説明

画像形成システム、携帯端末装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び画像形成方法

【課題】記憶装置に記憶した画像データに基づいて画像形成装置で画像を形成する場合に、携帯端末装置からの画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出して出力することにより、ユーザの利便性を向上させることができる画像形成システム、携帯端末装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】携帯端末装置30は、PC10に記憶したファイルをユーザが指定したデジタル複合機20で印刷する場合、PC10に対して印刷要求を送信し、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1と、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2との合計時間を印刷推定時間Tとして算出して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置からの画像形成要求に応じて、記憶装置に記憶した画像データに基づいて画像形成装置で画像を形成する画像形成システム、該画像形成システムを構成する携帯端末装置、該携帯端末装置を実現するコンピュータプログラム、該コンピュータプログラムを記録した記録媒体及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに代表される情報処理の高速化又は情報量の増大化に伴って、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及び電子メール機能などを備えたデジタル複合機、又はファクシミ装置などは、ネットワーク又は通信回線などを通じて遠隔地にあるパーソナルコンピュータなどのユーザ情報端末装置に接続され、多くのユーザに共有されるようになった。このようなネットワーク又は通信回線を利用して、外出先でノートパソコン又はPDAなどの携帯端末装置(モバイル端末装置)から社内に設置されたパーソナルコンピュータに記憶したファイルを選択し、選択したファイルを外出先に設置されたデジタル複合機で印刷するシステムが利用されている。
【0003】
例えば、このようなネットワーク又は通信回線に印刷管理サーバ装置を接続しておき、印刷管理サーバ装置に接続されている出力端末装置(例えば、複合機)に関する情報の一覧を携帯電話又はユーザ端末装置(パーソナルコンピュータ又はワークステーションなど)で受信し、携帯電話又はユーザ端末装置で出力端末装置を選択するとともに印刷対象のファイルを印刷管理サーバ装置に送信する。印刷管理サーバ装置は、受信した印刷データを選択された出力端末装置が出力可能な形式の印刷データに変換し、変換された印刷データを指定された出力端末装置へ送信する。そして、携帯電話又はユーザ端末装置から印刷データの印刷を指示された場合、この印刷指示の対象となる印刷データを保持する出力端末装置を特定し、特定した出力端末装置に対する印刷の制御を行う印刷管理サーバ装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−213370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の例にあっては、印刷管理サーバ装置を設ける必要があり、システム全体のコストアップに繋がる。また、予め印刷データを印刷管理サーバ装置へ送信しておく必要があり、ユーザが印刷データを送信するのを忘れていたような場合には、迅速に印刷物を得ることができないという問題があった。また、従来のシステムでは、ネットワーク又は通信回線を介して印刷要求、印刷データを送信するため、印刷要求を行ってから印刷されるまでに要する時間が長い場合には、ユーザは何時印刷が行われるかを知らされることなく印刷されるまで待ち続けることになり、ユーザの利便性を向上させることが望まれていた。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、記憶装置に記憶した画像データに基づいて画像形成装置で画像を形成する場合に、携帯端末装置からの画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出して出力することにより、ユーザの利便性を向上させることができる画像形成システム、該画像形成システムを構成する携帯端末装置、該携帯端末装置を実現するコンピュータプログラム、該コンピュータプログラムを記録した記録媒体及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成システムは、画像データを記憶する記憶装置と、通信ネットワークを通じて該記憶装置に接続される携帯端末装置及び画像形成装置とを備え、前記携帯端末装置からの画像形成要求に応じて、前記記憶装置に記憶した画像データに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、固有情報を記憶する記憶手段と、前記記憶装置が送信した画像データに基づいて、画像を形成する形成手段とを備え、前記携帯端末装置は、前記画像形成装置から固有情報を取得する取得手段と、前記記憶装置に記憶した画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、該選択手段で選択した画像データの画像形成要求及び前記取得手段で取得した固有情報を前記記憶装置へ送信する送信手段と、前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段と、該算出手段で算出した所要時間を出力する出力手段とを備え、前記記憶装置は、前記画像形成要求及び固有情報を受信する受信手段と、該受信手段で画像形成要求を受信した場合、前記固有情報に対応する画像形成装置に対して、前記選択手段で選択された画像データを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、前記携帯端末装置は、前記画像形成要求の送信時点から前記記憶装置での該画像形成要求の受信時点までの第1時間を算出する第1算出手段と、選択された画像データの送信時点から前記画像形成装置での画像形成時点までの第2時間を算出する第2算出手段とを備え、前記算出手段は、前記第1算出手段及び第2算出手段で算出した第1時間及び第2時間に基づいて、前記所要時間を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成システムは、前記記憶装置は、前記通信ネットワークに接続されたメールサーバを通じて前記携帯端末装置が送信した画像形成要求及び固有情報を受信するように構成してあり、前記第1算出手段は、前記メールサーバへのアクセスの時間間隔及び通信ネットワークのデータ転送速度に基づいて、第1時間を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像形成システムは、前記画像形成装置は、前記通信ネットワークに接続されたメールサーバを通じて前記記憶装置が送信した画像データを受信するように構成してあり、前記第2算出手段は、前記メールサーバへのアクセスの時間間隔及び通信ネットワークのデータ転送速度に基づいて、第2時間を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像形成システムは、前記携帯端末装置は、画像形成する場合に画像形成装置で所定の認証情報の入力を必要とする親展処理を設定する設定手段を備え、前記算出手段は、前記設定手段で親展処理が設定された場合、前記画像形成要求の送信時点から前記画像形成装置で前記画像形成要求に対する画像形成が可能になる時点までの時間を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る携帯端末装置は、画像データに基づいて画像を形成するための画像形成要求を送信する携帯端末装置において、画像形成装置の固有情報を取得する取得手段と、画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、該選択手段で選択した画像データの画像形成要求及び前記取得手段で取得した固有情報を送信する送信手段と、前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段と、該算出手段で算出した所要時間を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、画像データに基づいて画像を形成するための画像形成要求を送信させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、画像形成装置の固有情報を取得する取得手段と、画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、選択した画像データの画像形成要求及び取得した固有情報を送信する送信手段と、前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、上述の発明に係るコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像形成方法は、画像データを記憶する記憶装置に通信ネットワークを通じて携帯端末装置及び画像形成装置を接続し、該携帯端末装置からの画像形成要求に応じて、前記記憶装置に記憶した画像データに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成方法において、前記画像形成装置は、固有情報を予め記憶し、前記携帯端末装置は、前記画像形成装置から固有情報を取得し、前記記憶装置に記憶した画像データの中から画像形成する画像データを選択し、選択した画像データの画像形成要求及び取得した固有情報を前記記憶装置へ送信し、前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出し、算出した所要時間を出力し、前記記憶装置は、前記画像形成要求及び固有情報を受信し、受信した固有情報に対応する画像形成装置に対して、選択された画像データを送信し、前記画像形成装置は、前記画像データを受信し、受信した画像データに基づいて画像を形成することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、ユーザが携帯する携帯端末装置(例えば、携帯電話、PDA等のモバイル端末装置)は、画像形成装置(例えば、デジタル複合機)の固有情報(例えば、電子メールアドレス、公開鍵、印刷機能、メールサーバのPOP時間、通信回線の転送速度など)を取得する。携帯端末装置は、記憶装置(例えば、パーソナルコンピュータ又はワークステーションなど)に記憶した画像データの一覧を記憶装置から取得し、画像データの中から画像形成(例えば、印刷)する画像データを選択して、選択した画像データの画像形成要求及び取得した固有情報(例えば、画像形成装置の電子メールアドレス)を記憶装置へ送信する。携帯端末装置は、画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間(例えば、画像形成要求が送信された時点から画像形成可能時点までの所要時間、あるいは、画像形成要求が送信された時点から画像形成完了時点までの所要時間など)を算出して出力する。記憶装置は、携帯端末装置から送信された画像形成要求及び固有情報を受信し、受信した固有情報に対応する画像形成装置に対して、選択された画像データを送信する。画像形成装置は、画像データを受信し、受信した画像データに基づいて画像を形成する。これにより、携帯端末装置から画像形成要求を送信したユーザは、画像形成されるまでの時間を知ることができるため、待ち時間の間に別の作業を行うことができるとともに、画像形成された印刷物を速やかに回収することもでき、利便性及びセキュリティレベルが向上する。
【0016】
また、本発明にあっては、携帯端末装置は、画像形成要求の送信時点から記憶装置での該画像形成要求の受信時点までの第1時間を算出し、選択された画像データの送信時点から画像形成装置での画像形成時点(例えば、画像形成完了時点、画像形成可能時点など)までの第2時間を算出する。携帯端末装置は、算出した第1時間及び第2時間に基づいて所要時間を算出する。例えば、第1時間と第2時間との合計時間を所要時間として算出する。これにより、携帯端末装置と記憶装置との間における処理時間、及び記憶装置と画像形成装置との間の処理時間を考慮して所要時間を算出することができる。
【0017】
また、本発明にあっては、携帯端末装置は、記憶装置が画像形成要求及び固有情報を受信する場合のメールサーバへのアクセスの時間間隔、例えば、POP(Post office Protocol)時間、及び記憶装置が接続された通信ネットワークの転送速度(データ転送速度)に基づいて、第1時間を算出する。これにより、電子メールを介して画像形成要求及び固有情報を送受信する場合でも、携帯端末装置と記憶装置との間の通信に要する時間を比較的精度良く算出することができる。
【0018】
また、本発明にあっては、携帯端末装置は、画像形成装置が画像データを受信する場合のメールサーバへのアクセスの時間間隔(例えば、POP時間)及び画像形成装置が接続された通信ネットワークの転送速度(データ転送速度)に基づいて、第2時間を算出する。これにより、電子メールを介して画像データを送受信する場合でも、記憶装置と画像形成装置との間の通信に要する時間を比較的精度良く算出することができる。
【0019】
また、本発明にあっては、画像形成する場合に画像形成装置で所定の認証情報の入力を必要とする親展処理(例えば、親展印刷)が設定された場合、携帯端末装置は、画像形成要求の送信時点から画像形成装置で前記画像形成要求に対する画像形成が可能になる時点までの時間を所要時間として算出する。これにより、ユーザは、親展処理を行う場合には、画像形成要求を行ってから画像形成装置が画像形成できる状態になるまでの時間を知ることができ、無駄な待ち時間を少なくしつつタイムリーに印刷物を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、携帯端末装置から画像形成要求を送信したユーザは、画像形成されるまでの時間を知ることができるため、待ち時間の間に別の作業を行うことができるとともに、画像形成された印刷物を速やかに回収することもでき、利便性及びセキュリティレベルが向上する。
【0021】
また、本発明にあっては、通信ネットワークを通じて接続された携帯端末装置と記憶装置との間における処理時間、及び通信ネットワークを通じて接続された記憶装置と画像形成装置との間の処理時間を考慮して所要時間を算出することができる。
【0022】
また、本発明にあっては、電子メールを介して画像形成要求及び固有情報を送受信する場合でも、通信に要する時間を比較的精度良く算出することができる。
【0023】
また、本発明にあっては、電子メールを介して画像データを送受信する場合でも、通信に要する時間を比較的精度良く算出することができる。
【0024】
また、本発明にあっては、ユーザは、親展処理を行う場合には、画像形成要求を行ってから画像形成装置が画像形成できる状態になるまでの時間を知ることができ、無駄な待ち時間を少なくしつつタイムリーに印刷物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る画像形成システムを実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像形成システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明に係る画像形成システムは、ユーザが普段職務を行うオフィス(以下、社内という)に設置されたパーソナルコンピュータ又はワークステーション(以下、PCという)10、ユーザの出先のオフィス(以下、社外という)に設置されたデジタル複合機20、ユーザが携帯するノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話又はPDAなどの携帯端末装置30などを備える。PC10、デジタル複合機20、携帯端末装置30は、通信回線51、52、53、及びインターネット50で構成される通信ネットワークに接続される。
【0026】
PC10は、通信回線51を通じてインターネット50に接続され、デジタル複合機20は、通信回線52を通じてインターネット50に接続され、携帯端末装置30は、通信回線53を通じてインターネット50に接続される。また、インターネット50には、メールサーバ41、42、43を接続してあり、PC10は、メールサーバ41を介して電子メールを受信し、デジタル複合機20は、メールサーバ42を介して電子メールを受信し、携帯端末装置30は、メールサーバ43を介して電子メールを受信するように構成してある。
【0027】
PC10は、マイクロプロセッサ、メモリ、HDDなどを有する本体部、ディスプレイ部、キーボード、マウスなどを備え、例えば、ユーザが作成又は使用する画像データ(例えば、パンフレット、カタログ、会議資料、議事録、顧客情報など)をファイル形式で記憶している。また、PC10は、メールサーバ41へのアクセスの時間間隔であるPOP(Post office Protocol)時間(例えば、1分に設定されている)、通信回線51の転送速度(データ転送速度)などのPC情報を記憶している。
【0028】
PC10は、設定されたPOP時間の経過の都度、メールサーバ41にアクセスして、PC10宛に送信された電子メールの有無を確認し、メールサーバ41に電子メールが存在する場合には、その電子メールをメールサーバ41から受信する。例えば、PC10は、後述するように、携帯端末装置30から、ファイル形式で記憶した画像データのファイルリスト(ファイル名、ファイルサイズ、ディレクトリ、作成者、作成日などのファイル一覧)、PC情報などの送信要求、指定されたデジタル複合機20で所要のファイルを印刷する印刷要求などを受信する。
【0029】
また、PC10は、後述するように、記憶したファイルをユーザに指定されたデジタル複合機20で印刷する印刷要求を携帯端末装置30から受信した場合、印刷するファイルをデジタル複合機20で処理可能なファイル形式(例えば、PDF、JPEGなどの印刷データ)に変換するとともに、変換した印刷データを所定の暗号化方法(例えば、トリプルDES)により暗号化し、暗号化された印刷データを電子メールに添付してデジタル複合機20へ送信する。また、PC10は、印刷データを暗号化した場合、暗号化後の印刷データの容量を携帯端末装置30へ送信する。また、PC10は、ファイルリスト、PC情報などの送信要求を受信した場合、ファイルリスト、PC情報などを携帯端末装置30へ送信する。
【0030】
図2はデジタル複合機20の構成を示すブロック図である。デジタル複合機20は、画像読取部21、第1通信部22、第2通信部23、制御部24、暗号復号部25、画像メモリ26、操作部27、画像形成部28、記憶部29などを備え、ファックス機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、電子メール機能などの複数の機能を有する。
【0031】
画像読取部21は、CCD、原稿センサなどを備えた自動原稿送り装置(ADF、Automatic Document Feeder)であり、スキャナ機能を有し、原稿トレイに載置された原稿を原稿センサで検知し、原稿を搬送する搬送路を移動する原稿に光を照射し、原稿からの反射光をCCDで光電変換して得られた画像データを画像メモリ26へ記憶する。
【0032】
制御部24は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、デジタル複合機20全体の処理を制御する。制御部24は、画像メモリ26に記憶された画像データを保存する場合、画像メモリ26から読み出した画像データを暗号復号部25で暗号化した後、暗号化された画像データを記憶部29に記憶する。また、制御部24は、画像メモリ26に記憶された画像データに基づいて画像形成を行う場合、画像メモリ26から読み出した画像データに対して濃度変換処理、倍率変換処理などの編集処理を行った後、処理後の画像データを画像形成部28へ出力する。
【0033】
第1通信部22は、通信回線52及びインターネット50を通じてPC10との間で通信を行う通信機能を備えている。第1通信部22は、例えば、LANケーブルを介して通信を行うことができ、あるいは、無線LANの規格であるIEEE802.11a、IEEE802.11b又はIEEE802.11gのいずれかに基づく無線技術を利用して通信を行うことができる。
【0034】
第1通信部22は、制御部24の制御のもと、設定されたPOP時間の経過の都度、メールサーバ42にアクセスして、デジタル複合機20宛に送信された電子メールの有無を確認し、メールサーバ42に電子メールが存在する場合には、その電子メールをメールサーバ42から受信する。例えば、第1通信部22は、PC10から、印刷データ、印刷条件(例えば、印刷部数、用紙のサイズ、用紙の種類、親展処理の有無)などを受信する。第1通信部22は、受信した印刷データを暗号復号部25へ出力する。
【0035】
暗号復号部25は、第1通信部22から入力された印刷データを所定の方式(例えば、トリプルDES)で復号化し、必要に応じて復号化した印刷データを一旦画像メモリ26に記憶した後、画像形成部28へ出力する。
【0036】
画像形成部28は、プリンタ機能を有し、入力された印刷データに基づいて、用紙上に画像を形成し、画像が形成された用紙を排出する。画像形成部28は、例えば、感光体ドラム、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、感光体ドラム表面に静電潜像を形成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置、感光体ドラム表面のトナー像を用紙に転写する転写装置などを備えている(いずれも不図示)。なお、画像形成部28は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式などいずれの方式のものでもよい。
【0037】
記憶部29は、メールサーバ42へのアクセスの時間間隔であるPOP(Post office Protocol)時間(例えば、1分に設定されている)、通信回線52の転送速度、デジタル複合機20の電子メールアドレス、公開鍵(又はユーザ毎のパスワード)、印刷機能情報(例えば、カラー/モノクロ印刷、用紙サイズ、用紙の種類、印刷速度、両面印刷機能の有無、解像度、出力可能なファイル形式等)などのMFP(Multi Function Peripherals)情報を記憶している。
【0038】
第2通信部23は、USB(Universal Serial Bus)規格、あるいは、IEEE1394規格などに基づくシリアルデータ転送又はパラレルデータ転送による有線データ通信機能、又はブルートゥース、赤外線通信、非接触型ICによる通信などの無線データ通信機能などを備え、携帯端末装置30との間でデータ通信を行うことができる。例えば、第2通信部23は、携帯端末装置30からの要求に基づいて、MFP情報を携帯端末装置30へ送信する。
【0039】
操作部27は、例えば、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける入力部、利用者に対して各種の情報を表示する液晶ディスプレイで構成される表示部などを備えている。操作部27は、例えば、印刷するファイルに対して親展印刷が設定されている場合、制御部24の制御のもと、ユーザに対して公開鍵(又はユーザ毎の認証用パスワードでもよい)の入力を促すための表示を行うとともに、ユーザが公開鍵又はパスワードを入力した場合、入力された公開鍵又はパスワードを制御部24へ出力する。なお、制御部24は、入力された公開鍵又はパスワードの認証を行い、認証結果に応じて親展印刷の可否を決定する。
【0040】
図3は携帯端末装置30の構成を示すブロック図である。携帯端末装置30は、第1通信部31、第2通信部32、制御部33、記憶部34、表示部35、入力部36、記録媒体アクセス部37などを備えている。
【0041】
第1通信部31は、通信回線53及びインターネット50を通じてPC10との間で通信を行う通信機能を備えている。第1通信部31は、例えば、LANケーブルを介して通信を行うことができ、あるいは、無線LANの規格であるIEEE802.11a、IEEE802.11b又はIEEE802.11gのいずれかに基づく無線技術を利用して通信を行うことができる。
【0042】
第1通信部31は、制御部33の制御のもと、PC10に記憶した画像データのファイルリスト、PC情報などの要求(送信要求)を送信する。第1通信部31は、PC10から送信されたファイルリスト、PC情報などを受信する。また、第1通信部31は、受信したファイルリストの中からユーザが選択したファイルを印刷するための印刷要求をPC10へ送信する。
【0043】
なお、印刷要求が送信される場合、ユーザが選択したファイル、ユーザが印刷先として指定したデジタル複合機20のMFP情報(例えば、電子メールアドレス)、印刷条件(部数、用紙のサイズ、両面印刷の有無、親展印刷の有無等)などの情報が印刷要求に付随して送信される。
【0044】
また、第1通信部31は、PC10で印刷データが暗号化された場合、暗号化された印刷データの容量をPC10から受信する。
【0045】
第2通信部32は、USB(Universal Serial Bus)規格、あるいは、IEEE1394規格などに基づくシリアルデータ転送又はパラレルデータ転送による有線データ通信機能、又はブルートゥース、赤外線通信、非接触型ICによる通信などの無線データ通信機能などを備え、デジタル複合機20との間でデータ通信を行うことができる。例えば、第2通信部32は、デジタル複合機20に対してMFP情報の要求を送信するとともに、デジタル複合機20からMFP情報を受信する。
【0046】
記憶部34は、メールサーバ43へのアクセスの時間間隔であるPOP(Post office Protocol)時間(例えば、1分に設定されている)、通信回線53の転送速度などを記憶している。また、記憶部34は、デジタル複合機20から取得したMFP情報、PC10から取得したPC情報、暗号化された印刷データの容量などを記憶する。
【0047】
また、記憶部34は、印刷データの容量と、印刷データのデータ変換処理時間、暗号化処理時間及び復号化処理時間とを関連付けた処理時間テーブルを記憶している。
【0048】
表示部35は、例えば、液晶ディスプレイであり、制御部33の制御のもと、PC10に記憶した画像データから印刷するファイルを選択してデジタル複合機20で印刷するために必要な情報を表示する。また、表示部35は、印刷要求を行った時点から印刷されるまでの印刷推定時間を表示する。
【0049】
入力部36は、例えば、各種キー、ボタン等で構成され、制御部33の制御のもと、PC10に記憶した画像データから印刷するファイルを選択してデジタル複合機20で印刷するために必要な情報の入力を受け付け、受け付けた入力を制御部33へ出力する。例えば、ユーザは、入力部36から、印刷先のデジタル複合機20の指定、印刷するファイルの選択、印刷条件の設定などを行うことができる。
【0050】
制御部33は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM等で構成され、携帯端末装置30の動作を制御する。また、制御部33は、ユーザが印刷要求を行った時点から印刷されるまでの印刷推定時間を算出し、算出した印刷推定時間を表示部35へ出力する。なお、制御部33の動作は、動作手順を定めたプログラムPGをRAMにロードしてCPUでプログラムPGを実行させることにより行うこともできる。
【0051】
記録媒体アクセス部37は、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、ICカード用ドライブ、半導体メモリ用ドライブなどであり、記録媒体に記録されたプログラムPGを読み取って制御部33へ出力する。
【0052】
図4は印刷推定時間Tの算出例を示す説明図である。印刷推定時間Tは、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1と、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2との合計時間として算出される。
【0053】
図4に示すように、実施例1の場合、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1は、T1=T11+T12+T13で算出される。この場合、T11は、通信回線53における通信処理時間であり、T11=(印刷要求メールの容量/通信回線53の転送速度)として算出することができる。T12は、メールサーバ41のPOP時間として算出することができる。T13は、通信回線51における通信処理時間であり、T13=(印刷要求メールの容量/通信回線51の転送速度)として算出することができる。
【0054】
また、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2は、T2=T21+T22+T23で算出される。この場合、T21は、通信回線51における通信処理時間であり、T21=(印刷データ添付メールの容量/通信回線51の転送速度)として算出することができる。T22は、メールサーバ42のPOP時間として算出することができる。T23は、通信回線52における通信処理時間であり、T23=(印刷データ添付メールの容量/通信回線52の転送速度)として算出することができる。
【0055】
実施例2の場合、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1は、T1=T11+T12+T13+T14で算出される。この場合、T14は、PC10において、印刷データをデジタル複合機20で処理可能なデータに変換するための変換処理時間と変換後の印刷データを暗号化する暗号化処理時間との合計時間である。また、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2は、T2=T21+T22+T23で算出される。
【0056】
実施例3の場合、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1は、T1=T11+T12+T13+T14で算出される。また、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2は、T2=T21+T22+T23+T24で算出される。この場合、T24は、デジタル複合機20において、暗号化された印刷データを復号化するための復号化処理時間である。
【0057】
実施例4の場合、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1は、T1=T11+T12+T13で算出される。また、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2は、T2=T21+T22+T23+T25で算出される。この場合、T25は、デジタル複合機20において、印刷可能状態になった時点から印刷が完了するまでの時間、すなわち印刷時間である。印刷時間は、例えば、デジタル複合機の1枚当たりの印刷速度に印刷部数を積算することにより求めることができる。
【0058】
印刷推定時間Tの算出は、一例であって実施例1〜4に限定されるものではない。例えば、実施例4において、携帯端末装置30〜PC10間の処理時間T1を、T1=T11+T12+T13+T14で算出してもよい。また、PC10〜デジタル複合機20間の処理時間T2を、T2=T21+T22+T23+T24+T25で算出することもできる。また、親展印刷が設定された場合には、実施例1〜3により印刷推定時間Tを算出し、親展印刷が設定されていない場合には、印刷時間を含めた実施例4により印刷推定時間Tを算出することができる。
【0059】
各通信回線51、52、53の転送速度は、予め設定しておくことができるが、PC10、デジタル複合機20に通信回線の転送速度を計測するプログラムコードを格納しておき、所定の時点又は時間間隔で、転送速度を計測することもできる。また、複数回計測した結果に基づいた統計値(平均値、中央値、又は最小値など)を使用することもできる。
【0060】
次に本発明に係る画像形成システムの動作について説明する。図5は携帯端末装置30の処理手順を示すフローチャートである。制御部33は、社外にいるユーザが指定したデジタル複合機20のMFP情報を取得し(S11)、例えば、ユーザが社内で使用するPC10に記憶されたファイルリスト、PC情報の要求をPC10に対して送信する(S12)。
【0061】
制御部33は、PC10から送信されたファイルリスト、PC情報を受信し(S13)、受信したファイルリストを表示部35に表示する(S14)。表示部35に表示されたファイルリストの中からユーザが所要のファイルを選択する操作を入力部36で受け付けた場合、制御部33は、印刷するファイルを決定し(S15)、印刷要求メールにより印刷要求をPC10に対して送信する(S16)。なお、この場合、ユーザは、親展印刷を行うか否かを設定することができる。
【0062】
制御部33は、PC10から送信された暗号化処理後の印刷データの容量を受信する(S17)。なお、事前にPC10から送信されたファイルリストに印刷データサイズ(暗号化ファイルおよび印刷指示メールサイズ)が含まれている場合は、PC10から送信された暗号化処理後の印刷データの容量を受信することなく、ステップS18の処理を行う。制御部33は、ユーザの設定に応じて、印刷処理が親展印刷であるか否かを判定し(S18)、親展印刷である場合(S18でYES)、デジタル複合機20で印刷受付までの印刷推定時間Tを算出する(S19)。この場合、算出される印刷推定時間Tは、図4で説明した実施例1〜3のいずれかを用いることができる。
【0063】
制御部33は、算出した印刷推定時間Tを表示部35に表示し(S20)、処理を終了する。一方、親展印刷でない場合(S18でNO)、制御部33は、デジタル複合機20で印刷完了までの印刷推定時間Tを算出し(S21)、ステップS20の処理を行う。この場合、算出される印刷推定時間Tは、図4で説明した実施例4を用いることができる。
【0064】
図6はPC10の処理手順を示すフローチャートである。PC10は、ファイルリスト、PC情報の要求の有無を判定し(S31)、要求がない場合(S31でNO)、ステップS31の処理を続けて要求があるまで待機する。要求があった場合(S31でYES)、PC10は、ファイルリスト、PC情報を携帯端末装置30へ送信する(S32)。
【0065】
PC10は、携帯端末装置30が送信する印刷要求(印刷要求メール)の有無を判定し(S33)、印刷要求がない場合(S33でNO)、ステップS33の処理を続けて印刷要求があるまで待機する。印刷要求があった場合(S33でYES)、PC10は、印刷要求、印刷条件、MFP情報を受信し(S34)、携帯端末装置30で印刷が決定されたファイル(印刷ファイル)に対して印刷可能なファイル形式に変換するためのデータ変換処理を行う(S35)。
【0066】
PC10は、データ変換した印刷データの暗号化を行い(S36)、暗号化された印刷データの容量を携帯端末装置30へ送信する(S37)。PC10は、暗号化された印刷データをMFP情報に含まれる電子メールアドレス宛、すなわち、ユーザが指定したデジタル複合機20へ送信し(S38)、処理を終了する。なお、印刷データとともに、印刷部数、用紙のサイズ、両面印刷の有無、親展印刷の有無などの印刷条件も送信される。
【0067】
図7はデジタル複合機20の処理手順を示すフローチャートである。制御部24は、携帯端末装置30からの要求に基づいて、MFP情報を携帯端末装置30へ送信する(S41)。
【0068】
制御部24は、PC10から印刷データを受信し(S42)、受信した印刷データを復号化する(S43)。制御部24は、親展印刷であるか否かを判定し(S44)、親展印刷である場合(S44でYES)、操作部27でパスワードを受け付けたか否かを判定する(S45)。パスワードを受け付けていない場合(S45でNO)、制御部24は、ステップS45の処理を続け、パスワードを受け付けるまで待機する。
【0069】
制御部24は、パスワードを受け付けた場合(S45でYES)、受け付けたパスワードと予め記憶したパスワードとが一致するか否か判定してパスワードの照合を行う(S46)。制御部24は、パスワードの照合を行った後、印刷条件に基づいて印刷を行い(S47)、処理を終了する。なお、パスワードの照合が行われなかった場合には、警告を出力するとともに、処理を終了することができる。親展印刷でない場合(S44でNO)、制御部24は、ステップS47の処理を行う。
【0070】
以上説明したように、本発明にあっては、携帯端末装置30から印刷要求(画像形成要求)を送信したユーザは、印刷されるまでの印刷推定時間を知ることができるため、待ち時間の間に別の作業を行うことができるとともに、印刷物を速やかに回収することもでき、利便性及びセキュリティレベルが向上する。また、通信ネットワークを通じて接続された携帯端末装置30とPC10との間における処理時間、及び通信ネットワークを通じて接続されたPC10とデジタル複合機20との間の処理時間を考慮して印刷推定時間を算出することができる。また、電子メールを介して印刷要求、印刷データを送受信する場合でも、通信に要する時間を比較的精度良く算出することができる。さらに、ユーザは、親展印刷を行う場合には、印刷要求を行ってからデジタル複合機20が印刷可能状態になるまでの時間を知ることができ、無駄な待ち時間を少なくしつつタイムリーに印刷物を得ることができる。
【0071】
上述の実施の形態では、PC10、デジタル複合機20、携帯端末装置30が各1台通信ネットワークを介して接続されている構成であるが、PC10、デジタル複合機20及び携帯端末装置30の数は1台に限定されるものではなく、複数台設置する構成であってもよい。
【0072】
上述の実施の形態においては、デジタル複合機20を例として説明したが、本発明に係る画像形成システムは、デジタル複合機20に適用が限定されるものではなく、例えば、ファクシミリ装置などの通信機能を備えた装置、ネットワーク通信機能を備えたプリンタ装置などにも適用することができる。
【0073】
上述の実施の形態では、メールサーバ41、42、43がインターネット50に接続されている構成であったが、メールサーバの数は、これに限定されるものではなく、社内に設置されるPC10の数、社外に設置されるデジタル複合機20の数に応じて異なる構成でもよい。また、メールサーバ42、43を1つのメールサーバに統合することもできる。また、各メールサーバのPOP時間は、PC10、デジタル複合機20、携帯端末装置30それぞれで所要の値に設定することができる。
【0074】
本発明はコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータでの読み取り可能な記録媒体に、上述の印刷推定時間を算出するための処理を行うコンピュータプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録することもできる。この結果、上記処理を行うコンピュータプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであってもよく、図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0075】
いずれの場合においても、格納されているコンピュータプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、コンピュータプログラムコードを読み出し、読み出されたコンピュータプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのコンピュータプログラムが実行される方式であってもよい。この場合、ダウンロード用のコンピュータプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0076】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にコンピュータプログラムコードを担持する媒体であってもよい。
【0077】
また、この場合、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからコンピュータプログラムコードをダウンロードするように流動的にコンピュータプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからコンピュータプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のコンピュータプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る画像形成システムの構成を示す模式図である。
【図2】デジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】印刷推定時間の算出例を示す説明図である。
【図5】携帯端末装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】PCの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】デジタル複合機の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10 PC
20 デジタル複合機
21 画像読取部
22 第1通信部
23 第2通信部
24 制御部
25 暗号復号部
26 画像メモリ
27 操作部
28 画像形成部
29 記憶部
30 携帯端末装置
31 第1通信部
32 第2通信部
33 制御部
34 記憶部
35 表示部
36 入力部
37 記録媒体アクセス部
41、42、43 メールサーバ
50 インターネット
51、52、53 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する記憶装置と、通信ネットワークを通じて該記憶装置に接続される携帯端末装置及び画像形成装置とを備え、前記携帯端末装置からの画像形成要求に応じて、前記記憶装置に記憶した画像データに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置は、
固有情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶装置が送信した画像データに基づいて、画像を形成する形成手段と
を備え、
前記携帯端末装置は、
前記画像形成装置から固有情報を取得する取得手段と、
前記記憶装置に記憶した画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、
該選択手段で選択した画像データの画像形成要求及び前記取得手段で取得した固有情報を前記記憶装置へ送信する送信手段と、
前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段と、
該算出手段で算出した所要時間を出力する出力手段と
を備え、
前記記憶装置は、
前記画像形成要求及び固有情報を受信する受信手段と、
該受信手段で画像形成要求を受信した場合、前記固有情報に対応する画像形成装置に対して、前記選択手段で選択された画像データを送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、
前記画像形成要求の送信時点から前記記憶装置での該画像形成要求の受信時点までの第1時間を算出する第1算出手段と、
選択された画像データの送信時点から前記画像形成装置での画像形成時点までの第2時間を算出する第2算出手段と
を備え、
前記算出手段は、
前記第1算出手段及び第2算出手段で算出した第1時間及び第2時間に基づいて、前記所要時間を算出するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記記憶装置は、
前記通信ネットワークに接続されたメールサーバを通じて前記携帯端末装置が送信した画像形成要求及び固有情報を受信するように構成してあり、
前記第1算出手段は、
前記メールサーバへのアクセスの時間間隔及び通信ネットワークのデータ転送速度に基づいて、第1時間を算出するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記通信ネットワークに接続されたメールサーバを通じて前記記憶装置が送信した画像データを受信するように構成してあり、
前記第2算出手段は、
前記メールサーバへのアクセスの時間間隔及び通信ネットワークのデータ転送速度に基づいて、第2時間を算出するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、
画像形成する場合に画像形成装置で所定の認証情報の入力を必要とする親展処理を設定する設定手段を備え、
前記算出手段は、
前記設定手段で親展処理が設定された場合、前記画像形成要求の送信時点から前記画像形成装置で前記画像形成要求に対する画像形成が可能になる時点までの時間を算出するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
画像データに基づいて画像を形成するための画像形成要求を送信する携帯端末装置において、
画像形成装置の固有情報を取得する取得手段と、
画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、
該選択手段で選択した画像データの画像形成要求及び前記取得手段で取得した固有情報を送信する送信手段と、
前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段と、
該算出手段で算出した所要時間を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
コンピュータに、画像データに基づいて画像を形成するための画像形成要求を送信させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、画像形成装置の固有情報を取得する取得手段と、
画像データの中から画像形成する画像データを選択する選択手段と、
選択した画像データの画像形成要求及び取得した固有情報を送信する送信手段と、
前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出する算出手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【請求項9】
画像データを記憶する記憶装置に通信ネットワークを通じて携帯端末装置及び画像形成装置を接続し、該携帯端末装置からの画像形成要求に応じて、前記記憶装置に記憶した画像データに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成方法において、
前記画像形成装置は、
固有情報を予め記憶し、
前記携帯端末装置は、
前記画像形成装置から固有情報を取得し、
前記記憶装置に記憶した画像データの中から画像形成する画像データを選択し、
選択した画像データの画像形成要求及び取得した固有情報を前記記憶装置へ送信し、
前記画像形成要求の送信時点から画像形成時点までの所要時間を算出し、
算出した所要時間を出力し、
前記記憶装置は、
前記画像形成要求及び固有情報を受信し、
受信した固有情報に対応する画像形成装置に対して、選択された画像データを送信し、
前記画像形成装置は、
前記画像データを受信し、
受信した画像データに基づいて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−234603(P2008−234603A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77413(P2007−77413)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】