説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、端末装置、端末装置の制御方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 印刷時に特定の給紙カセットへのアクセスコントロールを簡単に実現できるようにする。
【解決手段】 画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を記憶媒体に記憶する識別子記憶手段と、前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定手段と、前記使用可否判定手段による判定結果に基づいて、前記指定手段により指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成手段とを設け、任意の印刷ソフトウェアから給紙カセットを自由に指定して印刷を行えないようにするとともに、厳密に許可された条件下では、該当の給紙カセットから給紙を行うことができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、端末装置、端末装置の制御方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、画像形成装置の特定の給紙カセットに対する使用に制限を掛ける技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタなどの画像形成装置において帳票類を印刷する場合、プレプリント図案が印刷物の価値を保証したり、あるいは用紙に透かしが入っていることがその印刷物の原本性を保証したりするなど、用紙自身が特別の価値を持っていることがある。
【0003】
例えば、特殊な用紙に印刷された領収書や、あるいは官公庁などでの証明書類がこれにあたるが、その特徴として、用紙自体を複製する困難さに比して、用紙さえ手に入れればその上に重ねて印刷する文字や罫線の情報は、たやすく偽造できる、という偽造の容易性があげられる。
【0004】
ところで、このようなプレプリント用紙や透かし入り用紙など、特殊な用紙を画像形成装置上のある一定の用紙カセットにストックしておき、特定の用紙を利用したい時はその用紙がストックされている給紙カセットを、給紙元として明示的に指定して印刷を行う、という利用シーンが存在している。しかし、それら特殊用紙は前述のように簡単に利用されると特別な価値や意味を持った印刷物が偽造されるという危険性をはらんでいる。
【0005】
前述したような特殊用紙が容易に使用されないようにした先行技術として、例えば、特許文献1や特許文献2、あるいは特許文献3において提案されているように、排紙ビンに施錠するようにして、出力された印刷物を盗難などから守るという提案はすでになされているが、そもそも悪意を持った印刷指示者に対してこれらの方策は無効であるといえる。
【0006】
【特許文献1】特開平5−169745号公報
【特許文献2】特開平7−144822号公報
【特許文献3】特開平9−220842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の理由により、積極的に特定の給紙カセットへの印刷時でのアクセスコントロールを行う機能が求められている。その実現のためには、画像形成装置上の給紙カセットを指定して印刷する機能を提供する際に、特定の給紙カセットを利用できるための条件を厳密に規定できる必要がある。
【0008】
まず、特定の給紙カセットを任意に利用できないようにする必要がある。すなわち該当の給紙カセットを任意の印刷ソフトウェアから自由には指定して印刷を行えないようにする必要がある。
【0009】
また、厳密に許可された条件下では、該当の給紙カセットからの給紙を可能とし、用紙を利用した印刷を可能とする必要がある。また、該当の給紙カセットから任意に用紙を取り出せないように物理的にもアクセスを制限する必要がある。
【0010】
本発明は前述の問題点にかんがみ、印刷時に特定の給紙カセットへのアクセスコントロールを簡単に実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を記憶媒体に記憶する識別子記憶手段と、前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定手段と、前記使用可否判定手段による判定結果に基づいて、前記指定手段により指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の端末装置は、画像形成装置と通信する通信手段と、前記通信手段を介して、前記画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得手段と、前記識別子取得手段によって取得した識別子の中から、所望の給紙手段を設定する給紙設定手段と、前記給紙設定手段によって設定された給紙手段に対応する識別子を、前記通信手段を介して前記画像形成装置へ送信する識別子送信手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成装置の制御方法は、画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を前記記憶媒体に記憶する識別子記憶工程と、前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定工程と、前記指定工程で指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定工程と、前記使用可否判定工程における判定結果に基づいて、前記指定工程で指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成工程とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の端末装置の制御方法は、画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得工程と、前記識別子取得工程で取得した識別子から、所望の給紙手段を設定する給紙設定工程と、前記給紙設定工程で設定された給紙手段に対応する識別子を、前記画像形成装置へ送信する識別子送信工程とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明のコンピュータプログラムは、画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を記憶媒体に記憶する識別子記憶工程と、前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定工程と、前記指定工程で指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定工程と、前記使用可否判定工程における判定結果に基づいて、前記指定工程で指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成工程とを有する画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のコンピュータプログラムの他の特徴とするところは、画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得工程と、前記識別子取得工程で取得した識別子から、所望の給紙手段を設定する給紙設定工程と、前記給紙設定工程で設定された給紙手段に対応する識別子を、前記画像形成装置へ送信する識別子送信工程とを有する端末装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定の用紙カセットへのアクセスコントロールを簡単に制限することが可能になる。
また、本発明の他の特徴によれば、フォームデータファイルを入手しても、パスワードがわからなければ印刷を実行することができないので、カセットのパスワードを知りうる一般利用者よりも上級の立場の利用者に対しては、より強いセキュリティの必要な印刷に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図17は、本発明に係るプリンタとしての画像形成装置の構成の一例を示すブロック構成図であって、画像形成装置1600は、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)1710を介してクライアント端末であるコンピュータ1720、1730に接続されている。
【0018】
画像形成装置1600は、画像データの読取処理を行うリーダ部1602と、画像データの出力処理を行うプリンタ部1604と、画像データの入出力操作を行うキー、及び画像データや各種機能の表示などを行う液晶タッチパネルを備えた操作部1707と、制御プログラムや画像データ等が予め書き込まれたハードディスク1608を装着し、これら各構成要素に接続されて該構成要素に接続されて該構成要素を制御するコントローラ部1702とから構成されている。
【0019】
コントローラ部1702は、リーダ部1602で読み取った画像データをコードに変換し、LAN1710を介してLAN1710上のホストコンピュータ1720、1730や、不図示の他の端末へ送信するスキャナ機能、及びホストコンピュータ1720、1730や不図示の他の端末からLAN1710を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部1604に出力するプリンタ機能、その他の機能ブロックを有している。
【0020】
図16は、印刷装置としての画像形成装置1600のリーダ部1602及びプリンタ部1604の詳細を示す内部構造であって、リーダ部1602はプリンタ部1604に載置されている。リーダ部1602では、原稿給送ユニット1610に積層された原稿用紙がその積層順に従って、先頭から順次1枚ずつプラテンガラス1615上に給送され、スキャナユニット1611で所定の読取動作が終了した後、該読み取られた原稿用紙はプラテンガラス1615上から原稿給送ユニット1610に排出される。
【0021】
また、前記スキャナユニット1611では、原稿用紙がプラテンガラス1615上に搬送されてくるとランプ1616が点灯し、次いで光学ユニット1617の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射し、走査する。そして、原稿用紙からの反射光は、複数のミラー1618−1620、及びレンズ1621を介してCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー(以下、単に「CCD」と記す)1622へと導かれ、走査された原稿画像はCCD1622によって読み取られる。
【0022】
そして、CCD1622で読み取られた画像データは、所定の処理が施された後、図17のコントローラ部1702に転送される。あるいは、原稿プラテン上に載置された原稿を同様にランプ1616を点灯し、次いで光学ユニット1617の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射し、走査することで、走査された原稿画像をCCD1622によって読み取ることが可能である。以上の手順で送出されたリーダ部1602からの画像データは、コントローラ部1702に送出される。
【0023】
次いで、プリンタ部1604では、コントローラ部1702から出力された画像データに対応するレーザ光が、不図示のレーザドライバにより駆動されるレーザ発光部1624から発光され、該レーザ光は感光ドラム1625に照射され、感光ドラム1625上にはレーザ光に応じた静電潜像が形成され、現像器1626により前記静電潜像の部分に現像剤が付着する。
【0024】
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙カセット1612あるいは1613から記録用紙が給紙されて転写部1627に搬送され、感光ドラム1625に付着している現像剤を記録用紙に転写する。画像データが転写された記録用紙は定着部1628に搬送され、定着部1628における加熱・加圧処理により画像データが記録紙に定着される。
【0025】
そして、画像データを記録用紙に片面記録する場合は、定着部1628を通過した記録用紙が排出ローラ1629によってそのまま排紙ユニット1614に排出され、排紙ユニット1614は排出された記録用紙を束ねて記録用紙の仕分けを行い、また、仕分けされた記録用紙のステイプルなどのフィニッシング処理を行う。
【0026】
また、画像データを記録用紙に両面記録する場合は、排出ローラ1629まで記録用紙を搬送した後、排出ローラ1629の回転方向を逆転させ、フラッパ1630によって再給紙搬送路1631へと導かれ、該再給紙搬送路1631に導かれた記録用紙は前述と同様にして転写部1627に搬送される。
【0027】
図18は、コントローラ部1702の構成例を示すブロック図である。図18において、コントローラ部1702は、画像入力デバイスであるリーダ部1602や画像出力デバイスであるプリンタ部1604と接続し、一方ではLAN1710や公衆回線(WAN: Wide Area Network)1851と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。
【0028】
CPU(Central Processor Unit)1801はシステム全体を制御するコントローラである。RAM(Random Access Memory)1802はCPU1801が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。
【0029】
ROM(Read Only Memory)1803はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD(Hard Disk Drive)1804はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データ、などを格納する。
【0030】
操作部I/F(Interface)1806は、操作部(UI: User Interface)1707とのインターフェイス部で、操作部1707に表示する画像データを操作部1707に対して出力する。また、操作部1707から本システム使用者が入力した情報を、CPU1801に伝える役割をする。
【0031】
NIC(Network Interface Card)1810はLAN1710に接続し、情報の入出力を行う。Modem1850は公衆回線1851に接続し、情報の入出力を行う。スキャナ、プリンタ通信I/F1809はリーダ部1602、プリンタ部1604の不図示のCPUとそれぞれ通信を行うためのI/Fである。以上のデバイスがシステムバス1807上に配置される。
【0032】
Image Bus I/F1805はシステムバス1807と画像データを高速で転送する画像バス1808を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス1808は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス1808上には以下のデバイスが配置される。
【0033】
ラスターイメージプロセッサ(RIP)1860はPDL(Page Description Language)コードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部1820は、画像入出力デバイスであるリーダ部1602やプリンタ1604とコントローラ1702を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部1880は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。
【0034】
プリンタ画像処理部1890は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部1830は画像データの回転を行う。画像圧縮部1840は、多値画像データはJPEG(Joint Photographic Experts Group)、2値画像画像データはJBIG(Joint Bi-level Image experts Group)、MMR(Modified-Modified Read)、MH(Modified Huffman)の圧縮伸張処理を行う。
【0035】
Webサーバ部1812は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ機能を提供するものであり、HDD1804に格納されているHTML(HyperText Markup Language)ファイルなどのWebコンテンツをWebクライアントに提供するものである。Webサーバ部1812はコントローラ部1702内の独立したハードウエアブロックとして存在してもよいし、Webサーバ機能を実行するソフトウェアをROM1803やHDD1804に格納し、RAM1802にロードしてCPU1801が実行することによって同様の機能を達成するようにしても良い。
【0036】
図1は、本発明の一実施の形態である帳票印刷システムを構成可能であり、図17のクライアント端末1720、1730である情報処理装置のハードウェアの構成例を表わすブロック図である。
【0037】
このクライアント端末は、CPU12による中央処理装置と、RAM及びROMなどのメモリ13による主記憶装置、FD(Flexible Disk)ドライブやHD(Hard Disk)ドライブなどによる外部メモリ15、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイスによる入力装置11、CRT(Cathode Ray Tube )ディスプレイなどによる表示装置14、及び外部ネットワーク1710に接続する外部入出力インターフェイス16とからその主要部が構成される、PC(Personal Computer)などに代表されるコンピュータシステムである。また、後述するWebブラウザは、メモリ13のHDドライブ中にそのソフトウェアがインストールされているものとする。
【0038】
本クライアント端末は、基本I/O(Input/Output)プログラム、OS(Operating System)及びプログラムをCPUが実行することにより動作する。基本I/Oプログラムはメモリ13に書き込まれており、OSは外部メモリ15に書き込まれている。そして、クライアント端末の電源がONされたときに、基本I/Oプログラム中のIPL(イニシャル・プログラム・ローディング)機能により外部メモリ15からOSがメモリ13に読み込まれ、OSの動作が開始される。
【0039】
プログラムは、後述の図に示される制御手順のフローチャートに基づいてプログラムコード化されたものである。本実施の形態の場合は、本制御プログラム及び関連データは外部メモリ15中に記録されており、その記録されている内容の構成30を図2に示す。図2において、31はボリューム情報、30はディレクトリ情報、33は制御プログラム実行ファイル、34は制御プログラム関連データファイルである。
【0040】
FDに記録された制御プログラム及び関連データは、図1に示すように外部メモリ15を通じて本コンピュータシステムにロードすることができる。この外部メモリ15をセットすると、OS及び基本I/Oプログラムの制御の下に本制御プログラム及び関連データが外部メモリ15から読み出され、メモリ13にロードされて動作可能となる。
【0041】
図3は、本制御プログラムがRAMにロードされ実行可能となった状態のメモリマップを示す。
図3において、41は基本I/Oプログラム、42はOS43は制御プログラム、44はデータエリア、45はワークエリアである。
【0042】
本実施の形態では、外部メモリ15から制御プログラム及び関連データを直接メモリ13にロードして実行させる例を示したが、この他にプログラムや関連データを外部15からロードするようにしてもよい。また本制御プログラムを記録する媒体は、光ディスク、ICメモリカードなどであってもよい。さらに、本プログラムをメモリ13に記録しておき、これを直接CPU12で実行することも可能である。
【0043】
次に、図を参照しながら本実施の形態について詳細に述べる。
図4は、図16の画像形成装置1600の給紙カセット1612、1613の部分を示す図である。
本実施の形態に於いて、図4のように用紙の給紙元となる用紙カセットには物理的な施錠をできるものとする。施錠された用紙カセットからは、鍵の管理者以外は用紙を取り出せないし、また用紙の補充もできないように構成されている。補充すべき用紙は運用上、管理者によって厳重に管理されるものとする(用紙詰まりなどのトラブルに対する処置も、運用上の管理に任される)。
【0044】
このことによって、特殊な用紙を画像形成装置1600の給紙カセット1612、1613から物理的に自由に取り出し、画像形成装置1600上で任意のユーザ及び任意のソフトウェアに対して利用を許可された別の給紙口、あるいは別の画像形成装置を経由して印刷処理経路に通紙し、通常の印刷処理によってその特殊な用紙に印刷を行う行為の可能性を排除する。
【0045】
このように給紙カセットに対して施錠できる画像形成装置において、管理者は給紙カセットについての情報設定を、画像形成装置1600に対して直接実行できるものとする。このとき、情報設定を画像形成装置1600と通信を行うソフトウェアによって行うのであれば、該当するソフトウェアとしては、プリンタドライバがそれにあたるし、あるいは画像形成装置1600のIPアドレスを指定することによって画像形成装置1600自身が応答を返しWebページを表示することのできる機能を持っていれば、Internet Explorer(Registered)や、Netscape(Registered)などの一般的なWebブラウザが該当する。もちろん設定用の特殊なアプリケーションを利用するのであっても構わない。
【0046】
また、情報設定を画像形成装置1600で行うのであれば、画像形成装置1600の操作部1707上から設定を行うのが簡便であろうが、よりセキュリティを重視するならば、専用の設定用ハードウェアと画像形成装置とは別に用意することも可能である。ここでは一実施の形態として、ネットワーク1710上のクライアント端末1720、1730のWebブラウザから画像形成装置に対して情報設定を行うことを考える。
【0047】
図5は、クライアント端末にインストールされているWebブラウザを利用して画像形成装置の割り当てられているIP(Internet Protocol)アドレスを指定して画像形成装置1600のWebサーバ部1812にアクセスし、画像形成装置1600が返す情報設定ページを表示しているところである。画像形成装置の導入時に、このページから設定を変更するために必要な管理者パスワードが規定されており、今、Webブラウザを操作する利用者は該当のパスワードによってこの画像形成装置の情報設定画面500をWebブラウザで表示しているものとする。
【0048】
画面500では、Webブラウザのページ上にカセットの設定画面が開かれており、各カセットに対する名称を設定しようとしている。502は画像形成装置のWebサーバのURL(Uniform Resource Location)を表示する欄である。
【0049】
ここで、506にあるように「暗号化」のチェックボックスにチェックマークをつけ、設定ボタン508を押下すると、画面500での設定内容が画像形成装置1600のWebサーバに送信され、コントローラ1702では「暗号化」のチェックボックスをチェックしたカセット名称の文字列(図6の例では「すかし用紙A」)を暗号化して画像形成装置1600のHDD1804に記憶する。
【0050】
本実施の形態では、暗号化に際しては、画像形成装置が装置内に保有する共通鍵を用いてDES(Data Encryption Standard)やTripleDESやAES(Advanced Encryption Standard)などの既知の共通鍵暗号化方式で暗号化を行うものとするが、他の暗号化方式を用いても構わない。一方、カセット2に対して名称「OHP用紙」を設定し、暗号化のチェックボックスをチェックしない場合は、文字列「OHP用紙」は暗号化されずに画像形成装置1600のHDD1804に記憶される。
【0051】
例えば、一般的にプリンタドライバからは、プリンタドライバをクライアント端末1720、1730へインストールした後に画像形成装置1600本体の情報を通信によって取得し、Webブラウザの画面500で設定したような設定情報をクライアント端末のプリンタドライバ取得し、利用できるようになる。
【0052】
しかし、前述のように暗号化されたカセット名称については、プリンタドライバなどからの情報取得について、暗号化されたままの状態となり、そのカセットはプリンタドライバからは利用できないものと認識されるものとする。或いは、画像形成装置1600のコントローラ1702は後述するログインを経ないクライアント端末には暗号化されたカセット名称を通知しないようにしても良い。一般的に、プリンタドライバで認識できない用紙カセットについては、通常のソフトウェアからは利用できない。
【0053】
以上のように、施錠することで物理的に特定用紙を入手・流用しようとする行為を防止し、施錠されているカセット内から特定用紙をソフトウェア的に指定給紙し一般的なソフトウェアから印刷に利用しようとする行為を防止することができる。
【0054】
次に、特定のソフトウェアから、使用を制限されている用紙カセットを利用する方法について述べる。ここでは、クライアント端末1720、1730にインストールされている、フォームとフィールドデータを重ね合わせてオーバレイさせることにより、完成した帳票として印刷することを目的とした帳票印刷ソフトウェアを例としてあげる。帳票印刷の各種機能については公知である。
【0055】
帳票印刷ソフトウェアは、罫線やフィールドデータの印字位置情報などからなるフォームを作成する。この作成手順のうちに、特定のフォームを印刷する際、画像形成装置1600のあるカセットからの給紙を行う、といった用紙情報をフォーム中に定義することについては、すでに公知の技術である。
【0056】
この技術を利用して、フォーム作成時に、利用を制限されている特定のカセットを指定する方法を提供することによって、前述した利用制限をされている用紙カセットを、プリンタドライバでなく該帳票印刷ソフトウェアという特定のソフトウェアからのみ利用可能とすることができる。こうすることによって、画像形成装置とソフトウェアを含む、トータルでセキュアなシステムを提供することが可能となる。
【0057】
帳票印刷ソフトウェアの処理内容について、さらに図を参照しながら説明する。
まず、フォームデータの作成時における処理の流れを説明する。
図6は、あるフォームを作成する際、そのフォームを印刷する用紙を画像形成装置1600上のどの用紙カセットから給紙するかを設定するための、帳票印刷ソフトウェアが表示する設定画面である。このような設定ができる帳票印刷ソフトウェアは公知である。一般的に、この画面600上で表示される用紙カセット名称は、どのソフトウェアからも利用できる用紙カセットのリストである。
【0058】
これに対し、本発明では該画面上から「プリンタにログイン...」ボタン602を押下すると、画像形成装置の選択画面(図7)が表示され、そこから選択したプリンタに対して管理者権限、あるいは、ある特定の権限をもったユーザとしてログインすることが可能である。
【0059】
このログインは、前述した図5における情報設定画面にログインした状態と等しいものであり、これ以降、画像形成装置1600とログインしたクライアント端末間ではSSL(Secure Sockets Layer)や、SSH(Secure Shell)などを用いて暗号化された通信が可能になるものとする。
【0060】
ログイン後は画像形成装置1600内の暗号化されたカセット名称も取得できる。また、画像形成装置1600からは画像形成装置1600で復号化したカセット名称も併せて取得する。それを利用して、画像形成装置1600で復号化されたカセット名称を取得し画面上に表示することができる(図8)。
【0061】
また一方では、暗号化されたままのカセット名称を取得しフォームデータ中に暗号化されたままの値で設定値として保持することができる。このとき、フォームデータ中にはカセット名称が暗号化されていることを表すフラグとともに格納する。この状態でフォームデータはファイルとして保存される。
【0062】
次に、帳票印刷ソフトウェアの印刷処理の流れについて、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
図10において、帳票印刷アプリケーションと、プリンタドライバはクライアント端末1720、1730にインストールされている。一方、図10における画像形成装置の処理は、画像形成装置1600のコントローラ部1702のCPU1801によって実行される処理である。帳票印刷ソフトウェアは前記作成処理で保存されたフォームデータファイルを用いて、既知のオーバレイ処理によってフォームとフィールドデータを重ね合わせてオーバレイ印刷する。
【0063】
帳票印刷ソフトウェアがフォームファイルをオープンし、メモリ上にファイル内の情報をマップした状態の概要を図9とする。印刷処理に際しては、帳票印刷ソフトウェアは描画を開始する前に、給紙カセットの指定がなされているかどうかを判定する(ステップS1001)。メモリ上の領域91にて給紙カセットの指定がなされていなければ給紙カセット指定の命令は出さず残りの印刷処理を続行する(ステップS1015)。
【0064】
カセットの指定がされている時、カセット名称が暗号化されているかどうかをメモリ上の領域92からフラグを取り出すことによって判定する(ステップS1002)。カセット名称が暗号化されていないと判定された場合、メモリ上の領域91からカセット名称文字列をそのまま取り出し、プリンタドライバなど画像形成装置とのインターフェイスを司るシステムに対して給紙元のカセットとして名称を指定し(ステップS1014)、残りの印刷処理を続行する(ステップS1015)。
【0065】
カセット名称が暗号化されていると判定された場合、メモリ上の領域91からカセット名称の暗号化列をそのまま取り出し、帳票印刷ソフトウェアはプリンタドライバに対して、規定のプロトコルによりまず暗号化モードを設定する(ステップS1003/ステップS1004)。
【0066】
この状態で用紙名称を暗号化列のままプリンタドライバに渡すと、プリンタドライバは、この時点で即座に画像形成装置1600に対し暗号化列を送信する(ステップS1005)。それを受信した画像形成装置1600は、送信された該暗号化列が画像形成装置1600にとって正当に暗号化された情報であるかを、暗号解読を行うことによって確かめる(ステップS1006)。
【0067】
ステップS1006で、画像形成装置1600はプリンタドライバから受信した暗号化列が正当な暗号化列であると判定した場合、画像形成装置1600は復号化した暗号化列から給紙カセット名称を取り出し、さらにその給紙カセット名称が自分自身の有する給紙カセットのいずれかに設定された名称であることを確認する(ステップS1007)。
【0068】
そのうえで、画像形成装置1600が有する給紙カセット名称と合致するものがあれば、内部的に給紙カセットを切り替えて以後の印刷データを受信する状態に自身を設定する(ステップS1008)。受信した印刷データは、切り替えられた用紙カセットから給紙されて印刷される。
【0069】
その後、画像形成装置1600は、エラーが起こらなかったことを示す情報プリンタドライバに返す(ステップS1009)。プリンタドライバは画像形成装置1600から受信した情報をスルーして帳票印刷ソフトウェアに渡す。
【0070】
ステップS1006で、正当な暗号化列であると判定されなかった場合、画像形成装置1600はプリンタドライバにエラー情報を返す。プリンタドライバは画像形成装置1600から受信したエラー情報をスルーし、帳票印刷ソフトウェアにエラーを返す。処理が戻った後、帳票印刷ソフトウェアは暗号化モードを解除する(ステップS1011/1012)。また、また、ステップS1007の確認の結果、画像形成装置1600が有する給紙カセット名称と合致するものがない場合にはステップS1010に進み、エラー返却処理を行う。
【0071】
帳票印刷ソフトウェアは、画像形成装置1600でエラーが起きなかった情報をプリンタドライバを介して受信した場合は(S1013でno)印刷処理に移る(ステップS1015)。一方、帳票印刷ソフトウェアは画像形成装置1600からプリンタドライバを介してエラーを受け取った時点で(S1013でyes)印刷処理は中止される(ステップS1016)。その後、後続処理に移行する(ステップS1017)。
【0072】
以上によって、帳票印刷ソフトウェアは、フォームデータ作成時に画像形成装置から取得した暗号化列によって、印刷時に画像形成装置に用紙カセットの指定を行うことができる。以上の処理により、フォームデータを作成する際には画像形成装置の管理者権限あるいは特定の権限がなくては特定の用紙カセットを給紙口として指定することができない。しかし、印刷処理を行う際には暗号化された用紙カセット名称をそのまま画像形成装置に送信することでその正当性を画像形成装置自身に判定させるため、管理者権限でなくてもフォームデータファイルを印刷処理に利用することができる。すなわち、一般ユーザのフォームを利用した印刷処理に問題はない。
【0073】
ただし、フォームデータファイル内の用紙カセット名称暗号列の格納状態がファイルフォーマットの漏洩などにより知られてしまうと、高度な悪意のあるユーザにはフォームデータファイルを偽造されてしまう危険性も皆無ではない。
【0074】
そのため、該帳票印刷ソフトウェアを利用した運用においては、いったん作成したフォームデータファイルを電子署名するなどして、改ざん防止を行うような運用と組み合わせることが望まし。この点に関しては、公知の技術を利用した運用上の工夫で十分な対応が可能といえるため、本提案書では言及しない。
【0075】
[第2の実施の形態]
図11は、クライアント端末のWebブラウザを利用して画像形成装置自身が返す情報設定ページを表示している別の例である。画像形成装置の導入時に、このページから設定を変更するために必要な管理者パスワードが規定されており、今、利用者は該当の管理者パスワードによって画像形成装置の情報設定画面1100に到達しているものとする。即ち、管理者の権限を有さないと情報設定画面1100にアクセスすることはできない。
【0076】
画面では、Webブラウザのページ上にカセットの設定画面1100が開かれており、各給紙カセットに対するパスワードを設定しようとしている。パスワード設定欄1102―1108は給紙カセットごとに設定可能で、設定画面1100内の設定ボタン1110を押下することでWebブラウザでの設定内容が画像形成装置1600のWebサーバ部1812へ送信され、コントローラ部1702のHDD1804に保存される。この設定画面1100でのパスワードの設定に際しては、クライアント端末のWebブラウザと、Webサーバ部1812との間では、前述のSSLやSSHなどの暗号化通信を行うのが好ましい。このような構成の画像形成装置を利用する場合、以下のような流れとなる。
【0077】
まず、フォームデータの作成における処理の流れである。
図12は、あるフォームを作成する際、そのフォームを印刷する用紙を画像形成装置1600上のどの給紙カセットから給紙するかを設定するための、帳票印刷ソフトウェアが表示する設定画面である。ここでの給紙カセット名称は、第1の実施の形態と異なり最初から全ての給紙カセットのリストが表示される。
【0078】
ただし、給紙カセットによってはパスワードが必要とフォーム設計者が認識している場合、パスワードの項目をチェックすることによってパスワードを入力しておく。したがって、フォーム設計者は利用する給紙カセットごとのパスワードをあらかじめ入手しておく必要がある。
【0079】
この段階では、第1の実施の形態のようなログインなど、画像形成装置1600との通信が発生する必要は必ずしもない。なぜなら、フォーム設計者としては、給紙カセットを一意に指定できる情報と、それに付随するパスワードさえわかっていればよいからである。ここで入力されたパスワードは、帳票印刷アプリケーションによって暗号化された形でフォームデータファイルに埋め込まれた形で保存される。ここで、パスワードの暗号化に際しては、クライアント端末が知りうる共通鍵を用いて前述したDESやTripleDESやAESなどの既知の共通鍵暗号化方式で暗号化するものとするが、他の暗号化方式でもよい。
【0080】
次に、帳票印刷ソフトウェアの印刷処理の流れについて、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
図14において、図10と同様に、帳票印刷アプリケーションと、プリンタドライバはクライアント端末1720、1730にインストールされている。一方、図14における画像形成装置の処理は、画像形成装置1600のコントローラ部1702のCPU1801によって実行される処理である。
前記作成処理で保存されたフォームデータファイルをオープンし、図13に示すように、メモリ上にマップする。印刷処理に際して給紙カセットの指定がなされているかどうかを判定する(ステップS1401)。給紙カセットの指定がなされていなければ給紙カセット指定の命令は出さず残りの印刷処理を続行する(ステップS1413)。
【0081】
給紙カセットの指定がされている場合、メモリ上の領域131から給紙カセット指定情報を取り出し、ドライバなど画像形成装置1600とのインターフェイスを司るシステムに対して給紙元のカセットを指定する(ステップS1402)。
【0082】
画像形成装置1600は、指定された給紙カセットにパスワードがかけられているかを判定し(ステップS1403)、パスワードがかけられている場合パスワードをプリンタドライバに対して要求する(ステップS1404)。この要求は、帳票印刷アプリケーションまでスルーされる。
【0083】
帳票印刷アプリケーションは、カセット名称とともにパスワードが指定されていると判定された場合(ステップS1405)、メモリ上の領域133から暗号化されたパスワード列を取り出し(即ち、フォームデータに埋め込まれた暗号化パスワード列を取り出し)暗号化パスワードを復号化し、プリンタドライバを介して画像形成装置1600に対してカセット名称を送信する(ステップS1406)。パスワードが指定されていない場合、エラーで処理を中断する(ステップS1412)。ここで、パスワード列が平文で送信されることによるパスワード情報の漏洩を防止するために、クライアント端末と画像形成装置1600との間で前述したSSLやSSHのような暗号化通信を用いるのが好ましい。
【0084】
ステップS1406からのパスワードを受け取った画像形成装置1600は、そのパスワードが指定されたカセットに対して設定されているものと一致するものであるかどうかを判定し(ステップS1407)、有効である場合は内部状態を設定し給紙口を切り替える(ステップS1408)。その後エラーなしで処理を戻す(ステップS1409)。有効でない場合はエラーを返す(ステップS1410)。
【0085】
処理が戻った後、帳票印刷ソフトウェアはエラー発生を検出しており(ステップS1411)、画像形成装置でエラーが起きなかった場合は印刷処理に移る(ステップS1413)。帳票印刷ソフトウェアはエラーを受け取った時点で印刷処理は中止される(ステップS1412)。その後、予め設定された後続処理を行う(ステップS1414)。
【0086】
なお、本実施の形態によると、カセットの指定は必ずしも用紙カセットの"名称"である必要はなく、カセットのID番号など、より単純なパラメータによって実現することも可能である。
【0087】
[実施の形態特有の効果]
単純なパスワードによる実施の形態であり、カセット名称の利用も必須ではなく、画像形成装置自身によるカセット名称の暗号化など複雑な機構を用いなくともよいため、ソフトウェアとハードウェアの実装が容易になる。
【0088】
[第3の実施の形態]
前述した第2の実施の形態では、用紙カセットにつけられたパスワードを、フォームデータファイルに埋め込むことによって、帳票印刷者のパスワード入力を省略していたが、パスワードを印刷のたびに印刷者に求める方法も考えられる。
【0089】
帳票印刷を実行すると、第2の実施の形態の図14のフローチャートのステップS1406のところで図15のような画面を表示し、ここでユーザがパスワードを入力する。そしてユーザが入力したパスワードをプリンタドライバを介して画像形成装置1600へ送信する。以上の手順を踏むことで入力されたパスワードは第2の実施の形態と同様の経路をたどって画像形成装置に到達する。
【0090】
[実施の形態特有の効果]
フォームデータファイルを入手しても、パスワードがわからなければ印刷ができない、という点で、カセットのパスワードを知りうる一般利用者よりも上級の立場の利用者に対しては、より強いセキュリティの必要な印刷に対応することができる。
【0091】
[本発明の他の実施の形態]
前述した実施の形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、前記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0092】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施の形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれる。
【0094】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明は本実施例に限ることなくクレームに示した範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明における帳票印刷システムのクライアントのハードウェアの構成例を表わすブロック図である。
【図2】本発明における媒体に記録されている内容の構成の例を示す図である。
【図3】本発明における実行可能状態での記憶領域の構成の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における印刷デバイスの例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の画像形成装置の情報設定ページの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の帳票作成時の給紙設定画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の帳票作成時の給紙設定での画像形成装置ログイン画面の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の帳票作成時の給紙設定画面の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の帳票印刷時の記憶領域の構成例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における印刷時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態の画像形成装置情報設定ページの例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の帳票作成時の給紙設定画面の例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の帳票印刷時の記憶領域の構成例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における印刷時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施の形態の印刷時のパスワード入力画面の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態における画像形成装置の概略を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態における画像形成装置とクライアント端末の全体構成の概略を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における画像形成装置のコントローラ部のハードウエアブロック図である。
【符号の説明】
【0096】
11 入力装置
12 CPU
13 メモリ
14 表示装置
15 外部メモリ
16 外部入出力インターフェイス
1710 外部ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を記憶媒体に記憶する識別子記憶手段と、
前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定手段と、
前記使用可否判定手段による判定結果に基づいて、前記指定手段により指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記各給紙手段に割り当てるパスワードを外部装置から受信するパスワード受信手段を有し、
前記識別子記憶手段は、前記各給紙手段にパスワードを割り当てるとともに、各給紙手段に対応付けて前記記憶媒体に記憶し、
前記使用可否判定手段は、前記指定手段が指定した給紙手段に設定されたパスワードが必要か否かを判定し、パスワードが必要であると判定した場合には、前記指定手段が指定した給紙手段に対応したパスワードと、前記パスワード受信手段により入力されたパスワードとを照合した結果に基づいて前記指定手段が指定した給紙手段の使用の可否を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外部装置からの要求に基づいて画像形成装置の給紙手段に関する情報を送信する送信手段と、
前記外部装置から、給紙手段に対応付けられた識別子を受信する識別子受信手段とを有し、
前記記憶手段は、前記識別子受信手段が受信する識別子を各給紙手段に対応付けて前記記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶媒体に記憶されている識別子を暗号化する識別子暗号化手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記識別子暗号化手段は、前記識別子受信手段が識別子とともに受信する暗号化要求情報に基づいて、複数の給紙手段の中から、少なくとも1つに対応する識別子を暗号化することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の給紙手段の中から、少なくとも一つの給紙手段を物理的に施錠する施錠手段を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して、前記画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得手段と、
前記識別子取得手段によって取得した識別子の中から、所望の給紙手段を設定する給紙設定手段と、
前記給紙設定手段によって設定された給紙手段に対応する識別子を、前記通信手段を介して前記画像形成装置へ送信する識別子送信手段とを有することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記識別子取得手段は、暗号化された識別子と暗号化されていない識別子とを取得し、前記暗号化されていない識別子に基づいて前記画像形成装置の給紙手段と識別子とを表示手段に表示し、
前記識別子送信手段は、前記給紙設定手段によって設定された、前記給紙手段に対応する暗号化された識別子を前記画像形成装置へ送信することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記給紙手段に対して識別子とパスワードとを設定し、前記通信手段を介して前記画像形成装置へ給紙手段に対応した識別子とパスワードを送信するパスワード送信手段を有し、
前記パスワード送信手段は、前記給紙設定手段によって設定された給紙手段に対応するパスワードを前記画像形成装置へ送信することを特徴とする請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記パスワード送信手段は、前記画像形成装置で画像形成される印刷データとともに、前記識別子と前記パスワードとを送信することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記通信手段を介して前記画像形成装置からパスワードの入力を要求された場合に、パスワードの入力を促すユーザインタフェイスを提供する表示手段を有することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項12】
画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を前記記憶媒体に記憶する識別子記憶工程と、
前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定工程と、
前記指定工程で指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定工程と、
前記使用可否判定工程における判定結果に基づいて、前記指定工程で指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得工程と、
前記識別子取得工程で取得した識別子から、所望の給紙手段を設定する給紙設定工程と、
前記給紙設定工程で設定された給紙手段に対応する識別子を、前記画像形成装置へ送信する識別子送信工程とを有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項14】
画像形成処理に使用する用紙を装填する複数の給紙手段に対応付けて識別子を記憶媒体に記憶する識別子記憶工程と、
前記記憶媒体に記憶された識別子を用いて給紙手段を指定する指定工程と、
前記指定工程で指定された給紙手段の使用を許可するか禁止するかを判定する使用可否判定工程と、
前記使用可否判定工程における判定結果に基づいて、前記指定工程で指定された給紙手段から用紙を給紙して印刷する画像形成工程とを有する画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
画像形成装置における給紙手段の識別子を取得する識別子取得工程と、
前記識別子取得工程で取得した識別子から、所望の給紙手段を設定する給紙設定工程と、
前記給紙設定工程で設定された給紙手段に対応する識別子を、前記画像形成装置へ送信する識別子送信工程とを有する端末装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記請求項14または15に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−21525(P2006−21525A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148537(P2005−148537)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】