説明

画像形成装置および電源制御方法

【課題】電力供給源の切り替えが頻繁に発生することを有効に防止しながら、二次電池から電力を供給する時間を十分に確保して、消費電力を適切に削減できるようにする。
【解決手段】コントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えるための第2閾値として、コントローラ部20に対する電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わった後、二次電池34が充電されずに設定時間が経過したときの二次電池34の出力電圧が、第1閾値以下にならない値を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば太陽電池などの創電手段が発電した電力により充電される二次電池を電力供給源として備えた画像形成装置が提案されている。この画像形成装置は、省エネルギモード時に、主電源を遮断して、装置本体に対して二次電池から電力を供給することで、消費電力の削減を図っている。
【0003】
この種の画像形成装置では、省エネルギモード時の放電により二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge)が著しく低下すると、適切な電力供給が行えなくなる懸念がある。そこで、例えば特許文献1などに記載されているような電源制御技術が提案されている。特許文献1に記載の技術は、省エネルギモード時に二次電池の出力電圧が降下して所定の閾値以下になると、電力供給源を二次電池から主電源に切り替える。その後、創電手段が発電した電力の充電により二次電池のSOCが回復し、二次電池の出力電圧が前記閾値を超えると、電力供給源を主電源から二次電池に切り替える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、電力供給源を二次電池から主電源に切り替えるための閾値と、主電源から二次電池に切り替えるための閾値とが同じ値であった。このため、適切に電力供給しうる最低限のSOCを基準に閾値を低めに定めた場合は、電力供給源が主電源から二次電池に切り替わったときに、二次電池はSOCが不十分な状態で放電を開始し、出力電圧が急激に降下してすぐに閾値以下になる。その結果、電力供給源の切り替えが頻繁に発生し、無駄に電力を消費することになる。一方、放電開始直後の電圧降下が急激にならない十分なSOCを基準に閾値を高めに定めた場合は、二次電池から電力を供給する時間が短くなるため、消費電力の増大に繋がる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電力供給源の切り替えが頻繁に発生することを有効に防止しながら、二次電池から電力を供給する時間を十分に確保して、消費電力を適切に削減することができる画像形成装置および電源制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、商用電源から電力供給を受ける主電源と、自然エネルギにより発電する創電手段と、前記創電手段が発電した電力により充電され、前記主電源から電力が供給されていないときに電力供給源となる二次電池と、前記二次電池の出力電圧を検知する電圧検知手段と、前記二次電池から電力が供給されているときに前記出力電圧が第1閾値以下となった場合、電力供給源を前記二次電池から前記主電源に切り替え、前記主電源から電力が供給されているときに前記出力電圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替える切替手段と、を備え、前記第2閾値は、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えた後、前記二次電池が充電されずに、設定された設定時間が経過したときの前記出力電圧が前記第1閾値以下にならない値であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る電源制御方法は、商用電源から電力供給を受ける主電源と、自然エネルギにより発電する創電手段と、前記創電手段が発電した電力により充電され、前記主電源から電力が供給されていないときに電力供給源となる二次電池と、を備える画像形成装置において実行される電源制御方法であって、前記二次電池から電力が供給されているときの前記二次電池の出力電圧を検知し、該出力電圧が第1閾値以下となった場合、電力供給源を前記二次電池から前記主電源に切り替えるステップと、前記主電源から電力が供給されているときの前記二次電池の出力電圧を検知し、該出力電圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えるステップと、を含み、前記第2閾値は、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えた後、前記二次電池が充電されずに、設定された設定時間が経過したときの前記出力電圧が前記第1閾値以下にならない値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電力供給源の切り替えが頻繁に発生することを有効に防止しながら、二次電池から電力を供給する時間を十分に確保して、消費電力を適切に削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図であり、画像形成装置が備えるエンジン部およびコントローラ部の内部構成を示す図である。
【図2】図2は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図であり、画像形成装置が備える電源部の内部構成を示す図である。
【図3】図3は、省エネルギモード時における二次電池の出力電圧の変化と電源制御の関係を説明する図である。
【図4】図4は、図3の期間1のときのコントローラ部に対する電力供給の状態を説明する図である。
【図5】図5は、図3の期間2のときのコントローラ部に対する電力供給の状態を説明する図である。
【図6】図6は、図3の期間3のときのコントローラ部に対する電力供給の状態を説明する図である。
【図7】図7は、省エネルギモード時における二次電池の出力電圧の変化と電源制御の関係を説明する図である。
【図8】図8は、二次電池の放電特性の一例を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像形成装置および電源制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1および図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図ある。図1は、画像形成装置1が備えるエンジン部10およびコントローラ部20の内部構成を示し、図2は、画像形成装置1が備える電源部30の内部構成を示している。
【0012】
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1および図2に示すように、エンジン部10、コントローラ部20、および、電源部30を備える。エンジン部10は、原稿の読み取りや画像データの印刷を行う部分である。コントローラ部20は、画像形成装置1の動作を制御する部分である。電源部30は、エンジン部10やコントローラ部20に対して電力を供給する。本実施形態に係る画像形成装置1は、電源部30からコントローラ部20に対する電源系統として、A系統Sa、B系統Sb、および、C系統Scの3つの系統が存在する。電源部30からエンジン部10に対する電源系統は、D系統Sdの1つである。
【0013】
図1に示すように、エンジン部10は、画像読取部11、画像印刷部12、および、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)13を備える。画像読取部11は、原稿を読み取って電子化した画像データを取得する。画像印刷部12は、印刷用紙などに画像データを印字する。画像処理ASIC13は、画像読取部11が取得した画像データに対して各種の処理を施して画像印刷部12に渡す。
【0014】
本実施形態に係る画像形成装置1において、エンジン部10は、D系統Sdの電源系統により電源部30から電力が供給される。画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードに移行した場合、D系統Sdの電源系統は遮断され、エンジン部10のすべてに対して電力の供給が停止する。
【0015】
図1に示すように、コントローラ部20は、コントローラCPU(Central Processing Unit)21、DRAM(Dynamic Random Access Memory)22、コントローラASIC23、IO(In-Out)ASIC24、外部I/F(Interface)25、および、センサ26を備える。コントローラCPU21は、コントローラ部20全体の制御を行う。DRAM22は、コントローラCPU21のワークメモリとして利用される。コントローラASIC23は、画像の圧縮や伸張、回転などの各種画像処理を制御する。IOASIC24は、コントローラ部20に対する入出力を制御する。外部I/F25は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク上の外部PCなどを接続するインターフェースである。
【0016】
本実施形態に係る画像形成装置1において、コントローラ部20のIOASIC24、外部I/F25、および、センサ26に対しては、A系統SaおよびB系統Sbの電源系統により電源部30から電力が供給される。また、コントローラ部20のコントローラCPU21、DRAM22、および、コントローラASIC23に対しては、C系統Scの電源系統により、電源部30から電力が供給される。画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードに移行した場合、C系統Scの電源系統は遮断され、コントローラ部20のコントローラCPU21、DRAM22、および、コントローラASIC23に対する電力供給は停止する。一方、画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードに移行した場合でも、A系統SaおよびB系統Sbの電源系統は遮断されず、コントローラ部20のIOASIC24、外部I/F25、および、センサ26に対しては電力供給が継続される。なお、A系統Saの電源系統は、例えば、ICの電源電圧に多く用いられる3.3Vの電源系統である。B系統Sbの電源系統は、例えば、ICのコア電圧などに多く用いられる1.1Vの電源系統である。なお、このような電源系統の分類は一例であり、様々に変形可能である。例えば、同じ電源電圧内でさらに多数の電源系統に分類するようにしてもよい。
【0017】
図2に示すように、電源部30は、AC電源31、主電源回路32、創電部33、二次電池34、切替回路35a,35b、検知回路36、および、切替制御部37を備える。なお、本実施形態に係る画像形成装置1においては、電源部30のAC電源31および主電源回路32が、特許請求の範囲に記載の「主電源」に相当する。また、電源部30の創電部33が特許請求の範囲に記載の「創電手段」に相当する。また、電源部30の検知回路36が、特許請求の範囲に記載の「電圧検知手段」に相当する。また、電源部30の切替回路35a,35bおよび切替制御部37が、特許請求の範囲に記載の「切替手段」に相当する。
【0018】
AC電源31は、商用電源から電力を供給される電源である。主電源回路32は、AC電源31をAC−DC変換、DC−DC変換し、所望の直流電圧(5V、24V、3.3V、1.1Vなど)を発生させて、エンジン部10やコントローラ部20に供給する。
【0019】
創電部33は、光や熱などの自然エネルギにより発電する発電モジュールである。創電部33としては、例えば、太陽電池や熱電変換素子などが好適である。なお、太陽電池や熱電変換素子は、広く知られた発電手段であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0020】
二次電池34は、創電部33が発電した電力により充電される。二次電池34は、画像形成装置1が省エネルギモードに移行し、主電源回路32からエンジン部10やコントローラ部20に対して電力が供給されていないときに、コントローラ部20に対する電力供給源となる。
【0021】
切替回路35a,35bは、画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードのときに、切替制御部37による制御のもとで、コントローラ部20に対する電力供給源を、主電源回路32と二次電池34とで選択的に切り替える。切替回路35aは、A系統Saの電力供給源の切り替えを行い、切替回路35bは、B系統Sbの電力供給源の切り替えを行う。なお、コントローラ部20に対する電源系統をさらに多数に分類した場合は、各電源系統に対してそれぞれ切替回路が設けられる。
【0022】
検知回路36は、二次電池34の出力電圧を検知する。検知回路36が検知する二次電池34の出力電圧は、切替制御部37に送られる。
【0023】
切替制御部37は、コントローラ部20からの動作モード通知信号と、検知回路36により検知された二次電池34の出力電圧とに基づいて、切替回路35a,35bによるコントローラ部20に対する電力供給源の切り替えを制御する。
【0024】
具体的には、切替制御部37は、コントローラ部20から画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードに移行したことを示す動作モード通知信号を受け取ると、切替回路35a,35bを動作させて、コントローラ部20に対するA系統SaおよびB系統Sbの電力供給源を、主電源回路32から二次電池34に切り替える。これにより、AC電源31の電力消費がなくなるため、消費電力0Wを達成できる。
【0025】
また、切替制御部37は、二次電池34からコントローラ部20に対して電力供給しているときに二次電池34の出力電圧がA系統用第1閾値Vth1_a以下となった場合、切替回路35aを動作させて、コントローラ部20に対するA系統Saの電力供給源を、二次電池34から主電源回路32に切り替える。
【0026】
また、切替制御部37は、A系統Saの電力供給源を二次電池34から主電源回路32に切り替えた後、二次電池34の出力電圧がさらに低下してB系統用第1閾値Vth1_b以下となった場合、切替回路35bを動作させて、B系統Sbの電力供給源を二次電池34から主電源回路32に切り替える。
【0027】
なお、本実施形態では、A系統Saは3.3Vの電源系統であるため、A系統用第1閾値Vth1_aは3.3V付近の値となる。B系統Sbは1.1Vの電源系統であるが、一般的に二次電池34として用いられるリチウムイオン電池などの出力加減電圧は1.1Vよりも高い値であるため、B系統用第1閾値Vth_bは、二次電池34の加減電圧によって決まる。
【0028】
コントローラ部20に対するA系統SaおよびB系統Sbの電力供給源が二次電池34から主電源回路32に切り替わると、二次電池34は、創電部33により発電された電力の充電によりSOCが回復し、出力電圧が徐々に上昇していく。そして、二次電池34の出力電圧が、B系統用第1閾値Vth1_bよりも大きい値であるB系統用第2閾値Vth2_b以上になると、切替制御部37は、切替回路35bを動作させて、B系統Sbの電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替える。
【0029】
また、切替制御部37は、B系統Sbの電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えた後、二次電池34の出力電圧がさらに上昇してA系統用第1閾値Vth1_aよりも大きい値であるA系統用第2閾値Vth2_a以上となった場合、切替回路35aを動作させて、A系統Saの電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替える。
【0030】
A系統用第1閾値Vth1_a、B系統用第1閾値Vth1_b、A系統用第2閾値Vth2_a、および、B系統用第2閾値Vth2_bは、一例として、コントローラ部20によりそれぞれ最適な値が選択され、動作モード通知信号とともに切替制御部37に通知される。ただし、これらA系統用第1閾値Vth1_a、B系統用第1閾値Vth1_b、A系統用第2閾値Vth2_a、および、B系統用第2閾値Vth2_bは、切替制御部37に予め設定されていてもよい。なお、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを選択する具体的な方法については、詳細を後述する。
【0031】
次に、画像形成装置1の省エネルギモード時における電源制御について、図3〜図7を参照して具体的に説明する。
【0032】
図3および図7は、省エネルギモード時における二次電池34の出力電圧の変化と電源制御の関係を説明する図である。図4は、図3の期間1のときのコントローラ部20に対する電力供給の状態を説明する図である。図5は、図3の期間2のときのコントローラ部20に対する電力供給の状態を説明する図である。図6は、図3の期間3のときのコントローラ部20に対する電力供給の状態を説明する図である。なお、図4〜図6中の太線の矢印がコントローラ部20に対する電力供給の経路を示している。
【0033】
画像形成装置1の動作モードが省エネルギモードに移行すると、上述したように、コントローラ部20に対するA系統SaおよびB系統Sbの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わる。これにより、図4に示すように、コントローラ部20に対して二次電池34のみから電力供給する状態となる。その後、図3に示すように、放電によるSOCの低下に伴って二次電池34の出力電圧が徐々に低下していくが、二次電池34の出力電圧がA系統用第1閾値Vth1_aを超えている間(図3の期間1)は、コントローラ部20に対して二次電池34のみから電力供給する状態(図4の状態)が維持される。
【0034】
その後、二次電池34の出力電圧がさらに低下し、A系統用第1閾値Vth1_a以下になると、切替制御部37の制御のもとで切替回路35aが動作して、A系統Saの電力供給源が二次電池34から主電源回路32に切り替わる。これにより、図5に示すように、コントローラ部20に対して主電源回路32と二次電池34の双方から電力供給する状態となる。その後、二次電池34の出力電圧がB系統用第1閾値Vth1_bを超えている間(図3の期間2)は、コントローラ部20に対して主電源回路32と二次電池34の双方から電力供給する状態(図5の状態)が維持される。
【0035】
その後、二次電池34の出力電圧がさらに低下し、B系統用第1閾値Vth1_b以下になると、切替制御部37の制御のもとで切替回路35bが動作して、B系統Sbの電力供給源が二次電池34から主電源回路32に切り替わる。これにより、図6に示すように、コントローラ部20に対して主電源回路32のみから電力供給する状態となる。その後、創電部33が発電した電力の充電により二次電池34のSOCが回復すると二次電池34の出力電圧が徐々に上昇していくが、二次電池34の出力電圧が、図7に示すB系統用第2閾値Vth2_b未満である間(図3の期間3)は、コントローラ部20に対して主電源回路32のみから電力供給する状態(図6の状態)が維持される。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1では、省エネルギモード時の二次電池34の放電に伴うSOCの低下により二次電池34の出力電圧が低下した場合に、コントローラ部20に対する電力供給源を、A系統SaとB系統Sbとで段階的に、二次電池34から主電源回路32に切り替えるようにしている。A系統Saの電力供給源を二次電池34から主電源回路32に切り替えるための二次電池34の出力電圧に対する閾値が、A系統用第1閾値Vth1_aである。また、B系統Sbの電力供給源を二次電池34から主電源回路32に切り替えるための二次電池34の出力電圧に対する閾値が、B系統用第1閾値Vth1_bである。
【0037】
コントローラ部20に対する電力供給源が、A系統SaとB系統Sbの双方で主電源回路32に切り替わると、二次電池34は、創電部33が発電した電力の充電によりSOCが回復する。そして、二次電池34のSOCが十分に回復したら、省エネルギモード時の消費電力削減のために、コントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替える。このとき、従来技術と同じように、主電源回路32から二次電池34への電力供給源の切り替えを、二次電池34から主電源回路32への切り替え時と同じ閾値(Vth1_a,Vth1_b)を用いて行うと、下記のような問題が生じる。
【0038】
例えばB系統Sbについて考えると、二次電池34の出力電圧がVth1_bに達した段階ですぐにB系統Sbの電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えた場合、二次電池34はSOCが不十分な状態で放電を開始することになる。このため、B系統Sbの電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えた後、二次電池34の出力電圧が急激に降下して、すぐにVth1_b以下になる。その結果、B系統Sbの電力供給源の切り替えが頻繁に発生し、この電力供給源の頻繁な切り替えによって無駄に電力を消費してしまう。
【0039】
一方、二次電池34の放電開始直後の電圧降下が急激にならない十分なSOCを基準にVth1_bを高めに定めた場合は、上記のような電力供給源の頻繁な切り替えは避けられる。しかしながら、この場合には、二次電池34に電力が十分残っている状態でもB系統Sbの電力供給源が二次電池34から主電源回路32に切り替わることになり、省エネルギモード時に二次電池34からコントローラ部20に対して電力供給できる時間が短くなるため、消費電力の増大に繋がる。
【0040】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、二次電池34のSOCが回復した後にコントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替える際の閾値(A系統用第2閾値Vth2_a、B系統用第2閾値Vth2_b)を、二次電池34から主電源回路32へ切り替える際の閾値(A系統用第1閾値Vth1_a、B系統用第1閾値Vth1_b)よりも大きな値とし、設定された設定時間(A系統用設定時間ΔTa、B系統用設定時間ΔTb)の間は、二次電池34からコントローラ部20への電力供給が継続されるようにしている。
【0041】
ここで、A系統用第1閾値Vth1_aとA系統用第2閾値Vth2_aとの差分をΔVth_a、B系統用第1閾値Vth1_bとB系統用第2閾値Vth2_bとの差分をΔVth_bとすると、A系統用第2閾値Vth2_aとB系統用第2閾値Vth2_bは、それぞれ以下のように表すことができる。
Vth2_a=Vth1_a+ΔVth_a
Vth2_b=Vth1_b+ΔVth_b
【0042】
創電部33が発電した電力の充電により二次電池34のSOCが回復すると、図7に示すように、二次電池34の出力電圧が徐々に上昇するが、二次電池34の出力電圧がB系統用第2閾値Vth2_bに満たない間(図7の期間3)は、コントローラ部20に対して主電源回路32のみから電力供給する状態(図6の状態)が維持される。そして、二次電池34の出力電圧がさらに上昇し、B系統用第2閾値Vth2_b以上になると、切替制御部37の制御のもとで切替回路35bが動作して、B系統Sbの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わる。これにより、コントロール部20に対する電力供給状態は、図5に示した状態に復帰する。その後、二次電池34の出力電圧がA系統用第2閾値Vth2_aに満たない間(図7の期間2)は、図5の状態が維持される。
【0043】
その後、二次電池34の出力電圧がさらに上昇し、A系統用第2閾値Vth2_a以上になると、切替制御部37の制御のもとで切替回路35aが動作して、A系統Saの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わる。これにより、コントロール部20に対する電力供給状態は、図4に示した状態に復帰する。その後、放電によるSOCの低下に伴って二次電池34の出力電圧が徐々に低下していくが、二次電池34の出力電圧が再びA系統用第1閾値Vth1_a以下になるまでの間(図7の期間1)は、図4の状態が維持される。
【0044】
B系統用第2閾値Vth2_bは、B系統Sbの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わり、二次電池34からの電力供給が開始されてからB系統用設定時間ΔTbの間は、二次電池34からの電力供給が継続されることを保証する値に設定される。つまり、B系統用第2閾値Vth2_bは、二次電池34の出力電圧が当該B系統用第2閾値Vth2_b以上となり、B系統Sbの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わった後、二次電池34が充電されずにB系統用設定時間ΔTbが経過したときの二次電池34の出力電圧が、B系統用第1閾値Vth1_b以下にならない値となる。
【0045】
具体的に説明すると、二次電池34からの電力供給が開始されてからB系統用設定時間ΔTbが経過すると、二次電池34の放電に伴うSOCの低下により、二次電池34の出力電圧が低下する。このB系統用設定時間ΔTbの間に二次電池34の出力電圧が低下する量を電圧降下量ΔVbとする。B系統用第2閾値Vth2_bとしては、この電圧降下量ΔVbをB系統用第1閾値Vth1_bに加算した値(Vth1_b+ΔVb)よりも大きな値が選択される。つまり、上述したB系統用第1閾値Vth1_bとB系統用第2閾値Vth2_bとの差分ΔVth_bが、電圧降下量ΔVbよりも大きくなるように、B系統用第2閾値Vth2_bが選択される。
【0046】
また、A系統用第2閾値Vth2_aは、A系統Saの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わり、二次電池34からの電力供給が開始されてからA系統用設定時間ΔTaの間は、二次電池34からの電力供給が継続されることを保証する値に設定される。つまり、A系統用第2閾値Vth2_aは、二次電池34の出力電圧が当該A系統用第2閾値Vth2_a以上となり、A系統Saの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わった後、二次電池34が充電されずにA系統用設定時間ΔTaが経過したときの二次電池34の出力電圧が、A系統用第1閾値Vth1_a以下にならない値となる。
【0047】
具体的に説明すると、二次電池34からの電力供給が開始されてからA系統用設定時間ΔTaが経過すると、二次電池34の放電に伴うSOCの低下により、二次電池34の出力電圧が低下する。このA系統用設定時間ΔTaの間に二次電池34の出力電圧が低下する量を電圧降下量ΔVaとする。A系統用第2閾値Vth2_aとしては、この電圧降下量ΔVaをA系統用第1閾値Vth1_aに加算した値(Vth1_a+ΔVa)よりも大きな値が選択される。つまり、上述したA系統用第1閾値Vth1_aとA系統用第2閾値Vth2_aとの差分ΔVth_aが、電圧降下量ΔVaよりも大きくなるように、A系統用第2閾値Vth2_aが選択される。
【0048】
上記のA系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbは、例えば、画像形成装置1が備える操作パネル(図示せず)を利用したユーザの設定入力に従って事前に設定される。すなわち、ユーザが操作パネルを利用してA系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbを設定するための設定入力を行うと、コントローラ部20がこの設定入力を受け付けて(特許請求の範囲に記載の「受付手段」に相当)、A系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbの設定を行う。そして、コントローラ部20は、事前に設定したA系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbを用い、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bの最適な値を選択する。
【0049】
以下、コントローラ部20がB系統用第2閾値Vth2_bの最適な値を選択する具体的な方法について、図8を参照しながら説明する。なお、A系統用第2閾値Vth2_aの最適な値についても、以下の説明と同様の方法により選択することができる。
【0050】
図8は、二次電池34の放電特性の一例を示すグラフ図である。一般的な二次電池34の放電特性は、図8に示すように、二次電池34の放電量[mAh]が増加するに従って出力電圧[V]が減少していく右肩下がりの特性となっている。このような二次電池34の放電特性を利用して、B系統用設定時間ΔTbの間の二次電池34の放電量ΔCbから、B系統用設定時間ΔTbの間の二次電池34の電圧降下量ΔVbを求めることができる。つまり、二次電池34の放電特性を表すグラフ上で、二次電池34がΔCbだけ放電して出力電圧がB系統用第1閾値Vth1_bに達した場合の放電量に対応する電圧降下量が、B系統用設定時間ΔTbの間の二次電池34の電圧降下量ΔVbとなる。
【0051】
B系統用設定時間ΔTbの間の二次電池34の放電量ΔCbは、省エネルギモード時におけるコントローラ部20の単位時間あたりの消費電力量(B系統)Pbと、B系統用設定時間ΔTbと、B系統Sbの供給電圧Vb(例えば1.1V)とから、以下のように求めることができる。
ΔCb=Pb×ΔTb/Vb
【0052】
ここで、省エネルギモード時におけるコントローラ部20の単位時間あたりの消費電力量Pbは、設計段階で見積もられる値である。省エネルギモード時は電源供給されるデバイスの数も限定されるため、この見積もりは比較的高精度に行うことができる。
【0053】
なお、A系統Saの電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わった時点では、B系統Sbの電力供給源は、既に主電源回路32から二次電池34に切り替わっている。したがって、A系統用設定時間ΔTaの間の二次電池34の放電量ΔCaを求める場合は、A系統SaだけでなくB系統Sbによる消費電力も加味する必要がある。A系統用設定時間ΔTaの間の二次電池34の放電量ΔCaは、上記のPbおよびVbと、省エネルギモード時におけるコントローラ部20の単位時間あたりの消費電力量(A系統)Paと、A系統用設定時間ΔTaと、A系統Saの供給電圧Va(例えば3.3V)とから、以下のように求めることができる。
ΔCa=(Pa×ΔTa/Va)+(Pb×ΔTa/Vb)
そして、このA系統用設定時間ΔTaの間の二次電池34の放電量ΔCaと二次電池34の放電特性とから、A系統用設定時間ΔTaの間の二次電池34の電圧降下量ΔVaを求めることができる。
【0054】
B系統用第2閾値Vth2_bとしては、上述したように、B系統用第1閾値Vth1_bに対して、以上のように求めたB系統用設定時間ΔTbの間の二次電池34の電圧降下量ΔVbを加算した値(Vth1_b+ΔTb)よりも大きな値が選択される。同様に、A系統用第2閾値Vth2_aとしては、A系統用第1閾値Vth1_aに対して、A系統用設定時間ΔTaの間の二次電池34の電圧降下量ΔVaを加算した値(Vth1_a+ΔTa)よりも大きな値が選択される。
【0055】
以上のように選択されたA系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bは、コントローラ部20から電源部30の切替制御部37に通知される。切替制御部37は、コントローラ部20から受け取ったA系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを保持し、これらA系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを用いて、切替回路35a,35bを制御する。
【0056】
A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bは、上述のように、例えばユーザの設定入力に応じて設定されるA系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbと、二次電池34の放電特性とを用いて選択される可変の値である。したがって、ユーザが実際の画像形成装置1の使用状況に照らし合わせて設定入力を行えば、実際の画像形成装置1の使用状況に対応したA系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bが選択される。A系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbは、例えば、ユーザが画像形成装置1を使用していない時間の平均的な長さ、つまり、省エネルギモードの継続時間の平均的な長さに設定することが考えられる。なお、画像形成装置1を使用していない時間はユーザによっても異なるため、画像形成装置1に、省エネルギモードの継続時間を計測してその平均値を求め、求めた平均値をA系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bとして設定する機能を付加するようにしてもよい。
【0057】
また、二次電池34の放電特性は、二次電池34の温度に応じて変化することが知られている。したがって、例えば、コントローラ部20のセンサ26として二次電池34の周囲温度を検知する温度センサ(特許請求の範囲の「温度検知手段」に相当)を設けるとともに、複数の温度に対応した複数の放電特性を予め情報として保持しておき、温度センサで検知された温度に対応した放電特性を用いて二次電池34の電圧降下量ΔVaおよび電圧降下量ΔVbを求め、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを選択することで、より精度の高い制御が可能になる。
【0058】
また、二次電池34の放電特性は、二次電池34の放電電流の大きさによっても変化する。一般的に、放電電流が大きい方が二次電池34の内部抵抗の影響が大きく二次電池34の出力電圧の低下が大きくなる。したがって、A系統SaとB系統Sbのおおまかな放電電流の大きさを予め求めておき、A系統Saの放電電流の大きさに対応する二次電池34の放電特性と、B系統Sbの放電電流の大きさに対応する放電特性とをそれぞれ用いて、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを選択することで、より精度の高い制御が可能になる。
【0059】
また、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bは実際の画像形成装置1の動作環境などに応じて誤差が生じるが、学習によってこの誤差を小さくしていくこともできる。具体的には、電源部30の切替制御部37が、切替回路35a,35bを動作させて電力供給源の切り替えを行うたびに、その切り替えのタイミングを示す切り替えタイミング信号をコントローラ部20にフィードバックする。コントローラ部20は、この切り替えタイミング信号に基づき、A系統SaおよびB系統Sbのそれぞれについて、電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えた後、二次電池34から主電源回路32に切り替えるまでの実際の経過時間を算出する(特許請求の範囲に記載の「算出手段」に相当)。そして、コントローラ部20は、A系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbと、算出した経過時間との差分を小さくするように、A系統用第2閾値Vth2_aおよびB系統用第2閾値Vth2_bを更新する(特許請求の範囲に記載の「更新手段」に相当)。例えば、算出した経過時間がA系統用設定時間ΔTaやB系統用設定時間ΔTbよりも長ければ、A系統用第2閾値Vth2_aやB系統用第2閾値Vth2_bを現在の値よりも低い値に更新する。また、算出した経過時間がA系統用設定時間ΔTaやB系統用設定時間ΔTbよりも短ければ、A系統用第2閾値Vth2_aやB系統用第2閾値Vth2_bを現在の値よりも高い値に更新する。これにより、画像形成装置1の動作環境などに応じたA系統用設定時間ΔTaおよびB系統用設定時間ΔTbの誤差を小さくすることができ、より精度の高い制御が可能になる。
【0060】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1は、省エネルギモード時にコントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えた後、二次電池34の出力電圧が第1閾値(A系統用第1閾値Vth1_a、B系統用第1閾値Vth1_b)以下になると、コントローラ部20に対する電力供給源を二次電池34から主電源回路32に切り替える。その後、創電部33により発電した電力が二次電池34に充電されることで二次電池34のSOCが回復し、二次電池34の出力電圧が第2閾値(A系統用第2閾値Vth2_a、B系統用第2閾値Vth2_b)以上になると、コントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替える。そして、コントローラ部20に対する電力供給源を主電源回路32から二次電池34に切り替えるための第2閾値(A系統用第2閾値Vth2_a、B系統用第2閾値Vth2_b)として、コントローラ部20に対する電力供給源が主電源回路32から二次電池34に切り替わった後、二次電池34が充電されずに設定時間(A系統用設定時間ΔTa、B系統用設定時間ΔTb)が経過したときの二次電池34の出力電圧が、第1閾値(A系統用第1閾値Vth1_a、B系統用第1閾値Vth1_b)以下にならない値を用いている。したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、コントローラ部20に対する電力供給源の切り替えが頻繁に発生することを有効に防止しながら、省エネルギモード時に二次電池34からコントローラ部20に対して電力供給を行う時間を十分に確保して、消費電力を適切に削減することができる。
【0061】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。例えば、実施形態に係る画像形成装置1の構成や動作はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 画像形成装置
10 エンジン部
20 コントローラ部
30 電源部
31 AC電源
32 主電源回路
33 創電部
34 二次電池
35a,35b 切替回路
36 検知回路
37 切替制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特許第4365052号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から電力供給を受ける主電源と、
自然エネルギにより発電する創電手段と、
前記創電手段が発電した電力により充電され、前記主電源から電力が供給されていないときに電力供給源となる二次電池と、
前記二次電池の出力電圧を検知する電圧検知手段と、
前記二次電池から電力が供給されているときに前記出力電圧が第1閾値以下となった場合、電力供給源を前記二次電池から前記主電源に切り替え、前記主電源から電力が供給されているときに前記出力電圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替える切替手段と、を備え、
前記第2閾値は、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えた後、前記二次電池が充電されずに、設定された設定時間が経過したときの前記出力電圧が前記第1閾値以下にならない値であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2閾値は、前記設定時間の間の前記二次電池の放電量と前記二次電池の放電特性とから求められる前記設定時間の間の前記二次電池の電圧降下量を、前記第1閾値に加算した値よりも大きな値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定時間の間の前記二次電池の放電量は、単位時間あたりの消費電力をP、前記設定時間をΔT、供給電圧をV、前記設定時間の間の前記二次電池の放電量をΔCとしたときに、ΔC=P×ΔT/Vにより求められる値であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記二次電池の周囲温度を検知する温度検知手段をさらに備え、
前記設定時間の間の前記二次電池の電圧降下量は、前記周囲温度に対応する前記二次電池の放電特性を用いて求めることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
供給電圧が互いに異なる複数の電源系統を有し、
複数の前記電源系統ごとに電力供給源を切り替える複数の前記切替手段を備え、
前記第1閾値と前記第2閾値は、複数の前記電源系統ごとに異なる値であり、
前記設定時間は、複数の前記電源系統ごとに異なる値が設定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定時間を設定するためのユーザの設定入力を受け付ける受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えた後、電力供給源を前記二次電池から前記主電源に切り替えるまでの経過時間を算出する算出手段と、
前記設定時間と前記経過時間との差分を小さくするように、前記第2閾値を更新する更新手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記創電手段は、太陽電池であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記創電手段は、熱電変換素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
商用電源から電力供給を受ける主電源と、
自然エネルギにより発電する創電手段と、
前記創電手段が発電した電力により充電され、前記主電源から電力が供給されていないときに電力供給源となる二次電池と、を備える画像形成装置において実行される電源制御方法であって、
前記二次電池から電力が供給されているときの前記二次電池の出力電圧を検知し、該出力電圧が第1閾値以下となった場合、電力供給源を前記二次電池から前記主電源に切り替えるステップと、
前記主電源から電力が供給されているときの前記二次電池の出力電圧を検知し、該出力電圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えるステップと、を含み、
前記第2閾値は、電力供給源を前記主電源から前記二次電池に切り替えた後、前記二次電池が充電されずに、設定された設定時間が経過したときの前記出力電圧が前記第1閾値以下にならない値であることを特徴とする電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−7890(P2013−7890A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140400(P2011−140400)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】