説明

画像形成装置、不具合情報通知システム及び不具合情報通知方法

【課題】不具合消耗品を速やかに確認することができる画像形成装置、不具合情報通知システム及び不具合情報通知方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、消耗品の固有の製造情報等を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体の情報を読み取る読取部と、前記消耗品の不具合情報を受信する通信制御部と、情報を表示する表示部と、前記通信制御部により、前記消耗品の前記不具合情報を受信し、使用中の消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを判断し、前記不具合消耗品に該当すると判断した場合、前記表示部に前記不具合情報を表示するよう制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置、不具合情報通知システム及び不具合情報通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の消耗品に付されたRFID装置を介して、消耗品の管理情報を取得して、消耗品の交換や発注を自動的に行う画像形成システムが知られている。しかしながら、画像形成装置の消耗品で出荷後も消耗品に不具合が発覚した場合、画像形成装置で使用している消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを速やかに確認することができないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−38702公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、不具合消耗品を速やかに確認することができる画像形成装置、不具合情報通知システム及び不具合情報通知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における画像形成装置は、消耗品の固有の製造情報等を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体の情報を読み取る読取部と、前記消耗品の不具合情報を受信する通信制御部と、情報を表示する表示部と、前記通信制御部により、前記消耗品の前記不具合情報を受信し、使用中の消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを判断し、前記不具合消耗品に該当すると判断した場合、前記表示部に前記不具合情報を表示するよう制御する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第一の実施形態における、不具合通知システムのブロック図である。
【図2】第一の実施形態における、画像形成装置の構成図である。
【図3】第一の実施形態における、プリンタ部の拡大図である。
【図4】第一の実施形態における、記録媒体を付したトナーカートリッジを示す図である。
【図5】第一の実施形態における、消耗品の不具合の通知を示すフローチャートである。
【図6】第一の実施形態における、消耗品に不具合があることを通知する表示部の表示例である。
【図7】第二の実施形態における、インクジェット方式の画像形成装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態の画像形成装置を説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
第一の実施形態の画像形成装置は、消耗品に出荷後不具合が発見された場合、不具合情報を受信し、消耗品の記憶媒体内の記録情報が不具合情報に該当するか否かを判断し、不具合情報に該当する場合に、ユーザあるいは、サービス担当業者に通知をする。
【0009】
図1は、不具合情報通知システムのブロック図である。不具合情報通知システムは、例えば、画像形成装置100、及び複数のPC(Personal Computer)200、及び第1のサーバ(例えば第1の電子機器)300、及び第2のサーバ(例えば第2の電子機器)301を有する。
【0010】
画像形成装置100は、制御部101、スキャナ部104、コントロールパネル部106、プリンタ部110、通信制御部113、及び記憶媒体116を有する消耗品115を有する。画像形成装置100の具体的なハード構成については、別途、図2を参照して説明する。
【0011】
制御部101は、画像形成装置100の全体の動作を制御する。制御部101は、画像形成装置100の制御を司るメインCPU102、及び記憶部103を有する。記憶部103は、例えば、半導体記憶装置あるいはHDD(Hard Disk Drive)等のメモリである。記憶部103は、メインCPU102を動作させるためのプログラムを格納する。
【0012】
スキャナ部104は、スキャナCPU105、読取部112a及び読取部112bを有する。スキャナCPU105は、スキャナ部104の制御を司る。読取部112aは、原稿の画像を読み取る。読取部112bは、消耗品115が有する記憶媒体116の読み取りを行う。記憶媒体116が非接触式IC(Integrated Circuit)チップである場合、読取部112bは、ICチップリーダーである。
【0013】
記憶媒体116は、非接触式ICチップに限らず、バーコード、QR(Quick Response)コード、RFID(Radio Frequency Identification)であっても良い。記憶媒体116がバーコードである場合、読取部112bは、バーコードリーダーである。記憶媒体116が二次元コードである場合、読取部112bは、二次元コードリーダーである。記憶媒体116がRFIDである場合、読取部112bは、RFIDリーダーである。
【0014】
コントロールパネル部106は、パネルCPU107、及び表示部108、及び操作部109を有する。パネルCPU107は、コントロールパネル部106の制御を司る。表示部108は、画像形成装置100の処理モードを表示する。処理モードとは、コピー、スキャン、FAX送信等である。制御部101は、表示部108に、印刷枚数、用紙の大きさ等の各種設定を表示する。操作部109は、処理モードを選択可能である。表示部はタッチパネル式でもよく、操作部をかねても良い。操作部109は、各種キーを有する。
【0015】
プリンタ部110は、プリンタ部110の制御を司るプリンタCPU111を有する。通信制御部113は、消耗品115の不具合情報を送受信する。通信制御部113は、通信制御部113の制御を司る通信制御CPU114、及び通信インターフェース(I/F)117を有する。通信I/F117は、システムバス及び第1のサーバ300が備える通信I/F304を介して、第1のサーバ300と接続する。同様に、通信I/F117は、システムバス及び第2のサーバ301が備える通信I/F307を介して、第2のサーバ301と接続する。通信制御CPU114は、第2のサーバ301へ消耗品の不具合情報を送信する。更に、通信制御CPU114は、ルータ201及びこのルータ201に接続される各PCが備える通信I/F205を介して、複数のPC200と接続する。
【0016】
第1のサーバ300は、消耗品販売業者あるいは、画像形成装置販売業者のサーバであり、CPU302、記憶部303、通信I/F304を有する。第1のサーバ300は、消耗品に不具合が発覚すると、通信I/F304を介して、画像形成装置100の通信制御部113へ消耗品の不具合情報を送信する。
【0017】
第2のサーバ301は、サービス担当業者のサーバであり、CPU305記憶部306及び通信I/F307を有する。第2のサーバ301は、通信I/F307を介して、画像形成装置100の通信制御CPU114からの消耗品交換情報を受信する。
【0018】
PC200は、CPU201、表示部202、操作部203、記憶部204、及び通信I/F205を有する。
【0019】
第1及び第2のサーバの記憶部303、306、及びPCの記憶部204は、例えば、半導体記憶装置あるいはHDD(Hard Disk Drive)等のメモリである。記憶部303、306、204は、各CPU302、305、201を動作させるためのプログラムを格納する。
【0020】
図2は、第一の実施形態の画像形成装置を示す構成図である。図2において、100は画像形成装置であり、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
【0021】
MFP100は、自動原稿搬送部(ADF)12と、コントロールパネル部106と、スキャナ部104と、プリンタ部110と、給紙カセット(給紙部)18と、排紙部40を有する。
【0022】
ADF12は、原稿台上に開閉自在に設けられ、原稿を自動で搬送する。コントロールパネル部106は、各種のキーを有する操作部109と、タッチパネル式の表示部108を有する。
【0023】
スキャナ部104は、ADF12の下部に設けられ、ADF12によって搬送される原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成する。スキャナ部104は、印刷原稿の入力部の一例であり、この他に、例えば、外部端末としてPC200で作成した原稿をこの入力部で受け入れ、画像データとして印刷することも可能である。
【0024】
給紙カセット18は、各種サイズの用紙Pを収容する複数のカセットを有する。排紙部40は、画像形成され、排出された用紙Pを収容する。
【0025】
プリンタ部110は、後述する画像形成部とレーザ露光装置等を含み、スキャナ部104で読み取った画像データやPC200で作成された画像データを処理して用紙Pに画像を形成する。プリンタ部110によって画像が形成された用紙Pは、排紙部40に排出される。プリンタ部110は、例えば4連タンデム方式によるカラーレーザプリンタである、レーザ露光装置19からのレーザビームによって画像形成部の感光体ドラム22(図3を参照)を走査して静電潜像を生成する。
【0026】
レーザ露光装置19は、ポリゴンミラー19a、結像レンズ系19b、ミラー19cを含み、半導体レーザ素子から出射された、画像データにより変調されたレーザビームを回転する感光体ドラム22の軸線方向に走査する。
【0027】
プリンタ部110は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部20Y、20M、20C、20Kを含む。画像形成部20Y、20M、20C、20Kは、中間転写ベルト21の下側に、ベルト21の移動方向上流側から下流側に沿って配置される。
【0028】
図3は、画像形成部20Y、20M、20C、20Kを含むプリンタ部110を拡大して示す図である。以下の説明において各画像形成部20Y、20M、20C、20Kは同様の構成であるため、画像形成部20Yを代表して説明する。
【0029】
画像形成部20Yは、像担持体である感光体ドラム22Yを有し、感光体ドラム22Yの周囲に、回転方向tに沿って帯電チャージャ23Y、現像器24Y、1次転写ローラ25Y、クリーナ26Y、ブレード27Yを配置している。感光体ドラム22Yの露光位置には、レーザ露光装置19からイエローに対応する画像データで変調されたレーザビームを照射し、感光体ドラム22Y上に静電潜像を形成する。
【0030】
画像形成部20Yの帯電チャージャ23Yは、感光体ドラム22Yの表面を一様に全面帯電する。この帯電した感光体ドラムの表面に前述のレーザビームを照射して静電潜像を形成する。現像器24Yは、現像バイアスが印加される現像ローラによりイエローのトナー及びキャリアにより構成される2成分現像剤を感光体ドラム22Yに供給する。供給される現像剤により感光体ドラム上22Yの静電潜像が現像され可視像であるトナー像となる。後述する転写工程を経て、クリーナ26Yは、ブレード27Yを用いて感光体ドラム22Yの表面の残留トナーを除去する。
【0031】
図2に示すように、画像形成部20Y、20M、20C、20Kの上部には、現像器24Y、24M、24C、24Kにトナーを供給するトナーカートリッジ2を設けている。トナーカートリッジ2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーカートリッジ2Y、2M、2C、2Kが隣接している。各色のトナーカートリッジのうち、ブラック(K)のカートリッジ2Kのみ、その容量が大きくなっている。これは、通常の画像形成においては、ブラックのトナーの消費量が一番多いためである。
【0032】
図2及び図3において、無端状の中間転写ベルト21は、循環的に移動し、耐熱性及び対磨耗性の点から例えば半導電性ポリイミドが用いられる。中間転写ベルト21は、駆動ローラ31及び従動ローラ32、33に張架され、感光体ドラム22Y、22M、22C、22Kに対向して接触する。中間転写ベルト21の感光体ドラム22Yに対向する位置には、1次転写ローラ25Yにより1次転写電圧が印加され、感光体ドラム22Y上のトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。
【0033】
中間転写ベルト21を張架する駆動ローラ31には、2次転写ローラ34を対向して配置している。中間転写ベルト21と2次転写ローラ34間を用紙Pが通過する際に、2次転写ローラ34により2次転写電圧が用紙Pに印加され、中間転写ベルト21上のトナー像を用紙Pに2次転写する。中間転写ベルト21の従動ローラ33付近には、2次転写工程で用紙Pに転写されなかった(残留トナー)をクリーニングするベルトクリーナー35を有する。
【0034】
また、図2に示すように、給紙カセット18から2次転写ローラ34に至る間には、給紙カセット18内の用紙Pを取り出すピックアップローラ36、及び搬送ローラ37、レジストローラ38を有し、2次転写ローラ34の下流には定着装置39を有する。
【0035】
定着装置39の下流には排紙部40と反転搬送路41を有する。排紙部40には、定着装置39によりトナー像が定着された用紙Pが排出される。反転搬送路41は、用紙Pを反転させて2次転写ローラ34の方向に導くもので、両面印刷を行う際に使用する。
【0036】
画像形成装置100の消耗品115は記憶媒体116(図1参照)を有する。消耗品115は例えば、トナーカートリッジ2に収納されるトナー、現像器24に収納される現像剤、像担持体である感光体ドラム22、転写部材である転写ベルト21や転写ローラ25、34、ブレード27、ベルトクリーナー35、定着装置39である。現像剤とは、キャリアとトナーを含む二成分現像剤である。これらの消耗品115の内、少なくとも一つに記憶媒体116が付与される。消耗品115がトナーの場合には、トナーを収容するカートリッジに記憶媒体116が設けられる。消耗品115が現像剤の場合には、現像剤を収容するカートリッジあるいは現像器24に記憶媒体116が設けられる。感光体ドラム22、転写ベルト21、転写ローラ25、34、ベルトクリーナー35、及び定着装置39等、直接消耗品115に記憶媒体116が設けられない場合、消耗品115の近くの部材等に記憶媒体116を設けるようにしても良い。消耗品115がブレード27の場合、ブレード27に直接記憶媒体116を備えても良い。
【0037】
記憶媒体116は、消耗品115の固有の製造情報を記憶する。消耗品115の固有の製造情報とは、例えば、消耗品製造番号、及び消耗品の原材料の製造番号、消耗品製造時の製造条件等の情報である。
【0038】
図4は、消耗品115の一例で、記憶媒体116を付したイエローのトナーカートリッジ2Yを示す図である。マゼンタ、シアン、ブラックのトナーカートリッジ2M、2C、2Kについても、イエローのトナーカートリッジ2Y同様に記憶媒体116を付す。消耗品115がトナーであれば、記憶媒体116には、消耗品の原材料、例えばシリカやワックス等の製造番号を記録する。
【0039】
消耗品115出荷後に例えば原材料のある製造ロットに不具合があると判明すると、消耗品販売業者あるいは、画像形成装置販売業者が第1のサーバ300より、各通信I/F117、304を介して、画像形成装置100に消耗品115の不具合情報を送信する。消耗品115の不具合情報とは、例えば、消耗品製造番号、及び消耗品の原材料の製造番号、ある製造ラインで製造された消耗品に不具合が発生する可能性がある、という内容である。
【0040】
図5は、画像形成装置100における、消耗品115の不具合の通知を示すフローチャートである。400において、制御部101は、消耗品115の不具合情報を第1のサーバ300から受信し、401において、消耗品115の記憶媒体116を検出するか否かを判断する。消耗品115の記憶媒体116を検出しなければ(401のNo)、制御部101は、405において、通常の処理を実行し、動作を終了する。
【0041】
消耗品115の記憶媒体116を検出したら(401のYes)、制御部101は、402において、記憶媒体116の情報を読み出す。制御部101は、読み取り部112b(図1参照)により記憶媒体116の情報を読み出すよう、スキャナ部104のスキャナCPU105に指令を出す。
【0042】
制御部101は、403において、記憶媒体116の読み取り情報が消耗品不具合情報に該当するか否かを判断する。記憶媒体116の読み取り情報が消耗品不具合情報に該当しない場合(403のNo)、制御部101は、405において、通常の処理を実行し動作を終了する。
【0043】
記憶媒体116の読み取り情報が消耗品不具合情報に該当する場合(403のYes)、制御部101は、404において、表示部108にサービス担当業者に連絡する旨を表示し、405において、通常の処理を実行し、動作を終了する。図6は、消耗品115に不具合があることを通知する表示部108の表示例である。例えば、制御部101は、表示部108に、「消耗品に関する情報があります。お早目にサービス実施店にご連絡ください。」と表示し、消耗品115の不具合の旨をユーザに通知する。また、制御部101は、表示部108に、不具合消耗品の交換を促す通知を表示するようにしても良い。
【0044】
制御部101は、不具合が確認された消耗品115を正常品と交換等不具合が解消されたら、表示部108の表示を消す。制御部101は、消耗品115の不具合の旨を通知する表示は、ユーザがコピーの枚数等の各種設定をする際には一時的に消えるようにパネルCPU107を制御する。また、画像形成装置100の表示部108への消耗品115の不具合の旨を通知する表示に限らず、制御部101は、PC200に、不具合情報を送信し、PC200の表示部202に表示するように制御しても良い。制御部101は、消耗品115の不具合情報を画像形成装置100が受信し、画像形成装置100の消耗品115が不具合消耗品に該当すると判断したら、ユーザに不具合情報を知らせることなく、第2のサーバ301を介して、直接サービス担当業者に消耗品115の不具合情報を送信するようにしても良い。
【0045】
消耗品115に不具合がある場合であっても画像形成装置100の設定条件を変更することで使用可能になる場合がある。例えば、消耗品115がトナーであり、トナーの不具合により画像濃度の低下が考えられる場合、不具合消耗品を使用する場合であっても現像コントラスト電位を高くすることで使用できることがある。
【0046】
第1のサーバ300は、画像濃度の低下が考えられる場合、現像コントラスト電位の設定に関する情報を不具合情報に入れて、画像形成装置100に送信する。現像コントラスト電位の設定に関する情報が含まれる不具合情報を受信した画像形成装置100の制御部101は、画像形成装置100が有する消耗品が不具合情報に該当するかを判断する。制御部101は、画像形成装置100が有する消耗品が不具合情報に該当すると判断すると、現像コントラスト電位を所望の設定に変更する。制御部101は、現像コントラスト電位を所望の設定に変更し、画像形成処理を行い、動作を終了する。画像形成装置100が有する消耗品が不具合情報に該当すると判断しない場合、通常の処理を実行し、動作を終了する。
【0047】
上述のような画像形成装置100、不具合情報通知システム及び消耗品不具合情報通知方法により、トナー、現像剤、像担持体、転写ベルト、転写ローラ、ブレード、ベルトクリーナー、定着装置等の消耗品の出荷後に判明した不具合に関する情報がユーザあるいはサービス担当業者の双方もしくは一方に早急に伝えることができる。また、不具合消耗品を速やかに回収できるとともに正常な消耗品に速やかに交換することができる。
【0048】
(第二の実施形態)
第二の実施形態の画像形成装置は、インクジェット方式の画像形成装置であり、制御部は、消耗品に出荷後不具合が発見された場合、不具合情報を受信し、消耗品の記憶媒体内の記録情報が不具合情報に該当するか否かを判断し、不具合情報に該当する場合に、ユーザあるいは、サービス担当業者に通知をする。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0049】
不具合通知システムは、第一の実施形態に示すブロック図と同様である。図7は、画像形成装置であるインクジェット記録装置100の構成図である。インクジェット記録装置100は、画像形成部502、保管部503を有する。
【0050】
画像形成部502は、水性インクを吐出させて用紙Pの表面に画像を形成する。画像形成部502は、インクジェットヘッド514、インクカートリッジ515、チューブ516を有する。
【0051】
各インクジェットヘッド514には、各色インクが保持されているイエロー(Y)インクカートリッジ、マゼンタ(M)インクカートリッジ、シアン(C)インクカートリッジ、ブラック(K)インクカートリッジが設置されており、夫々チューブで連結されている。
【0052】
各色インクは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの液体インクあるいはゲル状インクである。上述では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの複数色のインクで画像形成する構成を示しているが、これに限らず、単色のインクで画像形成する構成でも良い。
【0053】
保管部503は、用紙カセット504、505、除湿部150を有する。用紙カセット504、505は、用紙Pを保持し、図7の手前方向に引き出しが可能である。除湿部150は、例えばシリカゲルのような除湿剤であり、保管部503の湿度を下げ、用紙カセット504、505に保管される用紙Pを乾燥させる。除湿部150は、保管部503の湿度を画像形成部502の湿度よりも下げる。保管部503の湿度は、インクジェット記録装置100の外気の湿度よりも低いことが望ましい。
【0054】
インクジェット記録装置100は、給紙ローラ506、507、複数の搬送ローラ対521、レジストローラ508、搬送ベルト509、駆動ローラ510、従動ローラ511、ファン513、負圧チャンバ512、排紙ローラ対520、搬送ガイド523、524、ダクト522を有する。
【0055】
給紙ローラ506は用紙Pを用紙カセット504から取り出し、搬送ローラ対521にて搬送する。給紙ローラ507は用紙Pを用紙カセット505から取り出し、搬送ローラ対521にて搬送する。
【0056】
搬送ベルト509は、駆動ローラ510と2本の従動ローラ511で張力が与えられている。搬送ベルト509の表面には所定間隔で小径穴が無数に空いている。搬送ベルト509の内側には用紙Pを搬送ベルト509に吸着させるため、ダクト522を介してファン513に連結された負圧チャンバ512の天板が搬送ベルト509の裏面に密着している。負圧チャンバ512は、多数の溝と穴を有する上部天板と空気排出用のダクト522接続用の穴を有し、その中空状の内部がファン513の吸引により負圧に設定されて、天板表面が搬送ベルト509の表面に接触する。
【0057】
ファン513により発生する吸引力によって、ダクト522、負圧チャンバ512、搬送ベルト509上の無数の小径穴を通して用紙Pを搬送ベルト509の搬送面に吸着する。
【0058】
排紙側には、搬送ローラ対521及び排紙ローラ対520を有する。搬送ガイド523、524は、用紙Pの搬送ルートをソレノイドにより切り替える。
【0059】
画像形成装置100の消耗品115は記憶媒体116を有する。消耗品115は例えば、インクカートリッジ515に収納されるインク、搬送部材である搬送ベルト509である。これらの消耗品115の内、少なくとも一つに記憶媒体116が付与される。消耗品がインクの場合には、当然に、記憶媒体は、インクカートリッジに設けられる。記憶媒体116は、非接触式ICチップである。記憶媒体116は、非接触式ICチップに限らず、バーコード、二次元コード、RFIDであっても良い。記憶媒体116は、消耗品115の固有の製造情報を記憶する。消耗品115の固有の製造情報とは、例えば、消耗品製造番号、及び消耗品の原材料の製造番号、消耗品製造時の製造条件等の情報である。
【0060】
第二の実施形態の画像形成装置100の制御部101は、第一の実施形態に示す図5のフローチャートと同様の制御を行う。従って、詳細な説明は省略する。
【0061】
上述のような画像形成装置、不具合情報通知システム及び消耗品不具合情報通知方法により、インクや搬送ベルトの出荷後に判明した不具合に関する情報がユーザあるいはサービス担当業者の双方もしくは一方に早急に伝えることができる。また、不具合消耗品を速やかに回収できるとともに正常な消耗品に速やかに交換することができる。
【0062】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
2 トナーカートリッジ
21 中間転写ベルト
22 感光体ドラム
24 現像器
25 1次転写ローラ
27 ブレード
34 2次転写ローラ
35 ベルトクルーナー
39 定着装置
100 画像形成装置
101 制御部
102 メインCPU
103 記憶部
104 スキャナ部
105 スキャナCPU
106 コントロールパネル部
107 パネルCPU
108 表示部
109 操作部
110 プリンタ部
111 プリンタCPU
112a、112b 読取部
113 通信制御部
114 通信制御CPU
115 消耗品
116 記憶媒体
117 通信I/F
200 PC
300 第1のサーバ
301 第2のサーバ
509 搬送ベルト
515 インクカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品の固有の製造情報等を記憶する記憶媒体と、
前記記憶媒体の情報を読み取る読取部と、
前記消耗品の不具合情報を受信する通信制御部と、
情報を表示する表示部と、
前記通信制御部により、前記消耗品の前記不具合情報を受信し、使用中の消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを判断し、前記不具合消耗品に該当すると判断した場合、前記表示部に前記不具合情報を表示するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記不具合情報に基づき、前記表示部を介して前記消耗品の交換を促す通知をすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不具合情報に基づき、前記表示部を介してサービス担当業者への連絡を促す通知をすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消耗品は、トナーであることを特徴とする請求項1から3のひとつに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記消耗品は、液体インクもしくはゲル状インクであることを特徴とする請求項1から3のひとつに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記消耗品は、現像剤であることを特徴とする請求項1から3のひとつに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記消耗品は、像担持体であることを特徴とする請求項1から3のひとつに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記消耗品は、転写部材であることを特徴とする請求項1から3のひとつに記載の画像形成装置。
【請求項9】
消耗品が複数あり、少なくともひとつの消耗品が固有の製造情報等を記憶した記憶媒体を有しており、前記制御部はさらに、前記不具合情報を受信した時に、前記消耗品の前記記憶媒体の有無を判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記不具合情報には、不具合を解消可能な設定条件を含み、前記制御部は、前記不具合情報に基づき、設定条件を変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
消耗品の固有の製造情報等を記憶する記憶媒体と、
前記記憶媒体の情報を読み取る読取部と、
前記消耗品の不具合情報を受信する通信制御部と、
情報を表示する表示部と、
前記通信制御部により、前記消耗品の前記不具合情報を受信し、使用中の消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを判断し、前記不具合消耗品に該当すると判断した場合、前記表示部に前記不具合情報を表示するよう制御する制御部と、を備える画像形成装置と、
前記不具合情報を前記通信制御部へ送信する第1の電子機器と、
を備えることを特徴とする不具合通知システム。
【請求項12】
前記不具合情報を前記通信制御部から受信する第2の電子機器をさらに備えることを特徴とする請求項11記載の不具合情報通知システム。
【請求項13】
前記不具合情報に基づき、前記表示部に前記消耗品の交換を促す通知をすることを特徴とする請求項11記載の不具合情報通知システム。
【請求項14】
前記不具合情報に基づき、前記表示部にサービス担当業者への連絡を促す通知をすることを特徴とする請求項11記載の不具合情報通知システム。
【請求項15】
前記不具合情報に基づき、前記通信制御部から前記第2の通信機器に通知することを特徴とする請求項12記載の不具合情報通知システム。
【請求項16】
消耗品の固有の製造情報等を記憶する記憶媒体を有する消耗品を使用する機器における消耗品の不具合情報通知方法であって、
前記消耗品の不具合情報を受信し、
前記記憶媒体から製造情報等を読み出し、
前記受信した不具合情報に基づいて、前記記憶媒体から読み出した製造情報等から、使用中の消耗品が不具合消耗品に該当するか否かを判断し、
不具合消耗品に該当すると判断した場合、前記不具合情報を表示する、
ことを特徴とする不具合情報通知方法。
【請求項17】
前記不具合情報に基づき、前記消耗品の交換を促す通知をすることを特徴とする請求項16記載の不具合情報通知方法。
【請求項18】
前記不具合情報に基づき、サービス担当業者への連絡を促す通知をすることを特徴とする請求項16記載の不具合情報通知方法。
【請求項19】
消耗品が複数あり、少なくともひとつの消耗品が固有の製造情報等を記憶した記憶媒体を有しており、前記不具合情報を受信した時に、前記消耗品の前記記憶媒体の有無を判断することを特徴とする請求項16記載の不具合情報通知方法。
【請求項20】
前記不具合情報には、不具合を解消可能な設定条件を含み、前記不具合情報に基づき、設定条件を変更することを特徴とする請求項16記載の不具合情報通知方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−201113(P2012−201113A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4692(P2012−4692)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】