説明

画像形成装置、その制御方法、プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】 記録媒体の両面に画像を形成する際に、現像剤の裏写りを防ぎ、かつ、記録媒体上に形成される画像の画質を極力低下させないことを目的とする。
【解決手段】 画像データに基づいて、現像剤を用いて記録媒体の両面に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段が記録媒体の両面に画像を形成した際に現像剤の裏写りが生じないような現像剤の使用量を求めるための現像剤使用量情報であって、画像データの色毎に個別に設定された現像剤使用量情報が記憶されている記憶手段と、記憶手段に記憶された画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて現像剤の使用量を減らすと判断した場合に現像剤の使用量を減らして画像形成手段に前記現像剤を使用させる制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法、プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット記録装置のような画像形成装置において、片面印刷を行う場合のインクの吐出量のまま、両面印刷を行なうと、用紙の限界付着量を超えてしまい、にじみ等の裏写りが生ずる場合がある。そこで、両面印刷時には、裏写りが生じないようにインクの吐出量を下げるため、CMYKのガンマ補正パラメータを一律に下げることで、両面印刷のインクの吐出量を抑える技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1記載の技術は、両面印刷の場合に全ての色のガンマ補正パラメータを一律に下げるものである。したがって、全ての色の使用量が一律に抑えられ、記録媒体における現像剤の裏写りに影響しない色についても使用量が抑えられるため、両面印刷の場合の画質が低下するおそれがある。
【0004】
そこで、このような問題に鑑み、本発明では、両面印刷する際に、記録媒体における現像剤の裏写りを防ぎ、かつ、極力画質を低下させない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、画像データに基づいて、現像剤を用いて記録媒体の両面に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段が記録媒体の両面に画像を形成した際に現像剤の裏写りが生じないような現像剤の使用量を求めるための現像剤使用量情報であって画像データの色毎に個別に設定された現像剤使用量情報が記憶されている記憶手段と、記憶手段に記憶された画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて必要な場合に現像剤の使用量を減らして画像形成手段に現像剤を使用させる制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の画像形成装置によれば、両面印刷する際に現像剤の裏写りを防ぎ、かつ両面印刷の際の画質を極力低下させないことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の制御部の機能構成例を示す図である。
【図3A】本実施形態の画像形成装置における両面印刷時の処理フローを示した図である(その1)。
【図3B】本実施形態の画像形成装置における両面印刷時の処理フローを示した図である(その2)。
【図4】本実施形態の現像剤使用量情報(テーブル)の一例を示した図である。
【図5】本実施形態の色の相関を示した図である。
【図6】別の実施形態の処理フローを示した図(その1)である。
【図7】別の実施形態の処理フローを示した図(その2)である。
【図8】従来の画像形成装置で形成されたカラー画像と本実施形態の画像形成装置で形成されたカラー画像とを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、インクジェット記録装置等の複写装置、プロッタ、これらの装置の機能を複合的に有する複合機等である。また、記録媒体は、例えば、基板、用紙、連続紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体である。また、現像剤とは、記録媒体に画像を形成するために用いられるものであり、例えば、トナーやインクをいう。以下では、記録媒体を用紙として説明し、画像形成装置をインクジェット記録装置であるとし、現像剤をインクであるとして説明する。また、「裏写り」とは、インクの吐出量が多いことから、用紙の表面に印刷された画像が、裏面に写ることである。
【0009】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[実施形態1]
まず、実施形態1のハードウェア構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークインターフェース部16、入力部17、表示部18、エンジン部19を含む。
【0010】
制御部11は、画像形成装置10の各部の制御やデータの演算、加工を行うCPU(Central Processing Unit)である。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置(入力部17等)や記憶装置(記憶手段30等)からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置(表示部18等)や記憶装置(記憶手段30等)に出力する。
【0011】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等であり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等のプログラムや画像データを記憶または一時保存する記憶装置である。
【0012】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)等であり、アプリケーションソフトウェア等に関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0013】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)等のデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカード等)と画像形成装置10とのインタフェースである。また、主記憶部12と補助記憶部13をまとめて、記憶手段30と称する。
【0014】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して画像形成装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置10により実行可能となる。
【0015】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/または無線回線等のデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像形成装置10とのインタフェースである。
【0016】
入力部17及び表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とを含み、画像形成装置10が有する機能をユーザが利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び入力装置である。
【0017】
エンジン部19は、例えば、画像形成手段102を駆動するものである。画像形成手段102とは、制御部11が取得した画像データに基づいて、用紙にインクを吐出することで、該用紙に画像を形成するものである。エンジン部19の詳細については周知の技術を適用可能である。
【0018】
次に、図2に制御部11の機能構成例を示し、図3A,図3Bに本実施形態の画像形成装置10の、両面印刷時の処理フローを示す。図2に示す制御部11の機能構成例に含まれる各機能は、例えば上記した所定のプログラムを制御部11であるCPUが実行することによって実現され得る。
【0019】
ユーザは入力部17から、用紙の両面に画像を形成する指示を入力する(図3AのステップS10)。なお、ここでユーザが入力部17から用紙の両面に画像を形成する指示を入力しなかった場合には、画像形成装置10は通常の動作で画像を形成する。当該通常の画像形成動作の手順としては周知の画像形成動作の手順を適用可能である。
【0020】
ステップS10の結果、例えば画像形成装置10の読み込み手段(スキャナ等、図示を省略)が原稿を読み取ることで取得した画像データに基づき、制御手段11による制御下、画像形成手段102が用紙(図示を省略)の両面に画像を形成する。
【0021】
このように、本実施形態の画像形成手段102は、用紙の両面に画像を形成することが可能なものであり、画像形成装置がインクジェット記録装置である場合には、画像形成手段102は記録ヘッドに該当する。なお当該記録ヘッド、画像形成手段102によって用紙の両面に画像を形成する際に用紙を搬送する用紙送り機構等の詳細については周知の技術を適用可能である。
【0022】
ステップS10でユーザが用紙の両面に画像を形成する指示を入力すると、取得手段104は、画像が形成される用紙の種類を取得する(ステップS12)。ここで、取得手段104による用紙の種類の取得の手法について説明する。第1の手法として、ユーザが入力部17から用紙の種類を入力する手法がある。この場合、取得手段104が入力部17から入力された用紙の種類を取得する。また、ユーザが図示しない外部装置(例えば、PC(Personal Computer))のプリンタドライバから用紙の種類を入力するようにしてもよい。
【0023】
第2の手法として、取得手段104が、ユーザにより画像形成装置10にセットされた用紙の種類を自動で取得するようにする手法がある。この場合、例えば、用紙に用紙の種類を示す識別情報を付加しておき、取得手段104が該識別情報を認識することで、用紙の種類を取得することができる。
【0024】
次に、決定手段106が、取得された用紙の種類に基づき、画像形成手段102が用紙の両面に画像を形成(すなわち印刷)した際にインクの裏写りが生じないような該インクの吐出量を画像データの色毎に決定する(ステップS14)。
【0025】
ここで、記憶手段30には、用紙の種類と、画像形成手段102が用紙の両面に印刷した際にインクの裏写りが生じないようなインクの色毎の吐出量と、が対応付けられた現像剤使用量情報が記憶されている。図4にこの現像剤使用量情報であるテーブル(表)の一例を示す。このテーブルは、予め実験的に求められた数値に基づいて作成することができる。図4の例では、色毎にインクの吐出量の割合が示されており、各色(代表色)を用紙上に形成するに際し、インクの吐出量を何ら制限しない通常の場合、すなわち吐出されるインクが大滴で、用紙の一定の領域を全てインク滴で埋め尽くす場合のインクの吐出量を100%とした場合のインクの吐出量の割合(%)が示されている。
【0026】
また、図4の例では、12色の代表色、すなわちR(Red)、RY(Red Yellow)、Y(Yellow)、YG(Yellow Green)、G(Green)、GC(Green Cyan)、C(Cyan)、CB(Cyan Blue)、B(Blue)、BM(Blue Magenta)、M(Magenta)、MR(Magenta Red)のそれぞれについて個別にインクの吐出量の割合を示している。なお、現像剤使用量情報については、色(代表色)毎のインクの吐出量の割合を設定することに限られず、色毎のインクの吐出量の他のパラメータを設定するようにしてもよい。
【0027】
また図4の例では、例えば用紙の種類が普通紙であり、赤色(R)を形成する場合(同図の表中、左上欄参照)には、赤色を形成するためのインクの吐出量を、上記した何らインクの吐出量を制限しない通常の場合のインクの吐出量の60%(上限値)以下にすべきことが示されている。ここでもしインクの吐出量が60%を超えると、両面印刷された際にインクが裏写りするからである。
【0028】
また、図5に当該12色の代表色の相関図を示す。図5の例では、例えば、R(赤)は、B(青)とG(緑)とに相関があることが示されている。
【0029】
決定手段106は、色補正プロファイルを用いた色補正を行う。この場合決定手段106は、RGB(Red, Green, Blue)色空間に係る図示しない3次元LUT(ルックアップテーブル)を用い、画像データの各色の補正を行う。その際決定手段106は、当該色空間において、代表点からの補間演算を行うことによって画像データの各色の補正を行う。
【0030】
そして決定手段106は、図4のテーブルに記載されたインクの吐出量の割合(上限値)を超えないように画像データの各色のインクの吐出量の割合を決定する。例えば図4のテーブルに記載された12色の代表色については、上記色補正プロファイルを用いた色補正で得られた各色のインクの吐出量の割合が図4のテーブルに記載されたインクの吐出量の割合(上限値)を超えるか否かにより、以下の制御を行う。すなわち上記色補正で得られた各色のインクの吐出量の割合が図4のテーブルに記載されたインクの吐出量の割合(上限値)を超える場合には図4のテーブルに記載されたインクの吐出量の割合(上限値)を採用し、超えない場合には上記色補正で得られたインクの吐出量の割合をそのまま採用する。
【0031】
また上記12色の代表色及びその中間調(後述)の色以外の色に関しては、例えばRGB色空間における当該12色の代表点からの補間演算を行うことで、当該色及びその中間調の色についてのインクの吐出量の割合(上限値)を求めることができる。そして上記色補正で得られた各色のインクの吐出量の割合が上記補間演算を行って得られたインクの吐出量の割合(上限値)を超える場合には上記補間演算を行って得られたインクの吐出量の割合(上限値)を採用し、超えない場合には上記色補正で得られたインクの吐出量の割合をそのまま採用する。なお、これらの制御の詳細につき、具体例を挙げて後述する。
【0032】
このようにして決定手段106が画像データの各色のインクの吐出量(あるいは吐出量の割合)を決定する(ステップS14)と、制御手段108が、画像形成手段102を制御して、該決定された吐出量(あるいは吐出量の割合)に基づいて画像を形成させる(ステップS16)。
【0033】
次に、上記した決定手段106による具体的な吐出量(あるいは吐出量の割合)の求め方につき、図3Bを用いて説明する。説明の簡略化のために、上記LUTを考慮せず(すなわち色補正プロファイルを用いた色補正を考慮せず)、まず画像データがRGB(255、0、0)の場合(つまり、画像データが赤色のみの場合)を想定して説明を行う。
【0034】
取得手段104が、用紙の種類を取得する(図3AのステップS12)と、決定手段106は図4に示すテーブル(現像剤使用量情報)を参照して吐出量の割合を決定する。ここでは上記取得された用紙の種類を「普通紙」であるものとする。上記の如く画像データは赤色(R)であり、用紙の種類が普通紙であることから、図4から、吐出量の割合(上限値)は「60%」と求まる(図3BのステップS141)。
【0035】
そして、色変換手段114が、上記画像データのRGB値をCMYK値へと色変換する(ステップS143)。なおここでCMYK値は現像剤の色CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に係るデータであり、CMYK値によって実際に使用(吐出)する現像剤の色CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)及びその使用量が決定される。よって説明の便宜上、CMYK値自体を「インクの吐出量」として、以下の説明を行う。当該色変換により、R(赤)は、M(マゼンダ)とY(イエロー)に変換される。したがってこの例では、色変換手段114が、画像データのRGB値(255、0、0)をCMYK値(0、255、255、0)に変換する。なお、赤色(R)は12色の代表色に含まれるため、この場合ステップS142の補間演算は不要であり、スキップされる。
【0036】
次に色変換部114は当該画像データの色(赤:R)につき、両面印刷の場合に裏写りしないようなインクの吐出量の上限値を求める。すなわち上記赤色(R)につき、RGB値をCMYK値へ色変換する。このとき、ステップS141で求められた吐出量の割合(60%=0.6)が反映される。その結果、色変換手段114が、赤色(R)のRGB値(255、0、0)をCMYK値(0、153、153、0)に変換する(255×0.6=153)。このCMYK値(0、153、153、0)が赤色「(R)についてのインクの吐出量の上限値である。また赤色(R)の中間調の色についても、当該CMYK値(0、153、153、0)がインクの吐出量の上限値となる。
【0037】
次にステップS144にて決定手段106は上記画像データを色変換したCMYK値(0、255、255、0)が、0以外の色要素毎に比較して、当該画像データの色(赤色)についての上記インクの吐出量の上限値であるCMYK値(0、153、153、0)を超えているか否かを判定する。この場合0以外の色要素が上限値を超えている(255>153)ため(ステップS144 YES),上限値であるCMYK値(0、153、153、0)が採用される(ステップS145)。なおこの場合、上記画像データを色変換したCMYK値(0、255、255、0)に対し、実際に印刷に使用されるCMYK値は上限値(0、153、153、0)であり、この場合に実際に使用されるCMYK値(0、153、153、0)の色を、上記画像データを色変換したCMYK値(0、255、255、0)の色に「対応する色」と称する。
【0038】
上記の例は画像データが赤色(R)の場合であったが、赤色(R)の中間調の色、例えばRGB(128,0,0)やRGB(64,0,0)も場合も同様である。すなわち、色変換手段114がこれらのRGB(128,0,0)をCMYK(0,128,128,0)へ、RGB(64,0,0)をCMYK(0,64,64,0)へと変換する。この場合、当該色変換によって得られたCMYK値(0,128,128,0)、(0,64,64,0)は、いずれも0以外の色要素毎に上記上限値(0,153,153,0)以下(すなわち範囲内)である。CMYK値の0以外のそれぞれの色要素につき、(153≧128,153≧128)、(153≧64,153≧64)であるからである。したがってこれらの赤色(R)の中間調の色をそのまま用紙の両面に形成しても裏写りは生じないため、インクの吐出量を減らす必要はなく、元のままの値(CMYK(0,128,128,0)、CMYK(0,64,64,0))で画像を形成する(ステップS144 NO → ステップS146)。
【0039】
画像データが上記12色の代表色のうちの赤色(R)以外の色の場合も同様である。なお上記「代表色の中間調の色」を、色分解した要素のうち0以外の要素間の比率が代表色と共通であり、かつ当該0以外の要素がそれぞれ代表色より小さい色と定義する。すなわちRGBデータを例に採ると、代表色に対し、0以外のRGBの各値が小さく、かつ0以外のRGBの各値(要素)間の比率が代表色と共通の色を、当該代表色の中間調の色と定義する。この定義によれば、A≠0,B≠0,C≠0の場合であって、A:B:C=a:b:cかつA>a,B>b、C>cの場合に、色RGB(a、b、c)が代表色RGB(A,B,C)の中間調の色となる。また、上記画像データを色変換したCMYK値(0、255、255、0)の色及び、これに「対応する色」であって実際に使用されるCMYK値(0、153、153、0)の色は、色分解した色要素のうち0以外の要素間の比率が共通する色である。
【0040】
このように、代表色のRGB値をCMYK値に色変換する際に、図4のテーブルに記載された割合(%)を乗ずることによって、当該色及びその中間調の色のインクの吐出量の上限値が得られる。そして画像データのRGB値を色変換して得られたCMYK値が、0以外の色要素毎に比較して上記上限値を超える場合には当該上限値を採用する(ステップS144 YES → ステップS145)。他方上記上限値を超えない場合には上記色変換して得られたCMYK値をそのまま採用する(ステップS144 NO → ステップS146)。
【0041】
また、上記12色の代表色及びその中間調の色以外の色に関しては、代表色に対応するRGB色空間における代表点からの補間演算を行ってインクの吐出量の上限値を得る(ステップS142)。すなわち図4のテーブルに記載された代表色についてのインクの吐出量の割合に基づき、補間演算を行って、当該代表色及びその中間調の色以外の色についてのインクの吐出量の割合を得る。そして当該色のRGB値をCMYK値に変換する際に、補間演算を行って得られたインクの吐出量の割合を乗じることにより、当該色及びその中間調の色についてのインクの吐出量の上限値が得られる。そして画像データのRGB値を色変換して得られたCMYK値が、0以外の色要素毎に比較して上記上限値を超える場合には当該上限値を採用する(ステップS144 YES → ステップS145)。他方上記上限値を超えない場合には上記色変換して得られたCMYK値をそのまま採用する(ステップS144 NO → ステップS146)。
【0042】
なお、ステップS144ではCMYK値同士を比較しているが、この例に限られず、RGB値同士を比較しても良いし、あるいは「吐出量の割合」(%)同士を比較するようにしても良い。
【0043】
また上記した代表点からの補間演算としては、例えばRGB空間における代表点からの距離に基づく線形補間法による補間演算を用いることができる。
【0044】
そして、制御手段108がCMYK値として決定されたインクの吐出量で、画像形成手段102にインクを吐出させ、画像を形成させる(ステップS16)。
【0045】
本実施形態1の画像形成装置10によれば、用紙の種類毎に、画像形成手段102が用紙の両面に画像形成した際にインクの裏写りが生じないような該インクの吐出量(図4の例では、インクの吐出量の割合)が、色毎(代表色毎)に、現像剤使用量情報を示すテーブルとして記憶されている。そして、決定手段106が、このテーブルを参照して、インクの吐出量を決定し(ステップS14)、制御手段108が、該決定されたインクの吐出量にしたがって、画像形成手段102にインクを吐出させる(ステップS16)。したがって、両面印刷する際に、実際に使用する用紙の種類に応じた態様で裏写りしないようにインクの吐出量が制御されるため、実際に使用する用紙の種類に応じて確実に裏写りを防ぐことが出来る。
【0046】
また、決定手段106は図4に示すテーブルを参照して、色毎に個別にインクの吐出量を決定することから、全ての色についてインクの吐出量を一律に低下させることはない。したがって両面印刷時の画質も従来と比較して向上させることが出来る。すなわち本実施形態によれば両面印刷の際に裏写りするおそれがない色についてはインクの吐出量を低下させないことができ、またインクの吐出量を低下させる場合には必要最小限の範囲で行うことができる。すなわち上記赤色(R)の中間調の色RGB(128,0,0)、RGB(64,0,0)を形成する場合には特にインクの吐出量を低下させないからである。また、色に応じてインクの吐出量の低下を行う場合であっても、その低下の範囲は、上記インクの吐出量の上限値を超える分にとどめることができるからである。
【0047】
このように本実施形態では、画像データの色によってはインクの吐出量を低下させない、あるいは必要最小限の範囲でインクの吐出量を低下させることができる。その結果、色に拘わらず一定の割合でインクの吐出量を低下させる場合に比し、両面印刷時の画質の低下を必要最小限に抑えることができ、結果的に両面印刷時の画質を向上させることができる。
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2の画像形成装置について説明する。実施形態2の画像形成装置は上述した実施形態1の画像形成装置と同様の構成を有するため、実施形態1の画像形成装置と異なる点について説明を行い、重複する説明を省略する。
【0048】
上述した本実施形態1の画像形成装置では、両面印刷時の画質の向上のため、上述の如く、色毎に個別に、必要に応じ、必要最小限の範囲でインクの吐出量を低下させる(このようなインクの吐出量の制御方法を以下、単に「インク吐出量適宜低下法」と称する)。これに対し、各色のインクの吐出量を色に拘わらず一定の割合で低下させる方法の例として、両面印刷を行う場合に、使用する用紙の種類毎に、色に拘わらず一定の割合でインクの吐出量を低下させる方法を、以下単に「インク吐出量一律低下法」と称する。
【0049】
ここで上記インク吐出量一律低下法の場合、例えば用紙の種類毎に、全ての色についてのインクの吐出量の割合として、図4の例で最も低いインクの吐出量の割合を採用する。すなわち普通紙使用の場合、全ての色についてのインクの吐出量の割合として、図4の例で最も低いインクの吐出量の割合60%を採用する。同様にフィルムあるいはトレーシンブペーパー使用の場合、全ての色についてのインクの吐出量の割合として、図4の例で最も低いインクの吐出量の割合40%を採用する。
【0050】
ここで当該インク吐出量一律低下法を採用した場合と、インク吐出量適宜低下法を採用した場合とを比較すると、インク吐出量一律低下法を採用した場合の方がインクの吐出量を少なくできる。反面、インク吐出量適宜低下法を採用した方が両面印刷時の画質を向上させることが出来る。そこで実施形態2では、インク吐出量一律低下法と、インク吐出量適宜低下法とを使い分けるものである。
【0051】
なお、上記の如くインク吐出量一律低下法を採用した場合の方がインクの吐出量を少なくできる理由は以下の通りである。インク吐出量一律低下法では、色に拘わらず一定の割合でインクの吐出量を低下させるものであって、上記のごとく、全ての色についてのインクの吐出量の割合として、図4の例で最も低いインクの吐出量の割合を採用する。これに対しインク吐出量適宜低下法によれば、図4の例で最も低いインクの吐出量の割合を採用するのは図4から明らかなように、12色の代表色のうちの一部の色の場合のみである。それ以外の色の場合はそれより高いインクの吐出量の割合を採用する。したがって全ての色について図4の例で最も低いインクの吐出量の割合を採用するインク吐出量一律低下法を採用した場合の方がインクの吐出量を少なくできるのである。
【0052】
一般的に、グラフィックの画像を形成する場合には、ユーザは画質向上を求める場合が多い。したがって、グラフィックの画像を形成する場合には、本実施形態2の画像形成装置は、インク吐出量適宜低下法を選択する。一方、一般的に、文字画像を形成する場合には、ユーザは画質向上を求めない場合が多い。したがって、文字画像を形成する場合には、本実施形態2の画像形成装置は、インク吐出量一律低下法(各色のインクの吐出量を同割合低下させる手法)を選択する。その結果、文字画像を形成する場合には、インクの吐出量を削減できる。
【0053】
図6に本実施形態2の画像形成装置の処理フローを示す。なおここでは既に図3AのステップS10の動作、すなわちユーザが入力部17から用紙の両面に画像を形成する指示を入力したものとする。また、本実施形態2の画像形成装置の制御部11は、図2と同様である。まず、第1検知手段110が、画像データのオブジェクトが所定のオブジェクトであるか否かを検知する。ここで、オブジェクトとは、画像形成時にこれ以上分割できない最小単位の情報である。例えば、オブジェクトには、イメージオブジェクト、グラフィックオブジェクト、文字オブジェクト、ラインオブジェクト等がある。
【0054】
ここで所定のオブジェクトとは、両面印刷時の画質を高めるべきオブジェクトであり、例えば、グラフィックオブジェクトである。以下では、所定のオブジェクトを「グラフィックオブジェクト」であるとして説明する。
【0055】
第1検知手段110が、オブジェクトがグラフィックオブジェクトであると検知すると(ステップS20のYES)、ステップS22に移行する。そして、制御手段108は、決定手段106がインク吐出量適宜低下法にしたがって決定したインクの吐出量で画像形成手段102にインクを吐出させて画像を形成させる(ステップS22)。なお、図6では図面簡略化のために、単に「インク吐出量適宜低下法で画像形成」と示している。
【0056】
一方、第1検知手段110が、オブジェクトがグラフィックオブジェクトでないと検知すると、つまり、オブジェクトが例えば、文字オブジェクトであると検知すると(ステップS20のNO)、ステップS24に移行する。そして、制御手段108は、インク吐出量一律低下法にしたがって全ての色について一定の割合で低下させた吐出量で画像形成手段102にインクを吐出させて画像を形成させる(ステップS24)。つまり、ステップS24では、インク吐出量一律低下法にしたがって決定されたインクの吐出量でインクを吐出させる。
【0057】
この実施形態2の画像形成装置によれば、画像を形成するオブジェクトの種類によって、インク吐出量適宜低下法を用いた画像形成手法か、インク吐出量一律低下法を用いた画像形成手法かが選択される。特に、画像を形成するオブジェクトが、両面印刷された際の画質を高めるべきオブジェクト(例えば、グラフィックオブジェクト)である場合には、インク吐出量適宜低下法にしたがってインクを吐出する。また、画像を形成するオブジェクトが、両面印刷された際の画質を高める必要のないオブジェクト(例えば、文字オブジェクト)である場合には、インク吐出量一律低下法にしたがってインクを吐出する。したがって、実施形態2の画像形成装置によれば、画像を形成するオブジェクトの種類に応じた方法で、インクの吐出量を削減しつつ両面印刷時の画質を向上させることが出来る。
【0058】
なお、インク吐出量適宜低下法を用いた画像形成手法か、インク吐出量一律低下法を用いた画像形成手法かの選択は、ユーザによる入力部17からの操作入力によってなされるようにしてもよい。
[実施形態3]
次に実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態3の画像形成装置は上述した実施形態1の画像形成装置と同様の構成を有するため、実施形態1の画像形成装置と異なる点について説明を行い、重複する説明を省略する。この実施形態3も、実施形態2同様に、インク吐出量一律低下法によるインクの吐出量の制御と、インク吐出量適宜低下法によるインクの吐出量の制御とを使い分けるものである。
【0059】
一般的に、印字モードとして1パス印字、2パス印字、4パス印字等がある(以下これらの印字モードを「パス数」と称する)。ここで1パス印字とは、用紙上に1ラインの画像を形成する際の画像形成手段102(すなわち記録ヘッド)の用紙上の走査回数が1回であるモードである。すなわち記録ヘッドの1回の走査によって用紙上に1ライン分の画像が形成される。他方4パス印字とは記録ヘッドの4回の走査によって1ラインの画像が形成されるモードである。この場合、4回の走査のうち1回の走査では、1ラインの画像のうちの一部の画像のみが形成され、4回の走査で1ラインの全体の画像が形成される。同様に2パス印字では記録ヘッドの2回の走査によって1ラインの全体の画像が形成される。
【0060】
一般的に、1パス印字の場合には、ユーザは高速印刷を望んでおり、画質向上を望んでいない場合が多い。したがって、この場合には、制御手段108は、インク吐出量一律低下法を用いて、両面印刷を行なう。一方、例えば、4パス印字の場合には、ユーザは高速印刷を望んでおらず、画質向上を望んでいる場合が多い。したがって、この場合には、制御手段108は、インク吐出量適宜低下法を用いて、両面印刷を行なう。
【0061】
図7に本実施形態3の画像形成装置の処理フローを示す。なおここでは既に図3AのステップS10の動作、すなわちユーザが入力部17から用紙の両面に画像を形成する指示を入力したものとする。また、本実施形態3の画像形成装置の制御部11は、図2と同様である。まず、第2検知手段112が、パス数を検知する(図7)。このパス数は、デフォルトで定めるようにしても良いし、ユーザが設定するようにしてもよい。
【0062】
そして、第2検知手段112が、検知したパス数が所定値S以上か否かを検知する(ステップS30)。ここで、所定値Sとは、予め定められるものであり、例えば、S=2(すなわち2パス印字)やS=4(すなわち4パス印字)等と設定しておく。所定値Sは、予め記憶手段30に記憶されている。
【0063】
第2検知手段112が、検知したパス数が、所定値S以上であると検知すると(ステップS30のYES)、ステップS32に移行する。パス数が所定値以上である場合というのは、画質向上が望まれている場合である。ステップS32では、制御手段108は、インク吐出量適宜低下法によって決定したインクの吐出量の割合に基づいて、画像形成手段102に画像を形成させる。
【0064】
一方、第2検知手段111が、検知したパス数が、所定値S以上ではない(つまりパス数は、S=2の場合、「1」(すなわち1パス印字)である。)と検知すると(ステップS30のNO)、ステップS34に移行する。パス数が所定値未満である場合というのは、特に画質向上が望まれていない場合である。そして、制御手段108は、インク吐出量一律低下法により各色のインクの吐出量を一定の割合で低下させて、画像形成手段102に画像を形成させる。
【0065】
この実施形態3の画像形成装置によれば、パス数に基づいて、インク吐出量適宜低下法による画像形成か、インク吐出量一律低下法による画像形成かが選択される。つまり、パス数が、両面印刷された際の画質を高めるべき値(例えば、「2」や「4」)である場合には、インク吐出量適宜低下法にしたがってインクを吐出する。また、パス数が、両面印刷された際の画質を特に高める必要のない値(例えば、「1」)である場合には、インク吐出量一律低下法にしたがってインクを吐出する。したがって、パス数に応じた方法で、インクの吐出量を削減しつつ両面印刷時の画質を向上させることが出来る。
[実験結果]
次に、本実施形態の画像形成装置の効果を示した実験結果について説明する。図8に実験結果を示す。図8(A)は、画像データの画像であり、図8(B)は上述した特許文献1記載の技術で両面印刷した表面側の画像であり、図8(C)は、本発明の実施形態1の技術で両面印刷した表面側の画像である。また図8(B)は上記インク吐出量一律低下法を用いた場合の印刷画像、図8(C)は上記インク吐出量適宜低下法を用いた場合の印刷画像と考えてもよい。
【0066】
図8(B)と図8(C)とを比べれば、明らかに図8(C)の画像の画質が、図8(B)の画像の画質よりも高い。このように、本実施形態の画像形成装置によれば、従来の画像形成装置と比較して明らかに両面印刷時の画質が向上されることが分かる。
【符号の説明】
【0067】
11 制御部
12 主記憶部
13 補助記憶部
30 記憶手段
102 画像形成手段(一例:記録ヘッド)
104 取得手段
106 決定手段
108 制御手段
110 第1検知手段
112 第2検知手段
114 色変換手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2007−118238号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて、現像剤を用いて記録媒体の両面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量を求めるための現像剤使用量情報であって、前記画像データの色毎に個別に設定された現像剤使用量情報が記憶されている記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させる制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像データと前記画像データの色毎の現像剤使用量情報とを比較し、当該比較の結果前記画像データで画像を形成するための前記現像剤の使用量が前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量の範囲を超える場合には前記画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させ、前記画像データで画像を形成するための前記現像剤の使用量が前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量の範囲内の場合には、前記画像データに基づいて前記画像形成手段に前記現像剤を使用させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
更に、前記記録媒体の種類を取得する取得手段を有し、
前記画像データの色毎の現像剤使用量情報は、前記記録媒体の種類毎に個別に設定された現像剤使用量情報であり、
前記制御手段は、前記画像データの色毎の現像剤使用量情報のうち、前記取得された前記記録媒体の種類について個別に設定された現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データの色毎の現像剤使用量情報は、代表色毎に個別に設定された現像剤使用量情報であり、
前記制御手段は、前記代表色毎に個別に設定された現像剤使用量情報に基づき、前記画像データの色または当該色に対応する色を形成するための前記現像剤の使用量であって、前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量の上限値を求め、前記画像データで画像を形成するための前記現像剤の使用量が前記現像剤の使用量の上限値を超える場合には前記現像剤の使用量の上限値に基づいて前記画像形成手段に前記現像剤を使用させ、前記画像データで画像を形成するための前記現像剤の使用量が前記現像剤の使用量の上限値以下の場合には前記画像データで画像を形成するための前記現像剤の使用量に基づいて前記画像形成手段に前記現像剤を使用させることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、色空間における前記代表色に対応する点からの補間演算を行って、前記画像データの色または当該色に対応する色を形成するための前記現像剤の使用量であって、前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量の上限値を求めることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記代表色毎に個別に設定された現像剤使用量情報に基づき、前記画像データを前記現像剤の色に係るデータに変換する色変換を行うことによって、前記画像データの色または当該色に対応する色を形成するための前記現像剤の使用量であって、前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量の上限値を求めることを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データはRGBデータであり、前記現像剤の色に係るデータはCMYKデータであることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像データの色及び当該色に対応する色は、色分解した色要素のうちの0以外の要素間の比率が共通する色である、請求項4乃至7のうちの何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記画像データのオブジェクトが所定のオブジェクトである場合には、前記画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させ、前記画像データのオブジェクトが前記所定のオブジェクト以外の場合には、前記画像データの色によらず一定の割合で前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させることを特徴とする請求項1乃至8のうちの何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、1ラインの画像を形成する際の前記画像形成手段による走査回数が所定値以上である場合には、前記画像データの色毎の現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させ、前記走査回数が前記所定値未満の場合には、前記画像データの色によらず一定の割合で前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させることを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置の画像形成手段が画像データに基づいて、現像剤を用いて記録媒体の両面に画像を形成する画像形成段階と、
前記画像形成装置の制御手段が、前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量を求めるための現像剤使用量情報であって、前記画像データの色毎に個別に設定された現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させる制御段階と、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
画像形成装置を制御する制御手段を、前記画像形成装置の画像形成手段が画像データに基づいて現像剤を用いて記録媒体の両面に画像を形成した際に前記現像剤の裏写りが生じないような前記現像剤の使用量を求めるための現像剤使用量情報であって、前記画像データの色毎に個別に設定された現像剤使用量情報に基づいて前記現像剤の使用量を減らすと判断した場合に前記現像剤の使用量を減らして前記画像形成手段に前記現像剤を使用させる手段として機能させるプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−139996(P2012−139996A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264017(P2011−264017)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】