説明

画像形成装置及びその制御プログラム

【課題】互いに異なるOS上で動作し異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、実行対象の処理を指示書情報に記述して処理を実行させる際の操作の簡略化を実現する。
【解決手段】追加機能を実現する追加プログラム群が追加記憶された状態で、実行対象の処理が記述された指示書情報が設定又は入力された場合に、実行対象の処理を指定する情報を指示書情報から順に抽出し(56)、抽出した情報が指定する実行対象の処理が追加アプリケーションによって実行される処理か否か判定し(58)、肯定判定の場合は、抽出した情報を、追加アプリケーションが提供するウェブサービスを呼び出すことで実行対象の処理を行わせる情報へ書き替え(60)た後に、標準機能を実現する標準アプリケーションに対して親展ボックスへの指示書情報の格納(設定)を指示する(64)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、所望のサービス連携のジョブフローをユーザが定義すると、指示書生成サーバにより処理内容や処理対象の文書の格納位置等が定義された指示書が作成され、作成された指示書が指示書管理サーバに保存され、保存されている複数の指示書の中から所望の指示書をユーザが選択すると、選択された指示書が連携処理サーバへ送信され、連携処理サーバにより、指示書を解釈し、指示書に記述された処理内容に従って文書が処理されるように、ネットワーク接続された画像処理装置等の各装置に処理依頼を行い、複数の処理を連携処理させる技術が開示されている。
【0003】
また特許文献3には、ハードウェア・リソースを複数の仮想マシンに仮想化(複数の論理区画に分割)するハイパーバイザと、各仮想マシン(各論理区画)が割り当てされるコントローラ・システム及び操作部システムと、を備え、コントローラ・システムは、OS、ミドルウェア及び各種アプリケーションにより、複合機の各種機能を実現するための処理を行い、操作部システムは、OS、ミドルウェア及び操作部アプリケーションにより、オペレータからの入力を受け付け、各種メッセージを表示する処理を行う構成の複合機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−287861号公報
【特許文献2】特開2004−287862号公報
【特許文献3】特開2008−077186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、互いに異なるオペレーティング・システム上で動作し互いに異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、実行対象の処理を指示書情報に記述して処理を実行させる際の操作の簡略化を実現できる画像形成装置及び画像形成装置の制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、実行対象の処理が記述された指示書情報に従って処理を実行する場合に、実行対象の処理として第1処理を指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記第1処理を行い、実行対象の処理として外部サービス呼び出しを指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記外部サービス呼び出しを行う第1処理手段と、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、前記外部サービス呼び出しによって第2処理の実行が指示された場合に前記第2処理を行う第2処理手段と、実行対象の処理を記述した指示書情報の設定又は入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記指示書情報の設定又は入力が受け付けされた場合に、前記設定又は入力が受け付けされた指示書情報の中に、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれているか否かを探索し、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれている場合には、前記指示書情報に含まれる当該情報を、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報へ書き替え、書き替え後の前記指示書情報を前記第1処理手段へ転送する転送手段と、を含んで構成されている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記転送手段は書き替え前の前記指示書情報を記憶手段に記憶させ、前記受付手段は前記記憶手段に記憶されている指示書情報の出力も受け付け、前記受付手段によって前記指示書情報の出力が受け付けされた場合に、前記書き替え前の前記指示書情報を前記記憶手段から読み出して出力する第1出力手段を更に備えている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記転送手段は書き替え後の前記指示書情報を記憶手段に記憶させ、前記受付手段は前記記憶手段に記憶されている指示書情報の出力も受け付け、前記受付手段によって前記指示書情報の出力が受け付けされた場合に、前記書き替え後の前記指示書情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記指示書情報のうち、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報を、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報へ書き戻して出力する第2出力手段を更に備えている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、前記転送手段によって前記第1処理手段へ転送された前記指示書情報は、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された個人領域のうち前記指示書情報の設定又は入力を行った利用者に対応する個人領域に格納され、前記第1処理手段は、前記個人領域にファイルが格納された場合に、格納されたファイルに対し、同一の前記個人領域に格納されている前記指示書情報に従って処理を行う。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の発明において、前記第1処理手段は、前記第1処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する標準機能を実現する処理を行い、前記第2処理手段は、前記第2処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する追加機能を実現する処理を行い、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムが記憶手段に追加記憶されるか、又は、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムを記憶する追加記憶手段が設けられた前記追加コンピュータが前記内蔵コンピュータと接続されることで前記画像形成装置に追加設置され、前記受付手段及び前記転送手段は前記第2処理手段と共に前記画像形成装置に追加設置される。
【0011】
請求項6記載の発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、実行対象の処理が記述された指示書情報に従って処理を実行する場合に、実行対象の処理として第1処理を指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記第1処理を行い、実行対象の処理として外部サービス呼び出しを指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記外部サービス呼び出しを行う第1処理手段として機能する画像形成装置の内蔵コンピュータ、又は、前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータを、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、前記外部サービス呼び出しによって第2処理の実行が指示された場合に前記第2処理を行う第2処理手段として機能させるための第2のアプリケーション・プログラムを含み、前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、実行対象の処理を記述した指示書情報の設定又は入力を受け付ける受付手段、及び、前記受付手段によって前記指示書情報の設定又は入力が受け付けされた場合に、前記設定又は入力が受け付けされた指示書情報の中に、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれているか否かを探索し、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれている場合には、前記指示書情報に含まれる当該情報を、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報へ書き替え、書き替え後の前記指示書情報を前記第1処理手段へ転送する転送手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1,4,6記載の発明は、互いに異なるオペレーティング・システム上で動作し互いに異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、実行対象の処理を指示書情報に記述して処理を実行させる際の操作の簡略化を実現できる、という効果を有する。
【0013】
請求項2,3記載の発明は、指示書情報の書き替えが行われた場合にも、書き替え前の指示書情報の内容確認や流用が可能になる、という効果を有する。
【0014】
請求項5記載の発明は、第2処理手段、受付手段及び転送手段が追加設置された場合にも、第1処理手段の構成を変更する必要がなくなる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図2】(A)は追加アプリケーションが設けられていない場合、(B)は追加アプリケーションが設けられている場合の各プログラムの関係を各々示す概念図である。
【図3】(A)は追加アプリケーションが設けられていない構成、(B)は追加アプリケーションが設けられている構成での、指示書情報の受付けを各々示す概念図である。
【図4】指示書格納処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】(A)は書き替え前、(B)は書き替え後の指示書情報の一例を各々示すイメージ図である。
【図6】(A)は追加アプリケーションが設けられていない構成、(B)は追加アプリケーションが設けられている構成での、親展ボックスへのファイル格納をトリガとする指示書情報の処理の実行を各々示す概念図である。
【図7】指示書実行処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】指示書出力処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】画像形成装置の構成の他の例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10には、画像形成装置10の各部の動作を制御する装置制御部12と、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部14と、入力された画像データが表す画像を記録用紙上に形成する画像形成部16と、LCD等から成る表示部18A及びテンキーやタッチパネル等から成り利用者による操作を受付ける操作受付部18Bが設けられた操作パネル18と、ファクシミリ装置としての機能を備えた他の機器と電話線及び公衆通信網(図示省略)経由で画情報の送受信(ファクシミリ通信)を行う画情報送受信部20と、通信ケーブルを介してコンピュータ・ネットワーク(図6(B)参照)と接続され、同コンピュータネットワークに接続されたPC(Personal Computer)等から成るクライアント端末(図示省略)と情報の送受信を行うためのネットワーク通信制御部22と、が設けられており、これらはバス24を介して互いに接続されている。
【0017】
装置制御部12はマイクロコンピュータ等から成り、CPU12A、メモリ12B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部12Cが設けられている。記憶部12Cには、少なくとも、画像形成装置10の利用者に対して画像形成装置10の標準的な機能(例えば複写機能やファクシミリ送受信を行う機能等)を提供する処理を行うと共に、標準的な機能を提供するための画面を表示部18Aに表示させる画面制御を行う標準アプリケーションのプログラムと、標準アプリケーションのプログラムを実行するためのプラットフォームとして機能する標準オペレーティング・システム(標準OS)のプログラムが各々記憶されている。なお、標準OSは本発明における第1のオペレーティング・システムの一例であり、標準アプリケーションのプログラムは本発明における第1のアプリケーション・プログラムの一例である。装置制御部12は請求項1等に記載の内蔵コンピュータの一例であり、CPU12Aが標準OSのプログラム及び標準アプリケーションのプログラムを実行することで本発明に係る第1処理手段の一例として機能する。
【0018】
また、本実施形態に係る画像形成装置10は、装置制御部12の記憶部12Cに、追加アプリケーションのプログラム等を追加記憶させることで、画像形成装置10の利用者に提供可能な機能を新たに追加することも可能とされている。図1には、追加機能を提供するためのプログラムを破線で示しており、装置制御部12の記憶部12Cには、追加機能を提供する処理を行うと共に、追加機能を提供するための画面やメニュー画面を表示部18Aに表示させる画面制御を行う追加アプリケーションのプログラム、追加アプリケーションのプログラムを実行するためのプラットフォームとして機能する追加オペレーティング・システム(追加OS)のプログラム、標準アプリケーションによって実現される処理と追加アプリケーションによって実現される処理の切り分け等の処理を行うための制御プログラム、及び、ハードウェア資源の仮想化や標準OSと追加OSとの間での共有資源の調停、標準OSと追加OSとの間の通信等の機能を提供するハイパーバイザのプログラムが各々追加記憶されている。
【0019】
装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群(追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム、制御プログラム及びハイパーバイザのプログラム)が追加記憶されていない場合、画像形成装置10が稼働している状態で、CPU12Aは標準OSのプログラムを実行すると共に、標準OSが動作している環境で標準アプリケーションのプログラムも実行する(図2(A)も参照)。この場合、画像形成装置10では、提供可能な標準機能を選択肢として一覧表示したメニュー画面を表示部18Aに表示させ、メニュー画面に選択肢として表示した何れかの標準機能が利用者によって選択されると、選択された標準機能を提供する処理の内容を指定するための操作画面を表示部18Aに表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定された後に処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、対応するH/Wモジュール(画像読取部14、画像形成部16及び画情報送受信部20の少なくとも1つ)の動作を制御する処理が行われることになる。
【0020】
一方、装置制御部12の記憶部12Cに前述の追加プログラム群が追加記憶された場合には、標準アプリケーション及び標準OSと、追加アプリケーション、追加OS及び制御プログラムと、が異なる論理区画(仮想環境)に割り当てされる。また、例として図2(B)にも示すように、画像形成装置10が稼働している間、標準OS上で標準アプリケーションが動作することで実現されるシステム(標準システム)と、追加OS上で追加アプリケーション及び制御プログラムが動作することで実現されるシステム(コントローラシステム)と、が並存している状態となり、利用者への標準機能の提供は両システムが協働することで実現され、標準機能を提供するための処理が主に標準システムによって行われる一方、利用者に追加機能を提供する場合には当該追加機能を提供するための処理がコントローラシステムによって行われることになる。
【0021】
具体的には、稼働状態の画像形成装置10では、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、利用者に提供可能な全ての機能(標準機能及び追加機能)を選択肢として一覧表示したメニュー画面を表示部18Aに表示させる画面制御が行われる。ここで、メニュー画面に選択肢として表示した何れかの機能が利用者によって選択されると、CPU12Aによって実行される制御プログラムにより、選択された機能が標準アプリケーションによって提供される標準機能か追加アプリケーションによって提供される追加機能かが判断され、選択された機能が標準アプリケーションによって提供される標準機能であれば、当該標準機能が選択されたことを標準アプリケーションに通知する処理が行われる。これにより、標準アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、選択された標準機能に対応する操作画面を表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定されて処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、ハイパーバイザ経由で対応するH/Wモジュールの動作を制御する処理が行われる。
【0022】
一方、メニュー画面に選択肢として表示した機能のうち、追加アプリケーションによって提供される追加機能が利用者によって選択された場合には、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、選択された追加機能を提供する処理の内容を指定するための操作画面を表示部18Aに表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定された後に処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、ハイパーバイザ経由で対応するH/Wモジュールの動作を制御する処理が行われることになる。なお、本実施形態において、追加アプリケーションによって提供される追加機能に対応する処理は、例えばURL(Uniform Resource Locator)等のアドレスを指定することで、外部から呼び出し可能なウェブサービスとしてコンピュータ・ネットワークに公開されている。
【0023】
なお、追加OSは本発明における第2のオペレーティング・システムの一例であり、追加アプリケーションのプログラムは本発明における第2のアプリケーション・プログラムの一例である。装置制御部12は、CPU12Aが追加OSのプログラム及び追加アプリケーションのプログラムを実行することで本発明に係る第2処理手段の一例として機能する。また、制御プログラムには、後述する指示書格納処理を実現するための指示書格納プログラム、及び、後述する指示書出力処理を実現するための指示書出力プログラムが含まれており、装置制御部12は、CPU12Aが制御プログラムを実行することで、本発明に係る受付手段及び転送手段の一例としても機能し、更に請求項2に記載の第1出力手段又は請求項3に記載の第2出力手段の一例としても機能する。
【0024】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態において、利用者による画像形成装置10の利用は、通常、利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作され、メニュー画面を介して利用対象の機能が選択され、操作画面を介して処理内容が指定された後に処理の実行が指示されることによって為されるが、例えば画像形成装置10に実行させる処理が、複数種の処理から成りかつ繰り返し実行を指示する定型の処理である場合や、予め設定した実行条件を満たしたと判断される度に実行させたい処理である等の場合には、画像形成装置10の利用(画像形成装置10に対する処理の実行指示)に際して指示書情報が用いられる。指示書情報は、画像形成装置10で実行させる1つ以上の処理を、例として図5等に示すように予め定められた書式に従って記述した情報であり、標準アプリケーションのプログラムが実行されることで標準機能として提供される処理の中には、指示書情報の内容を解釈し、指示書情報に実行対象として記述された処理を実行する指示書実行処理(詳細は後述)が含まれている。
【0025】
また、標準アプリケーションのプログラムの中には、指示書の作成(指示書情報の生成)を行う際に用いられる指示書エディタのプログラムが含まれており、指示書の作成に際し、利用者は、まず指示書エディタを起動し、起動した指示書エディタによって操作パネル18の表示部18Aに表示された操作画面を介し、指示書エディタによって認識されて画面内に選択肢として表示された画像形成装置10が実行可能な複数種の処理の中から、指示書に実行対象の処理として記述すべき処理を選択すると共に、選択した処理の処理内容を指定する操作を行う。利用者による前記操作が完了すると、指示書エディタは、予め定められた書式に従い、利用者によって選択された処理を実行対象の処理として記述すると共に、利用者によって指定された処理内容を記述した指示書情報を生成する。なお、指示書の作成(指示書情報の生成)は、指示書エディタのプログラムがインストールされたPC等の端末装置で行うことも可能である。
【0026】
また、指示書情報に記述された処理を実行するトリガとしては、実行タイミングの到来に伴い利用者によって指示書情報が選択され、選択された指示書情報(に記述された処理)の実行が指示される場合と、指示書情報(に記述された処理)の実行条件が設定され、当該実行条件を満たしたと判断される度に指示書情報(に記述された処理)が実行される場合とがある。指示書情報の実行条件の中には、「特定の親展ボックス(請求項4に記載の個人領域の一例)にファイルが格納された場合に、格納されたファイルに対して指示書情報に記述された処理を実行する」という実行条件が有り、指示書情報への上記実行条件の設定は、設定対象の指示書情報が特定の親展ボックスに格納(設定)されることによって為される。
【0027】
標準アプリケーションのプログラムが実行されることで標準機能として提供される処理の中には、装置制御部12の記憶部12Cに設けられている親展ボックス記憶領域に開設された親展ボックスのうち、指定された親展ボックスに指示書情報を格納(設定)する指示書格納処理が含まれている。また標準アプリケーションのプログラムには、装置制御部12を、上記の指示書格納処理や前述の指示書実行処理を行う指示書操作部30(図3(A)参照)として機能させるためのプログラム(指示書操作プログラム)が含まれている。
【0028】
本実施形態において、画像形成装置10の利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作されることで、指示書エディタを介して指示書の作成(指示書情報の生成)が行われるか、既に生成された指示書情報が他の端末装置から入力された後に、格納(設定)対象の親展ボックスが指定され、指定された親展ボックスへの指示書情報の格納(設定)が指示された場合、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されていない状態であれば、図3(A)に示すように、標準アプリケーションのプログラムに含まれる指示書操作プログラムが起動されることで、装置制御部12が指示書操作部30として機能し、この指示書操作部30により、利用者によって入力又は設定された指示書情報を、記憶部12Cの親展ボックス記憶領域に開設されている親展ボックスのうち利用者から指定された親展ボックス(図3(A)の例では親展ボックス2)に格納(設定)する処理が行われる。
【0029】
一方、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合、画像形成装置10の稼働中は利用者による操作受付部18Bの操作が制御プログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって監視され、画像形成装置10の利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作されることで、親展ボックスへの指示書情報の格納(設定)が利用者から指示されると、制御プログラムに含まれる指示書格納プログラムが起動されることで、装置制御部12が指示書操作部32(図3(B)参照)として機能し、図4に示す指示書格納処理が装置制御部12によって行われる。なお、図4に示す指示書格納処理は本発明に係る転送手段による処理の一例であり、上述のように利用者による操作受付部18Bの操作を監視し、指示書情報の格納(設定)が指示された場合に指示書格納プログラムを起動させる処理は、本発明に係る受付手段による処理の一例である。
【0030】
図4に示す指示書格納処理では、まずステップ50において、指示書情報の格納(設定)を指示した利用者により、操作受付部18Bを介して指示書情報の格納(設定)先として指定された親展ボックスの属性情報を取得する。なお、個々の親展ボックスには、属性情報として、例えば親展ボックスを使用する利用者を識別する情報(例えば利用者ID、或いは利用者の名称等)や親展ボックスの名称、識別番号、認証情報(例えば暗証番号等)が設定されており、指示書情報の格納(設定)先としての親展ボックスは、当該親展ボックスの名称又は識別番号が利用者によって入力されることで指定され、ステップ50では、記憶部12Cに記憶されている個々の親展ボックスの属性情報のうち、利用者によって入力された名称又は識別番号と対応付けられた属性情報(指示書情報の格納(設定)先として指定された親展ボックスの属性情報)を取得する。
【0031】
また、親展ボックスへの指示情報の格納(設定)が指示される場合、利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作されることで、指示書情報の格納(設定)先として指定した親展ボックスに設定されている認証情報も入力される。次のステップ52では、利用者によって入力された認証情報を、先のステップ50で取得した属性情報に含まれている認証情報と照合することで、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報が指定された親展ボックスへ格納(設定)可能か否か判定する。利用者によって入力された認証情報が取得した認証情報と不一致の場合は、ステップ52の判定が否定されてステップ54へ移行し、認証情報が不一致のため親展ボックスへ指示書情報を格納(設定)できない旨を通知するメッセージを表示部18Aに表示し、指示書格納処理を終了する。
【0032】
また、照合した認証情報が一致していた場合はステップ52の判定が肯定されてステップ56へ移行し、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報から、単一の処理を実行対象として指定する情報を抽出する。またステップ58では、ステップ56で抽出した情報が実行対象として指定している処理が、追加アプリケーションによって実行される処理か否か判定する。ステップ56で抽出した情報における実行対象の処理が標準アプリケーションによって実行される処理である場合は、ステップ58の判定が否定されてステップ62へ移行する。一方、ステップ56で抽出した情報における実行対象の処理が追加アプリケーションによって実行される処理である場合は、ステップ58の判定が肯定されてステップ60へ移行し、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報のうちのステップ56で抽出した情報を、コンピュータ・ネットワークに公開され追加アプリケーションによって提供されるウェブサービスのうち、抽出した情報での実行対象の処理に対応するウェブサービスを呼び出す処理の実行を指示する情報へ書き替えた後にステップ62へ移行する。
【0033】
ステップ62では、先のステップ56において、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報に実行対象として指定されている全ての処理に対応する情報を前記指示書情報から抽出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ56に戻り、ステップ62の判定が肯定される迄、ステップ56〜ステップ62を繰り返す。これにより、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報に実行対象として指定されている各処理のうち、追加アプリケーションによって実行される処理を記述した情報については、実行対象の処理として、追加アプリケーションによって実行される前記処理に対応する特定のウェブサービスを呼び出す処理を指定する情報へ書き替えされる。
【0034】
例えば、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報に、図5(A)に示すように実行対象の処理として、文書ファイルのPDF(Portable Document Format)形式への変換及び予め設定されたサーバ・コンピュータへのFTP(File Transfer Protocol)転送を指定する情報が含まれており、このPDF形式への変換及びFTP転送が追加アプリケーションによって実現される処理であった場合、指示書情報に含まれる上記情報は、例として図5(B)に示すように、コンピュータ・ネットワークに公開され追加アプリケーションによって提供されるウェブサービスのうち、FTP転送を行うウェブサービス(外部サービス)を呼び出す処理の実行を指示すると共に、ウェブサービスの呼び出し元から呼び出し先へ送信されるメッセージ(タグ<メッセージ>とタグ</メッセージ>で挟まれた文字列)の中に元の情報(文書ファイルのPDF形式への変換及び予め設定されたサーバ・コンピュータへのFTP転送を指示する情報)が埋め込まれた情報へ書き替えされることになる。
【0035】
また、ステップ62の判定が肯定されるとステップ64へ移行し、標準アプリケーションのプログラムに含まれている指示書操作プログラムを起動させ、装置制御部12を標準アプリケーションの指示書操作部30としても機能させた後に、標準アプリケーションの指示書操作部30に対し、上述したステップ56〜ステップ62の処理を経ることで必要に応じて書き替えを行った指示書情報を転送し、利用者によって指定された親展ボックスへの格納(設定)を指示する。これにより、標準アプリケーションの指示書操作部30により、指示書操作部32から転送された指示書情報を、利用者から指定された親展ボックスに格納(設定)する処理が行われる(図3(B)に示す「指定された親展ボックスに指示書情報を格納(設定)」も参照)。また、次のステップ66では、ステップ56〜ステップ62の処理を経ることで必要に応じて書き替えを行った指示書情報を、記憶部12Cに設けられた指示書情報保存領域に保存し、指示書格納処理を終了する。
【0036】
装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合、画像形成装置10は追加アプリケーションによって実現される処理も実行可能となるので、上記で説明したように、追加アプリケーションによって実現される処理が実行対象の処理として指示書情報に記述される可能性がある。しかしながら、標準アプリケーションによって実現される指示書操作部30(図3(A)参照)に、指示書実行処理として、指示書情報に記述されている実行対象の個々の処理が追加アプリケーションによって実現される処理か否を判定し、実行対象の処理のうち追加アプリケーションによって実現される処理については追加アプリケーションに実行を指示する処理を行わせる場合、装置制御部12の記憶部12Cへの追加プログラム群の追加記憶に際し、標準アプリケーションのプログラムも更新する必要が生ずる。
【0037】
これに対して本実施形態では、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合、親展ボックスへの指示書情報の格納(設定)が指示されると、制御プログラムに含まれる指示書格納プログラムが起動され、図4に示す指示書格納処理が装置制御部12によって行われることで、親展ボックスへの格納(設定)が指示された指示書情報の中に、実行対象の処理として追加アプリケーションによって実行される処理を指定する情報が記述されている場合には、当該情報が、標準アプリケーションの指示書操作部30が実行可能な処理を指定する情報、すなわち追加アプリケーションが提供する特定のウェブサービスを呼び出す処理を実行対象の処理として指定する情報へ書き替えされることになる。
【0038】
次に、指示書情報が格納(設定)されている親展ボックスにファイルが格納された場合について説明する。指示書情報が格納(設定)されている親展ボックスにファイルが格納された場合、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されているか否かに拘わらず、図6(A),(B)に示すように、標準アプリケーションに含まれる指示書操作プログラムが起動されることで装置制御部12が指示書操作部30として機能し、図7に示す指示書実行処理が行われる。
【0039】
この指示書実行処理では、まずステップ80において、ファイルが格納された親展ボックスに格納(設定)されている指示書情報を、実行対象の指示書情報として親展ボックス記憶領域から読み出す。次のステップ82では、ステップ80で読み出した実行対象の指示書情報から、単一の処理を実行対象として指定する情報を抽出する。またステップ84では、ステップ82で抽出した情報で実行対象として指定されている処理が、コンピュータ・ネットワークに公開されているウェブサービスを呼び出す処理か否か判定する。この判定が否定された場合、ステップ82で抽出した情報で実行対象として指定されている処理は、標準アプリケーションが実行可能な処理であるので、ステップ84からステップ86へ移行し、親展ボックスに格納されたファイルに対し、ステップ82で抽出した情報で実行対象として指定されている処理(例えば親展ボックスに格納されたファイルを画像形成部16によって記録用紙に画像として印刷させ、画像を印刷した記録用紙をメールボックスとして使用している特定の用紙排出部に排出する等の処理) を実行した後にステップ92へ移行する。
【0040】
一方、ステップ82で抽出した情報で実行対象として指定されている処理が、コンピュータ・ネットワークに公開されているウェブサービスを呼び出す処理である場合には、ステップ84からステップ88へ移行し、抽出した情報に設定されているウェブサービスを呼び出す処理を行う。これにより、呼び出したウェブサービスを提供する外部の処理部において、親展ボックスに格納されたファイルを対象として前記ウェブサービスを提供する処理が行われる。
【0041】
ここで、ウェブサービスを提供する処理を行う外部の処理部は、通常はコンピュータ・ネットワークに接続されたサーバ・コンピュータや画像形成装置等から成るサービス処理装置であるが、先のステップ82で抽出した情報が、自装置(画像形成装置10)に追加記憶された追加アプリケーションが提供するウェブサービスの呼び出しを指示する情報(先の指示書格納処理(図4)のステップ60で書き替えた情報)である場合には、例として図6(B)に「ウェブサービス呼び出し」と表記して示すように、ウェブサービスを呼び出す情報がコンピュータ・ネットワークを経由して自装置(画像形成装置10)に追加記憶された追加アプリケーションに転送される。そして、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、ウェブサービスを呼び出す情報に添付されたメッセージに従い、親展ボックスに格納されたファイルを対象として、呼び出されたウェブサービスを提供する処理(例えば親展ボックスに格納されたファイルをPDF形式へ変換し、予め設定されたサーバ・コンピュータへのFTP転送を行う処理等)が行われることになる。
【0042】
次のステップ90では、呼び出したウェブサービスを提供する処理の終了が外部の処理部から通知されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ90を繰り返す。呼び出したウェブサービスを提供する処理の終了が外部の処理部から通知されると、ステップ90の判定が肯定されてステップ92へ移行する。なお、ウェブサービスを提供する処理が追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって行われた場合、図6(B)に「終了通知」と表記して示すように、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって送信された終了通知は、コンピュータ・ネットワークを経由して自装置(画像形成装置10)の標準アプリケーションの指示書操作部30で受信される。
【0043】
ステップ92では、ステップ80で読み出した指示書情報に実行対象として指定されている全ての処理に対応する情報を前記指示書情報から抽出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ82に戻り、ステップ92の判定が肯定される迄、ステップ82〜ステップ92を繰り返す。これにより、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合にも、利用者によって親展ボックスへの格納(設定)が指示された当初の指示書情報に実行対象の処理として指定されていた各処理のうち、標準アプリケーションによって実行される処理については標準アプリケーションで実行させ、追加アプリケーションによって実行される処理についてはウェブサービス呼び出しによって追加アプリケーションで実行させることを、標準アプリケーションのプログラムの更新を行うことなく実現される。そして、ステップ92の判定が肯定されると指示書実行処理を終了する。
【0044】
次に、指示書情報の出力について説明する。利用者は、特定の指示書情報の出力(表示部18Aへの内容表示や他の装置への送信等)を所望している場合、操作受付部18Bを操作して出力を所望している特定の指示書情報を出力対象として選択し、選択した指示書情報の出力を指示する。ここで、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されている場合は、利用者によって上記操作が行われると、制御プログラムに含まれている指示書出力プログラムがCPU12Aによって実行されることで、図8に示す指示書出力処理が行われる。
【0045】
指示書出力処理では、まずステップ100において、記憶部12Cの指示書情報保存領域に保存されている指示書情報のうち、利用者によって出力対象として選択された指示書情報を記憶部12Cから読み出す。次のステップ102では、ステップ100で読み出した出力対象の指示書情報から、単一の処理を実行対象として指定する情報を抽出する。またステップ104では、ステップ102で抽出した情報で実行対象として指定されている処理が、コンピュータ・ネットワークに公開されているウェブサービスを呼び出す処理か否か判定する。判定が否定された場合はステップ108へ移行する。一方、ステップ104の判定が肯定された場合はステップ106へ移行し、ステップ102で抽出した情報を、当該情報における呼び出し対象のウェブサービスに対応する処理(追加アプリケーションによって実行される処理)を実行対象の処理として直接指定する情報(利用者によって親展ボックスへの格納(設定)が指示された当初の指示書情報に記述されていた情報)へ書き替えた後に、ステップ108へ移行する。
【0046】
ステップ108では、ステップ100で読み出した指示書情報に実行対象として指定されている全ての処理に対応する情報を前記指示書情報から抽出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ102に戻り、ステップ108の判定が肯定される迄、ステップ102〜ステップ108を繰り返す。これにより、ステップ100で読み出された指示書情報から、利用者によって親展ボックスへの格納(設定)が指示された当初の指示書情報が復元されることになる。そしてステップ108の判定が肯定されるとステップ110へ移行し、書き替え後の指示書情報(復元された当初の指示書情報)を、利用者からの指示に従って出力し(例えば指示書情報の内容を表示部18Aに表示する、或いは利用者から指定された他の装置(例えばクライアント端末や他の画像形成装置)へ送信する等)、指示書出力処理を終了する。
【0047】
なお、図8に示した指示書出力処理は請求項3に記載の第2出力手段による処理の一例であるが、指示書情報の出力は図8の処理に限られるものではなく、例えば指示書格納処理(図4)のステップ66で書き替え後の指示書情報を指示書情報保存領域に保存することに代えて、書き替え前の指示書情報を指示書情報保存領域に保存しておき、保存している指示書情報のうち利用者によって出力対象として選択された指示書情報を単に出力(図8のステップ106の書き替えを行うことなく出力)するようにしてもよい。この態様は、請求項2に記載の第1出力手段よる処理の一例である。
【0048】
また、上記では親展ボックスに格納(設定)され、前記親展ボックスにファイルが格納されると実行される指示書情報に本発明を適用した態様を説明したが、本発明を適用可能な指示書情報は上記用途に使用される指示書情報に限られるものではなく、例えば、予め設定された時刻が到来したと判断される度に実行される指示書情報や、利用者によって選択されて実行が指示されることで実行される指示書情報に本発明を適用をすることも可能である。
【0049】
また、上記では第1のアプリケーション・プログラムの一例である標準アプリケーションのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムの一例である追加アプリケーションのプログラムが装置制御部12のCPU12Aで各々実行される態様を説明したが、本発明はこの態様に限られるものでもなく、例として図9に示すように、マイクロコンピュータ等から成り、CPU42Aと、メモリ42Bと、追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム及び制御プログラムを記憶し追加機能用親展ボックス記憶領域が設けられた不揮発性の記憶部42Cと、が基板に搭載されて成る追加機能提供部42が、画像形成装置40に設けられた拡張スロットに挿入されることで、利用者へ提供可能な機能が追加される構成に本発明を適用することも可能である。この構成における追加機能提供部42は請求項1等に記載の追加コンピュータの一例であり、追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム及び制御プログラムは追加機能提供部42のCPU42Aによって実行されることになる。なお、図9の構成において、例えば制御プログラムは装置制御部12の記憶部12Cに記憶させ、CPU12Aによって実行させるように構成することも可能である。
【0050】
また、上記では本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一例としてのプログラムが装置制御部12の記憶部12Cに追加記憶される態様を説明したが、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
10,40 画像形成装置
12 装置制御部
12C 記憶部
18 操作パネル
18B 操作受付部
18A 表示部
42 追加機能提供部
42C 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、実行対象の処理が記述された指示書情報に従って処理を実行する場合に、実行対象の処理として第1処理を指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記第1処理を行い、実行対象の処理として外部サービス呼び出しを指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記外部サービス呼び出しを行う第1処理手段と、
第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、前記外部サービス呼び出しによって第2処理の実行が指示された場合に前記第2処理を行う第2処理手段と、
実行対象の処理を記述した指示書情報の設定又は入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記指示書情報の設定又は入力が受け付けされた場合に、前記設定又は入力が受け付けされた指示書情報の中に、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれているか否かを探索し、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれている場合には、前記指示書情報に含まれる当該情報を、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報へ書き替え、書き替え後の前記指示書情報を前記第1処理手段へ転送する転送手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記転送手段は書き替え前の前記指示書情報を記憶手段に記憶させ、
前記受付手段は前記記憶手段に記憶されている指示書情報の出力も受け付け、
前記受付手段によって前記指示書情報の出力が受け付けされた場合に、前記書き替え前の前記指示書情報を前記記憶手段から読み出して出力する第1出力手段を更に備えた請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転送手段は書き替え後の前記指示書情報を記憶手段に記憶させ、
前記受付手段は前記記憶手段に記憶されている指示書情報の出力も受け付け、
前記受付手段によって前記指示書情報の出力が受け付けされた場合に、前記書き替え後の前記指示書情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記指示書情報のうち、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報を、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報へ書き戻して出力する第2出力手段を更に備えた請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転送手段によって前記第1処理手段へ転送された前記指示書情報は、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された個人領域のうち前記指示書情報の設定又は入力を行った利用者に対応する個人領域に格納され、
前記第1処理手段は、前記個人領域にファイルが格納された場合に、格納されたファイルに対し、同一の前記個人領域に格納されている前記指示書情報に従って処理を行う請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1処理手段は、前記第1処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する標準機能を実現する処理を行い、
前記第2処理手段は、前記第2処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する追加機能を実現する処理を行い、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムが記憶手段に追加記憶されるか、又は、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムを記憶する追加記憶手段が設けられた前記追加コンピュータが前記内蔵コンピュータと接続されることで前記画像形成装置に追加設置され、
前記受付手段及び前記転送手段は前記第2処理手段と共に前記画像形成装置に追加設置される請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、実行対象の処理が記述された指示書情報に従って処理を実行する場合に、実行対象の処理として第1処理を指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記第1処理を行い、実行対象の処理として外部サービス呼び出しを指定する情報が前記指示書情報に記述されている場合は前記外部サービス呼び出しを行う第1処理手段として機能する画像形成装置の内蔵コンピュータ、又は、前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータを、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、前記外部サービス呼び出しによって第2処理の実行が指示された場合に前記第2処理を行う第2処理手段として機能させるための第2のアプリケーション・プログラムを含み、
前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、
実行対象の処理を記述した指示書情報の設定又は入力を受け付ける受付手段、
及び、前記受付手段によって前記指示書情報の設定又は入力が受け付けされた場合に、前記設定又は入力が受け付けされた指示書情報の中に、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれているか否かを探索し、実行対象の処理として前記第2処理を指定する情報が含まれている場合には、前記指示書情報に含まれる当該情報を、前記第2処理手段に対して前記第2処理の実行を指示するための前記外部サービス呼び出しを実行対象の処理として指定する情報へ書き替え、書き替え後の前記指示書情報を前記第1処理手段へ転送する転送手段
として機能させるための画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−235580(P2011−235580A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110284(P2010−110284)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】