説明

画像形成装置、情報処理装置、プログラム

【課題】ログ情報生成による負荷及びログ情報の記録容量を低減可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】記録媒体42に画像を形成する画像形成装置100であって、部品の動作結果を出力する動作結果出力手段305と、前記部品又は前記部品の動作結果により定まる情報識別文字情報を前記部品の動作結果に付与して動作結果情報を生成する動作結果情報生成手段333と、情報識別文字情報と一意の識別子、及び、前記部品の動作結果と一意の識別子をそれぞれ対応させた識別子テーブル335と、情報識別文字情報に対応づけられた識別子を前記識別子テーブルから読み出し、動作結果情報の少なくとも情報識別文字情報を識別子で置き換えた変換後動作結果情報に変換する動作結果情報変換手段334と、変換後動作結果情報を記憶する動作結果情報記憶手段402と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関し、ログ情報を生成可能な画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、FAX、スキャナなどの機器又はこれら2つ以上の機能を備えた複合機は、動作内容を記録する機能を備えることが一般的である(以下、記録されたデータをログ情報という)。このような機器は、操作パネルやPC(Personal Computer)からの印刷命令に応じて機器のモータやリレー、クラッチ等を動作させることで可動部を駆動して印刷している。また、機器は、ユーザの操作や通紙枚数などのプリンタの使用状況に応じてメンテナンスが実行される。このため、ログ情報には、機器の各種動作が記録され、機器が正常に動作していることを確認する情報の一つとして従来から利用されている。
【0003】
しかしながら、ログ情報を記録することは、機器に負荷を生じさせることを意味し、近年ではこの負荷が増大傾向にある。これは、機器が例えば印刷動作を実行すると、キャリッジ、感光ドラム、給紙装置、定着器など様々なモジュールが動作し、それぞれについてログ情報が生成されるためである。また、ログ生成時、機器は本来の動作である印刷動作などを行っているので、ログ情報の生成と印刷動作とが並行して同時に実施されることも負荷の増大を顕著にしている。
【0004】
また、機器の動作内容を、メンテナンス担当者やメンテナンス装置などが詳細に検証しようとするほど、ログ情報にも詳細な情報が含まれていることが要請される。このため、ログ情報にはログ情報の出力元モジュール、タイムスタンプ、その時点の動作パラメータなど様々なデータが含まれている。したがって、ログ情報の記録に必要な記録領域も増大してしまい、メンテナンス担当者やメンテナンス装置がログ情報を検索する際に非常に時間がかかるという不都合があった。
【0005】
CPUの負荷が大きいという不都合に対しログ生成時の負荷を低減する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、被測定機側のソフトウエア動作ログ発生部から直接、動作情報を収集して、被測定器が不揮発性メモリへ書き込む処理を省略することで、被測定機のCPUに負荷をかけることなくログ情報の収集を行う情報収集装置が開示されている。
【0006】
また、ログ情報の検索を容易にする技術が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、画像処理動作の実行に対する動作実行履歴を動作種別に対する動作条件とともにログ情報として記憶し、動作条件の入力方式と同様の入力方式で入力されたログ検索用動作条件からログ検索条件を生成してログ情報を検索する画像処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の情報収集装置は機器のCPUの負荷を低減できても、ログ情報の記憶容量について考慮されていないという問題がある。また、特許文献1では、情報収集装置が、被測定機の機器動作電圧から論理レベルを出力するので、このような機能が情報収集装置に必要になってしまう。
【0008】
また、特許文献2に記載の画像処理装置は、ユーザが設定と同じ操作で検索条件を入力できるが、ログ情報の記憶容量については考慮されていないので検索に時間がかかるという問題が解決されていない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、ログ情報生成による負荷及びログ情報の記録容量を低減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、部品の動作結果を出力する動作結果出力手段と、前記部品又は前記部品の動作結果により定まる情報識別文字情報を前記部品の動作結果に付与して動作結果情報を生成する動作結果情報生成手段と、情報識別文字情報と一意の識別子、及び、前記部品の動作結果と一意の識別子をそれぞれ対応させた識別子テーブルと、情報識別文字情報に対応づけられた識別子を前記識別子テーブルから読み出し、動作結果情報の少なくとも情報識別文字情報を識別子で置き換えた変換後動作結果情報に変換する動作結果情報変換手段と、変換後動作結果情報を記憶する動作結果情報記憶手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
ログ情報生成による負荷及びログ情報の記録容量を低減可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のログ情報を説明する図の一例である。
【図2】画像形成装置の概略斜視図の一例である。
【図3】画像形成装置の側面図の一例である。
【図4】主要部の上面図の一例である。
【図5】制御部の概要を説明する図の一例である。
【図6】ログ情報を記録する構成について説明する図の一例である。
【図7】ログ情報を説明する図の一例である。
【図8】コード化テーブルの一例を示す図である。
【図9】ログ記録プログラムがログ情報をコード化する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図10】コード化したログ情報の取得を説明するための図の一例である。
【図11】PCのハードウェア構成図、機能ブロック図の一例である。
【図12】PCのディスプレイに表示されたログ設定画面の一例である。
【図13】PCのディスプレイに表示されたログ表示画面の一例である。
【図14】PCがユーザにより選択されたログ情報を画像形成装置のログ一時記憶領域から取得する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図15】PCがコマンドを送信することなく、画像形成装置から通信回路を通じて送られてくるログ情報をディスプレイに表示する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のログ情報を説明する図の一例である。例えば、ログ情報に「ログの種類」「出力元プログラム」「ログ発生時刻」「パラメータ」が含まれているとする。画像形成装置は、このようなログ情報をコード化テーブルを用いてコード化する。コード化テーブルには、「ログの種類」「出力元プログラム」「ログ発生時刻」「パラメータ」の各カラムに対応づけて一意の識別子が登録されている。ログ情報の内容は、多くの場合複数の文字や数字、記号を連続させた意味のある情報(以下、文字列情報という)になっているため、1文字のビット数(全角だと16ビット)×文字数の情報が必要である。
【0014】
しかし、例えば、「ログの種類」が8種類しかなければ、最大で8を表すための3ビットの記憶領域があれば「ログの種類」を記録することができる。図では、「ログの種類」「出力元プログラム」「ログ発生時刻」「パラメータ」「パラメータ」がそれぞれ「1」「2」「1」「3」「1」にコード化されている。コード化することでログ情報の記憶領域を大きく低減できる。
【0015】
また、検索時にもコードを利用すれば検索時間を短縮できる。そこで、画像形成装置は、外部のPC等からユーザが検索対象のログ情報を選択すると、コードによりログ情報を検索する。そして、検索後にコード化されたログ情報をコード化前の文字列情報に戻す。コード化前の状態に戻すにはコード化テーブルを参照して、コードに対応する「ログの種類」等を読み出せばよい。
【0016】
このように、本実施形態の画像形成装置は、ログ情報の各項目をコードと対応付けることによりログ情報を圧縮できると共に、検索時にもコードを利用するので検索時間を短縮できる。また、ログ情報の利用時にログ情報を文字列情報に変換することによりユーザの可読性を向上させることができる。
【0017】
〔構成例〕
図2は、画像形成装置100の概略斜視図の一例を示す。この画像形成装置100はいわゆるインクの液滴を吐出して画像を形成するインクジェット型のプリンタである。以下、画像形成装置100について説明するが、本実施形態ではログ情報の記録に特徴があり、電子写真方式の画像形成装置など画像形成の手法はどのような方式を採用してもよい。
【0018】
画像形成装置100は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自由に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の給排紙トレイ部の側方には、カートリッジ装着部4を有している。カートリッジ装着部4は、本体装置1の前方側に突き出すようにインクカートリッジを装着するためのスペースである。カートリッジ装着部4の上面は操作ボタンや表示器などが配置された操作/表示部5が上面と一体に形成されている。
【0019】
カートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク等をそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ(以下、色を区別する場合はインクカートリッジ10k、10c、10m、10yという)10が装着されている。インクカートリッジ10は、装置本体1の前面側から後方側に向かって押圧することで装着され、カートリッジ装着部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱させる際に開くカバー(カートリッジカバー)6が開閉可能に設けられている。
【0020】
また、操作/表示部5には、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する位置に、残量表示部11k、11c、11m、11yが配置されている。残量表示部11k、11c、11m、11yは、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量をニアエンド及びエンドになったことをランプの点灯色により通知する。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13及びキャンセルボタン14が配置されている。
【0021】
図3は画像形成装置100の側面図の一例を、図4は主要部の上面図の一例をそれぞれ示す。左右の側板21A、21Bに横架されたガイドロット31とステー32とで、キャリッジ33が主走査方向に摺動自在に保持されている。キャリッジ33は、図示しない主走査モータによって図4における矢印方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に往復移動する。キャリッジ33には、インク滴を吐出するための液滴吐出ヘッドである複数の記録ヘッド34が、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。各記録ヘッドは、主走査方向と交差する方向に配列された複数のノズルを有している。
【0022】
記録ヘッド34は、例えばイエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34kとで構成されている。なお、記録ヘッドは以下、「記録ヘッド34」というときは色を区別しないものとする。また、ヘッド構成は図示した例に限られるものではなく、一つまたは複数の色の液滴を吐出する一つまたは複数のノズル列を有する記録ヘッドを一つまたは複数用いても構成することができる。
【0023】
記録ヘッド34の液滴吐出機構として、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどがある。いずれも液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段である。
【0024】
キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク35y、35m、35c、35k(色を区別しない場合にはヘッドタンク35と称する)が搭載されている。ヘッドタンク35には、各色のインク供給チューブ37を介して、前述した各色のインクカートリッジ10(色を区別する場合には、インクカートリッジ10y、10m、10c、10kと称する)からインクが補充供給される。
【0025】
カートリッジ装着部6には、インクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット23が付設されている。また、カートリッジ装着部6からヘッドタンク35に至るまでのインク供給チューブ37は這いまわしの途中でフレーム21の一部を構成する後板21Cに、本体側ホルダ25を用いて固定保持されている。さらに、キャリッジ33上では、固定リブ26を用いてキャリッジ33に固定されている。
【0026】
キャリッジ33の主走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構91が配置されている。維持回復機構91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)92a〜92d(区別しないときは「キャップ92」と称する)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード93と、増粘した記録液を排出するために記録ヘッド34が吐出した記録に寄与しない液滴を受ける空吐出受け94などを備えている。ここでは、キャップ92aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ92b〜9dは保湿用キャップとしている。
【0027】
また、側板21A側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を記録ヘッド34が吐出した際の液滴を受ける空吐出受け98が配置されている。この空吐出受け98には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口99が設けられている。
【0028】
一方、図3に示すように、給紙トレイ2の底板(用紙積載部)41上に給紙部が配置されている。給紙部は積載された用紙42を供給するための給送手段である。給紙部は、底板から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0029】
給紙部から給紙された用紙42は、ガイド部材45に沿って案内され、搬送ローラ57の方に付勢されたたカウンタローラ46により搬送ベルト51まで搬送される。搬送ベルト57は、用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置まで搬送する。搬送ベルト51は無端状ベルトであり、搬送ローラ57とテンションローラ58との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回する。
【0030】
搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御されていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った表層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ローラ57の下方には搬送ベルトと接触するように、帯電ローラ56が配置されている。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回転に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力を加えられている。なお、搬送ローラ57はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0031】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対してガイド部材61が配置されている。このガイド部材61の上面は、搬送ローラ57とテンションローラ58の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
【0032】
さらに、搬送ベルト51の下流側(前面側)には、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪71と、排紙ローラ72及び排紙コロ73とが配置されている。分離爪71で搬送ベルト51から分離された用紙42は、排紙ローラ72の下流側の排紙トレイ3に排紙される。
【0033】
また、装置本体1の背面部には、両面給紙ユニット81が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット81は搬送ベルト51が逆方向に回転することで戻された用紙42を取り込んで反転させて、再度、先端加圧コロ55と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット81の上面には、手差し給紙部82が設けられている。
【0034】
以上のように構成されインクジェット型の画像形成装置100によれば、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内される。用紙42は、搬送ベルト51とカウンタローラ52との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド53で案内されて先端加圧コロ55で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御部によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51に交番する帯電電圧パターンが印加される。これにより、搬送ベルト51の周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電される。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給紙されると、静電引力により用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。画像形成装置100は、用紙42が予め定められた位置まで搬送されると、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0035】
また、印字(記録)待機中はキャリッジ33は維持回復機構91側に移動されて、キャップ92で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ92で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0036】
図5は、制御部300の概要を説明する図の一例である。制御部300は、主に主制御部301及び印刷制御部302により形成されている。主制御部301と印刷制御部302は、マイクロコンピュータで構成されている。主制御部301は画像形成装置100の全体の制御を司り、印刷制御部302は印刷制御を司る。主制御部301には、通信回路323から、印刷条件や印刷用データなどの印刷処理の情報が入力される。主制御部301は、用紙42に画像を形成するため、図示されない主走査モータや副走査モータを主走査モータ駆動回路303及び副走査モータ304を介して駆動制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行う。
【0037】
また、主制御部301には、キャリッジ位置検出回路305、主走査モータ駆動回路303、搬送量検出回路306、副走査モータ駆動回路304、給紙コロ駆動回路307、維持回復機構用モータ駆動回路308、インク供給モータ駆動回路311、サブタンク満タンセンサ312、廃液タンク通信回路313、EEPROM315、センサ検知回路316、及び、カートリッジ通信回路314が接続されている。
【0038】
主制御部301はキャリッジ位置検出回路305から入力されたキャリッジ33の位置を示す検出信号に基づいてキャリッジ33の位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えばキャリッジ33の主走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ33に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ33の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータを回転駆動させて、キャリッジ33を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0039】
また、主制御部301には搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト51の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば搬送ローラ57の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータを回転駆動させて、搬送ローラ57を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
【0040】
また、主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介して維持回復機構91の図示しないモータを回転駆動することにより、キャップ92の昇降、ワイパーブレード93の昇降、吸引ポンプの駆動などを行わせる。主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介してポンプユニット23をポンプ駆動するためのインク供給モータを駆動制御する。これにより、カートリッジ装着部4に装着されたインクカートリッジ10からヘッドタンク35に対してインクを補充したり、ヘッドタンク35からインクカートリッジ10にインクを吸引して負圧を形成したりする。このとき、主制御部301には、記録ヘッド34に付設されたヘッドタンク35が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの信号検知に基づいて補充供給を制御する。
【0041】
また、主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装着部4に接続された各インクカートリッジ10に設けられている不揮発性メモリ115k、115c、115m、115yに記録されている情報を取り込む。また、その情報に所定の処理を行って不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に記憶して保持する。
【0042】
印刷制御部302は、キャリッジ位置検出回路305及び搬送量検出回路306などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、印刷用データから記録ヘッド34に液滴を吐出させるため駆動信号を生成してヘッド駆動回路310に与える。ヘッド駆動回路310は、印刷制御部302から取得した駆動信号に基づいて記録ヘッド34の圧力発生手段(ピエゾ型ヘッドであれば圧電素子)を駆動して、所定のノズルから液滴を吐出させる。
【0043】
また、主制御部301は、廃液タンク通信回路313を介して、廃液タンクに接続された記録手段である廃液タンクEEPROM(不揮発性メモリ)105に記録されている情報を取り込む。この情報に所定の処理を行って、本体記録手段である不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に記録して保持する。
【0044】
また、主制御部301は、廃液タンク通信回路313によって廃液タンクEEPROM105の情報を読み取れるか否かを判定し、廃液タンクが装置本体1に装着されているか否か、つまり、廃液タンクの有無を検出する。
【0045】
また、主制御部301は、画像形成装置100の状態を取得するためのセンサ検知回路316と接続されている。センサ検知回路316は、装置本体のカバーが空いていることを検知するための上カバー検知センサ320や、装置内に用紙が残っていないかや、用紙搬送時に用紙が送られているかを確認するために用紙検知センサ321と接続されている。
【0046】
なお、主制御部301にはメモリ322が接続されており、主制御部301は主走査モータ駆動回路303などの各種回路を駆動するためのプログラムのワーク領域や、ログ情報などのデータを一時保存するための領域として利用する。メモリ322は例えば揮発性の記憶手段であるが不揮発性でもよい。
【0047】
図6は、ログ情報を記録する構成について説明する図の一例である。図6の各ブロックはログ情報を記録するために使用されることが多いものを列挙したのであって、これ以外のブロックからログ情報が取得されることもあるし、図示したブロックからログ情報が取得されないこともある。
【0048】
上述した各回路はそれぞれを動作させるためのプログラムを保持しており、プログラムにしたがって動作する。例えば、キャリッジ位置検出回路305は、キャリッジ位置検出回路305を制御するためのキャリッジ位置検出プログラムを有し、主走査モータ駆動回路303は、主走査モータ駆動回路303を制御するための主走査モータ駆動プログラムを有する。搬送量検出回路306、副走査モータ駆動回路304、給紙コロ駆動回路307、維持回復機構用モータ駆動回路308、インク供給モータ駆動回路311、廃液タンク通信回路313、センサ検知回路316、及び、カートリッジ通信回路314についても同様である。サブタンク満タンセンサ312などのようにセンサの場合、同じように不図示の回路を有していてもよいし、ログ情報収集部333がセンサに検出信号を要求してもよい。
【0049】
それぞれのプログラムは、各種回路を制御するための制御フローにしたがって記述されており、制御フローの処理パス(処理の履歴)や処理に使用したパラメータをログ情報として主制御部301に出力する。ログ情報を記録するタイミングは、位置の検出やセンサによる検出であれば位置の検出やセンシングの直後、モータの制御であればモータ制御のパラメータの変化時、又は、定期的なタイミングなどであり、あらかじめ制御フローにより定められている。
【0050】
主制御部301はログ記録プログラム401を実行してログ情報を記録する。マイクロコンピュータである主制御部301が有するCPUは、ログ記録プログラム401を実行することで、ログ情報収集部333、コード化部334、及び、ログ情報送信部332、として機能する。ログ記録プログラム401は、EEPROM315又は主制御部301の不図示のROMに記憶されている。ログ記録プログラム401は、通信回路323を介して外部のサーバやPCからダウンロードされることで配布され、また、不図示の不揮発メモリに記憶された状態で配布される。コード化テーブル335も同様であるが、ログ記録プログラム内にプログラムコードの一部として記述されていてもよい。
【0051】
ログ情報収集部333は、ログ情報を受け取った回路やプログラムなどに基づきログ情報の種類を判別して、時刻などの必要な情報を付加してコード化部334に出力する。コード化部334はログ情報をコード化することによってサイズを圧縮する。コード化されたログ情報は、ログ一時記録領域402に記録される。ログ一時記憶領域402は空き領域がなくなると、古いログ情報から上書きされるリングバッファである。
【0052】
ログ情報送信部332は、ログ一時記憶領域402からログ情報を読み出して、外部のPCに送信する。後述するA,Bのいずれかの態様をユーザが画像形成装置100に設定するので、設定内容に応じてログ情報送信部332はA,Bいずれかの態様でログ情報を送信する。
【0053】
〔ログ情報とコード化〕
図7(a)は、コード化される前のログ情報の一例を、図7(b)はコード化された後のログ情報の一例をそれぞれ示す図である。図7(a)は、キャリッジ停止検知のログ情報の例である。コード化される前のログ情報は、文字や数値の文字列情報で表される。図ではコード化される前のログ情報に、「ログの種類」、「出力元プログラム」、「ログ発生時刻」、「パラメータ」が含まれる。このうち「ログ発生時刻」はログ情報収集部333が付与するので、キャリッジ位置検出プログラムは「ログの種類」、「出力元プログラム」、「パラメータ」をログ記録プログラム401に出力する。なお、キャリッジ位置検出プログラムが「ログ発生時刻」を記録してもよい。
【0054】
ログ情報は、ヘッダ部とパラメータ部で構成されている。ヘッダ部とは、「ログの種類」や「出力元プログラム」などログ情報の書誌的な情報であり、「ログの種類」が決まれば一意に決まる。パラメータ部は、ログ情報が発生した時の時刻や、ログ情報が発生した際のプログラムの変数情報が格納されているため、「ログの種類」が同じであっても、格納されている値は状態によって異なる。なお、「パラメータ」の数は「ログの種類」によって様々であるが、「ログの種類」が同じであれば固定である。
【0055】
図8は、コード化テーブル335の一例を示す図である。コード化テーブル335は、ログ情報の各カラム毎に重複しない識別子を、カラム内の各行に対応づけている。例えば、カラムが「ログの種類」の場合、種類名毎にコードが対応づけられている。例えば、"キャリッジ停止検知"のコードは"1"、"キャリッジ現在位置検知"のコードは"2"、"主走査モータ動作"のコードは"3"である。また、カラムが「出力元プログラム」の場合、プログラム名毎にコードが対応づけられている。例えば、"キャリッジ位置検出プログラム"のコードは"1"、"主走査モータ駆動プログラム"のコードは"2"である。また、カラムが「パラメータ」の場合、パラメータの種類毎にコードが対応づけられている。例えば、"停止位置""現在位置"のコードは特になく値そのもの(又は圧縮符号化された値)が格納され、"加速開始"のコードは"1"、"定速開始"のコードは"2"、"停止開始"のコードは"3"である。
【0056】
コード化部334は、各プログラムから出力されたログ情報のカラム毎に、コード化テーブル335のカラムと一致する行に対応づけられたコードで、ログ情報をコード化する。そして、例えば、種類名、プログラム名、パラメータの種類の3つのコードを組み合わせた1つのコードをログ情報に変換する。例えば、「ログの種類」が"キャリッジ停止検知"の場合、コードは「11値」となる。
【0057】
また、パラメータをコード化する方法の例として、例えば、表中の「停止位置」のように、プログラムの変数に格納されている数字(値)をそのままコードにする方法と、「加速開始、定速開始、停止開始」のようにそれぞれの制御に対応してコードを割り当てる方法とがある。数字をコードとした方が、コード化部334が数値そのものを記録できるため有効であるが、コード化した際にコード量が多くなってしまう欠点がある。一方、制御に対応したコードを割り当てる方法は、決まっている制御や数値に対してコード化する際に、ログ情報の記憶容量を少なくするという利点がある。
【0058】
なお、値を圧縮符号化することでコード化することも可能である。値は、例えばランレングス法などの可逆圧縮方法でコード化すれば、情報の質を低下させることなく記憶容量を圧縮できる。
【0059】
図9は、ログ記録プログラム401がログ情報をコード化する手順を示すフローチャート図の一例を示す。図9の手順は、回路などのログ情報を生成するプログラムがログ情報をログ記録プログラム401に出力するとスタートする。
【0060】
まず、コード化部334は、ログ情報をコード化可能か否かを判定する(S501)。ログ情報をコード化するためには、「ログの種類」等がコード化テーブル335に登録されている必要があるためである。
【0061】
コード化テーブル335内に「ログの種類」が登録されていない場合(S501のNo)、コード化部334はログ情報をコード化しない。この場合、ログ情報はそのままログ一時記憶領域402に記憶される。
【0062】
コード化テーブル335内に「ログの種類」が登録されている場合(S501のYes)、コード化部334はログ情報をコード化する。まず、コード化部334はヘッダ部分をコード化する(S502)。コード化テーブル335の「ログの種類」のカラムを、ログ情報の「ログの種類」で検索していき、一致した時のコードを「ログの種類」に格納する。出力元プログラムについても同様に、コード化テーブル335の中から検索して、該当するコードを「出力元プログラム」に格納する。
【0063】
次に、コード化部334は必要情報の取得とコード化を行う(S503)。ここでの必要情報とは、ログ情報が出力された際の時刻である。時刻データは年月日と時分秒の値がそれぞれ取得されるので、それを基準日(例えば2011年1月1日00:00:00)からの経過秒数に計算し直すことによりコード化する。これにより、そのまま時刻を出力するよりも少ないデータ量に抑えることができる。
【0064】
次にコード化部334はパラメータ部をコード化する(S504)。「パラメータの種類」が数値で与えられている場合には、その数値をそのままログ情報のパラメータ部に格納する。ログ情報の「パラメータの種類」が文字列になっている場合には、コード化テーブル335から該当する文字列を検索して、文字列が一致した時のコードを「パラメータ」に格納する。
【0065】
1つのログ情報のコード化が終了したら、コード化部334はログ情報を出力先に出力する(S505)。出力先としては上記のように、ログ一時記憶領域402や通信回路323を介して画像形成装置100と接続された外部のPCとがあるが、通信回路323を介して出力される場合も一度、ログ一時記憶領域402に記憶される。
【0066】
〔ログ情報の取得〕
外部からログ情報を取得する方法について説明する。取得の態様には、上記のように、
A.ログ情報をログ一時記録領域(装置内)に記憶しておき、PCからの要求によりログ情報を送信する態様
B.画像形成装置100から通信回路323を通じて外部のPCにリアルタイムにログ情報を出力する態様
の2つの態様がある。A,Bそれぞれの場合のログ情報の取得方法について説明する。
【0067】
図10は、コード化したログ情報の取得を説明するための図の一例である。画像形成装置100とPC701が通信ケーブル703を介して接続され、ログ情報取得システム200を構成している。図では、両者が直接接続されているが、ネットワークを介して接続されていてもよい。通信ケーブル703は、例えばシリアル通信ケーブル、USBケーブル、LANケーブルなどがある。PC701には、画像形成装置100からログ情報を取得するためのソフトウエアが搭載されている。
【0068】
Aの態様により、画像形成装置100に格納されているログ情報を取得する場合、PC701にあるログ情報を取得するためのソフトウエアから、ログ情報を取得するためのコマンドを送信する。
【0069】
画像形成装置100はコマンドを受信した場合、保持しているログ情報の中から必要なログ情報をPC701に対して送信する。PC701のログ情報を取得するためのソフトウエアは、受け取ったデータをログ情報として表示する。
【0070】
Bの態様により、画像形成装置100が通信回路323を通してPC701にログ情報を出力する場合、あらかじめPC701がログ情報を取得するソフトウエアを起動した状態を継続している。画像形成装置100は、PC701からコマンドを受けなくても、通信ケーブル703を通じてログ情報を出力する。
【0071】
PC701のログ情報を取得するソフトウエアは、通信ケーブル703を通じてデータが到着していないかを常時監視しており、データが到着した場合には、受け取ったデータをログ情報として表示する。
【0072】
図11(a)は、PC701のハードウェア構成図の一例を示す。PC701は、それぞれバスで相互に接続されているCPU702、ROM703、RAM704、外部I/F705、通信装置712、入力装置706、表示制御部707及びHDD708を有する。CPU702は、ログ情報を取得するためのソフトウエア711をHDD708から読み出して、RAM703を作業メモリにして実行する。ログ情報を取得するためのソフトウエア711については次述するが、画像形成装置100からログ情報を取得するためのプログラムである。ログ情報を取得するためのソフトウエア711は、記憶媒体709に記憶された状態で配布されたり通信装置を介して不図示のサーバなどからダウンロードして配信される。
【0073】
RAM703は必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)になり、ROM704にはBIOSや初期設定されたデータ、起動用のプログラム等が記憶されている。外部I/F705はUSBケーブル等のケーブルや、可搬型の記憶媒体709を装着するインタフェースである。記憶媒体709は、USBメモリ等のフラッシュメモリ、CD−ROM等の光記憶媒体等である。
【0074】
通信装置712は、LANカードやイーサネット(登録商標)カードと呼ばれ、CPU702からの指示によりネットワークを介して接続されたコンピュータにデータを送信し、受信したデータをCPU702に通知する。入力装置706は、ユーザの様々な操作指示を受け付ける不図示のキーボード、マウス、及び、ディスプレイ710と一体のタッチパネル等である。表示制御部707は、例えばグラフィックチップであり、ログ情報を取得するためのソフトウエア711が描画を要求した所定の解像度や色数等の画面情報を解析してディスプレイ710に出力している。HDD708は不揮発メモリであればよく、SSD(Solid State Drive)やUSBメモリなどでもよい。
【0075】
図11(b)は、PC701のログ情報を取得するためのソフトウエア711の機能ブロック図の一例である。該ソフトウエアは、指示受付部721、画面生成部723、コマンド送信部722、元データ変換部724、ログ情報取得部725及びコード化テーブル335を有する。
【0076】
<Aの態様>
Aの態様から説明する。ユーザが、ログ情報を取得しようとPC701を操作すると、画面生成部723はディスプレイ710にログ設定画面を表示する。
図12は、PC701のディスプレイ710に表示されたログ設定画面の一例を示す。なお、ログ設定画面についてはA,Bの態様に共通である。ログ設定画面には、ユーザが選択可能なログ情報の「ログの種類」732及び選択を受け付けるチェックボックス731が表示される。ユーザがマウスなどのポインティングデバイスでチェックボックス731を選択すると、画面生成部723はチェックボックス731にチェックマークを表示する。ユーザは複数のログ情報を選択することができる。
【0077】
ユーザが不図示の決定ボタンやOKボタンを押下すると、指示受付部721はチェックボックス731にチェックマークのある「ログの種類」を受け付ける。これにより、指示受付部721はユーザが選択したログ情報を取得できる。
【0078】
コマンド送信部722は、指示受付部721から通知された「ログの種類」をコマンドに変換して、画像形成装置100に送信する。コマンドには、ログ情報の取得要求と「ログの種類」が含まれる。「ログの種類」として文字列情報でなくコードが送信されることが特徴の一つになっている。
【0079】
画像形成装置100のログ記録プログラム401はログ一時記憶領域402に記憶されているログ情報の中から、コマンドで要求された「ログの種類」のログ情報を読み出し、PC701に送信する。
【0080】
ログ情報取得部725は画像形成装置100からログ情報を受信して元データ変換部724に出力する。元データ変換部724は、画像形成装置100から取得したログ情報をコード化テーブル335を参照して文字列情報のログ情報に変換し、画面生成部723に出力する。画面生成部723は、ログ情報を表示するログ表示画面をディスプレイ710に表示する。
【0081】
<Bの態様>
Bの態様について説明する。ユーザは、図12のログ設定画面からPC701で取得する「ログの種類」を設定しておくこともできるし、設定しなければ全ての「ログの種類」のログ情報を取得することができる。
【0082】
PC701でログ情報を取得するためのソフトウエア711が常時作動している場合、コマンド送信部722がコマンドを送信することなく、ログ情報取得部725がログ情報を取得する。より具体的には、PC701に接続された通信回路712がCPUに割り込みして、CPUがTCP/IPのプロトコルスタックを実行する。TCP/IPのプロトコルスタックは、受信した通信データの宛先のポート番号に基づきログ情報を取得するためのソフトウエア711を特定してログ情報をログ情報取得部725に送出する。
【0083】
図13(a)は、Aの態様においてPCのディスプレイ710に表示されたログ表示画面の一例を示す。ログ表示画面には、例えば1行に1つのログ情報が表示される。この図では図10のログ設定画面でユーザが選択した「ログの種類」である「キャリッジ停止検知」「主走査モータ動作」のログ情報が時系列で表示されている。時系列は、ログ情報の「ログ発生時刻」に基づいて定められる。なお、表示順は、時系列に限られずアイウエオ順、文字コード順、予め決まった「ログの種類」順など、どのような順番でもよい。
【0084】
また、ユーザは、ログ表示画面において特定の種類のログ情報のみを表示するように操作することができる。これにより例えば「キャリッジ停止検知」のみ、「キャリッジ現在位置検知」のみ、又は、「主走査モータ動作」のみを表示できるので、ユーザはログ情報の解析が容易になる。
【0085】
同じ種類のログ情報が複数ある場合(例えば、「キャリッジ停止検知」なら「キャリッジ停止検知」が複数ある場合)も、画面生成部723は同じ種類のログ情報毎に複数のログ情報を時系列にソートして表示する。これにより、ユーザは同じ種類のログ情報のうち過去のログ情報を確認することができる。PC701がどの程度過去のログ情報を取得できるかは、ログ一時記憶領域402の記憶容量に制限される。
【0086】
また、ログ情報の解析効率を向上させるために、ユーザは例えば特定のログ情報をハイライト表示することも可能である。
【0087】
図13(b)は、Bの態様においてPC701のディスプレイ710に表示されたログ表示画面の一例を示す。図13(b)のログ表示画面においても例えば1行に1つのログ情報が表示される。Bの態様においても、ユーザがログ設定画面で取得する「ログの種類」を設定することができるが、このような設定をユーザが行わないと、生成された全てのログ情報が時系列にログ表示画面に表示される。
【0088】
Bの態様では時間と共にログ情報が増大するので、ユーザはスライドバーを操作することで、過去のログ情報を確認することができる。また、ユーザの操作により「ログの種類」毎に時系列に表示してもよいし、特定の種類のログ情報をハイライト表示したり、最新のログ情報をハイライト表示してもよい。
【0089】
図14は、PC701がユーザにより選択されたログ情報を画像形成装置100のログ一時記憶領域から取得する手順を示すフローチャート図の一例である。図14の処理は全ての「ログの種類」の数分ループする(S801)。
【0090】
まず、指示受付部721は、コード化テーブルなどの「ログの種類」のリストを参照して、着目している「ログの種類」がユーザによりチェックされたか(選択されたか)否かを判定する(S802)。着目している「ログの種類」が選択されていない場合(S802のNo)、指示受付部721は次の「ログの種類」に着目する(S808)。
【0091】
着目している「ログの種類」が選択されていた場合(S802にYes)、コマンド送信部722はコード化テーブル335から、着目している「ログの種類」のコードを読み出す(S803)。
【0092】
そして、コマンド送信部722は、ログ情報の取得要求と共に「ログの種類(コード)」を画像形成装置100に送信する(S804)。
【0093】
これに対し、画像形成装置100では、PC701から送られてきた「ログの種類(コード)」と一致するログ情報をログ一時記憶領域402から読み出し、「出力元プログラム」「ログ発生時刻」「パラメータ」と共にPC側に送信する。PC側のログ情報取得部725は、その送られてきたログ情報を取得する(S805)。
【0094】
次に、元データ変換部724はコード化テーブル335を参照して、コード化されているログ情報を文字列情報のログ情報に変換する(S806)。すなわち、「ログの種類」「出力元プログラム」「パラメータ」のコードをそれぞれ文字列に変換する。
【0095】
画面生成部723は変換結果であるログ情報をログ表示画面に表示する(S807)。ログ情報を取得するためのソフトウエア711は、着目している1つの「ログの種類」のログ情報を取得すると、次の「ログの種類」に対して、同様の処理を行う。
【0096】
図15は、PC701がコマンドを送信することなく、画像形成装置100から通信回路323を通じて送られてくるログ情報をディスプレイ710に表示する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0097】
ログ情報取得部725は、画像形成装置100からログ情報が送信されたか否かを判定する(S901)。上記のように割り込みにより取得してもよいし、例えばログ情報が受信されるとオンになるフラグの状態を定期的にチェックするなどして判定してもよい。
【0098】
ログ情報が入力された場合(S901のYes)、ログ情報取得部725は通信回路323からのログ情報を取得する(S902)。
【0099】
次に、元データ変換部724はログ情報を解析するために、コード化テーブル335において、ログ情報に含まれている「ログの種類」のコードを特定する(S903)。
【0100】
次に、元データ変換部724は、特定されたコードに対応づけられた「ログの種類」をコード化テーブル335から読み出し、文字列に変換する(S904)。
【0101】
さらに、ログ情報には「出力元プログラム」のコードや「パラメータ」のコードが含まれているため、コード化テーブル335を用いて文字列に変換する(S905)。変換した結果は、画面生成部723がディスプレイ710に順次表示する(S906)。最も新しいログ情報が、ログ表示画面の一番下又は一番上の行に表示される。
【0102】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置100は、ログ情報をコードに置き換えるのでログ情報の記憶容量を格段に小さくできる。また、ログ情報の記憶容量が少なくなったことで、ログ情報を記録する際の画像形成装置100の負荷を削減できる。コード化されることで記憶容量が少なくなり、また、コードにより検索可能なので、PCからログ情報を検索する際の検索を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0103】
100 画像形成装置
200 ログ情報取得システム
300 制御部
301 主制御部
302 印刷制御部
332 ログ情報送信部
333 ログ情報収集部
334 コード化部
335 コード化テーブル
401 ログ記録プログラム
402 ログ一時記憶領域
701 PC
711 ログ情報を取得するためのソフトウエア
721 指示受付部
722 コマンド送信部
723 画面生成部
724 元データ変換部
725 ログ情報取得部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2006−53783号公報
【特許文献2】特開2010−98557号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
部品の動作結果を出力する動作結果出力手段と、
前記部品又は前記部品の動作結果により定まる情報識別文字情報を前記部品の動作結果に付与して動作結果情報を生成する動作結果情報生成手段と、
情報識別文字情報と一意の識別子、及び、前記部品の動作結果と一意の識別子をそれぞれ対応させた識別子テーブルと、
情報識別文字情報に対応づけられた識別子を前記識別子テーブルから読み出し、動作結果情報の少なくとも情報識別文字情報を識別子で置き換えた変換後動作結果情報に変換する動作結果情報変換手段と、
変換後動作結果情報を記憶する動作結果情報記憶手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
外部の機器から変換後動作結果情報の送信要求を受信する第1の通信手段と、
前記送信要求に含まれる情報識別文字情報の識別子が、前記動作結果情報記憶手段に記憶された変換後動作結果情報の識別子と一致する変換後動作結果情報を読み出し、前記外部の機器に送信する動作情報送信手段と、
を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
変換後動作結果情報をリアルタイムに前記外部の機器に送信するという設定を受け付けた場合、
前記動作情報送信手段は、前記第1の通信手段が変換後動作結果情報の前記送信要求を受信しなくても、前記動作結果情報変換が変換した変換後動作結果情報を前記外部の機器に送信する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記部品の動作結果が数値の場合、前記動作結果情報変換手段は情報識別文字情報のみを識別子で置き換え前記部品の動作結果は数値のまま変換後動作結果情報に変換する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項の画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記画像形成装置と通信する第2の通信手段と、
情報識別文字情報と一意の識別子、及び、前記部品の動作結果と一意の識別子をそれぞれ対応させた識別子テーブルと、
送信要求する動作結果情報の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段が受け付けた動作結果情報に含まれる情報識別文字情報に対応づけられた識別子を前記識別子テーブルから読み出し、変換後動作結果情報の送信要求と共に前記画像形成装置に送信する送信要求手段と、
前記画像形成装置から変換後動作結果情報を取得する動作結果情報取得手段と、
前記変換後動作結果情報に含まれる識別子を、前記識別子テーブルにて対応づけられた情報識別文字情報及び前記部品の動作結果に変換する動作結果変換手段と、
情報識別文字情報及び前記部品の動作結果を表示装置の画面に表示する画面表示手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか1項の画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記画像形成装置と通信する第2の通信手段と、
情報識別文字情報と一意の識別子、及び、前記部品の動作結果と一意の識別子をそれぞれ対応させた識別子テーブルと、
前記画像形成装置から変換後動作結果情報を取得する動作結果情報取得手段と、
前記変換後動作結果情報に含まれる識別子を、前記識別子テーブルにて対応づけられた情報識別文字情報及び前記部品の動作結果に変換する動作結果変換手段と、
情報識別文字情報及び前記部品の動作結果を表示装置の画面に表示する画面表示手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置に、
動作結果出力手段が出力した部品の動作結果を収集するステップと、
前記部品又は前記部品の動作結果により定まる情報識別文字情報を前記部品の動作結果に付与して動作結果情報を生成する動作結果情報生成ステップと、
情報識別文字情報に対応づけられた識別子を前記識別子テーブルから読み出し、動作結果情報の少なくとも情報識別文字情報を識別子で置き換えた変換後動作結果情報に変換する動作結果情報変換ステップと、
変換後動作結果情報を動作結果情報記憶手段に記憶させるステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−243269(P2012−243269A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116116(P2011−116116)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】