説明

画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム

【課題】本発明は、画像形成の生産性の向上を図りつつ、適切な媒体供給制限を行う。
【解決手段】複合装置1は、給紙トレイ3a、3bから給紙部3によって送り出された用紙を、該給紙トレイ3a、3bからプリンタ部4を通して搬送路上を搬送して、所定期間に排紙トレイ9、8aへ排出される用紙の枚数をコントローラによってカウントして、カウント数が所定の上限枚数よりも少ない紙間調整枚数よりも少ないと、紙間隔として短紙間隔を設定し、該カウント数が該紙間調整枚数以上であると、該紙間隔として長紙間隔を設定するとともに、今回の印刷要求による用紙の枚数を加えた該所定期間内における用紙総枚数が該上限枚数未満であると、紙間隔を該短媒体間隔に設定して、給紙部3から給紙させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムに関し、詳細には、画像形成の生産性の向上を図りつつ、適切な媒体供給制限を行う画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からファクシミリ装置、複写装置、複合装置、プリンタ装置等の画像形成装置においては、紙資源やその他の消耗品及び消費電力等を節約するために、画像形成装置毎に画像形成枚数を制限することが行われている。
【0003】
特に、近年、画像形成装置の急速な普及により、多くの画像形成装置がネットワークに接続されて、複数の画像形成装置を利用して画像形成(以下、適宜、単に、印刷という。)を行うようになってきており、一般のオフィス等において、TCO(Total Cost of Ownership)削減が重要視されるようになってきている。そこで、紙の使用量、その他の消耗品の消費を低減させ、また、消費電力を削減させるための方策として、画像形成装置毎に利用上の上限制限を適切に行う必要がある。すなわち、画像形成装置における所定期間内における印刷上限枚数を設定して、該印刷上限枚数に印刷枚数を制限する必要がある。
【0004】
また、画像形成装置においては、画像形成(印刷)の生産性を向上させるために、印刷対象の用紙を給紙トレイから画像形成部に搬送して排紙トレイに排出する搬送経路上に、前ページの用紙(先に送り出された用紙)が存在する状態で、次ページの用紙の給紙トレイからの給紙を開始する先行給紙が行われる。すなわち、用紙と用紙の間隔である紙間を短くした高速給紙を行うことで、生産性を向上させている。
【0005】
そして、上記印刷上限枚数の設定に関して、従来、画像形成枚数が上限枚数よりも少ない所定の媒体間隔調整枚数になると、媒体間隔を広くして搬送する媒体間隔調整を行い、画像形成の生産性の向上を図りつつ、適切な媒体供給制限を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献記載の従来技術にあっては、種々の画像形成要求に適切に対応して媒体間隔調整を行う上で、改良の必要があった。すなわち、ユーザの印刷要求には、例えば、両面印刷や集約印刷等の一般的な印刷要求だけでなく、画像形成時のカラーモードや媒体種別に応じた媒体間隔の調整及びステープル等の種々の後処理を行う後処理装置が接続されているときの後処理の有無に応じた媒体搬送路長を考慮した媒体間隔の調整を適切に行う上で、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、画像形成条件に応じた媒体間隔で媒体の送り出しを行い、画像形成の生産性の向上を図りつつ、適切な媒体供給制限を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、画像形成媒体を複数枚収納する媒体収納手段と、画像形成要求の画像形成条件に基づいて前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で画像形成済みの画像形成媒体の排出される排出トレイと、前記媒体収納手段から前記画像形成媒体を1枚ずつ送り出す送り出し手段と、前記媒体収納手段から前記送り出し手段によって送り出された前記画像形成媒体を、該媒体収納手段から前記画像形成手段を通して前記排出トレイまでの搬送路上を搬送する搬送手段と、所定期間に前記排出トレイへ排出される前記画像形成媒体の枚数をカウントする排出枚数カウント手段と、前記送り出し手段が前記画像形成媒体を前記媒体収納手段から前記搬送路上に送り出す媒体間隔を、先に送り出された前記画像形成媒体が前記搬送路上に存在する状態で送り出す短媒体間隔と、前記排出枚数カウント手段のカウント数が画像形成を制限する所定の上限枚数よりも少ない媒体間隔調整枚数以下のカウント数のときの媒体間隔であって、先の画像形成媒体が該搬送路上から排出された後となる長媒体間隔との少なくとも2種類の媒体間隔に切り替えて該送り出し手段に送り出させる送り出し制御手段と、前記画像形成要求から少なくとも画像形成媒体の枚数及び画像形成条件を取得して、該画像形成条件に基づいて前記媒体間隔調整枚数を設定するとともに、該画像形成要求による該画像形成媒体の枚数を前記所定期間内における該画像形成要求までの画像形成要求による画像形成媒体の総枚数に加算したときの画像形成媒体総枚数が前記上限枚数未満であることが判明すると、前記媒体間隔を前記短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成条件に応じた媒体間隔で媒体の送り出しを行うことができ、画像形成の生産性の向上を図りつつ、適切な媒体供給制限を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の正面概略構成図。
【図2】図1の複合装置の機能ブロック構成図。
【図3】紙間が短い通常印刷の場合の用紙搬送タイミングを示す図。
【図4】紙間が長い紙間調整印刷の場合の用紙搬送タイミングを示す図。
【図5】印刷制御処理を示すフローチャート。
【図6】図5の続きの処理を示すフローチャート。
【図7】印刷制御処理による印刷の紙間の一例を示す図。
【図8】複数部数印刷する場合の印刷制御処理を示すフローチャート。
【図9】図8の続きの処理を示すフローチャート。
【図10】調整開始枚数取得処理を示すフローチャート。
【図11】図10の続きの処理を示すフローチャート。
【図12】細かな印刷条件に基づく調整開始枚数取得処理示すフローチャート。
【図13】図12の続きの処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図13は、本発明の画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムの一実施例を適用した複合装置1のブロック構成図である。
【0013】
図1において、複合装置(画像形成装置)1は、本体筐体2内に、給紙部3、プリンタ部4、スキャナ部5を備えているとともに、ADF(Auto Document Feeder)6、両面ユニット7及びフィニッシャ8等を備えており、プリンタ部4とスキャナ部5との間に排紙トレイ9が設けられている。複合装置1は、図示しない操作表示部等の複合装置1として必要な各部を備えており、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、データ転送機能等の複合機能を実行する。
【0014】
給紙部(送り出し手段)3は、複数の給紙トレイ(媒体収納手段)3a、3b(図1では、2つ)を備え、各給紙トレイ3a、3bには、それぞれ紙サイズや紙種の異なる用紙(画像形成媒体)を収納可能である。給紙部3は、各給紙トレイ3a、3bのうち印刷時に指定されている給紙トレイ3a、3bから1枚ずつ用紙を分離してプリンタ部4に搬送する。
【0015】
プリンタ部(画像形成手段)4は、電子写真方式で給紙部3から搬送ベルト4aへ搬送されてきた用紙に、搬送ベルト4aに沿って並んで配設されている画像データに基づいてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のプリントユニット4c、4m、4y、4kによってカラー画像を順次重ね合わせて転写して、カラー画像を印刷し、印刷済の用紙を排紙トレイ(排出トレイ)9またはフィニッシャ8に排出する。両面ユニット7は、両面印刷時に、プリンタ部4で片面(表面)に印刷の完了した用紙を表裏面反転させて再度プリンタ部4に搬送し、プリンタ部4で他面(裏面)に印刷を行わせる。
【0016】
フィニッシャ(後処理ユニット)8は、排紙トレイ(排出トレイ)8aを備えているとともに、印刷済の用紙束にステープル処理を行うステープル機構部、パンチ処理を行うパンチ機構部、折処理を行う折機構部等の後処理機構部を備えて、プリンタ部4で画像の印刷された用紙束に指定された後処理を行って、排紙トレイ8a上に排紙し、また、複数の排紙トレイ8a上にページ毎に複数部数を順次排紙するソート機能を実行する。
【0017】
排紙トレイ9の下部には、プリンタ部4で印刷済みの用紙をフィニッシャ8に搬送する中継ユニット10が設けられている。
【0018】
複合装置1は、上述のように、図示しない操作表示部を備えており、操作表示部は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作表示部は、操作キーから、送信操作、コピー操作、スキャナ操作等の各種命令操作が行われ、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容や複合装置1から利用者に通知する各種情報が表示する。
【0019】
スキャナ部5は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を利用したイメージスキャナ等が利用されており、スキャナ部5の上部にADF6が備えられている。ADF6には、複数枚の原稿がセットされ、ADF6は、セットされた原稿を1枚ずつスキャナ部5の原稿読み取り位置に送給する。スキャナ部5は、ADF6から搬送されてきた原稿を走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、2値化して出力する。
【0020】
そして、複合装置1は、印刷時における用紙(画像形成媒体)の搬送パス(搬送路)として、給紙トレイ3a、3bから送り出した用紙に片面印刷を行って排紙トレイ9に排出する基本搬送パスP0、中継ユニット10における搬送長さである中継搬送パスP1、フィニッシャ8内における搬送長さであるフィニッシャ搬送パスP2、両面ユニット7における搬送長さである両面搬送パスP3がある。
【0021】
また、複合装置1は、公衆電話回線等のファクシミリ通信可能な回線やネットワーク等に接続されていて、回線を介してファクシミリ通信を行い、ネットワークを介してネットワーク上のホスト装置との間でデータの送受信を行う。
【0022】
そして、複合装置1は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなるコントローラ、画像処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ハードディスク等を備えており、コントローラ(、排出枚数カウント手段、送り出し制御手段、媒体間隔調整制御手段)は、CPUがROM内のプログラムに基づいて複合装置1の各部を制御して複合装置1としての基本機能を実行するとともに、本発明の印刷条件(画像形成条件)に応じた媒体間隔調整を行って、生産性を向上させつつ印刷上限枚数の制限を行う画像形成方法を実行する。すなわち、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成方法を実行する画像形成プログラムを読み込んでROMやハードディスクに導入することで、後述する印刷条件に応じた媒体間隔調整を行って、生産性を向上させつつ印刷上限枚数の制限を行う画像形成方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0023】
そして、複合装置1は、基本プログラム及び本発明の画像形成プログラムが導入されることで、図2に示すような機能ブロックが構築される。複合装置1は、基本的には、図2に示すように、ユーザインターフェイス層11、コントローラ層12、アプリケーション層13、デバイス層14及びクロスカット15等を有している。
【0024】
ユーザインターフェイス層11は、通信サーバ11aとローカルUI11bを有し、機器外部からの指示を受け付けて、該指示を解釈してコントローラ層12に対して指示を行なう。通信サーバ11aは、ネットワーク経由の指示を機器外部からの指示として受け付けるブロックであり、ローカルUI11bは、操作表示部からの指示を機器外部からの指示として受け付けるブロックである。
【0025】
コントローラ層12は、パラメータ12a及びアクティビティ12b等を備え、ユーザインターフェイス層11から指示を受けると、パラメータ12aに格納するとともに、アクティビティ12bで利用者の要求を満たすために必要なアプリケーション層13内のコンポーネントから使用するコンポーネントを選択して、該使用するコンポーネントにそれぞれ実行を要求する。
【0026】
アプリケーション層13は、入力処理コンポーネント13a、加工処理コンポーネント13b、出力処理コンポーネント13c及び保存処理コンポーネント13d等を有しており、利用者の指示を実行するための機能を実現するコンポーネント群であって、コンポーネントとしては、ロジックに限るものではない。アプリケーション層13は、これらのコンポーネント13a〜13dを複数使用することで、利用者の要求を実現する。アプリケーション層13は、コントローラ層12からの指示に従って、機能ブロック毎に処理を行う。
【0027】
デバイス層14は、アプリケーション層13からの要求に応じて、複合装置1の備えているネットワークや電話回線、スキャナ部5等のデバイス14a、14b、14c、・・・を制御する。
【0028】
クロスカット15は、複合装置1の全てのブロックから共通に使用される機能ブロックであり、例えば、履歴部15a、アクセス制御部15b、課金部15c等を備えている。履歴部15aは、複合装置1の履歴を残す必要がある全てのブロックからアクセスされ、その内容を記録する。アクセス制御部15bは、複合装置1の全てのアクセス制御を行う。課金部15cは、課金による動作制限を受け付ける全てのブロックからアクセスされ、課金情報を元に処理を行う。
【0029】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、印刷枚数と印刷上限枚数を常時判断して、紙間を適宜に調整して、最終的に印刷上限枚数で印刷を停止させる印刷処理(画像形成処理)を実行する。
【0030】
すなわち、複合装置1は、省電力、省資源等の観点から複合装置1の印刷上限枚数が複合装置1の管理人等によって設定され、この印刷上限枚数は、複合装置1自体の印刷上限枚数だけでなく、例えば、複合装置1を利用する利用者個人毎、利用者の所属する部署毎等に、月当たり、週当たり、日当たり等のような所定の期限当たりにおける印刷上限枚数が設定される。複合装置1は、印刷上限枚数が個人や部署毎に設定されているときには、印刷を行う利用者の個人認証や部署の確認を行う処理を行う。
【0031】
また、複合装置1は、通常、画像形成(印刷)の生産性を向上させるために、例えば、図3に示すように、給紙トレイ3a、3bから送り出される給紙口Psから排紙トレイ9やフィニッシャ8の排紙トレイ8a上に排出する排出口Peまでの搬送路上を搬送されている時間が、図3に示すように、1枚目の用紙においては、t0〜t2であって、2枚目の用紙においては、t1〜t3であったとすると、1枚目の用紙が排出口Peから排出される前に、2枚目の用紙に対する給紙口Psからの搬送が開始されており、1枚目の用紙と2枚目の用紙の紙間が狭く、搬送路上に1枚目の用紙と2枚目の用紙が同時に存在する状態(t1〜t2の期間)がある。このような紙間の短い間隔での用紙の搬送を行いつつ行う印刷を、以下、通常印刷という。
【0032】
このような紙間の狭い状態で順次高速で印刷(画像形成)して用紙の搬送と排出を行っているときに、急に印刷上限枚数に到達して、用紙の給紙を停止すると、給紙機構に負荷がかかることとなる。また、印刷上限枚数よりも少ない所定の印刷枚数を紙間調整枚数(媒体間隔調整枚数)として設定して、印刷総枚数が該紙間調整枚数になると、紙間を広くする制御を行い、その後、総印刷枚数が印刷上限枚数になると、給紙部3からの用紙の給紙を停止して画像形成を終了するのみであると、ユーザの要求する多様な印刷要求に応じた紙間隔調整(媒体間隔調整)を行うことができない。
【0033】
すなわち、いま、図3に示したように、紙間が短い状態で印刷を行っているとともに、印刷上限枚数が設定されている状態で、印刷に用いる用紙の用紙サイズを考慮して紙間調整処理を行う場合について、まず、説明する。
【0034】
なお、以下の説明では、複合装置1がコピー処理を行う場合の紙間調整処理を伴う印刷処理について説明するが、印刷処理を伴う処理であれば、コピー処理に限らず、プリンタ処理、ファクシミリ受信印刷処理等においても、同様である。
【0035】
複合装置1は、利用者がスキャナ部5のADF6に原稿をセットして、コピー機能を選択すると、入力処理としてスキャナ読み取り、出力処理として印刷を選択する。利用者が、操作表示部において、カラー選択や集約、変倍等のコピー設定を行った後、スタートキーを押下して印刷処理開始を指示すると、入力処理コンポーネント13aが、スキャナ部5の読み取った画像を記憶する領域をメモリ空間に確保し、スキャナ部5に原稿の読み取りを指示する。ここで、複合装置1は、読み取られた画像データを、先に確保してあるメモリ領域に随時保管する。
【0036】
複合装置1は、スキャナ部5による原稿の読み取りを開始すると、利用者が指定した印刷設定(印刷条件:画像形成条件)に基づいて加工処理コンポーネント13bが編集・作成する加工処理によって作成された出力画像を、出力処理コンポーネント13cによってCMYKに変換させて、給紙部3からプリンタ部4に搬送した用紙に画像を印刷出力させる。
【0037】
そして、複合装置1は、通常印刷においては、紙間が短く設定されているため、上記原稿読み取りから用紙への画像の印刷に至る一連の処理は、図3に示したように、原稿1枚目の印刷が終了する前に、原稿1枚目の印刷を行いながら、2枚目の原稿の読み取りを行って、かつ、2枚目の用紙を給紙部3からプリンタ部4への搬送を開始するという並行処理を行う。すなわち、図3において、1枚目の用紙と2枚目の用紙が時間軸において重なっている部分では、搬送路上に、複数枚の用紙が同時に存在している。
【0038】
複合装置1は、印刷枚数のカウントアップを、排紙トレイ9またはフィニッシャ8の排紙トレイ8aへ排紙した用紙を図示しない用紙センサで検出して、コントローラの内部カウンタでカウントとするという処理を行うため、この排紙時に印刷上限枚数に達した場合であっても、既に搬送路上には次の用紙が給紙されているため、印刷上限枚数をカウントした段階で給紙部3からの給紙を停止して、既に用紙搬送路上に存在する用紙に印刷を行って排紙すると、印刷上限枚数を超えてしまうこととなる。
【0039】
そこで、本実施例の複合装置1は、総印刷枚数が印刷上限枚数に近い紙間調整枚数になると、図4に示すように、少なくとも印刷上限枚数間近では、紙間を用紙が搬送路上に1枚のみ存在する間隔に設定し、給紙機構にかかる負荷を抑制しつつ、印刷上限枚数で印刷を適切に停止することができる紙間調整印刷を行う。
【0040】
そして、複合装置1は、この紙間調整枚数を、操作表示部での印刷設定やコピー動作の実行環境である印刷条件(画像形成条件)に基づいて設定するとともに、常時紙間調整枚数と印刷上限枚数を監視して通常印刷と紙間調整印刷を適宜制御する。
【0041】
すなわち、複合装置1は、操作表示部での印刷要求に応じて、コピー動作を開始すると、図5及び図6に示すように印刷制御処理を行う。まず、複合装置1は、図5に示すように、予め設定されている印刷上限枚数Lを取得し(ステップS101)、現在までの総印刷枚数(今回の印刷要求の前の印刷要求までの総印刷枚数)Nを取得する(ステップS102)。
【0042】
複合装置1は、次に、印刷上限枚数Lから総印刷枚数Nを減算して残り印刷枚数Mを算出し(ステップS103)、算出した残り印刷枚数Mが、「0」以上であるかチェック、すなわち、総印刷枚数Nが印刷上限枚数Lに到達していないか否かチェックする(ステップS104)。
【0043】
ステップS104で、残り印刷枚数Mが「0」よりも大きいときには、複合装置1は、後述する印刷上限枚数Lに対して紙間の調整を開始する用紙枚数である調整開始枚数Qを取得する調整開始印刷枚数取得処理を行い(ステップS105)、後述するように、調整開始印刷枚数取得処理で取得する用紙を搬送する総搬送路長である総搬送パスPに対して送り込むことのできる搬送路上用紙枚数Dよりも残り印刷枚数Mが小さいか、すなわち、残り印刷枚数Mまでの用紙が既に総搬送パスPに送り込まれているかチェックする(ステップS106)。
【0044】
ステップS106で、搬送路上用紙枚数Dよりも残り枚数Mが小さいとき(ステップS107で、NOのとき)には、複合装置1は、残り枚数Mが上記調整枚数開始印刷枚数取得処理で取得される調整開始枚数Qよりも大きいかチェックし(ステップS107)、残り枚数Mが調整開始枚数Qよりも大きいとき(ステップS107で、YESのとき)には、図3に示した紙間の短い通常印刷を行う(ステップS108)。
【0045】
複合装置1は、通常印刷によって1枚の用紙への印刷を行うと、総印刷枚数Nを、「1」だけインクリメント(N=N+1)して(ステップS109)、コピー動作の最終ページまで印刷完了したか(紙はまだあるか)をチェックし(ステップS110)、最終ページまで印刷が完了していないとき(ステップS110で、YESのとき)には、ステップS103に戻って、残り印刷枚数Mを算出する処理から上記同様に算出する(ステップS103〜S110)。
【0046】
そして、ステップS107で、残り枚数Mが調整開始枚数Q以下になると、すなわち、ステップS107で、NOのときには、複合装置1は、紙間調整開始タイミングであると判断して、紙間を少なくとも複数の用紙が用紙搬送路上に存在しない紙間、例えば、図4に示したような先の用紙が排出口Peから排出された後に、次の用紙を給紙口Psから給紙する紙間で印刷する紙間調整印刷に切り替えて印刷し(ステップS111)、紙間調整印刷によって1枚の用紙への印刷を行うと、総印刷枚数Nを、「1」だけインクリメント(N=N+1)して(ステップS109)、図6に示すように、紙はまだあるかをチェックする(ステップS110)。
【0047】
図6のステップS110で、紙がまだあるときには、複合装置1は、ステップS103に戻って、上記同様の処理を最終用紙まで繰り返し行って(ステップS103〜S104)、ステップS110で、最終用紙になると、総印刷枚数Nを総ページ数Rとして取得し(ステップS112)、総ページ数Rが印刷上限枚数L未満であるかチェックする(ステップS113)。
【0048】
ステップS113で、総ページ数Rが印刷上限枚数L未満であると(ステップS113で、YESであると)、すなわち、今回の印刷要求による印刷を全て行っても印刷上限枚数Lに達しないことが判明すると、印刷中の画像データの残りページを、生産性を向上させるために、紙間の短い通常印刷によって印刷して印刷制御処理を終了する(ステップS114)。
【0049】
ステップS113で、総ページ数Rが印刷上限枚数L以上であると(ステップS113で、NOであると)、複合装置1は、印刷中の画像データの残りページを全て印刷することができないため、最終ページまで印刷することができない旨の印刷不可通知を操作表示部のディスプレイに表示する等の方法でユーザに通知し(ステップS115)、印刷上限枚数Lぎりぎりまで印刷を実行するか否かの問い合わせを操作表示部のディスプレイに表示する等の方法で行う(ステップS116)。
【0050】
ステップS116で、ユーザによって最終ページまで印刷できないのであれば印刷したくないとい等の理由から操作表示部のキー操作等によってギリギリまで印刷しないことが選択されると(ステップS116で、NOのとき)、そのまま印刷制御処理を終了する。
【0051】
ステップS116で、ユーザによってギリギリまで印刷することが選択されると(ステップS116で、YESのとき)、紙間の短い通常印刷によって印刷して印刷制御処理を終了する(ステップS114)。
【0052】
そして、上記印刷制御処理において、最終ページまで処理が進む前に、図5のステップS104で、残り印刷枚数Mが「0」になると、複合装置1は、印刷を続行することができないと判断して、印刷することができない旨の印刷不可通知を操作表示部のディスプレイに表示する等の方法でユーザに通知して印刷制御処理を終了する(ステップS117)。
【0053】
すなわち、複合装置1は、例えば、用紙5枚の印刷を行う場合、図7に示すように、搬送路上に1枚のみの用紙を搬送する紙間に調整する紙間調整印刷を行っていて、例えば、2枚目の印刷を行った時点で、印刷要求の印刷枚数が印刷上限枚数L未満であることが確定すると、3枚目以降の最終ページまでを、紙間の短い通常印刷に切り替えて印刷する。したがって、印刷における生産性を向上させることができ、複合装置1の利用性を向上させることができる。
【0054】
なお、上記印刷制御処理は、印刷部数が1部の場合について説明したが、印刷部数が複数部であるときにも同様に適用することができ、この場合、図8及び図9に示すように、印刷部数分だけ総ページ数Rを乗算して、印刷上限枚数Lと比較する。なお、図8及び図9において、図5及び図6と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を省略または簡略化する。
【0055】
図8において、複合装置1は、上記同様に、印刷上限枚数Lの取得(ステップS101)、総印刷枚数Nの取得(ステップS102)を行うと、操作表示部による印刷設定等から印刷部数Bの取得を行い(ステップS121)、残り印刷枚数M(M=L−N)を算出して(ステップS103)、算出した残り印刷枚数Mが、「0」以上であるかチェックする(ステップS104)。
【0056】
以降、コピー動作の最終用紙まで、上記同様に、調整開始枚数取得処理を行って、通常印刷と紙間調整印刷を切り替えながら印刷処理を行い(ステップS104〜S110)
ステップS104で、残り印刷枚数Mが「0」よりも大きいときには、複合装置1は、印刷上限枚数Lに対して紙間の調整を開始する枚数である調整開始枚数Qを取得する調整開始印刷枚数取得処理を行い(ステップS105)、調整開始印刷枚数取得処理で取得する用紙を搬送する総搬送路長である総搬送パスPに対して送り込むことのできる搬送路上用紙枚数Dよりも残り印刷枚数Mが小さいか、すなわち、残り印刷枚数Mまでの用紙が既に総搬送パスPに送り込まれているかチェックする(ステップS106)。
【0057】
ステップS106で、搬送路上用紙枚数Dよりも残り枚数Mが小さいとき(ステップS107で、NOのとき)には、複合装置1は、残り枚数Mが上記調整枚数開始印刷枚数取得処理で取得される調整開始枚数Qよりも大きいかチェックし(ステップS107)、残り枚数Mが調整開始枚数Qよりも大きいとき(ステップS107で、YESのとき)には、図3に示した紙間の短い通常印刷を行う(ステップS108)。
【0058】
複合装置1は、通常印刷によって1枚の用紙への印刷を行うと、総印刷枚数Nを、「1」だけインクリメント(N=N+1)して(ステップS109)、図9に示すように、コピー動作で印刷する用紙がまだあるかをチェックし(ステップS110)、最終用紙まで印刷が完了していないとき(ステップS110で、YESのとき)には、ステップS103に戻って、残り印刷枚数Mを算出する処理から上記同様に算出する(ステップS103〜S110)。
【0059】
そして、複合装置1は、ステップS110で、最終用紙になると、総印刷枚数Nを総ページ数Rとして取得し(ステップS112)、総ページ数Rに印刷部数Bを乗算して、総ページ数Rとする(ステップS122)。すなわち、複合装置1は、総ページ数Rを印刷部数Bに応じたページ数に算出する。
【0060】
以降、図6の場合と同様に、複合装置1は、総ページ数Rが印刷上限枚数L未満であるかチェックして(ステップS113)、総ページ数Rが印刷上限枚数L未満であると、印刷中の画像データの残りページを、生産性を向上させるために、紙間の短い通常印刷によって印刷して印刷制御処理を終了し(ステップS114)、ステップS113で、総ページ数Rが印刷上限枚数L以上であると、最終ページまで印刷することができない旨の印刷不可通知を操作表示部のディスプレイに表示する等の方法でユーザに通知して(ステップS115)、印刷上限枚数Lぎりぎりまで印刷を実行するか否かの問い合わせを操作表示部のディスプレイに表示する等の方法で行う(ステップS116)。複合装置1は、ステップS116で、ユーザによって操作表示部のキー操作等によってギリギリまで印刷しないことが選択されると、そのまま印刷制御処理を終了し、ステップS116で、ユーザによってギリギリまで印刷することが選択されると、紙間の短い通常印刷によって印刷して印刷制御処理を終了する(ステップS114)。
【0061】
そして、複合装置1は、上記ステップS105の調整開始印刷枚数取得処理、すなわち、ユーザが設定した各種設定情報と、複合装置1の周辺機であるフィニッシャ8や排紙トレイ9の数の情報等から、紙間の調整を開始する枚数である調整開始枚数Qと、複合装置1及びフィニッシャ8の搬送路上に入る枚数である搬送路上用紙枚数Dを取得する調整開始印刷枚数取得処理を、図10及び図11に示すように実行する。すなわち、複合装置1は、まず、図10に示すように、印刷要求から印刷に用いる用紙のサイズ(用紙サイズ)Sを取得し(ステップS201)、給紙部3の給紙口Psからから排紙トレイ9上に排出する排出口Peまでの基本搬送パスP0の長さ(以下、基本搬送パスP0という。)を取得する(ステップS202)。複合装置1は、次に、今回の印刷処理における総搬送パスPとして基本搬送パスP0を設定し(ステップS203)、総搬送パスPを設定すると、総搬送パスPを用紙サイズSで除算して、搬送路上用紙枚数Dを算出して(ステップS204)、この搬送路上用紙枚数Dを、印刷上限枚数Lに対して紙間調整を開始する調整開始枚数Qとして設定する(ステップS205)。
【0062】
複合装置1は、調整開始枚数Qを設定すると、複合装置1にフィニッシャ8が接続されていて、印刷要求がフィニッシャ8の排紙トレイ8aに用紙を排出する設定であるかチェックし(ステップS206)、フィニッシャ8の排紙トレイ8aに用紙を排出する場合(ステップS206で、YESの場合)には、総搬送パスPを、ステップS203で設定した総搬送パスPに、中継ユニット10における中継搬送パスP1と、フィニッシャ8内のフィニッシャ搬送パスP2を加算して算出する(P=P+P1+P2)(ステップS207)。複合装置1は、算出した総搬送パスPを、用紙サイズSで除算して、搬送路上用紙枚数Dを算出して(ステップS208)、この搬送路上用紙枚数Dを、印刷上限枚数Lに対して紙間調整を開始する調整開始枚数Qとして設定し(ステップS209)、図11に示すように、印刷要求の印刷設定が両面印刷となっているかチェックする(ステップS210)。
【0063】
また、複合装置1は、ステップS206で、複合装置1がフィニッシャ8を備えていないか、印刷要求の印刷設定がフィニッシャ8の排紙トレイ8aに排出する設定となっていないとき(ステップS206で、NOのとき)には、図10に示すように、総搬送パスPの設定のやり直しを行うことなく、印刷要求の印刷設定が両面印刷となっているかチェックする(ステップS210)。
【0064】
ステップS210で、両面印刷を行うとき(ステップS210で、YESのとき)には、複合装置1は、総搬送パスPを、ステップS203またはステップS207で設定した総搬送パスPに、両面ユニット7の両面搬送パスP3を加算して算出する(P=P+P3)(ステップS211)。複合装置1は、算出した総搬送パスPを、用紙サイズSで除算して、搬送路上用紙枚数Dを算出して(ステップS212)、この搬送路上用紙枚数Dを、印刷上限枚数Lに対して紙間調整を開始する調整開始枚数Qとして設定し(ステップS213)、印刷要求の印刷設定が集約印刷となっているかチェックする(ステップS214)。
【0065】
また、複合装置1は、ステップS210で、両面印刷を行わないとき(ステップS210で、NOのとき)には、複合装置1は、総搬送パスPの設定のやり直しを行うことなく、印刷要求の印刷設定が集約印刷となっているかチェックする(ステップS214)。
【0066】
そして、複合装置1は、ステップS214で、集約印刷を行うとき(ステップS214で、YESのとき)には、集約印刷では、複数ページ分の原稿画像を1枚の用紙に集約して印刷するため、集約数(図11では、集約数を2としている。)に応じて調整開始枚数Qを設定(Q=Q/n=QL/2;nは、集約数)して、調整開始印刷枚数取得処理を終了し(ステップS215)、ステップS214で、集約印刷を行わないとき(ステップS214で、NOのとき)には、調整開始枚数Qの設定変更を行うことなく、調整開始印刷枚数取得処理を終了する。
【0067】
また、複合装置1は、図10及び図11の調整開始印刷枚数取得処理を、図12及び図13に示すように、印刷条件のうち、紙種、カラーモード、解像度及び階調値をも考慮して実行してもよい。なお、図12及び図13において、図10及び図11と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を省略または簡略化する。
【0068】
すなわち、複合装置1は、図12において、上記図10と同様に、用紙のサイズ(用紙サイズ)Sの取得(ステップS201)、基本搬送パスP0の長さの取得(ステップS202)、基本搬送パスP0の総搬送パスPとしての設定(ステップS203)、搬送路上用紙枚数Dの算出(D=P/S)(ステップS204)、搬送路上用紙枚数Dの調整開始枚数Qとしての設定を行うと(ステップS205)、図13に示すように、図10の場合と同様に、フィニッシャ8の排紙トレイ8aへの排紙を行うか否かによる調整開始枚数Qの調整(ステップS206〜S209)、両面印刷を行うか否かによる調整開始枚数Qの調整(ステップS210〜S213)及び集約印刷を行うか否かによる調整開始枚数Qの調整(ステップS214〜S215)を行う。
【0069】
複合装置1は、次に、図13に示すように、印刷に用いる紙種情報と該紙種における線速を取得して、該線速に基づいて、調整開始枚数Qを更新し(ステップS221)、さらに、印刷条件のカラーモードを取得して、該カラーモードに基づいて、調整開始枚数Qを更新する(ステップS222)。また、複合装置1は、印刷条件の解像度を取得して、該解像度に基づいて、調整開始枚数Qを更新し(ステップS223)、さらに、印刷条件の階調値を取得して、該階調値に基づいて、調整開始枚数Qを更新して調整開始枚数取得処理を終了する(ステップS224)。
【0070】
なお、図13では、印刷条件として、紙種、カラーモード、解像度、階調値を調整開始枚数Qの更新条件として用いているが、調整開始枚数Qの更新条件としての印刷条件は、これらの限るものではない。
【0071】
このように、本実施例の複合装置1は、用紙(画像形成媒体)を複数枚収納する給紙トレイ(媒体収納手段)3a、3bと、印刷要求(画像形成要求)の印刷条件(画像形成条件)に基づいて用紙に印刷出力(画像を形成)するプリンタ部(画像形成手段)4と、プリンタ部4で印刷済みの用紙の排出される排出トレイとしての排紙トレイ9、排紙トレイ8aと、給紙トレイ3a、3bから用紙を1枚ずつ送り出す給紙部(送り出し手段)3と、給紙トレイ3a、3bから給紙部3によって送り出された用紙を、該給紙トレイ3a、3bからプリンタ部4を通して排紙トレイ9、排紙トレイ8aまでの搬送路上を搬送する図示しない搬送部(搬送手段)と、所定期間に排紙トレイ9、排紙トレイ8aへ排出される用紙の枚数をカウントするCPU等からなるコントローラ(排出枚数カウント手段)と、給紙部3が用紙を給紙トレイ3a、3bから搬送路上に送り出す紙間隔(媒体間隔)を、先に送り出された用紙が該搬送路上に存在する状態で用紙を送り出す短紙間隔(短媒体間隔)と、先の用紙が搬送路上から排出された後に用紙を送り出す長紙間隔(長媒体間隔)との少なくとも2種類の紙間隔に切り替えて給紙部3に送り出させるコントローラ(送り出し制御手段)と、前記印刷要求から少なくとも用紙の枚数及び印刷条件を取得して、該印刷条件に基づいて、印刷を制限する所定の上限枚数Lよりも少ない紙間調整枚数(媒体間隔調整枚数)Qを設定し、前記用紙のカウント数を該紙間調整枚数Qと比較して、該カウント数が該紙間調整枚数Qよりも少ないと、紙間隔として前記短媒体間隔を設定して、該カウント数が該紙間調整枚数以上であると、紙間隔として前記長紙間隔を設定するとともに、該印刷要求による用紙の枚数を前記所定期間内における該印刷要求までの印刷要求による用紙の総枚数に加算したときの用紙総枚数が前記上限枚数L未満であることが判明すると、該用紙間隔を該短媒体間隔に設定するコントローラ(媒体間隔調整制御手段)と、を備えている。
【0072】
したがって、印刷条件に応じた紙間隔で用紙の送り出しを行うことができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0073】
また、本実施例の複合装置1は、用紙を複数枚収納する給紙トレイ3a、3bから用紙を1枚ずつ送り出す送り出し処理ステップと、印刷要求(画像形成要求)の印刷条件(画像形成条件)に基づいて用紙に画像を形成する印刷処理(画像形成処理)ステップと、給紙トレイ3a、3bから該送り出し処理ステップによって送り出された用紙を、該給紙トレイ3a、3bから該画像形成処理ステップでの印刷処理(画像形成処理)を経過して排紙トレイ9、8aまでの搬送路上を搬送する搬送処理ステップと、所定期間に排紙トレイ9、8aへ排出される用紙の枚数をカウントする排出枚数カウント処理ステップと、該送り出し処理ステップで用紙を給紙トレイ3a、3bから搬送路上に送り出す紙間隔(媒体間隔)を、先に送り出された用紙が搬送路上に存在する状態で用紙を送り出す短紙間隔(短媒体間隔)と、先の用紙が搬送路上から排出された後に用紙を送り出す長紙間隔(長媒体間隔)との少なくとも2種類の紙間隔に切り替えて該送り出し処理ステップによって送り出させる送り出し制御処理ステップと、前記印刷要求から少なくとも用紙の枚数及び印刷条件を取得して、該印刷条件に基づいて、印刷を制限する所定の上限枚数Lよりも少ない紙間調整枚数Qを設定し、該排出枚数カウント処理ステップでのカウント数を該紙間調整枚数Qと比較して、該カウント数が該紙間調整枚数Qよりも少ないと、前記紙間隔として前記短媒体間隔を設定して、該カウント数が該紙間調整枚数Q以上であると、該紙間隔として前記長媒体間隔を設定するとともに、該印刷要求による用紙の枚数を前記所定期間内における該印刷要求までの印刷要求による用紙の総枚数に加算したときの用紙体総枚数が該上限枚数L未満であることが判明すると、該紙間隔を該短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御処理ステップと、を有する画像形成方法を実行している。
【0074】
したがって、印刷条件に応じた紙間隔で用紙の送り出しを行うことができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0075】
さらに、本実施例の複合装置1は、コンピュータに、用紙を複数枚収納する給紙トレイ3a、3bから用紙を1枚ずつ送り出す送り出し処理と、印刷要求(画像形成要求)の印刷条件(画像形成条件)に基づいて用紙に画像を形成する画像形成処理(印刷処理)と、給紙トレイ3a、3bから該送り出し処理によって送り出された用紙を、該給紙トレイ3a、3bから該印刷処理を経過して排紙トレイ9、8aまでの搬送路上を搬送する搬送処理と、所定期間に排紙トレイ9、8aへ排出される用紙の枚数をカウントする排出枚数カウント処理と、該送り出し処理で用紙を給紙トレイ3a、3bから搬送路上に送り出す紙間隔(媒体間隔)を、先に送り出された用紙が搬送路上に存在する状態で用紙を送り出す短紙間隔(短媒体間隔)と、先の用紙が搬送路上から排出された後に用紙を送り出す長紙間隔(長媒体間隔)との少なくとも2種類の紙間隔に切り替えて該送り出し処理によって送り出させる送り出し制御処理と、前記印刷要求から少なくとも用紙の枚数及び印刷条件を取得して、該印刷条件に基づいて、印刷を制限する所定の上限枚数Lよりも少ない紙間調整枚数Qを設定し、該排出枚数カウント処理ステップでのカウント数を該紙間調整枚数Qと比較して、該カウント数が該紙間調整枚数Qよりも少ないと、前記紙間隔として前記短媒体間隔を設定し、該カウント数が該紙間調整枚数Q以上であると、該紙間隔として前記長媒体間隔を設定するとともに、該印刷要求による用紙の枚数を前記所定期間内における該印刷要求までの印刷要求による用紙の総枚数に加算したときの用紙体総枚数が該上限枚数L未満であることが判明すると、該紙間隔を該短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御処理と、を実行させる画像形成プログラムを搭載している。
【0076】
したがって、印刷条件に応じた紙間隔で用紙の送り出しを行うことができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0077】
また、本実施例の複合装置1は、前記媒体間隔調整制御手段としてのコントローラは、用紙の種別を、印刷条件の1つとして紙間調整枚数Qを設定している。
【0078】
したがって、用紙の普通紙、厚紙、薄紙等の種別によって異なる用紙搬送速度に応じて紙間調整枚数Qを設定することができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0079】
さらに、本実施例の複合装置1は、前記媒体間隔調整制御手段としてのコントローラは、カラーモード、解像度及び階調値のうち少なくとも1つを、印刷条件の1つとして紙間調整枚数Qを設定している。
【0080】
したがって、カラーモード、解像度及び階調値によって異なる用紙搬送速度に応じて紙間調整枚数Qを設定することができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0081】
また、本実施例の複合装置1は、前記媒体間隔調整制御手段としてのコントローラは、両面印刷の有無及び後処理の有無を、印刷条件の1つとして紙間調整枚数Qを設定している。
【0082】
したがって、両面印刷の有無及び後処理の有無によってことなる搬送路長に応じて、紙間調整枚数Qを設定することができ、印刷の生産性の向上を図りつつ、適切な用紙制限を行うことができる。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0084】
1 複合装置
2 本体筐体
3 給紙部
3a、3b 給紙トレイ
4 プリンタ部
5 スキャナ部
6 ADF
7 両面ユニット
8 フィニッシャ
8a 排紙トレイ
9 排紙トレイ
11 ユーザインターフェイス層
11a 通信サーバ
11b ローカルUI
12 コントローラ層
12a パラメータ
12b アクティビティ
13 アプリケーション層
13a 入力処理コンポーネント
13b 加工処理コンポーネント
13c 出力処理コンポーネント
13d 保存処理コンポーネント
14 デバイス層
14a、14b、14c デバイス
15 クロスカット
15a 履歴部
15b アクセス制御部
15c 課金部
P0 基本搬送パス
P1 中継搬送パス
P2 フィニッシャ搬送パス
P3 両面搬送パス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2011−170243号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成媒体を複数枚収納する媒体収納手段と、
画像形成要求の画像形成条件に基づいて前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で画像形成済みの画像形成媒体の排出される排出トレイと、
前記媒体収納手段から前記画像形成媒体を1枚ずつ送り出す送り出し手段と、
前記媒体収納手段から前記送り出し手段によって送り出された前記画像形成媒体を、該媒体収納手段から前記画像形成手段を通して前記排出トレイまでの搬送路上を搬送する搬送手段と、
所定期間に前記排出トレイへ排出される前記画像形成媒体の枚数をカウントする排出枚数カウント手段と、
前記送り出し手段が前記画像形成媒体を前記媒体収納手段から前記搬送路上に送り出す媒体間隔を、先に送り出された該画像形成媒体が該搬送路上に存在する状態で該画像形成媒体を送り出す短媒体間隔と、先の該画像形成媒体が該搬送路上から排出された後に該画像形成媒体を送り出す長媒体間隔との少なくとも2種類の媒体間隔に切り替えて該送り出し手段に送り出させる送り出し制御手段と、
前記画像形成要求から少なくとも画像形成媒体の枚数及び画像形成条件を取得して、該画像形成条件に基づいて、画像形成を制限する所定の上限枚数よりも少ない媒体間隔調整枚数を設定し、前記排出枚数カウント手段のカウント数を該媒体間隔調整枚数と比較して、該カウント数が該媒体間隔調整枚数よりも少ないと、前記媒体間隔として前記短媒体間隔を設定し、該カウント数が該媒体間隔調整枚数以上であると、該媒体間隔として前記長媒体間隔を設定するとともに、該画像形成要求による該画像形成媒体の枚数を前記所定期間内における該画像形成要求までの画像形成要求による画像形成媒体の総枚数に加算したときの画像形成媒体総枚数が前記上限枚数未満であることが判明すると、該媒体間隔を該短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体間隔調整制御手段は、
前記画像形成媒体の種別を、前記画像形成条件の1つとして前記媒体間隔調整枚数を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記媒体間隔調整制御手段は、
カラーモード、解像度及び階調値のうち少なくとも1つを、前記画像形成条件として前記媒体間隔調整枚数を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体間隔調整制御手段は、
両面印刷の有無及び後処理の有無を、前記画像形成条件の1つとして前記媒体間隔調整枚数を設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成媒体を複数枚収納する媒体収納手段から該画像形成媒体を1枚ずつ送り出す送り出し処理ステップと、
画像形成要求の画像形成条件に基づいて前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成処理ステップと、
前記媒体収納手段から前記送り出し処理ステップによって送り出された前記画像形成媒体を、該媒体収納手段から前記画像形成処理ステップでの画像形成処理を経過して排出トレイまでの搬送路上を搬送する搬送処理ステップと、
所定期間に前記排出トレイへ排出される前記画像形成媒体の枚数をカウントする排出枚数カウント処理ステップと、
前記送り出し処理ステップで前記画像形成媒体を前記媒体収納手段から前記搬送路上に送り出す媒体間隔を、先に送り出された該画像形成媒体が該搬送路上に存在する状態で該画像形成媒体を送り出す短媒体間隔と、先の該画像形成媒体が該搬送路上から排出された後に該画像形成媒体を送り出す長媒体間隔との少なくとも2種類の媒体間隔に切り替えて該送り出し処理ステップによって送り出させる送り出し制御処理ステップと、
前記画像形成要求から少なくとも画像形成媒体の枚数及び画像形成条件を取得して、該画像形成条件に基づいて、画像形成を制限する所定の上限枚数よりも少ない媒体間隔調整枚数を設定し、前記排出枚数カウント処理ステップでのカウント数を該媒体間隔調整枚数と比較して、該カウント数が該媒体間隔調整枚数よりも少ないと、前記媒体間隔として前記短媒体間隔を設定し、該カウント数が該媒体間隔調整枚数以上であると、該媒体間隔として前記長媒体間隔を設定するとともに、該画像形成要求による該画像形成媒体の枚数を前記所定期間内における該画像形成要求までの画像形成要求による画像形成媒体の総枚数に加算したときの画像形成媒体総枚数が前記上限枚数未満であることが判明すると、該媒体間隔を該短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
コンピュータに、
画像形成媒体を複数枚収納する媒体収納手段から該画像形成媒体を1枚ずつ送り出す送り出し処理と、
画像形成要求の画像形成条件に基づいて前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成処理と、
前記媒体収納手段から前記送り出し処理によって送り出された前記画像形成媒体を、該媒体収納手段から前記画像形成処理を経過して排出トレイまでの搬送路上を搬送する搬送処理と、
所定期間に前記排出トレイへ排出される前記画像形成媒体の枚数をカウントする排出枚数カウント処理と、
前記送り出し処理で前記画像形成媒体を前記媒体収納手段から前記搬送路上に送り出す媒体間隔を、先に送り出された該画像形成媒体が該搬送路上に存在する状態で該画像形成媒体を送り出す短媒体間隔と、先の該画像形成媒体が該搬送路上から排出された後に該画像形成媒体を送り出す長媒体間隔との少なくとも2種類の媒体間隔に切り替えて該送り出し処理によって送り出させる送り出し制御処理と、
前記画像形成要求から少なくとも画像形成媒体の枚数及び画像形成条件を取得して、該画像形成条件に基づいて、画像形成を制限する所定の上限枚数よりも少ない媒体間隔調整枚数を設定し、前記排出枚数カウント処理でのカウント数を該媒体間隔調整枚数と比較して、該カウント数が該媒体間隔調整枚数よりも少ないと、前記媒体間隔として前記短媒体間隔を設定し、該カウント数が該媒体間隔調整枚数以上であると、該媒体間隔として前記長媒体間隔を設定するとともに、該画像形成要求による該画像形成媒体の枚数を前記所定期間内における該画像形成要求までの画像形成要求による画像形成媒体の総枚数に加算したときの画像形成媒体総枚数が前記上限枚数未満であることが判明すると、該媒体間隔を該短媒体間隔に設定する媒体間隔調整制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−82129(P2013−82129A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223558(P2011−223558)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】