説明

画像形成システム

【課題】 装置の小型化、ローコスト化を実現し、また、ユーザの取り忘れに対応し、紙詰まりの防止と、自分の出力紙を取りやすくすることで、高い操作感を得ることのできる画像形成システムの提供。
【解決手段】 電子ネットワークに接続され複数のユーザが共有する画像形成システムであって、複数の画像を記憶する記憶手段と、画像をシートに形成する画像形成手段と、複数のユーザを個別認識する認識手段と、を備え、前記認識手段によってユーザを個別認識すると、前記記憶手段による複数の画像の中から認識したユーザの画像を選択し、前記画像形成手段によって画像を形成することで、複雑で大型の複数メールボックスビンを備えることなく、近づくオペレータを個人認識し、オペレータが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、容易にオペレータが取り出すことができる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置、詳細には、例えば、複写機、印刷機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置本体から排出される画像形成済みのシートを、順次装置内に取り込み、このシートの整合やシートの略中央付近を綴じ等のシート処理を行い、シート積載部に排出して積載するシート処理装置を備えた画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザが共有する画像形成システムでは、複数のパーソナルコンピュータ等とネットワークで通信され、コンピュータからプリント出力をする場合、別のユーザが出力したものも画像形成システムの同じスタックトレイに積載される。また、複数のユーザに対応した複数のメールボックスビンを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平07−230370号公報
【特許文献2】特開平07−10363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、同じスタックトレイに排出するシステムでは複数のプリント出力紙が積まれるため、自分の出力紙を探し出すのが大変である。また取り忘れシートによって既積載シートが乱れ、パスを塞いで紙詰まり等の不具合が発生する可能性がある。さらに複数のユーザに対応した複数のメールボックスビンを備えるものは、装置が複雑で、大きく、コストが高くなるという課題がある。
【0004】
本発明は上述の問題点に着目してなされたものであって、装置の小型化、ローコスト化を実現し、また、ユーザの取り忘れに対応し、紙詰まりの防止と、自分の出力紙を取りやすくすることで、高い操作感を得ることのできる画像形成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成システムは、以下に示すとおりのものである。
【0006】
電子ネットワークに接続され複数のユーザが共有する画像形成システムであって、
複数の画像を記憶する記憶手段と、
画像をシートに形成する画像形成手段と、
複数のユーザを個別認識する認識手段と、
を備え、
前記認識手段によってユーザを個別認識すると、前記記憶手段による複数の画像の中から認識したユーザの画像を選択し、前記画像形成手段によって画像を形成することで、複雑で大型の複数メールボックスビンを備えることなく、ローコストで、近づくユーザを個人認識し、ユーザが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、容易にユーザが取り出すことができ、高い操作性を確保することができる。
【0007】
電子ネットワークに接続され複数のユーザが共有する画像形成システムであって、
画像をシートに形成する画像形成手段と、
画像形成されたシートを一時的にスタックするスタック手段と、
前記スタック手段のシートを排出する排出手段と、
複数のユーザを個別認識する認識手段と、
各ユーザの前記スタック部のシートを認識して記憶する記憶手段と、
を備え、
前記認識手段によってユーザを個別認識すると、前記記憶手段によって前記スタック手段の中から認識したユーザのシートを選択し、前記排出手段によってシートを排出することで、複雑で大型の複数メールボックスビンを備えることなくローコストで、近づくユーザを個人認識し、ユーザが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、容易にユーザが取り出すことができ、高い操作性を確保することができる。
【0008】
前記認識手段はユーザが個別IDを画像形成システムにキー入力して判定することで、容易な構成で個人認識を可能とし、ユーザが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、高い操作性を確保することができる。
【0009】
前記認識手段はユーザのIDコードを無線で読み取る通信手段で判定することで、容易な構成で個人認識を可能とし、ユーザが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、高い操作性を確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、多数のビンを配置することなく、メールボックス機能を備えることができるので、装置の小型化、ローコスト化といった効果がある。また、ユーザ認識機能を合わせる事で、ユーザの取り忘れに対応し、紙詰まりの防止と、自分の出力紙を取りやすくする効果があり、高い操作感を得ることできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0012】
本発明の第1の実施例について図1〜5を用いて説明する。
【0013】
本発明においては、目的を達成するために、RFID(Radio Frequency Identification)システムを用いている。
【0014】
より詳しく説明すると、非接触式のICカードを使い、無線による個人認証を行うシステムのことである。
【0015】
図1にRFIDシステムを使った画像形成装置を示す。
【0016】
画像形成装置1は原稿送り装置2、用紙カセット10、画像形成部4、フィニッシャ部5などからなる。
【0017】
まずコピー動作を説明する。
【0018】
原稿送り装置2の原稿トレイ6に原稿をセットし、コピーボタンを押すと画像読取動作が開始される。
【0019】
用紙カセット10から給紙された用紙は、搬送ローラにより画像形成部4に送り込まれ、ここで用紙上に読み取ったトナー像が形成され、排紙トレイ上に出力される。
【0020】
プリンタ動作の場合は、図3で示すフロー図のように、上述の原稿読取動作の代わりに、ホストコンピュータ3にLAN接続されたパーソナルコンピュータ(不図示)からの指令により送信された画像をID情報とともに記憶装置307に記憶する。
【0021】
次に、図2は、図1で説明した画像形成装置の構成をハードウェアブロック図で示したものである。図2中、301はCPUであり、読み出し専用メモリであるROM306に格納された制御プログラムを実行し、ブロック302〜307を制御する。メモリ302はCPU301が制御に必要な情報を格納する読み出し書き込みメモリであるRAMである。CPU301はROM306に格納された制御プログラムを実行することにより、原稿読取装置16によって原稿を読み取り、デジタル画像データに変換し、記憶装置307に格納する。記憶装置307はハードディスク、光磁気ディスク等で実現される。
【0022】
記憶装置307に格納された画像データは、同様にCPU301によってROM306に格納された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置本体1によってシートに可視画像として形成される。304は通信I/Fであり、フィニッシャ部5との制御情報のやりとりを行うための手順を制御する。308はI/Oであり、画像形成装置本体1を構成するクラッチ、ソレノイド等へON/OFF信号をCPU301の制御に応じて出力し、センサの信号をCPU301へ伝達する。
【0023】
次にRFID(個人認証)について説明する。
【0024】
ホストコンピュータ3にLAN接続された画像形成装置1には、通信装置9が内蔵されている。
【0025】
またオペレータ7が身に付けているIDカード8にはICチップ12が内蔵されており、このチップの中に個人のIDが記憶されている。
【0026】
そして、これら通信装置9とICチップ12が通信を行うことにより、個人認証が行われる。
【0027】
RFIDの通信距離可能な距離は接触〜数メートルと様々であるが、本実施例の場合は2メートル程度としておく。
【0028】
IDカード8は社員証や学生証などオペレータが常時身に付けているものが良い。
【0029】
次にIDカード8の内部について図4を用いて詳しく説明する。
【0030】
IDカード8はデータを記憶するEEPROMやCPU、RAM等を備えたICチップ12が備えられている。
【0031】
この個人認証システムを用いてオペレータを認証し、記憶装置9内の未出力のプリントを選択して出力するしくみを図5のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
画像形成装置1に内蔵された通信装置9はこのIDカード8に対してIDの読み出しコマンドを送信する(ステップS1)。
【0033】
この状態でIDカード8を身に付けたオペレータ7が画像形成装置1に近づいたとき、通信可能な距離内となり、通信装置9はIDカード8のID読み出しコマンドを受信する(ステップS2)。次に、記憶装置9のメモリに蓄えられている未出力JOBの中に、IDコードに対応したJOBがある場合(ステップS3)、それを選択し、プリントを開始、近づくオペレータに対応する画像を形成し、出力紙を排出する(ステップS4)。
【0034】
また、出力紙はフィニッシャ5にて後述するステイプル処理や穴あけ等の後処理をして排出しても良い。
【0035】
このように、記憶装置9に複数JOBのプリント紙を一時的に記憶しておき、プリント紙を取りに近づくオペレータを個人認識することで、オペレータが送信した画像データだけを選択、画像を形成し、スムーズにスタックトレイにプリントを排出できるので、高い操作性を確保しつつ、スタック部に取り忘れたプリント紙が積まれるようなこともないので、紙詰まりを防止する効果もある。
【0036】
[他の実施例]
他の実施例について図6〜17を用いて説明する。
【0037】
図6で示すフロー図のように、プリンタ動作の場合は、本実施例と同様にパーソナルコンピュータ(不図示)からの指令(ステップS11)により送信された画像を画像形成部4にて画像形成され、プリント動作が開始される。(ステップS12)出力されたシートはフィニッシャ5の循環排出トレイ15に一時的にスタックされ(ステップS13)、同時にスタックしたシートに対応したプリントIDを記憶する(ステップS14)。
【0038】
循環排出トレイ15には複数のJOBのシートをスタックすることができ、かつ各JOBに対応するIDとシート枚数、循環排出トレイ15内の位置を記憶している。
【0039】
次に本実施例と同様に、個人認証システムを用いてオペレータを認証し、循環排出トレイ15内のプリントを選択して排出するしくみを図7のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
画像形成装置1に内蔵された通信装置9はこのIDカード8に対してIDの読み出しコマンドを送信する(ステップS21)。
【0041】
この状態でIDカード8を身に付けたオペレータ7が画像形成装置1に近づいたとき、通信可能な距離内となり、通信装置9はIDカード8のID読み出しコマンドを受信する(ステップS22)。次に、循環排出トレイ15にスタックしている未排出JOBの中に、IDコードに対応したJOBがある場合(ステップS23)、それを選択し、近づくオペレータに対応する出力紙を排出する(ステップS24)。
【0042】
排出した場合、記憶装置の情報を書き換える。また、出力紙はフィニッシャ5にて後述するステイプル処理等の後処理をして排出しても良い。またオペレータ自身が画像形成装置の操作部にてIDコード暗証コードを入力してから、排出処理を行ってもよく、設定はオペレータのコンピュータや画像形成装置で変えることができる。
【0043】
図8ではフィニッシャ5の機構部分の説明をする。シート処理装置であるフィニッシャ5は、プリンタ本体1側方に配置されて、プリンタ本体1から排出されたシート、または複数枚に重ねられたシート束に対して、整合、ステイプル、孔あけ等の様々な後処理を施すようになっている。なお、フィニッシャ5は、整合処理のみ、あるいは整合処理とステイプル処理のみ行うようになっていてもよい。
【0044】
入口ローラ対52は、プリンタ本体1の排出ローラ対399から排出されたシートPを受け入れる。搬送ローラ対53は、受け入れたシートPを引き続いて搬送する。シート検知センサ31は、搬送ローラ対53が搬送するシートPの通過を検知する。
【0045】
その後、孔あけユニット50は、シート検知センサ31のシートの通過検知に基づいて、シートの後端部付近に孔をあける。なお、孔あけユニット50は、シートに必ずしも孔をあける必要がない。
【0046】
切換フラッパ61は、ノンソートパス21とソートパス22との切り換えをする。切換フラッパ60は、ソートパス22と、シートPを一時的に蓄えるバッファパス23との切り換えをする。切り換えフラッパ60がバッファパス23を選択すると、比較的大径のバッファローラ5の外部周囲に配した各押し付けころ62,63,64は、孔があけられたシートをバッファローラ55の外部に押し付けてバッファローラ55の外周に一時的に蓄える。その後、搬送ローラ対56は、切換フラッパ60によってソートパス22内に案内されたシートを排出ローラ対66に搬送する。
【0047】
処理トレイ(シート積載手段)130は、排出ローラ対66から順次排出されたシートPを束状にして一時的に積載する。ステイプルユニット(シート後処理装置、シート綴じ装置)101は、処理トレイ130上に積載されたシートに不図示のステイプラによってステイプル処理をする。
【0048】
ステイプルユニット101がシート束にステイプル処理をするとき、シートの長さが、図8において左右方向に長い場合、シートが処理トレイ130から突出して、位置がずれたり、落下したりするおそれがある。このため、シートが長いときには、処理トレイ130の下方に配設された突出シート支持トレイ(突出シート支持手段)170が本体51から突出してシートの突出した部分を支持する。処理トレイ130と、突出シート支持トレイ170と、これらのトレイに関連する構成、および動作は後述する。
【0049】
束排出ローラ対(シート排出手段)180は、処理トレイ130に配置されたローラ180aと、揺動ガイド150に支持されたローラ180bとを有しており、処理トレイ130上のシート束のステイプル処理が終了すると、ローラ180bをローラ180aに接近させてシート束を挟持して、ローラ180a,180bの回転によって、スタックトレイ14上に排出する。このとき、突出シート支持トレイ170は、シート束排出の邪魔になるので待機位置に引っ込んでいる。
【0050】
一方、フィニッシャ5の上部にある排出ローラ59は、切り替えフラッパ61によってノンソートパス21に案内されたシートをサンプルトレイ13上に排出する。
【0051】
〔処理トレイ、突出シート支持トレイ周辺の説明〕
図9において、処理トレイ130の周囲には、処理トレイ130の後端に傾動自在に配置された後端ストッパ(端部整合手段)131、処理トレイ130上のシート束の側部を整合する側部整合ユニット(側部整合手段)140、処理トレイ130の上方で揺動する揺動ガイド150、排出ローラ対66から排出されたシートを後端ストッパ131に戻す引き込みパドル160、処理トレイ130下方に配置された突出シート支持トレイ170、束排出ローラ対180を設けてある。
【0052】
処理トレイ130のシート積載面130aは、下流側(図の左側)を上方に、上流側(図の右側)を下方にして傾いている。側部整合ユニット140は、シートの搬送方向に沿った側部を整合するようになっており、処理トレイ130上にシートが側部を揃えて排出される場合には、必ずしも必要としない。
【0053】
突出シート支持トレイ170は、処理トレイ130とスタックトレイ14との間に配置してある。突出シート支持トレイ170は、ローラ180aの下側で、処理トレイ130の傾斜にほぼ倣いながらシート搬送方向(矢印X方向)に沿って、フィニッシャ5の本体51を出没するようになっている。さらに、突出シート支持トレイ170は、突出状態で、先端170aがスタックトレイ14側へ重なり出ており、退避状態で、先端170aが束排出ローラ対180よりフィニッシャ本体51の内側へ退避するようになっている。突出状態における、突出シート支持トレイ170先端170aは、処理トレイ130上に載置されたシート束の重心よりも下流側(図において左側)に位置するようになっている。
【0054】
揺動ガイド150は、上流側(図の右側)の揺動支点軸151に軸支してあり、モータM150に接続された回転カム152の回転にともなって上下方向に揺動するようになっている。さらに、揺動ガイド150は、処理トレイ130にシートが排出されるとき、シートの排出、整合の支障にならないように、ローラ180bをローラ180bから離して開口状態になるようになっている。そして、揺動ガイド150は、処理トレイ130からシート束を排出するときに、回動して、ローラ180bをローラ180aに接近させて閉口状態になり、両ローラ180b,180aでシート束を挟持して搬送するようになっている。束排出ローラ対180のローラ180a,180bは、モータM180からの駆動を受けて正逆転するようになっている。
【0055】
〔スタックトレイ、サンプルトレイの説明〕
スタックトレイ14、およびサンプルトレイ13は、図8に示すように、両方とも独立してモータM200、M201によって昇降するようになっている。フィニッシャ本体5には、サンプルトレイ13に排出されたシートの上面を検知するシート上面検知センサ204と、スタックトレイ14に排出されたシートの上面を検知するシート上面検知センサ205、および後述する各センサを設けてある。
【0056】
サンプルトレイ13は、上下一対のシート上面検知センサ204,205間を昇降するが、排出ローラ9の近くに配置した上限センサ203aによって上昇し過ぎが制限され、また、シートを1000枚程度積載したときに相当する位置に配置した下限センサ203bによって、通常、シート積載枚数が制限されている。
【0057】
スタックトレイ14は、シート上面検知センサ205と下限センサ203cとの間を昇降するようになっている。スタックトレイ14の下降は、シート積載枚数を高さで制限するため、シートを1000枚程度積載したときに相当する位置にセンサ203cを配置してある。
【0058】
また、サンプルトレイ13とスタックトレイ14には、シートが積載されているのか否かを検知するシート有無検知センサ206が設けられている。
【0059】
通常、サンプルトレイ13は、シート上面検知センサ204の位置に待機し、スタックトレイ14は、シート上面検知センサ205の位置に待機している。通常、処理トレイ130から排出されたシートを積載するのはスタックトレイ14である。スタックトレイ14は、ステイプルユニット101によって処理されたシートや、未綴じで少数枚ずつ排出されるシート束を受け取ることができる。
【0060】
サンプルトレイ13、スタックトレイ14の上面、もしくはサンプルトレイ13、スタックトレイ14上のシート束最上面より所定の距離(例えば、約1mm)上方にシート上面検知センサ204,205の光軸が来る位置がサンプルトレイ13、スタックトレイ14のイニシャル位置である。したがって、シートがサンプルトレイ13、スタックトレイ14に積載されるたびに、シート上面検知センサ204,205がシートによって遮られなくなるまで、サンプルトレイ13、スタックトレイ14を下降して、サンプルトレイ13、スタックトレイ14をイニシャル位置に保持するようになっている。
【0061】
〔循環スタックトレイの説明〕
循環スタックトレイ15は複数のオペレータがプリント出力したシートをまとめて一時的にスタックするメールボックストレイである。動作は後述する。入口ローラ対52の下流にはパス切り換えフラッパ501を備え、スタックトレイ、サンプルトレイ側に向かう場合、図中上方へシートを偏向し、循環スタックトレイ15側に向かう場合はシート後端がフラッパ501を通過した後に搬送ローラ対53によってスイッチバックして下方に向かう。図中下方へ偏向されたシートはパス503を通り、スイッチバックローラ504によって下流側へ導かれる。搬送ローラ53及びスイッチバックローラ504は正転逆転駆動可能である。
【0062】
符号505はスイッチバックフラッパで常時図中実線の位置に付勢されているので、スイッチバックローラ504によって搬送されるシートはパス506側に偏向される。排紙ローラ507で循環スタックトレイ15へ排出されたシートは整合ローラ508の回転によって突き当てガイド511に一枚一枚シート端部を突き当て整合する。整合ローラ508は回転駆動と共に、上下移動を可能とし、整合時だけシートの上面に接触する。
【0063】
循環スタックトレイ15に積載される複数のシートはオペレータが取りに来るまで待機している。循環スタックトレイ15の下面には給紙ベルト513を備え、循環スタックトレイ15に積載されたシートを給紙する。さらに分離給紙ローラ対515によって一枚一枚に分離給紙し、搬送ローラ対516、517によって図中上方に搬送される。サンプルトレイ13やスタックトレイ14に排出する場合はスイッチバックローラ504からパス502に通って搬送ローラ対3へ導かれる。再度循環スタックトレイ15に積載する場合はシート後端がスイッチバックフラッパ505から抜けた後、スイッチバックローラ504が逆転してパス506側に送られる。
【0064】
また循環スタックトレイ15にオペレータがアクセスできないよう回動自在の蓋510を備え、通常は電磁ロック(図示せず)が掛かっているが、紙詰まり時はロックが解除してシートを取り出すことができる。
【0065】
〔処理トレイ上のシート束排出動作〕
図10(a)に示すように、搬送大ローラ55を通過したシートは、切換フラッパ60によってソートパス22へと送られて、排出ローラ対66によって処理トレイ130上に排出される。
【0066】
排出ローラ対66から排出されたシートは、自重と、パドル160の回転接触とにより、シートの後端が後端ストッパ131(図9参照)に当接するまで処理トレイ130上を滑り落ちる。後端ストッパ131は、シートを受け止めて、シートの上流端を整合する。このとき、突出シート支持トレイ170は、突出状態にあり、処理トレイ130に積載したシートの先端が垂れ下がって戻り不良となるのを防止するとともに、処理トレイ130上のシートの整列性を高めている。所定枚数のシートが処理トレイ130上に積載整合されると、この時点で、必要に応じてステイプルユニット101により1箇所ステイプルが行われる。ステイプルユニット101がシート束をステイプルするときには、後端ストッパ131(図9参照)は、実線の位置から破線の位置に回動して処理トレイ130下方に退避する。
【0067】
そして、図10(b)に示すように、揺動ガイド150が下降し、ローラ180bがシート束の上に載置される。その後、必要に応じて2箇所目のステイプルが行われる。
【0068】
なお、突出シート支持トレイ170の退避タイミングは、上記1箇所目のステイプル完了時である。突出シート支持トレイ170は、図11に示すように、整合束Pが下方向に湾曲することを防止しているが、仮に、ステイプル前に突出シート支持トレイ170を退避させると、図12に示すように最上シートとその下の何枚かシートとが符号Yで示すようにずれる恐れがある。このずれる現象は、シートの積載枚数に比例して顕著に表れる。特に、シートは、逆U字状にカールしている場合において、顕著に表れる。
【0069】
最も好ましい突出シート支持トレイ170の退避タイミングは、ステイプルユニット101が所定の箇所全部にステイプル処理をした後、束排出ローラ対180がシート束を排出する動作を開始する直前である。このような、タイミングであれば、シート束に確実にステイプルすることができるとともに、シート束の垂れ下がりによる湾曲変形を確実に防止することができる。
【0070】
なお、図13に示すように、束排出されるシートの枚数が所定枚数以上である場合、スタックトレイ14は、モータM200(図8参照)の回転によって、束排出前で、かつ突出シート支持トレイ170が退避する前に所定距離上昇し、図に示す補正位置に停止する。
【0071】
このとき排出されるシート束P0とスタックトレイ14との間には、小さい落差L1を有している。これにより排出されるシート束の先端が既に積載された不図示のシート束に当接して丸まることを防止し、かつ排出されるシート束の最下位のシートが落差によって座屈することを防止している。
【0072】
その後、図14(a)に示すように束排出ローラ対180が回転して、シート束P0をスタックトレイ14に排出する。このとき、シート束をスタックトレイ14に落下させるため、突出シート支持トレイ170は、シート束が束排出ローラ180を抜ける前に退避位置に退避している。そして、図14(b)に示すようにシート束P0がシート上面検知センサ205を遮る高さにスタックトレイ14上に積載されると、制御装置4は、シート上面検知センサ205によって最上位のシート面が検知されるまでスタックトレイ14を降下させる。そして積載されたシート上面が所定の位置以下になると、次に排出されるシートを支持するため、突出シート支持トレイ170がフィニッシャ5の本体から突出する。
【0073】
〔循環スタックトレイ動作の説明〕
図15で示すように、プリント出力されたシートは循環スタックトレイ15に一時的に積載される。例えばシートPaを出力したオペレータは取りにくるまで、循環スタックトレイに保管される。なお、オペレータの指定によりサンプルトレイやスタックトレイに排出することができるが、デフォルトは循環スタックトレイ15に排出される。図で示す状態は次のジョブであるシートPbを循環スタックトレイ15に排出している。シートPaとPbは別のオペレータが出力したシートである。シートの長さが異なるが、整合ローラ508によって突き当てガイド511側に突き当て整合されている。
【0074】
図16では、シートPaをサンプルトレイ13側に排出する状態を示している。積載されたシートPaを最下紙から順に給紙ベルト513で給紙し、搬送ローラ516、517、スイッチバックローラ504によって図中上方のパスへ導いている。シートPaの排出が終了すると装置は停止する。なお、シートPaを排出する動作はシートPaをプリントしたオペレータが装置に近づいたことを通信装置9が検知してから開始する。オペレータが近づくことを検知してから排出動作を開始するので、装置の前に到達するころには、全てのシートPaがサンプルトレイ13に排出完了している。
【0075】
図17では、シートPbをプリントしたオペレータが装置に近づいた場合、シートPaを再度、循環スタックトレイ15に再積載している状態を示している。シートPaは最下紙から順に給紙し、スイッチバックローラ504によってスイッチバックしてシートPdの上面に排出する。シートPaの排出が終了すると、シートPbを順に給紙し、スイッチバックを行わずに図中上方のパスへ導き、サンプルトレイ13側に排出する。なお、ステイプルの後処理をする場合は処理トレイ130でステイプル後にスタックトレイ14に積載される。
【0076】
シートPa、Pc、Pd等のJOBに対応するIDコード、シートPa、Pc、Pdが循環スタックトレイに積載されている順番、JOB枚数は画像形成システムが記憶し、次の排紙処理動作に備えている。
【0077】
このように、本実施例と同様に、循環スタックトレイ15に複数JOBのプリント紙を一時的にスタックしておき、プリント紙を取りに近づくオペレータを個人認識し、オペレータが出力したシートだけをスムーズにスタックトレイ排出し、容易にオペレータが自分のプリント紙を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施例の画像形成システム断面図
【図2】本実施例の画像形成システム画像形成のブロック図
【図3】本実施例の画像形成システム画像形成の画像形成フロー図
【図4】本実施例の画像形成システム画像形成個人認証説明図
【図5】本実施例の画像形成システム画像形成個人認証説明図
【図6】他の実施例の画像形成システム画像形成個人認証説明図
【図7】他の実施例の画像形成システム画像形成個人認証説明図
【図8】他の実施例のシート処理装置詳細断面図
【図9】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図10】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図11】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図12】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図13】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図14】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図15】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図16】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【図17】他の実施例のシート処理装置詳細説明図
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成装置
2 原稿送り装置
3 ホストコンピュータ
4 画像形成部
5 フィニッシャ
6 原稿トレイ
7 オペレータ
8 IDカード
9 通信装置
10 用紙カセット
11 制御部
12 ICチップ
15 循環スタックトレイ、循環排出トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ネットワークに接続され複数のユーザが共有する画像形成システムであって、
複数の画像を記憶する記憶手段と、
画像をシートに形成する画像形成手段と、
複数のユーザを個別認識する認識手段と、
を備え、
前記認識手段によってユーザを個別認識すると、前記記憶手段による複数の画像の中から認識したユーザの画像を選択し、前記画像形成手段によって画像を形成することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
電子ネットワークに接続され複数のユーザが共有する画像形成システムであって、
画像をシートに形成する画像形成手段と、
画像形成されたシートを一時的にスタックするスタック手段と、
前記スタック手段のシートを排出する排出手段と、
複数のユーザを個別認識する認識手段と、
各ユーザの前記スタック部のシートを認識して記憶する記憶手段と、
を備え、
前記認識手段によってユーザを個別認識すると、前記記憶手段によって前記スタック手段の中から認識したユーザのシートを選択し、前記排出手段によってシートを排出することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
前記認識手段はユーザが個別IDを画像形成システムにキー入力して判定することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記認識手段はユーザのIDコードを無線で読み取る通信手段で判定することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−212959(P2006−212959A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29030(P2005−29030)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】