づいて、複数の画像形成装置の中、何れかの画像形成装置を選択する。
【0023】
本発明に係る情報処理装置は、第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置において、前記第2外部装置の所在を表す所在データを記憶する記憶部と、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定手段と、前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得する位置取得手段と、該位置取得手段が取得した位置データ、前記所在データ、及び前記領域に基づき、前記第2外部装置にデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、前記記憶部が記憶している所在データに基づき、前記領域決定手段が前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する。前記位置取得手段が前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得する。該位置データ、前記所在データ及び前記領域に基づき、前記送信手段が前記第2外部装置にデータを送信する。
【0025】
本発明に係る情報処理装置は、前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定手段を備え、該判定手段によって、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始するように構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、前記判定手段が、前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定し、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始する。
【0027】
本発明に係る情報処理装置は、前記領域決定手段は、前記第2外部装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定するように構成されていることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、前記領域決定手段は、前記第2外部装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定する。例えば、送信すべきデータの容量が大きい程、前記領域として広い範囲を決定する。
【0029】
本発明に係る情報処理装置は、前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始した後、前記判定手段によって、前記第1外部装置の位置が前記領域外であると判定された場合、前記第2外部装置に、受信完了データを削除する削除指示を送信する指示送信手段を備えることを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始した後、前記判定手段によって、前記第1外部装置の位置が前記領域外であると判定された場合、前記指示送信手段が前記第2外部装置に前記削除指示を送信する。
【0031】
本発明に係る情報処理装置は、前記第2外部装置から所定の通知を受信した場合、前記第2外部装置に送信したデータを削除する手段を備えることを特徴とする。
【0032】
本発明にあっては、例えば、前記第2外部装置から所定の通知を受信した場合、前記送信手段が前記第2外部装置に送信したデータが削除される。
【0033】
本発明に係る画像形成装置は、前述の発明の何れか一つに記載の情報処理装置からデータを受信して画像形成を行う画像形成装置において、前記情報処理装置からデータを受信する際、該情報処理装置から受信完了データを削除する削除指示を受信する受信部と、前記削除指示を受信した場合、その時点までの受信完了データを削除する手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明にあっては、前記情報処理装置からデータを受信する際、該情報処理装置から前記削除指示が受信された場合、その時点までの受信完了データは削除される。
【0035】
本発明に係る画像形成装置は、前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、該画像形成に係るデータを削除する削除手段を備えることを特徴とする。
【0036】
本発明にあっては、前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、前記削除手段が終了した画像形成に係るデータを削除する。
【0037】
本発明に係るデータ送信方法は、記憶部を備えており、第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置にて、データを送信するデータ送信方法において、前記記憶部には前記第2外部装置の所在を表す所在データが記憶されており、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定ステップと、前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得する位置取得ステップと、該位置取得ステップが取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップによって、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置にデータの送信を開始する送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0038】
本発明に係るコンピュータプログラムは、記憶部を備えており、第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置を構成するコンピュータに、データを送信させるコンピュータプログラムにおいて、前記記憶部には前記第2外部装置の所在を表す所在データが記憶されており、コンピュータに、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定させる領域決定ステップと、コンピュータに、前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得させる位置取得ステップと、コンピュータに、前記位置取得ステップで取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定させる判定ステップと、コンピュータに、前記判定ステップにて、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置にデータの送信を開始させる送信ステップとを実行させることを特徴とする。
【0039】
本発明にあっては、前記記憶部が記憶している所在データに基づき、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域が決定される。前記第1外部装置の位置に係る位置データが取得され、取得された位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かが判定される。前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置へのデータの送信が開始される。
【0040】
本発明に係る記録媒体は、前述の発明のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0041】
本発明にあっては、前記記録媒体に前述のコンピュータプログラムを記録する。コンピュータが前記記録媒体からコンピュータプログラムを読み出して、前述の画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置及びデータ送信方法がコンピュータにより実現される。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、画像形成に係るデータが前記情報処理装置から前記画像形成装置(第2外部装置)に送信されるので利用者が記憶媒体等を持ち運ぶ必要がない上に、利用者が着く前、画像形成に係るデータが既に前記画像形成装置(第2外部装置)に受信されているので、画像形成に係るデータのダウンロードのため利用者を待たせることがない。また、移動体(携帯電話)の位置の検知が前記情報処理装置によって行われるので、該位置の検知のための装置を夫々の画像形成装置(第2外部装置)に設ける必要がなくなり、コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1の画像形成システムを概念的に表す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムを構成するプリントサーバーの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムを構成するパーソナルコンピュータの要部構成を説明する機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムを構成する画像形成装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、パーソナルコンピュータ及びプリントサーバーの間の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】プリントサービスの登録画面の一例を説明する例示図である。
【図7】プリントに係る設定を受け付けるための登録画面を説明する説明図である。
【図8】利用者の携帯電話のメールアドレスの入力を要求する他の登録画面を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、利用者の移動と、境界領域との関係を説明する説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、プリントサーバー及び画像形成装置の間の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、プリントサーバー及び画像形成装置の間の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図12】画像形成装置の表示部に表示されるログイン用の画面を説明する説明図である。
【図13】利用者からプリンタにおける設定を受け付ける受付画面を説明する説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2の画像形成システムにおける、利用者の移動と、境界領域との関係を説明する説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2の画像形成システムにおける、プリントサーバーの処理の一例を説明するフローチャートである。
【図16】図15におけるプリントサーバーの処理に対応する画像形成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態3のプリントサーバーの要部構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明に係る、情報処理装置、画像形成装置及び移動体を、夫々プリントサーバー、複合機及び携帯電話に適用した場合を例として、本発明に係る画像形成システム、データ送信方法及びコンピュータプログラムを図面に基づいて詳述する。
【0045】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の画像形成システムを概念的に表す概念図である。
本発明に係る画像形成システムにおいては、利用者が自宅でパーソナルコンピュータ200を用いて文書を作成する。該文書をプリントする際、利用者は該文書に係るデータ(以下、文書データと言う)をプリントサーバー1に送信し、該プリントサーバー1は受信した文書データを記憶する。この後、利用者は、例えば、携帯電話300を携帯して、近くのコンビニエンスストア(以下、コンビニと言う)に向かう。
【0046】
また、プリントサーバー1は、適切な時点に文書データをコンビニの画像形成装置100に送信し、コンビに到着した利用者は、画像形成装置100が受信した文書データを用いてプリント(画像形成)を行う。
【0047】
一方、携帯電話300は、GPS(global positioning system)機能を有しており、利用者(携帯電話300)の位置を表す位置データを所定時間毎にプリントサーバー1送信する。従って、プリントサーバー1は利用者の位置データを取得でき、利用者の位置を追跡できる。
【0048】
図2は本発明の実施の形態1のプリントサーバー1の要部構成を示す機能ブロック図である。プリントサーバー1は制御部2、記憶部3及び通信部4を備えている。
【0049】
記憶部3は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、又は、OUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。また、記憶部3には通信部4を介して外部(例えば、パーソナルコンピュータ200)から受信した文書データが記憶されている。該文書データは、通信部4を介して受信する該文書データの送信元であるパーソナルコンピュータ200を表す送信元の識別データと、携帯電話300のメールアドレスとに関連付けて記憶される。前記文書データは、通信部4を介して、コンビニの画像形成装置100に送信される。
【0050】
更に、記憶部3には、画像形成装置100の所在を表す所在データが記憶されている。すなわち、画像形成装置100が設置された各コンビニの所在地を表すデータが記憶されている。
【0051】
通信部4は、ネットワークカード又はモデム等を用いて構成されており、図示しない公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能である。また、通信部4は、パーソナルコンピュータ200から文書データ、前記送信元の識別データ、及び携帯電話300のメールアドレスデータを受信する。プリントサーバー1は通信部4を介してパーソナルコンピュータ200及び画像形成装置100と送受信する。
【0052】
また、通信部4は、携帯電話300との無線通信が出来るように構成されている。従って、利用者が携帯電話300を携帯して移動する際、携帯電話300との無線通信により、利用者の位置が追跡できる。
【0053】
制御部2は、CPU21、ROM22、RAM23、領域決定部24、位置取得部25、データ送信部26、判定部27、指示送信部28、データ削除部29及び選択部30を備えている。
【0054】
ROM22には各種の制御プログラム、演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータ等が予め格納されており、RAM23はデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、RAM23は、例えば、ROM22から読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、該実行の際適宜変化するパラメータ等を記憶する。
【0055】
CPU21は、ROM22に予め格納されている制御プログラムをRAM23上にロードして実行することによって、上記の各種ハードウエアの制御を行い、装置全体を本発明のプリントサーバー1として動作させる。
【0056】
領域決定部24は、記憶部3に記憶されている所在データに基づき、画像形成装置100が設置されている所定のコンビニの所在地を含む所定範囲の領域を決定する。デフォルトとして、所定のコンビニの所在地を中心に、半径2kmの範囲を前記領域として決定する。データ送信部26は、利用者(携帯電話300)が前記領域内にいるか否かに基づき、該領域に対応する画像形成装置100に文書データを送信する。以下、該領域を境界領域と言う。
【0057】
また、領域決定部24は、前記境界領域を決定する際、データ送信部26によって送信すべき文書データの容量に基づいて斯かる境界領域を決定する。すなわち、送信すべきデータの容量が大きいほど転送速度は遅くなるので、これに対応すべく、領域決定部24は、送信すべき文書データの容量に応じて前記境界領域を決定する。例えば、領域決定部24は、送信すべき文書データの容量が4Mb以下である場合、半径2kmの範囲を前記境界領域として決定し、4Mb以上である場合、半径4kmの範囲を前記境界領域として決定する。
【0058】
位置取得部25は、携帯電話300から送信される前記位置データを、通信部4を介して取得する。例えば、携帯電話300は、人工衛星からの電波を受信して自機の位置を測位し、該測位の結果を位置取得部25に送信するように構成されている。
【0059】
位置取得部25による携帯電話300の位置データの取得は、以上の記載に限るものでない。例えば、携帯電話300が人工衛星から受信した電波(時刻信号データ、全衛星軌道データ、及び衛星軌道データ)をプリントサーバー1に送信し、位置取得部25にて携帯電話300の位置の測位を行うように構成しても良い。
【0060】
また、GPSでなく、いわゆるA−GPS(assisted-global positioning system)を用いるように構成しても良い。
【0061】
更に、携帯電話300では常に近くの基地局との通信が行われているので、携帯電話300との通信を行った基地局の位置に基づき、位置取得部25が携帯電話300の位置データを取得するように構成しても良い。
【0062】
選択部30は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて、所定のコンビニを選択する。詳しくは、選択部30は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置と、記憶部3に記憶されている所在データとに基づき、何れかの画像形成装置100(コンビニ)を選択する。選択部30は、例えば、利用者(携帯電話300)の位置に最も近い画像形成装置100(コンビニ)を選択する。
【0063】
判定部27は、領域決定部24によって決定された境界領域内に、利用者がいるか否かを判定する。詳しくは、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、領域決定部24によって決定された境界領域内であるか否かを判定する。判定部27による前記判定は所定時間毎に繰り返される。
【0064】
判定部27が領域決定部24によって決定された境界領域内に利用者がいると判定した場合、データ送信部26は、斯かる利用者の携帯電話300のメールアドレスに対応する文書データを記憶部3から読み出し、選択部30によって選択されたコンビニの画像形成装置100に送信を開始する。
【0065】
指示送信部28は、送信が開始された文書データであって、その時点まで既に受信が完了されたデータ(受信完了データ)を削除する旨の指示(以下、途中削除指示と言う)を、該文書データを受信した受信先に、通信部4を介して送信する。詳しくは、データ送信部26が画像形成装置100に文書データの送信を開始した後、判定部27によって、当該境界領域内に、すなわち、該画像形成装置100に係る境界領域内に、利用者がいないと判定された場合、指示送信部28は前記途中削除指示を受信先である該画像形成装置100に送信する。前記途中削除指示を受信した画像形成装置100は、その時点までの受信完了データを削除する。
【0066】
データ削除部29は、画像形成装置100から後述する終了通知を受信した場合、該画像形成装置100に送信した文書データを記憶部3から削除する。
【0067】
図3は本発明の実施の形態1に係る画像形成システムを構成するパーソナルコンピュータ200の要部構成を説明する機能ブロック図である。例えば、パーソナルコンピュータ200はプリントサーバー1とインターネットによって接続されており、パーソナルコンピュータ200から作成された文書(文書データ)はプリントサーバー1に送信されて記憶される。プリントサーバー1は、上述したように、該文書データを画像形成装置100に送信し、画像形成装置100は該文書データに基づき、画像形成を行う。
【0068】
パーソナルコンピュータ200は、OSとして、例えばマイクロソフト社のウインドウズを使用する。また、パーソナルコンピュータ200は、CPU201と、アプリケーション202と、ハードディスク203と、入力部204と、ディスプレイ205と、通信部206とを備えている。
【0069】
アプリケーション202は、ワードプロセッシング、ペイント、プレゼンテーション等テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムである。アプリケーション202によって作成された文書データは、ハードディスク203に記憶される。
【0070】
入力部204は、例えばキーボード、マウス等からなり、入力部204を介してデータの入力を受け付けることによって、アプリケーション202による文書データの作成が行われる。
【0071】
ディスプレイ205は、例えば、LCD又はEL(Electroluminescence)パネル等からなり、後述するように、作成された文書データをプリントサーバー1に送信して登録する際における、登録画面等が表示される。
【0072】
通信部206は、例えばプリントサーバー1に文書データ、並びに後述するような利用者の携帯電話のメールアドレスを送信するためのネットワークカード、モデム等を備えている。
【0073】
また、CPU201は、ROM(図示せず)に予め格納されている制御プログラムをRAM(図示せず)上にロードして実行することによって、以上に記載した要部の制御を行い、装置全体を本発明のパーソナルコンピュータ200として動作させる。
【0074】
図4は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置100は、カラーコピー機能及びカラースキャナ機能等を有するデジタル複合機である。画像形成装置100は、原稿から画像を光学的に読み取る画像入力部106を備えており、画像入力部106には、読み取った画像に応じた画像データを生成する画像処理部107が接続されている。画像処理部107には、画像処理部107が生成した画像データに基づいて画像を出力する画像出力部108、及び画像処理部107が生成した画像データを外部へ送信し、また外部から画像データを受信する通信部112が接続されている。該画像データに基づく画像は表示部110に表示される。
【0075】
画像入力部106、画像処理部107、画像出力部108、表示部110及び通信部112には、利用者からの操作を受け付ける操作パネル109が接続されている。
【0076】
次に、画像形成装置100の各部の構成を説明する。
操作パネル109は、画像形成装置100の動作モードを設定するための設定指示等、画像形成装置100の動作を制御するための指示を利用者の操作により受け付けるタッチパネル又はテンキー等の操作部と、操作に必要な情報を表示する表示部110とを含んで構成されている。表示部110は、例えば、LCD又はELパネル等からなる。
【0077】
画像入力部106は、CCD(Charge Coupled Device )等の光センサを備えたカラースキャナを用いて構成されており、紙等の記録シートに画像が記録された原稿からの反射光像をRGB(R:赤,G:緑,B:青)の各色に分解して光センサで読み取り、RGBのアナログ信号に変換して画像処理部107へ出力する。
【0078】
画像処理部107は、画像入力部106から入力されたRGBのアナログ信号に対して画像処理を行うことにより、RGBのデジタル信号(以下、RGB信号という)からなる画像データを生成する。また画像処理部107は、該RGB信号に対して更に画像処理を実行することにより、CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル信号からなる画像データを生成し、ストリームとして画像出力部108へ出力する。なお、画像処理部107は、画像データを画像出力部108へ出力する前に、記憶部111に画像データを一旦記憶する構成であってもよい。
【0079】
記憶部111はハードディスク等の不揮発性の記憶装置であり、プリントサーバー1から受信された文書データを記憶する。
【0080】
画像出力部108は、画像処理部107から入力された画像データに基づいて、熱転写、電子写真、又はインクジェット等の方式により紙等の記録シート上に画像を形成することによって画像を出力する。
【0081】
通信部112は、ネットワークカード又はモデム等を用いて構成されており、図示しない公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能であり、ファクシミリ又は電子メール等の通信方法により通信ネットワークを介して外部とデータを送受信する。例えば、画像形成装置100は、通信部112を介してプリントサーバー1と接続されており、通信部112を介してプリントサーバー1から文書データ及び途中削除指示を受信する。
【0082】
また、画像形成装置100は制御部101を備えている。制御部101は画像形成装置100で実行される各種の処理において、上述した各ハードウエアを制御する。制御部101は、CPU102と、途中削除部103と、削除部104と、終了通知部105とを備えている。
【0083】
途中削除部103は、プリントサーバー1から前記途中削除指示が受信された場合、その時点まで既に受信が完了されたデータ(受信完了データ)を記憶部111から削除する。
【0084】
削除部104は、プリントサーバー1から受信した文書データに基づく画像形成が終了した場合、記憶部111から当該文書データを削除する。
【0085】
終了通知部105は、プリントサーバー1から受信した文書データに基づく画像形成が終了した場合、画像形成が終了した旨の通知(終了通知)を、通信部112を介してプリントサーバー1に送信する。
【0086】
CPU102は、ROM(図示せず)に予め格納されている制御プログラムをRAM(図示せず)上にロードして実行することによって、装置全体を本発明の画像形成装置100として動作させる。
【0087】
以下、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの処理を、例をあげて説明する。説明の便宜上、利用者が自宅でパーソナルコンピュータ200を用いて作成した文書データをプリントサーバー1に送信し、最寄りのコンビニに設置されている画像形成装置100にて該文書データに基づく画像形成を行う場合を例とする。
【0088】
まず、利用者がパーソナルコンピュータ200を用いて文書を作成して、作成された文書に係る文書データをプリントサーバー1に送信して登録及び記憶する処理について説明する。
【0089】
図5は本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、パーソナルコンピュータ200及びプリントサーバー1の間の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0090】
まず、利用者は自宅のパーソナルコンピュータ200を用いて文書を作成する。すなわち、利用者は入力部204のキーボードを介してデータを入力する。利用者から入力部204を介して受け付けられたデータに基づき、アプリケーション202上にて文書(文書データ)が作成される(ステップS101)。
【0091】
文書の作成が終了した場合、利用者はパーソナルコンピュータ200にてプリントサーバー1にアクセスする(ステップS102)。プリントサーバー1にアクセスした後、利用者は入力部204を適宜操作してログイン名及びパスワードを入力することにより、ログインする。
【0092】
このあと、作成した文書をコンビニの画像形成装置100にてプリント(画像形成)するプリントサービスを利用するためのアプリケーションを選択する。該アプリケーションが選択された場合、パーソナルコンピュータ200のディスプレイ205には、プリントサービスを利用してプリントしようとする文書データを登録するための登録画面が表示される。
【0093】
図6は前記プリントサービスの登録画面の一例を説明する例示図である。図6の登録画面においては、前記プリントサービスの簡単な説明及び、該プリントサービスを利用してプリントしようとする文書データの保管場所を入力する入力欄が表示される。
【0094】
利用者が前記入力欄に、例えば、パーソナルコンピュータ200のURL(送信元の識別データ)を入力して「参照」のソフトキーを操作した場合、当該文書データのプリントに係る設定を受け付けるための次の登録画面がディスプレイ205に表示される。図7はプリントに係る設定を受け付けるための登録画面を説明する説明図である。
【0095】
図7の登録画面には、前記文書データに基づくプレビュー画像が表示され、利用者は該プレビュー画像に基づき、確認を行う。また、利用者は図7の登録画面の「プリント設定」のソフトキーを操作して当該文書データのプリントに係る設定(以下、プリント設定と言う)を行う。また、斯かるプリント設定が終了した場合、利用者が図7の登録画面の「登録」のソフトキーを操作することにより、CPU201は当該文書データを送信する指示を受け付ける。この場合、CPU201は該登録画面を介して受け付けたプリント設定及び前記URL、並びにパーソナルコンピュータ200で作成された文書データを、通信部206を介してプリントサーバー1に送信する(ステップS103)。
【0096】
一方、プリントサーバー1側においては、CPU21がパーソナルコンピュータ200から、文書データ、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定等を受信したか否かを判定する(ステップS201)。
【0097】
CPU21は文書データ等を受信しなかったと判定した場合(ステップS201:NO)、パーソナルコンピュータ200から文書データ等を受信するまでに待機する。一方、CPU21はパーソナルコンピュータ200から文書データ等を受信したと判定した場合(ステップS201:YES)、受信した文書データと、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定とを関連付けて記憶部3に記憶する(ステップS202)。
【0098】
この後、CPU21は、ID(例えば、pinナンバー)を発行し、携帯電話300のGPS機能との連動を行うためのアプリケーションと共に該IDを、通信部4を介してパーソナルコンピュータ200に送信する(ステップS203)。該IDは前記文書データと関連付けて記憶部3に記憶される。
【0099】
パーソナルコンピュータ200のCPU201は通信部206を介して、前記ID及びアプリケーションを受信する(ステップS104)。また、CPU201は該アプリケーションをRAM(図示せず)上にロードして実行し、利用者が前記IDを視認できるようにディスプレイ205に表示する。
【0100】
次いで、CPU201は、例えば、前記アプリケーションを用いて、利用者の携帯電話300のメールアドレスの入力を要求する他の登録画面をディスプレイ205に表示する。図8は利用者の携帯電話300のメールアドレスの入力を要求する他の登録画面を説明する説明図である。
【0101】
図8の登録画面には、利用者の携帯電話300のGPS機能と連動するために、携帯電話300のメールアドレスが必要である旨及び、メールアドレスを入力するための入力欄が設けられている。更に、携帯電話300のGPS機能の使用を望まない利用者のために、「GPS機能を使用しない」のソフトキーが設けられている。
【0102】
すなわち、利用者は前記入力欄に携帯電話300のメールアドレスを入力する操作、又は「GPS機能を使用しない」のソフトキーの操作の何れかを行うことにより、携帯電話300のGPS機能との連動如何を選択する。利用者の斯かる選択によって、CPU201は当該登録画面を介してGPS機能との連動如何の選択を受け付ける(ステップS105)。
【0103】
CPU201が受け付けたGPS機能との連動如何の選択結果は通信部206を介してプリントサーバー1に送信され、プリントサーバー1のCPU21は通信部4を介して前記選択結果を受信する(ステップS204)。
【0104】
詳しくは、利用者がメールアドレスを入力する入力欄にメールアドレスを入力して、「送信」のソフトキーを操作した場合、すなわち、前記登録画面を介してメールアドレスの入力及び「送信」のソフトキーの操作を受け付けた場合、CPU201は受け付けた携帯電話300のメールアドレスを、通信部206を介してプリントサーバー1に送信し、文書データの登録は完了する。
【0105】
この場合、プリントサーバー1のCPU21はパーソナルコンピュータ200から携帯電話300のメールアドレスを受信し、該メールアドレスをステップS201にて受信した文書データと関連付けて記憶部3に記憶する。また、CPU21は利用者の携帯電話300から、携帯電話300の位置を表す位置データを受信できる。
【0106】
一方、利用者が「GPS機能を使用しない」のソフトキーを操作した場合、GPS機能と連動しない旨の選択結果がプリントサーバー1に送信され、文書データの登録が完了する。
【0107】
続いて、プリントサーバー1への文書データの登録を完了した利用者が最寄りのコンビニに行って該コンビニに設置されている画像形成装置100にて該文書データに基づく画像形成を行う場合を説明する。
【0108】
図9は本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、利用者の移動と、境界領域との関係を説明する説明図である。利用者はプリントサーバー1にプリントすべき文書データを送信して登録した後、携帯電話300を携帯して最寄りのコンビニに行く。また、斯かる文書データは容量が4Mb以下であるものとする。
【0109】
図10及び11は本発明の実施の形態1の画像形成システムにおける、プリントサーバー1及び画像形成装置100の間の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0110】
図5のステップS204にて、プリントサーバー1によってGPS機能との連動する旨の選択結果が受信された場合、すなわち、携帯電話300のメールアドレスを受信した場合、プリントサーバー1の領域決定部24は上述した方法により、前記境界領域を決定する(ステップS301)。プリントサーバー1には、携帯電話300の電話番号と、メールアドレスとが対応付けられて記憶されており、メールアドレスを受信した場合、当該利用者を特定することが出来る。
【0111】
プリントサーバー1がパーソナルコンピュータ200から受信した文書データ、すなわち、コンビニの画像形成装置100に送信すべき文書データの容量が4Mb以下であるので、領域決定部24は最寄りのコンビニの所在地を中心に半径2kmの範囲を境界領域として決定する。
【0112】
次いで、CPU21は利用者の位置追跡を開始する(ステップS302)。すなわち、CPU21は位置取得部25に位置追跡を指示し、位置取得部25はCPU21の指示に応じて、通信部4を介して、利用者の携帯電話300から、携帯電話300の位置を表す位置データの受信を開始する。
【0113】
また、選択部30は何れかの画像形成装置(コンビニ)を選択する(ステップS303)。すなわち、選択部30は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて利用者の位置を特定し、特定された位置と記憶部3に記憶されている所在データとに基づき、利用者(携帯電話300)の位置に最も近い画像形成装置100(コンビニ)を選択する。
【0114】
この際、判定部27は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、領域決定部24によって決定された境界領域内、すなわち、選択部30によって選択された画像形成装置100を中心として半径2kmの領域内であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0115】
判定部27が前記境界領域内に利用者(携帯電話300)がいないと判定した場合(ステップS304:NO)、換言すれば、利用者が図9のA地点にいる場合、処理はステップS303に戻る。
【0116】
一方、判定部27が前記境界領域内に利用者(携帯電話300)がいると判定した場合(ステップS304:YES)、例えば、利用者が図9のB地点にいる場合、データ送信部26はステップS303にて選択された最寄りのコンビニの画像形成装置100に、当該文書データの送信を開始する(ステップS305)。この際、データ送信部26は該文書データに対応するID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定を共に送信する。
【0117】
以上の構成によって、本発明においては、利用者が画像形成装置100に到着する前に、斯かる文書データの送信が完了するので、文書データが画像形成装置100にダウンロードされる時間の間、利用者を待たせることがなくなり、利用者はコンビニに到着したらすぐにもプリントできる。
【0118】
一方、最寄りのコンビニの画像形成装置100のCPU102は、通信部112を介してプリントサーバー1から前記文書データと共にID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定を受信する(ステップS401)。
【0119】
受信された前記文書データ、ID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定は、記憶部111に関連付けて記憶される(ステップ402)。
【0120】
その後、前記コンビニに到着した利用者(図9のC地点)は、前記文書データに基づくプリントを行う。まず、利用者は該コンビニの画像形成装置100にログインして認証を受ける。図12は画像形成装置100の表示部110に表示されるログイン用の画面を説明する説明図である。
【0121】
図12のログイン用の画面には、ログイン名欄とパスワード欄が設けられている。利用者は操作パネル109を適宜操作して、ログイン名欄に、例えば、パーソナルコンピュータ200のURLを入力し、パスワード欄に前記IDを入力する。
【0122】
CPU102は前記ログイン用の画面を介してログイン名及びパスワードを受け付け、記憶部111に記憶されているID及びパーソナルコンピュータ200のURLと対照することにより、利用者の認証を行う(ステップS403)。
【0123】
一方、利用者が図8の登録画面にて「GPS機能を使用しない」のソフトキーを操作した場合は、前記コンビニの画像形成装置100がプリントサーバー1から前記文書データ、ID及びパーソナルコンピュータ200のURLを受信していない状態であり、利用者の認証が出来ない。斯かる場合は、CPU102は受け付けたログイン名又はパスワードをプリントサーバー1に送信してプリントサーバー1にて斯かる認証を行うように構成されている。
【0124】
認証が完了した場合、CPU102は、記憶部111に記憶されたデータを確認することにより、受け付けたログイン名又はパスワードに対応する文書データがあるか否かを判定する(ステップS404)。
【0125】
CPU102は受け付けたログイン名又はパスワードに対応する文書データがあると判定した場合(ステップS404:YES)、該文書データに基づくプリンタにおける設定を受け付ける受付画面を表示部110に表示し、利用者から設定を受け付ける(ステップS405)。
【0126】
図13は利用者からプリンタにおける設定を受け付ける受付画面を説明する説明図である。図13の受付画面には、前記文書データに基づくプレビュー画像が表示され、利用者は該プレビュー画像に基づき、確認を行う。また、利用者は図13の受付画面の「プリント設定」のソフトキーを操作して前記設定を行う。この設定に係る操作においては、記憶部111に記憶されているプリント設定に基づき、操作に係る各設定値がデフォルトとして表示される。
【0127】
また、前記設定が終了した場合、利用者が図13の受付画面の「プリント」のソフトキーを操作することにより、CPU102は当該文書データに基づく画像をプリントする指示を受け付ける。該指示を受け付けたCPU102は画像出力部108にプリントの指示を行い、画像出力部108は該指示に応じて前記文書データに基づく画像を記録用紙上にプリントする(ステップS406)。
【0128】
前記文書データに基づく画像のプリントが終了した場合、終了通知部105は、その旨の通知をプリントサーバー1に送信する(ステップS407)。以下、斯かる通知を終了通知と言う。
【0129】
また、削除部104は、前記文書データに基づく画像のプリントが終了した場合、該文章データと、これに対応するデータ(ID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定)を記憶部111から削除し(ステップS408)、処理を終了する。
【0130】
一方、ステップS305にてプリントサーバー1のデータ送信部26によって当該文書データ等の送信が開始された後、CPU21は該文書データ等の送信が完了したか否かを判定する(ステップS306)。
【0131】
CPU21は前記文書データ等の送信が完了していないと判定した場合(ステップS306:NO)、該送信が完了するまでこの判定を繰り返す。
【0132】
また、CPU21は前記文書データ等の送信が完了したと判定した場合(ステップS306:YES)、画像形成装置100から終了通知を受信したか否かを判定する(ステップS307)。
【0133】
CPU21は画像形成装置100から終了通知を受信していないと判定した場合(ステップS307:NO)、該終了通知を受信するまで待機する。
【0134】
また、CPU21が画像形成装置100から前記終了通知を受信したと判定した場合(ステップS307:YES)、データ削除部29は、画像形成装置100に送信した文章データと、これに対応するデータ(ID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定)を記憶部3から削除し(ステップS308)、処理を終了する。
【0135】
一方、利用者が図8の登録画面にて「GPS機能を使用しない」のソフトキーを操作した場合は、前記コンビニの画像形成装置100がプリントサーバー1から前記文書データを受信していないので、ステップS404にて、CPU102は受け付けたログイン名又はパスワードに対応する文書データがないと判定する(ステップS404:NO)。
【0136】
この場合、CPU102は受け付けたログイン名又はパスワードに対応する文書データ等の送信をプリントサーバー1に要求し、記憶部111にダウンロードする(ステップS409)。
【0137】
文書データ等のダウンロードが完了した場合、該文書データに基づくプリンタにおける設定を受け付ける受付画面を表示部110に表示し、利用者から設定を受け付ける(ステップS410)。(図13参照)
【0138】
利用者は前記設定が終了した場合、図13の受付画面の「プリント」のソフトキーを操作し、これによりCPU102が当該文書データに基づく画像をプリントする指示を受け付ける。該指示を受け付けたCPU102は画像出力部108にプリントの指示を行い、画像出力部108は該指示に応じて前記文書データに基づく画像を記録用紙上にプリントする(ステップS411)。
【0139】
前記文書データに基づく画像のプリントが終了した場合、終了通知部105は、終了通知をプリントサーバー1に送信する(ステップS412)。また、削除部104は、前記文書データに基づく画像のプリントが終了した場合、該文章データと、これに対応するデータを記憶部111から削除し(ステップS413)、処理を終了する。
【0140】
以上のように、本発明では、GPS機能を使用することによるプライバシーの障害を重視する利用者に対応できる。
【0141】
また、本発明は以上の記載に限るものでない。
例えば、所定時間以上、利用者から前記文書データに基づく画像のプリントの指示を受け付けていない場合、画像形成装置100の削除部104が該文章データと、これに対応するデータ(ID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定)を記憶部111から削除する構成であっても良い。
【0142】
また、プリントサーバー1のデータ削除部29は、所定時間以上、画像形成装置100から前記終了通知を受信していない場合、画像形成装置100に送信した文章データと、これに対応するデータ(ID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定)を記憶部3から削除するように構成しても良い。
【0143】
なお、以上の記載においては、プリントサーバー1がIDをパーソナルコンピュータ200に送信することによって利用者がIDを取得し、利用者はコンビニに移動して画像形成装置100の操作パネル109を適宜操作して、該IDを入力する場合を例として説明したが、これに限るものでない。
【0144】
例えば、プリントサーバー1における、ステップS203の処理と、ステップS204の処理とを入れ換え、IDの送信に先だって携帯電話300のメールアドレスを取得しておき、パーソナルコンピュータ200に該IDを送信する際、携帯電話300にも送信するように構成しても良い。
【0145】
このような場合、利用者は、RFID通信を用いて該IDを入力することが可能となり、画像形成装置100の操作パネル109を操作する手間を省くことが出来る。
【0146】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における、画像形成システムの処理を、例をあげて説明する。説明の便宜上、利用者が自宅でパーソナルコンピュータ200を用いて作成した文書データをプリントサーバー1に送信し、最寄りのコンビニでなく、他のコンビニに設置されている画像形成装置にて当該文書データに基づく画像形成を行う場合を例とする。
【0147】
利用者がパーソナルコンピュータ200を用いて文書を作成して、作成された文書に係る文書データをプリントサーバー1に送信して登録及び記憶する処理については、既に図5に基づいて説明しており、その説明を省略する。
【0148】
以下、プリントサーバー1への文書データの登録を完了した利用者が最寄りのコンビニの画像形成装置でなく、他のコンビニに行って該コンビニに設置されている画像形成装置にて該文書データに基づく画像形成を行う場合を説明する。
【0149】
図14は本発明の実施の形態2の画像形成システムにおける、利用者の移動と、境界領域との関係を説明する説明図である。利用者はプリントサーバー1にプリントすべき文書データを送信して登録した後、携帯電話300を携帯して、最寄りのコンビニの前を素通りし、他のコンビニに行く。また、斯かる文書データは容量が4Mb以下であるものとする。
【0150】
図15は本発明の実施の形態2の画像形成システムにおける、プリントサーバー1の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0151】
図5のステップS204にて、プリントサーバー1にGPS機能と連動する旨の選択結果が送信された場合、プリントサーバー1の領域決定部24は上述した方法により、前記境界領域を決定する(ステップS501)。すなわち、送信すべき文書データの容量が4Mb以下であるので、領域決定部24はコンビニの所在地を中心に半径2kmの範囲を境界領域として決定する。
【0152】
次いで、CPU21は利用者の位置追跡を開始する(ステップS502)。すなわち、CPU21は位置取得部25に位置追跡を指示し、位置取得部25はCPU21の指示に応じて、通信部4を介して、利用者の携帯電話300から、携帯電話300の位置を表す位置データの受信を開始する。
【0153】
また、選択部30は何れかの画像形成装置(コンビニ)を選択する(ステップS503)。すなわち、選択部30は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて利用者の位置を特定し、利用者(携帯電話300)の位置(実家)に最も近い画像形成装置100a(コンビニ)を選択する。
【0154】
この際、判定部27は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aを中心として半径2kmの境界領域内であるか否かを判定する(ステップS504)。
【0155】
判定部27が前記境界領域内に利用者(携帯電話300)がいないと判定した場合(ステップS504:NO)、換言すれば、利用者が図14のA地点にいる場合、処理はステップS503に戻る。
【0156】
一方、判定部27が前記境界領域内に利用者(携帯電話300)がいると判定した場合(ステップS504:YES)、例えば、利用者が図14のB地点にいる場合、データ送信部26はステップS503にて選択された最寄りのコンビニの画像形成装置100aに、当該文書データの送信を開始する(ステップS505)。この際、データ送信部26は該文書データに対応するID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定を共に送信する。
【0157】
データ送信部26によって前記文書データ等の送信が開始して所定時間経過後、判定部27は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aに係る境界領域外であるか否かを判定する(ステップS506)。
【0158】
判定部27が携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置を、画像形成装置100aに係る境界領域外であると判定した場合(ステップS506:YES)、例えば、利用者が図14のC地点にいる場合、CPU21はデータ送信部26に文書データ等の送信を中止するように指示する。データ送信部26はCPU21の指示に応じて文書データ等の送信を中止する(ステップS511)。
【0159】
次いで、指示送信部28は、送信が開始されてからその時点まで既に受信が完了された受信完了データを削除するよう、画像形成装置100aに通信部4を介して前記途中削除指示を送信する(ステップS512)。
【0160】
その後、処理は再びステップS503に戻る。詳しくは、選択部30は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて利用者の位置を特定し、その時の利用者(携帯電話300)の位置に最も近い画像形成装置100b(他のコンビニ)を選択する。
【0161】
この場合おいて、選択部30によって再び画像形成装置100aが選択されることを防ぐために、選択結果を履歴として記憶しておき、選択された履歴のあるコンビニを選択から除外するように構成しても良い。
【0162】
また、2つコンビニに係る境界領域に重なる部分があり、該部分に利用者がいる場合には、一旦両方に文書データ等を送信し、その後の利用者の位置の判定結果に基づき、何れか一方に前記途中削除指示を送信するように構成して良い。
【0163】
判定部27が、携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aに係る境界領域外でないと判定した場合(ステップS506:NO)、CPU21は該文書データ等の送信が完了したか否かを判定する(ステップS507)。
【0164】
CPU21は該文書データ等の送信が完了していないと判定した場合(ステップS507:NO)、処理はステップS506に戻り、所定時間経過後、判定部27は、携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aに係る境界領域外であるか否かを再び判定する。
【0165】
一方、CPU21が該文書データ等の送信が完了したと判定した場合(ステップS507:YES)、所定時間経過後、判定部27は、位置取得部25が取得した携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aに係る境界領域外であるか否かを再び判定する(ステップS508)。
【0166】
判定部27は、携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置が、画像形成装置100aに係る境界領域外であると判定した場合(ステップS508:YES)、処理はステップS512に戻り、指示送信部28は前記受信完了データ、すなわち、文書データ等を全て削除するよう、画像形成装置100aに通信部4を介して前記途中削除指示を送信する。
【0167】
また、判定部27が、携帯電話300の位置データに基づいて特定される位置を、画像形成装置100aに係る境界領域外でないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU21は画像形成装置100aから終了通知を受信したか否かを判定する(ステップS509)。
【0168】
CPU21は画像形成装置100aから終了通知を受信していないと判定した場合(ステップS509:NO)、処理をステップS508に戻す。
【0169】
また、CPU21が画像形成装置100aから前記終了通知を受信したと判定した場合(ステップS509:YES)、データ削除部29は、画像形成装置100aに送信した文章データと、これに対応するデータを記憶部3から削除し(ステップS510)、処理を終了する。
【0170】
その他、利用者が画像形成装置100bに係る境界領域内にいる場合、例えば、図14のD地点にいる場合の本発明における処理は、実施の形態1と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0171】
図16は図15におけるプリントサーバー1の処理に対応する画像形成装置100aの処理を説明するフローチャートである。
【0172】
例えば、利用者が図14のB地点にいる場合、プリントサーバー1のデータ送信部26は最寄りのコンビニの画像形成装置100aに、当該文書データ並びに、該文書データに対応するID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定の送信を開始する(ステップS505参照)。
【0173】
この場合、最寄りのコンビニの画像形成装置100aのCPU102は、通信部112を介してプリントサーバー1から前記文書データと共にID、パーソナルコンピュータ200のURL及びプリント設定を受信する(ステップS601)。
【0174】
このように、文書データ等の受信が行われている間、所定時間経過毎に、CPU102はプリントサーバー1から前記途中削除指示を受信したか否かを判定する(ステップS602)。
【0175】
例えば、ステップS512にてプリントサーバー1が前記途中削除指示を送信したことにより、CPU102が前記途中削除指示を受信したと判定した場合(ステップS602:YES)、途中削除部103は、その時点まで既に受信が完了された受信完了データを記憶部111から削除し(ステップS604)、処理を終了する。
【0176】
また、CPU102はプリントサーバー1から前記途中削除指示を受信していないと判定した場合(ステップS602:NO)、その時点まで既に受信が完了された受信完了データを記憶部111に関連付けて記憶する(ステップ603)。
【0177】
以降の処理は、実施の形態1のステップS403〜413における処理と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0178】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0179】
本発明は以上の記載に限るものでなく、例えば、画像形成装置100がプリントサーバー1としての機能を兼ねるように構成しても良い。
【0180】
また、以上においては、本発明に係る移動体が携帯電話である場合を例として説明したがこれに限るものでなく、例えば、PDA等であってGPS機能を有するものであれば良い。
【0181】
なお、本発明は以上の記載に限るものでない。
例えば、利用者が所定のコンビニに近づいており、該コンビニに係る境界領域より狭い範囲内、例えば、該コンビニを中心とする半径30m以内に利用者が居るとプリントサーバー1によって判断された場合、プリントサーバー1は、該コンビニの画像形成装置100に、既に該コンビニへ送信した文書データを画像展開(例えば、PCLからビットマップに変換)し、又は起動(例えば、省エネモードから、待機モード又は画質調整状態に)する指示を送信するように構成しても良い。
【0182】
これによって、利用者は該コンビニに到着してすぐに文書データをプリントアウトでき、利用者における作業の短縮化を図ることが出来る。
【0183】
(実施の形態3)
図17は本発明の実施の形態3のプリントサーバー1の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態3のプリントサーバー1は、動作を行うためのコンピュータプログラムが、I/F5を介してCD−ROM等の可搬型記録媒体Fで提供することも可能であるように構成されている。さらに、実施の形態3のプリントサーバー1は、前記コンピュータプログラムを、図示しない外部装置から通信部4を介してダウンロードすることも可能であるように構成されている。以下に、その内容を説明する。
【0184】
実施の形態3のプリントサーバー1は外装(又は内装)の記録媒体読み取り装置(図示せず)を備えており、該記録媒体読み取り装置に、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域(境界領域)を決定させ、前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得させ、該第1外部装置の位置が領域内であるか否かを判定させ、該第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置にデータの送信を開始させるプログラム等が記録された可搬型記録媒体Fを挿入して、例えば、CPU21がROM22にこのプログラムをインストールする。かかるプログラムはRAM23にロードして実行される。これにより、実施の形態1及び2の本発明のプリントサーバー1として機能する。
【0185】
前記記録媒体としては、いわゆるプログラムメディアであっても良く、磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
【0186】
通信部4を介してネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0187】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0188】
1 プリントサーバー
100 画像形成装置
200 パーソナルコンピュータ
300 携帯電話
3 記憶部
4 通信部
21 CPU
24 領域決定部
25 位置取得部
26 データ送信部
27 判定部
28 指示送信部
29 データ削除部
30 選択部
102 CPU
103 途中削除部
104 削除部
105 終了通知部
112 通信部
F 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と、該移動体の移動の監視及び受信データの記憶を行う情報処理装置と、該情報処理装置からデータを受信して画像形成を行う画像形成装置とを備える画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置の所在を表す所在データを記憶する記憶部と、
該画像形成装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定手段と、
前記移動体の位置に係る位置データを取得する位置取得手段と、
該位置取得手段が取得した位置データ、前記所在データ、及び前記領域に基づき、前記画像形成装置にデータを送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記移動体の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定手段を備え、
該判定手段によって、前記移動体の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記情報処理装置の領域決定手段は、前記画像形成装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記送信手段が前記画像形成装置にデータの送信を開始した後、
前記判定手段によって、前記移動体の位置が前記領域外であると判定された場合、
前記画像形成装置に、受信完了データを削除する削除指示を送信する指示送信手段を備え、
前記画像形成装置は、
前記削除指示を受信した場合、その時点までの受信完了データを削除する手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、その旨を前記情報処理装置に通知する終了通知手段を備えており、
前記情報処理装置は、
前記通知を受信した場合、前記画像形成に係るデータを削除する手段を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は複数であり、
前記情報処理装置は、前記位置取得手段が取得した位置データ、並びに前記記憶部が記憶している所在データに基づき何れかの画像形成装置を選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載の画像形成システム。
【請求項7】
第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置において、
前記第2外部装置の所在を表す所在データを記憶する記憶部と、
前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定手段と、
前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得する位置取得手段と、
該位置取得手段が取得した位置データ、前記所在データ、及び前記領域に基づき、前記第2外部装置にデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記位置取得手段が取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定手段を備え、
該判定手段によって、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記領域決定手段は、前記第2外部装置に送信すべきデータの容量に基づき、前記領域を決定するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送信手段が前記第2外部装置にデータの送信を開始した後、
前記判定手段によって、前記第1外部装置の位置が前記領域外であると判定された場合、
前記第2外部装置に、受信完了データを削除する削除指示を送信する指示送信手段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2外部装置から所定の通知を受信した場合、前記第2外部装置に送信したデータを削除する手段を備えることを特徴とする請求項7から10の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
請求項7から11の何れかに記載の情報処理装置からデータを受信して画像形成を行う画像形成装置において、
前記情報処理装置からデータを受信する際、該情報処理装置から受信完了データを削除する削除指示を受信する受信部と、
前記削除指示を受信した場合、その時点までの受信完了データを削除する手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記情報処理装置から受信したデータに基づく画像形成が終了した場合、該画像形成に係るデータを削除する削除手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
記憶部を備えており、第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置にて、データを送信するデータ送信方法において、
前記記憶部には前記第2外部装置の所在を表す所在データが記憶されており、
前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定する領域決定ステップと、
前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得する位置取得ステップと、
該位置取得ステップが取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定する判定ステップと、
該判定ステップによって、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置にデータの送信を開始する送信ステップと
を含むことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項15】
記憶部を備えており、第1外部装置の移動の監視、受信データの記憶、及び記憶するデータの第2外部装置への送信を行う情報処理装置を構成するコンピュータに、データを送信させるコンピュータプログラムにおいて、
前記記憶部には前記第2外部装置の所在を表す所在データが記憶されており、
コンピュータに、前記第2外部装置の所在地を含む所定範囲の領域を決定させる領域決定ステップと、
コンピュータに、前記第1外部装置の位置に係る位置データを取得させる位置取得ステップと、
コンピュータに、前記位置取得ステップで取得した位置データに基づき、前記第1外部装置の位置が前記領域内であるか否かを判定させる判定ステップと、
コンピュータに、前記判定ステップにて、前記第1外部装置の位置が前記領域内であると判定された場合、前記第2外部装置にデータの送信を開始させる送信ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−203711(P2012−203711A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68543(P2011−68543)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】