画像形成システム
【課題】簡易な方式で、省電力化を図るシステムを実現するとともに、ユーザの利便性を考慮した画像形成システムを提供する。
【解決手段】MFPからの起動信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS30)。そして、次に、起動モードを確認する(ステップS32)。次に、起動モードに応じてMFPに出力するジョブが格納されたジョブ格納領域のうち優先するジョブ格納領域を設定する(ステップS34)。次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。そして、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【解決手段】MFPからの起動信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS30)。そして、次に、起動モードを確認する(ステップS32)。次に、起動モードに応じてMFPに出力するジョブが格納されたジョブ格納領域のうち優先するジョブ格納領域を設定する(ステップS34)。次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。そして、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視サーバと画像形成装置とで構成される画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、MFP(Multi Function Peripheral)などの複合型画像処理装置が広く普及している。このMFPは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX、またはドキュメントサーバなどのBOX機能を集約した画像形成装置であり、複合機とも呼ばれる。
【0003】
一方で、省電力運用が重要となっており、システムとして省電力化を図る種々の方式が提案されている(特許文献1)。
【0004】
MFPにおいても、ある一定期間、アイドル状態の場合には、自動的に通常モードからスリープモードに切り替えられる方式が一般的である。
【0005】
しかしながら、MFPは共有で利用される場合が高く、周辺の端末装置と接続されていて、周辺の端末装置からもアクセスが可能であるため、アクセスのたびにMFPが動作していたのでは、省電力化を十分に図ることができない。
【0006】
そこで、MFPと連携して動作する監視サーバを設け、監視サーバにおいて、即座に実行が必要なジョブか否かを判断し、即座に実行が必要なジョブであると判断した場合には、MFPに送信し、そうでない場合には一旦、監視サーバに蓄積しておいて、適切なタイミングで監視サーバからMFPに蓄積しておいたジョブを送信する方式が提案されている。例えば、MFPをスリープモードに設定し、MFPが復帰した際に、監視サーバから蓄積していたジョブをMFPに送信することにより、スリープモードの時間を確保して省電力を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−124231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、MFPが復帰した際に監視サーバに蓄積していたジョブを順次送信する場合、復帰直後に当該ジョブが反映されていない可能性があり、ユーザの利便性を損なう可能性がある。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で、省電力化を図るシステムを実現するとともに、ユーザの利便性を考慮した画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従う画像形成システムは、通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備える。監視サーバは、画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、状態監視部での監視結果に基づいて、画像形成装置が省電力モードである場合に、ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを分類してグループ別に蓄積するジョブ蓄積部と、画像形成装置に対するジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含む。状態監視部は、画像形成装置の通常モードと省電力モードとの状態を監視するとともに、画像形成装置が通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられてグループ別にジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを画像形成装置に対して送信する。
【0011】
本発明の別の局面に従う画像形成システムは、通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備える。監視サーバは、画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、状態監視部での監視結果に基づいて、画像形成装置が省電力モードである場合に、ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを蓄積するジョブ蓄積部と、画像形成装置に対するジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含む。状態監視部は、画像形成装置の通常モードと省電力モードとの状態を監視するとともに、画像形成装置が通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられたジョブをジョブ蓄積部から抽出して、画像形成装置に対して送信する。
【0012】
好ましくは、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知として認証モードを検知した場合には、画像形成装置に対して認証処理の設定をするのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する。
【0013】
好ましくは、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知としてFAXモードあるいはスキャンモードを検知した場合には、画像形成装置に対して送信先に関する情報を設定するのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従う画像形成システムにおいて、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられてグループ別にジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを画像形成装置に対して送信することにより、省電力モードから復帰した場合に、優先的にジョブを送信して、ユーザの利便性を考慮したシステムを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従うMFP20の構成を説明する概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブの蓄積処理について説明するフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従う分類されたジョブの蓄積を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うジョブ受付順を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態2に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態2に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態2に従うジョブ受付順とジョブ出力順とを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【0018】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う画像形成システムは、画像形成装置としての機能を有するMFP20、パソコン(PC)2,4、6、監視サーバ10とを有しており、これらは図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
ここで、一例として、パソコン2は、ユーザAが使用しており、パソコン4は、ユーザBが使用しているものとする。また、パソコン6は、ユーザCが使用しているものとする。
【0020】
パソコン2,4,6からMFP20に対してジョブを送信する場合には、一旦、監視サーバ10に送られるものとする。
【0021】
監視サーバ10は、MFP20のスリープ状態(スリープモード)および通常状態(通常モード)を監視するとともに、送信されてきたジョブの内容を確認して、必要に応じてジョブを送信あるいは蓄積し、MFP20の省電力化を図るものである。
【0022】
ネットワークは、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格によるコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)や、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)、およびインターネット等を含む。なお、ネットワークに接続される機器の種類および台数はこれらに限定されるものではない。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に従うMFP20の構成を説明する概略ブロック図である。
【0024】
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従うMFP20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、通信I/F205、スキャナ206、プリンタ207、FAX208、オペレーションパネル209および内部バス220を含む。内部バス220は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)201は、ROM202、RAM203、HDD204等の記憶領域に格納されているプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を実行する。また、当該記憶領域は、各種データの保存領域として用いられるとともに、プログラムを実行するための作業領域あるいはスキャナ206で画像処理により得られた画像データ等を保存するための領域として用いられる。
【0026】
通信I/F205は、ネットワークに接続され、ネットワーク上の他の機器との間でデータ通信を実行する。具体的には、例えば、監視サーバ10を介してパソコン2,4,6との間でデータの授受を実行し、例えば、監視サーバ10を介してパソコン2,4,6から印刷ジョブ等のデータの入力を受ける。
【0027】
スキャナ206は、原稿に光源で光を当ててその反射光を光電変換するためのCCD等の受光素子、および原稿を所定の読取位置まで搬送するための自動原稿搬送装置(ADF)を備えており、CCD等の受光素子から原稿の画像データを取得する。
【0028】
プリンタ207は、スキャナ206により読み取っていた画像データ、外部装置から通信I/Fを介して取得した画像データの各種データを記録用紙等の記録材料に印刷する。
【0029】
FAX208は、通信I/F205を介して一般電話回線等に接続され、FAX送信される。
【0030】
HDD204は、BOX機能としても用いられ、画像データ等を蓄積することが可能である。また、HDD204には、一例として、ユーザ認証処理を実行する際の照合用のデータの格納領域が設けられ、当該格納領域には、予めユーザ名およびパスワード等が登録されているものとする。
【0031】
オペレーションパネル209は、各種指示の入力に使用されるタッチパネル、コピー枚数、ユーザのパスワード等を指定するためのテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、BOX機能等の機能を切り替えるためのキー等が設けられた入力部209Aと、各種情報の表示を実行するディスプレイ209Bとを含む。
【0032】
なお、本例においては、一例として、プリンタ207を用いたコピー機能を実行する際には、ユーザ認証処理が要求されるものとする。具体的には、コピー機能をユーザが選択した際には、認証画面が表示され、当該認証画面において、ユーザは予め登録した自己のユーザ名およびパスワードを入力する。そして、当該入力に応答して、HDD204に格納されている照合用のユーザ名およびパスワードと一致するか否かが判断され、一致する場合(認証成功)に、コピー機能の実行が可能となるものとする。当該ユーザ認証処理を実行するプログラムは、ROM202に予め格納されており、当該ROM202に格納されたプログラムをCPU201が読み込むことにより実現されるものとする。
【0033】
なお、本発明の実施の形態1に従うMFP20は、装置を通常動作させることが可能な通常モードと、装置が省電力状態となっていて通常動作させることができないスリープ(省電力)モードとを有しているものとする。MFP20のCPU201は、通常モードである場合に、所定期間、アイドル状態が継続した場合にスリープ(省電力)モードに移行させる。そして、CPU201は、スリープモードに移行した場合には、当該スリープモードに移行したことを示すスリープ信号を通信I/F205を介して監視サーバ10に通知するものとする。
【0034】
スリープモードから通常モードへの起動は、例えば、スリープモード中に、監視サーバ10から印刷ジョブ等の入力があった場合、また、スリープモードであるMFP20にユーザが直接アクセス(例えば、タッチパネルを操作)した場合等に実行されるものとする。
【0035】
また、通常モードへの起動は、通常モードの各機能のいずれかの状態で起動するものとする。具体的には、MFP20は、スリープモードに移行する前の状態を記憶し、起動(復帰)する際には、当該前の状態に復帰するものとする。具体的には、コピー機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合は認証機能を使用する状態(認証モード)で起動するものとする。同様に、スキャン機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はスキャン機能を使用する状態(スキャンモード)で起動するものとする。FAX機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はFAX機能を使用する状態(FAXモード)で起動するものとする。同様に、BOX機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はBOX機能を使用する状態(BOXモード)で起動するものとする。そして、MFP20のCPU201は、スリープモードから起動(復帰)した場合には、起動信号を通信I/F205を介して監視サーバ10に送信するとともに、どの状態(認証モードか、スキャンモードか、FAXモードか、BOXモードか等)で起動(復帰)したかを通知するものとする。当該処理は、CPU201における処理で実行される。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の機能ブロック図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10は、コントローラ100と、通信インタフェース108と、メモリ110と、HDD112と、内部バス106とを含む。内部バス106は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0037】
通信インタフェース108は、ネットワークと接続されており、パソコン2,4,6あるいはMFP20との間でデータの授受を実行する。
【0038】
コントローラ100は、監視サーバ10全体を制御するためのものであり、スリープ管理制御部101と、ジョブ編集部102と、ジョブ受付部103と、ジョブ送信制御部104とを含む。
【0039】
メモリ110は、コントローラ100での作業領域等に用いられる。
HDD112は、後述するが、パソコン2,4,6から受信したジョブを必要に応じて蓄積する。また、監視サーバ10で実行されるプログラムも格納しているものとする。
【0040】
スリープ管理制御部101は、MFP20の状態を監視し、スリープ信号の有無に従ってMFP20がスリープモードであるか否かを判断する。
【0041】
ジョブ受付部103は、通信インタフェース108を介してパソコン2,4,6等から受信したジョブを受け付けて、その内容を確認し、MFP20の状態およびジョブ内容に応じてジョブ編集部102あるいはジョブ送信制御部104に出力する。
【0042】
ジョブ編集部102は、受け付けたジョブをHDD112に格納する。
ジョブ送信制御部104は、ジョブ受付部103から出力されたジョブを送信するとともに、後述するが、MFP20がスリープモードから通常モードに復帰した場合にHDD112に蓄積されているジョブの送信する順番を設定して、設定に従う送信制御を実行する。
【0043】
次に、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【0044】
図4を参照して、まず、監視サーバ10のスリープ管理制御部101は、MFP20からのスリープ信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS2)。
【0045】
ステップS2において、MFP20からのスリープ信号の入力が無い場合(ステップS2においてNO)には、ステップS10に進む。すなわち、スリープ信号の入力が無い場合には、通常モードであるため通常処理を実行する。
【0046】
そして、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有るかどうかを判断する(ステップS10)。
【0047】
ステップS10において、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有ると判断した場合(ステップS10においてYES)には、ジョブを出力する(ステップS12)。具体的には、ジョブ受付部103は、ジョブ送信制御部104に受け付けたジョブを出力し、ジョブ送信制御部104は、通信インタフェース108を介してMFP20に当該ジョブを送信する。
【0048】
そして、処理を終了する(エンド)。
したがって、スリープ信号の入力が無い場合、すなわち、MFP20が通常モードである場合には、監視サーバ10に入力されたジョブは、MFP20に直ぐに送信されることになる。
【0049】
一方、ステップS2において、MFP20からのスリープ信号の入力が有った場合(ステップS2においてYES)には、次に、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有るかどうかを判断する(ステップS4)。
【0050】
ステップS4において、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有ると判断した場合(ステップS4においてYES)には、ジョブは印刷ジョブであるかどうかを判断する(ステップS6)。ジョブ受付部103は、ジョブの内容を確認し、印刷ジョブであるかどうかを判断する。
【0051】
ステップS6において、ジョブ受付部103は、受け付けたジョブが印刷ジョブであると判断した場合(ステップS6においてYES)には、ジョブを出力する(ステップS12)。そして、処理を終了する(エンド)。具体的には、ジョブ受付部103は、ジョブ送信制御部104に出力して、ジョブ送信制御部104は、通信インタフェース108を介してMFP20に当該ジョブを送信する。印刷ジョブである場合には、MFP20がスリープモードである場合であっても、送信して印刷をMFP20で実行させることによりユーザの利便性に供することが可能である。
【0052】
一方、ステップS6において、ジョブは印刷ジョブで無い場合(ステップS6においてNO)には、ジョブを蓄積する処理を実行する(ステップS8)。そして、処理を終了する(エンド)。ジョブが印刷ジョブで無い場合には、MFP20にジョブを送信するのではなく、監視サーバ10でジョブを蓄積することにより不必要にMFP20をスリープモードから起動させて動作させることなく、システム全体として省電力化を図ることが可能である。そして、MFP20が起動することに応答して、監視サーバ10に蓄積されたジョブを送信するものとする。
【0053】
すなわち、スリープ信号の入力が有る場合すなわち、MFP20がスリープモードである場合には、監視サーバ10に入力されたジョブは、印刷ジョブであるか否かに応じて蓄積されることになる。
【0054】
なお、本例においては、一例として、印刷ジョブである場合には、MFP20に直ぐに送信する場合について説明したが、印刷ジョブである場合であってもMFP20がスリープモードである場合にはジョブを蓄積させて、より省電力化を図るようにすることも可能である。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブの蓄積処理について説明するフロー図である。当該処理は、コントローラ100の主にジョブ編集部102により実行される。
【0056】
図5を参照して、ジョブ編集部102は、ジョブを確認する(ステップS20)。具体的には、ジョブ編集部102は、ジョブ内容を確認する。
【0057】
そして、ジョブ編集部102は、ジョブ内容に従ってジョブを分類して蓄積する(ステップS22)。
【0058】
そして、処理を終了する(エンド)。
図6は、本発明の実施の形態1に従う分類されたジョブの蓄積を説明する図である。
【0059】
図6を参照して、ここでは、HDD112において、複数のジョブ格納領域が設けられ、一例として、FAX用ジョブ格納領域、スキャン用ジョブ格納領域、認証用ジョブ格納領域、BOX用ジョブ格納領域が設けられている場合が示されている。
【0060】
FAX用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20のFAX機能を用いる場合に設定されるジョブ(FAX用ジョブとも称する)が格納される。例えば、FAX送信用のアドレス帳のデータを更新あるいは編集等の処理を実行するジョブ等に相当する。
【0061】
スキャン用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20のスキャン機能を用いる場合に設定されるジョブ(スキャン用ジョブとも称する)が格納される。例えば、スキャン送信用のアドレス帳のデータを更新あるいは編集等の処理を実行するジョブ等に相当する。
【0062】
認証用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20の認証機能を用いる場合に設定されるジョブ(認証用ジョブとも称する)が格納される。例えば、認証用のデータであるユーザ名、パスワード等のデータを登録する処理を実行するジョブ等に相当する。
【0063】
BOX用ジョブ格納領域には、MFP20のBOX機能を用いる場合に設定されるジョブが格納(BOX用ジョブとも称する)される。例えば、BOX機能としてHDD204にデータを登録する処理を実行するジョブ等に相当する。
【0064】
上述したように、ジョブの内容に従ってジョブが印刷ジョブで無い場合には、ジョブ受付部103は、ジョブ編集部102に出力する。
【0065】
ジョブ編集部102は、ジョブ内容を確認して、当該ジョブ内容に応じたジョブ格納領域に蓄積する。
【0066】
なお、ここでは、ジョブ格納領域として4つの領域を一例として説明したが、特にこれに限られず、さらにジョブの種類に応じて複数の領域を設けるようにすることも当然に可能である。また、特にこの分類に限られず、ジョブ内容に応じて他の分類に分けて蓄積するようにしても良い。
【0067】
後述するが、本発明の実施の形態1においては、起動モードに従って、当該ジョブ格納領域のジョブ出力に関する優先順位を設定する。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態1に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【0069】
図7を参照して、まず、監視サーバ10のスリープ管理制御部101は、MFP20からの起動信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS30)。
【0070】
ステップS30において、MFP20からの起動信号の入力が有った場合(ステップS30においてYES)には、ステップS32に進む。一方、起動信号の入力が有るまでは、ステップS30の状態を維持する。
【0071】
そして、次に、起動モードを確認する(ステップS32)。具体的には、スリープ管理制御部101は、起動信号とともに、どのモードで起動(復帰)したかの通知に従って起動モードを確認する。認証モード、スキャンモード、FAXモード、BOXモード等のいずれのモードであるかを確認する。
【0072】
次に、起動モードに応じて優先するジョブ格納領域を設定する(ステップS34)。ジョブ送信制御部104は、スリープ管理制御部101からの起動モードの通知に従って、優先するジョブ格納領域を設定する。
【0073】
具体的には、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがスキャンモードである場合には、スキャン用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがBOXモードである場合には、BOX用ジョブ格納領域を優先させる。
【0074】
次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。ジョブ送信制御部104は、優先するジョブ格納領域の設定に従ってジョブ出力順を設定する。
【0075】
そして、ジョブ送信制御部104は、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【0076】
そして、処理を終了する(エンド)。
図8は、本発明の実施の形態1に従うジョブ受付順を説明する図である。
【0077】
図8を参照して、ここでは、ジョブ受付順として、番号が割り当てられていて、FAX宛先を変更するジョブ、スキャン送信の宛先を変更するジョブ、ユーザパスワードを変更するジョブ、BOXにデータを追加するジョブ、インターネットFAXの宛先を変更するジョブの順番にジョブが受け付けられた場合が示されている。
【0078】
当該受け付けたジョブは、上述したように、ジョブ編集部102によりジョブ内容を確認して、ジョブ内容に応じたジョブ格納領域に蓄積される。
【0079】
具体的には、FAX宛先を変更するジョブは、FAX用ジョブ格納領域に蓄積される。また、スキャン送信の宛先を変更するジョブは、スキャン用ジョブ格納領域に蓄積される。また、ユーザパスワードを変更するジョブは、認証用ジョブ格納領域に蓄積される。また、BOXにデータを追加するジョブは、BOX用ジョブ格納領域に蓄積される。インターネットFAXの宛先を変更するジョブは、FAX用ジョブ格納領域に格納される。
【0080】
本例においては、一例として、起動モードが認証モードである場合について説明する。
すなわち、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブ格納領域が優先される。
【0081】
図9は、本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定を説明する図である。
図9を参照して、ジョブ送信制御部104は、起動モードに応じて優先するジョブ格納領域を設定して、ジョブ出力順を設定する。
【0082】
本例の場合には、起動モードが認証モードである場合であるため認証用ジョブ格納領域が優先されて、ユーザパスワードを変更するジョブが優先される。
【0083】
したがって、ジョブの受付順では、3番目であるが、本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定に従って、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して1番目に設定された場合が示されている。
【0084】
当該設定に従ってジョブがMFP20に送信されることにより、起動モードに対応したジョブが優先されて出力されることになる。
【0085】
すなわち、起動モードが認証モードである場合に、ユーザパスワードを変更するジョブが優先されて出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されることになる。
【0086】
従来の方式では、例えば、ジョブの受付順で出力順が設定されていたため、すぐにMFP20で反映させる必要がある場合でもジョブを優先して出力しなかったため、ジョブが反映されておらずユーザの利便性を損なう可能性があったが、本発明の実施の形態1に従う方式の如く、起動モードに応じてジョブを優先して出力することにより、例えば、ユーザがMFP20において認証モードにおけるユーザ認証処理を実行する際に、変更が反映されていない等の不具合を防止することが可能である。
【0087】
また、本例においては、起動モードが認証モードである場合について説明したが、例えば、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブ格納領域を優先して、当該ジョブ格納領域に蓄積されたジョブを優先してMFP20に出力する。当該処理により、例えば、FAX宛先を変更するジョブが優先して出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されるためユーザがMFP20においてFAXモードにおけるFAX送信の宛先を指定する際に、変更が反映されていない等の不具合を防止することが可能である。
【0088】
他の場合についても同様である。
なお、本例においては、起動モードに応じて最も優先するジョブ格納領域を設定する場合について説明した。なお、優先するジョブ格納領域に複数のジョブが格納されている場合には、当該ジョブの受付順位を優先して出力順を設定するようにすることが可能である。また、本例においては、優先するジョブ格納領域を設定して、その他のジョブ格納領域については特に優先順位を設定せずにジョブ受付順に従ってジョブ出力順を設定する方式について説明したが、起動モードに応じて、その他のジョブ格納領域についてもそれぞれ優先順位を付加するようにして、ジョブの出力順を設定するようにしても良い。
【0089】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、ジョブを受け付けた際に、ジョブ内容に応じてジョブをそれぞれジョブ格納領域に分類して蓄積して、蓄積されたジョブを出力する場合について説明した。
【0090】
本実施の形態2においては、別の方式で蓄積されたジョブを出力する場合について説明する。
【0091】
図10は、本発明の実施の形態2に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【0092】
図10を参照して、図4のフロー図と比較して、ステップS8をステップS8#に置換した点が異なる。具体的には、ステップS8#においては、受け付けたジョブの内容を確認して分類することなく、HDD112に蓄積するものとする。その他の点については図4で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0093】
図11は、本発明の実施の形態2に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【0094】
図11を参照して、図7のフロー図と比較して、ステップS34をステップS35に置換した点が異なる。その他の点については同様である。
【0095】
ステップS35において、起動モードに応じて優先するジョブを抽出する(ステップS35)。
【0096】
具体的には、ジョブ送信制御部104は、スリープ管理制御部101からの通知に従って、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブを抽出する。また、起動モードがスキャンモードである場合には、スキャン用ジョブを抽出する。また、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブを抽出する。起動モードがBOXモードである場合には、BOX用ジョブを抽出する。
【0097】
そして、次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。ジョブ送信制御部104は、抽出したジョブを優先してジョブ出力順を設定する。
【0098】
そして、ジョブ送信制御部104は、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【0099】
そして、処理を終了する(エンド)。
図12は、本発明の実施の形態2に従うジョブ受付順とジョブ出力順とを説明する図である。
【0100】
図12を参照して、ここでは、ジョブ受付順として、番号が割り当てられていて、FAX宛先を変更するジョブ、スキャン送信の宛先を変更するジョブ、ユーザパスワードを変更するジョブ、BOXにデータを追加するジョブ、インターネットFAXの宛先を変更するジョブの順番にジョブが受け付けられた場合が示されている。
【0101】
当該受け付けたジョブは、HDD204に蓄積される。
次に、本例においては、一例として、起動モードが認証モードである場合について説明する。
【0102】
すなわち、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブが優先して抽出される。
【0103】
そして、起動モードに応じて認証用ジョブが優先されてジョブ出力順が設定される。すなわち、ユーザパスワードを変更するジョブが優先される。
【0104】
したがって、ジョブの受付順では、3番目であるが、本発明の実施の形態2に従うジョブ出力順の設定に従って、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して1番目に設定された場合が示されている。
【0105】
当該設定に従ってジョブがMFP20に送信されることにより、起動モードに対応したジョブが優先して出力されることになる。
【0106】
すなわち、起動モードが認証モードである場合に、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されることになる。
【0107】
起動モードがその他の場合についても同様である。
本実施の形態2に従う方式においては、監視サーバ10において受け付けたジョブを予めジョブ内容に従って分類して蓄積させる方式ではなく、起動モードの通知に従って優先するジョブを抽出して出力する方式であるため分類する等の処理が必要でなく、監視サーバ10における処理負荷を軽減させることが可能である。
【0108】
なお、本例においては、MFP20からスリープモードに移行したことを示すスリープ信号、スリープモードから起動(復帰)したことを通知する起動信号等が監視サーバ10に入力されて、当該入力により監視サーバ10が検知する方式について説明したが、監視サーバ10のスリープ管理制御部101が定期的にMFP20の状態を監視して、MFP20の状態を把握するようにしても良い。すなわち、通常モードであるかスリープモードであるか、また、通常モードである場合に、認証モードであるか、スキャンモードであるか等を定期的に監視して把握するようにすることも可能である。
【0109】
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限られず、プリンタ装置あるいはファクシミリ装置等であってもよい。
【0110】
なお、コンピュータを機能させて上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することも可能である。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。
【0111】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0112】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストール
されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
2,4,6 パソコン、10 監視サーバ、20 MFP、100 コントローラ、101 スリープ管理制御部、102 ジョブ編集部、103 ジョブ受付部、104 ジョブ送信制御部、106,220 内部バス、108 通信インタフェース、110 メモリ、202 ROM、203 RAM、206 スキャナ、207 プリンタ、209 オペレーションパネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視サーバと画像形成装置とで構成される画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、MFP(Multi Function Peripheral)などの複合型画像処理装置が広く普及している。このMFPは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX、またはドキュメントサーバなどのBOX機能を集約した画像形成装置であり、複合機とも呼ばれる。
【0003】
一方で、省電力運用が重要となっており、システムとして省電力化を図る種々の方式が提案されている(特許文献1)。
【0004】
MFPにおいても、ある一定期間、アイドル状態の場合には、自動的に通常モードからスリープモードに切り替えられる方式が一般的である。
【0005】
しかしながら、MFPは共有で利用される場合が高く、周辺の端末装置と接続されていて、周辺の端末装置からもアクセスが可能であるため、アクセスのたびにMFPが動作していたのでは、省電力化を十分に図ることができない。
【0006】
そこで、MFPと連携して動作する監視サーバを設け、監視サーバにおいて、即座に実行が必要なジョブか否かを判断し、即座に実行が必要なジョブであると判断した場合には、MFPに送信し、そうでない場合には一旦、監視サーバに蓄積しておいて、適切なタイミングで監視サーバからMFPに蓄積しておいたジョブを送信する方式が提案されている。例えば、MFPをスリープモードに設定し、MFPが復帰した際に、監視サーバから蓄積していたジョブをMFPに送信することにより、スリープモードの時間を確保して省電力を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−124231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、MFPが復帰した際に監視サーバに蓄積していたジョブを順次送信する場合、復帰直後に当該ジョブが反映されていない可能性があり、ユーザの利便性を損なう可能性がある。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で、省電力化を図るシステムを実現するとともに、ユーザの利便性を考慮した画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従う画像形成システムは、通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備える。監視サーバは、画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、状態監視部での監視結果に基づいて、画像形成装置が省電力モードである場合に、ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを分類してグループ別に蓄積するジョブ蓄積部と、画像形成装置に対するジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含む。状態監視部は、画像形成装置の通常モードと省電力モードとの状態を監視するとともに、画像形成装置が通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられてグループ別にジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを画像形成装置に対して送信する。
【0011】
本発明の別の局面に従う画像形成システムは、通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備える。監視サーバは、画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、状態監視部での監視結果に基づいて、画像形成装置が省電力モードである場合に、ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを蓄積するジョブ蓄積部と、画像形成装置に対するジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含む。状態監視部は、画像形成装置の通常モードと省電力モードとの状態を監視するとともに、画像形成装置が通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられたジョブをジョブ蓄積部から抽出して、画像形成装置に対して送信する。
【0012】
好ましくは、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知として認証モードを検知した場合には、画像形成装置に対して認証処理の設定をするのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する。
【0013】
好ましくは、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知としてFAXモードあるいはスキャンモードを検知した場合には、画像形成装置に対して送信先に関する情報を設定するのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従う画像形成システムにおいて、ジョブ送信制御部は、状態監視部における起動モードの検知に従って、起動モードに関連付けられてグループ別にジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを画像形成装置に対して送信することにより、省電力モードから復帰した場合に、優先的にジョブを送信して、ユーザの利便性を考慮したシステムを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従うMFP20の構成を説明する概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブの蓄積処理について説明するフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従う分類されたジョブの蓄積を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うジョブ受付順を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態2に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態2に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態2に従うジョブ受付順とジョブ出力順とを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【0018】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う画像形成システムは、画像形成装置としての機能を有するMFP20、パソコン(PC)2,4、6、監視サーバ10とを有しており、これらは図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
ここで、一例として、パソコン2は、ユーザAが使用しており、パソコン4は、ユーザBが使用しているものとする。また、パソコン6は、ユーザCが使用しているものとする。
【0020】
パソコン2,4,6からMFP20に対してジョブを送信する場合には、一旦、監視サーバ10に送られるものとする。
【0021】
監視サーバ10は、MFP20のスリープ状態(スリープモード)および通常状態(通常モード)を監視するとともに、送信されてきたジョブの内容を確認して、必要に応じてジョブを送信あるいは蓄積し、MFP20の省電力化を図るものである。
【0022】
ネットワークは、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格によるコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)や、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)、およびインターネット等を含む。なお、ネットワークに接続される機器の種類および台数はこれらに限定されるものではない。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に従うMFP20の構成を説明する概略ブロック図である。
【0024】
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従うMFP20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、通信I/F205、スキャナ206、プリンタ207、FAX208、オペレーションパネル209および内部バス220を含む。内部バス220は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)201は、ROM202、RAM203、HDD204等の記憶領域に格納されているプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を実行する。また、当該記憶領域は、各種データの保存領域として用いられるとともに、プログラムを実行するための作業領域あるいはスキャナ206で画像処理により得られた画像データ等を保存するための領域として用いられる。
【0026】
通信I/F205は、ネットワークに接続され、ネットワーク上の他の機器との間でデータ通信を実行する。具体的には、例えば、監視サーバ10を介してパソコン2,4,6との間でデータの授受を実行し、例えば、監視サーバ10を介してパソコン2,4,6から印刷ジョブ等のデータの入力を受ける。
【0027】
スキャナ206は、原稿に光源で光を当ててその反射光を光電変換するためのCCD等の受光素子、および原稿を所定の読取位置まで搬送するための自動原稿搬送装置(ADF)を備えており、CCD等の受光素子から原稿の画像データを取得する。
【0028】
プリンタ207は、スキャナ206により読み取っていた画像データ、外部装置から通信I/Fを介して取得した画像データの各種データを記録用紙等の記録材料に印刷する。
【0029】
FAX208は、通信I/F205を介して一般電話回線等に接続され、FAX送信される。
【0030】
HDD204は、BOX機能としても用いられ、画像データ等を蓄積することが可能である。また、HDD204には、一例として、ユーザ認証処理を実行する際の照合用のデータの格納領域が設けられ、当該格納領域には、予めユーザ名およびパスワード等が登録されているものとする。
【0031】
オペレーションパネル209は、各種指示の入力に使用されるタッチパネル、コピー枚数、ユーザのパスワード等を指定するためのテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、BOX機能等の機能を切り替えるためのキー等が設けられた入力部209Aと、各種情報の表示を実行するディスプレイ209Bとを含む。
【0032】
なお、本例においては、一例として、プリンタ207を用いたコピー機能を実行する際には、ユーザ認証処理が要求されるものとする。具体的には、コピー機能をユーザが選択した際には、認証画面が表示され、当該認証画面において、ユーザは予め登録した自己のユーザ名およびパスワードを入力する。そして、当該入力に応答して、HDD204に格納されている照合用のユーザ名およびパスワードと一致するか否かが判断され、一致する場合(認証成功)に、コピー機能の実行が可能となるものとする。当該ユーザ認証処理を実行するプログラムは、ROM202に予め格納されており、当該ROM202に格納されたプログラムをCPU201が読み込むことにより実現されるものとする。
【0033】
なお、本発明の実施の形態1に従うMFP20は、装置を通常動作させることが可能な通常モードと、装置が省電力状態となっていて通常動作させることができないスリープ(省電力)モードとを有しているものとする。MFP20のCPU201は、通常モードである場合に、所定期間、アイドル状態が継続した場合にスリープ(省電力)モードに移行させる。そして、CPU201は、スリープモードに移行した場合には、当該スリープモードに移行したことを示すスリープ信号を通信I/F205を介して監視サーバ10に通知するものとする。
【0034】
スリープモードから通常モードへの起動は、例えば、スリープモード中に、監視サーバ10から印刷ジョブ等の入力があった場合、また、スリープモードであるMFP20にユーザが直接アクセス(例えば、タッチパネルを操作)した場合等に実行されるものとする。
【0035】
また、通常モードへの起動は、通常モードの各機能のいずれかの状態で起動するものとする。具体的には、MFP20は、スリープモードに移行する前の状態を記憶し、起動(復帰)する際には、当該前の状態に復帰するものとする。具体的には、コピー機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合は認証機能を使用する状態(認証モード)で起動するものとする。同様に、スキャン機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はスキャン機能を使用する状態(スキャンモード)で起動するものとする。FAX機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はFAX機能を使用する状態(FAXモード)で起動するものとする。同様に、BOX機能が使用された状態でスリープモードに移行した場合には、起動(復帰)した場合はBOX機能を使用する状態(BOXモード)で起動するものとする。そして、MFP20のCPU201は、スリープモードから起動(復帰)した場合には、起動信号を通信I/F205を介して監視サーバ10に送信するとともに、どの状態(認証モードか、スキャンモードか、FAXモードか、BOXモードか等)で起動(復帰)したかを通知するものとする。当該処理は、CPU201における処理で実行される。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の機能ブロック図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10は、コントローラ100と、通信インタフェース108と、メモリ110と、HDD112と、内部バス106とを含む。内部バス106は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0037】
通信インタフェース108は、ネットワークと接続されており、パソコン2,4,6あるいはMFP20との間でデータの授受を実行する。
【0038】
コントローラ100は、監視サーバ10全体を制御するためのものであり、スリープ管理制御部101と、ジョブ編集部102と、ジョブ受付部103と、ジョブ送信制御部104とを含む。
【0039】
メモリ110は、コントローラ100での作業領域等に用いられる。
HDD112は、後述するが、パソコン2,4,6から受信したジョブを必要に応じて蓄積する。また、監視サーバ10で実行されるプログラムも格納しているものとする。
【0040】
スリープ管理制御部101は、MFP20の状態を監視し、スリープ信号の有無に従ってMFP20がスリープモードであるか否かを判断する。
【0041】
ジョブ受付部103は、通信インタフェース108を介してパソコン2,4,6等から受信したジョブを受け付けて、その内容を確認し、MFP20の状態およびジョブ内容に応じてジョブ編集部102あるいはジョブ送信制御部104に出力する。
【0042】
ジョブ編集部102は、受け付けたジョブをHDD112に格納する。
ジョブ送信制御部104は、ジョブ受付部103から出力されたジョブを送信するとともに、後述するが、MFP20がスリープモードから通常モードに復帰した場合にHDD112に蓄積されているジョブの送信する順番を設定して、設定に従う送信制御を実行する。
【0043】
次に、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10の処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【0044】
図4を参照して、まず、監視サーバ10のスリープ管理制御部101は、MFP20からのスリープ信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS2)。
【0045】
ステップS2において、MFP20からのスリープ信号の入力が無い場合(ステップS2においてNO)には、ステップS10に進む。すなわち、スリープ信号の入力が無い場合には、通常モードであるため通常処理を実行する。
【0046】
そして、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有るかどうかを判断する(ステップS10)。
【0047】
ステップS10において、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有ると判断した場合(ステップS10においてYES)には、ジョブを出力する(ステップS12)。具体的には、ジョブ受付部103は、ジョブ送信制御部104に受け付けたジョブを出力し、ジョブ送信制御部104は、通信インタフェース108を介してMFP20に当該ジョブを送信する。
【0048】
そして、処理を終了する(エンド)。
したがって、スリープ信号の入力が無い場合、すなわち、MFP20が通常モードである場合には、監視サーバ10に入力されたジョブは、MFP20に直ぐに送信されることになる。
【0049】
一方、ステップS2において、MFP20からのスリープ信号の入力が有った場合(ステップS2においてYES)には、次に、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有るかどうかを判断する(ステップS4)。
【0050】
ステップS4において、ジョブ受付部103は、ジョブの入力が有ると判断した場合(ステップS4においてYES)には、ジョブは印刷ジョブであるかどうかを判断する(ステップS6)。ジョブ受付部103は、ジョブの内容を確認し、印刷ジョブであるかどうかを判断する。
【0051】
ステップS6において、ジョブ受付部103は、受け付けたジョブが印刷ジョブであると判断した場合(ステップS6においてYES)には、ジョブを出力する(ステップS12)。そして、処理を終了する(エンド)。具体的には、ジョブ受付部103は、ジョブ送信制御部104に出力して、ジョブ送信制御部104は、通信インタフェース108を介してMFP20に当該ジョブを送信する。印刷ジョブである場合には、MFP20がスリープモードである場合であっても、送信して印刷をMFP20で実行させることによりユーザの利便性に供することが可能である。
【0052】
一方、ステップS6において、ジョブは印刷ジョブで無い場合(ステップS6においてNO)には、ジョブを蓄積する処理を実行する(ステップS8)。そして、処理を終了する(エンド)。ジョブが印刷ジョブで無い場合には、MFP20にジョブを送信するのではなく、監視サーバ10でジョブを蓄積することにより不必要にMFP20をスリープモードから起動させて動作させることなく、システム全体として省電力化を図ることが可能である。そして、MFP20が起動することに応答して、監視サーバ10に蓄積されたジョブを送信するものとする。
【0053】
すなわち、スリープ信号の入力が有る場合すなわち、MFP20がスリープモードである場合には、監視サーバ10に入力されたジョブは、印刷ジョブであるか否かに応じて蓄積されることになる。
【0054】
なお、本例においては、一例として、印刷ジョブである場合には、MFP20に直ぐに送信する場合について説明したが、印刷ジョブである場合であってもMFP20がスリープモードである場合にはジョブを蓄積させて、より省電力化を図るようにすることも可能である。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態1に従う監視サーバ10のジョブの蓄積処理について説明するフロー図である。当該処理は、コントローラ100の主にジョブ編集部102により実行される。
【0056】
図5を参照して、ジョブ編集部102は、ジョブを確認する(ステップS20)。具体的には、ジョブ編集部102は、ジョブ内容を確認する。
【0057】
そして、ジョブ編集部102は、ジョブ内容に従ってジョブを分類して蓄積する(ステップS22)。
【0058】
そして、処理を終了する(エンド)。
図6は、本発明の実施の形態1に従う分類されたジョブの蓄積を説明する図である。
【0059】
図6を参照して、ここでは、HDD112において、複数のジョブ格納領域が設けられ、一例として、FAX用ジョブ格納領域、スキャン用ジョブ格納領域、認証用ジョブ格納領域、BOX用ジョブ格納領域が設けられている場合が示されている。
【0060】
FAX用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20のFAX機能を用いる場合に設定されるジョブ(FAX用ジョブとも称する)が格納される。例えば、FAX送信用のアドレス帳のデータを更新あるいは編集等の処理を実行するジョブ等に相当する。
【0061】
スキャン用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20のスキャン機能を用いる場合に設定されるジョブ(スキャン用ジョブとも称する)が格納される。例えば、スキャン送信用のアドレス帳のデータを更新あるいは編集等の処理を実行するジョブ等に相当する。
【0062】
認証用ジョブ格納領域には、例えば、MFP20の認証機能を用いる場合に設定されるジョブ(認証用ジョブとも称する)が格納される。例えば、認証用のデータであるユーザ名、パスワード等のデータを登録する処理を実行するジョブ等に相当する。
【0063】
BOX用ジョブ格納領域には、MFP20のBOX機能を用いる場合に設定されるジョブが格納(BOX用ジョブとも称する)される。例えば、BOX機能としてHDD204にデータを登録する処理を実行するジョブ等に相当する。
【0064】
上述したように、ジョブの内容に従ってジョブが印刷ジョブで無い場合には、ジョブ受付部103は、ジョブ編集部102に出力する。
【0065】
ジョブ編集部102は、ジョブ内容を確認して、当該ジョブ内容に応じたジョブ格納領域に蓄積する。
【0066】
なお、ここでは、ジョブ格納領域として4つの領域を一例として説明したが、特にこれに限られず、さらにジョブの種類に応じて複数の領域を設けるようにすることも当然に可能である。また、特にこの分類に限られず、ジョブ内容に応じて他の分類に分けて蓄積するようにしても良い。
【0067】
後述するが、本発明の実施の形態1においては、起動モードに従って、当該ジョブ格納領域のジョブ出力に関する優先順位を設定する。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態1に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【0069】
図7を参照して、まず、監視サーバ10のスリープ管理制御部101は、MFP20からの起動信号の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS30)。
【0070】
ステップS30において、MFP20からの起動信号の入力が有った場合(ステップS30においてYES)には、ステップS32に進む。一方、起動信号の入力が有るまでは、ステップS30の状態を維持する。
【0071】
そして、次に、起動モードを確認する(ステップS32)。具体的には、スリープ管理制御部101は、起動信号とともに、どのモードで起動(復帰)したかの通知に従って起動モードを確認する。認証モード、スキャンモード、FAXモード、BOXモード等のいずれのモードであるかを確認する。
【0072】
次に、起動モードに応じて優先するジョブ格納領域を設定する(ステップS34)。ジョブ送信制御部104は、スリープ管理制御部101からの起動モードの通知に従って、優先するジョブ格納領域を設定する。
【0073】
具体的には、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがスキャンモードである場合には、スキャン用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブ格納領域を優先させる。また、起動モードがBOXモードである場合には、BOX用ジョブ格納領域を優先させる。
【0074】
次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。ジョブ送信制御部104は、優先するジョブ格納領域の設定に従ってジョブ出力順を設定する。
【0075】
そして、ジョブ送信制御部104は、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【0076】
そして、処理を終了する(エンド)。
図8は、本発明の実施の形態1に従うジョブ受付順を説明する図である。
【0077】
図8を参照して、ここでは、ジョブ受付順として、番号が割り当てられていて、FAX宛先を変更するジョブ、スキャン送信の宛先を変更するジョブ、ユーザパスワードを変更するジョブ、BOXにデータを追加するジョブ、インターネットFAXの宛先を変更するジョブの順番にジョブが受け付けられた場合が示されている。
【0078】
当該受け付けたジョブは、上述したように、ジョブ編集部102によりジョブ内容を確認して、ジョブ内容に応じたジョブ格納領域に蓄積される。
【0079】
具体的には、FAX宛先を変更するジョブは、FAX用ジョブ格納領域に蓄積される。また、スキャン送信の宛先を変更するジョブは、スキャン用ジョブ格納領域に蓄積される。また、ユーザパスワードを変更するジョブは、認証用ジョブ格納領域に蓄積される。また、BOXにデータを追加するジョブは、BOX用ジョブ格納領域に蓄積される。インターネットFAXの宛先を変更するジョブは、FAX用ジョブ格納領域に格納される。
【0080】
本例においては、一例として、起動モードが認証モードである場合について説明する。
すなわち、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブ格納領域が優先される。
【0081】
図9は、本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定を説明する図である。
図9を参照して、ジョブ送信制御部104は、起動モードに応じて優先するジョブ格納領域を設定して、ジョブ出力順を設定する。
【0082】
本例の場合には、起動モードが認証モードである場合であるため認証用ジョブ格納領域が優先されて、ユーザパスワードを変更するジョブが優先される。
【0083】
したがって、ジョブの受付順では、3番目であるが、本発明の実施の形態1に従うジョブ出力順の設定に従って、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して1番目に設定された場合が示されている。
【0084】
当該設定に従ってジョブがMFP20に送信されることにより、起動モードに対応したジョブが優先されて出力されることになる。
【0085】
すなわち、起動モードが認証モードである場合に、ユーザパスワードを変更するジョブが優先されて出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されることになる。
【0086】
従来の方式では、例えば、ジョブの受付順で出力順が設定されていたため、すぐにMFP20で反映させる必要がある場合でもジョブを優先して出力しなかったため、ジョブが反映されておらずユーザの利便性を損なう可能性があったが、本発明の実施の形態1に従う方式の如く、起動モードに応じてジョブを優先して出力することにより、例えば、ユーザがMFP20において認証モードにおけるユーザ認証処理を実行する際に、変更が反映されていない等の不具合を防止することが可能である。
【0087】
また、本例においては、起動モードが認証モードである場合について説明したが、例えば、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブ格納領域を優先して、当該ジョブ格納領域に蓄積されたジョブを優先してMFP20に出力する。当該処理により、例えば、FAX宛先を変更するジョブが優先して出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されるためユーザがMFP20においてFAXモードにおけるFAX送信の宛先を指定する際に、変更が反映されていない等の不具合を防止することが可能である。
【0088】
他の場合についても同様である。
なお、本例においては、起動モードに応じて最も優先するジョブ格納領域を設定する場合について説明した。なお、優先するジョブ格納領域に複数のジョブが格納されている場合には、当該ジョブの受付順位を優先して出力順を設定するようにすることが可能である。また、本例においては、優先するジョブ格納領域を設定して、その他のジョブ格納領域については特に優先順位を設定せずにジョブ受付順に従ってジョブ出力順を設定する方式について説明したが、起動モードに応じて、その他のジョブ格納領域についてもそれぞれ優先順位を付加するようにして、ジョブの出力順を設定するようにしても良い。
【0089】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、ジョブを受け付けた際に、ジョブ内容に応じてジョブをそれぞれジョブ格納領域に分類して蓄積して、蓄積されたジョブを出力する場合について説明した。
【0090】
本実施の形態2においては、別の方式で蓄積されたジョブを出力する場合について説明する。
【0091】
図10は、本発明の実施の形態2に従う監視サーバ10のジョブ処理について説明するフロー図である。
【0092】
図10を参照して、図4のフロー図と比較して、ステップS8をステップS8#に置換した点が異なる。具体的には、ステップS8#においては、受け付けたジョブの内容を確認して分類することなく、HDD112に蓄積するものとする。その他の点については図4で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0093】
図11は、本発明の実施の形態2に従うMFP20が起動(復帰)した際における監視サーバ10のジョブ出力処理について説明するフロー図である。
【0094】
図11を参照して、図7のフロー図と比較して、ステップS34をステップS35に置換した点が異なる。その他の点については同様である。
【0095】
ステップS35において、起動モードに応じて優先するジョブを抽出する(ステップS35)。
【0096】
具体的には、ジョブ送信制御部104は、スリープ管理制御部101からの通知に従って、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブを抽出する。また、起動モードがスキャンモードである場合には、スキャン用ジョブを抽出する。また、起動モードがFAXモードである場合には、FAX用ジョブを抽出する。起動モードがBOXモードである場合には、BOX用ジョブを抽出する。
【0097】
そして、次に、ジョブ出力順を設定する(ステップS36)。ジョブ送信制御部104は、抽出したジョブを優先してジョブ出力順を設定する。
【0098】
そして、ジョブ送信制御部104は、設定したジョブ出力順に従って順番にジョブを出力する(ステップS38)。
【0099】
そして、処理を終了する(エンド)。
図12は、本発明の実施の形態2に従うジョブ受付順とジョブ出力順とを説明する図である。
【0100】
図12を参照して、ここでは、ジョブ受付順として、番号が割り当てられていて、FAX宛先を変更するジョブ、スキャン送信の宛先を変更するジョブ、ユーザパスワードを変更するジョブ、BOXにデータを追加するジョブ、インターネットFAXの宛先を変更するジョブの順番にジョブが受け付けられた場合が示されている。
【0101】
当該受け付けたジョブは、HDD204に蓄積される。
次に、本例においては、一例として、起動モードが認証モードである場合について説明する。
【0102】
すなわち、起動モードが認証モードである場合には、認証用ジョブが優先して抽出される。
【0103】
そして、起動モードに応じて認証用ジョブが優先されてジョブ出力順が設定される。すなわち、ユーザパスワードを変更するジョブが優先される。
【0104】
したがって、ジョブの受付順では、3番目であるが、本発明の実施の形態2に従うジョブ出力順の設定に従って、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して1番目に設定された場合が示されている。
【0105】
当該設定に従ってジョブがMFP20に送信されることにより、起動モードに対応したジョブが優先して出力されることになる。
【0106】
すなわち、起動モードが認証モードである場合に、ユーザパスワードを変更するジョブが優先して出力されることにより、当該ジョブがMFP20で早期に実行されてMFP20において反映されることになる。
【0107】
起動モードがその他の場合についても同様である。
本実施の形態2に従う方式においては、監視サーバ10において受け付けたジョブを予めジョブ内容に従って分類して蓄積させる方式ではなく、起動モードの通知に従って優先するジョブを抽出して出力する方式であるため分類する等の処理が必要でなく、監視サーバ10における処理負荷を軽減させることが可能である。
【0108】
なお、本例においては、MFP20からスリープモードに移行したことを示すスリープ信号、スリープモードから起動(復帰)したことを通知する起動信号等が監視サーバ10に入力されて、当該入力により監視サーバ10が検知する方式について説明したが、監視サーバ10のスリープ管理制御部101が定期的にMFP20の状態を監視して、MFP20の状態を把握するようにしても良い。すなわち、通常モードであるかスリープモードであるか、また、通常モードである場合に、認証モードであるか、スキャンモードであるか等を定期的に監視して把握するようにすることも可能である。
【0109】
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限られず、プリンタ装置あるいはファクシミリ装置等であってもよい。
【0110】
なお、コンピュータを機能させて上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することも可能である。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。
【0111】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0112】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストール
されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
2,4,6 パソコン、10 監視サーバ、20 MFP、100 コントローラ、101 スリープ管理制御部、102 ジョブ編集部、103 ジョブ受付部、104 ジョブ送信制御部、106,220 内部バス、108 通信インタフェース、110 メモリ、202 ROM、203 RAM、206 スキャナ、207 プリンタ、209 オペレーションパネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、前記画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備え、
前記監視サーバは、
前記画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部での監視結果に基づいて、前記画像形成装置が省電力モードである場合に、前記ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを分類してグループ別に蓄積するジョブ蓄積部と、
前記画像形成装置に対する前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含み、
前記状態監視部は、前記画像形成装置の前記通常モードと前記省電力モードとの状態を監視するとともに、前記画像形成装置が前記通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知に従って、前記起動モードに関連付けられてグループ別に前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを前記画像形成装置に対して送信する、画像形成システム。
【請求項2】
通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、前記画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備え、
前記監視サーバは、
前記画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部での監視結果に基づいて、前記画像形成装置が省電力モードである場合に、前記ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを蓄積するジョブ蓄積部と、
前記画像形成装置に対する前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含み、
前記状態監視部は、前記画像形成装置の前記通常モードと前記省電力モードとの状態を監視するとともに、前記画像形成装置が前記通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知に従って、前記起動モードに関連付けられたジョブを前記ジョブ蓄積部から抽出して、前記画像形成装置に対して送信する、画像形成システム。
【請求項3】
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知として認証モードを検知した場合には、前記画像形成装置に対して認証処理の設定をするのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する、請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知としてFAXモードあるいはスキャンモードを検知した場合には、前記画像形成装置に対して送信先に関する情報を設定するのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する、請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項1】
通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、前記画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備え、
前記監視サーバは、
前記画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部での監視結果に基づいて、前記画像形成装置が省電力モードである場合に、前記ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを分類してグループ別に蓄積するジョブ蓄積部と、
前記画像形成装置に対する前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含み、
前記状態監視部は、前記画像形成装置の前記通常モードと前記省電力モードとの状態を監視するとともに、前記画像形成装置が前記通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知に従って、前記起動モードに関連付けられてグループ別に前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブを前記画像形成装置に対して送信する、画像形成システム。
【請求項2】
通常モードと省電力モードとに切替が可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置が省電力モードの際に、必要に応じてジョブを蓄積し、前記画像形成装置の省電力化を図るための監視サーバとを備え、
前記監視サーバは、
前記画像形成装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部での監視結果に基づいて、前記画像形成装置が省電力モードである場合に、前記ジョブを受信して、ジョブ内容に従ってジョブを蓄積するジョブ蓄積部と、
前記画像形成装置に対する前記ジョブ蓄積部に蓄積されたジョブの送信制御を実行するジョブ送信制御部とを含み、
前記状態監視部は、前記画像形成装置の前記通常モードと前記省電力モードとの状態を監視するとともに、前記画像形成装置が前記通常モードに切り替わった際の起動モードを検知し、
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知に従って、前記起動モードに関連付けられたジョブを前記ジョブ蓄積部から抽出して、前記画像形成装置に対して送信する、画像形成システム。
【請求項3】
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知として認証モードを検知した場合には、前記画像形成装置に対して認証処理の設定をするのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する、請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記ジョブ送信制御部は、前記状態監視部における前記起動モードの検知としてFAXモードあるいはスキャンモードを検知した場合には、前記画像形成装置に対して送信先に関する情報を設定するのに必要なコマンドを含むジョブを優先的に送信する、請求項1または2記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−222620(P2012−222620A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86576(P2011−86576)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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