画像形成装置、外れ防止部材及び外れ防止構造
【課題】 画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体から外れてしまうことを防止することが可能な技術を提供する。
【解決手段】 画像形成装置1の輸送時には、ベルトユニット27と対向部9Aとの間に外れ防止部材40を装着してベルトユニット27を押さえる。これにより、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット27が装置本体から外れてしまったり、その加振力によりベルトフレーム27Cに亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。したがって、画像形成装置1の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを防止できる。
【解決手段】 画像形成装置1の輸送時には、ベルトユニット27と対向部9Aとの間に外れ防止部材40を装着してベルトユニット27を押さえる。これにより、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット27が装置本体から外れてしまったり、その加振力によりベルトフレーム27Cに亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。したがって、画像形成装置1の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ベルトユニットの外れ防止部材、及びベルトユニットの外れ防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
転写ユニット等の画像形成装置用のベルトユニットは、一対のローラを保持するフレーム、及びこれら一対のローラ間に架け渡された無端ベルト等から構成されており、通常、このベルトユニットは、本体フレーム等の装置本体に対して着脱自在に組み付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−101728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の発明では、本体フレームの側面から内方側に突出した支持部(特許文献1の図6参照)と、転写ユニットのフレームから幅方向に突出させた被支持部(特許文献1の図1参照)とを係合するロック機構を設け、転写ユニット(ベルトユニット)を本体フレーム(装置本体)に対して組み付け固定しているので、ロック機構、つまり被支持部及び支持部の存在により、外形寸法(特に、幅寸法)の大型化を招いてしまう。
【0005】
これに対して、ロック機構を小型にすれば、外形寸法の大型化を抑制することができるものの、ロック機構を小型にすると、ベルトユニットを装置本体に固定するための固定力が小さくなってしまうので、画像形成装置を輸送する際に画像形成装置に作用する加振力により、ベルトユニットが装置本体から外れてしまうおそれがある。
【0006】
一方、画像形成装置の使用時においては、画像形成装置には加振力が作用しないので、輸送時の加振力に耐え得る大きな固定力を発揮するロック機構は不要であり、かつ、ロック機構を大きな固定力を発揮するものとすると、ロック機構が大型化してしまうので、画像形成装置の大型化を招いてしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体から外れてしまうことを防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)と、ベルトユニット(27)が着脱自在に装着された装置本体(2、3)のうち、無端ベルト(27D)の展張部(27E)と対向する部位に設定された対向部(9A)と、ベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に対して固定するロック機構(31A、31B)と、輸送時にベルトユニット(27)と対向部(9A)との間に装着され、ベルトユニット(27)と対向部(9A)とに接触する外れ防止部材(40)とを備え、外れ防止部材(40)は、ベルトユニット(27)に接触する押さえ部(43)、及び押さえ部(43)から対向部(9A)側に伸張してその先端部が対向部(9A)に接触する支柱部(41)を有して構成されていることを特徴とする。
【0009】
なお、「無端ベルト(27D)の展張部(27E)」とは、無端ベルト(27D)のうち張力が作用することにより平面状に緊張した部分をいい、具体的には、無端ベルト(27D)のうち一対のローラ(27A、27B)間に形成される平面部をいう。
【0010】
また、「展張方向」とは、展張部(27E)に作用する張力の方向、つまり一対のローラ(27A、27B)のうち一方のローラから他方のローラに向かう方向をいう。
以上により、請求項1に記載の発明では、画像形成装置の輸送時には、ベルトユニット(27)と対向部(9A)との間に装着された外れ防止部材(40)によりベルトユニット(27)が押さえられるので、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット(27)が装置本体(2、3)から外れてしまったり、その加振力によりフレーム(27C)に亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。
【0011】
また、非輸送時(使用時)においては、前述のごとく、ロック機構(31A、31B)にて大きな固定力を発揮させる必要がないので、非輸送時には外れ防止部材(40)を装置本体(2、3)から取り外しても十分な固定力を得ることができ、ロック機構(31A、31B)の大型化を抑制できる。
【0012】
したがって、請求項1に記載の発明では、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明では、押さえ部(43)は、展張部(27E)に接触することを特徴としているので、比較的大きな面積で押さえ部(43)とベルトユニット(27)とを接触させることが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、装置本体(2、3)のうち展張部(27E)に対向する部位には開口部(7A)が設けられ、かつ、開口部(7A)を閉塞する位置と開口部(7A)を開放する位置との間で変位可能な開閉カバー(9)が設けられており、さらに、開閉カバー(9)に対向部(9A)が設定されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、請求項3に記載の発明では、開閉カバー(9)を閉じることにより外れ防止部材(40)をベルトユニット(27)に押し付けることができ、逆に、開閉カバー(9)を開くことにより外れ防止部材(40)によるベルトユニット(27)の押圧を開放することができるので、外れ防止部材(40)の脱着作業性を向上させることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明では、装置本体(2、3)のうち展張部(27E)と対向部(9A)との間に設けられ、現像剤像が担持される感光体(13)を有するプロセスカートリッジ(11)が収納される収納空間(7)と、ベルトユニット(27)のうち展張部(27E)を挟んで収納空間(7)と反対側に配設され、感光体(13)に担持された現像剤像を転写させる転写部材(17)と、フレーム(27C)に組み付けられ、展張部(27E)と交差する方向に転写部材(17)を変位可能に弾性支持する弾性部材(17B)とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項4に記載の発明では、展張部(27E)と対向部(9A)との間の寸法、及び外れ防止部材(40)の寸法にバラツキが発生した場合であっても、弾性部材(17B)の弾性変形(弾性力)を利用して、そのバラツキを吸収することができるので、外れ防止部材(40)と展張部(27E)及び対向部(9A)とを確実に接触させることができる。
【0017】
したがって、輸送時の加振力により外れ防止部材(40)がベルトユニット(27)に対してずれてしまうことを防止できるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0018】
ところで、請求項4に記載の発明では、押さえ部(43)は展張部(27E)に接触してベルトユニット(27)を押さえているので、輸送時の加振力により押さえ部(43)が展張部(27E)に対して振動変位すると、展張部(27E)のうち転写部材(17)に対応する部位にて擦り傷状の損傷が発生するおそれが非常に高い。
【0019】
これに対して、請求項5に記載の発明では、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は転写部材(17)に対応する部位から展張方向(D1)にずれた部位に位置していることを特徴としているので、展張部(27E)と押さえ部(43)との接触圧力が比較的に大きくなる部位が、損傷の発生率が高い部位からずれた部位となる。このため、展張部(27E)、つまり無端ベルト(27D)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明では、転写部材(17)は、展張方向(D1)に離散して複数設けられており、さらに、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は隣り合う転写部材(17)間に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0021】
これにより、請求項6に記載の発明においても、請求項5に記載の発明と同様に、無端ベルト(27D)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
また、請求項7に記載の発明では、ベルトユニット(27)に設けられ、ロック機構(31A、31B)の少なくとも一部を構成するとともにベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に係合する第1係合部(31A)と、ベルトユニット(27)のうち第1係合部(31A)に対して展張方向(D1)にずれた部位に設けられ、ロック機構(31A、31B)の少なくとも一部を構成するとともにベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に係合する第2係合部(31B)とを備え、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は第1係合部(31A)と第2係合部(31B)との間に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項7に記載の発明では、外れ防止部材(40)によりベルトユニット(27)を効果的に押さえることができるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを効果的に防止できる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明では、押さえ部(43)のうちベルトユニット(27)と接触する部位は、平面状に構成されていることを特徴とする。
これにより、請求項8に記載の発明では、外れ防止部材(40)による押圧力がベルトユニット(27)全体に作用するので、輸送時にベルトユニット(27)に無用な応力集中が発生してしまうことを防止できる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明では、押さえ部(43)のうち転写部材(17)に対応する部位の少なくとも一部には、その他の部位に比べて接触面圧を小さくするための逃げ部(45)が設けられていることを特徴とする。
【0025】
これにより、請求項9に記載の発明では、押さえ部(43)により展張部(27E)を押さえながら、擦り傷状の損傷が無端ベルト(27D)に発生してしまうことを防止できる。
【0026】
また、請求項10に記載の発明では、装置本体(2、3)には、無端ベルト(27D)の表面に形成されるパッチ画像(G1)を読み取る読取センサ(35)が備えられており、さらに、外れ防止部材(40)の装着時において、逃げ部(45)は、押さえ部(43)のうち転写部材(17)に対応する部位であって、パッチ画像(G1)が形成される位置に対応する部位に設けられていることを特徴とする。
【0027】
これにより、請求項10に記載の発明では、無端ベルト(27D)のうちパッチ画像(G1)が形成される位置に損傷が発生してしまうことを防止できるので、この損傷を原因とする読取センサ(35)の誤検出を抑制できる。
【0028】
また、請求項11に記載の発明では、 押さえ部(43)には、ベルトユニット(27)に対して外れ防止部材(40)が変位することを規制する規制部(47A、47B)が設けられていることを特徴としているので、外れ防止部材(40)を適切な位置に位置決めした状態で装着することができ、外れ防止部材(40)を適切に機能させることができる。
【0029】
また、請求項12に記載の発明では、装置本体(2、3)に設けられ、無端ベルト(27D)に付着した付着物を除去するベルトクリーナ(33A)と、フレーム(27C)に組み付けられ、無端ベルト(27D)をベルトクリーナ(33A)側に押さえ付けるバックアップ部材(33C)とを備え、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)はバックアップ部材(33C)に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0030】
ところで、請求項12に記載の発明では、バックアップ部材(33C)が設けられているので、輸送時には、比較的に質量の大きいバックアップ部材(33C)に大きな慣性力(加振力)が発生し、バックアップ部材(33C)が組み付けられた部位にてフレーム(27C)が損傷してしまう可能性がある。
【0031】
これに対して、請求項12に記載の発明では、外れ防止部材(40)の装着時においては、支柱部(41)はバックアップ部材(33C)に対応する部位に位置しているので、バックアップ部材(33C)が大きく振動してしまうことを防止できる。したがって、バックアップ部材(33C)に大きな慣性力(加振力)が発生してしまうことを抑制できるので、輸送時にフレーム(27C)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0032】
なお、請求項13に記載の発明では、複数個の発光ダイオードがローラ(27A、27B)の軸方向と平行な方向に配置されたLEDアレイからなる露光器(15)を複数備えており、開閉カバー(9)は、装置本体(2、3)の上面部に揺動可能に設けられ、複数の露光器(15)は、開閉カバー(9)に組み付けられているとともに、開閉カバー(9)が閉じられた状態において、展張方向(D1)に離散して設けられており、さらに、外れ防止部材(40)に装着され、かつ、開閉カバー(9)が閉じられた状態において、支柱部(41)は隣り合う露光器(15)間に対応する部位に位置していることを特徴とするものである。
【0033】
また、請求項14に記載の発明では、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)を備える画像形成装置に適用され、ベルトユニット(27)が装置本体(2、3)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材であって、装置本体(2、3)のうち無端ベルト(27D)の展張部(27E)と対向する部位に設定された対向部(9A)に接触する接触部(41B)を有し、この接触部(41B)から突出して伸張する支柱部(41)と、支柱部(41)に設けられ、ベルトユニット(27)のうち対向部(9A)側の部位(27E)に接触する押さえ部(43)とを備えることを特徴とする。
【0034】
これにより、請求項14に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様に、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
【0035】
また、請求項15に記載の発明では、少なくとも、押さえ部(43)のベルトユニット(27)側を覆う覆い部材(59)が設けられていることを特徴とするので、輸送時に作用する加振力により押さえ部(43)とベルトユニット(27)とが擦れ合っても、押さえ部(43)から摩耗粉等が発生し、それらが画像形成装置内に飛散しまうことを防止できる。
【0036】
なお、摩耗粉等とは、押さえ部(43)が擦られることにより発生する粉体状の異物をいい、例えば、押さえ部(43)が発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて形成されている場合には、摩耗粉等が発生し易い。
【0037】
また、請求項16に記載の発明では、所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材(50)を折り曲げることより、支柱部(41)及び押さえ部(43)が一体形成されており、さらに、押さえ部(43)のうち支柱部(41)に対応する部位及びその周囲のうち少なくとも一方には、板状部材(50)の一部が支柱部(41)の伸張方向に重なった重畳部(49)が設けられていることを特徴とする。
【0038】
これにより、請求項16に記載の発明では、外れ防止部材(40)を容易、かつ、安価に製造することができるとともに、押さえ部(43)のうち支柱部(41)からの押圧力が作用する部位が重畳部(49)となって剛性が高くなり、支柱部(41)からの押圧力を確実に押さえ部(43)に伝えることができるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを確実に防止することができる。
【0039】
また、請求項17に記載の発明では、押さえ部(43)には、ベルトユニット(27)に接触することにより、ベルトユニット(27)に対して変位することを規制する規制部(47B)が設けられており、さらに、規制部(47B)のうちベルトユニット(27)と接触する部位(47C)は、カッティング成形時の切断面にて構成されていることを特徴とする。
【0040】
これにより、請求項17に記載の発明では、規制部(47B)のうちベルトユニット(27)と接触する部位(47C)の寸法バラツキは、カッティング成形時の寸法バラツキと同じとなるので、板状部材(50)を折り曲げてベルトユニット(27)と接触する部位を構成する場合に比べて、寸法バラツキを小さくすることができ、確実に規制部(47B)をベルトユニット(27)に接触させることができる。
【0041】
また、請求項18に記載の発明では、押さえ部(43)の一部が切り起こされて支柱部(41)を補強する補強部(41A)が形成されていることを特徴とするので、簡素な構成にて支柱部(41)の剛性を高めることができる。
【0042】
また、請求項19に記載の発明では、押さえ部(43)には、開口部(45)が形成されていることを特徴とする。
これにより、請求項19に記載の発明では、開口部(45)が上記逃げ部となるように外れ防止部材(40)を画像形成装置に装着すれば、逃げ部(45)を設けた上記発明と同様な効果を得ることができる。
【0043】
また、請求項20に記載の発明では、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)と、ベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に対して固定するロック機構(31A、31B)とを備える画像形成装置に適用され、ベルトユニット(27)が装置本体(2、3)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止構造であって、装置本体(2、3)のうち無端ベルト(27D)の展張部(27E)に対向する部位に設定された対向部(9A)とベルトユニット(27)との間に配設され、ベルトユニット(27)と対向部(9A)とに接触する外れ防止部材(40)を備え、外れ防止部材(40)は、ベルトユニット(27)のうち対向部(9A)側の部位(27E)に接触する押さえ部(43)、及び押さえ部(43)から対向部(9A)側に伸張してその先端部が対向部(9A)に接触する支柱部(41)を有して構成されていることを特徴とする。
【0044】
これにより、請求項20に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様に、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
【0045】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置においてトップカバー9を開いた状態を示す図である。なお、本図では、プロセスカートリッジ11が取り外されている。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の使用可能時における中央断面を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図であって、ベルトユニット27を取り外す状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の側面図である。
【図6】図7のA−A断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の上面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図であって、本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を装着した状態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の上面図であって、本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を装着した状態を示す図である。
【図10】(a)本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の斜視図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を展張部27E側(下面側)から見た斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の展開図である。
【図12】(a)、(b)は本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の折り曲げ工程時の状態を示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の上面図である。
【図14】図13のB−B断面図である。
【図15】図13のC−C断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る外れ防止部材40の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本実施形態は、本願発明を電子写真方式の画像形成装置、この画像形成装置に用いられるベルトユニットの外れ防止部材、及びベルトユニットの外れ防止構造に適用したものであり、以下に本願発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0048】
(第1実施形態)
1.画像形成装置の概略構成
画像形成装置1の外観意匠面を構成する筐体3内には、図1に示すように、後述する画像形成部5(図3参照)を収納するための収納空間7が設けられているとともに、この筐体3の上部に設けられた開口部7Aを開閉するトップカバー9が設けられている。
【0049】
なお、トップカバー9は、開口部7Aを閉塞する位置(図2参照)と開口部7Aを開放する位置(図1参照)との間で揺動することができるように、筐体3及び本体フレーム2等からなる装置本体に組み付けられている。
【0050】
また、画像形成部5は、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形手段である。具体的には、図3に示すように、画像形成部5は、プロセスカートリッジ11、感光ドラム13を露光する露光器15、感光ドラム13に形成された現像剤像を用紙に転写させる転写ローラ17、及び用紙に転写された現像剤像を加熱定着させる定着器19等から構成されている。
【0051】
なお、本実施形態に係る画像形成部5は、複数個(本実施形態では、4個)のプロセスカートリッジ11が用紙の搬送方向に沿って離散的に配設され、かつ、複数種類の現像剤像を直接的に用紙に転写するダイレクトタンデム方式のものである。
【0052】
そして、各プロセスカートリッジ11K〜11Cは、現像剤像が担持される感光ドラム13、感光ドラム13を帯電させる帯電器21、及び転写が終わった感光ドラム13の表面をクリーニングするクリーナ23等から構成されている。
【0053】
なお、各プロセスカートリッジ11K〜11Cは、トップカバー9が開かれたときに、開口部7Aから取り出すことができるように装置本体(本体フレーム2)に着脱可能に組み付けられており、4つのプロセスカートリッジ11は装置本体から取り外されると、後述するベルトユニット27の展張部27Eがトップカバー9の内面側と直接的に対向した状態となる(図8参照)。
【0054】
また、露光器15は、4個の感光ドラム13に対応した位置に設けられた4つの露光器15K〜15Cから構成されており、各露光器15K〜15Cは、多数個のLEDを感光ドラム13の軸方向と平行な方向に配置するとともに、これらのLEDの点滅制御を行うことにより感光ドラム13を露光するLEDアレイからなるものである。
【0055】
なお、各露光器15K〜15Cは、トップカバー9の開閉作動に連動して揺動するようにトップカバー9に組み付けられている。具体的には、トップカバー9が開かれたときには、各露光器15K〜15Cはトップカバー9に近接した状態(図1又は図4参照)となり、一方、トップカバー9が閉じられたときには、各露光器15K〜15Cは、その発光部が各感光ドラム13と対向するような状態(図3参照)となる。
【0056】
また、収納空間7は、図3に示すように、装置本体の一部をなす仕切部材7Bによって定着器19側の空間(以下、定着側空間という。)とプロセスカートリッジ11側の空間(以下、プロセス側空間という。)とに仕切られており、この仕切部材7Bにより定着器19から発せられる熱からプロセスカートリッジ11が保護されている。
【0057】
因みに、仕切部材7Bには、プロセス側空間内の熱気をオゾンフィルタ7Cに導く通気口7Dが設けられており、一方、定着側空間内の熱気は、現像剤フィルタ7Eを通過した後、通気口7Dから流入したプロセス側空間内の熱気と合流してオゾンフィルタ7Cを通過して排気口7Fから筐体3外に排出される。
【0058】
また、給紙カセット25は、画像形成部5に搬送される用紙が積層状態で載置される給紙トレイであり、この給紙カセット25に載置されている用紙は、ピックアップローラ25Aにより搬出された後、分離ローラ25B及び分離パッド25Cにより1枚ずつ分離されてベルトユニット27に搬送される。
【0059】
そして、ベルトユニット27は、図4に示すように、装置本体に着脱可能に装着されているとともに、図3に示すように、回転軸が感光ドラム13の軸方向と平行に配設された一対のローラ27A、27B、これらのローラ27A、27Bを保持するベルトフレーム27C(図5〜図7参照)、及び一対のローラ27A、27B間に架け渡された転写ベルト27Dを有して構成されている。
【0060】
すなわち、転写ベルト27Dは、ベルトユニット27が装置本体に装着された状態において、その展張部27Eが4個のプロセスカートリッジ11(感光ドラム13)と対向した状態で回転しながら用紙を定着器19側に搬送する無端ベルトであり、この展張部27Eを挟んで感光ドラム13(収納空間7)と反対側には、各感光ドラム13と対応するように4個の転写ローラ17が配設されている。
【0061】
なお、「転写ベルト27Dの展張部27E」とは、図6(a)に示すように、転写ベルト27Dのうち張力が作用することにより平面状に緊張した部分をいい、具体的には、転写ベルト27Dのうち一対のローラ27A、27B間に形成される平面部をいう。
【0062】
また、転写ローラ17の軸17Aを回転可能に支持する軸受部17Cは、図6(b)に示すように、コイルバネ17B等の弾性部材を介してベルトフレーム27Cに組み付けられている。このため、転写ローラ17は、コイルバネ17Bにより感光ドラム13側に押圧されるように、展張部27Eと交差する方向(本実施形態では、図6(a)の上下方向)に変位可能な状態で弾性支持された構成となっている。
【0063】
また、ベルトフレーム27Cは、図7に示すように、一対のローラ27A、27Bの長手方向両端側に配設された状態で展張部27Eの展張方向に延びて一対のローラ27A、27Bを回転可能に支持する強度部材であり、このベルトフレーム27Cの展張方向一端側には、ベルトユニット27を着脱する際にユーザがベルトユニット27を把持するための把持部29が設けられている。
【0064】
なお、「展張方向」とは、展張部27Eに作用する張力の方向、つまり、図5に示すように、一対のローラ27A、27Bのうち一方のローラ27Aから他方のローラ27Bに向かう方向D1をいい、本実施形態では、展張方向と転写ベルト27D(ベルトユニット27)により搬送される用紙の搬送方向とは一致する。
【0065】
そして、把持部29は、ベルトフレーム27Cの展張方向端部から展張部27Eに対して傾斜した方向(図5の右斜め上方に向かう方向)に突出する傾斜部29Aが形成されており、この傾斜部29Aの裏面側(ローラ27B側)には、図3に示すように、給紙カセット25から搬送されてきた用紙を展張部27Eに向けて転向させる案内部29Bが設けられている。
【0066】
また、ベルトフレーム27Cのうち展張方向一端側(本実施形態では、把持部29側)には、図5に示すように、ベルトユニット27の一端側を装置本体(本体フレーム2)に対して固定するための係合レバー31Aが設けられ、一方、ベルトフレーム27Cのうち展張方向他端側には、ベルトユニット27の他端側を装置本体(本体フレーム2)に対して固定するための係合突起部31Bが設けられている。
【0067】
すなわち、係合レバー31Aは、略くの字状に屈曲しているとともに、その折曲部31Cにて揺動可能にベルトフレーム27Cに組み付けられている。そして、係合レバー31Aのうちローラ27B側の端部が、本体フレーム2に設けられたボス状の被係合部2A(図4参照)と係合することより、ベルトユニット27の一端側を装置本体に対して固定する。
【0068】
なお、係合レバー31Aのうち傾斜部29A側の端部には、係合レバー31Aを被係合部2A側に変位させる弾性力を係合レバー31Aに作用させるコイルバネ31D等の弾性手段が設けられている。
【0069】
一方、係合突起部31Bは、図3又は図4に示すように、本体フレーム2に設けられた突起状の被係合部2Bと係合することより、ベルトユニット27の他端側を装置本体に対して固定する。このように、本実施形態では、係合レバー31A及び係合突起部31B等によりベルトユニット27を装置本体に対して固定するロック機構が構成されている。
【0070】
なお、被係合部2Bに連なる誘導部2Cは、係合突起部31Bを被係合部2Bに誘導する誘導手段であり、この誘導部2Cは、ベルトユニット27の装着時において、ローラ27Aの回転中心が位置する部位近傍を曲率中心とする曲面状に形成されている。
【0071】
このため、ローラ27A側を中心として、係合レバー31Aと被係合部2Aとが係合するまでベルトユニット27を給紙カセット25側(本実施形態では、下向き)に回転させると(図4参照)、係合突起部31Bが誘導部2Cにより被係合部2Bまで誘導されて係合突起部31Bが被係合部2Bに係合するとともに、ベルトフレーム27Cに設けられた位置決突起(図示せず。)が本体フレーム2に設けられた位置決穴(図示せず。)に填り込み、ベルトユニット27の装着が完了する。
【0072】
また、装置本体(本体フレーム2)のうちベルトユニット27を挟んでプロセスカートリッジ11と反対側には、図3に示すように、転写ベルト27Dに付着した現像剤等の付着物を除去するベルトクリーナユニット33が配設されており、このベルトクリーナユニット33は、転写ベルト27Dに接触して付着物を回収・除去するクリーニングローラ33A及び回収された付着物を貯留する貯留箱33B等を有して構成されている。
【0073】
そして、ベルトユニット27には、転写ベルト27Dをクリーニングローラ33A側に押さえ付けるバックアップローラ33Cが設けられており、このバックアップローラ33Cは、図6(a)に示すように、把持部29側に配設された2本の転写ローラ17間にてベルトフレーム27Cに組み付けられている。
【0074】
因みに、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cには、両者の間に所定の電位差が発生するように電圧が印加されているため、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cは金属部分を有して構成されている。このため、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cそれぞれは、比較的大きな質量を有している。
【0075】
ところで、本実施形態に係る画像形成部5では、複数の現像剤像を重ねる併せることによりカラー画像を形成しているので、経年変化等により重ね合わせ位置がずれた場合や各現像剤像の濃度が変化すると、適切なカラー画像を形成することができない。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、重ね合わせ位置や濃度を補正するための補正モードを有している。
【0076】
すなわち、補正モードでは、図7に示すように、転写ベルト27Dの表面のうち幅方向両端側に所定形状の画像(以下、パッチ画像G1という。)が形成されるとともに、そのパッチ画像G1が光学式の読取センサ35(図3参照)にて読み込まれた後、重ね合わせ位置や濃度等が補正される。
【0077】
因みに、本実施形態に係る画像形成装置1においては、所定枚数の印刷が終了して自動作動する補正モードと、ユーザから明示の指令がされて作動する補正モードとを有している。
【0078】
2.外れ防止部材及び外れ防止構造等について
2.1.概要
工場から画像形成装置1が出荷されるとき等、画像形成装置1の輸送時には、図8に示すように、画像形成装置1は、4個のプロセスカートリッジ11が装置本体(収納空間7)から取り外された状態で梱包箱(図示せず。)に収納されて梱包される。
【0079】
そして、画像形成装置1が梱包されたときには、プロセスカートリッジ11が装着されていた収納空間7には、図8に示すように、ベルトユニット27が装置本体(本体フレーム2)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材40が装着される。
【0080】
なお、取り外されたプロセスカートリッジ11は、袋状のラッピング材にて養生(保護)された状態で、画像形成装置1が収納された梱包箱に同梱されて輸送される。
2.2.外れ防止部材の構成及び外れ防止構造
外れ防止部材40は、その装着時に、収納空間7を挟んでベルトユニット27の展張部27Eと対向する位置(本実施形態では、トップカバー9の内面側)に設定された対向部9Aに接触する支柱部41、及びベルトユニット27の展張部27Eに接触する押さえ部43等を有して構成されている。
【0081】
押さえ部43は展張部27Eに接触する平板(平面)状の部材であり、支柱部41は押さえ部43から対向部9A側に伸張してその先端部が対向部9Aに接触する壁柱状の部材である。そして、支柱部41が対向部9Aと展張部27Eとの間で突っ張った状態で収納空間7に装着されることによりベルトユニット27の外れ(振動)が防止される。
【0082】
また、支柱部41は、外れ防止部材40が装着されたときにおいては、隣り合う転写ローラ17間に対応する部位、つまり転写ローラ17に対応する部位から展張方向にずれた部位に位置するように設定されている。
【0083】
そして、支柱部41のうち対向部9A側(先端側)と接触する接触面41B(図10(a)参照)は、他の部材と干渉しない範囲で対向部9Aの幅方向(画像形成装置1の左右方向)に延び、一方、支柱部41の押さえ部43側(根元側)は、展張部27Eの幅方向(画像形成装置1の左右方向)に延びている。
【0084】
また、本実施形態では、図8に示すように、係合レバー31Aがベルトフレーム27Cの長手方向(展張方向)一端側に設定され、係合突起部31Bがベルトフレーム27Cの長手方向他端側に設定され、かつ、4本の転写ローラ17が一対のローラ27A、27B間に離散的に配置されているので、外れ防止部材40が装着された場合において、支柱部41は、係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置することとなる。
【0085】
そして更に、外れ防止部材40が装着された場合において、支柱部41は、隣り合う露光器15間に対応する部位を貫通するように、対向部9Aから押さえ部43(展張部27E側)に伸張しているとともに、その根元側は、バックアップローラ33Cに対応する部位に位置している。
【0086】
また、押さえ部43のうち展張部27Eに接触する接触面には、図9及び図10(b)に示すように、矩形状の逃げ穴45が設けられており、この逃げ穴45は、転写ローラ17に対応する部位であって、パッチ画像G1が形成される位置に対応する部位(以下、この部位をパッチ形成位置という。)に位置するように設けられている。
【0087】
ここで、逃げ穴45とは、パッチ形成位置における押さえ部43と展張部27Eとの接触面圧を、その他の部位に比べて小さくするための逃げ部を成すものであり、この逃げ穴45は、貫通穴に限られるものではなく、押さえ部43の厚みをその他の部位に比べて薄くした非貫通穴であってもよい。
【0088】
因みに、本実施形態に係る外れ防止部材40(押さえ部43)では、図9に示すように、ローラ27A側のパッチ形成位置では、押さえ部43と展張部27Eとが被接触であるので、逃げ穴45は、図10(b)に示すように、展張方向に沿って幅方向両端側に3つずつ設けられている。
【0089】
また、押さえ部43の端部には、図8に示すように、外れ防止部材40がベルトユニット27に対して展張方向に変位することを防止する規制部47A、47Bが設けられており、規制部47Aは仕切部材7Bに接触して外れ防止部材40が後方側に変位することを規制し、規制部47Bは、把持部29(案内部29Bの端部)に接触して外れ防止部材40が前方側に変位することを規制する。
【0090】
ところで、本実施形態に係る外れ防止部材40は、図11に示すように、所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材50を折り曲げることより、支柱部41、押さえ部43及び規制部47A、47Bが一体形成されている。因みに、本実施形態では、いわゆる「厚紙」を板状部材50としているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0091】
すなわち、図11において、一点鎖線で示した折り線は谷折り箇所であり、二点鎖線で示した折り線は山折り箇所であり、例えば図12(a)→図12(b)の順に各折り線で折り曲げていくと、図13に示すような外れ防止部材40が形成されていく。
【0092】
なお、本実施形態では、折り曲げ形成工程の終了後、接着テープ等の接着手段により各部を結合する接着工程を実施することにより、折り曲げ形成後の外れ防止部材40が展開形状に戻ってしまうことを防止している。
【0093】
また、板状部材50を折り曲げて行く際に、図11に示す部位51〜54は、押さえ部43を構成する部位55に対して支柱部41の伸張方向に重なっていき、図10(a)及び図14等に示すように、押さえ部43のうち支柱部41の根元側に対応する部位の周囲に重畳部49が構成される。
【0094】
また、規制部47A、47Bは、図11に示す部位56A、56Bを折り曲げることにより形成されるが、規制部47Bのうちベルトユニット27(案内部29Bの端部)と接触する部位47C(図14参照)、及び規制部47Aのうち装置本体(仕切部材7B)と接触する部位47D(図14参照)は、折り曲げにより形成された折部(稜線部)ではなく、カッティング成形時の切断面にて構成されている。
【0095】
さらに、押さえ部43を構成する部位55のうち、図11に示す部位57が支柱部41側に切り起こされて、図14及び図15に示すように、中空状の支柱部41を補強する補強部41Aが形成されているとともに、部位57から56A、56B(規制部47A、47B)側に突出した部位57A(図11参照)を折り曲げて支柱部41の内壁に面接触させている(図15参照)。
【0096】
3.本実施形態に係る画像形成装置、外れ防止部材及び外れ防止構造の特徴
本実施形態では、画像形成装置1の輸送時には、ベルトユニット27と対向部9Aとの間に装着された外れ防止部材40によりベルトユニット27が押さえられるので、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット27が装置本体から外れてしまったり、その加振力によりベルトフレーム27Cに亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。
【0097】
また、非輸送時(使用時)においては、前述のごとく、係合レバー31A及び係合突起部31Bにて大きな固定力を発揮させる必要がないので、非輸送時には外れ防止部材40を装置本体から取り外しても十分な固定力を得ることができ、係合レバー31A及び係合突起部31B等の大型化を抑制できる。
【0098】
以上のように、本実施形態では、画像形成装置1の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体から外れてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、押さえ部43は、展張部27Eに接触してベルトユニット27を押さえ付けるので、比較的大きな面積で押さえ部43とベルトユニット27とを接触させることが可能となる。
【0099】
また、本実施形態では、トップカバー9に支柱部41の先端部(接触面41B)が接触する対向部9Aが設定されているので、トップカバー9を閉じることにより外れ防止部材40をベルトユニット27に押し付けることができ、逆に、トップカバー9を開くことにより外れ防止部材40によるベルトユニット27の押圧を開放することができ、外れ防止部材40の脱着作業性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態では、展張部27Eと交差する方向に転写ローラ17を変位可能に弾性支持するコイルバネ17Bを備えているので、例えば、展張部27Eと対向部9Aとの間の寸法、及び外れ防止部材40の寸法にバラツキが発生した場合であっても、コイルバネ17Bの弾性変形(弾性力)を利用して、そのバラツキを吸収することができる。
【0101】
したがって、外れ防止部材40と展張部27E及び対向部9Aとを確実に接触させることができるので、輸送時の加振力により外れ防止部材40がベルトユニット27に対してずれてしまうことを確実に防止でき、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0102】
ところで、本実施形態では、押さえ部43は展張部27Eに接触してベルトユニット27を押さえているが、展張部27Eのうち転写ローラ17に対応する部位(以下、この部位をローラ対応部位という。)における押さえ部43と展張部27Eとの接触圧力は、転写ローラ17により転写ベルト27Dの変位量が規制されるので、その他の部位における接触圧力に比べて大きくなり易い。このため、輸送時の加振力により押さえ部43が展張部27Eに対して振動変位すると、ローラ対応部位にて擦り傷状の損傷が発生するおそれが非常に高い。
【0103】
これに対して、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は転写ローラ17に対応する部位から展張方向にずれた部位に位置しているので、損傷の発生率が高い部位(ローラ対応部位)における接触圧力を、支柱部41が転写ローラ17に対応する部位に位置している場合に比べて小さくすることができ、展張部27E、つまり転写ベルト27Dに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は隣り合う転写ローラ17間に対応する部位に位置しているので、上記と同様な理由により確実に転写ベルト27Dに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0105】
また、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は、ロック機構を構成する係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置しているので、外れ防止部材40によりベルトユニット27を効果的に押さえることができる。
【0106】
つまり、本実施形態では、ベルトユニット27はその長手方向(展張方向)両端側に設けられた係合レバー31A及び係合突起部31Bにより装置本体に対して固定され、一方、支柱部41は係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置しているので、係合レバー31A及び係合突起部31Bによるベルトユニット27に作用する曲げモーメントと支柱部41によるベルトユニット27に作用する曲げモーメントとを容易に釣り合わせる(相殺)させることができる。
【0107】
したがって、外れ防止部材40によりベルトユニット27を効果的に押さえることができるので、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを効果的に防止できる。
【0108】
また、本実施形態では、押さえ部43のうちベルトユニット27と接触する部位は、平面状に構成されているので、外れ防止部材40による押圧力がベルトユニット27全体に作用し、輸送時にベルトユニット27に無用な応力集中が発生してしまうことを防止できる。
【0109】
また、本実施形態では、押さえ部43のうち転写ローラ17に対応する部位であって、パッチ画像G1が形成される位置に対応する部位に逃げ穴45が設けられているので、転写ベルト27Dのうちパッチ画像G1が形成される位置に損傷が発生してしまうことを防止でき、この損傷を原因とする読取センサ35の誤検出を抑制できる。
【0110】
また、本実施形態では、押さえ部43には、ベルトユニット27に対して外れ防止部材40が変位することを規制する規制部47A、47Bが設けられているので、外れ防止部材40を適切な位置に位置決めした状態で装着することができ、外れ防止部材40を適切に機能させることができる。
【0111】
ところで、本実施形態では、バックアップローラ33Cが設けられているので、輸送時には、比較的に質量の大きいバックアップローラ33Cに大きな慣性力(加振力)が発生し、バックアップローラ33Cが組み付けられた部位にてベルトフレーム27Cが損傷してしまう可能性がある。
【0112】
これに対して、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時においては、支柱部41はバックアップローラ33Cに対応する部位に位置しているので、バックアップローラ33Cが大きく振動してしまうことを防止できる。したがって、バックアップローラ33Cに大きな慣性力(加振力)が発生してしまうことを抑制できるので、輸送時にベルトフレーム27Cに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0113】
また、本実施形態では、押さえ部43のうち支柱部41に対応する部位の周囲には、板状部材50の一部(部位51〜54)が支柱部41の伸張方向に重なった重畳部49が設けられているので、外れ防止部材40を容易、かつ、安価に製造することができる。
【0114】
また、押さえ部43のうち支柱部41からの押圧力が作用する部位が重畳部49となって剛性が高くなり、支柱部41からの押圧力を確実に押さえ部43に伝えることができるので、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを確実に防止することができる。
【0115】
また、本実施形態では、規制部47A、47Bのうち他の部位と接触して押圧力を受ける部位47C、47Dは、カッティング成形時の切断面にて構成されているので、これらの部位47C、47Dの寸法バラツキは、カッティング成形時の寸法バラツキと同じとなる。
【0116】
したがって、板状部材50を折り曲げてベルトユニット27及び装置本体と接触する部位を構成する場合に比べて、寸法バラツキを小さくすることができるので、確実に規制部47A、47Bをベルトユニット27に接触させることができる。
【0117】
また、本実施形態では、押さえ部43の一部が切り起こされて支柱部41を補強する補強部41Aが形成されているので、簡素な構成にて支柱部41の剛性を高めることができる。
【0118】
また、補強部41Aを構成する部位57から突出した部位57Aを折り曲げて支柱部41の内壁に面接触させているので、補強部41Aを確実に支柱部41内の所定位置に止まらせることができ、補強部41Aを確実に機能させることができる。
【0119】
(第2実施形態)
本実施形態は、外れ防止部材40を発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて成形するとともに、図16に示すように、外れ防止部材40をPEシート等で包むことにより、少なくとも押さえ部43のうち展張部27E側を覆う覆い部材59を設けたものである。
【0120】
これにより、本実施形態では、輸送時に作用する加振力により押さえ部43と展張部27Eとが擦れ合っても、押さえ部43から摩耗粉等が発生し、それらが画像形成装置1内に飛散しまうことを防止できる。
【0121】
なお、摩耗粉等とは、押さえ部43が擦られることにより発生する粉体状の異物をいい、本実施形態では、押さえ部43(外れ防止部材40)が発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて形成されているので、特に、摩耗粉等が発生し易い。
【0122】
因みに、本実施形態では押さえ部43の厚み寸法が第1実施形態に比べて大きいので、押さえ部43の端面がそのまま規制部47A、47Bとして機能する。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ダイレクトタンデム方式の画像形成装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0123】
また、上述の実施形態では、LEDアレイを用いた露光器を備える画像形成装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光を走査させるスキャナにより露光器を構成してもよい。
【0124】
また、上述の実施形態では、ベルトユニット27は用紙を搬送するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば中間転写用のベルトユニットであってもよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、支柱部41が1本であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、支柱部41を複数本設けてもよい。
また、上述の実施形態では、展張方向が略水平方向と一致していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば展張方向が鉛直方向と一致する画像形成装置に適用できる。
【0126】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0127】
1…画像形成装置、2…本体フレーム、2A…被係合部、2B…被係合部、
2C…誘導部、3…筐体、5…画像形成部、7…収納空間、7A…開口部、
7B…仕切部材、7C…オゾンフィルタ、7D…通気口、7E…現像剤フィルタ、
7F…排気口、9…トップカバー、9A…対向部、11…プロセスカートリッジ、
13…感光ドラム、15…露光器、17…転写ローラ、17A…軸、
17B…コイルバネ、17C…軸受部、19…定着器、21…帯電器、
25…給紙カセット、25A…ピックアップローラ、27…ベルトユニット、
27A、27B…ローラ、27C…ベルトフレーム、27D…転写ベルト、
27E…展張部、29…把持部、29A…傾斜部、29B…案内部、
31A…係合レバー、31B…係合突起部、31C…折曲部、
33…ベルトクリーナユニット、33A…クリーニングローラ33、
33C…バックアップローラ、35…読取センサ、40…外れ防止部材、
41…支柱部、41A…補強部、43…押さえ部、45…逃げ穴、
47A、47B…規制部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ベルトユニットの外れ防止部材、及びベルトユニットの外れ防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
転写ユニット等の画像形成装置用のベルトユニットは、一対のローラを保持するフレーム、及びこれら一対のローラ間に架け渡された無端ベルト等から構成されており、通常、このベルトユニットは、本体フレーム等の装置本体に対して着脱自在に組み付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−101728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の発明では、本体フレームの側面から内方側に突出した支持部(特許文献1の図6参照)と、転写ユニットのフレームから幅方向に突出させた被支持部(特許文献1の図1参照)とを係合するロック機構を設け、転写ユニット(ベルトユニット)を本体フレーム(装置本体)に対して組み付け固定しているので、ロック機構、つまり被支持部及び支持部の存在により、外形寸法(特に、幅寸法)の大型化を招いてしまう。
【0005】
これに対して、ロック機構を小型にすれば、外形寸法の大型化を抑制することができるものの、ロック機構を小型にすると、ベルトユニットを装置本体に固定するための固定力が小さくなってしまうので、画像形成装置を輸送する際に画像形成装置に作用する加振力により、ベルトユニットが装置本体から外れてしまうおそれがある。
【0006】
一方、画像形成装置の使用時においては、画像形成装置には加振力が作用しないので、輸送時の加振力に耐え得る大きな固定力を発揮するロック機構は不要であり、かつ、ロック機構を大きな固定力を発揮するものとすると、ロック機構が大型化してしまうので、画像形成装置の大型化を招いてしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体から外れてしまうことを防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)と、ベルトユニット(27)が着脱自在に装着された装置本体(2、3)のうち、無端ベルト(27D)の展張部(27E)と対向する部位に設定された対向部(9A)と、ベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に対して固定するロック機構(31A、31B)と、輸送時にベルトユニット(27)と対向部(9A)との間に装着され、ベルトユニット(27)と対向部(9A)とに接触する外れ防止部材(40)とを備え、外れ防止部材(40)は、ベルトユニット(27)に接触する押さえ部(43)、及び押さえ部(43)から対向部(9A)側に伸張してその先端部が対向部(9A)に接触する支柱部(41)を有して構成されていることを特徴とする。
【0009】
なお、「無端ベルト(27D)の展張部(27E)」とは、無端ベルト(27D)のうち張力が作用することにより平面状に緊張した部分をいい、具体的には、無端ベルト(27D)のうち一対のローラ(27A、27B)間に形成される平面部をいう。
【0010】
また、「展張方向」とは、展張部(27E)に作用する張力の方向、つまり一対のローラ(27A、27B)のうち一方のローラから他方のローラに向かう方向をいう。
以上により、請求項1に記載の発明では、画像形成装置の輸送時には、ベルトユニット(27)と対向部(9A)との間に装着された外れ防止部材(40)によりベルトユニット(27)が押さえられるので、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット(27)が装置本体(2、3)から外れてしまったり、その加振力によりフレーム(27C)に亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。
【0011】
また、非輸送時(使用時)においては、前述のごとく、ロック機構(31A、31B)にて大きな固定力を発揮させる必要がないので、非輸送時には外れ防止部材(40)を装置本体(2、3)から取り外しても十分な固定力を得ることができ、ロック機構(31A、31B)の大型化を抑制できる。
【0012】
したがって、請求項1に記載の発明では、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明では、押さえ部(43)は、展張部(27E)に接触することを特徴としているので、比較的大きな面積で押さえ部(43)とベルトユニット(27)とを接触させることが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、装置本体(2、3)のうち展張部(27E)に対向する部位には開口部(7A)が設けられ、かつ、開口部(7A)を閉塞する位置と開口部(7A)を開放する位置との間で変位可能な開閉カバー(9)が設けられており、さらに、開閉カバー(9)に対向部(9A)が設定されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、請求項3に記載の発明では、開閉カバー(9)を閉じることにより外れ防止部材(40)をベルトユニット(27)に押し付けることができ、逆に、開閉カバー(9)を開くことにより外れ防止部材(40)によるベルトユニット(27)の押圧を開放することができるので、外れ防止部材(40)の脱着作業性を向上させることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明では、装置本体(2、3)のうち展張部(27E)と対向部(9A)との間に設けられ、現像剤像が担持される感光体(13)を有するプロセスカートリッジ(11)が収納される収納空間(7)と、ベルトユニット(27)のうち展張部(27E)を挟んで収納空間(7)と反対側に配設され、感光体(13)に担持された現像剤像を転写させる転写部材(17)と、フレーム(27C)に組み付けられ、展張部(27E)と交差する方向に転写部材(17)を変位可能に弾性支持する弾性部材(17B)とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項4に記載の発明では、展張部(27E)と対向部(9A)との間の寸法、及び外れ防止部材(40)の寸法にバラツキが発生した場合であっても、弾性部材(17B)の弾性変形(弾性力)を利用して、そのバラツキを吸収することができるので、外れ防止部材(40)と展張部(27E)及び対向部(9A)とを確実に接触させることができる。
【0017】
したがって、輸送時の加振力により外れ防止部材(40)がベルトユニット(27)に対してずれてしまうことを防止できるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0018】
ところで、請求項4に記載の発明では、押さえ部(43)は展張部(27E)に接触してベルトユニット(27)を押さえているので、輸送時の加振力により押さえ部(43)が展張部(27E)に対して振動変位すると、展張部(27E)のうち転写部材(17)に対応する部位にて擦り傷状の損傷が発生するおそれが非常に高い。
【0019】
これに対して、請求項5に記載の発明では、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は転写部材(17)に対応する部位から展張方向(D1)にずれた部位に位置していることを特徴としているので、展張部(27E)と押さえ部(43)との接触圧力が比較的に大きくなる部位が、損傷の発生率が高い部位からずれた部位となる。このため、展張部(27E)、つまり無端ベルト(27D)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明では、転写部材(17)は、展張方向(D1)に離散して複数設けられており、さらに、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は隣り合う転写部材(17)間に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0021】
これにより、請求項6に記載の発明においても、請求項5に記載の発明と同様に、無端ベルト(27D)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
また、請求項7に記載の発明では、ベルトユニット(27)に設けられ、ロック機構(31A、31B)の少なくとも一部を構成するとともにベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に係合する第1係合部(31A)と、ベルトユニット(27)のうち第1係合部(31A)に対して展張方向(D1)にずれた部位に設けられ、ロック機構(31A、31B)の少なくとも一部を構成するとともにベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に係合する第2係合部(31B)とを備え、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)は第1係合部(31A)と第2係合部(31B)との間に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項7に記載の発明では、外れ防止部材(40)によりベルトユニット(27)を効果的に押さえることができるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを効果的に防止できる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明では、押さえ部(43)のうちベルトユニット(27)と接触する部位は、平面状に構成されていることを特徴とする。
これにより、請求項8に記載の発明では、外れ防止部材(40)による押圧力がベルトユニット(27)全体に作用するので、輸送時にベルトユニット(27)に無用な応力集中が発生してしまうことを防止できる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明では、押さえ部(43)のうち転写部材(17)に対応する部位の少なくとも一部には、その他の部位に比べて接触面圧を小さくするための逃げ部(45)が設けられていることを特徴とする。
【0025】
これにより、請求項9に記載の発明では、押さえ部(43)により展張部(27E)を押さえながら、擦り傷状の損傷が無端ベルト(27D)に発生してしまうことを防止できる。
【0026】
また、請求項10に記載の発明では、装置本体(2、3)には、無端ベルト(27D)の表面に形成されるパッチ画像(G1)を読み取る読取センサ(35)が備えられており、さらに、外れ防止部材(40)の装着時において、逃げ部(45)は、押さえ部(43)のうち転写部材(17)に対応する部位であって、パッチ画像(G1)が形成される位置に対応する部位に設けられていることを特徴とする。
【0027】
これにより、請求項10に記載の発明では、無端ベルト(27D)のうちパッチ画像(G1)が形成される位置に損傷が発生してしまうことを防止できるので、この損傷を原因とする読取センサ(35)の誤検出を抑制できる。
【0028】
また、請求項11に記載の発明では、 押さえ部(43)には、ベルトユニット(27)に対して外れ防止部材(40)が変位することを規制する規制部(47A、47B)が設けられていることを特徴としているので、外れ防止部材(40)を適切な位置に位置決めした状態で装着することができ、外れ防止部材(40)を適切に機能させることができる。
【0029】
また、請求項12に記載の発明では、装置本体(2、3)に設けられ、無端ベルト(27D)に付着した付着物を除去するベルトクリーナ(33A)と、フレーム(27C)に組み付けられ、無端ベルト(27D)をベルトクリーナ(33A)側に押さえ付けるバックアップ部材(33C)とを備え、外れ防止部材(40)の装着時において、支柱部(41)はバックアップ部材(33C)に対応する部位に位置していることを特徴とする。
【0030】
ところで、請求項12に記載の発明では、バックアップ部材(33C)が設けられているので、輸送時には、比較的に質量の大きいバックアップ部材(33C)に大きな慣性力(加振力)が発生し、バックアップ部材(33C)が組み付けられた部位にてフレーム(27C)が損傷してしまう可能性がある。
【0031】
これに対して、請求項12に記載の発明では、外れ防止部材(40)の装着時においては、支柱部(41)はバックアップ部材(33C)に対応する部位に位置しているので、バックアップ部材(33C)が大きく振動してしまうことを防止できる。したがって、バックアップ部材(33C)に大きな慣性力(加振力)が発生してしまうことを抑制できるので、輸送時にフレーム(27C)に損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0032】
なお、請求項13に記載の発明では、複数個の発光ダイオードがローラ(27A、27B)の軸方向と平行な方向に配置されたLEDアレイからなる露光器(15)を複数備えており、開閉カバー(9)は、装置本体(2、3)の上面部に揺動可能に設けられ、複数の露光器(15)は、開閉カバー(9)に組み付けられているとともに、開閉カバー(9)が閉じられた状態において、展張方向(D1)に離散して設けられており、さらに、外れ防止部材(40)に装着され、かつ、開閉カバー(9)が閉じられた状態において、支柱部(41)は隣り合う露光器(15)間に対応する部位に位置していることを特徴とするものである。
【0033】
また、請求項14に記載の発明では、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)を備える画像形成装置に適用され、ベルトユニット(27)が装置本体(2、3)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材であって、装置本体(2、3)のうち無端ベルト(27D)の展張部(27E)と対向する部位に設定された対向部(9A)に接触する接触部(41B)を有し、この接触部(41B)から突出して伸張する支柱部(41)と、支柱部(41)に設けられ、ベルトユニット(27)のうち対向部(9A)側の部位(27E)に接触する押さえ部(43)とを備えることを特徴とする。
【0034】
これにより、請求項14に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様に、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
【0035】
また、請求項15に記載の発明では、少なくとも、押さえ部(43)のベルトユニット(27)側を覆う覆い部材(59)が設けられていることを特徴とするので、輸送時に作用する加振力により押さえ部(43)とベルトユニット(27)とが擦れ合っても、押さえ部(43)から摩耗粉等が発生し、それらが画像形成装置内に飛散しまうことを防止できる。
【0036】
なお、摩耗粉等とは、押さえ部(43)が擦られることにより発生する粉体状の異物をいい、例えば、押さえ部(43)が発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて形成されている場合には、摩耗粉等が発生し易い。
【0037】
また、請求項16に記載の発明では、所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材(50)を折り曲げることより、支柱部(41)及び押さえ部(43)が一体形成されており、さらに、押さえ部(43)のうち支柱部(41)に対応する部位及びその周囲のうち少なくとも一方には、板状部材(50)の一部が支柱部(41)の伸張方向に重なった重畳部(49)が設けられていることを特徴とする。
【0038】
これにより、請求項16に記載の発明では、外れ防止部材(40)を容易、かつ、安価に製造することができるとともに、押さえ部(43)のうち支柱部(41)からの押圧力が作用する部位が重畳部(49)となって剛性が高くなり、支柱部(41)からの押圧力を確実に押さえ部(43)に伝えることができるので、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを確実に防止することができる。
【0039】
また、請求項17に記載の発明では、押さえ部(43)には、ベルトユニット(27)に接触することにより、ベルトユニット(27)に対して変位することを規制する規制部(47B)が設けられており、さらに、規制部(47B)のうちベルトユニット(27)と接触する部位(47C)は、カッティング成形時の切断面にて構成されていることを特徴とする。
【0040】
これにより、請求項17に記載の発明では、規制部(47B)のうちベルトユニット(27)と接触する部位(47C)の寸法バラツキは、カッティング成形時の寸法バラツキと同じとなるので、板状部材(50)を折り曲げてベルトユニット(27)と接触する部位を構成する場合に比べて、寸法バラツキを小さくすることができ、確実に規制部(47B)をベルトユニット(27)に接触させることができる。
【0041】
また、請求項18に記載の発明では、押さえ部(43)の一部が切り起こされて支柱部(41)を補強する補強部(41A)が形成されていることを特徴とするので、簡素な構成にて支柱部(41)の剛性を高めることができる。
【0042】
また、請求項19に記載の発明では、押さえ部(43)には、開口部(45)が形成されていることを特徴とする。
これにより、請求項19に記載の発明では、開口部(45)が上記逃げ部となるように外れ防止部材(40)を画像形成装置に装着すれば、逃げ部(45)を設けた上記発明と同様な効果を得ることができる。
【0043】
また、請求項20に記載の発明では、一対のローラ(27A、27B)、一対のローラ(27A、27B)を保持するフレーム(27C)、及び一対のローラ(27A、27B)間に架け渡された無端ベルト(27D)を有して構成されたベルトユニット(27)と、ベルトユニット(27)を装置本体(2、3)に対して固定するロック機構(31A、31B)とを備える画像形成装置に適用され、ベルトユニット(27)が装置本体(2、3)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止構造であって、装置本体(2、3)のうち無端ベルト(27D)の展張部(27E)に対向する部位に設定された対向部(9A)とベルトユニット(27)との間に配設され、ベルトユニット(27)と対向部(9A)とに接触する外れ防止部材(40)を備え、外れ防止部材(40)は、ベルトユニット(27)のうち対向部(9A)側の部位(27E)に接触する押さえ部(43)、及び押さえ部(43)から対向部(9A)側に伸張してその先端部が対向部(9A)に接触する支柱部(41)を有して構成されていることを特徴とする。
【0044】
これにより、請求項20に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様に、画像形成装置の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体(2、3)から外れてしまうことを防止することができる。
【0045】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置においてトップカバー9を開いた状態を示す図である。なお、本図では、プロセスカートリッジ11が取り外されている。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の使用可能時における中央断面を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図であって、ベルトユニット27を取り外す状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の側面図である。
【図6】図7のA−A断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の上面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図であって、本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を装着した状態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るベルトユニット27の上面図であって、本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を装着した状態を示す図である。
【図10】(a)本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の斜視図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40を展張部27E側(下面側)から見た斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の展開図である。
【図12】(a)、(b)は本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の折り曲げ工程時の状態を示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る外れ防止部材40の上面図である。
【図14】図13のB−B断面図である。
【図15】図13のC−C断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る外れ防止部材40の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本実施形態は、本願発明を電子写真方式の画像形成装置、この画像形成装置に用いられるベルトユニットの外れ防止部材、及びベルトユニットの外れ防止構造に適用したものであり、以下に本願発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0048】
(第1実施形態)
1.画像形成装置の概略構成
画像形成装置1の外観意匠面を構成する筐体3内には、図1に示すように、後述する画像形成部5(図3参照)を収納するための収納空間7が設けられているとともに、この筐体3の上部に設けられた開口部7Aを開閉するトップカバー9が設けられている。
【0049】
なお、トップカバー9は、開口部7Aを閉塞する位置(図2参照)と開口部7Aを開放する位置(図1参照)との間で揺動することができるように、筐体3及び本体フレーム2等からなる装置本体に組み付けられている。
【0050】
また、画像形成部5は、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形手段である。具体的には、図3に示すように、画像形成部5は、プロセスカートリッジ11、感光ドラム13を露光する露光器15、感光ドラム13に形成された現像剤像を用紙に転写させる転写ローラ17、及び用紙に転写された現像剤像を加熱定着させる定着器19等から構成されている。
【0051】
なお、本実施形態に係る画像形成部5は、複数個(本実施形態では、4個)のプロセスカートリッジ11が用紙の搬送方向に沿って離散的に配設され、かつ、複数種類の現像剤像を直接的に用紙に転写するダイレクトタンデム方式のものである。
【0052】
そして、各プロセスカートリッジ11K〜11Cは、現像剤像が担持される感光ドラム13、感光ドラム13を帯電させる帯電器21、及び転写が終わった感光ドラム13の表面をクリーニングするクリーナ23等から構成されている。
【0053】
なお、各プロセスカートリッジ11K〜11Cは、トップカバー9が開かれたときに、開口部7Aから取り出すことができるように装置本体(本体フレーム2)に着脱可能に組み付けられており、4つのプロセスカートリッジ11は装置本体から取り外されると、後述するベルトユニット27の展張部27Eがトップカバー9の内面側と直接的に対向した状態となる(図8参照)。
【0054】
また、露光器15は、4個の感光ドラム13に対応した位置に設けられた4つの露光器15K〜15Cから構成されており、各露光器15K〜15Cは、多数個のLEDを感光ドラム13の軸方向と平行な方向に配置するとともに、これらのLEDの点滅制御を行うことにより感光ドラム13を露光するLEDアレイからなるものである。
【0055】
なお、各露光器15K〜15Cは、トップカバー9の開閉作動に連動して揺動するようにトップカバー9に組み付けられている。具体的には、トップカバー9が開かれたときには、各露光器15K〜15Cはトップカバー9に近接した状態(図1又は図4参照)となり、一方、トップカバー9が閉じられたときには、各露光器15K〜15Cは、その発光部が各感光ドラム13と対向するような状態(図3参照)となる。
【0056】
また、収納空間7は、図3に示すように、装置本体の一部をなす仕切部材7Bによって定着器19側の空間(以下、定着側空間という。)とプロセスカートリッジ11側の空間(以下、プロセス側空間という。)とに仕切られており、この仕切部材7Bにより定着器19から発せられる熱からプロセスカートリッジ11が保護されている。
【0057】
因みに、仕切部材7Bには、プロセス側空間内の熱気をオゾンフィルタ7Cに導く通気口7Dが設けられており、一方、定着側空間内の熱気は、現像剤フィルタ7Eを通過した後、通気口7Dから流入したプロセス側空間内の熱気と合流してオゾンフィルタ7Cを通過して排気口7Fから筐体3外に排出される。
【0058】
また、給紙カセット25は、画像形成部5に搬送される用紙が積層状態で載置される給紙トレイであり、この給紙カセット25に載置されている用紙は、ピックアップローラ25Aにより搬出された後、分離ローラ25B及び分離パッド25Cにより1枚ずつ分離されてベルトユニット27に搬送される。
【0059】
そして、ベルトユニット27は、図4に示すように、装置本体に着脱可能に装着されているとともに、図3に示すように、回転軸が感光ドラム13の軸方向と平行に配設された一対のローラ27A、27B、これらのローラ27A、27Bを保持するベルトフレーム27C(図5〜図7参照)、及び一対のローラ27A、27B間に架け渡された転写ベルト27Dを有して構成されている。
【0060】
すなわち、転写ベルト27Dは、ベルトユニット27が装置本体に装着された状態において、その展張部27Eが4個のプロセスカートリッジ11(感光ドラム13)と対向した状態で回転しながら用紙を定着器19側に搬送する無端ベルトであり、この展張部27Eを挟んで感光ドラム13(収納空間7)と反対側には、各感光ドラム13と対応するように4個の転写ローラ17が配設されている。
【0061】
なお、「転写ベルト27Dの展張部27E」とは、図6(a)に示すように、転写ベルト27Dのうち張力が作用することにより平面状に緊張した部分をいい、具体的には、転写ベルト27Dのうち一対のローラ27A、27B間に形成される平面部をいう。
【0062】
また、転写ローラ17の軸17Aを回転可能に支持する軸受部17Cは、図6(b)に示すように、コイルバネ17B等の弾性部材を介してベルトフレーム27Cに組み付けられている。このため、転写ローラ17は、コイルバネ17Bにより感光ドラム13側に押圧されるように、展張部27Eと交差する方向(本実施形態では、図6(a)の上下方向)に変位可能な状態で弾性支持された構成となっている。
【0063】
また、ベルトフレーム27Cは、図7に示すように、一対のローラ27A、27Bの長手方向両端側に配設された状態で展張部27Eの展張方向に延びて一対のローラ27A、27Bを回転可能に支持する強度部材であり、このベルトフレーム27Cの展張方向一端側には、ベルトユニット27を着脱する際にユーザがベルトユニット27を把持するための把持部29が設けられている。
【0064】
なお、「展張方向」とは、展張部27Eに作用する張力の方向、つまり、図5に示すように、一対のローラ27A、27Bのうち一方のローラ27Aから他方のローラ27Bに向かう方向D1をいい、本実施形態では、展張方向と転写ベルト27D(ベルトユニット27)により搬送される用紙の搬送方向とは一致する。
【0065】
そして、把持部29は、ベルトフレーム27Cの展張方向端部から展張部27Eに対して傾斜した方向(図5の右斜め上方に向かう方向)に突出する傾斜部29Aが形成されており、この傾斜部29Aの裏面側(ローラ27B側)には、図3に示すように、給紙カセット25から搬送されてきた用紙を展張部27Eに向けて転向させる案内部29Bが設けられている。
【0066】
また、ベルトフレーム27Cのうち展張方向一端側(本実施形態では、把持部29側)には、図5に示すように、ベルトユニット27の一端側を装置本体(本体フレーム2)に対して固定するための係合レバー31Aが設けられ、一方、ベルトフレーム27Cのうち展張方向他端側には、ベルトユニット27の他端側を装置本体(本体フレーム2)に対して固定するための係合突起部31Bが設けられている。
【0067】
すなわち、係合レバー31Aは、略くの字状に屈曲しているとともに、その折曲部31Cにて揺動可能にベルトフレーム27Cに組み付けられている。そして、係合レバー31Aのうちローラ27B側の端部が、本体フレーム2に設けられたボス状の被係合部2A(図4参照)と係合することより、ベルトユニット27の一端側を装置本体に対して固定する。
【0068】
なお、係合レバー31Aのうち傾斜部29A側の端部には、係合レバー31Aを被係合部2A側に変位させる弾性力を係合レバー31Aに作用させるコイルバネ31D等の弾性手段が設けられている。
【0069】
一方、係合突起部31Bは、図3又は図4に示すように、本体フレーム2に設けられた突起状の被係合部2Bと係合することより、ベルトユニット27の他端側を装置本体に対して固定する。このように、本実施形態では、係合レバー31A及び係合突起部31B等によりベルトユニット27を装置本体に対して固定するロック機構が構成されている。
【0070】
なお、被係合部2Bに連なる誘導部2Cは、係合突起部31Bを被係合部2Bに誘導する誘導手段であり、この誘導部2Cは、ベルトユニット27の装着時において、ローラ27Aの回転中心が位置する部位近傍を曲率中心とする曲面状に形成されている。
【0071】
このため、ローラ27A側を中心として、係合レバー31Aと被係合部2Aとが係合するまでベルトユニット27を給紙カセット25側(本実施形態では、下向き)に回転させると(図4参照)、係合突起部31Bが誘導部2Cにより被係合部2Bまで誘導されて係合突起部31Bが被係合部2Bに係合するとともに、ベルトフレーム27Cに設けられた位置決突起(図示せず。)が本体フレーム2に設けられた位置決穴(図示せず。)に填り込み、ベルトユニット27の装着が完了する。
【0072】
また、装置本体(本体フレーム2)のうちベルトユニット27を挟んでプロセスカートリッジ11と反対側には、図3に示すように、転写ベルト27Dに付着した現像剤等の付着物を除去するベルトクリーナユニット33が配設されており、このベルトクリーナユニット33は、転写ベルト27Dに接触して付着物を回収・除去するクリーニングローラ33A及び回収された付着物を貯留する貯留箱33B等を有して構成されている。
【0073】
そして、ベルトユニット27には、転写ベルト27Dをクリーニングローラ33A側に押さえ付けるバックアップローラ33Cが設けられており、このバックアップローラ33Cは、図6(a)に示すように、把持部29側に配設された2本の転写ローラ17間にてベルトフレーム27Cに組み付けられている。
【0074】
因みに、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cには、両者の間に所定の電位差が発生するように電圧が印加されているため、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cは金属部分を有して構成されている。このため、クリーニングローラ33A及びバックアップローラ33Cそれぞれは、比較的大きな質量を有している。
【0075】
ところで、本実施形態に係る画像形成部5では、複数の現像剤像を重ねる併せることによりカラー画像を形成しているので、経年変化等により重ね合わせ位置がずれた場合や各現像剤像の濃度が変化すると、適切なカラー画像を形成することができない。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、重ね合わせ位置や濃度を補正するための補正モードを有している。
【0076】
すなわち、補正モードでは、図7に示すように、転写ベルト27Dの表面のうち幅方向両端側に所定形状の画像(以下、パッチ画像G1という。)が形成されるとともに、そのパッチ画像G1が光学式の読取センサ35(図3参照)にて読み込まれた後、重ね合わせ位置や濃度等が補正される。
【0077】
因みに、本実施形態に係る画像形成装置1においては、所定枚数の印刷が終了して自動作動する補正モードと、ユーザから明示の指令がされて作動する補正モードとを有している。
【0078】
2.外れ防止部材及び外れ防止構造等について
2.1.概要
工場から画像形成装置1が出荷されるとき等、画像形成装置1の輸送時には、図8に示すように、画像形成装置1は、4個のプロセスカートリッジ11が装置本体(収納空間7)から取り外された状態で梱包箱(図示せず。)に収納されて梱包される。
【0079】
そして、画像形成装置1が梱包されたときには、プロセスカートリッジ11が装着されていた収納空間7には、図8に示すように、ベルトユニット27が装置本体(本体フレーム2)に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材40が装着される。
【0080】
なお、取り外されたプロセスカートリッジ11は、袋状のラッピング材にて養生(保護)された状態で、画像形成装置1が収納された梱包箱に同梱されて輸送される。
2.2.外れ防止部材の構成及び外れ防止構造
外れ防止部材40は、その装着時に、収納空間7を挟んでベルトユニット27の展張部27Eと対向する位置(本実施形態では、トップカバー9の内面側)に設定された対向部9Aに接触する支柱部41、及びベルトユニット27の展張部27Eに接触する押さえ部43等を有して構成されている。
【0081】
押さえ部43は展張部27Eに接触する平板(平面)状の部材であり、支柱部41は押さえ部43から対向部9A側に伸張してその先端部が対向部9Aに接触する壁柱状の部材である。そして、支柱部41が対向部9Aと展張部27Eとの間で突っ張った状態で収納空間7に装着されることによりベルトユニット27の外れ(振動)が防止される。
【0082】
また、支柱部41は、外れ防止部材40が装着されたときにおいては、隣り合う転写ローラ17間に対応する部位、つまり転写ローラ17に対応する部位から展張方向にずれた部位に位置するように設定されている。
【0083】
そして、支柱部41のうち対向部9A側(先端側)と接触する接触面41B(図10(a)参照)は、他の部材と干渉しない範囲で対向部9Aの幅方向(画像形成装置1の左右方向)に延び、一方、支柱部41の押さえ部43側(根元側)は、展張部27Eの幅方向(画像形成装置1の左右方向)に延びている。
【0084】
また、本実施形態では、図8に示すように、係合レバー31Aがベルトフレーム27Cの長手方向(展張方向)一端側に設定され、係合突起部31Bがベルトフレーム27Cの長手方向他端側に設定され、かつ、4本の転写ローラ17が一対のローラ27A、27B間に離散的に配置されているので、外れ防止部材40が装着された場合において、支柱部41は、係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置することとなる。
【0085】
そして更に、外れ防止部材40が装着された場合において、支柱部41は、隣り合う露光器15間に対応する部位を貫通するように、対向部9Aから押さえ部43(展張部27E側)に伸張しているとともに、その根元側は、バックアップローラ33Cに対応する部位に位置している。
【0086】
また、押さえ部43のうち展張部27Eに接触する接触面には、図9及び図10(b)に示すように、矩形状の逃げ穴45が設けられており、この逃げ穴45は、転写ローラ17に対応する部位であって、パッチ画像G1が形成される位置に対応する部位(以下、この部位をパッチ形成位置という。)に位置するように設けられている。
【0087】
ここで、逃げ穴45とは、パッチ形成位置における押さえ部43と展張部27Eとの接触面圧を、その他の部位に比べて小さくするための逃げ部を成すものであり、この逃げ穴45は、貫通穴に限られるものではなく、押さえ部43の厚みをその他の部位に比べて薄くした非貫通穴であってもよい。
【0088】
因みに、本実施形態に係る外れ防止部材40(押さえ部43)では、図9に示すように、ローラ27A側のパッチ形成位置では、押さえ部43と展張部27Eとが被接触であるので、逃げ穴45は、図10(b)に示すように、展張方向に沿って幅方向両端側に3つずつ設けられている。
【0089】
また、押さえ部43の端部には、図8に示すように、外れ防止部材40がベルトユニット27に対して展張方向に変位することを防止する規制部47A、47Bが設けられており、規制部47Aは仕切部材7Bに接触して外れ防止部材40が後方側に変位することを規制し、規制部47Bは、把持部29(案内部29Bの端部)に接触して外れ防止部材40が前方側に変位することを規制する。
【0090】
ところで、本実施形態に係る外れ防止部材40は、図11に示すように、所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材50を折り曲げることより、支柱部41、押さえ部43及び規制部47A、47Bが一体形成されている。因みに、本実施形態では、いわゆる「厚紙」を板状部材50としているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0091】
すなわち、図11において、一点鎖線で示した折り線は谷折り箇所であり、二点鎖線で示した折り線は山折り箇所であり、例えば図12(a)→図12(b)の順に各折り線で折り曲げていくと、図13に示すような外れ防止部材40が形成されていく。
【0092】
なお、本実施形態では、折り曲げ形成工程の終了後、接着テープ等の接着手段により各部を結合する接着工程を実施することにより、折り曲げ形成後の外れ防止部材40が展開形状に戻ってしまうことを防止している。
【0093】
また、板状部材50を折り曲げて行く際に、図11に示す部位51〜54は、押さえ部43を構成する部位55に対して支柱部41の伸張方向に重なっていき、図10(a)及び図14等に示すように、押さえ部43のうち支柱部41の根元側に対応する部位の周囲に重畳部49が構成される。
【0094】
また、規制部47A、47Bは、図11に示す部位56A、56Bを折り曲げることにより形成されるが、規制部47Bのうちベルトユニット27(案内部29Bの端部)と接触する部位47C(図14参照)、及び規制部47Aのうち装置本体(仕切部材7B)と接触する部位47D(図14参照)は、折り曲げにより形成された折部(稜線部)ではなく、カッティング成形時の切断面にて構成されている。
【0095】
さらに、押さえ部43を構成する部位55のうち、図11に示す部位57が支柱部41側に切り起こされて、図14及び図15に示すように、中空状の支柱部41を補強する補強部41Aが形成されているとともに、部位57から56A、56B(規制部47A、47B)側に突出した部位57A(図11参照)を折り曲げて支柱部41の内壁に面接触させている(図15参照)。
【0096】
3.本実施形態に係る画像形成装置、外れ防止部材及び外れ防止構造の特徴
本実施形態では、画像形成装置1の輸送時には、ベルトユニット27と対向部9Aとの間に装着された外れ防止部材40によりベルトユニット27が押さえられるので、輸送時に加振力が作用してもベルトユニット27が装置本体から外れてしまったり、その加振力によりベルトフレーム27Cに亀裂が発生してしまうこと等を防止できる。
【0097】
また、非輸送時(使用時)においては、前述のごとく、係合レバー31A及び係合突起部31Bにて大きな固定力を発揮させる必要がないので、非輸送時には外れ防止部材40を装置本体から取り外しても十分な固定力を得ることができ、係合レバー31A及び係合突起部31B等の大型化を抑制できる。
【0098】
以上のように、本実施形態では、画像形成装置1の大型化を抑制しつつ、輸送時にベルトユニットが装置本体から外れてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、押さえ部43は、展張部27Eに接触してベルトユニット27を押さえ付けるので、比較的大きな面積で押さえ部43とベルトユニット27とを接触させることが可能となる。
【0099】
また、本実施形態では、トップカバー9に支柱部41の先端部(接触面41B)が接触する対向部9Aが設定されているので、トップカバー9を閉じることにより外れ防止部材40をベルトユニット27に押し付けることができ、逆に、トップカバー9を開くことにより外れ防止部材40によるベルトユニット27の押圧を開放することができ、外れ防止部材40の脱着作業性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態では、展張部27Eと交差する方向に転写ローラ17を変位可能に弾性支持するコイルバネ17Bを備えているので、例えば、展張部27Eと対向部9Aとの間の寸法、及び外れ防止部材40の寸法にバラツキが発生した場合であっても、コイルバネ17Bの弾性変形(弾性力)を利用して、そのバラツキを吸収することができる。
【0101】
したがって、外れ防止部材40と展張部27E及び対向部9Aとを確実に接触させることができるので、輸送時の加振力により外れ防止部材40がベルトユニット27に対してずれてしまうことを確実に防止でき、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0102】
ところで、本実施形態では、押さえ部43は展張部27Eに接触してベルトユニット27を押さえているが、展張部27Eのうち転写ローラ17に対応する部位(以下、この部位をローラ対応部位という。)における押さえ部43と展張部27Eとの接触圧力は、転写ローラ17により転写ベルト27Dの変位量が規制されるので、その他の部位における接触圧力に比べて大きくなり易い。このため、輸送時の加振力により押さえ部43が展張部27Eに対して振動変位すると、ローラ対応部位にて擦り傷状の損傷が発生するおそれが非常に高い。
【0103】
これに対して、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は転写ローラ17に対応する部位から展張方向にずれた部位に位置しているので、損傷の発生率が高い部位(ローラ対応部位)における接触圧力を、支柱部41が転写ローラ17に対応する部位に位置している場合に比べて小さくすることができ、展張部27E、つまり転写ベルト27Dに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は隣り合う転写ローラ17間に対応する部位に位置しているので、上記と同様な理由により確実に転写ベルト27Dに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0105】
また、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時において、支柱部41は、ロック機構を構成する係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置しているので、外れ防止部材40によりベルトユニット27を効果的に押さえることができる。
【0106】
つまり、本実施形態では、ベルトユニット27はその長手方向(展張方向)両端側に設けられた係合レバー31A及び係合突起部31Bにより装置本体に対して固定され、一方、支柱部41は係合レバー31Aと係合突起部31Bとの間に対応する部位に位置しているので、係合レバー31A及び係合突起部31Bによるベルトユニット27に作用する曲げモーメントと支柱部41によるベルトユニット27に作用する曲げモーメントとを容易に釣り合わせる(相殺)させることができる。
【0107】
したがって、外れ防止部材40によりベルトユニット27を効果的に押さえることができるので、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを効果的に防止できる。
【0108】
また、本実施形態では、押さえ部43のうちベルトユニット27と接触する部位は、平面状に構成されているので、外れ防止部材40による押圧力がベルトユニット27全体に作用し、輸送時にベルトユニット27に無用な応力集中が発生してしまうことを防止できる。
【0109】
また、本実施形態では、押さえ部43のうち転写ローラ17に対応する部位であって、パッチ画像G1が形成される位置に対応する部位に逃げ穴45が設けられているので、転写ベルト27Dのうちパッチ画像G1が形成される位置に損傷が発生してしまうことを防止でき、この損傷を原因とする読取センサ35の誤検出を抑制できる。
【0110】
また、本実施形態では、押さえ部43には、ベルトユニット27に対して外れ防止部材40が変位することを規制する規制部47A、47Bが設けられているので、外れ防止部材40を適切な位置に位置決めした状態で装着することができ、外れ防止部材40を適切に機能させることができる。
【0111】
ところで、本実施形態では、バックアップローラ33Cが設けられているので、輸送時には、比較的に質量の大きいバックアップローラ33Cに大きな慣性力(加振力)が発生し、バックアップローラ33Cが組み付けられた部位にてベルトフレーム27Cが損傷してしまう可能性がある。
【0112】
これに対して、本実施形態では、外れ防止部材40の装着時においては、支柱部41はバックアップローラ33Cに対応する部位に位置しているので、バックアップローラ33Cが大きく振動してしまうことを防止できる。したがって、バックアップローラ33Cに大きな慣性力(加振力)が発生してしまうことを抑制できるので、輸送時にベルトフレーム27Cに損傷が発生してしまうことを抑制できる。
【0113】
また、本実施形態では、押さえ部43のうち支柱部41に対応する部位の周囲には、板状部材50の一部(部位51〜54)が支柱部41の伸張方向に重なった重畳部49が設けられているので、外れ防止部材40を容易、かつ、安価に製造することができる。
【0114】
また、押さえ部43のうち支柱部41からの押圧力が作用する部位が重畳部49となって剛性が高くなり、支柱部41からの押圧力を確実に押さえ部43に伝えることができるので、輸送時にベルトユニット27が装置本体から外れてしまうことを確実に防止することができる。
【0115】
また、本実施形態では、規制部47A、47Bのうち他の部位と接触して押圧力を受ける部位47C、47Dは、カッティング成形時の切断面にて構成されているので、これらの部位47C、47Dの寸法バラツキは、カッティング成形時の寸法バラツキと同じとなる。
【0116】
したがって、板状部材50を折り曲げてベルトユニット27及び装置本体と接触する部位を構成する場合に比べて、寸法バラツキを小さくすることができるので、確実に規制部47A、47Bをベルトユニット27に接触させることができる。
【0117】
また、本実施形態では、押さえ部43の一部が切り起こされて支柱部41を補強する補強部41Aが形成されているので、簡素な構成にて支柱部41の剛性を高めることができる。
【0118】
また、補強部41Aを構成する部位57から突出した部位57Aを折り曲げて支柱部41の内壁に面接触させているので、補強部41Aを確実に支柱部41内の所定位置に止まらせることができ、補強部41Aを確実に機能させることができる。
【0119】
(第2実施形態)
本実施形態は、外れ防止部材40を発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて成形するとともに、図16に示すように、外れ防止部材40をPEシート等で包むことにより、少なくとも押さえ部43のうち展張部27E側を覆う覆い部材59を設けたものである。
【0120】
これにより、本実施形態では、輸送時に作用する加振力により押さえ部43と展張部27Eとが擦れ合っても、押さえ部43から摩耗粉等が発生し、それらが画像形成装置1内に飛散しまうことを防止できる。
【0121】
なお、摩耗粉等とは、押さえ部43が擦られることにより発生する粉体状の異物をいい、本実施形態では、押さえ部43(外れ防止部材40)が発泡ポリエチレン等の発泡樹脂にて形成されているので、特に、摩耗粉等が発生し易い。
【0122】
因みに、本実施形態では押さえ部43の厚み寸法が第1実施形態に比べて大きいので、押さえ部43の端面がそのまま規制部47A、47Bとして機能する。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ダイレクトタンデム方式の画像形成装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0123】
また、上述の実施形態では、LEDアレイを用いた露光器を備える画像形成装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光を走査させるスキャナにより露光器を構成してもよい。
【0124】
また、上述の実施形態では、ベルトユニット27は用紙を搬送するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば中間転写用のベルトユニットであってもよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、支柱部41が1本であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、支柱部41を複数本設けてもよい。
また、上述の実施形態では、展張方向が略水平方向と一致していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば展張方向が鉛直方向と一致する画像形成装置に適用できる。
【0126】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0127】
1…画像形成装置、2…本体フレーム、2A…被係合部、2B…被係合部、
2C…誘導部、3…筐体、5…画像形成部、7…収納空間、7A…開口部、
7B…仕切部材、7C…オゾンフィルタ、7D…通気口、7E…現像剤フィルタ、
7F…排気口、9…トップカバー、9A…対向部、11…プロセスカートリッジ、
13…感光ドラム、15…露光器、17…転写ローラ、17A…軸、
17B…コイルバネ、17C…軸受部、19…定着器、21…帯電器、
25…給紙カセット、25A…ピックアップローラ、27…ベルトユニット、
27A、27B…ローラ、27C…ベルトフレーム、27D…転写ベルト、
27E…展張部、29…把持部、29A…傾斜部、29B…案内部、
31A…係合レバー、31B…係合突起部、31C…折曲部、
33…ベルトクリーナユニット、33A…クリーニングローラ33、
33C…バックアップローラ、35…読取センサ、40…外れ防止部材、
41…支柱部、41A…補強部、43…押さえ部、45…逃げ穴、
47A、47B…規制部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットと、
前記ベルトユニットが着脱自在に装着された装置本体のうち、前記無端ベルトの展張部と対向する部位に設定された対向部と、
前記ベルトユニットを前記装置本体に対して固定するロック機構と、
輸送時に前記ベルトユニットと前記対向部との間に装着され、前記ベルトユニットと前記対向部とに接触する外れ防止部材とを備え、
前記外れ防止部材は、前記ベルトユニットに接触する押さえ部、及び前記押さえ部から前記対向部側に伸張してその先端部が前記対向部に接触する支柱部を有して構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記押さえ部は、前記展張部に接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体のうち前記展張部に対向する部位には開口部が設けられ、かつ、前記開口部を閉塞する位置と前記開口部を開放する位置との間で変位可能な開閉カバーが設けられており、
さらに、前記開閉カバーに前記対向部が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体のうち前記展張部と前記対向部との間に設けられ、現像剤像が担持される感光体を有するプロセスカートリッジが収納される収納空間と、
前記ベルトユニットのうち前記展張部を挟んで前記収納空間と反対側に配設され、前記感光体に担持された現像剤像を転写させる転写部材と、
前記フレームに組み付けられ、前記展張部と交差する方向に前記転写部材を変位可能に弾性支持する弾性部材と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記転写部材に対応する部位から前記展張方向にずれた部位に位置していることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写部材は、前記展張方向に離散して複数設けられており、
さらに、前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は隣り合う前記転写部材間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルトユニットに設けられ、前記ロック機構の少なくとも一部を構成するとともに前記ベルトユニットを前記装置本体に係合する第1係合部と、
前記ベルトユニットのうち前記第1係合部に対して前記展張方向にずれた部位に設けられ、前記ロック機構の少なくとも一部を構成するとともに前記ベルトユニットを前記装置本体に係合する第2係合部とを備え、
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記第1係合部と前記第2係合部との間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記押さえ部のうち前記ベルトユニットと接触する部位は、平面状に構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記押さえ部のうち前記転写部材に対応する部位の少なくとも一部には、その他の部位に比べて接触面圧を小さくするための逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体には、前記無端ベルトの表面に形成されるパッチ画像を読み取る読取センサが備えられており、
さらに、前記外れ防止部材の装着時において、前記逃げ部は、前記押さえ部のうち前記転写部材に対応する部位であって、前記パッチ画像が形成される位置に対応する部位に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記押さえ部には、前記ベルトユニットに対して前記外れ防止部材が変位することを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装置本体に設けられ、前記無端ベルトに付着した付着物を除去するベルトクリーナと、
前記フレームに組み付けられ、前記無端ベルトを前記ベルトクリーナ側に押さえ付けるバックアップ部材とを備え、
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記バックアップ部材に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数個の発光ダイオードが前記ローラの軸方向と平行な方向に配置されたLEDアレイからなる露光器を複数備えており、
前記開閉カバーは、前記装置本体の上面部に揺動可能に設けられ、
前記複数の露光器は、前記開閉カバーに組み付けられているとともに、前記開閉カバーが閉じられた状態において、前記展張方向に離散して設けられており、
さらに、前記外れ防止部材が装着され、かつ、前記開閉カバーが閉じられた状態において、前記支柱部は隣り合う前記露光器間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項3ないし12のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項14】
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットを備える画像形成装置に適用され、前記ベルトユニットが装置本体に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材であって、
前記装置本体のうち前記無端ベルトの展張部と対向する部位に設定された対向部に接触する接触部を有し、この接触部から突出して伸張する支柱部と、
前記支柱部に設けられ、前記ベルトユニットのうち前記対向部側の部位に接触する押さえ部と
を備えることを特徴とする外れ防止部材。
【請求項15】
少なくとも、前記押さえ部の前記ベルトユニット側を覆う覆い部材が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材を折り曲げることより、前記支柱部及び前記押さえ部が一体形成されており、
さらに、前記押さえ部のうち前記支柱部に対応する部位及びその周囲のうち少なくとも一方には、前記板状部材の一部が前記支柱部の伸張方向に重なった重畳部が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の外れ防止部材。
【請求項17】
前記押さえ部には、前記ベルトユニットに接触することにより、前記ベルトユニットに対して変位することを規制する規制部が設けられており、
さらに、前記規制部のうち前記ベルトユニットと接触する部位は、カッティング成形時の切断面にて構成されていることを特徴とする請求項16に記載の外れ防止部材。
【請求項18】
前記押さえ部の一部が切り起こされて前記支柱部を補強する補強部が形成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の外れ防止部材。
【請求項19】
前記押さえ部には、開口部が形成されていることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1つに記載の外れ防止部材。
【請求項20】
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットと、
前記ベルトユニットを前記装置本体に対して固定するロック機構とを備える画像形成装置に適用され、
前記ベルトユニットが装置本体に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止構造であって、
前記装置本体のうち前記無端ベルトの展張部に対向する部位に設定された対向部と前記ベルトユニットとの間に配設され、前記ベルトユニットと前記対向部とに接触する外れ防止部材を備え、
前記外れ防止部材は、前記ベルトユニットのうち前記対向部側の部位に接触する押さえ部、及び前記押さえ部から前記対向部側に伸張してその先端部が前記対向部に接触する支柱部を有して構成されていることを特徴とする外れ防止構造。
【請求項1】
記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットと、
前記ベルトユニットが着脱自在に装着された装置本体のうち、前記無端ベルトの展張部と対向する部位に設定された対向部と、
前記ベルトユニットを前記装置本体に対して固定するロック機構と、
輸送時に前記ベルトユニットと前記対向部との間に装着され、前記ベルトユニットと前記対向部とに接触する外れ防止部材とを備え、
前記外れ防止部材は、前記ベルトユニットに接触する押さえ部、及び前記押さえ部から前記対向部側に伸張してその先端部が前記対向部に接触する支柱部を有して構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記押さえ部は、前記展張部に接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体のうち前記展張部に対向する部位には開口部が設けられ、かつ、前記開口部を閉塞する位置と前記開口部を開放する位置との間で変位可能な開閉カバーが設けられており、
さらに、前記開閉カバーに前記対向部が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体のうち前記展張部と前記対向部との間に設けられ、現像剤像が担持される感光体を有するプロセスカートリッジが収納される収納空間と、
前記ベルトユニットのうち前記展張部を挟んで前記収納空間と反対側に配設され、前記感光体に担持された現像剤像を転写させる転写部材と、
前記フレームに組み付けられ、前記展張部と交差する方向に前記転写部材を変位可能に弾性支持する弾性部材と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記転写部材に対応する部位から前記展張方向にずれた部位に位置していることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写部材は、前記展張方向に離散して複数設けられており、
さらに、前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は隣り合う前記転写部材間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルトユニットに設けられ、前記ロック機構の少なくとも一部を構成するとともに前記ベルトユニットを前記装置本体に係合する第1係合部と、
前記ベルトユニットのうち前記第1係合部に対して前記展張方向にずれた部位に設けられ、前記ロック機構の少なくとも一部を構成するとともに前記ベルトユニットを前記装置本体に係合する第2係合部とを備え、
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記第1係合部と前記第2係合部との間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記押さえ部のうち前記ベルトユニットと接触する部位は、平面状に構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記押さえ部のうち前記転写部材に対応する部位の少なくとも一部には、その他の部位に比べて接触面圧を小さくするための逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体には、前記無端ベルトの表面に形成されるパッチ画像を読み取る読取センサが備えられており、
さらに、前記外れ防止部材の装着時において、前記逃げ部は、前記押さえ部のうち前記転写部材に対応する部位であって、前記パッチ画像が形成される位置に対応する部位に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記押さえ部には、前記ベルトユニットに対して前記外れ防止部材が変位することを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装置本体に設けられ、前記無端ベルトに付着した付着物を除去するベルトクリーナと、
前記フレームに組み付けられ、前記無端ベルトを前記ベルトクリーナ側に押さえ付けるバックアップ部材とを備え、
前記外れ防止部材の装着時において、前記支柱部は前記バックアップ部材に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数個の発光ダイオードが前記ローラの軸方向と平行な方向に配置されたLEDアレイからなる露光器を複数備えており、
前記開閉カバーは、前記装置本体の上面部に揺動可能に設けられ、
前記複数の露光器は、前記開閉カバーに組み付けられているとともに、前記開閉カバーが閉じられた状態において、前記展張方向に離散して設けられており、
さらに、前記外れ防止部材が装着され、かつ、前記開閉カバーが閉じられた状態において、前記支柱部は隣り合う前記露光器間に対応する部位に位置していることを特徴とする請求項3ないし12のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項14】
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットを備える画像形成装置に適用され、前記ベルトユニットが装置本体に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止部材であって、
前記装置本体のうち前記無端ベルトの展張部と対向する部位に設定された対向部に接触する接触部を有し、この接触部から突出して伸張する支柱部と、
前記支柱部に設けられ、前記ベルトユニットのうち前記対向部側の部位に接触する押さえ部と
を備えることを特徴とする外れ防止部材。
【請求項15】
少なくとも、前記押さえ部の前記ベルトユニット側を覆う覆い部材が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
所定形状にカッティング成形された1枚の板状部材を折り曲げることより、前記支柱部及び前記押さえ部が一体形成されており、
さらに、前記押さえ部のうち前記支柱部に対応する部位及びその周囲のうち少なくとも一方には、前記板状部材の一部が前記支柱部の伸張方向に重なった重畳部が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の外れ防止部材。
【請求項17】
前記押さえ部には、前記ベルトユニットに接触することにより、前記ベルトユニットに対して変位することを規制する規制部が設けられており、
さらに、前記規制部のうち前記ベルトユニットと接触する部位は、カッティング成形時の切断面にて構成されていることを特徴とする請求項16に記載の外れ防止部材。
【請求項18】
前記押さえ部の一部が切り起こされて前記支柱部を補強する補強部が形成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の外れ防止部材。
【請求項19】
前記押さえ部には、開口部が形成されていることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1つに記載の外れ防止部材。
【請求項20】
一対のローラ、前記一対のローラを保持するフレーム、及び前記一対のローラ間に架け渡された無端ベルトを有して構成されたベルトユニットと、
前記ベルトユニットを前記装置本体に対して固定するロック機構とを備える画像形成装置に適用され、
前記ベルトユニットが装置本体に対してずれてしまうことを抑制する外れ防止構造であって、
前記装置本体のうち前記無端ベルトの展張部に対向する部位に設定された対向部と前記ベルトユニットとの間に配設され、前記ベルトユニットと前記対向部とに接触する外れ防止部材を備え、
前記外れ防止部材は、前記ベルトユニットのうち前記対向部側の部位に接触する押さえ部、及び前記押さえ部から前記対向部側に伸張してその先端部が前記対向部に接触する支柱部を有して構成されていることを特徴とする外れ防止構造。
【図2】
【図3】
【図5】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図3】
【図5】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図7】
【図9】
【公開番号】特開2010−230855(P2010−230855A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76794(P2009−76794)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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