説明

画像形成装置、接続制御方法及びプログラム

【課題】本体の内部機能を利用して動作する外部アプリケーションに対し、内部機能へのリンク先情報を動的に与えることで、処理性能を最適化させる画像形成装置等を提供する。
【解決手段】本発明における画像形成装置は、画像形成機能の実行を行う複数の機能実行手段を有し、1以上の機能実行手段への接続により実現されるアプリケーションを追加可能な画像形成装置であって、アプリケーションから機能実行手段への接続を仲介するインターフェース手段を備え、インターフェース手段は、複数の機能実行手段の中から、アプリケーションが接続を行う機能実行手段を解析し特定する解析手段と、解析手段による解析結果を、アプリケーション毎に、アプリケーションが接続を行う機能実行手段を対応付けたアプリ接続機能情報として管理する管理部と、アプリケーション起動時、アプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーションに対し、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を行う接続制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、接続制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置(MFP:Multi-Function Peripheral)は、CPU(Central Processing Unit)の性能向上、メモリの大容量化、通信技術の高速化及びデジタル画像技術の高度化等、MFPに関連する技術の進化に伴い、単にデジタル複写機としての機能だけでなく、ネットワーク化されたファクシミリ、プリンタ及びスキャナ機能等の様々な機能を搭載し、利用者の環境において様々な場面で利用されている。
【0003】
このような画像形成装置(以下MFPという)は、表示部、印刷部、撮像部などの画像形成処理で使用されるハードウェア資源を搭載するとともに、プリンタ、コピーまたはファクシミリなどの各ユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うアプリケーションを複数搭載し、またこれらのアプリケーションとハードウェア資源との間に介在して、ユーザサービスを提供する際に、複数のアプリケーションが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理を行う各種コントロールサービスからなるプラットフォームを備えている。このようなMFPは、アプリケーションとコントロールサービスとを別個に設けているため、装置の出荷後においても、例えばプラグインという形で、新機能や拡張機能を容易にMFPに追加できるようになっている。
【0004】
ここで、追加される各種機能を実現するアプリケーションは、装置開発元(メーカー)以外にも、第三者(外部ベンダー等)により開発され、また提供されうる。この第三者によるアプリケーションに対応するため、装置開発元は、SDK(Software Development Kit)といった汎用的なI/F(外部開発者向けのプラットフォーム)を用意することによって、ユーザや外部ベンダーなどがアプリケーションを開発し、画像処理装置での処理内容をある程度自由にカスタマイズできるようにしている。このように、近年の拡張性の高いMFPにおいては、システムの基本機能を実現する自社製のアプリケーションや、追加的に導入され、新機能や拡張機能を実現する他社製のアプリケーションなど、様々な環境下で開発されたアプリケーションが動作できるよう設計されていることが知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来の外部開発者向けのプラットフォームは、第三者によるMFPアプリケーションの容易な開発を可能とした結果、MFPのアプリケーション数は飛躍的に向上した。しかしながらその反面、MFP上、多くのアプリケーションが搭載された場合、プラットフォーム内の構成が複雑になり、何よりもユーザが主に利用したい基本機能(コピー、プリント等)の性能へ影響が出てきてしまうという状況が生じてきた。
【0006】
図1は、従来のMFPプラットフォームの構成図である。MFPプラットフォーム100においては、各種の本体内部の機能を利用して、コピーアプリ111、プリンタアプリ112といったアプリケーションを実現している。例えば、MFPの標準アプリケーションであるコピーアプリ111であれば、本体内部の機能として内部機能A(スキャン)121と内部機能B(プリント)122を利用して実現されている。
【0007】
また、本体内部の機能を利用したアプリケーション開発を可能にするため、外部公開向けプラットフォーム200が配置され、外部公開向け機能A201、外部公開向け機能B202、外部公開向け機能C203を提供している。これら外部公開向け機能は、外部アプリに対し外部公開をしている機能を提供するものであるが、外部公開向け機能は、実際にはコピーアプリ111やプリンタアプリ112といった標準アプリケーションと同様に本体の内部機能を利用し実現されている。つまり、外部公開向け機能は、実質的には本体内部の内部機能との仲介的役割(インターフェース)を担っている。但し、外部アプリ301、302などからすると、直接的に本体内部の機能(例えば内部機能A121、内部機能B122・・)は見えないようになっており、あくまで外部公開向け機能を利用する。これは、より一般に汎用的なI/F(外部開発者向けのプラットフォーム200)を用意することによって、ユーザや外部ベンダーなどのアプリケーション開発を容易にするためである(なお、内部機能詳細の公開を防止する意義もある)。
【0008】
そして外部アプリが開発されMFPに搭載される場合、まずインストール処理部204を利用して外部アプリ301、302、303などがインストールされる。インストールされた後は、外部アプリケーションはそれぞれ任意の外部公開向け機能を利用して動作を実現する。
【0009】
このように、第三者により開発された外部アプリであってもMFP上のアプリケーションである以上、MFPの内部機能(例えば内部機能A121、内部機能B122・・)を利用して動作するアプリケーションであることを多い。そして次第にこのようなアプリケーションが多くMFPにインストールされ搭載されていくと、図に示されるように外部公開向け機能から内部機能へのリンク数は累積的に増加され、やがてMFP本来の基本機能(コピーアプリ111、プリントアプリ112等)のパフォーマンスの低下が生じてしまう。
【0010】
コピーアプリ111、プリントアプリ112は、MFP本来の基本機能であり、最もユーザの使用頻度が高い機能である。特にMFPのような複合機製品の場合、製品性能は、時間単位(例えば1分間)当たりの生産性により評価されるため、このようなMFP本来の基本機能のパフォーマンス低下は深刻な問題である。
【0011】
そこで、本発明では上記のような問題に鑑みて、本体の内部機能を利用して動作する外部アプリケーションに対し、内部機能へのリンク先情報を動的に与えることで、処理性能を最適化させる画像形成装置、接続制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、画像形成機能の実行を行う複数の機能実行手段を有し、1以上の前記機能実行手段への接続により実現されるアプリケーションを追加可能な画像形成装置であって、アプリケーションから前記機能実行手段への接続を仲介するインターフェース手段を備え、前記インターフェース手段は、複数の前記機能実行手段の中から、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を解析し特定する解析手段と、前記解析手段による解析結果を、アプリケーション毎に、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を対応付けたアプリ接続機能情報として管理する管理部と、アプリケーション起動時、前記アプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーションに対し、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を行う接続制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、上記画像形成装置において、前記接続制御手段は、アプリケーション終了時、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を切断することを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、本体の内部機能を利用して動作する外部アプリケーションに対し、内部機能へのリンク先情報を動的に与えることで、処理性能を最適化させる画像形成装置、接続制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のMFPプラットフォームの構成図である
【図2】本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成の一例を示す。
【図3】本実施形態に係るMFP1のMFPプラットフォームの構成図である。
【図4】外部アプリのインストール処理を説明するシーケンス図である。
【図5】外部公開向け機能と内部機能が対応付けられた既知情報例である。
【図6】アプリ接続機能情報例を示す。
【図7】外部アプリの起動に伴う情報処理を説明するシーケンス図である。
【図8】外部アプリ301起動後のMFP1のMFPプラットフォーム100の構成図である。
【図9】外部アプリの実行に伴う情報処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
[システム構成]
(ハードウェア)
まず本実施形態に係るMFP(画像形成装置)のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成の一例を示す。
【0019】
本実施形態に係るMFP1は、操作パネル11と、記憶メディアI/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、スキャナ15と、プロッタ16と、HDD(Hard Disk Drive)17とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
【0020】
操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを有しており、入力装置11aは、ハードキーなどで構成され、装置本体に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置11bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F14は、インタフェース装置14aを有しており、画像形成装置をネットワークやファックスなどのデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD17は、画像形成装置で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データ、各アプリケーションにより利用されるデータなど、各種データを格納している。また、HDD17は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0021】
HDD17に格納される各種データの中には、記録媒体12bから入力されるデータを含む。記録媒体12bは、記憶メディアI/F12が有するドライブ装置12aにセットされ各種データが記録媒体12bからドライブ装置12aを介してHDD17に格納される。
【0022】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)13a、RAM(Random Access Memory)13b、及びCPU(Central Processing Unit)13cとを有しており、ROM13aは、画像形成装置が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM13bは、ROM13aやHDD17から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU13cは、RAM13bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM13aからRAM13b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU13cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0023】
スキャナ15は、画像読取装置15aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置16aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0024】
このように、本実施形態に係るMFPは、上記ハードウェア構成により、コピー、スキャナ、プリント、ファクシミリなど画像形成に係る基本的な機能を実現している。
【0025】
(機能構成)
図3は、本実施形態に係るMFP1のMFPプラットフォームの構成図である。図1(従来例)を比較し、本実施形態に係る外部向けプラットフォーム200は、アプリ解析部205、アプリ接続機能管理部206、接続制御部207をさらに含み構成される。
【0026】
コピーアプリ111、プリンタアプリ112は、MFP1に出荷時から搭載され、画像形成装置本来の基本的機能を実現するための標準アプリケーション(群)である。これらアプリケーションは、アプリケーション毎に任意の本体の内部機能(内部機能A121〜D124)に接続し、それぞれの機能(サービス)をユーザに提供する。アプリケーションからの接続、そして実行要求を受けた本体の内部機能らは、上述(図2)のハードウェア資源を使用して、MFP本来の基本機能であるスキャン、プリント、ファックスといった機能をソフト及びハードを協働させ実現する(機能実行手段)。
【0027】
一方、外部向けプラットフォーム200は、MFP本体内部の機能を利用したアプリケーション開発を可能にするため、外部アプリに対し外部公開の機能(外部公開向け機能)を提供するものである。但しこの外部公開向け機能は、実際にはコピーアプリ111やプリンタアプリ112といった標準アプリケーションと同様にMFP1本体の内部機能を利用し実現されているため、外部向けプラットフォーム200は、実質的には外部アプリと本体内部の内部機能との接続において仲介的役割を担っているといえる(インターフェース手段)。
【0028】
外部アプリ301、302、303は、外部ベンダー等の第三者により開発され、ユーザへの個別対応機能(カスタマイズ機能)などを実現する新機能や拡張機能を提供するソフトウェアである。そして外部アプリは、例えばMFP1の工場出荷後に追加でインストールされる。本実施形態に係るMFP1は、専用のSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を使用して開発された外部アプリを、外部向けプラットフォーム200を介しMFP上で実行させることができる。外部アプリは、SDKにより使用できる命令や関数を使用してソフトウェアが開発されており、外部向けプラットフォーム200の外部公開向け機能は、予め定義された関数により、外部アプリから処理要求を受信可能とするインターフェースである。
【0029】
さて、インストール処理部204は、新たにインストールされる外部アプリのインストール処理を行う。このときアプリ解析部205は、複数の本体の内部機能(内部機能A121〜D124)の中から、インストールされたアプリケーションが接続を行う内部機能を解析し特定する。例えば、外部アプリ301がインストールされると、アプリ解析部205は外部アプリ301を解析し、外部アプリ301がいずれの内部機能(内部機能A121〜D124)を利用するアプリケーションであるかの解析を行い、利用する内部機能の特定を行う。外部アプリ301はコピー系アプリであるので、この場合、内部機能A121、内部機能B122及び内部機能D124を利用するアプリケーションであると解析されるものとする。
【0030】
アプリ接続機能管理部206は、インストールされた外部アプリが利用する内部機能をアプリ接続機能情報として管理する。上述の外部アプリ301の場合、内部機能A121、内部機能B122及び内部機能D124を利用するアプリケーションであると解析されているので、その解析結果をアプリ接続機能情報に保存、管理する。アプリ接続機能情報の具体例は後述する。
【0031】
接続制御部207は、アプリケーション起動時、上述のアプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーション(例えば外部アプリ301)に対し、当該アプリケーションと対応付けられた内部機能(例えば内部機能A121、内部機能B122及び内部機能D124)への接続(リンク)を行う。なおまたアプリケーション終了時、接続された内部機能との切断を行う。つまりアプリケーションと内部機能への接続は、アプリケーションの使用(起動)に伴い行われ、使用終了に伴い切断されることになる。
【0032】
なお従来例(図1)では、例えばコピーアプリ(スキャン+プリンタ)である外部アプリ301は、外部公開向け機能を介し、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124との接続を持っていた。しかし一方、本実施形態(図3)では、アプリケーションが配置(起動)されていない状態では内部機能までへの接続を持たない。つまりアプリケーションのインストール後のアプリケーション起動前において、外部アプリ301は、外部公開向け機能を介し接続制御部207に対してまでは接続を持ち、アプリ接続機能管理部206が、「外部アプリ301が動作するには内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124を利用する必要がある」という情報を持っているだけである。実際、接続制御部207から内部機能A121、内部機能B122及び内部機能D124への接続は確立されていない。
【0033】
以上これら各機能部は、実際にはCPU13cがプログラムを実行することにより実現される。続いて具体的なMFP1の処理動作について説明していく。
【0034】
[処理動作]
(インストール処理)
図4は、外部アプリのインストール処理を説明するシーケンス図である。以下、図面を参照しながら説明する。
【0035】
まずユーザにより外部アプリのインストール操作が行われると、外部アプリ300(例えば外部アプリ301、302、303等)は、インストール処理部204に対しインストール実行要求を行う(S401)。
【0036】
インストール処理部204は、インストール実行要求を受けると、アプリ解析部205に対して、この外部アプリについての解析要求を行う(S402)。アプリ解析部205は、アプリケーションの解析を実施する(S403)。解析とは、MFP1本体の内部機能の中から、インストールされたアプリケーションが接続を行う内部機能を解析し特定する処理という。この場合、外部アプリ300がインストールされると、アプリ解析部205は外部アプリ300を解析し、外部アプリ300がいずれの内部機能(内部機能A121〜D124)を利用するアプリケーションであるかの解析を行い、利用する内部機能の特定を行う。
【0037】
アプリ解析部205は、解析結果内容をアプリ接続機能情報としてアプリ接続機能管理部206に登録する(S404)。アプリ接続機能情報(解析結果内容)は、例えば外部アプリ300のアプリケーション名、内部機能名等である。
【0038】
登録が済むとアプリ接続機能管理部206は、アプリ解析部205に登録完了の旨を返答し(S405)、アプリ解析部205は、インストール処理部204に解析完了の旨を返答し(S406)、インストール処理部204は、外部アプリ300にインストール完了の旨を返答する(S407)。
【0039】
以上外部アプリ300がMFP1にインストールされるまでの処理である。なお言うまでもなく、インストール処理部204は上述アプリ解析のみならず、外部アプリ300をインストールするに必要な処理全般を含むインストールを行うものとする。また以上のインストール処理により、外部アプリ301、302、303がインストールされたものとして以下説明を進める。
【0040】
(アプリ接続機能情報)
上述したように、アプリ接続機能管理部206は、アプリ解析部205による解析結果内容をアプリ接続機能情報として管理している。ここで、アプリ接続機能管理部206は、予め既知情報として、それぞれの外部公開向け機能がいずれの内部機能を利用するか(接続するか)の情報を保持している。
【0041】
図5は、外部公開向け機能と内部機能が対応付けられた既知情報例である。この既知情報には、それぞれの外部公開向け機能がいずれの内部機能を利用するか(接続するか)の情報が保持されている。外部公開向け機能と内部機能とが対応付けて登録されていなければ、接続制御部207が外部公開向け機能をいずれの内部機能へ接続して分からないからである。
【0042】
例えば、図3に示される外部公開向け機能A201は、外部アプリにスキャン機能を提供するインターフェースであるため、内部機能A121を対応付け登録されている。同様に、外部公開向け機能B202は、外部アプリにプリント機能を提供するインターフェースであるため、内部機能B122及び内部機能D124を対応付け登録されている。同様に、外部公開向け機能C203は、外部アプリにファックス機能を提供するインターフェースであるため、内部機能C123を対応付け登録されている。
【0043】
さて、図6(a)は、アプリ接続機能情報例を示す。インストールされたアプリケーションを解析された結果、そのアプリケーションが、いずれの外部公開向け機能を利用するか(接続するか)の情報である。
【0044】
例えば、図3に示される外部アプリ301がインストールされた場合、外部アプリ(コピーアプリ)301は、コピーアプリであるため、外部公開向け機能A201、外部公開向け機能B202を利用するアプリケーションであると解析され、アプリ接続機能情報として登録される。また、図3に示される外部アプリ302がインストールされた場合、外部アプリ(スキャンアプリ)302は、スキャンアプリであるため、外部公開向け機能A201を利用するアプリケーションであると解析され登録される。また、図3に示される外部アプリ303がインストールされた場合、外部アプリ(スキャンアプリ)302は、ファックスアプリであるため、外部公開向け機能C203を利用するアプリケーションであると解析され登録される。
【0045】
図6(b)は、アプリ接続機能情報例の変形例を示す。つまり図5の既知情報と図6(a)の両方を加味すれば、アプリケーションと内部機能を対応付けて、インストールされたアプリケーションが、外部公開向け機能を介しいずれの内部機能を利用するか(接続するか)の情報として登録しておくこともできる。但しこれは結局、接続制御部207は、外部アプリと内部機能を接続する際、図5の既知情報と図6(a)の両方を参照するか、図6(b)のみを参照するかの違いであり、実質的には同一といえる。
【0046】
(起動処理)
図7は、外部アプリの起動に伴う情報処理を説明するシーケンス図である。以下、図面を参照しながら説明する。この例では、外部アプリ(コピーアプリ)301が起動されるものとして説明する。
【0047】
まず外部アプリ(コピーアプリ)301が起動されると(S701)、接続制御部207は、アプリ接続機能管理部206に対し、アプリ接続機能情報の要求を行う(S702)。このときアプリケーションを識別するため、アプリケーション名(外部アプリ(コピーアプリ)301)をパラメータとして渡す。すると、アプリ接続機能管理部206は、外部アプリ(コピーアプリ)301についてのアプリ接続機能情報を接続制御部207に返答する。この例では、図6(b)を参照し、アプリ接続機能情報として「外部アプリ301→内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124」を返答する。
【0048】
接続制御部207は、アプリ接続機能情報として「外部アプリ301→内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124」を取得しこれを参照する(S703)。この場合、外部アプリ301は、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124を利用するアプリケーションであることが分かり、従って接続制御部207は、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124に対して接続(リンク)を行う必要があると判断する。
【0049】
接続制御部207は、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124それぞれに対し、接続を行う(S704)。以上の処理がなされたときの接続状況を図8に示す。
【0050】
図8は、外部アプリ301起動後のMFP1のMFPプラットフォーム100の構成図である。図3と比較し、外部アプリ301起動後の状況として、接続制御部207から、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124に対して接続(リンク)がなされていることが示されている(太実線)。
【0051】
なお一方、外部アプリ302、303についても、MFP1上インストールはされているものの、これら起動はされておらず、外部アプリ302、303用の接続はなされていない。但し外部アプリ(スキャンアプリ)302は、外部公開向け機能A201を利用するアプリケーションであり、既に起動されている外部アプリ(コピーアプリ)301と利用する外部公開向け機能は重複しているので、結果として外部アプリ(スキャンアプリ)302は起動していないものの、接続制御部207から内部機能(スキャン)A121への接続は確立している。しかし、外部アプリ(ファックスアプリ)303について、外部アプリ(ファックスアプリ)303は起動されておらず、従って接続制御部207から内部機能(ファックス)C123への接続はなされていない点は、図を参照しても明確に把握できる。
【0052】
そして外部アプリ301の終了時には、接続制御部207は、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124それぞれとの接続を切断する。このように外部アプリ301が起動している間だけ内部機能への接続が確立されているので、MFP本来の標準アプリケーションであるコピーアプリ111、プリントアプリ112などが内部機能を利用する際に影響が少なくて済み、即ちMFP1本来の基本機能へのパフォーマンスを維持できる。
【0053】
(実行処理)
図9は、外部アプリの実行に伴う情報処理を説明するシーケンス図である。これまでの説明において、外部アプリ(コピーアプリ)301がインストールされ、そして起動されるまでを説明してきた。そして本シーケンスでは、外部アプリ(コピーアプリ)301が既に起動されており、実際に外部アプリ301がMFP1上にて実行される。
【0054】
外部アプリ301は、自身のアプリケーションを実行するに際し、スキャン機能を実行する場合は外部公開向け機能A201に対し、スキャン実行を要求する。また同様に、プリント機能を実行する場合は外部公開向け機能B202に対し、プリント実行を要求する。
外部公開向け機能はあくまでインターフェースであり、実際MFP1上では内部機能が処理を担うが、外部アプリ301からすると、外部公開向け機能がMFP1上の各種機能を提供する機能部として見えているからである。
【0055】
そして、スキャンやプリント実行の要求は、機能外部公開向け機能A201や外部公開向け機能B202から接続制御部207を介し、内部機能A121、内部機能B122、内部機能D124に伝達され、スキャンやプリントの実行がなされることとなる。
【0056】
なお、プリント機能は、一般的にも知られているようにまず印刷データの解析を経てから印刷処理を行う必要があることから、図中の外部公開向け機能B202は、内部機能B122、内部機能D124に対し、機能実行要求を行っている。
【0057】
(総括)
本実施形態に係るMFP1は、画像形成機能の実行を行う複数の機能実行手段を有し、1以上の前記機能実行手段への接続により実現されるアプリケーションを追加可能な画像形成装置であって、アプリケーションから機能実行手段への接続を仲介するインターフェース手段を備える。そしてインターフェース手段は、複数の機能実行手段の中から、アプリケーションが接続を行う機能実行手段を解析し、その解析結果を、アプリケーション毎に、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を対応付けたアプリ接続機能情報として管理し、アプリケーション起動時、アプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーションに対し、当該アプリケーションと対応付けられた機能実行手段への接続を行う。
【0058】
これにより、このようにアプリケーションが起動している間だけ機能実行手段への接続が確立されるようになっている。次第に外部アプリが多くMFP1にインストールされ搭載されていくと、やがてMFP本来の基本機能のパフォーマンスの低下が生じうるところ、本実施形態に係るMFP1によれば、MFP本来の標準アプリケーションであるコピーアプリ111、プリントアプリ112などが内部機能を利用する際に影響が少なくて済む。即ちMFP1本来の基本機能へのパフォーマンスを維持できる。
【0059】
以上即ち本実施形態によれば、本体の内部機能を利用して動作する外部アプリケーションに対し、内部機能へのリンク先情報を動的に与えることで、処理性能を最適化させる画像形成装置等を提供することが可能となる。
【0060】
各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【符号の説明】
【0061】
1 MFP
11 操作部(操作パネル)
11a 入力装置
11b 表示装置
12 記憶メディアI/F
12a ドライブ装置
12b 記録媒体
13 コントローラ(部)
13a ROM
13b RAM
13c CPU
14 データ通信I/F
14a インターフェース装置
15 スキャナ
15a 画像読取装置
16 プロッタ
16a 印刷装置
17 HDD
100 MFPプラットフォーム
111 コピーアプリ
112 プリンタアプリ
121 内部機能A
122 内部機能B
123 内部機能C
124 内部機能D
200 外部公開向けプラットフォーム
201 外部公開向け機能A
202 外部公開向け機能B
203 外部公開向け機能C
204 インストール処理部
205 アプリ解析部
206 アプリ接続機能管理部
207 接続制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2005−269619号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成機能の実行を行う複数の機能実行手段を有し、1以上の前記機能実行手段への接続により実現されるアプリケーションを追加可能な画像形成装置であって、
アプリケーションから前記機能実行手段への接続を仲介するインターフェース手段を備え、
前記インターフェース手段は、
複数の前記機能実行手段の中から、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を解析し特定する解析手段と、
前記解析手段による解析結果を、アプリケーション毎に、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を対応付けたアプリ接続機能情報として管理する管理部と、
アプリケーション起動時、前記アプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーションに対し、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を行う接続制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接続制御手段は、アプリケーション終了時、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を切断すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成機能の実行を行う複数の機能実行手段を有し、1以上の前記機能実行手段への接続により実現されるアプリケーションを追加可能な画像形成装置における接続制御方法であって、
前記画像形成装置は、アプリケーションから前記機能実行手段への接続を仲介するインターフェース手段を備え、
前記インターフェース手段は、
複数の前記機能実行手段の中から、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を解析し特定する解析手順と、
前記解析手順による解析結果を、アプリケーション毎に、アプリケーションが接続を行う前記機能実行手段を対応付けたアプリ接続機能情報として管理する管理順と、
アプリケーション起動時、前記アプリ接続機能情報に基づいて、当該アプリケーションに対し、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を行う接続制御手順と、
を有することを特徴とする接続制御方法。
【請求項4】
前記接続制御手順は、アプリケーション終了時、当該アプリケーションと対応付けられた前記機能実行手段への接続を切断すること、
を特徴とする請求項3記載の接続制御方法。
【請求項5】
請求項3又は4記載の接続制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−19291(P2012−19291A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154248(P2010−154248)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】