説明

画像形成装置および原稿読取方法

【課題】載置された原稿の面の向きが誤っている場合でも、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、迅速にコピー作業を完了させる。
【解決手段】原稿搬送部が、載置された原稿を搬送し、原稿読取部2が、搬送された原稿の両面を読み取り、向き判定部54aが、原稿の両面の読み取り結果に基づいて、載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定し、情報出力部54bが、原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が読み取られた場合に、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力し、原稿読取部2は、原稿の面の向きが正しいと判定された場合、または、原稿の読み取りを継続する選択がなされた場合に、原稿の読み取りを継続し、原稿の読み取りを中止する選択がなされた場合に、原稿の読み取りを中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚からなる原稿から読み取った画像を用紙に形成する画像形成装置および原稿読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機によるコピー処理実行時の印刷速度の高速化に伴い、原稿の読み取り速度が向上したスキャナであって、原稿両面を同時に読み込み可能なものが複写機に搭載されるようになってきている。
【0003】
このようなスキャナで複写機が片面コピーを行なう場合、読み取り面を所定の方向にセットして原稿を読み取る必要があり、不慣れなユーザが片面原稿の読み取り面の載置方向を誤ってコピーを開始すると、原稿の裏面の白紙を読み取って、大量の白紙コピーを行なってしまうという問題がある。
【0004】
このような場合、コンビニエンスストア等にある有料の複写機や、会社の部門単位でコピーの費用請求(課金)がなされる複写機においては、白紙コピーであっても、課金されてしまい、無駄な費用が発生することとなる。
【0005】
また、複写機の使用に慣れたユーザであっても、片面原稿の載置方向に統一された基準が無く、メーカーにより、また、同一メーカーであっても高速機、低速機などの機種により載置方向が異なることから、使用に慣れていない機種でコピーを行う際には、原稿の載置方向を誤る可能性がある。
【0006】
コピー処理を行う際の原稿の載置方向(表裏)が誤っていると、原稿の最終ページから読み取られることになる。そのため、原稿の読み取りと同時に印刷を行うためには、画像が印刷された用紙をフェースアップ(印刷面が上側となる状態)で順次排紙する必要がある。しかし、本来フェースダウン(印刷面が下側となる状態)で排紙するのを、フェースアップ排紙とするためには複写機内部で用紙を反転させる処理が必要となるため、コピー処理に長時間を要するという問題がある。
【0007】
また、原稿の載置方向(表裏)が誤っているままコピー処理が開始されたとしても、原稿の全てのページを読み取った後に、1枚目の画像から印刷し、順次フェースダウンで排紙すればページ順の整合性は保てるが、原稿の枚数が多いと原稿の読み取り中は印刷を行わないため、コピーに長時間を要するという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するものとして、特許文献1には、複数枚の原稿を連続して読み取るときに、先頭ページが白紙か否かを判定し、その判定結果を表示することにより、原稿の設置ミスを検出することを可能とする画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−49474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1の従来技術では、原稿の枚数が少ない場合でも、先頭ページが白紙か否かの判定結果の表示が行われるため、ユーザがかえって煩わしさを感じたり、ユーザに原稿を載置し直させることで、よりコピー作業に時間がかかったりする可能性がある。
【0011】
原稿の枚数が少ない場合、用紙の反転処理や原稿の読み取り処理は短時間で終了するので、原稿の載置方向(表裏)が誤っているままコピー処理が開始されたとしても大きな問題とならない場合も多い。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、載置された原稿の面の向きが誤っている場合でも、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、迅速にコピー作業を完了させることが可能な画像形成装置および原稿読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、複数枚からなる原稿から読み取った画像を用紙に形成する画像形成装置であって、載置された原稿を搬送する原稿搬送部と、該原稿搬送部により搬送された原稿の両面を読み取る原稿読取部と、該原稿読取部による原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定する向き判定部と、前記原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が読み取られた場合に、前記原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力する情報出力部と、を備え、前記原稿読取部は、前記向き判定部が前記原稿の面の向きが正しいと判定した場合、または、前記選択情報に基づいて前記原稿の読み取りを継続する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の読み取りを中止する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを中止することを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記選択情報は、前記原稿を載置する際の正しい原稿の面の向きを示す情報を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記向き判定部は、前記原稿搬送部により2番目以降に搬送された原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記原稿の面の向きが正しいか否かを判定することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の技術手段は、複数枚からなる原稿から読み取った画像を用紙に形成する画像形成装置における原稿読取方法であって、載置された原稿を搬送する原稿搬送ステップと、該原稿搬送ステップにおいて搬送された原稿の両面を読み取る原稿読取ステップと、該原稿読取ステップにおける原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定する向き判定ステップと、該向き判定ステップで前記原稿の面の向きが正しいと判定された場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿を読み取った場合に、前記原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力するステップと、前記選択情報に基づいて前記原稿の読み取りを継続する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の読み取りを中止する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを中止するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、載置された原稿の面の向きが誤っていて、かつ、原稿の枚数が多い場合に、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力し、原稿の枚数が少ない場合は上記選択情報を出力しないようにすることができるため、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、迅速にコピー作業を完了させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構造の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る原稿読取部の内部構造の一例を示す図である。
【図3】原稿を載置する際の正しい原稿の向きについて説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【図5】原稿の面の向きの判定方法の一例について説明する図である。
【図6】原稿の向きの誤り情報の一例について説明する図である。
【図7】載置された原稿の面の向きが誤っている場合の従来のコピー処理の一例を示す図である。
【図8】図7に示した処理が行われた場合の印刷結果について説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置によるコピー処理の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るコピー処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】載置された原稿の向きが誤っている場合のコピー処理の一例について説明する図である。
【図12】原稿の読み取り枚数が所定数以上でない場合のコピー処理の一例について説明する図である。
【図13】コピー継続処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】2枚目の原稿を用いて原稿の載置された向きを判定する処理について説明する図である。
【図15】原稿の面の向きについて説明する図である。
【図16】原稿両面に画像が含まれる場合について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の画像形成装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の内部構造の一例を示す図である。図1には、オプションとして大容量カセット34が画像形成装置1に取り付けられた状態が示されている。本実施形態では、画像形成装置1が、複写機能、プリンタ機能、ファックス機能、スキャナ機能を有するデジタル画像形成装置(デジタル複写機)である場合について説明するが、これに限定されず、複数枚からなる原稿の画像を読み取り、読み取った画像を用紙に形成し、画像が形成された用紙を排出する画像形成装置であればよい。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1は、大きく分けて、原稿読取部2と、画像形成部3と、給紙部4と、排紙部5とを備える。図2は、本発明の実施形態に係る原稿読取部2の内部構造の一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、原稿読取部2は、透明ガラスからなる原稿載置台10、原稿載置台10上へ自動的に原稿を搬送する原稿搬送部(両面対応自動原稿送り装置、RADF)11、原稿の第1の面の画像を読み取る第1の画像読取部12、原稿の第2の面の画像を読み取る第2の画像読取部13を備える。
【0022】
原稿搬送部11は、所定の原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に原稿載置台10上へ送給する装置である。
【0023】
第1の画像読取部12は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリと、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(CCD)17に導くための第1反射ミラーを搭載した第1走査ユニット14、および、第2、第3反射ミラーを搭載した第2走査ユニット15、反射光像をCCD17上に結像するための光学レンズ体16を備える。
【0024】
第1走査ユニット14および第2走査ユニット15はそれぞれ、原稿載置台10に沿った副走査方向に移動可能に構成されている。これにより、原稿載置台10上に載置された原稿の画像を読み取ることができる。
【0025】
また、原稿搬送部11により送給された原稿の画像を読み取る際には、第1走査ユニット14および第2走査ユニット15の位置は、所定のホームポジションに設定される。そして、第2の画像読取部12は、原稿搬送部11との関連した動作によって、原稿載置台10上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台10上に載置された原稿の画像を1ライン毎に順次CCD17に結像させて、原稿画像を読み取る。
【0026】
第2の画像読取部13は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリと、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(CCD)18に導くための第1〜第4反射ミラー、反射光像をCCD18上に結像するための光学レンズ体19から構成される。
【0027】
原稿搬送部11により送給された原稿の画像を読み取る際には、第2の画像読取部13は、原稿搬送部11との関連した動作によって、原稿の画像を1ライン毎に順次CCD18に結像させて、原稿画像を読み取る。
【0028】
原稿画像を第1の画像読取部12、第2の画像読取部13で読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像データを画像形成部3に出力して、図1に示す感光体ドラム22上に可視画像として再現した後、用紙上に画像を転写してトナー像を形成する。
【0029】
図1の説明に戻ると、画像形成部3は、レーザ書き込みユニット(LSU)21および画像を形成するための電子写真プロセス部20を備えている。レーザ書き込みユニット21は、メモリから読み出した画像データまたはパーソナルコンピュータ等の外部機器から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部20の感光体ドラム22上を等速度で走査するように補正するf−θレンズ等を有している。
【0030】
電子写真プロセス部20は、周知の態様に従い、感光体ドラム22の周囲に帯電装置23、現像装置24、転写装置25、剥離装置26、クリーニング装置27、除電装置を配置し、さらに感光体ドラム22の下流側に定着装置28を配置して構成される。
【0031】
給紙部4は、第1〜3カセット31〜33、および、手差しトレイ35、さらにオプションとして大容量カセット34を有している。第1カセット31は、第1のトレイ及び第2のトレイを収容するタンデムトレイで、両トレイを装置本体から同時に引き出し可能となっている。第2カセット32、第3カセット33、大容量カセット34は、それぞれ第3のトレイ、第4のトレイ、第5のトレイを収容する。つまり、4つのカセット(31〜34)に5つのトレイが収容されている。
【0032】
大容量カセット34の内部には、上方に付勢されたエレベータを有し、このエレベータに用紙が堆積され、最上部の用紙が給紙ローラーに接触し、給紙ローラーを回転することによって用紙を分離して送り出し、記録装置本体の給紙搬送部37に合流させる。大容量カセット34は大容量のトレイであるので、最も使用頻度の高い、例えばA4サイズの標準紙を収容することができる。給紙搬送部37,38は、給紙部4から感光体ドラム22と転写装置25との間の転写位置に用紙を搬送するために、給紙ローラー、搬送ローラー、レジストローラーを備えている。
【0033】
この給紙部4における第1〜第3カセット31〜33内の4つのトレイには、用紙がサイズ毎に積載されて収容されており、ユーザが所望するサイズの用紙が収容されているカセットあるいはトレイを選択すると、そのトレイ内の用紙束の上から1枚ずつ送り出され、給紙搬送部37,38の搬送経路を経由して順次電子写真プロセス部20へ向けて搬送される。
【0034】
また、定着装置28より用紙搬送方向下流側には、用紙排出路29が設けられており、この用紙排出路29は後処理装置5の排紙搬送路41と、両面複写のための搬送部42とに分岐している。
【0035】
レーザ書き込みユニット21および電子写真プロセス部20において、メモリから読み出された画像データは、レーザ書き込みユニット21によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム22の表面上に静電潜像として形成され、現像装置24のトナーにより可視像化されたトナー像は、給紙部4から搬送された用紙の表面上に転写装置25により静電転写され、定着装置28によって定着される。
【0036】
このようにして画像が形成された用紙は定着装置28から排紙部5へ送られ、あるいは両面複写のための搬送部42へと選択的に搬送される。排紙部5に送られた用紙は、必要に応じてソートあるいはステープル処理等の所定の処理が施され、第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44にスタックされる。また、両面複写の搬送部42に送られた用紙は、ここで反転され再び電子写真プロセス部20に搬送されて、用紙の裏面に画像が形成され、定着後排出される。
【0037】
ここで、この画像形成装置1には、原稿を載置する際の正しい原稿の向きが規定されているものとする。図3は、原稿を載置する際の正しい原稿の向きについて説明する図である。図3は、図2に示した原稿読取部2を上側から見た図であり、図3(A)は正しい原稿の向きを、図3(B)は誤った原稿の向きを示している。すなわち、この画像形成装置1では、片面原稿において画像を含む面が上側となる向きが原稿の正しい向きであり、画像を含む面が下側となる向きが原稿の誤った向きと定められている。
【0038】
図3(A)のように、原稿が正しく載置された場合、原稿の1枚目から順に画像の読み込みがなされる。この場合、図1に示されるように、感光体ドラム22で静電潜像が転写された用紙は、定着装置28でトナーが固着される。そして、その用紙は、排紙ローラー47で搬送方向が反転され、ゲート46によって排紙搬送路41方向に搬送される。
【0039】
そして、最終的に、用紙は第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44にフェースダウンで排紙される。すなわち、原稿の1枚目から画像を含む面が下側となるように排紙されることになるので、原稿と画像が印刷された用紙との間でページの順序の整合性が保たれる。
【0040】
一方、図3(B)のように、原稿の画像を含む面が下向きとなるよう誤って載置された場合、最後の原稿から画像の読み込みがなされることになる。この場合も、感光体ドラム22で静電潜像が転写された用紙は、定着装置28でトナーが固着され、排紙ローラー47で用紙の搬送方向が反転される。そして、最終的には、用紙は第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44に排紙される。
【0041】
しかし、この場合、原稿が正しく載置された場合と同様の排紙処理を行うこととすると、画像を含む面が下側になるように最後の用紙から逆順に排紙されることになるので、原稿と画像が印刷された用紙との間でページ順の整合性が保たれなくなる。
【0042】
そのため、図1の用紙排出路29を通過する用紙は搬送部42に搬送され、さらに電子写真プロセス部20を経由して排紙ローラー47に搬送される。そして、排紙ローラー47で用紙の搬送方向が反転された後、ゲート46によって用紙が排紙搬送路41方向に搬送され、第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44からフェースアップで排紙される。
【0043】
あるいは、用紙を第1排出卜レイ43から排出する場合、搬送路49で用紙の搬送方向を反転し、搬送路48を経由して第1排出卜レイ43から排出してもよい。また、用紙を第2排出卜レイ44から排出する場合、搬送路48で用紙の搬送方向を反転し、搬送路49を経由して第2排出卜レイ44から排出してもよい。
【0044】
このように、原稿が誤って載置された場合には、用紙の向きを反転させる必要があるため、印刷処理に時間がかかってしまう。そのため、後に説明するように、本実施形態では、原稿が誤って載置された場合に、原稿の面の向きが誤っていることをユーザに通知し、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力する処理が行われる。
【0045】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の機能ブロックの一例を示す図である。画像形成装置1は、操作パネル部50、光学センサ部51、原稿読取部2、画像形成部3、給紙部4、排紙部5、画像処理部52、画像記憶部53、制御部54を備える。
【0046】
操作パネル部50は、操作ボタンやタッチパネルを備え、ユーザに対して種々の情報を表示するとともに、ユーザからの種々の情報の入力を受け付ける装置である。光学センサ部51は、原稿の有無や、原稿のサイズなどを検知する光学センサである。
【0047】
原稿読取部2は、図2で説明した原稿読取部2である。この原稿読取部2は、図2に示した2つのCCD17、18、ドライバ2a、プラテン原稿走査部駆動モータ2b、ドライバ2c、原稿搬送ローラー駆動モータ2dを備える。
【0048】
原稿読取部2は、片面にのみ画像が含まれる片面原稿であっても、原稿の両面を読み取る処理を行う。後に説明する向き検出部54aは、原稿読取部2の読み取り結果に基づいて、原稿を載置した際の原稿の面の向きが正しいか否かを判定する。また、原稿読取部2は、両面を読み取った原稿の枚数を計数する。
【0049】
ドライバ2aは、プラテン原稿走査部駆動モータ2bを制御するドライバである。プラテン原稿走査部駆動モータ2bは、図2に示した第1走査ユニット14および第2走査ユニット15を、原稿載置台10に沿った副走査方向に移動させるモータである。ドライバ2cは、原稿搬送駆動モータ2dを制御するドライバである。原稿搬送駆動モータ2dは、原稿読取部2が有する各ローラーを駆動させるモータである。
【0050】
画像形成部3、給紙部4、排紙部5はそれぞれ、図1に示した画像形成部3、給紙部4、排紙部5である。画像形成部3、給紙部4、排紙部5はそれぞれ、ドライバ3a,4a,5aと、用紙搬送ローラー駆動モータ3b,4b,5bを備える。
【0051】
ドライバ3a,4a,5aはそれぞれ、用紙搬送ローラー駆動モータ3b,4b,5bを制御するドライバである。用紙搬送ローラー駆動モータ3b,4b,5bはそれぞれ、画像形成部3、給紙部4、排紙部5が有する各ローラーを駆動させるモータである。
【0052】
画像処理部52は、原稿読取部2が読み取った画像に対して、各種画像処理を施す処理部である。画像記憶部53は、画像処理が施された画像を記憶するメモリやハードディスクなどの装置である。
【0053】
制御部54は、画像形成装置1の各部を制御する処理部である。制御部54は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)インターフェースなどから構成される。
【0054】
制御部54は、向き判定部54a、情報出力部54b、画像形成制御部54cを備える。向き判定部54aは、原稿読取部2により読み取られたページの両面の読み取り結果に基づいて、原稿を載置した際の原稿の面の向きが正しいか否かを判定する。
【0055】
図5は、原稿の面の向きの判定方法の一例について説明する図である。図5(A)には、原稿の面の向きが正しい場合の最初に読み取られた原稿の表面70a、および、裏面70bが示されている。なお、表面70aは、図2に示した第1の画像読取部12により読み取られ、裏面70bは、第2の画像読取部13により読み取られる。
【0056】
図5(A)に示されるように、表面70aに画像が含まれており、裏面70bに画像が含まれていない場合、向き判定部54aは、原稿の面の向きが正しいと判定する。図2において、原稿の表面が上向きとなるように載置された場合、第1の画像読取部12により最初の原稿の表面が読み取られ、第2の画像読取部13により最初の原稿の裏面が読み取られることになるからである。なお、向き判定部54aは、例えば、第1の画像読取部12、第2の画像読取部13により読み取られた原稿の白領域の割合を算出することにより、原稿に画像が含まれているか否かを判定する。
【0057】
図5(B)には、原稿の面の向きが誤っている場合の最初に読み取られた原稿の表面71a、および、裏面71bが示されている。図5(B)に示されるように、表面71aに画像が含まれておらず、裏面71bに画像が含まれている場合、向き判定部54aは、原稿の面の向きが誤りであると判定する。図2において、原稿の表面が下向きとなるように載置された場合、第1の画像読取部12により最後の原稿の裏面が読み取られ、第2の画像読取部13により最後の原稿の表面が読み取られることになるからである。
【0058】
情報出力部54bは、操作パネル部50を制御して、操作パネル部50に種々の情報を出力させる処理部である。例えば、情報出力部54bは、向き判定部54aにより原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、原稿読取部2によりN枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が読み取られた場合に、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を操作パネル50に表示させる。
【0059】
図6は、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報の一例について説明する図である。図6(A)には、操作パネル部50に表示される選択情報80の一例が示されている。この選択情報80には、原稿を載置した際の原稿の面の向きが誤っていることをユーザに通知するメッセージと、最も速くコピー処理を完了することが可能な原稿の面の向きの情報が含まれる。選択情報80にこのような情報を含めることにより、コピー処理を迅速に完了させるための情報をユーザに通知することができる。
【0060】
また、選択情報80には、最初に読み取った原稿の表面および裏面のプレビュー表示を行う指示をユーザから受け付けるプレビュー確認ボタン80a、原稿の面の向きが誤ったままでコピー処理を継続するか否かの指示をユーザから受け付ける継続指示受付ボタン80b、コピー処理の中止指示をユーザから受け付けるコピー中止指示受付ボタン80cが表示される。
【0061】
図6(B)には、プレビュー確認ボタン80aがユーザにより押下された場合に表示されるプレビュー確認画面81が示されている。このプレビュー確認画面81には、最初に読み取った原稿の表面の読み取り結果81aと裏面の読み取り結果81bが表示される。この例では、原稿の面の向きが誤っていたため、表面の読み取り結果81aには画像が含まれず、裏面の読み取り結果81bに画像が含まれている。
【0062】
また、プレビュー確認画面81には、戻るボタン81cが表示される。戻るボタン81cがユーザにより押下されると、図6(A)に示した選択情報80が再度操作パネル部50に表示される。
【0063】
図6(C)には、図6(A)の選択情報80に表示されるコピー中止指示受付ボタン80cがユーザにより押下された場合に表示される指示メッセージ表示画面82が示されている。この指示メッセージ表示画面82には、読み込み面を上向きにして原稿を載置することを指示するメッセージと、OKボタン82aが表示される。OKボタン82aがユーザにより押下されると、このコピー処理がキャンセルされる。
【0064】
画像形成制御部54cは、画像形成部3が行う画像形成処理を制御する処理部である。例えば、画像形成制御部54cは、載置された原稿の面の向きが正しいと向き判定部54aにより判定された場合に、原稿読取部2により読み取られた画像を即座に印刷する処理を画像形成部3に実行させる。
【0065】
また、画像形成制御部54cは、図6(A)に示した選択情報80において、継続指示受付ボタン80bがユーザにより押下された場合に、原稿の面の向きが誤っている状態のままコピー処理を画像形成部3に継続させる。この処理については、後に詳しく説明する。
【0066】
なお、画像処理部52、制御部54は、外部機器60と接続され、画像処理後の画像データを外部機器60に出力したり、外部機器60から画像データを取得したりすることができる。
【0067】
つぎに、本発明の実施形態に係るコピー処理の流れについて、従来のコピー処理と比較しつつ説明する。図7は、載置された原稿の面の向きが誤っている場合の従来のコピー処理の一例を示す図である。
【0068】
まず、原稿が原稿読取部2に載置される(ステップS101)。この場合、原稿は、図3(B)に示したように、面の向きが誤って載置されたものとする。そして、画像形成装置1は、ユーザからのコピー処理の基本設定を受け付ける(ステップS102)。例えば、画像形成装置1は、片面コピーの設定をユーザから受け付ける(ステップS103)。さらに、画像形成装置1は、コピーキーの押下をユーザから受け付け、コピー処理を実行する(ステップS104)。
【0069】
図8は、図7に示した処理が行われた場合の印刷結果について説明する図である。図8(A)には、最後の原稿の表面90a、および、裏面90bが示されている。また、その1枚前の原稿の表面91a、および、裏面91bも示されている。
【0070】
図7のステップS103では片面コピーが設定されたため、第1の画像読取部12により、まず、最後の原稿の表面90aが読み取られ、つぎに、その1枚前の原稿の表面91aが読み取られることになる。
【0071】
その結果、図8(B)に示すように、1枚目の用紙の表面92aには、最後の原稿の表面90aの画像が印刷されることになるが、表面90aは白紙であるため、何も印刷されないことになる。同様に、2枚目の用紙の表面93aには、最後の原稿の1枚前の原稿の表面91aの画像が印刷されることになるが、表面91aは白紙であるため、何も印刷されないことになる。
【0072】
図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1によるコピー処理の一例を示す図である。図9は、載置された原稿の面の向きが誤っている場合の本発明に係る実施形態のコピー処理の一例を示す図である。
【0073】
まず、原稿が原稿読取部2に載置される(ステップS201)。この場合も、原稿は、図3(B)に示したように、面の向きが誤って載置されたものとする。そして、画像形成装置1は、ユーザからのコピー処理の基本設定を受け付ける(ステップS202)。例えば、画像形成装置1は、片面コピーの設定をユーザから受け付ける(ステップS203)。さらに、画像形成装置1は、コピーキーの押下をユーザから受け付け、コピー処理を開始する(ステップS204)。
【0074】
そして、画像形成装置1は、載置された原稿の向きが正しいか否か、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が読み取られたか否かを判定し、載置された原稿の向きが誤っており、その後、N枚の原稿が読み取られた場合に、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報80を出力する(ステップS205)。
【0075】
具体的には、画像形成装置1は、載置された原稿を1枚ずつ搬送し、搬送された原稿の両面を読み取る。そして、画像形成装置1は、原稿の両面の読み取り結果に基づいて、載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定する。本実施形態では、画像を含む面が上側となるように原稿が載置されている状態が、原稿の向きが正しい状態であるものとする。また、画像形成装置1は、原稿の読み取りを継続し、読み取った原稿の枚数を計数する。
【0076】
そして、画像形成装置1は、原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が計数された場合に、原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報80を出力する。
【0077】
この選択情報80には、原稿を載置した際の原稿の面の向きが誤っていることをユーザに通知するメッセージと、最も速くコピー処理を完了することが可能な原稿の面の正しい向きの情報が含まれる。また、選択情報80には、原稿の表面および裏面のプレビュー表示を行う指示をユーザから受け付けるプレビュー確認ボタン80a、原稿の面の向きが誤ったままでコピー処理を継続するか否かの指示をユーザから受け付ける継続指示受付ボタン80b、コピー中止指示受付ボタン80cが表示される。
【0078】
コピー中止指示受付ボタン80cがユーザにより押下された場合、画像形成装置1は、指示メッセージ表示画面82を表示し、コピー処理を中止する(ステップS206)。指示メッセージ表示画面82には、読み込み面を上向きにして原稿を載置することを指示するメッセージが含まれる。継続指示受付ボタン80bがユーザにより押下された場合、画像形成装置1は、原稿の面の向きが誤っている状態のままコピー処理を継続する。これにより、ユーザが多少時間がかかってもよいと考えている場合に、コピー処理を中止することなく継続することができる。
【0079】
つぎに、本発明の実施形態に係るコピー処理の処理手順について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るコピー処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、画像形成装置10の原稿読取部2は、1枚目の原稿の両面を読み取る(ステップS301)。この場合、たとえユーザにより片面読み込みが指示されていたとしても、原稿読取部2は、原稿の両面を読み取る。
【0080】
そして、向き判定部54aは、画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS302)。その際、原稿搬送部11は、次の原稿の搬送を一時的に停止する。
【0081】
画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されている場合(ステップS302においてYESの場合)、原稿の向きは正しいことになる。そして原稿の向きが正しい場合、画像形成制御部54cは、1枚目の原稿の画像を印刷するとともに、原稿を順次読み取り、読み取った画像を印刷する処理を実行する(ステップS303)。
【0082】
画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されていない場合(ステップS302においてNOの場合)、原稿の向きは誤りであることになる。この場合、原稿読取部2は、原稿の両面読み取りを継続する(ステップS304)。そして、原稿読取部2は、その後の原稿の読み取り枚数がN枚(Nは1以上の所定の整数)となったか否かを判定する(ステップS305)。
【0083】
例えば、図11に示されるように、画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿100が載置されておらず、原稿100の面の向きが誤っている場合、原稿読取部2は、その後、読み取り処理がなされた原稿101の枚数が9枚(N=9)になったか否かを判定する。
【0084】
原稿の読み取り枚数がN数とならずに、すべての原稿の読み取りが終了した場合(ステップS305においてNOの場合)、すべての原稿の画像のデータが画像記憶部53に記憶されていることになる。そのため、画像形成制御部54cは、最後に読み取った原稿、すなわち、原稿の1枚目から順にデータを画像記憶部53から読み出して印刷を行い、画像が印刷された用紙をフェースダウンで排紙部5に排紙する(ステップS309)。その後、このコピー処理は終了する。
【0085】
図12は、この場合のコピー処理の一例について説明する図である。図12(A)には、表面110a,111aに画像が含まれ、裏面110b,111bに画像が含まれない9枚の原稿が示されている。
【0086】
この場合、1枚目の原稿が読み取られた後の原稿の読み取り枚数は8枚となり、この読み取り枚数は、予め設定された枚数である9枚(N=9)以下となるので、原稿が9枚目から読み取られることになる。この処理により、図12(B)に示すように、表面112a,113aが白紙で、裏面112b,113bに画像が含まれるデータが画像記憶部53に記憶される。
【0087】
その後、図12(C)に示すように、原稿の1枚目の画像のデータから順に画像記憶部53から読み出されて印刷がなされ、画像が表面114a,115aに印刷された用紙(裏面114b,115bは白紙)がフェースダウンで排紙される。
【0088】
図10の説明に戻ると、原稿の向きを判定した後の原稿の読み取り枚数がN枚である場合(ステップS305においてYESの場合)、情報出力部54cは、図6(A)に示したような選択情報80を表示する(ステップS306)。
【0089】
そして、画像形成制御部54cは、継続指示受付ボタン80b、あるいは、コピー中止指示受付ボタン80cのいずれがユーザにより押下されたかを検出することにより、コピー処理を継続する指示がユーザによりなされたか否かを判定する(ステップS307)。
【0090】
コピー処理を継続する指示がユーザによりなされなかった場合(ステップS307においてNOの場合)、情報出力部54bは、図6(C)に示したように、読み込み面を上向きにして原稿を載置することを指示するメッセージを含む指示メッセージ表示画面82を表示し(ステップS310)、このコピー処理を終了する。
【0091】
コピー処理を継続する指示がユーザによりなされた場合(ステップS307においてYESの場合)、コピー継続処理が実行される(ステップS308)。このコピー継続処理については図11を用いて詳しく説明する。そして、このコピー処理は終了する。
【0092】
つぎに、図10のステップS308に示したコピー継続処理の処理手順について説明する。図13は、図10のステップS308に示したコピー継続処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、画像形成制御部54cは、印刷・スキャン設定がNin1設定で、かつ、片面−両面設定であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、Nin1設定とは、複数枚の原稿を縮小し、1枚の用紙に集約して印刷する設定である。また、片面−両面設定とは、片面原稿の画像を両面印刷する設定である。
【0094】
印刷・スキャン設定がNin1設定で、かつ、片面−両面設定でない場合(ステップS401においてNOの場合)、原稿読取部2は、原稿の読み取りを継続し、画像形成制御部54cは、読み取った画像を両面印刷で印刷する(ステップS402)。そして、このコピー継続処理は終了する。ここで、両面印刷することにより、画像形成部3内で用紙が反転されるので、原稿のページ順と画像が印刷された用紙のページ順とを整合させることができる。
【0095】
この場合、用紙を反転するため印刷に時間がかかるが、すべての原稿の画像を読み取った後、原稿の1枚目の画像から順に印刷するのに比べて、コピー処理が早く終了する可能性があるため、このような処理が行われる。
【0096】
また、ステップS401では、印刷・スキャン設定がNin1設定で、かつ、片面−両面設定でない場合の例を挙げたが、これに限定されず、印刷・スキャン設定が、印刷の面付けの判断が必要な印刷ジョブの設定や、ステープル/パンチなどの後処理が必要な印刷ジョブの設定などであってもよい。
【0097】
印刷・スキャン設定がNin1設定、かつ、片面−両面設定である場合(ステップS401においてYESの場合)、原稿読取部2は、すべての原稿の画像を読み取り、読み取った画像を画像記憶部53に記憶する(ステップS403)。
【0098】
そして、画像形成制御部54cは、最後に読み取った原稿の必要面、すなわち、原稿の1枚目の画像から順に印刷する処理を行う(ステップS404)。そして、このコピー継続処理は終了する。すべての原稿の画像を読み取ってから印刷処理を行うのは、原稿の1枚目の画像まで読み込まないと、印刷の面付けが確定できないためである。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【0100】
例えば、図10のステップS302では、1枚目の原稿を用いて、画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されているか否かを判定することとしたが、2枚目以降の原稿(例えば、2枚目の原稿や、図10のステップS305に示されたN枚目の原稿)を用いて上記判定を行うこととしてもよい。原稿の1枚目には、表表紙が含まれる場合があるため、このような処理を行う。これにより、より確実に原稿の載置された向きを判定することができる。
【0101】
図14は、2枚目の原稿を用いて原稿の載置された向きを判定する処理について説明する図である。図14(A)には、図10のステップS302で説明した判定方法であり、原稿の1枚目の読み取りを行った時点で読み取り処理を一時停止し、原稿の載置された向きを判定する場合を示している。これに対して、本変形例では、図14(B)に示すように、原稿の2枚目の読み取りを行った時点で読み取り処理を一時停止し、原稿の載置された向きを判定する。
【0102】
図15は、原稿の面の向きについて説明する図である。図15(A)に示すように、原稿の1枚目が表表紙である場合、原稿の1枚目の表面120a、裏面120bが白紙となり、2枚目の表面121aから画像が含まれることになる。なお、この原稿は片面原稿であるため、2枚目の裏面121bは、白紙である。
【0103】
そして、2枚目の表面121aに画像が含まれている場合、載置された原稿の面が正しいことになるので、図15(B)に示すように、原稿の表面122a,123aに含まれる画像が順次印刷される。
【0104】
図15(C)に示すように、2枚目の原稿の表面125aに画像が含まれていない場合、載置された原稿の面は誤っていることになる。この場合、図10のステップS304以降の処理が実行される。
【0105】
また、上記実施形態では、原稿の片面に画像が含まれる場合について説明したが、原稿両面に画像が含まれる場合も、載置された原稿の向きが誤っている可能性があるため、原稿の向きが誤っている可能性があることを通知する情報を出力することとしてもよい。これにより、ユーザに原稿の載置の誤りの再確認を促すことができる。
【0106】
図16は、原稿両面に画像が含まれる場合について説明する図である。図16(A)は、載置された原稿の向きが誤っている場合に読み取られた原稿画像の例である。この場合、図16(A)に示すように、最後の原稿の裏面の画像が、原稿の1枚目の表面130aの画像として読み取られ、最後の原稿の表面の画像が、原稿の1枚目の裏面130bの画像として読み取られる。
【0107】
そして、図10のステップS302において、画像を含んでいる面が上向きとなるように原稿が載置されていない場合(ステップS302においてNOの場合)と同様に、ステップS304以降の処理が実行される。ただし、この場合、載置された原稿の向きが誤っていることをユーザに通知するメッセージの代わりに、載置された原稿の向きが誤っている「可能性」があることをユーザに通知するメッセージが表示される。
【0108】
一方、図16(B)は、載置された原稿の向きが正しい場合に読み取られた原稿画像の例である。この場合、図16(B)に示すように、最初の原稿の表面の画像が、原稿の1枚目の表面131aの画像として読み取られ、最初の原稿の裏面の画像が、原稿の1枚目の裏面131bの画像として読み取られる。その後、原稿の2枚目以降の両面が順次読み取られ、読み取られた画像が順次両面印刷される。
【0109】
また、上記実施形態では、図6(A)、図6(B)で説明したように、選択情報80にプレビュー確認ボタン80aが含まれることとし、読み取った原稿のプレビュー画面を表示することとしたが、プレビュー画面の表示を行わないこととしてもよい。
【0110】
また、図6(A)で説明したように、原稿の面の向きが正しくないと判定され、かつ、N枚(Nは2以上の所定の整数)の原稿が計数された場合に、継続指示受付ボタン80bを表示して、原稿の面の向きが誤ったままでコピー処理を継続する指示をユーザから受け付けることとしたが、選択情報80を表示せずに、図6(C)に示したような指示メッセージ表示画面82を表示して、コピー処理を終了することとしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…画像形成装置、2…原稿読取部、2a,2c,3a,4a,5a…ドライバ、2b…プラテン原稿走査部駆動モータ、2d…原稿搬送ローラー駆動モータ、3…画像形成部、3b,4b,5b…用紙搬送ローラー駆動モータ、4…給紙部、5…排紙部、10…原稿載置台、11…原稿搬送部、12…第1の画像読取部、13…第2の画像読取部、14…第1走査ユニット、15…第2走査ユニット、16,19…光学レンズ体、17,18…CCD、20…電子写真プロセス部、21…レーザ書き込みユニット(LSU)、22…感光体ドラム、23…帯電装置、24…現像装置、25…転写装置、26…剥離装置、27…クリーニング装置、28…定着装置、29…用紙排出路、31…第1カセット、32…第2カセット、33…第3カセット、34…大容量カセット、35…手差しトレイ、37,38…給紙搬送部、41…排紙搬送路、42…搬送部、43…第1排出卜レイ、44…第2排出卜レイ、46…ゲート、47…排紙ローラー、48,49…搬送路、50…操作パネル部、51…光学センサ部、52…画像処理部、53…画像記憶部、54…制御部、54a…向き判定部、54b…情報出力部、54c…画像形成制御部、60…外部機器、80…選択情報、80a…プレビュー確認ボタン、80b…継続指示受付ボタン、80c…コピー中止指示受付ボタン、81…プレビュー確認画面、81c…戻るボタン、82…指示メッセージ表示画面、82a…OKボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚からなる原稿から読み取った画像を用紙に形成する画像形成装置であって、
載置された原稿を搬送する原稿搬送部と、
該原稿搬送部により搬送された原稿の両面を読み取る原稿読取部と、
該原稿読取部による原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定する向き判定部と、
前記原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿が読み取られた場合に、前記原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力する情報出力部と、
を備え、
前記原稿読取部は、前記向き判定部が前記原稿の面の向きが正しいと判定した場合、または、前記選択情報に基づいて前記原稿の読み取りを継続する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の読み取りを中止する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを中止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記選択情報は、前記原稿を載置する際の正しい原稿の面の向きを示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記向き判定部は、前記原稿搬送部により2番目以降に搬送された原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記原稿の面の向きが正しいか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数枚からなる原稿から読み取った画像を用紙に形成する画像形成装置における原稿読取方法であって、
載置された原稿を搬送する原稿搬送ステップと、
該原稿搬送ステップにおいて搬送された原稿の両面を読み取る原稿読取ステップと、
該原稿読取ステップにおける原稿の両面の読み取り結果に基づいて、前記載置された原稿の面の向きが正しいか否かを判定する向き判定ステップと、
該向き判定ステップで前記原稿の面の向きが正しいと判定された場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の面の向きが正しくないと判定され、その後、N枚(Nは1以上の所定の整数)の原稿を読み取った場合に、前記原稿の読み取りを継続するか否かの選択をユーザに促す選択情報を出力するステップと、
前記選択情報に基づいて前記原稿の読み取りを継続する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを継続し、前記原稿の読み取りを中止する選択がなされた場合に、前記原稿の読み取りを中止するステップと、
を含むことを特徴とする原稿読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−74608(P2013−74608A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214612(P2011−214612)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】