説明

画像形成装置とその処理方法及びプログラム

【課題】承認要求がなされたファクシミリデータに対してファクシミリ送信が否認された場合に、否認されたファクシミリデータに対する印刷データを生成することで、複合機を用いて容易に確認でき、内容によって複合機での処理を切り換える仕組みを提供する。
【解決手段】ファクシミリ送信データのファクシミリ送信の許可情報又は不許可理由を含む不許可情報の入力を受け付け、許可情報を受け付けた場合に、前記ファクシミリ送信データを送信し、不許可情報を受け付けた場合に、不許可となった前記ファクシミリ送信データに従って、送信者に対応する第1の印刷データを生成し、前記送信者によって画像形成装置にログインした場合に、前記生成された第1の印刷データの不許可情報に含まれる不許可理由が、記憶したファクシミリ送信データを用いて再送信可能な不許可理由であるか否かを判定し、結果に従って、ファクシミリ送信又は印刷をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を用いてファクシミリ送信が否認されたことを容易に確認できる画像形成装置とその処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、業務上でのファックス送信処理の誤送信による影響(企業にとっての被害)は軽視できないほど甚大なものとなってきており、様々なファックス誤送信抑止の手段が検討されている。
【0003】
この問題を解決する為、例えば、特許文献1において、送信者がファックスを送信指示した後、送信するファックスデータを一旦蓄積しておき、承認者が送信するファックスデータを確認し、承認者によって承認された場合にファックスデータを宛先に送信させる仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−258946
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなファックスデータの送信を承認後に行うシステムを運用すると、承認者によって否認されたファックスデータが発生する。
【0006】
この場合、送信者は承認者から送信が否認されたことの通知を受けて、否認された理由を確認して再度送信処理を行う。
【0007】
否認されたことの通知として、例えば電子メールを利用した通知が考えられる。これはファックス送信を否認したことを検知したサーバが、送信者に対して電子メールを送付する方法である。
【0008】
この方法では、電子メールが確認できない状態においては通知が適切にされず、再度ファックス送信をするまでに時間がかかってしまうといったことが発生する。
【0009】
また、電子メールが一般的に普及しているが、企業によっては個人ごとの電子メールアドレスがあったとしても、個人にPCが付与されていないため、電子メールだと確認が難しいといったケースが存在する。
【0010】
そのため、このような企業においても否認の確認が容易にできる仕組みが求められている。
【0011】
また、軽微な不備で否認された場合においても、送信者は、再度原稿をスキャンしてファクシミリ送信しなければならず、手間が発生していた。
【0012】
なお、電子メールでの確認が困難な企業においても、コピーやファックスやプリントをするための複合機は設置されており、この複合機をユーザは常に利用している。
【0013】
そこで、本発明の目的は、承認要求がなされたファクシミリデータに対してファクシミリ送信が否認された場合に、否認されたファクシミリデータに対する印刷データを生成することで、画像形成装置を用いて否認されたことを容易に確認できるとともに、否認された内容によって画像形成装置で処理を切り換えることができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するために、送信者に対応してファクシミリ送信するファクシミリ送信データを記憶する画像形成装置であって、前記ファクシミリ送信データのファクシミリ送信の許可情報又は不許可理由を含む不許可情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段で許可情報の入力を受け付けた場合に、許可された前記ファクシミリ送信データを、ファクシミリ送信するべく出力するファクシミリ送信データ出力手段と、前記入力手段で、前記不許可情報の入力を受け付けた場合に、不許可となった前記ファクシミリ送信データに従って、前記送信者に対応する第1の印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記送信者によって画像形成装置にログインした場合に、前記印刷データ生成手段で生成された当該送信者の第1の印刷データの一覧を表示する一覧表示手段と、前記一覧表示手段で処理する第1の印刷データを選択する印刷データ選択手段と、前記印刷データ選択手段で選択した第1の印刷データの不許可情報に含まれる不許可理由が、前記記憶したファクシミリ送信データを用いて再送信可能な不許可理由であるか、再送信不可能な不許可理由であるかを判定する理由判定手段と、前記理由判定手段で再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記ファクシミリ送信データ出力手段で、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力し、前記理由判定手段で再送信不可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データを印刷するべく出力する出力手段と
を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記一覧表示手段は、クライアント端末から印刷指示された前記送信者に対応する第2の印刷データを含み、前記一覧表示手段で表示する印刷データが、前記第1の印刷データか否かを判定する印刷データ判定手段を更に備え、前記一覧表示手段は、前記印刷データ判定手段で判定された第1の印刷データと第2の印刷データを識別可能にするべく、前記印刷データの一覧を表示することを特徴とする。
【0016】
また、前記印刷データ選択手段で第1の印刷データが選択された場合に、前記不許可情報を表示する不許可情報表示手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記理由判定手段で再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信させるために、ファクシミリ送信の内容を変更するための変更画面を表示する変更画面表示手段を更に備え、前記出力手段は、前記変更画面表示手段で表示した変更画面で入力された情報に従って、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力することを特徴とする。
【0018】
また、前記出力手段で、前記変更画面表示手段で表示した変更画面で入力された情報に従って、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力した場合に、前記印刷データと前記ファクシミリ送信データの削除要求する削除要求手段を備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記変更画面は、ファクシミリ送信の送信先を変更するための画面であることを特徴とする。
【0020】
また、ユーザを識別するための識別情報の入力に従って認証されたユーザで当該画像形成装置にログインするログイン手段と、当該画像形成装置からログアウトするログアウト手段を備え、前記ログアウト手段でログアウトする前に、前記出力手段で出力されていない前記第1の印刷データを特定する出力特定手段と、前記出力特定手段で、前記出力手段で出力されていない前記第1の印刷データがある場合に、警告表示する警告表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、承認要求がなされたファクシミリデータに対してファクシミリ送信が否認された場合に、否認されたファクシミリデータに対する印刷データを生成することで、画像形成装置を用いて否認されたことを容易に確認できるとともに、否認された内容によって画像形成装置で処理を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るファックス否認処理システム1の構成の一例を示す図
【図2】認証サーバ102、印刷管理サーバ103、クライアントPC105のハードウエア構成の一例を示すブロック図
【図3】複合機100のハードウエア構成の一例を示すブロック図
【図4】ファックス否認処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図
【図5】ファックス否認処理システム1の処理概要図
【図6】ファックス否認処理システム1のファックス送信処理の一例を示すフローチャート
【図7】ファックス否認処理システム1のファックス送信許可/否認処理の一例を示すフローチャート
【図8】ファックス否認処理システム1のファックス否認処理の一例を示すフローチャート
【図9】ファックス否認処理システム1のファックス否認データ確認の一例を示すフローチャート
【図10】ファックス否認処理システム1の印刷処理の一例を示すフローチャート
【図11】複合機100の操作部3030に表示されるファックス送信画面の一例を示すイメージ図
【図12】複合機100の操作部3030に表示されるプリント画面の一例を示すイメージ図
【図13】ICカード900の一例を示す図
【図14】ユーザ情報920の一例を示す図
【図15】ファックス情報930の一例を示す図
【図16】否認結果940の一例を示す図
【図17】書誌情報950の一例を示す図
【図18】ファックス内容確認ジョブの一例を示す図
【図19】ファックス承認/否認画面イメージの一例を示す図
【図20】再処理画面イメージの一例を示す図
【図21】否認ジョブを印刷するか再処理するかを判断する処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明のファックス誤送信抑止システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0025】
図1は、1又は複数の複合機100(画像形成装置)、認証サーバ102、印刷管理サーバ103、1又は複数のクライアントPC105(情報処理装置)、入退室管理装置112、ドア制御装置111がローカルエリアネットワーク(LAN)110を介して接続される構成となっている。
【0026】
また、複合機100は公衆回線網106を介して、ファクシミリ端末107に対してファクシミリ送信することができる構成となっている。
【0027】
認証サーバ102は、ICカード認証用テーブル(後述する図14に示す)を記憶し、複合機100からのICカードによる認証依頼、またはユーザ名とパスワードによる認証依頼に応じて、該ICカード認証用テーブルを用いて認証処理を行う。
【0028】
認証サーバ102で認証がされた場合に、認証されたユーザで複合機100にログインする。ログイン後、複合機100は、ファックス送信する原稿を読取、ファックス送信データを生成し、複合機100に格納し、ファックス送信の承認を待つ。
【0029】
複合機100は、承認者によってファックス送信の承認がなされると格納したファックス送信データを送信先のファクシミリ端末107へ送信する。ファックス送信の否認がなされると、ファックス送信データから印刷データを生成して、送信者が印刷可能なように、送信者のユーザ情報(ユーザ名)と印刷データとを紐づけて印刷管理サーバ103に送信する。
【0030】
ユーザが複合機100にログインすると、印刷管理サーバ103に当該ユーザに対応する印刷データがあるか否かを問合せ、印刷データがる場合には印刷データの一覧を取得して、複合機100の操作部3030に印刷データ一覧を表示する。この印刷データ一覧にはファックス送信が否認されたファックス送信データに対応する印刷データが含まれる。
【0031】
印刷データ一覧にファックス送信が否認されたファックス送信データに対応する印刷データが含まれる場合には、ファックス送信が否認されたファックス送信データに対応する印刷データがあることを識別可能なように強調表示する。
【0032】
なお、複合機100はファックス機能有りの複合機とファックス機能無しの複合機が存在し、ファックス機能無しの複合機からファックス送信する場合には、ファックス送信データがファックス機能有り複合機に転送され、ファックス機能有り複合機からファクシミリ送信される。
【0033】
なお、ファックス機能無しの複合機でファックス送信する原稿を読取、ファックス送信データを生成した場合には、ファックス機能有り複合機に格納し、ファックス送信の承認を待つ。また、ファックス機能無しの複合機で承認者がファックス送信の承認をする場合に、ファックス機能有り複合機から承認するファックス送信情報を取得して、ファックス機能無しの複合機でファックス送信承認を行うことができる。
【0034】
さらに、ドア制御装置111は入退室管理装置112と通信し、ドア制御装置111のカードリーダで読み取ったカード情報を入退室管理装置112に記憶されているICカード認証用テーブルを用いて、認証を行い、認証された場合にはドアを開錠する。また、入退室管理装置112は、確認期限1953から所定期間内(例えば、1日)になった場合に、印刷管理サーバ103から、ユーザ名と確認するべきジョブがあることの確認情報を受け、ユーザと確認情報対応させて記憶する。そして、ドア制御装置111からのドアの開錠するための認証要求があった場合に、そのユーザに対応する確認情報があると、ドア制御装置111に確認情報がある旨の通知を行い、ドア制御装置の表示部や音声部からユーザに対して、否認されたFAXがあることを通知する。
【0035】
なお、入退室管理装置112と認証サーバ102は同一筺体であってもよい。
【0036】
以下、図2を用いて、図1に示した認証サーバ102,クライアントPC105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0037】
図2は、図1に示した認証サーバ102、印刷管理サーバ103、クライアントPC105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0038】
図2において、2001はCPUで、システムバス2004に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM2003あるいは外部メモリ2011には、CPU2001の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0039】
2002はRAMで、CPU2001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU2001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM2003あるいは外部メモリ2011からRAM2002にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0040】
また、2005は入力コントローラで、キーボード(KB)2009や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。2006はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)2010等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、CRT2010と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0041】
2007はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ2011へのアクセスを制御する。
【0042】
2008は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN110)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0043】
なお、CPU2001は、例えばRAM2002内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT2010上での表示を可能としている。また、CPU2001は、CRT2010上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0044】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ2011に記録されており、必要に応じてRAM2002にロードされることによりCPU2001によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ2011に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0045】
次に、図3を用いて、本発明の情報処理装置としての複合機100を制御するコントローラユニットのハードウェア構成について説明する。
【0046】
図3は、図1に示した複合機100のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図3において、3020はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ3060や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ3050と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN110)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0048】
コントローラユニット3020において、3001はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。3002はRAMで、CPU3001が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0049】
3003はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。3004は外部記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD))で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0050】
3007は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(UI)3030とのインタフェース部であり、操作部3030に表示する画像データを操作部3030に対して出力する。また、操作部I/F3007は、操作部3030から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU3001に伝える役割をする。なお、操作部3030はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0051】
3005はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。3006はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0052】
3009は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ101が外部I/F部3009に接続されている。そして、CPU3001は、この外部I/F3009を介してカードリーダ101によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。尚、ICカードに限らず、ユーザを特定することが可能な記憶媒体であればよい。この場合、記憶媒体にはユーザを識別するための識別情報が記憶される。この識別情報は、記憶媒体の製造番号でも、ユーザが企業内で与えられるユーザコードであってもよい。
以上のデバイスがシステムバス3010上に配置される。
【0053】
3008はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス3010と画像データを高速で転送する画像バス3015とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0054】
画像バス3015は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス3015上には以下のデバイスが配置される。
【0055】
3011はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。3012はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ3050とコントローラユニット3020を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、3013はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ3060とコントローラユニット3020を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0056】
3014は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部3014は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0057】
スキャナ部3060は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部3030から読み取り起動指示することにより、CPU3001がスキャナ3060に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0058】
プリンタ部3050は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU3001からの指示によって開始する。なお、プリンタ部3050には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0059】
操作部3030は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F3007を介してCPU3001に伝える。また、操作部3030は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0060】
ここで、操作部3030のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部3030のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部3030のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0061】
カードリーダ101は、CPU3001からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F3009を介してCPU3001へ通知する。
【0062】
次に、図4を用いて、本実施形態の各装置の機能について説明する。
【0063】
まず、認証サーバ102の処理を実行するための機能について説明する。
【0064】
認証サーバ102は、認証管理部401、認証DB403等を有する。認証サーバ102は、冗長構成をとることが可能で、複数台設置してもよい。
【0065】
認証サーバ102は、システム内でのユーザ情報の検索という役割を有するため、ユーザ情報の格納及び検索機能を持つ情報処理装置であれば種類を問わない。
【0066】
認証管理部401は、認証DB403のデータを使って外部からの問い合わせに対応する。例えば、NTLMやKerberosなどの認証プロトコルを用いた認証要求を受け付けて、ユーザの認証を行うことができる。また、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)などの検索プロトコルを用いた検索要求を受け付けて、ユーザ情報の検索を行うことができる。認証管理部401は認証や検索を行うことが目的であり、その認証方式やプロトコルは上記に限らない。
【0067】
また認証管理部401は複合機100からの検索要求に対して、後述するユーザ情報920を返答する。
【0068】
印刷管理サーバ103は、システム内で印刷ジョブの管理という役割を有するため、印刷ジョブファイルの格納および印刷ジョブファイルの内容(書誌情報)の格納機能を持つ情報処理装置であれば種類を問わない。
【0069】
また、印刷管理サーバ103の機能を複合機100に保持し、印刷ジョブを複合機100で管理するようにすることも可能である。
【0070】
書誌情報管理部501は、複合機100から受け取った印刷データから書誌情報を取得し、書誌情報DB503に書誌情報の登録を行う。また、複合機100からの書誌情報開示要求に応じて、要求のあったユーザの書誌情報も一覧を生成し、複合機に送信する。
【0071】
印刷ジョブ管理部502は、複合機100から受け取った印刷データから印刷ジョブを取得し、印刷ジョブHDD504に印刷ジョブを格納する。複合機100からの印刷ジョブ送信要求に応じて、要求のあった印刷ジョブを要求のあった複合機100へ送信する。
【0072】
次にクライアントPC105の処理を実行するための機能について説明する。
【0073】
クライアントPC105は、アプリケーション部700、プリンタドライバ部701、等を有する。
【0074】
アプリケーション部700は、ユーザにGUI(Graphic User Interface)を提供し、ユーザの目的に適った画像データや文書データを生成する。
【0075】
プリンタドライバ部701は、アプリケーション部700が生成した画像データや文書データを複合機100で印刷可能なページ記述言語(PDL)データに変換する。さらに、PDLデータに対して、図17に示すようにジョブオーナー951、ドキュメント名952等のジョブ情報を含んだ950を付与し、印刷ジョブを作成し、複合機100へ送信する。これにより、ファックス送信するための原稿が印刷される。
【0076】
次に複合機100の処理を実行するための機能について説明する。
【0077】
複合機100は、パネル表示部202、印刷制御部205、ファックス送信部206、カードリーダ制御部251、認証管理部252、ファックス情報DB管理部253、ファックスイメージDB257、印刷ジョブ生成部255、ファックス情報DB256、ファックスイメージDB257、等を有する。
【0078】
なお、本実施形態では、ファックス情報やファックスイメージを複合機100で記憶、管理するように構成したが、不図示の管理サーバでファックス情報やファックスイメージを管理し、複合機100からの要求を受けて管理サーバからファックス情報やファックスイメージを取得して、複合機100からファクシミリ送信するように構成することも可能である。
【0079】
パネル表示部202は、複合機100の操作部3030にユーザが複合機100を操作するための画面を表示するためのものである。例えば、図11に示すファックス送信画面、図12に示すプリント画面などの画面を表示する。
【0080】
図11のファックス送信画面は、ユーザが複合機100でファックス送信を行うための画面である。通常、ユーザがICカード認証やキーボード認証を行った後にこの画面に遷移する。画面上部にはメニューが表示され、コピーボタンやボックスボタンを押下することでそれぞれの機能を利用するための画面に遷移する。複合機100にログインしたユーザの権限に応じて、これらの機能の表示/非表示が切り替わる。これにより権限外の機能利用禁止を実現する。
【0081】
図12のプリント画面は、ユーザが印刷管理サーバ103の印刷ジョブHDD504に格納された印刷ジョブを印刷するための画面である。また、ファックス否認ジョブについては、再処理するための画面でもある。画面にはリストが表示されユーザが印刷可能な印刷ジョブ一覧が表示される。ユーザはリストから印刷したい印刷ジョブを選択し、印刷ボタンを押下することによって、選択された印刷ジョブを印刷することができる。また、リストの更新やリストに表示された印刷ジョブの削除なども行うことが可能である。801でファックス否認ジョブが選択されると、1803のように否認詳細理由が表示される。また、再処理可能なファックス否認ジョブについては、1804が操作可能となる。
【0082】
印刷制御部205は、複合機100のプリンタ3050を制御するためのものである。図12のプリント画面で選択された印刷ジョブを、印刷管理サーバ103から取得し、そのデータを描画部でイメージデータに変換し、プリンタエンジン部に渡して印刷物として出力する。
【0083】
カードリーダ制御部251は、カードリーダ101を制御するためのものである。カードリーダ101にICカード900がかざされたというイベント通知を受け取ったり、かざされたICカード900からカードID901を読み取るように指令を出したりする。
【0084】
認証管理部252は、認証サーバ102と通信を行うためのものである。ICカード900から読み取ったカードID901を認証サーバ102に送信し、ユーザ情報920を受け取る。
【0085】
ファックス情報DB管理部253は、ユーザがファックス送信を実行した際に、ファックス情報930を生成しファックス情報DB256に格納し管理する。
【0086】
ファックスイメージDB管理部254は、ユーザがファックス送信を実行した際に、ファックスイメージを生成しファックスイメージDB257に格納し管理する。なおファックスイメージは、図18のファックスイメージ領域961に描画される。
【0087】
印刷ジョブ生成部255は、後述する承認者がファックス送信を否認した際に、図18のようなファックス内容確認ジョブイメージ960を生成し、印刷ジョブを出力する、印刷管理サーバ103へ印刷ジョブを送信する。この場合、ジョブオーナーはファックス送信を依頼した送信者名となるように印刷ジョブを送信する。
【0088】
次に入退室管理装置112は、認証DB1403を保持し、入退室情報管理部1401がドア制御装置111からユーザの認証リクエストを受け付け、入退室の可否判断を認証DB1403を用いて行う。ドア制御装置111は、カードリーダの制御部1501と入退室情報管理部1502を有する。カードリーダの制御部1501がカードリーダで読み取ったユーザのカードIDを、入退室情報管理部1502へ通知する。入退室情報管理部1502が入退室管理装置112へ問い合わせ、可否判断の上、ドアの開錠を制御する。
【0089】
次に、図5を用いて、本発明の処理概要を説明する。尚、各機能ブロックが処理する詳細な制御については、後述するフローチャートにて説明する。
【0090】
複合機(ファックス機能有り)100はユーザの認証処理を実行した後、ユーザのファックス送信処理を検知し、ファックス情報930とファックスイメージを生成し、ファックス情報DB256とファックスイメージDB257にそれぞれ格納する(5−1)。
【0091】
ファックス送信の承認者は、クライアントPC105よりWebブラウザ等を用いて複合機100にアクセスする。複合機100は承認者によるリクエストを検知し、クライアントPC105にファックス内容確認画面(図19)を送信する。承認者はファックス内容確認画面にてファックス送信内容を確認し、承認または否認の処理を行う(5−2)。
【0092】
複合機100は承認者より、承認処理を検知した際は、ファックスイメージDB257から該当イメージを取り出し、ファックス情報DB256から送信宛先を取り出し、ファックス送信処理を実行する。
【0093】
ファックス内容確認画面(図19)では、確認期限1801、否認理由概要1802等が入力される。確認期限1801は否認ジョブの緊急度を表す指標として用いられる。否認理由概要1802は再処理判断のデータとして用いられる。
【0094】
複合機100は承認者より、否認処理を検知した際は、否認理由概要に値がセットされているかを確認し、値がセットされていない場合は値の入力を促す。否認理由概要に値がセットされている場合は、ファックス内容確認ジョブイメージ960を形成し、印刷ジョブを生成し(5−3)、印刷管理サーバ103へ送信を行う(5−4)。
【0095】
印刷管理サーバ103は複合機100から印刷ジョブを受信し、印刷ジョブを印刷ジョブHDD504に保管するとともに、印刷ジョブを解析し書誌情報950を取り出し、書誌情報DB503へ書誌情報を格納する。
【0096】
ファックス送信者が複合機100に認証した(ログインした)際、送信者に該当する印刷ジョブ一覧が印刷管理サーバ103より複合機100に送信され(5−5)、印刷管理クライアントのUIに送信者のジョブ一覧が表示される。そして、ジョブ一覧で表示した印刷ジョブに対して印刷又は削除指示を行い(5−6)、印刷指示の場合には、印刷管理サーバから指示した印刷ジョブを受信して印刷する。また、削除指示の場合には、印刷管理サーバ内で印刷ジョブと書誌情報の削除を行う。
【0097】
なお、ジョブ一覧を表示する際には、ファックス送信の否認ジョブ表示に関して以下の処理を行うことで、否認ジョブを送信者が認識し易くすることと、処理漏れを抑止する。
【0098】
印刷管理クライアントがジョブ一覧を表示する際、801のように否認ジョブに対してはハイライト表示を行う。これにより送信者は否認ジョブを簡単に認識できる。続いて802のように「日付/時刻」には送信者が送信した日時が表示される。ここは通常であれば印刷ジョブ生成時刻となるので承認者が否認処理し、印刷ジョブが生成された時刻が表示されるが、印刷ジョブ生成時に、保持していた送信日時をセットすることにより、送信者が送信した日時を表示できる。
【0099】
これにより、送信者が、自分が送信した日時と関連付けてジョブを認識することができ、否認ジョブに対しての認識が容易となる。さらに803のように、複合機100の共通メッセージ欄803に未処理データが存在する旨の警告を表示することで、例えばコピー画面やファックス送信画面に遷移した場合でも、未処理データの存在は逐一確認することができ、処理漏れを抑止することができる。さらに、否認ジョブに対して未処理の場合(印刷や消去等の何のアクションもとられなかった場合)、送信者がログアウトする際に警告メッセージをUIに表示することで、処理漏れを抑止することができる。
【0100】
さらに1803のように、操作部3030で否認されたファックスのジョブが選択されたタイミングでその否認理由をポップアップ等で表示をすることにより、ユーザは否認理由ジョブを印刷することなく否認理由が確認可能となる。さらに1804の再処理選択表示と組み合わせることにより、例えば「宛先が間違っている」といった軽度な誤送信の処理に対しては、その場で再処理をすることが可能となる(わざわざ否認理由ジョブを印刷することなく次のアクションがとれるようになる)。
【0101】
再処理を実施する場合は再処理画面(図20)へ遷移する。例えば、宛先間違い等の理由で再送処理をユーザが実施する場合は、図20の画面に遷移する。この時、画面には該当ジョブの文書名、ジョブを実行した日付/時刻、修正前の宛先を表示する。修正する宛先は、参照ボタン1805を押下し、複合機が通常所有している宛先選択画面へ遷移し宛先を修正する。
【0102】
次に、図6、図7、図8、図9、図10を用いて、本発明の各機能ブロックが処理する詳細な制御について、フローチャートにて説明する。
【0103】
なお、本実施形態における特徴的な処理は、例えば、ステップS209、ステップS301、ステップS302、ステップS303である。
【0104】
図6は、送信者によるファックス送信(ファックス送信承認依頼)の処理フローチャートである。
【0105】
ファックス送信者は先ず、複合機100にてユーザ認証を行う。カードリーダ101はステップS100にて送信者のカードを検知し、ステップS101でICカード900からカードID901(カード情報)を読み取り、ステップS102でカードID901(カード情報)を複合機100へ通知する。
【0106】
複合機100はステップS103でカードID901(カード情報)を受け付け、ステップS110でカードID901(カード情報)を認証サーバ102へ送信しユーザ情報検索要求を行う。
【0107】
認証サーバ102はステップS111にて複合機100からの検索要求を受け付け、ステップS112にてカードID901(カード情報)をもとに認証DBに対応するユーザ情報920があるかの検索を行い、ステップS113にて検索結果(認証可否)を複合機100に返答する。なお、検索結果は、検索ができた場合には認証可として、検索OKとユーザ名を含む。検索できなかった場合には検索NGを含む。
ユーザ情報920の詳細な説明は、図14にて説明する。
【0108】
複合機100は認証サーバ102からの検索結果を受け、ステップS114にてその検索結果を判定する。検索結果がNGだった場合は、ステップS115にてエラー処理を行いフローは終了する。検索結果がOKだった場合は、検索できたユーザ名でログインし各種機能(コピー、ファックス、プリント、等)を提供する。
【0109】
ログインがされた後、デフォルトのモード(ここではファックスモード)に移行する。ファックス送信者が複合機100にてファックス送信処理を実施する際、複合機100はステップS120にてファックスの送信宛先を受け付け(送信先情報入力)、ステップS121にてファックス送信実行を検知する。ファックス送信実行は、例えば、フィーダに原稿がおかれ、送信者によってスタートボタンが押下されたことを検知する。
【0110】
その後、ステップS122にて読み込んだ原稿のファックスイメージを生成し、ファックスイメージDB257へ格納し、ステップS123にてファックス情報930を生成しファックス情報DB256へ格納し、ファックス送信処理フローは終了する。ファックス情報930の詳細は図15にて説明する。
【0111】
次に図7は、承認者によるファックス送信許可/否認処理を示すフローチャートである。
【0112】
なお、本実施形態ではクライアントPC105からファックス承認/否認を行うように構成するが、複合機上の操作部3030から承認/否認を行うように構成することも可能である。
【0113】
承認者は先ず、クライアントPC105のWebブラウザ等を利用して、複合機100にアクセスする。アクセスすると、承認者が承認可能なファックス情報の一覧をクライアントPC105へ送信し、クライアントPC105で表示する。承認者が承認可能なファックス情報を取得する際の処理は、クライアントPC105が複合機100にログインした際に、認証サーバ102から、ログインしたユーザ名を承認者925に保持するユーザ名922を取得し、このユーザ名922と送信者932が一致するファックス情報が複合機100にあるか否かを検索する。この検索された結果得られるファックス情報が承認者の承認可能なファックス情報で、この一覧が複合機100からクライアントPC105へ送信され表示される。
【0114】
つまり、本実施形態では「Suzuki」を承認者とするユーザ「Fukuda」がファックス送信指示したファックス情報である。
【0115】
なお、「Suzuki」を承認者とするユーザは「Fukuda」以外にも存在するものとする。
【0116】
クライアントPCは承認者によって、表示したいファックス情報が指定されると(ステップS200でYES)、指定されたファックス情報の詳細(ファックスイメージを含むファックス情報)を表示するために、ステップS201にてファックス情報取得要求を複合機100に対して送信する。なお、ファックス情報取得要求には、ファックス情報とファックスイメージを特定するために、ファクシミリ送信ジョブIDが含まれている。
【0117】
ステップS202では、複合機100がクライアントPC105からのファックス情報取得要求を受け、ファックス情報取得要求に含まれるファクシミリ送信ジョブIDに対応する、ファックス情報930をファックス情報DB256より取り出し、クライアントPC105へ送信する。
【0118】
また、ステップS203にて、ファックス情報930に格納されているファックスイメージIDに従って、ファックスイメージ961をファックスイメージDB257より取り出しクライアントPC105へ送信する。
【0119】
ステップS204にて、クライアントPC105が複合機100よりファックス情報930およびファックスイメージ961(ファックス送信データ)を受け、図19のファックス承認/否認画面を表示する。
【0120】
ステップS205にて、承認者の操作によってファックス送信データの承認または否認がされたかを判断する。承認を検知した場合、クライアントPC105から複合機100に承認情報(許可情報)とファクシミリ送信ジョブIDが送信され、ステップS209にて承認情報とファクシミリ送信ジョブIDを受付、ファクシミリ送信ジョブIDに対応するファックスイメージを取得して、送信する宛先番号にファックスの送信処理が行われる。この承認情報とファクシミリ送信ジョブIDを受け付ける処理は、ファクシミリ送信の許可情報の入力を受け付ける処理である。
【0121】
また、ファックスの送信処理は、許可情報の入力を受け付けた場合の処理であり、ファクシミリ送信ジョブIDに対応するファックスイメージを、ファクシミリ送信するべく出力するファクシミリ送信データ出力処理である。
【0122】
なお、ファクシミリ送信の不許可情報の入力を受け付ける処理は、ステップS301の処理となる。
【0123】
ステップS205にて否認を検知した場合、ステップS206にて図19の否認理由概要が選択されているかの確認を行い、選択されている場合はステップS207の否認処理を実行する。なお、ステップS207の処理は後述する。
【0124】
否認理由概要が選択されていない場合は、ステップS208にて、未処理データがなくなるまでステップS204からの処理を繰り返し、未処理データがなくなった場合はファックス送信許可/否認の処理フローを終了する。
【0125】
次に図8は、ステップS207の否認処理の詳細を示すフローチャートである。
【0126】
承認者により図19で否認ボタンが押下された場合には、ステップS300にてクライアントPC105から否認結果940を複合機100に送信する。
【0127】
複合機100はステップS301で否認結果940(不許可理由を含む不許可情報)を受信し、RAM3002に一時記憶する。この否認結果940を受信する処理が、ファクシミリ送信の不許可情報の入力を受け付ける処理である。
【0128】
そして、ステップS302にてファックス内容確認ジョブイメージ960を生成する(印刷データ生成)。このジョブ画像の形成は以下の通りである。
【0129】
なお、ステップS302の処理は、不許可情報の入力を受け付けた場合の処理であり、不許可となった前記ファクシミリ送信データ(例えば、ファックスイメージ、ファックス情報)に従って、印刷データを生成する処理である。この生成された印刷データは、送信指示したユーザの印刷データとして生成される。
【0130】
複合機100にて、予め画像形成フォームを準備しておく。この画像形成フォームに、クライアントPC105から受信した否認結果940の内容をセットし、否認結果940のファックス送信ジョブIDに従って、ファックスイメージIDを取得する。このファックスイメージIDを元にファックスイメージDB257から取得した該当ファックスイメージを埋め込み、ファックス内容確認ジョブイメージ960を形成する。
【0131】
そして、ファックス内容確認ジョブイメージ960から印刷ジョブを生成する。その際に、印刷ジョブのヘッダー情報のドキュメント名に「ファックス否認 − 宛先名」というようにファックス否認がわかる接頭文字をセットし、ジョブ実行日時に送信者がファックス送信した送信日時をセットし、ジョブオーナーに送信者をセットして印刷ジョブを生成する。この際、後に印刷管理サーバ103で抽出できるような形式で、否認理由概要・否認理由詳細・確認期限を印刷ジョブに含める。
【0132】
その後、ステップS303にて印刷ジョブを印刷管理サーバ103に送信する。
【0133】
つまり、ステップS303の処理は、送信者が複合機100にログインした場合に、送信者自身の印刷ジョブ(印刷データ)として表示されるように印刷ジョブを出力する印刷データ出力処理である。表示する処理については、図9で後述する。
【0134】
ステップS304にて、印刷管理サーバ103は複合機100から印刷ジョブを受け取り、ステップS305にてジョブを解析し、ジョブオーナー、ドキュメント名、ジョブ実行日時を抽出する。この時、ステップS302でセットした、否認理由概要・否認理由詳細・確認期限も抽出する。
【0135】
ステップS306にて抽出したジョブオーナー、ドキュメント名、ジョブ実行日時、否認理由概要、否認理由詳細、確認期限を書誌情報950として書誌情報DB503へ格納し、ステップS307にて印刷ジョブファイルを印刷ジョブHDD504へ格納し、ステップS308にて一連の正常処理(処理結果)を複合機100に通知する。
【0136】
なお、ステップS307で、印刷ジョブファイルを印刷ジョブHDD504へ格納した際には、格納先のファイルパスを取得し、ステップS306で格納した書誌情報950に取得した格納先のファイルパスを含めるように書誌情報DB503を更新する。
【0137】
なお、本実施形態では、ステップS306にて書誌情報DBに書誌情報950を格納するように構成したが、ステップS307で、印刷ジョブファイルを印刷ジョブHDD504へ格納したのちに、ジョブオーナー、ドキュメント名、ジョブ実行日時、格納先のファイルパスを書誌情報950として、書誌情報DB503へ格納するように構成することも可能である。
【0138】
複合機100は印刷管理サーバ103よりステップS309にて正常処理応答を検知し、否認処理の処理フローを終了する。
【0139】
次に図9は、送信者による否認データ確認の処理を示すフローチャートである。
【0140】
なお、図6と同じステップについては同じステップ番号を付して説明する。
【0141】
ファックス送信者は先ず、複合機100にてユーザ認証を行う。カードリーダ101はステップS100にて送信者のカードを検知し、ステップS101でICカード900を読み取り、ステップS102でカードID901(カード情報)を複合機100へ通知する。
【0142】
複合機100はステップS103でカードID901(カード情報)を受け付け、ステップS110でカードID901(カード情報)を認証サーバ102へ送信しユーザ情報検索要求を行う。
【0143】
認証サーバ102はステップS111にて複合機100からの検索要求を受け付け、ステップS112にてカードID901(カード情報)をもとに認証DBに対応するユーザ情報920があるかの検索を行い、ステップS113にて検索結果(認証可否)を複合機100に返答する。なお、検索結果は、検索ができた場合には認証可として、検索OKとユーザ名を含む。検索できなかった場合には検索NGを含む。
ユーザ情報920の詳細な説明は、図14にて説明する。
【0144】
複合機100は認証サーバ102からの検索結果を受け、ステップS114にてその検索結果を判定する。検索結果がNGだった場合は、ステップS115にてエラー処理を行いフローは終了する。検索結果がOKだった場合は、検索できたユーザ名でログインし各種機能(コピー、ファックス、プリント、等)を提供する。
【0145】
ログインがされた後、デフォルトのモード(ここではファックスモード)に移行する。ステップS400にて印刷管理サーバ103にジョブ一覧取得要求を行う。なお、ジョブ一覧取得要求は、ログインしたユーザ(ファックス送信者)のユーザ名が含まれる。
【0146】
ジョブ一覧取得要求は、プリント画面を選択するか否かに関わらず、要求がされる。また、プリント画面を選択せずに、他の機能を実行し、ログアウト指示がされた場合には、後述する警告表示がなされる。
【0147】
これにより、複合機100で他の機能(コピー、スキャン)を実行する際にも、否認されたファックスデータがあるかを確認することができる。
【0148】
つまり、ステップS400の処理は、ログインしたユーザ(ステップS110によりユーザを識別するための識別情報の入力に従って認証されたユーザ)に対応する印刷ジョブ(印刷データ)の一覧を要求する一覧要求処理である。
【0149】
印刷管理サーバ103は、ステップS401で複合機100からのジョブ一覧取得要求を受け、ステップS402でジョブ一覧取得要求に含まれるユーザ名が一致する書誌情報950を書誌情報DB503から検索抽出し、書誌情報950の一覧を複合機100へ送信する。
【0150】
なお、本実施形態では、否認理由概要1951、否認理由詳細1952、確認期限1953をこのタイミングでは取得しせず、後述するステップS602、S603の処理で取得するように構成している。しかしながら、ステップS402で否認理由概要1951、否認理由詳細1952、確認期限1953も送信し、ステップS602、S603の処理を省略することも可能である。
【0151】
複合機100は書誌情報950の一覧を印刷管理サーバ103よりステップS403にて受け付ける。ステップS404にて取得した一覧から書誌情報950の1件を読み込み、ドキュメント名にファックス否認ジョブを示唆する指定文字列を含むかどうかを判断する。
【0152】
つまり、ステップS404では、通常印刷ジョブか、ファックス否認された印刷ジョブかを判定する処理である。なお、通常印刷ジョブか否かの判定は、ドキュメント名にファックス否認ジョブを示唆する指定文字列を含むかどうかで判断するように構成したが、これに限ることなく、書誌情報950に通常印刷ジョブか否かのフラグを保持して、このフラグに従って判断するようにすることも可能である。
【0153】
また、ステップS404の処理は、ファックス否認された印刷ジョブ(ファクシミリ送信が不許可となったファクシミリ送信データに対応する印刷データ)を特定する印刷データ特定処理と言い換えることもできる。
【0154】
ドキュメント名にファックス否認ジョブを示唆する指定文字列を含む場合はステップS405にて該当レコード801を強調表示(ハイライト等)する。つまりステップS405の処理は、ファックス否認された印刷ジョブ(ファクシミリ送信が不許可となったファクシミリ送信データに対応する印刷データ)を識別可能にするべく、一覧を表示する処理(一覧表示処理)である。
【0155】
ファックス否認ジョブを示唆する指定文字列を含まない場合はファックス否認ジョブ以外の、ファックス送信者のクライアントPCからプリンタドライバを介して印刷された通常印刷ジョブと判断し、ステップS406にて通常表示を行う。これを書誌情報950の件数分繰り返す。
【0156】
また、ステップS404の処理は、ファックス否認された印刷ジョブ(ファクシミリ送信が不許可となったファクシミリ送信データに対応する印刷データ)を特定する処理と言い換えることもできる。
【0157】
ステップS407にて書誌情報950の読込が全件終了した場合、共通メッセージ欄803にファックス否認データが存在する旨のメッセージを表示し、送信者による否認データ確認の処理フローは終了する。
【0158】
なお、ファックス否認ジョブ以外の、ファックス送信者のクライアントPCからプリンタドライバを介して印刷された通常印刷ジョブは、クライアントPCのプリンタドライバを介して生成された印刷ジョブを印刷管理サーバ103が受信し、図8のステップS304〜ステップS307の処理を行って、印刷管理サーバ103で管理する印刷ジョブである。
次に図10は、印刷の処理を示すフローチャートである。
【0159】
ステップS500では、図9におけるプリント画面の表示後、ファックス送信者の操作によって印刷する印刷ジョブの選択を受け付ける(処理する印刷データの選択)。印刷ジョブの選択時の処理については、図21を用いて後述する。
【0160】
なお、印刷ジョブの選択は、通常印刷ジョブ及びファックス否認された際の印刷ジョブを選択できるものとするが、以下の説明では、ファックス否認された際の印刷ジョブが選択され、印刷指示がされた場合について説明する。
【0161】
また、通常印刷ジョブに対して印刷指示(処理指示)がされた場合には、印刷管理サーバから印刷指示された印刷ジョブを印刷管理サーバから受信して印刷を実行する。
【0162】
ファックス否認された印刷ジョブが選択され、ステップS501にて選択された印刷ジョブの印刷指示を印刷管理サーバ103に送信する。なお、印刷指示には、選択された印刷ジョブを一意に識別するための情報(例えば、ドキュメント名と実行日時、或いは印刷ジョブID(不図示))が含まれる。
【0163】
印刷管理サーバ103は複合機100からの印刷指示を受け、ステップS502にて印刷指示に含まれる一意に識別するための情報に従って、該当の印刷ジョブを印刷ジョブHDD504から取得し、ステップS503にて複合機100に向けて印刷ジョブを送信する。
【0164】
複合機100は印刷管理サーバ103から印刷ジョブをステップS504で受信し、ステップS505で受信した印刷ジョブを画像処理部3014へ出力し、印刷を実行する。
【0165】
また、選択された印刷ジョブに消去指示(処理指示)がなされると、選択された印刷ジョブを一意に識別するための情報(例えば、ドキュメント名と実行日時、或いは印刷ジョブID(不図示))を含む削除指示が印刷管理サーバ103へ送信され、印刷ジョブが削除される。
【0166】
この時、ファックス否認された印刷ジョブに対して、印刷指示又は消去指示、未指示の情報をRAM3002に書誌情報950と対応付けて記憶する。
【0167】
そして、複合機100から認証ユーザのログアウト処理がなされると、ログアウト処理する前に、ファックス否認ジョブに対して印刷又は消去の指示(処理指示)がされていない未指示の書誌情報950を特定する。なお、この処理は、処理指示されていないファクシミリ送信が不許可となったファクシミリ送信データに対応する印刷データを特定する処理指示データ特定処理である。
【0168】
未処理の書誌情報950が特定された場合には、ログアウト処理を実行する前に操作部3030の画面上にファックス否認された印刷ジョブ(ファクシミリ送信が不許可となったファクシミリ送信データに対応する印刷データ)が処理されていない旨を示す警告メッセージを表示し、ユーザがファックス否認された印刷ジョブを処理する指示をした場合には、図12のプリント画面を再表示する。またユーザがログアウト指示した場合には、ログアウト処理がなされる。
【0169】
なお、本実施形態では、選択した印刷ジョブに対して印刷指示と削除指示がなされるように構成したが、複合機100でのプレビュー指示(処理指示)をさせるように構成し、プレビュー表示指示した場合には、処理済みの印刷ジョブとして、処理済み情報と対応付けて書誌情報950を記憶するように構成してもよい。
【0170】
次に、図21は、否認ジョブを印刷するか再処理するかを判断する処理のフローチャートである。
【0171】
なお、複合機100のCPU3001がステップS600〜ステップS602、ステップS604〜ステップS612の処理を実行し、印刷管理サーバ103のCPU2001がステップS603の処理を実行する。
【0172】
複合機100のプリント画面にて、ステップS600では、ユーザの操作に対応して、ジョブの選択を検知すると(印刷データ選択手段)、ステップS601にて選択されたジョブが、ステップS404の判定に従って決定された否認ジョブかどうかの判断を行う(理由判定)。否認ジョブでなければ通常の印刷ジョブとしてステップS501へ処理を移し、否認ジョブであればステップS602で、印刷管理サーバ103へファイルパスなど、印刷ジョブを一意に特定できる識別情報を含む否認理由取得要求を送信する。なお、不図示ではありますが、印刷ジョブを一意に特定できるタイムスタンプのような印刷ジョブIDを書誌情報として保持しておき、この印刷ジョブIDを識別情報として用いてもよい。
【0173】
ステップS603では、印刷管理サーバ103は、複合機100からの否認理由取得要求を受信し、否認理由取得要求に含まれる識別情報から書誌情報を特定する。特定した書誌情報から否認理由概要1951、否認理由詳細1952、確認期限1953を含む否認理由を複合機100へ送信する。
【0174】
ステップS604では、複合機100は、印刷管理サーバ103から否認理由を受信し、受信した否認理由に含まれる認理由概要に応じて、該当ジョブが再処理可能かどうかを判断する。例えば「宛先不備」であれば複合機100での再処理が可能であり、「内容不備」であれば複合機100での再処理不可と判断する。再処理可能である場合には、ステップS609へ処理を移し、再処理不可である場合には、ステップS606へ処理を移す。
【0175】
再処理が不可能な場合は、S606で再処理選択機能をロック(1804の選択不可)し、再処理を不可能とする。そしてステップS607で、図10のステップS501へ処理を移す。この時、印刷処理された場合に、ファックスイメージやファックス情報は削除されない。
【0176】
再処理が可能な場合は、ステップS609で再処理選択機能を選択可(1804の選択可)とし、ステップS610で、否認理由に含まれる否認理由詳細を、ポップアップ等を用いてユーザに通知するべく操作部3030に表示する。ステップS611にてユーザの操作によって印刷の指示を受け付けた場合は図10のS501以降を実施し印刷し、ステップS611にてユーザの操作によって、再処理の指示を受け付けた場合はステップS612にて再処理画面(図20)を操作部3030に表示する。そして、図20の再処理画面で修正後の宛先の入力を受け付け、その宛先に対してファックス送信を行う。この場合のファックス送信は、書誌情報に含まれるFAX送信ジョブID1955を元に、図15のファックス情報930を特定し、このファックス情報930のファックスイメージID935に従って、ファックスイメージをHDD3004より取得し、修正した宛先にファックス送信する。
【0177】
ファックス送信した後の処理は、印刷管理サーバ103へ、印刷ジョブと書誌情報を削除又は処理済みにするための要求として、印刷ジョブIDを送信して、書誌情報を削除又は処理済みとする。また、複合機100のファックスイメージやファックス情報を削除するために、削除要求をして、HDD3004からファックス情報とファックスイメージを削除する。
【0178】
本実施形態では、印刷管理サーバ103が1台での構成で説明したが、印刷管理サーバ103が複数台ある構成でも実現可能である。
【0179】
この場合、複数台のうちの1台で書誌情報950を管理し、印刷ジョブは最初に受け付けた印刷管理サーバに保持するように構成する。この場合に、書誌情報950と対応付けて、印刷ジョブを保持する印刷管理サーバのIPアドレスを管理する。
【0180】
そして、書誌情報950を管理する印刷管理サーバは、複合機から印刷指示された印刷ジョブが格納されている印刷管理サーバに、印刷指示がされた複合機に印刷ジョブを送信するように、複合機のIPアドレスと、印刷ジョブを特定する情報(印刷ジョブIDやファイルパス)とを含む印刷命令を送信する。なお印刷命令を送信する際には、書誌情報950に対応付けて管理されるIPアドレスを用いて送信する。
【0181】
次に、図13〜図17を用いて、本実施形態で用いるデータについて説明する。
【0182】
図13は、ICカード900に記憶されているカードIDを示す一例であり、ICカードがカードリーダ101にかざされると、カードIDとして例えば「0123456789」が複合機100で取得できる。このカードIDを用いてユーザ認証を行うことができる。なお、このカードIDは、ユーザIDとして用いることもできる。
【0183】
図14は、認証サーバ102の認証DB403に記憶されているユーザ情報を示す一例であり、ユーザごとにユーザ情報920を記憶している。
【0184】
なお、カードID921には、図13のカードIDと対応付く情報が記憶されている。また、ユーザ名922、メールアドレス923、ユーザが所属するグループ924、承認者925を記憶している。
【0185】
なお、ユーザ名922は、カードIDが送られてきた複合機100に送信される。また、承認者925は、ユーザ名922のファックス送信を承認する承認者名であり、ファックス送信承認/否認処理の際にこの承認者925を用いて、承認するファックス送信のジョブを特定する。
【0186】
図15は、複合機100のファックス情報DBに記憶されているファックス情報930の一例を示す図である。また、ファックス送信する際の管理情報であり、送信管理情報と言い換えることも可能である。
【0187】
このファックス情報930はファクシミリ端末107に送信するファックスイメージと対応付けて記憶される管理情報である。
【0188】
送信日時931には、複合機100で送信指示された日時が記憶され、送信者932には複合機100にログインしたユーザ名(ユーザ名922)が記憶され、宛先名933には、複合機100のアドレス帳で指定した際の宛先名称が記憶され、宛先番号936には、複合機100のアドレス帳で指定したFAX番号が記憶される。なお、アドレス帳を用いないで宛先が入力された場合には、宛先名称が記憶されない。
【0189】
また、FAX送信ジョブID934には、ファックス送信指示がされた場合に、複合機100で生成されたファックス情報を一意に特定するためのIDが記憶され、FAXイメージID935には、ファックス情報と対応して記憶されるファックスイメージを特定するためのIDが記憶される。FAXイメージIDは、ファックスイメージのファイル名などである。
【0190】
なお、ファックスイメージのファイルは、複合機100のHDD3004に記憶されている。
【0191】
図16は、クライアントPC105から送信され、また複合機100で記憶する、否認結果940の一例を示す図である。
【0192】
否認結果940には、図15のファックス情報(941〜943、948)のほかに、承認者944に承認者名を記憶し、否認日時945にクライアントPC105で否認された日時を記憶し、否認理由概要946と否認理由詳細947と確認期限1941にクライアントPC105で入力されたデータが記憶されている。
【0193】
図17は、印刷管理サーバ103の書誌情報DB503に記憶されている書誌情報950の一例を示す図である。
【0194】
書誌情報950は、複合機100やクライアントPC105から受信した印刷ジョブを解析して生成された情報で、印刷ジョブHDD504に記憶する印刷ジョブと対応付けて記憶するものである。
【0195】
書誌情報950は、ジョブオーナー951、ドキュメント名952、実行日時953、ファイルパス954、否認理由概要1951、否認理由詳細1952、確認期限1953、印刷ジョブID1954、FAX送信ジョブID1955で構成されている。
【0196】
ジョブオーナー951は、ファックス送信を指示した複合機100にログインしたユーザ名、或いはクライアントPC105にログインして印刷指示したユーザ名が記憶される。
【0197】
ドキュメント名952は、印刷実行したファイルのファイル名称、或いはシステムが任意に生成するジョブ名などが記憶される。
【0198】
実行日時953は、印刷が実行された日時や印刷管理サーバが印刷ジョブを受信した日時が記憶される。
【0199】
ファイルパス954は、書誌情報950と対応付く印刷ジョブを特定するための情報で、ファイルパスが記憶されている。
【0200】
否認理由概要1951、否認理由詳細1952、確認期限1953は、クライアントPC105で入力された情報が記憶される。印刷ジョブID1954は、書誌情報950を特定するためのIDで、FAX送信ジョブID1955はファックス情報930を特定するためのIDである。
【0201】
以上のように、本実施形態によれば、承認要求がなされたファクシミリデータに対してファクシミリ送信が否認された場合に、否認されたファクシミリデータに対する印刷データを生成することで、複合機(画像形成装置)を用いて否認されたことを容易に確認できるとともに、否認された内容によって複合機(画像形成装置)で処理を切り換えることができる。
【0202】
つまり、複合機(画像形成装置)上で、ファックス送信先間違え等、軽微なミスによる否認に関しては、複合機(画像形成装置)上で再処理(ファックス再送信)させ、ファックスする原稿を直さなければならないようなミスによる否認に関しては、複合機(画像形成装置)上で印刷させるといった処理が切り換えられることで、否認時の作業を軽減させることが可能となる。
【0203】
また、複合機(画像形成装置)を利用する際に、否認されたファクシミリデータがあるか否かを確認することができるため否認処理されたファクシミリデータに対する処理忘れや処理漏れが解消できる。
【0204】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0205】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0206】
また、本発明におけるプログラムは、図6〜図9、図21に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図6〜図9、図21の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図6〜図9、図21の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0207】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0208】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0209】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0210】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0211】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0212】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0213】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0214】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0215】
100 複合機
101 カードリーダ
102 認証サーバ
103 印刷管理サーバ
105 クライアントPC
106 公衆回線網
107 ファクシミリ端末
110 LAN
111 ドア制御装置
112 入退室管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信者に対応してファクシミリ送信するファクシミリ送信データを記憶する画像形成装置であって、
前記ファクシミリ送信データのファクシミリ送信の許可情報又は不許可理由を含む不許可情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で許可情報の入力を受け付けた場合に、許可された前記ファクシミリ送信データを、ファクシミリ送信するべく出力するファクシミリ送信データ出力手段と、
前記入力手段で、前記不許可情報の入力を受け付けた場合に、不許可となった前記ファクシミリ送信データに従って、前記送信者に対応する第1の印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記送信者によって画像形成装置にログインした場合に、前記印刷データ生成手段で生成された当該送信者の第1の印刷データの一覧を表示する一覧表示手段と、
前記一覧表示手段で処理する第1の印刷データを選択する印刷データ選択手段と、
前記印刷データ選択手段で選択した第1の印刷データの不許可情報に含まれる不許可理由が、前記記憶したファクシミリ送信データを用いて再送信可能な不許可理由であるか、再送信不可能な不許可理由であるかを判定する理由判定手段と、
前記理由判定手段で再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記ファクシミリ送信データ出力手段で、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力し、前記理由判定手段で再送信不可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データを印刷するべく出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記一覧表示手段は、クライアント端末から印刷指示された前記送信者に対応する第2の印刷データを含み、
前記一覧表示手段で表示する印刷データが、前記第1の印刷データか否かを判定する印刷データ判定手段を更に備え、
前記一覧表示手段は、前記印刷データ判定手段で判定された第1の印刷データと第2の印刷データを識別可能にするべく、前記印刷データの一覧を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷データ選択手段で第1の印刷データが選択された場合に、前記不許可情報を表示する不許可情報表示手段を
更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記理由判定手段で再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信させるために、ファクシミリ送信の内容を変更するための変更画面を表示する変更画面表示手段を更に備え、
前記出力手段は、前記変更画面表示手段で表示した変更画面で入力された情報に従って、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記出力手段で、前記変更画面表示手段で表示した変更画面で入力された情報に従って、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力した場合に、前記印刷データと前記ファクシミリ送信データの削除要求する削除要求手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記変更画面は、ファクシミリ送信の送信先を変更するための画面であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
ユーザを識別するための識別情報の入力に従って認証されたユーザで当該画像形成装置にログインするログイン手段と、
当該画像形成装置からログアウトするログアウト手段を備え、
前記ログアウト手段でログアウトする前に、前記出力手段で出力されていない前記第1の印刷データを特定する出力特定手段と、
前記出力特定手段で、前記出力手段で出力されていない前記第1の印刷データがある場合に、警告表示する警告表示手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
送信者に対応してファクシミリ送信するファクシミリ送信データを記憶する画像形成装置の処理方法であって、
前記画像形成装置が、
前記ファクシミリ送信データのファクシミリ送信の許可情報又は不許可理由を含む不許可情報の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで許可情報の入力を受け付けた場合に、許可された前記ファクシミリ送信データを、ファクシミリ送信するべく出力するファクシミリ送信データ出力ステップと、
前記入力ステップで、前記不許可情報の入力を受け付けた場合に、不許可となった前記ファクシミリ送信データに従って、前記送信者に対応する第1の印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、
前記送信者によって画像形成装置にログインした場合に、前記印刷データ生成ステップで生成された当該送信者の第1の印刷データの一覧を表示する一覧表示ステップと、
前記一覧表示ステップで処理する第1の印刷データを選択する印刷データ選択ステップと、
前記印刷データ選択ステップで選択した第1の印刷データの不許可情報に含まれる不許可理由が、前記記憶したファクシミリ送信データを用いて再送信可能な不許可理由であるか、再送信不可能な不許可理由であるかを判定する理由判定ステップと、
前記理由判定ステップで再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記ファクシミリ送信データ出力ステップで、前記印刷データ選択ステップで選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力し、前記理由判定ステップで再送信不可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択ステップで選択された第1の印刷データを印刷するべく出力する出力ステップと
を実行することを特徴とする処理方法。
【請求項9】
送信者に対応してファクシミリ送信するファクシミリ送信データを記憶する画像形成装置で実行可能なプログラムであって、
前記画像形成装置を、
前記ファクシミリ送信データのファクシミリ送信の許可情報又は不許可理由を含む不許可情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で許可情報の入力を受け付けた場合に、許可された前記ファクシミリ送信データを、ファクシミリ送信するべく出力するファクシミリ送信データ出力手段と、
前記入力手段で、前記不許可情報の入力を受け付けた場合に、不許可となった前記ファクシミリ送信データに従って、前記送信者に対応する第1の印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記送信者によって画像形成装置にログインした場合に、前記印刷データ生成手段で生成された当該送信者の第1の印刷データの一覧を表示する一覧表示手段と、
前記一覧表示手段で処理する第1の印刷データを選択する印刷データ選択手段と、
前記印刷データ選択手段で選択した第1の印刷データの不許可情報に含まれる不許可理由が、前記記憶したファクシミリ送信データを用いて再送信可能な不許可理由であるか、再送信不可能な不許可理由であるかを判定する理由判定手段と、
前記理由判定手段で再送信可能な不許可理由であると判定される場合に、前記ファクシミリ送信データ出力手段で、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データに対応する前記ファクシミリ送信データを送信するべく出力し、前記理由判定手段で再送信不可能な不許可理由であると判定される場合に、前記印刷データ選択手段で選択された第1の印刷データを印刷するべく出力する出力手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−135210(P2011−135210A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291165(P2009−291165)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】