説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】 本発明は、液体電子写真方式用であって、定着性、転写効率に優れた画像形成方法および画像記録装置の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、トナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤で前記潜像を現像する現像部と、樹脂で形成された記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送された前記記録媒体に前記キャリア液を吸収するオイル吸収層を塗布する塗布部と、前記塗布部で前記オイル吸収層が塗布された前記記録媒体に前記現像部で現像された像が転写される転写部と、前記転写部で前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着する定着部とを備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録、静電印刷等に使用される画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体現像剤を用いた電子写真方式は、粉体トナーを用いた電子写真方式では実現できない利点として、サブミクロンサイズでの微細なトナーを用いることができ、高精細な画質を実現できること、少量のトナーで充分な画像濃度が得られること等が挙げられる。このような液体現像剤は、ジメチルシリコンやアイソパーといったキャリア液中に微細なトナー粒子を分散させている。
【0003】
このような液体現像剤を用いて上質紙を記録媒体として画像を形成する画像形成装置の場合、記録媒体上にキャリア液が浸透して画像形成面の裏面から画像が透けて見える「裏写り現象」が顕著に生じることがあり、そのため、トナー像を記録媒体上に転写する前に、記録媒体上にガラス転移点(Tg)が30℃以下の樹脂エマルジョン液を塗布して樹脂層を形成することにより、上質紙へのキャリア液の浸透を低減して裏写りを防止することが知られている(特許文献1)。また、PET基材のように記録媒体自体がキャリア液を吸収しない記録媒体上に画像を形成する画像形成装置である場合においては、キャリア液が浸透することは無く「裏写り現象」は生じない。
【0004】
しかしながら、特許文献1やPET基材のように、キャリア液の浸透を抑制または浸透しない記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成装置のばしい、キャリア液が記録媒体表面(特許文献1では樹脂層表面)の画像中に残留した状態で定着プロセスを行うこととなり、残留したキャリア液がトナー粒子間の凝集を阻害して定着性を悪化させてしまうという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−72388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、液体電子写真方式であって、転写効率、定着性、転写性に優れる画像形成方法、画像形成装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、
トナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤で前記潜像を現像する現像部と、
樹脂で形成された記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送された前記記録媒体に前記キャリア液を吸収するオイル吸収層を塗布する塗布部と、
前記塗布部で前記オイル吸収層が塗布された前記記録媒体に前記現像部で現像された像が転写される転写部と、
前記転写部で前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着する定着部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記オイル吸収層は、体積換算で一次平均粒径が3nm〜500nmの無機微粒子を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の画像形成方法は、樹脂で形成された記録媒体を搬送し、
搬送された前記記録媒体にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗工し、
前記オイル吸収層が塗工された前記記録媒体に、トナー及び前記キャリア液を含む液体現像剤で現像された像を転写し、
前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする。
【0010】
前記オイル吸収層は、体積換算で一次平均粒径が3nm〜500nmの無機微粒子を含むことを特徴とする。
【0011】
前記オイル吸収層は、ガラス転移点Tg1の樹脂を含有するとともに、
前記液体現像剤のトナー粒子は、前記オイル吸収層に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg1よりも低いガラス転移点Tg2の樹脂を含有することを特徴とする。
【0012】
前記オイル吸収層に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg1は50℃〜110℃であり、
前記液体現像剤のトナー粒子に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg2は40℃〜70℃であり、
かつ、Tg1−Tg2≧8℃
であることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成方法は、紙基材に樹脂で形成された樹脂層を有する記録媒体を搬送し、
搬送された前記記録媒体における樹脂層側にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗工し、
前記オイル吸収層が塗工された前記記録媒体に、トナー及び前記キャリア液を含む液体現像剤で現像された像を転写し、
前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像形成装置は、樹脂で形成された記録媒体上にキャリア液をきをしゅうするオイル吸収層を塗布する塗布部によりオイル吸収層を設けることで、記録媒体上に転写されたトナー像中の残留キャリア液の量が低減され、トナー粒子相互に融着でき、良好な定着性を示すものとできる。
【0015】
また、本発明の画像形成方法は、樹脂で形成された記録媒体上にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗布する塗布部によりオイル吸収層を設けることにより、記録媒体上に転写されたトナー像中の残留キャリア液の量が低減され、トナー粒子相互に融着でき、良好な転写性を示すものである。
【0016】
また、本発明の画像形成方法は、紙基材で形成された記録媒体上にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗布する塗布部によりオイル吸収層を設けることで、記録媒体上に転写されたトナー像中の残留キャリア液の量が低減され、トナー粒子相互に融着でき、良好な定着性を示すものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の液体現像剤用記録媒体の断面を説明するための図である。
【図2】本発明における画像形成装置を説明するための全体概略図である。
【図3】本発明における画像形成装置において、樹脂基材にオイル吸収層を塗布形成するための構成を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(記録媒体)
図1は、本発明の液体現像剤用記録媒体を説明するための断面図であり、図中、1は樹脂基材、2はオイル吸収層、3は導電層を示す。
【0019】
本発明の樹脂基材1は、ブリストー法(JAPAN TAPPI No.51)におけるシリコンオイル(50cs)吸収性が、30msec1/2 以内のオイル吸収量が30ml/m2 以下のようにキャリア液の吸収性が低いものである。
【0020】
具体的には、樹脂基材1としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースプラスチック、塩素化ポリエチレン、エチレン−塩化ビニル共重合体、フッ素樹脂、ポリブタジエン、ポリブチレン、アイオノマー、ニトリル樹脂、ポリアミド、ポリエーテルケトン、綿状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、水架橋ポリエチレン、ノルボルネン樹脂、接着性ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのフィルム、またはシートが例示される。また、基材樹脂中には、炭酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪藻土、シリカ、カーボンブラック、金属粉、グラファイト、シラスバルーン、ガラス繊維、チタン酸カリ、ワラストナイト、アスベスト、炭素繊維、マイカ、ガラス等の充填剤を含有させてもよい。
【0021】
樹脂基材としては、記録媒体としての支持性の観点から、膜厚は20μm〜300μmとするとよい。また、樹脂基材としては、紙基材であっても少なくともオイル吸収層積層側に上記の基材用樹脂を被覆した「コート紙」であってもよい。さらに、樹脂基材としては、前記樹脂材料を用いて形成された合成紙、例えばユポ紙((株)ユポ・コーポレーション製)、また、クリスパー(東洋紡績(株)製)等であってもよい。
【0022】
樹脂基材1上に塗布するオイル吸収層2は、樹脂エマルジョンに無機微粒子を添加するか、または、樹脂溶液に無機微粒子を添加して得られる塗工液を、樹脂基材1上に塗工、乾燥して形成するもので、オイル吸収層表面に付着するキャリア液に対する吸収性を有するものとできる。
【0023】
また、オイル吸収層用の樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が例示される。樹脂のガラス転移点(Tg)としては、50℃〜110℃であることが好ましい。50℃より低いと、定着プロセスによっては溶融化するので好ましくない。また、110℃より高いと、定着プロセスによって加熱されたオイル吸収層にクラック(ひび割れ)が発生し、印字品質を落とす結果となる。
【0024】
樹脂エマルジョンとしては安全面や環境面から水性エマルジョンが好ましいが、油性エマルジョンとしてもよい。油性エマルジョンにおける油性媒体としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、m−キシレン、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、i−ブタノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等が例示される。
【0025】
樹脂エマルジョンとすると、塗布膜における乾燥性に優れ、また樹脂微粒子同士による成膜性に優れるので好ましい。樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子の体積換算で一次平均粒径は10nm〜1μmとするとよい。ここで、体積換算での一次平均粒径は、Microtrac社製粒度分布測定装置「MT3000II」を使用して測定した値である。
【0026】
また、オイル吸収層2中には、微粒子が含有される。微粒子はトナー画像中のキャリア液を吸着する機能を付与するものであり、例えばシリカ微粒子、炭酸カルシウム微粒子、酸化チタン微粒子、カオリン微粒子、アルミナ微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機微粒子や変性スチレン−ブタジエン共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の有機微粒子が例示される。微粒子としては、体積換算で一次平均粒径が3nm〜500nmのものとするとよい。平均体積一次粒径が3nm未満であると、トナー画像中のキャリア液を吸収するために必要な細孔が形成されず、結果として定着性が悪化することが確認された。また、平均体積一次粒径が500nm以上である550nmであると、オイル吸収層中の孔構造が大きく、キャリア液が伝わる表面積が充分に確保できす、同様にトリャア液の吸収性が悪化し、結果として定着性が悪化することが確認された。また、BET比表面積が10m2 /g〜900m2 /gの多孔質のものが好ましい。
【0027】
微粒子は、オイル吸収層中3質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%の割合となるように樹脂エマルジョン中に添加され、塗工液とされる。塗工液は樹脂基材1上にワイヤーバー、ハケ塗り、ローラコート、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー、カーテンフローコーター、浸漬コート、ダイコート等により、乾燥厚5μm〜40μmで塗布され、オイル吸収層2とされる。
【0028】
このような塗工方法によってオイル吸収層を形成すると、層中に微粒子が起点となった亀裂や空隙が生じ、また、微粒子自体の細孔も含めキャリア液に対する吸収性を発現するものと考えられる。
【0029】
ここで、オイル吸収層2上に、導電層3を設けてもよい。導電層3は導電性付与材料を含む塗工材料を使用して形成される。導電性付与材料としては、アンチモン複酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機導電性ポリマーや酸化錫、インジウム−スズ酸化物、等の無機導電材料が例示される。導電性付与材料を含む塗工材料は、ワイヤーバー、ナイフコーター、スクイズコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の塗工手段により塗工されるとよい。また、図1では片面のみの塗工となっているが、両面印字対応できるように、もう片面にも同様に塗工してもよい。
【0030】
導電層の平均膜厚は0.5μm〜6μmである。0.5μmより薄いと導電性が不充分となり、また、6μmより厚いと、オイル吸収層の機能であるキャリア液に対する給油性が低下するので好ましくない。
【0031】
導電層の表面抵抗率は、1×105 Ω/□以上、1×1011Ω/□未満、好ましくは1×106 Ω/□以上、1×109 Ω/□未満とするとよい。導電層の表面抵抗率が1×105 Ω/□未満であると、過電流となり転写に必要な電界をトナーに付与できないという問題があり、また、1011Ω/□より大きいと、電流が流れにくいため転写に必要な電界をトナーに付与できないという問題がある。
【0032】
また、樹脂基材1とオイル吸収層2、およびオイル吸収層2と導電層3の間に、プライマー層を設けて層間の密着性を向上させてもよいが、その膜厚は1μm程度であり、オイル吸収層、導電層の各特性を損なわない程度とするとよい。
【0033】
(液体現像剤)
本発明における液体現像剤は、0.5〜1,000mPa・s(25℃)の粘度を有する液状シリコーン油中に、少なくとも樹脂と顔料を分散したもので、HAAKE RheoStress RS600を用いて25℃での剪断速度が1000(1/s)の時の粘弾性が30〜300mPa・sのものてある。
【0034】
液状シリコーン油は、低揮発性キャリア液であり、直鎖状構造の液状シリコーン、環状構造の液状シリコーン、分岐鎖状構造の液状シリコーン、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
【0035】
液状シリコーン油としては、米国ダウ・コーニング社によるDC 200 Fluid(20cSt)、DC 200 Fluid(100cSt)、DC 200 Fluid(50cSt)、DC 345 Fluid等が例示される。
【0036】
顔料としては、ニグロシン、フタロシアニンブルー、キナクリドン等の有機系着色剤、また、カーボンブラック、酸化鉄等の無機系着色剤が例示され、また、樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリエステル、またはこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ロジン、ロジンエステル、変性エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン等が例示される。
【0037】
顔料と樹脂とは液状シリコーン油中に直接分散されてもよいが、好ましくは顔料と樹脂は溶融混練された樹脂で被覆された顔料とされるとよい。
【0038】
樹脂被覆顔料としては、エポキシ樹脂で被覆されたAraldite 6084(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Blue 15:3)Tintacarb 435(キャボット・コーポレーション社によるC.I.Pigment Black 7)、Irgalite Rubine KB4N(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Red 57)、Monolite Yellow(ICIオーストラリアによるC.I.Pigment Yellow 1)等が挙げられる。これらの被覆顔料は、適宜の割合で混合した後、溶融混練−粉砕して、マスターバッチとし、後述する液体現像剤の製造に使用するとよい。また、エポキシ樹脂を被覆した顔料の溶融混練に際してアルキル化ポリビニルピロリドンを添加してエポキシ樹脂と反応させ、被覆樹脂を変性エポキシ樹脂としたマスターバッチとしてもよい。
【0039】
分散剤としては、ビニル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミン基から選ばれる官能基を有するポリシロキサンであり、直鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、分岐鎖状ポリシロキサン、またそれらの組合せより選択される。例えばElastsil M4640A(ワッカー・ケミカル社製、ビニル官能基を有するポリシロキサンポリマー)、Finish WR1101(ワッカー・ケミカル社製、アミン官能基を有するポリシロキサンポリマー)であり、粘度が90,000mPa・s以下のものが例示される。官能基を有するポリシロキサンは、官能基を介して着色樹脂粒子の表面に結合または吸着し、それによって、液状シリコーン油との相溶性を着色粒子に与えるものである。
【0040】
また、本発明の液体現像剤には、必要に応じて金属石鹸、脂肪酸、レシチン等の電荷制御剤を含むことができ、例えばNuxtra 6% Zirconium(クリアノバ社にぱるオクタン酸ジルコニウム)等が例示される。
【0041】
本発明の液体現像剤は、上記で得たマスターバッチと分散剤と液状シリコーン油とをボールミルで微粉砕、混合して調製され、100〜10,000mPa・s(25℃)の粘度を有するものとされるとよい。トナー粒子濃度は、40質量%以下、好ましくは10〜25質量%とするとよい。
【0042】
本発明の液体現像剤は、特表2003−508826に記載される液体現像剤を使用するものであり、詳細はその記載が参照されるが、本発明にあっては、その液体現像剤における樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃〜70℃のものが好ましい。
【0043】
また、本発明においては、記録媒体のオイル吸収層に含有される樹脂のガラス転移点Tg1は50℃〜110℃とし、また、液体現像剤のトナー粒子に含有される樹脂のガラス転移点Tg2は40℃〜70℃とすると共にTg1−Tg2≧8℃とするものである。
【0044】
本発明の画像形成方法について、図2に基づいて説明する。
【0045】
図2は、本発明の記録媒体、液体現像剤を使用する画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された転写媒体としての中間転写ベルト40に対し、現像部としての現像装置30Y,30M,30C,30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写部としての二次転写部60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特に、定着ユニット90が、中間転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成装置全体としての設置面積を抑制することが可能となっている。
【0046】
潜像担持体としての感光体10Y,10M,10C,10Kの周辺は、トナーによる画像を形成するために、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y,12M,12C,12K等を備えている。コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kにより、感光体10Y,10M,10C,10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y,12M,12C,12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y,10M,10C,10K上に静電潜像を形成する。
【0047】
現像装置30Y,30M,30C,30Kは、概略、現像剤担持体としての現像ローラー20Y,20M,20C,20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y,31M,31C,31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y,31M,31C,31Kから現像ローラー20Y,20M,20C,20Kに塗布する塗布ローラーである現像剤供給部材としてのアニロックスローラー32Y,32M,32C,32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y,10M,10C,10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0048】
一次転写部50Y,50M,50C,50Kは、感光体10Y,10M,10C,10K上に形成された像を、感光体10Y,10M,10C,10Kと一次転写ローラー51Y,51M,51C,51Kとのニップ部を介して、中間転写ベルト40に転写する部分である。
【0049】
中間転写ベルト40は、シームレスなゴム等の弾性部材で形成されたベルトであり、ベルト駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により回転駆動される。1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと中間転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を中間転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0050】
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に中間転写ベルト40を張架しており、中間転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード45からなるクリーニング部が当接・配置され、中間転写ベルト40上の残りトナー、キャリア液をクリーニングするようになっている。
【0051】
二次転写部60は、転写部材としての二次転写ローラー61を備えている。そして、二次転写ローラー61は、ベルト駆動ローラー41の回転につれて矢印で示す方向に回転するとともにバイアス発生部により、転写バイアスが印加されることにより、転写ニップで中間転写ベルト40のトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される記録媒体(転写材)に転写する。
【0052】
転写材搬送経路Lの二次転写部60の下流には、転写材搬送装置230、吸引装置270が順次配列されており、記録媒体(転写材)を定着ユニット90に搬送するようになっており、定着ユニット90では、記録媒体(転写材)上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を記録媒体(転写材)に融着させ定着させる。
【0053】
画像形成装置に対する記録媒体(転写材)の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた記録媒体(転写材)は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、記録媒体(転写材)を二次転写位置まで搬送し、中間転写ベルト40上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を記録媒体(転写材)に転写する。
【0054】
二次転写された記録媒体(転写材)は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手段によって、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており、これらのニップ間に記録媒体(転写材)を挿通させ、記録媒体(転写材)上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を記録媒体に融着し定着させる。
【0055】
次に、図2に示す画像形成装置内で、樹脂基材1にオイル吸収層を塗布形成するための構成を図3を使用して説明する。
【0056】
図3に示すように、記録媒体Sにトナー像を転写する転写部より記録媒体搬送方向上流側にオイル吸収層塗布手段101を設ける。オイル吸収層塗布手段101としては、図3に示すキスコーターによる塗布手段が例示されるが、他にはナイフコーター、スプレーコーター、バーコーター、スクイズコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の塗布方法が可能である。キスコーターでは、塗布手段を保持する容器中に、記録媒体に接触する塗布ローラを配置し、容器中の塗布液が塗布ローラ表面に均一に膜形成され、それが記録媒体に転写されることでオイル吸収層が形成される。また、オイル吸収層塗布手段の搬送方向下流には乾燥手段102が設けられる。この乾燥手段102は赤外線ヒーター(IRヒーター)を搬送方向に複数個、非接触状態で並べたもので、記録媒体が所定の温度以上になるように加熱される。また、乾燥手段は赤外線ヒーターなどの非接触加熱に限らず、中央部にハロゲンヒーター等の加熱源を持つローラーを2本圧接することで記録媒体を加熱しながら担持搬送するローラー加熱方式でもよい。
【0057】
この加熱手段により、記録媒体上に塗布されたオイル吸収層は加熱乾燥され、樹脂基材1上に固着される。このオイル吸収層加熱手段により加熱された記録媒体上のオイル吸収層の温度は70〜140℃程度となる。一方で、定着工程での記録媒体上のトナー像及びオイル吸収層は50〜70℃程度に加熱される。液体現像剤の樹脂のガラス転移点(Tg)を30〜70℃、記録媒体のオイル吸収層のガラス転移点(Tg)を70〜100℃とすることより、定着工程では液体現像剤の樹脂は軟化状態となるが、記録媒体におけるオイル吸収層は固体状態を維持し、オイル吸収層中の細孔構造は定着工程でも維持されたままとなる。
【0058】
本発明でオイル吸収層塗布手段によりオイル吸収層を塗布形成した記録媒体(A〜I)、および液体現像剤(a、b)について具体的に示す。
【0059】
なお、本発明における「体積換算での一次平均粒径」は、Microtrac MT3000IIを使用し、下記の条件で測定する。
粒子屈折率: 1.81
溶媒屈折率: 1.391
溶媒:KF−96L−2CS(信越化学工業社製)
粒子形状は非球形の条件で解析。
【0060】
また、ガラス転移点(Tg)は、示差熱量計「DSC−220C」を使用し、下記の条件で測定する。
サンプル重量:10mg
測定温度:20℃(測定開始温度)〜200℃(測定終了温度)、昇温速度:10℃/min.
Tg:1回昇温させて前履歴を除去した後のDSC曲線から、ガラス転移点に相当する吸熱が生じた吸熱カーブのショルダー位置における温度とした。
【0061】
液体現像剤にあっては、液体現像剤を作製する際に得られるマスターバッチのガラス転移点(Tg)を測定する。
【0062】
また、表面抵抗率は、抵抗率計ハイレスタ(三菱化学アナリティック社製)により測定する。計測条件:URプローブ使用、付与電圧500V。
【実施例】
【0063】
(記録媒体Aの作製)
下記組成
・ アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(商品名:スーパーフレックス150D、ガラス転移点(Tg)22℃、第一工業製薬社製) ・・・ 20質量部
・ シリカ(商品名ファインシールX−60、トクヤマ社製、体積一次平均粒子径5.9nm、BET比表面積290m2 /g) ・・・ 80質量部
上記の樹脂エマルジョンに上記のシリカを上記の割合で添加し、混合攪拌して塗工液Aとした。
【0064】
白色PETシート(50μm厚、商品名U2、帝人デュポンフィルム社製)上に、塗工液Aをワイヤーバーで乾燥膜厚30μmとなるように塗工し、その後、オーブン乾燥機(商品名:DK400、ヤマト化学社製)で、100℃、5分間乾燥させ、記録媒体Aを作製した。
【0065】
(記録媒体Bの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、アニオン性水性ポリエステル樹脂エマルジョン(商品名:バイロナールMD1480、ガラス転移点(Tg)23℃、東洋紡社製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Bを作製した。
【0066】
(記録媒体Cの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(商品名:F8570D−2、ガラス転移点(Tg)43℃、第一工業製薬社製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Cを作製した。
【0067】
(記録媒体Dの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、アニオン性水性アクリル樹脂エマルジョン(商品名:ジョンクリル537J、ガラス転移点(Tg)49℃、BASF社製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Dを作製した。
【0068】
(記録媒体Eの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、アニオン性水性アクリル樹脂エマルジョン(商品名:ジョンクリル352J、ガラス転移点(Tg)56℃、BASF社製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Eを作製した。
【0069】
(記録媒体Fの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移点(Tg)70℃、第一工業製薬社製)を使用し、さらに、樹脂基材として白色PETシートに代えて、ユポ紙(坪量56.7g/m2 、商品名:スーパーユポ FRR70、(株)ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Fを作製した。
【0070】
(記録媒体Gの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(商品名:スーパーフレックス126、ガラス転移点(Tg)72℃、第一工業製薬社製)を使用し、さらに、樹脂基材として白色PETシートに代えて、ユポ紙(坪量56.7g/m2 、商品名:スーパーユポ FRR70、(株)ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Gを作製した。
【0071】
(記録媒体Hの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、カチオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(商品名:F−8554D、ガラス転移点(Tg)73℃、第一工業製薬社製)を使用し、さらに、樹脂基材として白色PETシートに代えて、ユポ紙(坪量56.7g/m2 、商品名:スーパーユポ FRR70、(株)ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Hを作製した。
【0072】
(記録媒体Iの作製)
記録媒体Aの作製において、アニオン性水性ポリウレタン樹脂エマルジョンに代えて、アクリル樹脂エマルジョン(商品名:BL−936、ガラス転移点(Tg)100℃、ライオン社製)を使用し、さらに、樹脂基材として白色PETシートに代えて、ユポ紙(坪量56.7g/m2 、商品名:スーパーユポ FRR70、(株)ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は記録媒体Aと同様にして、記録媒体Iを作製した。
【0073】
記録媒体A〜Iにおけるオイル吸収層を観察すると、いずれもその層中に無数の亀裂や空隙が形成されているのが確認できた。
【0074】
(液体現像剤aの作製)
・ Araldite GT6084(チバ・ガイギー社製によるC.I.Pigment Blue 15:3) ・・・ 80質量部
・ Irgalite Rubine KB4N(チバ・ガイギー社製によるC.I.Pigment Red 57) ・・・ 20質量部
を加熱溶融して混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにブレンダーで粉砕してマスターバッチを作製した。
・ 得られたマスターバッチ ・・・ 125質量部
・ 分散剤:Finish WR1101(ワッカーケミカル社製、アミン官能基を有するポリシロキサンポリマー) ・・・ 5質量部
・ 液状シリコーン油:DC 200 Fluid(50cSt)米国ダウ・コーニング社製 ・・・ 370質量部
をジルコニアビーズφ10を収納した2リットルサイズのアルミナポッドに入れ、ボールミルで回転速度100rpm、150時間、微粉砕、混合することにより液体現像剤aを調製した。顔料含有樹脂粒子の平均粒子径は1.7μmであった。また、ガラス転移点(Tg)を測定したところ、61℃であった。
【0075】
(液体現像剤bの作製)
液体現像剤aにおけるAraldite GT6084に代えて、Araldite GT7071を使用した以外は、液体現像剤aと同様にして液体現像剤bを作製した。
【0076】
顔料含有トナー粒子の平均粒子径は1.7μmであった。また、同様にガラス転移点(Tg)を測定したところ、46℃であった。
【0077】
図2に示す画像形成装置に、上記で作製した液体現像剤(a)(b)をセットすると共に、記録媒体(A〜I)にベタ画像を印字した。
【0078】
作像条件は、接地電位にある感光体10と現像ローラ20間に現像電圧として現像ローラー20側に+450VのDCバイアスを印加して、プロセス速度250mm/s、スコロトロンの印加電圧5.5kV、メッシュ電極電位600V、現像ローラ上の液体現像剤の付着量を0.75mg/cm2 になるようにアニロックスローラ32(現像ローラに対して逆回転してしいる)と現像ローラの各ローラ回転速度を調節した。現像ローラーのアニロックスローラへの食い込みは0.2mmである。作像時の1次転写電圧として1次転写ローラー51を−400V、2次転写電圧として二次転写ローラー61を3.0kVに設定し、転写及び定着を行った。
【0079】
なお、図2の画像形成装置においては、定着に際しては定着ローラを使用する場合を示しているが、本実施例では、定着方式として下記の如きオーブン定着を採用し、画質評価に供した。
(定着性評価)
画像形成された各サンプルを100℃のオーブン乾燥機(商品名:DK400、ヤマト化学社製)に5分間投入し、取り出したサンプルについて定着性評価を行った。
【0080】
定着性評価として、トナー画像上に住友3M社製「スコッチメンディングテープ810」を粘着面がトナー画像側となるように載せ、さらにその上から500gの分銅を載せた状態にしてトナー画像上を2回往復動かした。テープの上からトナー画像のOD値をX−Rite504で測定し、メンディングテープをトナー画像上から剥離した後にメンディングテープ側に付着したトナー画像のOD値を同様にX−Rite504で測定した。得られた2つのOD値の差分から定着率(%)として、どれだけのトナーが記録媒体上に固着定着しているかを算出した。概ね90%以上の定着率が確保できていれば、良好な定着性を得ているといえる。
【0081】
定着性の結果について、液体現像剤a(ガラス転移点(Tg)61℃)を用いた場合を表1に、液体現像剤b(ガラス転移点(Tg)46℃)を用いた場合をそれぞれ表2に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
オイル吸収層中に含まれる樹脂のガラス転移点(Tg)が、液体現像剤の樹脂のTgより低い場合、液体現像剤中の樹脂が溶融する前に、オイル吸収層中の樹脂の溶融が始まり、オイル吸収層のキャリア液吸液性が低下し、結果として定着性が悪化することが確認できる。また、オイル吸収層中に含まれる樹脂のガラス転移点(Tg)は、液体現像剤の樹脂のガラス転移点(Tg)より8℃以上高いことが望ましいことが確認される。
【0085】
また、オイル吸収層中の樹脂のガラス転移点(Tg)が115℃のサンプルを作製して同様に評価したが、オイル吸収層にクラック(ひび割れ)が発生した。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、液体電子写真方式用であって、定着性、転写効率に優れた画像形成装置および画像形成方法を提供できる。
【符号の説明】
【0087】
1…樹脂基材、2…オイル吸収層、3…導電層、10Y,10M,10C,10K…刊行体、10Y,11M,11C,11K…コロナ帯電器、12Y,12M,12C,12K…露光ユニット、13Y…第1感光体スクイーズローラー、13Y’…第2感光体スクイーズローラー、18Y…感光体クリーニングブレード、20Y,20M,20C,20K…現像ローラー、30Y,30M,30C,30K…現像装置(現像部)、31Y,31M,31C,31K…現像剤容器、32Y,32M,32C,32K…アニロックスローラー(現像剤供給部材)、33Y…規制ブレード、34Y…オーガ、40…中間転写ベルト(転写媒体・像担持体)、41…ベルト駆動ローラー、42…テンションローラー、45…中間転写ベルトクリーニングブレード、50…一次転写部、51…一次転写ローラー、60…二次転写部・転写部(転写部)、61…二次転写ローラー・転写ローラー(転写部材)、90…定着ユニット、91…加熱ローラー、92…加圧ローラー、230…転写材搬送装置、270…吸引装置、101…オイル吸収層塗布手段、102…乾燥手段、S…記録媒体(転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する潜像担持体と、
トナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤で前記潜像を現像する現像部と、
樹脂で形成された記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送された前記記録媒体に前記キャリア液を吸収するオイル吸収層を塗布する塗布部と、
前記塗布部で前記オイル吸収層が塗布された前記記録媒体に前記現像部で現像された像が転写される転写部と、
前記転写部で前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着する定着部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記オイル吸収層は、体積換算で一次平均粒径が3nm〜500nmの無機微粒子を含む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
樹脂で形成された記録媒体を搬送し、
搬送された前記記録媒体にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗工し、
前記オイル吸収層が塗工された前記記録媒体に、トナー及び前記キャリア液を含む液体現像剤で現像された像を転写し、
前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
前記オイル吸収層は、体積換算で一次平均粒径が3nm〜500nmの無機微粒子を含む請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記オイル吸収層は、ガラス転移点Tg1の樹脂を含有するとともに、
前記液体現像剤のトナー粒子は、前記オイル吸収層に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg1よりも低いガラス転移点Tg2の樹脂を含有する請求項3または請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記オイル吸収層に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg1は50℃〜110℃であり、
前記液体現像剤のトナー粒子に含有される樹脂の前記ガラス転移点Tg2は40℃〜70℃であり、
かつ、Tg1−Tg2≧8℃
である請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
紙基材に樹脂で形成された樹脂層を有する記録媒体を搬送し、
搬送された前記記録媒体における樹脂層側にキャリア液を吸収するオイル吸収層を塗工し、
前記オイル吸収層が塗工された前記記録媒体に、トナー及び前記キャリア液を含む液体現像剤で現像された像を転写し、
前記像が転写された前記記録媒体を加熱して前記像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−163893(P2012−163893A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25927(P2011−25927)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】