説明

画像形成装置および用紙搬送装置

【課題】ジャム発生時の印刷処理に関する利便性を向上できる画像形成装置および用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、給紙トレイから供給された用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって画像が形成された前記用紙を排出するための排紙トレイと、前記給紙トレイから前記排紙トレイまで前記用紙を搬送するための複数の搬送経路と、前記搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する検出手段と、前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって前記用紙を前記排紙トレイまで搬送する搬送手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および用紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、用紙ジャム(以下、単にジャムと略称する)が発生した場合に、ジャム紙を排出させるためのパージトレイを設けて、ジャム位置より給紙トレイ側(上流側)に残っている用紙はこのパージトレイに排出させるとともに、ジャム位置等を通知する技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1においては、ジャム発生時に、装置内に残留する用紙のうち画像形成を完了できると判断された用紙は、画像形成後に正規の排出位置(排紙トレイ)に搬送し、画像形成を完了できないと判断された用紙は、複数のジャム処理位置(例えば、上述のようなパージトレイ)のいずれかに向けて搬送する画像形成装置に関する技術が開示されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、このようにして装置内に残留する用紙の搬送を完了した後に、ジャムが生じたことを報知して印刷動作を終了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、ジャムが発生した場合には上述のようにジャム位置等を通知して印刷動作を停止させてしまう。従って、ジャム位置を経由せずに用紙を排紙トレイまで搬送できる場合であっても、ジャム紙を取り除かないうちは印刷処理が行うことができず、印刷処理に関する利便性の向上が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ジャム発生時の印刷処理に関する利便性を向上できる画像形成装置および用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、給紙トレイから供給された用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって画像が形成された前記用紙を排出するための排紙トレイと、前記給紙トレイから前記排紙トレイまで前記用紙を搬送するための複数の搬送経路と、前記搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する検出手段と、前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって前記用紙を前記排紙トレイまで搬送する搬送手段と、を備える。
【0007】
また、本発明の用紙搬送装置は、画像形成後の用紙を排紙トレイに搬送するための複数の搬送経路と、前記搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する検出手段と、前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって前記用紙を前記排紙トレイまで搬送する搬送手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって用紙を排紙トレイまで搬送する。これにより、ジャム位置を経由せずに排紙トレイまで用紙を搬送できる場合には、印刷処理を継続することが可能となり、ジャム発生時の印刷処理に関する利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図(側面断面図)である。
【図2】図2は、画像形成装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、用紙搬送動作を説明するための模式図である。
【図4】図4は、用紙搬送動作を説明するための模式図である。
【図5】図5は、用紙搬送動作を説明するための模式図である。
【図6】図6は、用紙搬送動作を説明するための模式図である。
【図7】図7は、用紙搬送動作を説明するための模式図である。
【図8】図8は、画像形成装置が行う残留用紙退避処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、残留用紙退避処理後に画像形成装置が行う印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置および用紙搬送装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。尚、以下では、本実施形態の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0011】
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1の概略構成図(側面断面図)である。図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成ユニット100、給紙ユニット200、後処理ユニット301、302、303(以降、特に限定しない場合は後処理ユニット300と総称する)等を備えている。
【0012】
画像形成ユニット100は、例えばカラー電子写真式の画像形成装置やインクジェット式の画像形成装置で構成され、用紙上に画像を形成するためのユニットである。
【0013】
画像形成ユニット100は、スキャン、コピー、トレイ選択等の各種選択を受付ける操作部19(図2参照)を備えている。操作部19は、テンキー、スタートキー、ファンクションキー、ワンタッチキー等の各種操作キーを備えた操作パネルと、液晶ディスプレイ等で構成される操作部(いずれも図示しない)とを備えている。画像形成ユニット100は、操作部19やネットワークで接続されたPC等の情報処理装置から受付けた印刷ジョブに基づいて、画像形成処理を行う。
【0014】
画像形成ユニット100の本体上部には、図示しない読取窓が設けられており、この読取窓の下部の本体内部には、読取窓上にセットされた原稿の画像を読み取るスキャナが設けられている。スキャナは、操作部19またはネットワークで接続された情報処理装置から印刷処理の開始を指示されると、読取窓上にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0015】
また、画像形成ユニット100は、画像を転写するための用紙を格納する給紙トレイ41、42を備えている。給紙トレイ41、42は比較的小容量の用紙を格納する。また、画像形成ユニット100は、ジャムや用紙の重送給紙、給紙する用紙の用紙切れが発生した場合に、搬送路に存在する無効な用紙を排出することができるパージトレイ43(第2排紙トレイ)を備えている。
【0016】
作像部54は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色の作像部54Y、54M、54C、54Bを備えており、各色の作像部54Y、54M、54C、54Bはそれぞれ、感光体ドラム機構、帯電機構(帯電部および除電部)、現像機構、ドラムクリーニング機構を有している。
【0017】
作像部54は、感光体ドラム上で、帯電・露光・現像・転写・クリーニングの各作像プロセスを行い、各色の感光体ドラム上に各色の画像を形成する。そして作像部54は、各感光体ドラム上の各色の画像を、中間転写ベルト55に順次重ねて転写する。画像形成ユニット100は、中間転写ベルト55上に重ねられた画像を、2次転写ローラ56の位置で、この位置に搬送される用紙上に転写する。そして、用紙上に転写された画像は、定着ローラおよび加圧ローラ57によって用紙上に定着される。
【0018】
画像定着後(即ち、画像形成後)の用紙は、図1中に一点鎖線で示す搬送経路を搬送されて、後処理ユニット300に搬送される。搬送経路の上側および下側の少なくとも一方には、図示しない搬送ベルト、搬送ローラ等が設けられており、これらの一部は駆動モータ(不図示)によって回転駆動される。これにより、搬送ベルトまたは搬送ローラ上の用紙は搬送経路内を搬送方向に向かって搬送される。ここで搬送方向とは、給紙トレイ(画像形成ユニット100の給紙トレイ41、42、或いは、給紙ユニット200の給紙トレイ44〜47)を上流とし、後処理ユニット300の排紙トレイ48〜51を下流とする方向である。
【0019】
搬送経路には、搬送されている用紙の位置、および、ジャム発生を検出するためのセンサ70(70a、70b、70c、図2参照)が複数設けられている。尚、センサとしては各種光センサ等を用いることができる。
【0020】
また、搬送経路には、搬送先を切り替えるための切替ポイントが複数設けられており、画像形成ユニット100はこの切替ポイントを切り替えることにより用紙の搬送経路を変更することができる。一例として、図1において、切替ポイント58は、用紙の搬送先をパージトレイ43に向けて搬送する場合に切り替えられる切替ポイントである。切替ポイント58には、搬送される用紙を後処理ユニット301へ導入するローラ対と、搬送される用紙をパージトレイ43へ導入するローラ対とがそれぞれ設けられている。画像形成ユニット100(後述する搬送制御部15)は、切替ポイント58に設けられたこれらのローラ対のいずれか一方を搬送経路の中央近傍に移動させることにより、搬送される用紙を、後処理ユニット301またはパージトレイ43のいずれか一方に向けて搬送することができる。
【0021】
即ち、画像形成装置1は、画像形成ユニット100が有するパージトレイ43、後処理ユニット302が有する排紙トレイ51、後処理ユニット303が有する排紙トレイ48、49、50等、画像形成装置1に設けられた複数の排紙トレイのうち少なくとも1つまで用紙を搬送して排出することができる。尚、画像形成装置1は、その他の排紙トレイを設けるとしてもよいし、その他のユニットをさらに用いる場合には、当該ユニットが有する排紙トレイに用紙を排出するとしてもよい。
【0022】
尚、画像形成ユニット100は、それ自体で単体の画像形成装置として機能するよう構成されており、給紙ユニット200、後処理ユニット300と接続せずに画像形成処理を行うことが可能である。画像形成ユニット100には、図示しない排紙トレイが取り外し可能あるいは折り畳み可能に構成されており、後処理ユニット300を接続しない場合にはこの排紙トレイを取り付けて(或いは引き出して)印刷処理後の用紙を排出することができる。そして、画像形成ユニット100を単体として用いる場合には、給紙トレイ41、42のいずれか一方から用紙が搬送経路に給紙されて、この用紙上に上述と同様に画像形成が行われる。そして、画像形成後の用紙は、上述の排紙トレイに排出される。
【0023】
給紙ユニット200は、画像を転写するための用紙を格納し、用紙を画像形成ユニット100に供給するユニットである。給紙ユニット200は、比較的大容量の用紙を格納できる給紙トレイ44、45、46を備え、上部には手差し給紙を行うためのトレイ47を備えている。給紙ユニット200は、例えば画像形成ユニット100の隣に並べて用いることができる。給紙ユニット200は、画像形成ユニット100の指示を受けて、画像形成ユニット100が受付けた印刷ジョブに基づいて給紙トレイ44〜47の少なくともいずれか1つから搬送経路に用紙を供給し、画像形成ユニット100へ用紙を供給(搬送)する。尚、図1では、1台の給紙ユニット200を画像形成ユニット100に接続させて用いる例を示しているが、複数の給紙ユニット200を画像形成ユニット100に多段的に連結させる構成としてもよい。
【0024】
後処理ユニット300(301、302、303)はそれぞれ、画像形成ユニット100から搬送された用紙に対して後処理を施すユニットである。
【0025】
後処理ユニット301は、製本用に印刷された表紙、あるいは画像形成を必要としない
仕切り紙等の用紙を、給紙トレイ52、53から供給して、画像形成ユニット100によって印刷された用紙の前後または間に挿入するためのインサーターである。
【0026】
後処理ユニット302は、画像形成後の用紙に折り処理を施すためのユニットである。後処理ユニット302は、折り処理後の用紙を排紙トレイ51に排紙する。或いは、後処理ユニット302は、折り処理後の用紙を後処理ユニット303に対して搬送する。
【0027】
後処理ユニット303は、用紙にステープラー処理やパンチ処理を施すフィニッシャーである。後処理ユニット303は、印刷物を排出するための排紙トレイ48、49、50を備えている。後処理ユニット303は、操作部19等から指示された後処理の種類に応じて、排紙トレイ48〜50のうち少なくとも1つのトレイに排出先を切り替えて、後処理後の用紙をそのトレイに排出する。
【0028】
後処理の1つであるステープラー処理では、印刷用紙の綴じ枚数によってステープルをカットする際にステープル切り屑が発生する。また、パンチ処理では、印刷用紙にパンチ穴を開ける際にパンチ屑が発生する。そこで、後処理ユニット303には、これらステープル切り屑やパンチ屑のような残滓を回収するための回収ユニット(不図示)が設けられている。
【0029】
尚、後処理ユニット300としては、リング製本やくるみ製本を実施する製本機、用紙をZ折りや2つ折り、3つ折り、4つ折り等するための多機能フォルダー、大量の印刷物を積載するスタッカー等の機能を有するその他のユニットを用いるとしてもよい。
【0030】
また、図1では、複数の後処理ユニット301、302、303を連結して画像形成ユニット100の後段に配置しているが、1つの後処理ユニットのみを画像形成ユニット100に連結させて用いる構成としてもよい。
【0031】
図2は、画像形成装置1の機能的構成を示す機能ブロック図である。図2では、画像形成ユニット100に対して、給紙ユニット200および後処理ユニット300を1台ずつ連結させた構成を例示している。
【0032】
まず、画像形成ユニット100の機能的構成について説明する。図2に示すように、画像形成ユニット100は、システム制御部11、シリアル通信部12、13、給紙制御部14、搬送制御部15、画像処理部16、画像形成部17、後処理制御部18、操作部19、センサ70b等を備えており、これら各部はバスにより接続されている。尚、センサ70bは、画像形成ユニット100内の搬送経路に沿って複数設けられる。
【0033】
システム制御部11は、画像形成ユニット100の動作全体を制御する。また、システム制御部11は、シリアル通信部12、13を介して給紙ユニット200、後処理ユニット300の動作を制御する。システム制御部11は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリを備えており、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより、図2に示すように、ジョブ受付部111、用紙検出部112、判定部113、報知部114として機能する。
【0034】
ジョブ受付部111は、操作部19またはネットワークで接続された情報処理装置から印刷ジョブを受付ける。
【0035】
用紙検出部112(検出手段、残留用紙検出手段)は、搬送経路内に設けられたセンサ70(70a、70b、70c)の出力に基づいて、搬送経路内の用紙の位置、搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する。尚、用紙ジャムおよび用紙の位置の検出方法については従来の方法を用いることができる。
【0036】
判定部113は、用紙検出部112が検出したジャム位置と、用紙検出部112が検出した各用紙の位置とに基づいて、ジャム位置を経由せずに、複数の排紙トレイ(図1の例では、パージトレイ43、排紙トレイ48〜51)のうち少なくとも1つのトレイに用紙を搬送可能であるか否かを判定する。
【0037】
報知部114は、ジャム発生時に、操作部19が有する操作パネルにエラーメッセージ等を表示して、用紙ジャムが発生したことをユーザに報知する。エラーメッセージには、例えば、ジャム発生位置、残留用紙の位置、ジャム紙を取り除くよう催促するメッセージ、これら用紙を取り除くための対応策等が含まれる。
【0038】
シリアル通信部12は、通信ケーブルを介して後処理ユニット300とシリアル通信を行う。シリアル通信部13は、通信ケーブルを介して給紙ユニット200とシリアル通信を行う。
【0039】
給紙制御部14は、ジョブ受付部111が受付けた印刷ジョブに基づいて、画像形成ユニット100の給紙トレイ41、42に格納されている用紙を搬送経路に給紙する。また、給紙制御部14は、ジョブ受付部111が受付けた印刷ジョブに基づいて、シリアル通信部13を介して給紙ユニット200に用紙の給紙を指示し、給紙ユニット200の給紙トレイ44〜47から搬送経路に用紙を給紙させる。
【0040】
搬送制御部15は、搬送経路に設けられた搬送ローラや搬送ベルト、当該ベルトを回転駆動させる駆動モータ(いずれも不図示)等を制御して、画像形成ユニット100に設けられた搬送経路における用紙の搬送動作を制御する。また、搬送制御部15は、給紙ユニット200の搬送制御部25と協働して、給紙ユニット200から画像形成ユニット100への用紙搬送を制御する。さらに、搬送制御部15は、後処理ユニット300の搬送制御部36と協働して、画像形成ユニット100から後処理ユニット300への用紙搬送を制御する。
【0041】
搬送制御部15は、ジャム発生時には判定部113の判定結果に基づいて、搬送経路内に残留している用紙を退避させる。このように、搬送中の用紙をジャム発生位置近傍またはいずれかのトレイまで搬送して、搬送経路内に残留している用紙を退避させる(取り除く)動作を残留用紙退避処理あるいは退避処理と称することとする。
【0042】
また、搬送制御部15は、ジョブ受付部111が受付けた印刷ジョブと判定部113の判定結果に基づいて、残留用紙退避処理後の印刷処理における用紙搬送を制御する。即ち、搬送制御部15は、ジャム位置を経由しない搬送経路によって、複数の排紙トレイのうち少なくとも1つまで用紙を搬送する。
【0043】
画像処理部16は、ジョブ受付部111が受付けた印刷ジョブに基づいて、上記スキャナが読み取った画像データまたは他の情報処理装置から送信された画像データ等に画像処理を施す。画像処理部16は例えば、モノクロ変換や、拡大・縮小、マルチページ等の各種画像処理を画像データに対して施す。
【0044】
画像形成部17は、画像処理部16により処理された画像データに基づいて、作像部54、中間転写ベルト55、2次転写ローラ56(いずれも図1参照)等を制御して、上述の搬送ベルト(不図示)によって搬送される用紙に画像を形成する。
【0045】
後処理制御部18は、シリアル通信部12を介して後処理ユニット300の動作を制御する。また、後処理制御部18は、シリアル通信部12を介して後処理ユニット300の電力モードの状態遷移を管理し、印刷ジョブを所定時間受付けていない場合等には、後処理ユニット300を省電力モードに移行させる。
【0046】
次に、給紙ユニット200の機能的構成について説明する。図2に示すように、給紙ユニット200は、システム制御部21、シリアル通信部22、23、給紙制御部24、搬送制御部25、センサ70c等を備えており、これら各部がバスにより接続されている。尚、センサ70cは給紙ユニット200内の搬送経路に沿って複数設けられる。
【0047】
システム制御部21は、CPU等のプロセッサを備えており、給紙ユニット200の各部を制御して用紙の給紙動作を制御する。
【0048】
シリアル通信部22は、通信ケーブルを介して画像形成ユニット100とシリアル通信を行う。シリアル通信部23は、複数の給紙ユニット200が通信ケーブルで接続されて用いられる場合に、各給紙ユニット200間のシリアル通信を行う。
【0049】
給紙制御部24は、給紙トレイ44〜47(図1参照)に格納またはセットされている用紙を搬送経路に給紙する。搬送制御部25は、給紙制御部24によって搬送経路に給紙された用紙を画像形成ユニット100に向けて搬送する。
【0050】
次に、後処理ユニット300の機能的構成について説明する。図2に示すように、後処理ユニット300は、システム制御部31、シリアル通信部32、33、ステープラー処理部34、パンチ処理部35、搬送制御部36、センサ70a等を備えており、これら各部がバスにより接続されている。尚、センサ70aは、後処理ユニット300内の搬送経路に沿って複数設けられる。
【0051】
システム制御部31は、CPU等のプロセッサを備えており、後処理ユニット300の各部を制御してステープル処理やパンチ処理および用紙の排出処理を制御する。
【0052】
シリアル通信部32は、通信ケーブルを介して画像形成ユニット100とシリアル通信を行う。また、画像形成装置1が複数の後処理ユニット300(図1の例では、後処理ユニット301、302、303)を備えており、これらが通信ケーブルにより画像形成ユニット100に接続される場合に、シリアル通信部33はこの通信ケーブルを介して各ユニット間で相互にシリアル通信を行う。
【0053】
ステープラー処理部34は、画像形成ユニット100から搬送された用紙にステープラー処理を施す。パンチ処理部35は、画像形成ユニット100から搬送された用紙にパンチ処理を施す。パンチ処理は、用紙を束にしてパンチ穴を開ける構成でもよいし、用紙1枚毎にパンチ穴を開ける構成でもよい。
【0054】
搬送制御部36は、ジョブ受付部111が受付けた印刷ジョブに基づいて、画像形成ユニット100から搬送された用紙をステープラー処理やパンチ処理等の後処理を施す位置に搬送する。また、搬送制御部36は、後処理後の用紙を排紙トレイ48〜51の少なくとも1つまで搬送して排紙する。印刷ジョブに後処理が含まれていない場合には、搬送制御部36は、画像形成ユニット100から搬送された用紙を後処理を行わずに排紙トレイ48〜51の少なくとも1つまで搬送して排紙する。
【0055】
なお、上記では、画像形成ユニット100、給紙ユニット200、後処理ユニット300をデイジーチェーンで接続する形態について説明したが、接続方式はこれに限られるものではない。その他の例として、これら各ユニットをバス接続し、画像形成ユニット100が給紙ユニット200および後処理ユニット300を制御する形態としてもよい。
【0056】
次に、用紙搬送動作について説明する。図3ないし図7は、画像形成装置1における用紙搬送動作を説明するための模式図(側面断面図)である。ここでは、印刷ジョブとして給紙トレイ42から給紙した5枚の用紙P1〜P5に画像形成を行い、画像形成後の用紙を排紙トレイ49に排出する例について説明する。尚、図3ないし図7においては、給紙トレイ42から給紙された用紙を搬送する場合について説明するため、各図においては給紙ユニット200を省略した画像形成装置1を示すこととする。
【0057】
図3は、用紙ジャムが発生していない正常時における用紙搬送動作を示している。この場合、給紙トレイ42から給紙された用紙P1〜P5は、図中太線で示す搬送経路RT1を経由して排紙トレイ49に排出される場合を示している。搬送経路RT1において用紙ジャムが発生していない場合には、用紙P1〜P5はそれぞれ搬送経路RT1を搬送されて、排紙トレイ49に順次排出される。
【0058】
図4は、排紙トレイ49の上流側のジャム発生位置90において用紙P1の紙詰まり(ジャム)が発生した場合を示している。この場合、ジャム用紙である用紙P1と、ジャム発生位置90の上流側の搬送経路に残留している用紙P2とは、排紙トレイ49に排出することができない。
【0059】
この場合に、用紙検出部112は、ジャム発生位置90において用紙ジャムが発生したことを検出する。また、用紙検出部112は、図4に示すように、用紙P2が後処理ユニット302内の搬送経路上にあることを検出する。また、用紙検出部112は、用紙P3、P4、P5が、画像形成ユニット100内の搬送経路上であって、パージトレイ43へ搬送経路を切り替え可能である切替ポイント58よりも上流側の位置にあることを検出する。
【0060】
判定部113は、ジャム発生位置90と用紙P2、P3、P4、P5の位置とを比較して、ジャム発生位置90を経由せずに、パージトレイ43または排紙トレイ48〜51のうち少なくとも1つに各用紙P2〜P5を搬送可能であるか否かを判定する。
【0061】
まず、判定部113は、用紙ジャムが検出された場合に、搬送中の各用紙の位置が上述の切替ポイント58より上流側であるか、下流側(排紙トレイ49側)であるかを判定する。判定部113は、図4に示すように、用紙P3〜P5が切替ポイント58よりも上流側(給紙トレイ41、42側)にある場合には、用紙P3〜P5をパージトレイ43に搬送可能であると判定する。搬送制御部15は、切替ポイント58を切り替えて、ジャム発生位置90を経由しない搬送経路RT2(図4参照)を経由して、図5に示すように、用紙P3〜P5をパージトレイ43まで搬送する。
【0062】
また、判定部113は、図4に示すように、用紙P2が切替ポイント58より下流側(排紙トレイ49側)にある場合には、用紙P2をパージトレイ43に搬送することはできないので、当初の搬送先である排紙トレイ49に向けて搬送させると判定する。搬送制御部15はこの判定結果に基づいて、用紙P2を排紙トレイ49に向けて搬送させ、図5に示すように、用紙P2をジャム発生位置90まで搬送する。
【0063】
図5は、上述の退避処理が完了した時点での各用紙の位置を示している。用紙P1、P2は、ジャム発生位置90付近で止まっており、用紙P3、P4、P5はパージトレイ43に排出されている。図5に示すように、切替ポイント59から排紙トレイ49に搬送する搬送経路は使用不可能な状態であるが、その他の搬送経路は使用可能な状態となる。即ち図5では、ジャム用紙P1、P2(残留用紙)を取り除かなくとも、給紙トレイ41または42から、排紙トレイ48、50、51までの搬送経路が引き続き使用可能な状態となる。
【0064】
図6は、ジャム発生位置90の用紙P1、P2を取り除かなくても使用可能である搬送経路の一例として搬送経路RT3を示している。判定部113は、ジャム発生位置90に応じて、このジャム発生位置90を経由しない搬送経路および搬送先の排紙トレイを選択する。尚、上述のように残留用紙P2をジャム用紙P1に突き当てる退避処理をしたような場合には、搬送経路内に残留している残留用紙の位置も含めてジャム発生位置90とし、上述の選択を行う。
【0065】
例えば、図6に示すように排紙トレイ49の上流側の位置においてジャムが発生しており、排紙トレイ49に用紙を排出することができない場合に、判定部113は、画像形成後の用紙を排紙トレイ49の最寄の排紙トレイである排紙トレイ48に搬送可能であるか否かを判定する。そして、判定部113は、図6に示すように、排紙トレイ48に排紙する搬送経路RT3においてその経路上にジャム紙が無い場合に、この搬送経路RT3は使用可能であると判定する。そして、搬送制御部15は、切替ポイント59を切り替えて、画像形成後の用紙を搬送経路RT3によって排紙トレイ48に排出する。
【0066】
図7は、その他の使用可能な搬送経路の例を示す図である。判定部113は、図7に示すように、排紙トレイ51に排紙する搬送経路RT4において、その経路上にジャム紙が無い場合に、この搬送経路RT4は用紙を搬送することができると判定する。搬送制御部15は、切替ポイント60を切り替えて、画像形成後の用紙を搬送経路RT4によって排紙トレイ51に排出する。
【0067】
このように、画像形成装置1は、上述した退避処理によって使用可能な搬送経路を確保するため、ジャム紙を取り除かなくとも印刷処理を継続しやすくすることができる。
【0068】
尚、上述では1つの切替ポイント58について各用紙の位置を比較したが、判定部113は、搬送経路内の複数の切替ポイントのそれぞれについて比較および判定を行うとしてもよい。例えば、図4に示すように、用紙P2〜P5が切替ポイント59よりも上流側にある場合には、判定部113は、用紙P2〜P5を排紙トレイ48、50の少なくとも一方に搬送可能であると判定してもよい。また、判定部113は、用紙P3〜P5が切替ポイント60よりも上流側にある場合には、判定部113は、用紙P3〜P5を排紙トレイ51に搬送可能であると判定してもよい。
【0069】
次に、画像形成装置1が行う残留用紙退避処理の手順について説明する。図8は、画像形成装置1が行う残留用紙退避処理の手順を示すフローチャートである。
【0070】
まず、搬送制御部15は、操作部19等から入力された指示に従って、給紙トレイおよび画像形成後の用紙を排出する排紙トレイを選択し、この給紙トレイから排紙トレイまでの搬送経路内の搬送ベルト、搬送ローラ、切替ポイント等を制御して用紙の搬送を開始する。そして、用紙検出部112は、上述のように設定された搬送経路において用紙ジャムが発生したか否かを判定する(ステップS1)。ジャムが発生していない場合(ステップS1:No)には、ステップS1に戻る。ジャムが発生した場合(ステップS1:Yes)には、用紙検出部112はジャム発生位置を検出して、ステップS2に移行する。
【0071】
判定部113は、ジャム発生位置よりも下流側、即ち排紙トレイ側に用紙(残留用紙)があるか否か判定する(ステップS2)。ジャム発生位置よりも下流側に用紙がある場合(ステップS2:Yes)には、搬送制御部15はその用紙を当初の搬送経路を経由して排紙トレイに排出して(ステップS3)、ステップS4に移行する。ジャム発生位置よりも下流側に用紙が無い場合(ステップS2:No)には、判定部113はジャム発生位置よりも上流側、即ち給紙トレイ側に用紙(残留用紙)があるか否かをさらに判定する(ステップS4)。ジャム発生位置よりも上流側に用紙が無い場合(ステップS4:No)には、ステップS9に移行する。ジャム発生位置よりも上流側に用紙がある場合(ステップS4:Yes)には、判定部113は、残留用紙がいずれかの切替ポイントよりも上流側にあるか否かを判定する(ステップS5)。
【0072】
残留用紙がいずれかの切替ポイントよりも上流側にある場合(ステップS5:Yes)には、その切替ポイント(例えば、切替ポイント58)から当該切替ポイントによって切り替えられた搬送先となる排紙トレイ(例えば、パージトレイ43)までの搬送経路に用紙ジャムが発生しているか否かを判定する(ステップS6)。切替ポイントから排紙トレイまでの搬送経路に用紙ジャムが発生している場合(ステップS6:Yes)には、その切替ポイントを切り替えず、当初の搬送経路により残留用紙をジャム紙にぶつかるまで搬送して(ステップS8)、ステップS9に移行する。
【0073】
また、ステップS5において残留用紙がいずれかの切替ポイントよりも下流側にある場合(ステップS5:No)には、その切替ポイントを切り替えず、当初の搬送経路により残留用紙をジャム紙にぶつかるまで搬送して(ステップS8)、ステップS9に移行する。
【0074】
ステップS6において、切替ポイントから切替後の搬送先である排紙トレイまでの搬送経路に用紙ジャムが発生していない場合(ステップS6:No)には、その切替ポイントを切り替えて搬送経路を変更し、用紙を切替後の搬送先である排紙トレイに排出して(ステップS7)、ステップS9に移行する。
【0075】
残留用紙の退避処理が終了し、残留用紙がいずれかの排紙トレイまたはジャム発生位置に搬送された場合に、報知部114は、ジャム発生位置、残留用紙の排出先のトレイ等を示す情報を操作部19の液晶パネルに表示させて、ユーザにジャム発生を報知し(ステップS9)、処理を終了する。
【0076】
尚、上述では、ステップS8においてジャム紙にぶつかるまで残留用紙を搬送させるとしたが、残留用紙の退避方法はこれに限られるものではない。その他の退避方法として、残留用紙をその場に停止させるとしてもよい。また、画像形成ユニット100にパージトレイ43以外の残留用紙の新たな退避箇所を設けて、その新たな退避箇所に向けて残留用紙を搬送するとしてもよい。
【0077】
次に、残留用紙退避処理後に新規の印刷ジョブを受付けた場合に画像形成装置1が行う印刷処理の手順について説明する。図9は、残留用紙退避処理後に画像形成装置1が行う印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
ジョブ受付部111は、操作部19またはネットワークで接続された情報処理装置等から印刷ジョブを受付けたか否かを判定する(ステップS11)。印刷ジョブを受付けない場合(ステップS11:No)にはステップS11に戻って受付待ちをする。印刷ジョブを受付けた場合(ステップS11:Yes)には、判定部113は、その印刷ジョブによって指定された給紙トレイから排紙トレイまでの搬送経路上においてジャム紙(残留用紙)が有るか否かを判定する(ステップS12)。搬送経路上にジャム紙が無い場合(ステップS12:No)には、指定された給紙トレイから搬送経路に用紙を給紙し、作像部54によって用紙上に画像形成を行い、画像形成後の用紙を印刷ジョブによって指定された排紙トレイに向けて搬送し、排出する(ステップS13)。
【0079】
搬送経路上にジャム紙がある場合(ステップS12:Yes)、判定部113は、ジャム発生位置を経由せずに排紙トレイのいずれか1つに搬送可能である搬送経路が有るか否かを判定する(ステップS14)。搬送可能な搬送経路が有る場合(ステップS14:Yes)には、指定された給紙トレイから搬送経路に用紙を給紙し、作像部54によって用紙上に画像形成するとともに、画像形成後の用紙を搬送可能な排紙トレイに向けて搬送し、排出する(ステップS15)。そして、ジャム発生位置等を操作部19に表示させて、ユーザにジャム紙または残留用紙があることを報知し(ステップS16)、処理を終了する。
【0080】
排紙トレイのいずれか1つに搬送可能である搬送経路が無い場合(ステップS14:No)には、給紙、用紙搬送、画像形成等の各処理は行わず、ジャム発生位置等を操作部19に表示させて、ユーザにジャム紙または残留用紙があることを報知して(ステップS16)、処理を終了する。
【0081】
尚、上述では、退避処理後に使用可能な搬送経路が有る場合には印刷処理を継続可能でるとしたが、退避処理後に印刷処理を行うか否かはユーザにより設定可能であるとしてもよい。即ち、システム制御部11(選択受付手段)は、操作部19の操作パネルにおいて、ジャム検出時に印刷処理を継続させるか否かの選択を受付け、選択結果をシステム制御部11内の記憶領域に記憶する。そして、退避処理後の印刷処理においてはこの選択結果に基づいて印刷処理の継続を判定する。即ち、ジャム検出時に印刷処理を継続させる旨が記憶されている場合に、画像形成部17は用紙ジャムが検出されている場合であっても画像形成処理を行い、搬送制御部15は、ジャム発生位置を経由しない搬送経路によって画像形成後の用紙を排紙トレイの少なくとも1つまで搬送する。
【0082】
また、システム制御部11(選択受付手段)は、ジャム発生によって後処理部300への用紙搬送が不可能である場合に印刷処理を継続させるか否かの選択を、操作部19の操作パネルにおいて受付け、選択結果を上記記憶領域に記憶するとしてもよい。そして、退避処理後の印刷処理においてはこの選択結果に基づいて印刷処理の継続を決定する。即ち、印刷処理を継続させる旨が記憶されている場合には、搬送制御部15は、画像形成後の用紙に後処理を施さずに、搬送可能である排紙トレイのうち少なくとも1つまで搬送するとする。
【0083】
また、上述では、排紙トレイを複数備える画像形成装置1について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。画像形成装置1(あるいは画像形成ユニット100、給紙ユニット200、後処理ユニット300の各々)は排紙トレイを1つだけ備えるとしてもよい。また、この場合に判定部113は、ジャム発生位置を経由しない搬送経路によってその排紙トレイに用紙を搬送可能であるか否かを判定し、搬送可能である場合に、搬送制御部15はその搬送経路によって当該1つの排紙トレイに用紙を搬送するとしてもよい。
【0084】
また、上述では、判定部113が行う判定処理の手順は上述した例に限定されるものではない。その他の例として、判定部113は、ジャム発生位置を経由しない搬送経路によって印刷ジョブで指定された1つの排紙トレイに用紙を搬送可能であるか否かを、まず始めに判定するとしてもよい。そして、印刷ジョブで指定された排紙トレイに搬送不可能であると判定された場合に、判定部113はさらに、その他の排紙トレイに用紙を搬送可能であるか否かを判定するとしてもよい。
【0085】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、搬送制御部15は、用紙検出部112が用紙ジャムを検出した場合であっても、ジャム発生位置を経由しない搬送経路がある場合にはその搬送経路を経由して用紙を排紙トレイまで搬送する。これにより、ジャム発生位置を経由せずに排紙トレイまで用紙を搬送できる場合には、印刷処理を継続することが可能となり、ジャム発生時の印刷処理に関する利便性を向上させることができる。
【0086】
また、上述のように本実施形態の画像形成装置1は、搬送経路内に残留しており排紙トレイには排出できない用紙(図4の例では用紙P2)を、ジャム発生位置まで搬送してジャム紙(図5の例では用紙P1)とまとめる。これにより、排出できない用紙を散在させずに1箇所にまとめることができるので、ジャム紙や残留用紙を取り除かなくても使用できる搬送経路をより多く確保することができる。
【0087】
なお、上述では、作像部54よりも下流の搬送経路内において用紙ジャムが発生した場合について説明したが、作像部54よりも上流の搬送経路内において用紙ジャムが発生した場合に対しても、本実施形態を適用することが可能である。これにより、画像形成前の用紙がジャムを起こした場合であっても、そのジャム位置を経由しない搬送経路が有る場合には、印刷処理を続行することができる。
【0088】
なお、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、例えばシステム制御部11が備えるROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0089】
さらに、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0090】
本実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(ジョブ受付部111、用紙検出部112、判定部113、報知部114)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、ジョブ受付部111、用紙検出部112、判定部113、報知部114がシステム制御部11の主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0091】
尚、上述では、画像形成装置1において、画像形成ユニット100のシステム制御部11が用紙検出部112、判定部113等を備えて、本実施形態にかかる画像形成装置および用紙搬送装置として機能する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。その他の例として、給紙ユニット200のシステム制御部21、または、後処理ユニット300のシステム制御部31が、少なくとも上述の用紙検出部112、判定部113を備えるように構成して、給紙ユニット200、後処理ユニット300を本実施形態にかかる用紙搬送装置として提供するとしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成装置
41、42 給紙トレイ
43 パージトレイ(排紙トレイ)
44、45、46、47、52、53 給紙トレイ
48、49、50、51 排紙トレイ
54(54Y、54M、54C、54K) 作像部
55 中間転写ベルト
56 2次転写ローラ
57 加圧ローラ
58、59、60 切替ポイント
70(70a、70b、70c) センサ
90 ジャム発生位置
100 画像形成ユニット
200 給紙ユニット
300(301、302、303) 後処理ユニット
111 ジョブ受付部
112 用紙検出部
113 判定部
114 報知部
P1、P2、P3、P4、P5 用紙
RT1、RT2、RT3、RT4 搬送経路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2009−042402号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙トレイから供給された用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像が形成された前記用紙を排出するための排紙トレイと、
前記給紙トレイから前記排紙トレイまで前記用紙を搬送するための複数の搬送経路と、
前記搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって前記用紙を前記排紙トレイまで搬送する搬送手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、当該ジャム紙以外に前記搬送経路内に残留している用紙の位置を検出する残留用紙検出手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記残留用紙検出手段が検出した前記用紙の位置に応じて、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路を選択する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙トレイは複数設けられ、
前記判定手段は、前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由せずに複数の前記排紙トレイのうち少なくとも1つに前記用紙を搬送可能であるか否かを判定し、
前記搬送手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ジャム位置を経由しない搬送経路によって前記用紙を複数の前記排紙トレイのうち少なくとも1つまで搬送する、
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成後の用紙に後処理を行って前記排紙トレイに後処理後の用紙を排出する後処理部と、
前記給紙トレイと前記後処理部との間に設けられた第2排紙トレイと、をさらに備え、
前記判定手段は、前記検出手段によって、前記後処理部または前記後処理部の排紙トレイに至る搬送経路において用紙ジャムが検出された場合に、前記残留用紙検出手段が検出した前記用紙の位置が、当該用紙を前記第2排紙トレイに排出可能な位置であるか否かを判定し、
前記搬送手段は、前記第2排紙トレイに排出可能であると判定された場合には、当該用紙を前記第2排紙トレイに排出する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ジャム検出時に印刷処理を継続させるか否かの選択を受付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段が受付けた選択結果を記憶する記憶手段と、をさらに備え、
前記画像形成部は、前記記憶手段がジャム検出時に印刷処理を継続させる旨を記憶している場合には、前記検出手段によって用紙ジャムが検出された場合であっても前記用紙に画像形成を行い、
前記搬送手段は、前記画像形成部による画像形成後の前記用紙を、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路によって、前記排紙トレイまで搬送する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送手段によって前記画像形成後の用紙が、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路により前記排紙トレイまで搬送された場合に、ジャム発生を報知する報知手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷ジョブを受付けるジョブ受付手段、をさらに備え、
前記判定手段は、前記検出手段が検出した前記ジャム位置を経由せずに、前記印刷ジョブによって指定された前記給紙トレイから前記画像形成部まで前記用紙を搬送し、さらに、前記画像形成部による画像形成後の前記用紙を前記複数の排紙トレイのうちいずれか1つに搬送可能であるか否かを判定し、
前記画像形成部は、前記判定手段が前記ジャム位置を経由せずに前記用紙を前記排紙トレイのうちいずれか1つまで搬送可能であると判定した場合には、前記印刷ジョブに基づいて前記用紙に画像形成を行い、
前記搬送手段は、前記判定手段の判定結果に基づき、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路によって、前記用紙を前記給紙トレイから前記画像形成部まで搬送し、さらに、前記画像形成部による画像形成後の前記用紙を前記画像形成部から前記複数の排紙トレイのうちいずれか1つまで搬送する、請求項3ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
ジャム発生によって前記後処理部に前記用紙を搬送できない場合に、印刷処理を継続させるか否かの選択を受付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段が受付けた選択結果を記憶する記憶手段と、をさらに備え、
前記搬送手段は、前記記憶手段にジャム発生によって前記後処理部に前記用紙を搬送できなくとも印刷処理を継続させる旨が記憶されている場合には、ジャム検出時において、前記画像形成後の前記用紙を、前記後処理部を経由せずに前記排紙トレイまで搬送する、
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記後処理部を複数備える、請求項4ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成後の用紙を排紙トレイに搬送するための複数の搬送経路と、
前記搬送経路内の用紙ジャムおよびそのジャム位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記用紙ジャムを検出した場合に、前記ジャム位置を経由しない前記搬送経路があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記ジャム位置を経由しない搬送経路があると判定された場合には、ジャム検出後であっても、当該搬送経路によって前記用紙を前記排紙トレイまで搬送する搬送手段と、
を備える用紙搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−18561(P2013−18561A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150879(P2011−150879)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】