説明

画像形成装置のクリーニング装置

【課題】 クリーニング装置の組立工数を少なくするとともに、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止できるようにする。
【解決手段】 クリーニング装置は、主に、ハウジング30と、クリーニングブレード32と、掻き出し部材33とを備えている。ハウジング30は、内部空間を第1収容部30aと第2収容部30bとに分割するための仕切り部40を有している。仕切り部40には、第2収容部30bから第1収容部30aへの転写残トナーの逆流防止用の逆流防止板40aが一体に形成されている。クリーニングブレード32は、ハウジング30に装着されており、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを第1収容部30aに除去する。掻き出し部材33は、ハウジング30に回転自在に装着されており、クリーニングブレード32によって除去された転写残トナーを第1収容部30aから第2収容部30bへと掻き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置のクリーニング装置、特に、感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するためのクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、主に、画像読み取り部と印刷部とを備えている。画像読み取り部は原稿の画像情報を読み取るためのものであり、印刷部は画像読み取り部で読み取った画像情報に応じて紙等の転写材上に画像を形成するためのものである。印刷部は、画像形成部と転写材を搬送する転写材搬送部とを有している。画像形成部は、主に、感光体ドラムと、帯電器と、露光器と、現像装置と、クリーニング装置とからなっている。この画像形成部では、まず、帯電器が感光体ドラムの表面を帯電させる。そして、露光器が、画像読み取り部により読み取られた画像情報に応じて、帯電器により帯電させられた感光体ドラムの表面に露光を施している。これにより、感光体ドラムの表面には静電潜像が形成される。次に、現像装置において、現像ローラがトナーを感光体ドラムの表面の静電潜像に付着させる。最後に、感光体ドラムの表面に形成されたトナ−画像が、転写材搬送部により搬送されてきた用紙に転写される。なお、このような一連の動作が実行されているときには、クリーニング装置が、感光体ドラム表面の転写残トナーを除去して回収している。
【0003】
クリーニング装置は、主に、ハウジングと、クリーニングブレードと、掻き出し部材と、逆流防止板とを備えている(特許文献1)。ハウジングは、感光体ドラムの近傍に配置される。このハウジングは、仕切り部を有しており、この仕切り部によって転写残トナーを収容するための内部空間が、感光体ドラム側の第1収容部と感光体ドラムから離反する側の第2収容部とに分割されている。クリーニングブレードは、感光体ドラムの軸方向に沿うようにハウジングに装着されている。このクリーニングブレードは、感光体ドラムの表面に摺接して感光体ドラムの表面の転写残トナーを第1収容部に除去する。掻き出し部材は、ハウジングに回転自在に装着されている。この掻き出し部材は、クリーニングブレードによって除去された転写残トナーを、第1収容部から第2収容部へと掻き出せるようになっている。逆流防止板は、第2収容部に掻き出された転写残トナーが第2収容部から第1収容部に逆流しないようにするためのものである。この逆流防止板は、薄板状に形成されており、ハウジングの仕切り部に貼り付け装着されている。
【特許文献1】特開2002−328573
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクリーニング装置では、ハウジングの内部空間に、クリーニングブレードと、掻き出し部材と、逆流防止板とが装着される。このとき、組立作業者は限られた内部空間にこれら各種の部材を装着しなければならないため、組立作業が繁雑になり、組立作業者がクリーニング装置を組み立てにくいという問題がある。特に、逆流防止板をハウジングの仕切り部に貼り付け装着する際には、逆流防止板が薄板状に形成されているため、逆流防止板を仕切り部に貼り付けにくいという問題がある。逆流防止板を少しでも仕切り部に貼り付けやすくするためには、逆流防止板の貼り付け位置を仕切り部の第1収容部側にすることが考えられる。しかしながら、逆流防止板には、第2収容部から第1収容部へと逆流しようとする転写残トナーによって、第2収容部から第1収容部に向かう方向への力がかかるので、仕切り部の第1収容部側に貼り付けられた逆流防止板が部分的に剥がれてしまう場合がある。すると、逆流防止板が、転写残トナーの逆流を十分に防止できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、クリーニング装置の組立工数を少なくするとともに、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る画像形成装置のクリーニング装置は、感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するための画像形成装置のクリーニング装置であって、ハウジングと、クリーニングブレードと、掻き出し部材とを備えている。ハウジングは、感光体ドラムの近傍に配置されている。ハウジングには、転写残トナーを収容するための内部空間が形成されている。このハウジングは、内部空間を感光体ドラム側の第1収容部と感光体ドラムから離反する側の第2収容部とに分割するための仕切り部を有している。クリーニングブレードは、感光体ドラムの軸方向に沿うようにハウジングに装着されている。このクリーニングブレードは、感光体ドラムの表面に摺接して感光体ドラムの表面の転写残トナーを第1収容部に除去する。掻き出し部材は、ハウジングに回転自在に装着されている。この掻き出し部材は、クリーニングブレードによって除去された転写残トナーを第1収容部から第2収容部へと掻き出せるようになっている。なお、ハウジングの仕切り部には、第2収容部から第1収容部に転写残トナーが逆流しないようにするための逆流防止板が一体に形成されている。
【0007】
このクリーニング装置では、感光体ドラムの表面の転写残トナーが、クリーニングブレードにより感光体ドラムの表面から第1収容部に除去される。そして、第1収容部の転写残トナーが、掻き出し部材により、第1回収部から第2回収部へと掻き出される。このようにクリーニング装置が一連の動作を行っているときに、転写残トナーが第2収容部から第1収容部へと逆流しそうになったときは、逆流防止板により転写残トナーの逆流が防止される。
【0008】
ここでは、逆流防止板がハウジングの仕切り部に一体に形成されているので、逆流防止板をハウジングの仕切り部に装着するという工程が不要になり、クリーニング装置の組立工数を少なくすることができる。また、逆流防止板をハウジングの仕切り部に一体に形成することで、逆流防止板がハウジングの仕切り部の第1収容部側に貼り付け装着されたときの問題、すなわち仕切り部から逆流防止板が部分的に剥がれるという問題がなくなり、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。
【0009】
請求項2に係る画像形成装置のクリーニング装置では、請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置において、逆流防止板が、仕切り部から掻き出し部材側に突出して仕切り部に一体に形成されている。逆流防止板の先端部は、掻き出し部材に当接している。この場合、逆流防止板の先端部が掻き出し部材に当接しているので、転写残トナーが仕切り部と掻き出し部材との間を第2収容部から第1収容部へと逆流しそうになっても、逆流防止板により転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。また、たとえば長円形状の掻き出し部材が回転することによって、掻き出し部材に当接した逆流防止板に第2収容部から第1収容部に向かう方向に力がかかるようなことがあっても、逆流防止板はハウジングの仕切り部に一体に形成されているので、逆流防止板が仕切り部から部分的に剥がれるといった問題が生じなくなり、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。
【0010】
請求項3に係る画像形成装置のクリーニング装置では、請求項2に記載の画像形成装置のクリーニング装置において、逆流防止板の先端部が、掻き出し部材の回転中心を基準として感光体ドラム側で掻き出し部材に当接している。この場合、逆流防止板の先端部が、掻き出し部材の回転中心を基準として感光体ドラム側で掻き出し部材に当接しているので、転写残トナーが仕切り部と掻き出し部材との間を第2収容部から第1収容部へと逆流しそうになっても、逆流防止板により転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。また、たとえば長円形状の掻き出し部材が回転することによって、掻き出し部材に当接した逆流防止板に第2収容部から第1収容部に向かう方向に力がかかるようなことがあっても、逆流防止板はハウジングの仕切り部に一体に形成されているので、逆流防止板が仕切り部から部分的に剥がれるといった問題が生じなくなり、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。
【0011】
請求項4に係る画像形成装置のクリーニング装置では、請求項2に記載の画像形成装置のクリーニング装置において、逆流防止板の先端部が、掻き出し部材の回転中心を基準として感光体ドラムから離反した側で掻き出し部材に当接している。この場合、逆流防止板の先端部が、掻き出し部材の回転中心を基準として感光体ドラムから離反した側で掻き出し部材に当接しているので、転写残トナーが仕切り部と掻き出し部材との間を第2収容部から第1収容部へと逆流しそうになっても、逆流防止板により転写残トナーの逆流をより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、逆流防止板がハウジングの仕切り部に一体に形成されているので、逆流防止板をハウジングの仕切り部に装着するという工程が不要になり、クリーニング装置の組立工数を少なくすることができる。また、逆流防止板をハウジングの仕切り部に一体に形成することで、逆流防止板がハウジングの仕切り部の第1収容部側に貼り付け装着されたときの問題、すなわち仕切り部から逆流防止板が部分的に剥がれるという問題がなくなり、逆流防止板が転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置すなわちタンデム型カラープリンタの概略断面図を示している。このカラープリンタは、カラー画像形成のための各色の画像形成部2(2M,2Y,2C,2B)と、各色のトナー供給装置3(3M,3Y,3C,3B)と、用紙を搬送する搬送ベルト4と、搬送される用紙に各色のトナー画像を転写するための第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、画像形成部2M,2Y,2C,2Bに用紙を給紙する給紙機構6と、用紙上に転写されたトナー画像を定着するための定着部7と、排出部8とを有している。画像形成部2と、トナー供給装置3と、搬送ベルト4と、転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、給紙機構6と、定着部7とは、カラープリンタのプリンタ本体1の内部に配置されている。また、排出部8は、カラープリンタのプリンタ本体1の上部に設けられている。
【0014】
画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、それぞれマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成するものであり、用紙の搬送方向上流側から搬送ベルト4に沿って横方向に順に並べて配置されている。これらの画像形成部2M,2Y,2C,2Bのそれぞれは、像担持体としてのアモルファスシリコン等からなる感光層を有する感光体ドラム10を有し、各感光体ドラム10の周囲には帯電器11、露光器12、現像装置13及びクリーニング装置14が順に配置されている。
【0015】
トナー供給装置3は、現像装置13にトナーを供給するためのものであり、現像装置13の上部に配置されている。トナー供給装置3は、図示しない、トナーを収容するためのトナー収容容器と、トナー収容容器内のトナーを攪拌するためのトナー攪拌部材と、攪拌されたトナーをトナー供給口へと搬送するためのトナー搬送部材とを有している。
搬送ベルト4は、駆動ローラ20と従動ローラ21との間に掛け渡されて循環駆動されている。この搬送ベルト4は、給紙機構6から給紙搬送路22を介して搬送されてきた用紙を吸着してほぼ水平方向に搬送している。第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、この搬送ベルト4を介して各画像形成部2M,2Y,2C,2Bの感光体ドラム10に対向するように配置されている。この第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、それぞれがソレノイド23によって上方の転写位置と下方の解除位置との間で移動可能となっている。ここで、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが上方に移動して転写位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙は感光体ドラム10に接触した状態になる。一方、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが下方に移動して解除位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙と感光体ドラム10とは離れた状態になる。
【0016】
給紙搬送路22は、搬送のガイドとなるガイド部材と、複数のローラ対とから構成されており、この給紙搬送路22の最も下流側には、トナー画像の形成と用紙の搬送とを同期させるためのレジストローラ対25が設けられている。そして、レジストローラ対25と第1転写ローラ5Mとの間には、吸着ローラ26が設けられている。この例では、吸着ローラ26が、搬送ベルト4が掛けられた従動ローラ21の上方に従動ローラ21と対向して配置されている。この位置で、吸着ローラ26は、用紙の先端部あるいは全面に吸着用のバイアス電圧を印加して、用紙を搬送ベルト4に吸着させている。
【0017】
定着部7は、内部にヒータを有する加熱ローラ及び加熱ローラに押圧される加圧ローラを有している。そして、この定着部7と排出部8との間には排紙搬送路27が設けられている。排紙搬送路27は、給紙搬送路22と同様に、ガイド部材と、複数のローラ対とから構成されている。なお、排出部8は装置の上面に形成されており、定着部7を通過した用紙が、排紙搬送路27を介して上方に搬送され装置の上面に排出される。
【0018】
クリーニング装置14は、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去して回収するためのものである。クリーニング装置14は、図2および図3に示すように、主に、ハウジング30と、ファーブラシ31と、クリーニングブレード32と、掻き出し部材33とを備えている。
ハウジング30は、感光体ドラム10の近傍に配置されている。ここでは、ハウジング30は、感光体ドラム10の左側に隣接するように配置されている。ハウジング30には、転写残トナーを収容するための内部空間が形成されている。ハウジング30は、内部空間を感光体ドラム10側の第1収容部30aと感光体ドラム10から離反する側の第2収容部30bとに分割するための仕切り部40を有している。第1収容部30aは、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを一時的に収容する部分である。第2収容部30bは、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを第1収容部30aから回収して収容する部分である。
【0019】
仕切り部40は、ハウジング30の内部空間の内周面上面から内部空間側に向けて突出するように設けられている。仕切り部40は、たとえば、ポリプロピレン等によって成形加工されている。この仕切り部40の先端部とハウジング30の内部空間の内周面下面との間には、第1収容部30aと第2収容部30bとを連結するための連結路30cが形成されている。仕切り部40には、第2収容部30bから第1収容部30aに転写残トナーが逆流しないようにするための逆流防止板40aが一体に形成されている。
【0020】
逆流防止板40aは、仕切り部40から掻き出し部材33側に突出して仕切り部40に一体に形成されている。逆流防止板40aは、薄板形状に形成されており、たとえばポリプロピレン等によって仕切り部40に一体成形されている。逆流防止板40aの先端部は、後述する掻き出し部材33に当接している。この逆流防止板40aの先端部は、掻き出し部材33の回転中心を基準として、感光体ドラム10側で掻き出し部材33に当接している。このように、逆流防止板40aは、仕切り部40と掻き出し部材33との間の空間を閉塞可能になっている。
【0021】
ファーブラシ31は、ハウジング30に回転自在に装着されている。ここでは、ファーブラシ31は、後述するクリーニングブレード32の下方で、ハウジング30の第1収容部30aに回転自在に装着されている。このようなファーブラシ31は、感光体ドラム10の表面に回転摺接して感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去している。ファーブラシ31により除去された感光体ドラム10の表面の転写残トナーは、ハウジング30の第1収容部30aに一時的に収容される。
【0022】
クリーニングブレード32は、感光体ドラム10の軸方向に沿うようにハウジング30に装着されている。クリーニングブレード32は、感光体ドラム10の表面に摺接して感光体ドラム10の表面の転写残トナーを第1収容部30aに除去する。ここでは、クリーニングブレード32は、感光体ドラム10に摺接して、ファーブラシ31で除去しきれなかった感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去している。クリーニングブレード32により除去された感光体ドラム10の表面の転写残トナーは、ハウジング30の第1収容部30aに一時的に収容される。
【0023】
掻き出し部材33は、ハウジング30に回転自在に装着されている。ここでは、掻き出し部材33は、ハウジング30の連結路30cに回転自在に装着されている。そして、掻き出し部材33は、図2および図3に示した反時計回りの方向に回転するようになっている。掻き出し部材33は、回転軸に垂直方向の断面が長円形状に形成されている。この掻き出し部材33は、クリーニングブレード32およびファーブラシ31によって除去された転写残トナーを第1収容部30aから第2収容部30bへと掻き出せるようになっている。ここでは、掻き出し部材33は、クリーニングブレード32からハウジング30の第2収容部30b側に所定の間隔を隔てた位置に配置されている。また、掻き出し部材33は、ファーブラシ31からハウジング30の第2収容部30b側に所定の間隔を隔てた位置に配置されている。これらのことから、ファーブラシ31は、掻き出し部材33とクリーニングブレード32との間に配置されることになる。
【0024】
上記のようなクリーニング装置14では、まず、感光体ドラム10の表面の転写残トナーがファーブラシ31によって除去され第1収容部30aに一時的に収容される。そして、ファーブラシ31によって除去しきれなかった感光体ドラム10の表面の転写残トナーが、クリーニングブレード32によって除去され第1収容部30aに一時的に収容される。このようにして第1収容部30aに収容された転写残トナーは、掻き出し部材33が回転することによって第1収容部30aから第2収容部30bへと掻き出される。このとき、第2収容部30bに収容された転写残トナーが仕切り部40と掻き出し部材33との間の空間を第2収容部30bから第1収容部30aへと逆流してしまわないように、逆流防止板40aが、仕切り部40と掻き出し部材33との間の空間を閉塞している。これらのことから、感光体ドラム10の表面に残留した転写残トナーは、最終的に第2収容部30bに収容される。
【0025】
本実施形態では、逆流防止板40aがハウジング30の仕切り部40に一体に形成されているので、逆流防止板40aをハウジング30の仕切り部40に装着するという工程が不要になり、クリーニング装置14の組立工数を少なくすることができる。また、逆流防止板40aをハウジング30の仕切り部40に一体に形成することで、逆流防止板40aがハウジング30の仕切り部40の第1収容部30a側に貼り付け装着されたときの問題、すなわち仕切り部40から逆流防止板40aが部分的に剥がれるという問題がなくなり、逆流防止板40aが転写残トナーの逆流を確実に防止することができる。特に、本実施形態のように掻き出し部材33が長円形状に形成される場合、逆流防止板40aの先端部の撓み量は、掻き出し部材33の回転に応じて、感光体ドラム10に近接する方向に繰り返し増加する(図2参照)。すると、従来の逆流防止板40aでは、逆流防止板40aがハウジング30の仕切り部40の第1収容部30a側から部分的により剥がれやすくなる。しかしながら、本実施形態のように逆流防止板40aをハウジング30の仕切り部40に一体に形成することで、掻き出し部材33が長円形状に形成されたとしても、逆流防止板40aが仕切り部40から剥がれるという問題を解決することができる。
【0026】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、画像形成装置がカラープリンタである場合の例を示したが、本発明は複写機やプリンタやファクシミリ等の画像形成装置に対しても適用することができる。
(b)前記実施形態では、逆流防止板40aの先端部が掻き出し部材33の回転中心を基準として感光体ドラム10側で掻き出し部材33に当接する場合の例を示したが、逆流防止板40aの先端部が掻き出し部材33に当接する位置は、前記実施形態に限定されず、どのような位置でも良い。たとえば、図4に示すように、逆流防止板140aの先端部が、掻き出し部材133の回転中心を基準として感光体ドラム110から離反した側で掻き出し部材133に当接するようにしても良い。
【0027】
(c)前記実施形態では、クリーニング装置14がファーブラシ31を備える場合の例を示したが、クリーニング装置14がファーブラシ31を備えていない場合においても、本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態にかかる画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略断面図。
【図2】クリーニング装置の断面図(掻き出し部材の長軸が略水平状態になった状態)。
【図3】クリーニング装置の断面図(掻き出し部材の長軸が略垂直状態になった状態)。
【図4】本発明の他の実施形態にかかるクリーニング装置の断面図。
【符号の説明】
【0029】
10,110 感光体ドラム
14 クリーニング装置
30a 第1収容部
30b 第2収容部
40 仕切り部
30 ハウジング
32 クリーニングブレード
33,133 掻き出し部材
40a,140a 逆流防止板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するための画像形成装置のクリーニング装置であって、
前記感光体ドラムの近傍に配置され、前記転写残トナーを収容するための内部空間が形成され、前記内部空間を前記感光体ドラム側の第1収容部と前記感光体ドラムから離反する側の第2収容部とに分割するための仕切り部を有するハウジングと、
前記感光体ドラムの軸方向に沿うように前記ハウジングに装着され、前記感光体ドラムの表面に摺接して前記感光体ドラムの表面の転写残トナーを前記第1収容部に除去するクリーニングブレードと、
前記ハウジングに回転自在に装着され、前記クリーニングブレードによって除去された転写残トナーを前記第1収容部から前記第2収容部へと掻き出す掻き出し部材と、
を備え、
前記仕切り部には、前記第2収容部から前記第1収容部に前記転写残トナーが逆流しないようにするための逆流防止板が一体に形成されている、
画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項2】
前記逆流防止板は、前記仕切り部から前記掻き出し部材側に突出して前記仕切り部に一体に形成されており、前記逆流防止板の先端部は、前記掻き出し部材に当接している、
請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項3】
前記逆流防止板の先端部は、前記掻き出し部材の回転中心を基準として前記感光体ドラム側で前記掻き出し部材に当接している、
請求項2に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項4】
前記逆流防止板の先端部は、前記掻き出し部材の回転中心を基準として前記感光体ドラムから離反した側で前記掻き出し部材に当接している、
請求項2に記載の画像形成装置のクリーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−38922(P2006−38922A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214268(P2004−214268)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】