説明

画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

【課題】像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性の低下及び帯電性の分布の広がりが抑制された画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供すること
【解決手段】第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する電子写真感光体10と、帯電装置20と、露光装置30と、現像装置40と、転写装置(中間転写体50、一次転写装置51、及び二次転写装置52)と、第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレード72により電子写真感光体10表面に残存したトナーを除去するクリーニング装置70と、クリーニング装置70により除去されたトナーを現像装置40に搬送する供給搬送管74と、を備えた画像形成装置101である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一定方向へ回動する感光体の近傍位置にクリーニングブレードを配設し、その先端を上記感光体表面へ圧接させてその表面に残留するトナーを掻落し、除去する電子写真複写機のクリーニング装置において、上記クリーニングブレードを、粒径0.1μmから1.0μmのポリフッ化ビニリデン20重量部から80重量部添加したポリウレタン樹脂にて形成したことを特徴とする電子写真複写機のクリーニング装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、像担持体に清掃部材の先端部を当接させて清掃を行うクリーニング装置を有する画像形成装置において、前記清掃部材の先端部の少なくとも一部に潤滑剤を塗布したことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、少なくとも感光体と、該感光体に当接するクリーニングブレードを有するクリーニングユニットを含む電子写真用プロセスユニットにおいて、該感光体表面および/またはクリーニングブレードエッジ部に、滑剤として潤滑性粉体と共に導電性粉体が塗布されてなることを特徴とする電子写真用プロセスユニットが記載されている。
【0005】
特許文献4には、導電性支持体上に少なくとも樹脂層を設けてなる電子写真感光体において、該樹脂層が有機ポリマー成分及びシロキサン成分からなる樹脂を含有し、且つ該樹脂がフッ素原子を含有することを特徴とする電子写真感光体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−48881号公報
【特許文献2】特開昭61−240469号公報
【特許文献3】特開平5−127445号公報
【特許文献4】特開2002−251031公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、トナー除去手段により除去されたトナーを再利用する方式を採用した画像形成装置において、像保持体の最表面層及びクリーニングブレードの最表面層のいずれか一方のみにフッ素樹脂粒子が含まれる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制された画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、
第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにより、前記トナー像の転写後に前記像保持体の表面に残存した前記トナーを除去するトナー除去手段と、
前記トナー除去手段により除去された前記トナーを前記トナー像形成手段に搬送するトナー搬送手段と、
を備えた画像形成装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、
前記第1のフッ素樹脂粒子の樹脂種と前記第2のフッ素樹脂粒子の樹脂種とが同種である請求項1に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項3に係る発明は、
前記第1のフッ素樹脂粒子と前記第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子である請求項2に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項4に係る発明は、
前記第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径は、前記第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径の0.7倍以上1.4倍以下である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項5に係る発明は、
第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する像保持体と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにより、前記像保持体の表面に形成されたトナー像が前記像保持体の表面から被転写体の表面に転写された後に前記像保持体の表面に残存した前記トナーを、除去するトナー除去手段と、
前記トナー除去手段により除去された前記トナーを前記トナー像形成手段に搬送するトナー搬送手段と、
を備えたプロセスカートリッジである。
【0013】
請求項6に係る発明は、
前記第1のフッ素樹脂粒子の樹脂種と前記第2のフッ素樹脂粒子の樹脂種とが同種である請求項5に記載のプロセスカートリッジである。
【0014】
請求項7に係る発明は、
前記第1フッ素樹脂粒子と前記第2フッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子である請求項6に記載のプロセスカートリッジである。
【0015】
請求項8に係る発明は、
前記第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径は、前記第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径の0.7倍以上1.4倍以下である請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のプロセスカートリッジである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、トナー除去手段により除去されたトナーを再利用する方式を採用した画像形成装置において、像保持体の最表面層及びクリーニングブレードの最表面層のいずれか一方のみにフッ素樹脂粒子が含まれる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制される。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子と第2のフッ素樹脂粒子との樹脂種が異なる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の分布の広がりが抑制されカブリの増加が抑制される。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子と第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子以外のフッ素樹脂粒子である場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制される。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径と第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径との比が下記範囲から外れる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の分布の広がりが抑制されカブリの増加が抑制される。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、トナー除去手段により除去されたトナーを再利用する方式を採用したプロセスカートリッジにおいて、像保持体の最表面層及びクリーニングブレードの最表面層のいずれか一方のみにフッ素樹脂粒子が含まれる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制される。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子と第2のフッ素樹脂粒子との樹脂種が異なる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の分布の広がりが抑制されカブリの増加が抑制される。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子と第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子以外のフッ素樹脂粒子である場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによる帯電性の低下が抑制される。
【0023】
請求項8に係る発明によれば、第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径と第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径との比が下記範囲から外れる場合に比較して、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の分布の広がりが抑制されカブリの増加が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】他の本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略断面図である。
【図4】他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
本実施形態に係る画像形成装置は、第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにより、前記トナー像の転写後に前記像保持体の表面に残存した前記トナーを除去するトナー除去手段と、前記トナー除去手段により除去された前記トナーを前記トナー像形成手段に搬送するトナー搬送手段と、を備えている。
【0027】
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の通り、トナー除去手段により除去されたトナーを、トナー搬送手段によりトナー像形成手段に搬送して再利用する方式である。そして、本実施形態の画像形成装置は、像保持体の最表面層とクリーニングブレードの最表面層との両方にフッ素樹脂粒子が含まれているため、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制される。すなわち本実施形態の画像形成装置においては、トナーが、トナー像の形成に使用された後にトナー除去手段によって除去されることにより、使用前に比べて帯電性が低下することが、抑制される。
【0028】
そして本実施形態では、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制されるため、使用によって帯電性が低下したトナーを再利用する場合に比べ、再利用されたトナーの帯電量が低すぎることがなく、濃度の高い画像が形成される。また、本実施形態では像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによるトナーの帯電性分布の広がりが抑制される。そのため、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去することによって帯電性分布が広がってしまったトナーを再利用する場合に比べ、形成された画像のカブリが抑制される。
本実施形態において、上記のように、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードで除去するトナーの帯電性の低下等が抑制される理由は定かではないが、以下のように推測される。
【0029】
本実施形態の画像形成装置を用いて画像形成を行うと、トナー像が被転写体に転写された後に像保持体表面に残存したトナーは、トナー除去手段のクリーニングブレードにより、像保持体表面から除去される。そして、トナーが除去される工程においては、例えば像保持体表面及びクリーニングブレードの表面が削れることにより、像保持体の最表面層及びクリーニングブレードの最表面層に含まれるフッ素樹脂粒子が露出すると考えられる。
【0030】
一方、像保持体表面から除去されるトナーは、像保持体表面とクリーニングブレードの表面の両方に接触する。そして像保持体の最表面層及びクリーニングブレードの最表面層においてフッ素樹脂粒子が露出していれば、トナーはフッ素樹脂粒子に接触しながら像保持体の表面から除去されると考えられる。ここで、フッ素樹脂粒子の表面は、他の材料に比較して摩擦係数が低く、トナーがフッ素樹脂粒子に接触することにより、他の材料の表面に接触した場合に比べて、摩擦による帯電性への影響が小さくなると考えられる。よって、トナーがフッ素樹脂粒子に接触することにより、フッ素樹脂粒子が露出していない像保持体又はクリーニングブレードの表面に接触する場合に比べて、トナーの帯電性低下や帯電性分布の広がりが抑制され、その結果カブリの増加が抑制されるものと考えられる。
【0031】
ここで、像保持体の最表面層とは、像保持体が多層構造である場合は、複数存在する層のうち、トナーが接触する表面に露出した層のことであり、像保持体が単層構造である場合は、像保持体そのものが最表面層となる。クリーニングブレードの最表面層についても、像保持体の最表面層と同様である。
【0032】
また像保持体の最表面層に含まれるフッ素樹脂粒子(第1のフッ素樹脂粒子)は、画像形成が行われる前の初期の状態において、表面に露出していてもよいが、露出していなくてもよい。第1のフッ素樹脂粒子が初期の状態において表面に露出していない場合でも、画像形成装置を作動させることにより像保持体表面が削れ、第1のフッ素樹脂粒子が表面に露出することとなる。クリーニングブレードの最表面層に含まれるフッ素樹脂粒子(第2のフッ素樹脂粒子)の露出についても、上記第1のフッ素樹脂粒子と同様である。
【0033】
本実施形態においては、第1のフッ素樹脂粒子の樹脂種と第2のフッ素樹脂粒子の樹脂種とが同種であることが好ましい。上記フッ素樹脂粒子の樹脂種が同種であることにより、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性分布の広がりが、より抑制される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性の変化は、上記の通り、トナーが像保持体表面から除去される工程において接触する材料に依存すると考えられる。そのため、像保持体表面から除去される複数のトナーの粒子が、いずれも同種のフッ素樹脂粒子に接触することにより、上記樹脂種が異なる場合に比べて、帯電性分布の広がりが抑制され、その結果カブリの増加が抑制されると考えられる。
【0034】
また本実施形態においては、第1のフッ素樹脂粒子と第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」と称する場合がある)粒子であることが好ましい。上記フッ素樹脂粒子がいずれもPTFE粒子であることにより、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性の低下が抑制される。その理由は定かではないが、トナーが像保持体表面から除去される工程において、帯電性の低下を引き起こしにくいPTFEに接触することにより、トナーにおける帯電性の低下が抑制されると考えられる。
【0035】
また本実施形態においては、第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径が、第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径の0.7倍以上1.4倍以下であることが好ましく、0.7倍以上1.3倍以下であることがより好ましく、1.0倍であることが最も好ましい。
上記体積平均粒径の比が上記範囲であることにより、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性分布の広がりが抑制されカブリの増加が抑制される。その理由は定かではないが、上記体積平均粒径の比が上記範囲外にあるときは、クリーニングブレードや像保持体の削れ方によって、粒子径の大きいフッ素樹脂粒子または粒子径の小さいフッ素樹脂粒子に接触する割合が異なることにより、帯電量に差が生じることから、一方、または両方が微視的に不均一に摩耗した場合において、帯電量分布が広がってしまうことによると考えられる。
【0036】
フッ素樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子が挙げられる。
【0037】
フッ素樹脂粒子の一次粒径としては、例えば0.05μm以上1μm以下が挙げられ、望ましくは0.05μm以上0.5μm以下が挙げられる。
なお、この一次粒子は、像保持体又はクリーニングブレードの最表面層から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態のフッ素樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
【0038】
フッ素樹脂粒子の含有量は、最表面層の固形分全量に対して2質量%以上15質量%以下であることが望ましく、より望ましくは4質量%以上12質量%以下であり、さらに望ましくは6質量%以上10質量%以下である。
【0039】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、転写残トナーをクリーニング装置によって回収し、回収トナーを現像装置に供給して再使用する方式を採用した構成となっている。
【0040】
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10(像保持体の一例)と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(トナー像形成手段の一例)と、電子写真感光体10に接触しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、電子写真感光体10の表面に形成されたトナー像を転写するベルト状の中間転写体50と、必要に応じて中間転写体50にトナー像を転写した後の電子写真感光体10の表面を除電して、表面に残った転写残トナーを除去し易くする除電装置60と、電子写真感光体10の表面を清掃して前記転写残トナーを除去するクリーニング装置70(トナー除去手段の一例)と、を備える。
【0041】
そして、クリーニング装置70と現像装置40とは、供給搬送管74(トナー搬送手段の一例)により連結されている。
【0042】
帯電装置20、露光装置30、現像装置40、中間転写体50、除電装置60、及びクリーニング装置70は、電子写真感光体10を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。
【0043】
中間転写体50は、内側から、支持ローラ50A、50B、背面ローラ50C、及び駆動ローラ50Dによって張力を付与されつつ保持されるとともに、駆動ローラ50Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写体50の内側における電子写真感光体10に相対する位置には、中間転写体50をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて中間転写体50の外側の面に電子写真感光体10上のトナーを吸着させる一次転写装置51が設けられている。中間転写体50の下方における外側には、記録紙(被転写体の一例)Pをトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて、中間転写体50に形成されたトナー像を記録紙P上に転写する二次転写装置52が背面ローラ50Cに対向して設けられている。なお、これら、電子写真感光体10に形成されたトナー像を記録紙Pへ転写するための部材が転写手段の一例に相当する。
【0044】
中間転写体50の下方には、さらに、二次転写装置52に記録紙Pを供給する記録紙供給装置53と、二次転写装置52においてトナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、前記トナー像を定着させる定着装置80とが設けられている。
【0045】
記録紙供給装置53は、1対の搬送ローラ53Aと、搬送ローラ53Aで搬送される記録紙Pを二次転写装置52に向かって誘導する誘導スロープ53Bと、を備える。一方、定着装置80は、二次転写装置52によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱・押圧することにより、前記トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ81と、定着ローラ81に向かって記録紙Pを搬送する搬送コンベア82とを有する。
【0046】
記録紙Pは、記録紙供給装置53と二次転写装置52と定着装置80とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
【0047】
中間転写体50には、さらに、二次転写装置52において記録紙Pにトナー像を転写した後に中間転写体50に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング装置54が設けられている。
【0048】
以下、本実施形態に係る画像形成装置101における主な構成部材の詳細について説明する。
【0049】
(電子写真感光体)
以下、本実施形態の画像形成装置に適用する像保持体の一例として、電子写真感光体について説明する。
図3は、本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略断面図である。図4は他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略断面図である。
【0050】
図3に示す電子写真感光体10Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、及び電荷輸送層3が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体10Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成されている。
そして、図3に示す電子写真感光体10Aにおいては、電荷輸送層3が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
【0051】
図4に示す電子写真感光体10Bは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
具体的には、図4に示す電子写真感光体10Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型感光層6が形成された構造を有するものである。
そして、図4に示す電子写真感光体10Bにおいては、単層型感光層6が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
【0052】
なお、図3乃至図4に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0053】
以下、電子写真感光体における各要素について説明する。以下、符号を省略して説明する。
【0054】
まず、導電性基体について説明する。なお、「導電性」とは、例えば体積抵抗率が1013Ω・cm以下を意味する。
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。導電性基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
【0055】
導電性基体として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
【0056】
次に、下引き層について説明する。
下引き層は、導電性基体表面における光反射の防止、導電性基体から感光層への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。
【0057】
下引き層は、例えば、結着樹脂と、必要に応じてその他添加物とを含んで構成される。
下引き層に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
【0058】
下引き層には、シリコン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物等の金属化合物等を含有してもよい。
金属化合物と結着樹脂との比率は、特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で設定されることがよい。
【0059】
下引き層には、表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粒子等が挙げられる。なお、表面粗さ調整のために下引き層を形成後、その表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
【0060】
ここで、下引き層の構成として特に好適には、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する構成である。なお、導電性とは、例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する。
導電性粒子としては、例えば、金属粒子(アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの粒子)、導電性金属酸化物粒子(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの粒子)、導電性物質粒子(カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末の粒子)等が挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物粒子が好適である。導電性粒子は、2種以上混合して用いてもよい。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
【0061】
下引き層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた下引き層形成用塗布液が使用される。また、下引き層形成用塗布液中に粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
【0062】
下引き層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
【0063】
下引き層の膜厚は、15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下がより望ましい。
【0064】
ここで、図示は省略するが、下引き層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物がよい。
【0065】
中間層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた中間層形成用塗布液が使用される。 中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
【0066】
中間層の厚みは、例えば、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定することがよい。また、この中間層を下引き層として使用してもよい。
【0067】
次に、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂中とを含んで構成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0068】
電荷発生層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
【0069】
電荷発生層の形成の際には、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液が使用される。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
【0070】
電荷発生層形成用塗布液を下引き層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
【0071】
電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
【0072】
次に、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と、結着樹脂と、フッ素樹脂粒子と、を含んで構成される。
【0073】
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0074】
また、電荷輸送層に含まれる結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる。ここで、絶縁性とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。以下、同様である。
【0075】
電荷輸送層は、フッ素樹脂粒子を分散させる分散剤としてフッ素系グラフトポリマーを併用してもよい。この分散剤の量は、特に規定するものではないが、例えば、フッ素樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲が挙げられる。
【0076】
ここで、電荷輸送層は、必要に応じて、さらにフッ素変性シリコーンオイルを含んでもよい。このフッ素変性シリコーンオイルは、例えば、オルガノポリシロキサンの置換基の一部又は全部がフルオロアルキル基(例えば炭素数1以上10以下のフルオロアルキル基)で置換されたフッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
フッ素変性シリコーンオイルの含有量は、例えば、0.1ppm以上1000ppm以下の範囲がよく、望ましくは0.5ppm以上500ppm以下の範囲である。
【0077】
電荷輸送層は、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。 電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えば無機粒子やフッ素樹脂粒子)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用する方法が挙げられる。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
【0078】
電荷輸送層層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷輸送層の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
【0079】
次に、単層型感光層について説明する。
単層型感光層は、例えば、電荷発生材料と、結着樹脂と、フッ素樹脂粒子と、を含んで構成され、必要に応じて電荷輸送性材料を含む。電荷発生材料、結着樹脂、フッ素樹脂粒子、及び電荷輸送性材料については上記と同様であるため説明を省略する。
【0080】
単層型感光層中の電荷発生材料の含有量は、10質量%以上85質量%以下程度、望ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、電荷輸送材料の含有量は5質量%以上50質量%以下とすることが望ましい。
単層型感光層の膜厚は5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのがさらに望ましい。
【0081】
なお、上記感光層を構成する各層中には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を含んでもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
【0082】
また、感感光層を構成する各層には、少なくとも1種の電子受容性物質を含んでもよい。電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に望ましい。
【0083】
なお、電子写真感光体10は、感光層上に別途保護層を設けた形態であってもよく、本形態の場合、当該保護層が最表面層に相当し、フッ素樹脂粒子を含有して構成される。保護層は、フッ素樹脂粒子のほかに、導電性材料や結着樹脂を含んでもよい。
【0084】
導電性材料としては、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の単体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したもの等が挙げられる。
【0085】
保護層に使用する結着樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用してもよい。
【0086】
保護層の膜厚は、例えば、1μm以上20μm以下の範囲が挙げられ、好ましくは2μm以上10μm以下の範囲が挙げられる。
保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、例えば、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
【0087】
(帯電装置)
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。また、帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
【0088】
(露光装置)
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザーの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザーや青色レーザーとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザーも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザー光源も有効である。
【0089】
(現像装置)
現像装置40は、例えば、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置されており、例えば、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容する現像容器41(現像装置本体)と、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47と、を有している。現像容器41は、現像容器本体41Aとその上端を塞ぐ現像容器カバー41Bとを有している。
【0090】
現像容器本体41Aは、例えば、その内側に、現像ロール42を収容する現像ロール室42Aを有しており、現像ロール室42Aに隣接して、第1攪拌室43Aと第1攪拌室43Aに隣接する第2攪拌室44Aとを有している。また、現像ロール室42A内には、例えば、現像容器カバー41Bが現像容器本体41Aに装着された時に現像ロール42表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材45が設けられている。
【0091】
第1攪拌室43Aと第2攪拌室44Aとの間は例えば仕切り壁41Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aは仕切り壁41Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部に開口部が設けられて通じており、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aによって循環攪拌室(43A+44A)を構成している。
【0092】
そして、現像ロール室42Aには、電子写真感光体10と対向するように現像ロール42が配置されている。現像ロール42は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室43Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール42の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール42はそのロール軸が現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール42と電子写真感光体10とは、同方向に回転し、対向部において、現像ロール42の表面上に吸着された現像剤は、電子写真感光体10の進行方向とは逆方向から現像領域に搬送するようにしている。
【0093】
また、現像ロール42のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、現像バイアスが印加されるようになっている(本実施形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(AC)に交流成分(DC)を重畳したバイアスを印加)。
【0094】
第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材43(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材44(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材43は、現像ロール42の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材44も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材43及び第2攪拌部材44は、その回転によって、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
【0095】
そして、第2攪拌室44Aの長手方向一端側には、補給用トナー及び補給用キャリアを含む補給用現像剤を第2攪拌室44Aへ供給するための補給搬送路46の一端が連結されており、補給搬送路46の他端には、補給用現像剤を収容している補給用現像剤収納容器47が連結されている。
【0096】
このように現像装置40は、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47から補給搬送路46を経て補給用現像剤を現像装置40(第2攪拌室44A)へ供給する。
【0097】
(転写装置)
一次転写装置51、及び二次転写装置52としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
【0098】
中間転写体50としては、導電剤を含んだポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外に円筒状のものが用いられる。
【0099】
次に、現像装置40に使用される現像剤について説明する。
現像剤は、トナーからなる一成分系現像剤、又はトナーとキャリアを含む二成分系現像剤が挙げられる。
【0100】
トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤等の他の添加剤を含むトナー粒子と、必要に応じて外添剤と、を含んで構成される。但し、トナーは、上述のように、外添剤として潤滑剤成分(例えば、ステアリン酸金属塩、フッ素樹脂粒子等)を含まない、又は含んでも少量(例えばトナー粒子に対して0.1質量%以上1.0質量%以下)であることがよい。
【0101】
トナー粒子は、平均形状係数((ML/A)×(π/4)×100で表される形状係数の個数平均、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることがさらに望ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が3μm以上12μm以下であることが望ましく、3.5μm以上10μm以下であることがより望ましく、4μm以上9μm以下であることがさらに望ましい。
【0102】
トナー粒子は、特に製造方法により限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナー粒子が使用される。
【0103】
また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法等、公知の方法が使用される。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
【0104】
そして、トナーは、上記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
【0105】
一方、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉又はそれ等の表面に樹脂を被覆したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、特に制限はなく、周知の範囲で設定される。
【0106】
(クリーニング装置)
クリーニング装置70は、筐体71と、筐体71から突出するように配設されるクリーニングブレード72を含んで構成されている。クリーニングブレード72は、電子写真感光体10の回転軸に沿った方向に延びた板状のものであって、電子写真感光体10における除電装置60によって除電される位置より電子写真感光体10の回転方向(矢印a)の下流側に、先端部(以下、エッジ部という)が圧力を掛けつつ接触されるように設けられている。
【0107】
クリーニングブレード72は、電子写真感光体10が矢印a方向に回転することによって、一次転写装置51により記録紙Pに転写されずに電子写真感光体10上に残った未転写残留トナーと共に、電子写真感光体10の表面(最表面層)を削り取る。そのとき、クリーニングブレード72の電子写真感光体10に接触した表面も削られる。そのため、画像形成装置の作動前には電子写真感光体10及びクリーニングブレード72の表面にフッ素樹脂粒子が露出していない場合でも、画像形成装置の作動により電子写真感光体10及びクリーニングブレード72の表面が削られ、フッ素樹脂粒子が露出する。
【0108】
クリーニング装置70は、筐体71内の底部に搬送部材73が配設されている。そして、筐体71における搬送部材73の搬送方向下流側にはクリーニングブレード72により除去されたトナー(現像剤)を現像装置40へ供給するための供給搬送管74の一端が連結されている。そして、供給搬送管74の他端は補給搬送路46へ合流するように連結されている。
なお、クリーニング装置70は、クリーニングブレード72を備えたものであれば限定されず、例えば、クリーニングブレード72の先端にクリーニングブラシを備えた形態であってもよい。
【0109】
以下、クリーニングブレード72について説明する。
クリーニングブレード72は、最表面層にフッ素樹脂粒子を含む。またクリーニングブレード72は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
クリーニングブレード72が単層構造である場合、クリーニングブレード72を構成するフッ素樹脂粒子以外の材料(以下、「ブレード構成材料」と称する場合がある)としては、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0110】
単層構造のクリーニングブレード72においては、上記ブレード構成材料中にフッ素樹脂粒子が満遍なく分散されていてもよく、フッ素樹脂粒子が偏在していてもよい。
フッ素樹脂粒子の存在形態としては、画像形成装置を作動させる前の状態において表面に露出した形態(以下、そのような形態で存在するフッ素樹脂粒子を「露出粒子」と称する場合がある)と、画像形成装置を作動させる前の状態において表面に露出していない形態(以下、そのような形態で存在するフッ素樹脂粒子を「非露出粒子」と称する場合がある)が挙げられる。
そしてクリーニングブレード72は、露出粒子及び非露出粒子が混在していてもよく、露出粒子のみ存在していてもよく、非露出粒子のみが存在していてもよい。ただし、非露出粒子のみ存在する場合においては、画像形成装置の作動によりクリーニングブレード72の表面が削れたときには、少なくとも非露出粒子の一部が露出するように、クリーニングブレード72中にフッ素樹脂粒子が含まれている。また、フッ素樹脂粒子による効果の持続の観点からは、非露出粒子が存在していることが好ましい。
【0111】
非露出粒子を含む単層構造のクリーニングブレード72を製造する方法としては、例えば、上記ブレード構成材料の前駆体組成物にフッ素樹脂粒子を添加した原料を用いて、遠心成形法、金型成形法等により板状の成形体を作製する方法が挙げられる。
具体的には、例えばブレード構成材料としてポリウレタン(ウレタンゴム)を用いる場合、ポリウレタンの原料であるポリオールおよびポリイソシアネートにフッ素樹脂粒子を添加し、混合して分散させた後、これを重合及び成型する方法等が挙げられる。
また露出粒子を含む単層構造のクリーニングブレード72を製造する方法としては、例えば、上記ブレード構成材料の前駆体組成物を用いて板状の成形体を作製した後、フッ素樹脂粒子を含有する溶液を成形体の表面に塗布して乾燥させる方法等が挙げられる。
【0112】
一方、多層構造のクリーニングブレード72としては、例えば、上記ブレード構成材料により構成された板状のブレード基体の表面に、フッ素樹脂粒子を含んだ表面層を形成したもの等が挙げられる。その場合、ブレード基体にもフッ素樹脂粒子が含まれていてもよい。
なお、多層構造のクリーニングブレード72の表面層に含まれるフッ素樹脂粒子についても、上記単層構造の場合と同様に、露出粒子及び非露出粒子が混在していてもよく、露出粒子のみ存在していてもよく、非露出粒子のみが存在していてもよい。
【0113】
非露出粒子を含む表面層を形成する方法としては、例えば、表面層を構成する材料(例えば樹脂等)又はその前駆体の溶液にフッ素樹脂粒子を添加したもの、ブレード基体の表面に塗布して乾燥させる方法等が挙げられる。露出粒子を含む表面層を形成する方法としては、例えば上記単層構造の場合と同様に、表面層を形成した後にフッ素樹脂粒子を含有する溶液を表面層の表面に塗布して乾燥させる。
【0114】
(供給搬送管)
供給搬送管74は、クリーニング装置70により除去されたトナーを現像装置40へ供給して、当該トナーを再利用させるものである。つまり、クリーニング装置70における筐体71の底部に設けられた搬送部材73の回転に伴い、供給搬送管74を通じて未転写残留のトナーを現像装置40(第2攪拌室44A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)と供給して再利用させる。
【0115】
供給搬送管74の内部には、搬送スクリューが設けられ、搬送スクリューの回転によりクリーニング装置70により回収したトナーを搬送する。
なお、本実施形態に係る画像形成装置101では、クリーニング装置70により除去されたトナーを、供給搬送管74により現像装置40における現像剤を収容する現像容器41(現像装置本体)に供給する形態を説明するが、これに限られず、現像装置40における補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47に供給する形態や、供給搬送管74の代わりに搬送コンベアを適用した形態であってもよい。
【0116】
次に、本実施形態に係る画像形成装置101の動作について説明する。まず、電子写真感光体10が矢印aで示される方向に沿って回転すると同時に、帯電装置20により負に帯電する。
【0117】
帯電装置20によって表面が負に帯電した電子写真感光体10は、露光装置30により露光され、表面に潜像が形成される。
【0118】
電子写真感光体10における前記潜像の形成された部分が現像装置40に近づくと、現像装置40(現像ロール42)により、前記潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
【0119】
トナー像が形成された電子写真感光体10が矢印aに方向にさらに回転すると、トナー像は中間転写体50の外側の面に転写する。
【0120】
トナー像が中間転写体50に転写されたら、記録紙供給装置53により、二次転写装置52に記録紙Pが供給され、中間転写体50に転写されたトナー像が二次転写装置52により、記録紙P上に転写される。これにより、記録紙Pにトナー像が形成される。
【0121】
画像が形成された記録紙Pは、定着装置80でトナー像が定着される。
【0122】
ここで、トナー像が中間転写体50に転写された後、電子写真感光体10は、転写後、除電装置60により除電され、クリーニング装置70のクリーニングブレード72により、表面に残ったトナーが除去されると共に、電子写真感光体の表面(最表面層)を削り取る。そして、クリーニング装置70において、転写残のトナーが除去された電子写真感光体10は、帯電装置20により、再び帯電せられ、露光装置30において露光されて潜像が形成される。
一方、クリーニング装置70により除去されたトナーは、供給搬送管74により現像装置40中の現像剤に供給される。
【0123】
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、例えば、図2に示すように、筐体11内に、電子写真感光体10、帯電装置20、現像装置40、除電装置60、クリーニング装置70、供給搬送管74を一体に収容させたプロセスカートリッジ101Aを備えた形態であってもよい。このプロセスカートリッジ101Aは、複数の部材を一体的に収容し、画像形成装置101に脱着させるものである。なお、図2に示す画像形成装置101では、現像装置40には、補給用現像剤収納容器47を設けない形態が示されている。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、これに限られず、例えば、少なくとも、電子写真感光体10と現像装置40とクリーニング装置70と供給搬送管74とを備えてえればよく、その他、例えば、帯電装置20、露光装置30、及び一次転写装置51から選択される少なくとも一つを備えていてもよい。
【0124】
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、電子写真感光体10に形成したトナー像を直接、記録紙Pに転写する方式を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。
【実施例】
【0125】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、「部」とは「質量部」を意味する。
【0126】
<現像剤の作製>
(トナー粒子の作製)
− 樹脂粒子分散液の調整−
・スチレン:370質量部
・n−ブチルアクリレート:30質量部
・アクリル酸:8質量部
・ドデカンチオール:24質量部
・四臭化炭素:4質量部
前記化合物を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃ になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=12000の樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を調製した。
【0127】
−着色剤分散液の調製−
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製):60質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):6質量部
・イオン交換水:240質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤を調製した。
【0128】
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃):100質量部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5質量部
・イオン交換水:240質量部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が520nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
【0129】
−トナー粒子の作製−
・前記樹脂粒子分散液:234質量部
・前記着色剤分散液:30質量部
・前記離型剤分散液:40質量部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.5質量部
・イオン交換水:600質量部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で30分保持した後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、凝集粒子を生成した。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26質量部の樹脂粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液に、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃ まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子を得た。
【0130】
(外添トナーの作製)
前記トナー粒子100質量部に、平均粒径12nmのシリカ粒子を0.5質量部、平均粒径40nmのシリカ粒子を1.0質量部添加し、20Lのヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽先端周速55m /sで20分間ブレンドを行い、トナー粒子表面面積に対して25cov%外添した。そして、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを作製した。
【0131】
(キャリアの作製)
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト粒子100質量部に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1質量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60) をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体の被覆量が0.5%となるようにキャリアを製造した。
【0132】
(現像剤の作製)
得られたキャリア100質量部に対して、外添トナーを5質量部混合し、現像剤を作製した。
【0133】
<感光体の作製>
(感光体1の作製)
酸化亜鉛:(平均粒径70nm:テイカ社製)100部をトルエン450部メタノール50部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25部を添加し、サンドグラインダーミルにて1時間分散した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行ったのち室温(25℃)まで冷却し、解砕して表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理酸化亜鉛33部、ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)6部及びメチルエチルケトン25部を30分間混合した後、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)5部、シリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)3部及びレベリング剤(シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部を上記の混合液に添加し、サンドミルにて2時間の分散処理を行い、下引き層用塗布液を得た。
この塗布液をφ30mm、L340mmのアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、180℃、40分乾燥硬化することにより、膜厚19μmの下引層を形成した。
【0134】
次に、電荷発生材料として、Cu−kα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用い、その15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部及びn−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン20部とN,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン20部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60部とをテトロヒドロフラン280部及びトルエン120部に溶解混合した後、PTFE粒子(体積平均粒径:0.11μm)8部とフッ素含有グラフトポリマー0.3部を加え、さらに混合した後、高圧ホモジナイザーを用いて分散し、PTFE粒子分散液を作製した。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚37μmの電荷輸送層を形成した。
【0135】
(感光体2の作製)
電荷輸送層の形成において、PTFE粒子として体積平均粒径0.08μmのものを用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体2を得た。
【0136】
(感光体3の作製)
電荷輸送層の形成において、PTFE粒子として体積平均粒径0.14μmのものを用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体3を得た。
【0137】
(感光体4の作製)
電荷輸送層の形成において、PTFE粒子の代わりに、ポリフッ化ビニリデン樹脂粒子(体積平均粒径:0.12μm)8部を用いた以外は、感光体1と同様の手法で感光体4を得た。
【0138】
(感光体5の作製)
電荷輸送層にPTFE粒子及びフッ素含有グラフトポリマーを含有させないこと以外は、感光体1と同様の手法で感光体5を得た。
【0139】
<クリーニングブレードの作製>
(ブレード1の作製)
商品名サイアナブレンA−7(日本サイアナミツド社製ポリウレタン)100部に、PTFE粒子(体積平均粒径:0.11μm)50部と、消泡剤0.05部とを添加し、充分真空脱泡した後、この中に120℃に加温されている架橋剤を添加し、真空脱泡したものを、クリーニングブレード用金型内に注入する。ついで100℃、80分一次加硫を行い、上記金型から取り出した後、100℃、24時間二次加硫を行い、その後室温(25℃)で1日以上熟成させてブレード1を作製した。
【0140】
(ブレード2の作製)
PTFE粒子として、体積平均粒径0.08μmのものを用いた以外は、ブレード1と同様の手法でブレード2を得た。
【0141】
(ブレード3の作製)
PTFE粒子として、体積平均粒径0.14μmのものを用いた以外は、ブレード1と同様の手法でブレード3を得た。
【0142】
(ブレード4の作製)
商品名サイアナブレンA−7(日本サイアナミツド社製ポリウレタン)100部に消泡剤0.05部を添加し、充分真空脱泡した後、この中に120℃に加温されている架橋剤を添加し、真空脱泡したものを、クリーニングブレード用金型内に注入する。ついで100℃、80分一次加硫を行い、上記金型から取り出した後、100℃、24時間二次加硫を行い、その後室温(25℃)で1日以上熟成させてブレード基体を作製した。
PTFE粒子(体積平均粒径:0.11μm)50部をイソプロピルアルコール50部に添加し、60分間超音波にて分散させてPTFE粒子分散液を調整した。上記ブレード基体の表面にPTFE粒子分散液を塗布し、乾燥させてブレード4を作製した。
【0143】
(ブレード5の作製)
PTFE粒子の代わりに、ポリフッ化ビニリデン樹脂粒子(体積平均粒径:0.12μm)50部を用いた以外は、ブレード1と同様の手法でブレード5を得た。
【0144】
(ブレード6の作製)
PTFE粒子を含有させないこと以外は、ブレード1と同様の手法でブレード6を得た。
【0145】
<実施例>
富士ゼロックス社製DocuCentre III 3000を使用し、表1に示す感光体及びブレードを搭載し、上記現像剤を用いて50,000枚の画像形成を行った。具体的には、22℃/55%RH環境下で画像面積5%のプリントを印字し、トナー帯電量・ベタ黒濃度・白紙部のカブリの評価を行った。
【0146】
−トナー帯電量の評価−
画像形成を行う前、及び50,000枚画像形成後において、現像装置の現像スリーブより現像剤を0.5g採取し、東芝社製TB200にてブローオフ法により帯電量の測定を行った。結果を表1に示す。
【0147】
−ベタ黒濃度の評価−
50,000枚の形成した画像のうち、1枚目の画像と50,000枚目の画像について、ベタ黒画像部の画像濃度を、画像濃度計(X−Rite404A:X−Rite社製)を用いて10点測定し、その平均値を画像濃度とした。結果を表1に示す。
【0148】
−白色部のカブリの評価−
50,000枚の形成した画像のうち、1枚目の画像と50,000枚目の画像について、白色部の画像濃度を、画像濃度計(X−Rite404A:X−Rite社製)を用いて10点測定した平均値と、評価に用いたものと同種の紙について同様に画像濃度を10点測定した結果の平均値との差をかぶりトナーによる画像濃度とした。結果を表1に示す。
【0149】
【表1】

【0150】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、像保持体の表面に残存したトナーをクリーニングブレードに除去することによるトナーの帯電性の低下及び帯電性分布の広がりが抑制されていることがわかる。
【符号の説明】
【0151】
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、6 単層型感光層、10 電子写真感光体、10A 電子写真感光体、10B 電子写真感光体、20 帯電装置、30 露光装置、40 現像装置、41 現像容器、41A 現像容器本体、41B 現像容器カバー、41C 壁、42 現像ロール、42A 現像ロール室、43 攪拌部材、43A 攪拌室、44 攪拌部材、44A 攪拌室、45 層厚規制部材、46 補給搬送路、47 補給用現像剤収納容器、50 中間転写体、50A 支持ローラ、50B 支持ローラ、50C 背面ローラ、50D 駆動ローラ、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 記録紙供給装置、53A 搬送ローラ、53B 誘導スロープ、54 中間転写体クリーニング装置、60 除電装置、70 クリーニング装置、71 筐体、72 クリーニングブレード、73 搬送部材、74 供給搬送管、80 定着装置、81 定着ローラ、82 搬送コンベア、101 画像形成装置、101A プロセスカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、
第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにより、前記トナー像の転写後に前記像保持体の表面に残存した前記トナーを除去するトナー除去手段と、
前記トナー除去手段により除去された前記トナーを前記トナー像形成手段に搬送するトナー搬送手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のフッ素樹脂粒子の樹脂種と前記第2のフッ素樹脂粒子の樹脂種とが同種である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のフッ素樹脂粒子と前記第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径は、前記第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径の0.7倍以上1.4倍以下である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
第1のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有する像保持体と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、
第2のフッ素樹脂粒子を含有する最表面層を有するクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにより、前記像保持体の表面に形成されたトナー像が前記像保持体の表面から被転写体の表面に転写された後に前記像保持体の表面に残存した前記トナーを除去するトナー除去手段と、
前記トナー除去手段により除去された前記トナーを前記トナー像形成手段に搬送するトナー搬送手段と、
を備えたプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記第1のフッ素樹脂粒子の樹脂種と前記第2のフッ素樹脂粒子の樹脂種とが同種である請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記第1のフッ素樹脂粒子と前記第2のフッ素樹脂粒子とが、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記第1のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径は、前記第2のフッ素樹脂粒子の体積平均粒径の0.7倍以上1.4倍以下である請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−186308(P2011−186308A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53177(P2010−53177)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】