説明

画像形成装置及びその制御プログラム

【課題】互いに異なるOS上で動作し個人領域に対するファイルの格納又は出力を含む異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、個人領域開設のための操作の煩雑さを低減する。
【解決手段】追加機能を実現する追加アプリケーションやOS、制御プログラム等が追加記憶された状態で、(B)に示すように、親展ボックスの開設が指示されると、親展ボックス操作部32は、標準機能を実現する標準アプリケーションの親展ボックス操作部30により、標準機能用の親展ボックスの記憶領域に標準機能用の親展ボックスを開設させると共に、追加アプリケーションの親展ボックス操作部34により、追加機能用の親展ボックスの記憶領域に同一の識別番号を設定した追加機能用の親展ボックスを開設させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数台のファクシミリ装置が情報処理端末(FAXサーバ)を介して接続された構成において、何れかのファクシミリ装置のRAMに登録されているデータ(例えばメイルボックス内に設定されている使用者名と識別ID)が変更されている場合に、変更内容に基づいて他の装置に通知すべきかを判断し、必要があれば変更を通知することで連動して変更させる技術が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、デジタルカメラにおいて、予め設定された新規フォルダ作成条件を満たしたら、次の撮影指示があった時点で新規フォルダを作成することで、空のフォルダの作成を防止する技術が開示されている。
【0004】
また特許文献3には、インストールされている第1〜第3のメーラの受信フォルダの所在情報が管理テーブルに登録されている場合に、操作者から所定の指示を受け付けたときに、各メーラの受信フォルダに保存されている全ての受信メールの送受信関連情報が列挙された一覧表を表示する技術が開示されている。
【0005】
また特許文献4には、ハードウェア・リソースを複数の仮想マシンに仮想化(複数の論理区画に分割)するハイパーバイザと、各仮想マシン(各論理区画)が割り当てされるコントローラ・システム及び操作部システムと、を備え、コントローラ・システムは、OS、ミドルウェア及び各種アプリケーションにより、複合機の各種機能を実現するための処理を行い、操作部システムは、OS、ミドルウェア及び操作部アプリケーションにより、オペレータからの入力を受け付け、各種メッセージを表示する処理を行う構成の複合機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−149076号公報
【特許文献2】特開2007−027994号公報
【特許文献3】特開2007−109165号公報
【特許文献4】特開2008−077186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、互いに異なるオペレーティング・システム上で動作し個人領域へのファイルの格納又は前記個人領域からのファイルの出力を含む互いに異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、個人領域開設のための操作の煩雑さを低減できる画像形成装置及び画像形成装置の制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第1の個人領域への第1ファイルの格納又は前記第1の個人領域からの前記第1ファイルの出力を含む第1処理を行う第1処理手段と、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第2の個人領域への第2ファイルの格納又は前記第2の個人領域からの前記第2ファイルの出力を含む第2処理を行う第2処理手段と、記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされた場合に、前記第1処理手段により、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させると共に、前記第2処理手段により、前記第1の個人領域と同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させるか、又は、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の前記記憶手段の記憶領域内への開設を予約する情報を登録する処理を行わせる開設手段と、を含んで構成されている。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記開設手段は、前記第1処理手段により、前記第1の個人領域を前記内蔵コンピュータに設けられた内蔵記憶手段の記憶領域内に開設させ、前記第2処理手段により、前記第2の個人領域を前記内蔵記憶手段の記憶領域内又は前記追加コンピュータに設けられた追加記憶手段の記憶領域内に開設させる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記第1処理手段は、前記第1処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する標準機能を実現する処理を行い、前記第2処理手段は、前記第2処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する追加機能を実現する処理を行い、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムが記憶手段に追加記憶されるか、又は、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムを記憶する追加記憶手段が設けられた前記追加コンピュータが前記内蔵コンピュータと接続されることで前記画像形成装置に追加設置される。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記第1処理手段は、記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付け、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設する処理を行う機能を備えており、前記受付手段及び前記開設手段は前記第2処理手段と共に前記画像形成装置に追加設置され、前記画像形成装置に追加設置された前記受付手段は、前記個人領域の開設指示を前記第1処理手段に代わって受け付けることで、前記個人領域を開設させる処理が前記開設手段によって行われる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の発明において、前記第2処理手段は、前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされ、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の記憶手段の記憶領域内への開設を予約する処理を行った場合、前記第2処理として、前記開設を予約した前記第2の個人領域へ前記第2ファイルを格納する処理を含む処理を行う際に、前記開設を予約する処理を行った前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設する。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れかに記載の発明において、前記第2処理手段は、個人領域に格納するファイルが入力されると、入力された前記ファイルが前記第1の個人領域へ格納すべき前記第1ファイルか前記第2個人領域へ格納すべき前記第2ファイルかを判定し、入力された前記ファイルが前記第1ファイルと判定した場合には入力された前記ファイルを前記第1処理手段へ転送し、入力された前記ファイルが前記第2ファイルと判定した場合には入力された前記ファイルを前記第2個人領域に格納する。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の発明において、前記受付手段は、指定された利用者識別情報が設定されている個人領域に格納中のファイルの情報の表示指示も受け付け、前記受付手段によって前記表示指示が受け付けされた場合に、指定された前記利用者識別情報が設定された前記第1の個人領域に格納されている第1ファイルの情報を読み出すと共に、前記指定された前記利用者識別情報が設定された前記第2の個人領域に格納されている第2ファイルの情報を読み出し、読み出した情報を表示手段に各々表示させる表示制御手段を更に備えている。
【0015】
請求項8記載の発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、第1のオペレーティング・システムが動作している環境で第1のアプリケーション・プログラムを実行することで、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第1の個人領域への第1ファイルの格納又は前記第1の個人領域からの前記第1ファイルの出力を含む第1処理を行う第1処理手段として機能する画像形成装置の内蔵コンピュータ、又は、前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータにより、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で実行されることで、前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第2の個人領域への第2ファイルの格納又は前記第2の個人領域からの前記第2ファイルの出力を含む第2処理を行う第2処理手段として機能させるための第2のアプリケーション・プログラムを含み、前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付ける受付手段、及び、前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされた場合に、前記第1処理手段により、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させると共に、前記第2処理手段により、前記第1の個人領域と同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させるか、又は、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の前記記憶手段の記憶領域内への開設を予約する情報を登録する処理を行わせる開設手段として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3,8記載の発明は、互いに異なるオペレーティング・システム上で動作し個人領域へのファイルの格納又は前記個人領域からのファイルの出力を含む互いに異なる処理を行う複数の処理手段が設けられた構成において、個人領域開設のための操作の煩雑さを低減できる、という効果を有する。
【0017】
請求項4,6記載の発明は、第2処理手段と共に受付手段及び開設手段が追加設置された場合にも、第1処理手段の構成を変更する必要がなくなる、という効果を有する。
【0018】
請求項5記載の発明は、記憶手段の記憶領域の有効利用を実現できる、という効果を有する。
【0019】
請求項7記載の発明は、個人領域に格納されているファイルの情報を表示させる操作の煩雑さを低減できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図2】(A)は追加アプリケーションが設けられていない場合、(B)は追加アプリケーションが設けられている場合の各プログラムの関係を各々示す概念図である。
【図3】(A)は追加アプリケーションが設けられていない場合、(B)は追加アプリケーションが設けられている場合における、親展ボックスの開設を各々示す概念図である。
【図4】親展ボックス開設処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】追加機能用親展ボックス管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
【図6】(A)は追加アプリケーションが設けられていない場合、(B)は追加アプリケーションが設けられている場合における、親展ボックスへのファイルの格納を各々示す概念図である。
【図7】ファイル格納処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】親展ボックス確認/操作画面の一例を示すイメージ図である。
【図9】画像形成装置の構成の他の例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10には、少なくとも、画像形成装置10の各部の動作を制御する装置制御部12と、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部14と、入力された画像データが表す画像を記録用紙上に形成する画像形成部16と、LCD等から成る表示部18A及びテンキーやタッチパネル等から成り利用者による操作を受付ける操作受付部18Bが設けられた操作パネル18と、ファクシミリ装置としての機能を備えた他の機器と電話線及び公衆通信網(図示省略)経由で画情報の送受信(ファクシミリ通信)を行う画情報送受信部20と、PC(Personal Computer)等の情報処理装置とネットワークケーブル及びコンピュータネットワーク(図示省略)経由で情報の送受信を行うためのネットワーク通信制御部22と、が設けられており、これらはバス24を介して互いに接続されている。
【0022】
装置制御部12はマイクロコンピュータ等から成り、CPU12A、メモリ12B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部12Cが設けられている。記憶部12Cには、少なくとも、画像形成装置10の利用者に対して画像形成装置10の標準的な機能(例えば複写機能やファクシミリ送受信を行う機能等)を提供する処理を行うと共に、標準的な機能を提供するための画面を表示部18Aに表示させる画面制御を行う標準アプリケーションのプログラムと、標準アプリケーションのプログラムを実行するためのプラットフォームとして機能する標準オペレーティング・システム(標準OS)のプログラムが各々記憶されている。なお、標準OSは本発明における第1のオペレーティング・システムの一例であり、標準アプリケーションのプログラムは本発明における第1のアプリケーション・プログラムの一例である。装置制御部12は請求項1等に記載の内蔵コンピュータの一例であり、CPU12Aが標準OSのプログラム及び標準アプリケーションのプログラムを実行することで本発明に係る第1処理手段の一例として機能する。
【0023】
また、本実施形態に係る画像形成装置10は、装置制御部12の記憶部12Cに、追加アプリケーションのプログラム等を追加記憶させることで、画像形成装置10の利用者に提供可能な機能を新たに追加することも可能とされている。図1には、追加機能を提供するためのプログラムを破線で示しており、装置制御部12の記憶部12Cには、追加機能を提供する処理を行うと共に、追加機能を提供するための画面やメニュー画面を表示部18Aに表示させる画面制御を行う追加アプリケーションのプログラム、追加アプリケーションのプログラムを実行するためのプラットフォームとして機能する追加オペレーティング・システム(追加OS)のプログラム、標準アプリケーションによって実現される処理と追加アプリケーションによって実現される処理の切り分け等の処理を行うための制御プログラム、及び、ハードウェア資源の仮想化や標準OSと追加OSとの間での共有資源の調停、標準OSと追加OSとの間の通信等の機能を提供するハイパーバイザのプログラムが各々追加記憶されている。
【0024】
装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群(追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム、制御プログラム及びハイパーバイザのプログラム)が追加記憶されていない場合、画像形成装置10が稼働している状態で、CPU12Aは標準OSのプログラムを実行すると共に、標準OSが動作している環境で標準アプリケーションのプログラムも実行する(図2(A)も参照)。この場合、画像形成装置10では、提供可能な標準機能を選択肢として一覧表示したメニュー画面を表示部18Aに表示させ、メニュー画面に選択肢として表示した何れかの標準機能が利用者によって選択されると、選択された標準機能を提供する処理の内容を指定するための操作画面を表示部18Aに表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定された後に処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、対応するH/Wモジュール(画像読取部14、画像形成部16及び画情報送受信部20の少なくとも1つ)の動作を制御する処理が行われることになる。
【0025】
一方、装置制御部12の記憶部12Cに前述の追加プログラム群が追加記憶された場合には、標準アプリケーション及び標準OSと、追加アプリケーション、追加OS及び制御プログラムと、が異なる論理区画(仮想環境)に割り当てされる。また、例として図2(B)にも示すように、画像形成装置10が稼働している間、標準OS上で標準アプリケーションが動作することで実現されるシステム(標準システム)と、追加OS上で追加アプリケーション及び制御プログラムが動作することで実現されるシステム(コントローラシステム)と、が並存している状態となり、利用者への標準機能の提供は両システムが協働することで実現され、標準機能を提供するための処理が主に標準システムによって行われる一方、利用者に追加機能を提供する場合には当該追加機能を提供するための処理がコントローラシステムによって行われることになる。
【0026】
具体的には、稼働状態の画像形成装置10では、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、利用者に提供可能な全ての機能(標準機能及び追加機能)を選択肢として一覧表示したメニュー画面を表示部18Aに表示させる画面制御が行われる。ここで、メニュー画面に選択肢として表示した何れかの機能が利用者によって選択されると、CPU12Aによって実行される制御プログラムにより、選択された機能が標準アプリケーションによって提供される標準機能か追加アプリケーションによって提供される追加機能かが判断され、選択された機能が標準アプリケーションによって提供される標準機能であれば、当該標準機能が選択されたことを標準アプリケーションに通知する処理が行われる。これにより、標準アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、選択された標準機能に対応する操作画面を表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定されて処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、ハイパーバイザ経由で対応するH/Wモジュールの動作を制御する処理が行われる。
【0027】
一方、メニュー画面に選択肢として表示した機能のうち、追加アプリケーションによって提供される追加機能が利用者によって選択された場合には、追加アプリケーションのプログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)により、選択された追加機能を提供する処理の内容を指定するための操作画面を表示部18Aに表示させ、利用者により操作画面を介して処理内容が指定された後に処理の実行が指示されると、指定された処理内容の処理が行われるように、ハイパーバイザ経由で対応するH/Wモジュールの動作を制御する処理が行われることになる。
【0028】
なお、追加OSは本発明における第2のオペレーティング・システムの一例であり、追加アプリケーションのプログラムは本発明における第2のアプリケーション・プログラムの一例である。装置制御部12は、CPU12Aが追加OSのプログラム及び追加アプリケーションのプログラムを実行することで本発明に係る第2処理手段の一例として機能する。また、制御プログラムには、後述する親展ボックス開設処理の一部を実現するための親展ボックス開設プログラム、後述するファイル格納処理の一部を実現するためのファイル格納プログラム、及び、後述するファイル情報表示処理を実現するためのファイル情報表示プログラムが含まれており、装置制御部12は、CPU12Aが制御プログラムを実行することで、本発明に係る受付手段及び開設手段の一例としても機能する。
【0029】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態では、標準アプリケーションのプログラムが実行されることで標準機能として提供される処理の中に、親展ボックスを用いる処理(例えばファクシミリ通信によって受信した画情報ファイルを指定された親展ボックスに格納する処理(親展FAX受信)や、画像読取部14が原稿を読み取ることで得られたファイルを外部のファクシミリ装置からポーリングによって取り出し可能なファイルとして親展ボックスに格納する処理(親展ポーリング予約)等)が含まれており、装置制御部12の記憶部12Cには標準機能で使用する親展ボックス(本発明における第1の個人領域の一例)を記憶するための記憶領域が設けられている。また、標準アプリケーションのプログラムには、装置制御部12を、親展ボックスの開設や親展ボックスへのファイルの格納、親展ボックスに格納されているファイルの出力等の処理を行う親展ボックス操作部30(図3(A)参照)として機能させるためのプログラム(親展ボックス操作プログラム)が含まれている。
【0030】
本実施形態において、画像形成装置10の利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作されることで、親展ボックスの開設が利用者から指示された場合、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されていない状態であれば、図3(A)に示すように、標準アプリケーションに含まれる親展ボックス操作プログラムが起動されることで、装置制御部12が親展ボックス操作部30として機能し、この親展ボックス操作部30により、記憶部12Cに設けられた親展ボックス記憶領域に新たな親展ボックス(図3(A)の例では親展ボックスn)を開設する処理が行われる。
【0031】
一方、本実施形態では、追加アプリケーションのプログラムが実行されることで追加機能として提供される処理の中にも、親展ボックスを用いる処理(例えば画像読取部14が原稿を読み取ることで得られたスキャンファイルを指定された親展ボックスに格納する処理(スキャン蓄積)等)が含まれており、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されると、装置制御部12の記憶部12Cには、例として図3(B)にも示すように、追加機能で使用する親展ボックス(本発明における第2の個人領域の一例)を記憶するための記憶領域(追加機能用親展ボックス記憶領域)も確保される。また、追加アプリケーションのプログラムにも、装置制御部12を、親展ボックスの開設や親展ボックスへのファイルの格納等の処理を行う親展ボックス操作部34(図3(B)参照)として機能させるためのプログラム(親展ボックス操作プログラム)が含まれている。
【0032】
また、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合、画像形成装置10の稼働中は利用者による操作受付部18Bの操作が制御プログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって監視され、画像形成装置10の利用者によって操作パネル18の操作受付部18Bが操作されることで、親展ボックスの開設が利用者から指示されると、制御プログラムに含まれる親展ボックス開設プログラムが起動されることで、装置制御部12が親展ボックス操作部32(図3(B)参照)として機能し、図4に示す親展ボックス開設処理が装置制御部12によって行われる。なお、親展ボックス開設処理は本発明に係る開設手段による処理の一例であり、上述したように、利用者による操作受付部18Bの操作を監視し、親展ボックスの開設が指示された場合に親展ボックス開設プログラムを起動させる処理は、本発明に係る受付手段による処理の一例である。
【0033】
図4に示す親展ボックス開設処理では、まずステップ50において、親展ボックスの開設を指示した利用者により操作受付部18Bを介して入力された開設対象の親展ボックスの属性情報を取得する。なお、開設対象の親展ボックスの属性情報としては、例えば開設対象の親展ボックスを使用する利用者を識別する情報(例えば利用者ID、或いは利用者の名称等)や、開設対象の親展ボックスの名称、開設対象の親展ボックスに設定する認証情報(例えば暗証番号等)が挙げられる。ステップ50では、利用者によって入力されてメモリ12Bの予め定められた領域に記憶されたこれらの属性情報を前記領域から読み出すことで取得する。
【0034】
また本実施形態では、利用者の異なる個々の親展ボックスを区別するために、個々の親展ボックスに識別番号を付与しており、次のステップ52では、既に開設済みの親展ボックスで識別番号として使用されていない番号を開設対象の親展ボックスの識別番号として採番する。なお、これに代えて、既に開設済みの親展ボックスで識別番号として使用されていない番号の中から利用者によって選択された番号を、開設対象の親展ボックスの識別番号として用いるようにしてもよい。そしてステップ54では、標準アプリケーションのプログラムに含まれている親展ボックス操作プログラムを起動させ、装置制御部12を標準アプリケーションの親展ボックス操作部30としても機能させた後に、標準アプリケーションの親展ボックス操作部30に対し、ステップ50で取得した属性情報及びステップ52で採番した識別番号を通知して標準機能用の親展ボックスの開設を指示する(図3(B)に示す「開設指示」も参照)。これにより、標準アプリケーションの親展ボックス操作部30により、記憶部12Cに当初より設けられている親展ボックス記憶領域(標準機能用親展ボックスの記憶領域)に、通知された属性情報及び識別番号が設定された親展ボックスを開設する処理が行われる(図3(B)に示す「標準機能用親展ボックス開設」も参照)。
【0035】
またステップ55では、追加アプリケーションのプログラムに含まれている親展ボックス操作プログラムを起動させ、装置制御部12を追加アプリケーションの親展ボックス操作部34としても機能させた後に、追加アプリケーションの親展ボックス操作部34に対し、ステップ50で取得した属性情報及びステップ52で採番した識別番号を通知して標準機能用の親展ボックスの開設を指示する(図3(B)に示す「開設指示」も参照)。これにより、追加アプリケーションの親展ボックス操作部34によって次のステップ56以降の処理が行われる。
【0036】
ステップ56では追加機能用の親展ボックスの開設を行うか否か判定する。本実施形態では、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されている状態で新たな親展ボックスの開設が指示された場合に、追加機能用の親展ボックスを実際に開設するか、追加機能用の親展ボックスを実際には開設せずに開設を予約する情報を登録する処理のみを行うかを事前に設定可能とされており、ステップ56の判定はこの設定を参照することで行われる。
【0037】
ステップ56の判定が肯定された場合はステップ58へ移行し、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された際に記憶部12Cに確保された追加機能用親展ボックス記憶領域に、親展ボックス操作部32から通知された属性情報及び識別番号(ステップ50で取得された属性情報及びステップ52で採番された識別番号)を設定した追加機能用親展ボックスを開設する(図3(B)に示す「追加機能用親展ボックス開設」も参照)。また本実施形態では、追加機能用親展ボックスを図4に示すような管理テーブルによって管理しており、ステップ58では、図5(A)に示す識別番号"0001","0003"の追加機能用親展ボックスの情報のように、識別番号と対応付けて暗証番号、使用者名及び親展ボックス名の各情報を管理テーブルに登録し、処理を終了する。
【0038】
また、ステップ56の判定が否定された場合はステップ60へ移行し、追加機能用親展ボックスの管理テーブルのうち、親展ボックス操作部32から通知された識別番号に対応する欄に、親展ボックス操作部32から通知された属性情報を追加機能用親展ボックスの開設予約情報として登録し、処理を終了する。本実施形態では、管理テーブルに暗証番号、使用者名及び親展ボックス名の各情報が全て登録されている状態は、対応する追加機能用親展ボックスが実際に開設されていることを表している一方、図5(A)に示す識別番号"0002"の追加機能用親展ボックスの情報のように、管理テーブルに暗証番号及び使用者名のみが登録され親展ボックス名が未登録の状態は、対応する追加機能用親展ボックスの開設が予約された状態であることを表している。このため、ステップ60で属性情報として暗証番号及び使用者名のみを管理テーブルに登録し、処理を終了する。
【0039】
このように、本実施形態では、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されている状態であっても、利用者が親展ボックスの開設を指示すれば、上述した親展ボックス開設処理により、標準機能用親展ボックスが開設されると共に、追加機能用親展ボックスについても開設されるか又は開設が予約される。
【0040】
次に、親展ボックスへのファイルの格納について説明する。親展ボックスへの格納対象のファイルが画像形成装置10に入力された場合(具体的には、例えば画情報送受信部20が親展ボックスへの格納が指示された画情報ファイルを受信した場合や、親展ボックスへの格納が指示されて画像読取部14による原稿の読み取りが行われた場合等)、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されていない状態であれば、図6(A)に示すように、標準アプリケーションに含まれる親展ボックス操作プログラムが起動されることで、装置制御部12が親展ボックス操作部30として機能する。そして、この親展ボックス操作部30により、格納対象のファイルと共に入力された暗証番号を、格納対象のファイルと共に識別番号で指定された格納先の親展ボックス(図6(A)の例では親展ボックスx)に設定されている暗証番号と照合することで、格納対象のファイルを指定された親展ボックスに格納可能か否かを判定し、格納可能と判定した場合には、格納対象のファイルを指定された親展ボックスに格納する処理が行われる。
【0041】
一方、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された場合、画像形成装置10の稼働中は親展ボックスへの格納対象のファイルの入力が制御プログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって監視され、親展ボックスへの格納対象のファイルが画像形成装置10に入力されると、制御プログラムに含まれるファイル格納プログラムが起動されることで、装置制御部12が親展ボックス操作部32(図6(B)参照)として機能し、図7に示すファイル格納処理が装置制御部12によって行われる。なお、ファイル格納処理は請求項6に記載の第2処理手段による処理の一例である。
【0042】
このファイル格納処理では、まずステップ70において、格納対象のファイルに対応する機能を認識する。例えば入力されたファイルが画情報送受信部20によって受信されたファイルであれば対応する機能は「親展FAX受信」と認識し、例えば「親展ポーリング予約」が指定されて原稿が読み取られることでファイルが入力された場合は、対応する機能は「親展ポーリング予約」と認識し、例えば「スキャン蓄積」が指定されて原稿が読み取られることでファイルが入力された場合は、対応する機能は「スキャン蓄積」と認識する。
【0043】
次のステップ72では、ステップ70で認識した機能に基づき、格納対象のファイルの格納先が標準機能用親展ボックスか否か判定する。本実施形態では、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶された際に、次の表1に示すように、標準アプリケーション又は追加アプリケーションによって提供され親展ボックスへのファイルの格納が発生する全ての機能について、ファイルの格納先が標準機能用親展ボックスか追加機能用親展ボックスかを表す情報が登録された格納先判定テーブルが記憶部12Cに記憶される。このため、ステップ72の判定は、ステップ70で認識した機能と対応付けて登録されている格納先を格納先判定テーブルから読み出すことで行うことができる。
【0044】
【表1】

【0045】
ステップ72において、格納対象のファイルの格納先が標準機能用親展ボックスと判定した場合には、ステップ72からステップ74へ移行し、標準アプリケーションのプログラムに含まれている親展ボックス操作プログラムを起動させ、装置制御部12を標準アプリケーションの親展ボックス操作部30としても機能させた後に、標準アプリケーションの親展ボックス操作部30に対し、入力された格納対象のファイルを、入力された暗証番号及び指定された格納先の親展ボックスの識別番号と共に転送し、ファイルの格納を指示してファイル格納処理を終了する。
【0046】
これにより、標準アプリケーションの親展ボックス操作部30により、格納対象のファイルと共に転送された暗証番号を、記憶部12Cの標準機能用親展ボックス記憶領域に開設されている標準機能用親展ボックスのうち、格納対象のファイルと共に転送された識別番号の標準機能用親展ボックス(図6(B)の例では親展ボックスx)に設定されている暗証番号と照合することで、格納対象のファイルを指定された標準機能用親展ボックスに格納可能か否かを判定し、格納可能と判定した場合には、格納対象のファイルを指定された識別番号の標準機能用親展ボックスに格納する処理が行われる(図6(B)に示す「ファイル格納(標準機能に対応するファイルの場合)」も参照)。
【0047】
また、ステップ72において、格納対象のファイルの格納先が追加機能用親展ボックスと判定した場合には、ステップ72からステップ75へ移行し、追加アプリケーションのプログラムに含まれている親展ボックス操作プログラムを起動させ、装置制御部12を追加アプリケーションの親展ボックス操作部34としても機能させた後に、追加アプリケーションの親展ボックス操作部34に対し、入力された格納対象のファイルを、入力された暗証番号及び指定された格納先の親展ボックスの識別番号と共に転送し、ファイルの格納を指示する。これにより、追加アプリケーションの親展ボックス操作部34によって次のステップ76以降の処理が行われる。
【0048】
ステップ76では、追加機能用親展ボックスの管理テーブルのうち指定された識別番号に対応する欄に親展ボックス名が登録されているか否かに基づいて、格納対象のファイルの格納先である追加機能用親展ボックスが開設済みか否か判定する。この判定が肯定された場合はステップ80へ移行するが、ステップ76の判定が否定された場合はステップ78へ移行し、追加機能用親展ボックスの管理テーブルのうち指定された識別番号に対応する欄から暗証番号及び使用者名を読み出し、読み出した暗証番号及び使用者名と指定された識別番号とを設定した追加機能用親展ボックスを記憶部12Cの追加機能用親展ボックス記憶領域に開設すると共に、追加機能用親展ボックスの管理テーブルのうち指定された識別番号に対応する欄に親展ボックス名を追加登録した後にステップ80へ移行する。
【0049】
ステップ80では格納が指示された追加機能用親展ボックスに設定されている属性情報(詳しくは暗証番号)を取得し、次のステップ82では、格納対象のファイルと共に入力された暗証番号をステップ80で取得した暗証番号と照合することで、格納対象のファイルを指定された追加機能用親展ボックスに格納可能か否かを判定する。照合した暗証番号が不一致の場合はステップ82の判定が否定されてステップ84へ移行し、暗証番号が不一致のため親展ボックスへファイルを格納できない旨を通知するメッセージを表示部18Aに表示し、ファイル格納処理を終了する。また、照合した暗証番号が一致していた場合はステップ82の判定が肯定されてステップ86へ移行し、格納対象のファイルを指定された識別番号の追加機能用親展ボックスに格納し、ファイル格納処理を終了する。
【0050】
このように、本実施形態では、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶され、標準機能用親展ボックスと追加機能用親展ボックスが各々開設されているか、又は、標準機能用親展ボックスが開設され追加機能用親展ボックスの開設が予約されている場合に、親展ボックスに格納するファイルが標準機能用親展ボックスと追加機能用親展ボックスの何れに格納すべきかがファイル格納処理によって判定されるので、標準機能用親展ボックスのみが開設されている場合と同様に、利用者が親展ボックスへのファイルの格納を指示するにあたり、格納先が標準機能用親展ボックスか追加機能用親展ボックスかの指定を省略することができる。
【0051】
次に、親展ボックスに格納されているファイルの情報の表示について説明する。利用者は、特定の親展ボックスに格納されているファイルの確認等を所望している場合、操作受付部18Bを操作して確認等を所望している親展ボックスの識別番号を指定し、親展ボックスに格納されているファイルの情報の表示を指示する。ここで、装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されている場合は、利用者によって上記操作が行われると、制御プログラムに含まれているファイル情報表示プログラムがCPU12Aによって実行されることで、以下のファイル情報表示処理が行われる。
【0052】
すなわち、まず記憶部12Cの標準機能用親展ボックス記憶領域に開設されている標準機能用親展ボックスのうち、利用者によって指定された識別番号が設定されている標準機能用親展ボックスを参照し、当該標準機能用親展ボックス内に格納されている各ファイルの属性情報(例えばファイル名や格納日時、ページ数等)を各々取得する。続いて、記憶部12Cの追加機能用親展ボックス記憶領域に開設されている追加機能用親展ボックスのうち、利用者によって指定された識別番号が設定されている追加機能用親展ボックスを参照し、当該追加機能用親展ボックス内に格納されている各ファイルの属性情報(例えばファイル名や格納日時、ページ数等)も各々取得する。
【0053】
そして、取得した各ファイルの属性情報に基づいて、例として図8に示すように、各ファイルの属性情報を一覧表示する親展ボックス確認/操作画面を生成し、生成した画面を表示部18Aに表示させる。図8に示すように、この親展ボックス確認/操作画面では、標準機能用親展ボックスに格納されているファイル(図8の例では文書名が"img-008"のファイル)及び追加機能用親展ボックスに格納されているファイル(図8の例では文書名が"img-001"のファイル)を、標準機能用親展ボックス及び追加機能用親展ボックスの何れに格納されているかを区別することなく一覧表示しており、標準機能用親展ボックスのみが開設されている場合と同様に、利用者が親展ボックスに確認されているファイルの情報の表示を指示するにあたり、表示対象が標準機能用親展ボックスか追加機能用親展ボックスかの指定を省略することができる。なお、上述したファイル情報表示処理は請求項7に記載の表示制御手段による処理の一例である。
【0054】
なお、上記では装置制御部12の記憶部12Cに追加プログラム群が追加記憶されている場合に、親展ボックスへの格納対象のファイルの入力が制御プログラムを実行するCPU12A(装置制御部12)によって監視され、親展ボックスへの格納対象のファイルが画像形成装置10に入力されると、格納対象のファイルの格納先が標準機能用親展ボックスか追加機能用親展ボックスかがファイル格納処理によって判定されて振り分けされる態様(請求項6の一例に相当する態様)を説明したが、本発明は上記態様に限られるものではなく、例えば「画情報送受信部20によって受信された画情報ファイルの格納先は標準機能用親展ボックス」等のように、ファイルの格納先が標準機能用親展ボックスか追加機能用親展ボックスかが格納対象のファイルの入力形態で一意に定まる等の場合には、格納先が標準機能用親展ボックスとなる入力形態でファイルが入力された場合は標準アプリケーションが起動され、格納先が追加機能用親展ボックスとなる入力形態でファイルが入力された場合は追加アプリケーションが起動されるように構成しておくことで、上記のファイル格納処理の実行を省略することも可能である。本発明はこのような態様も権利範囲に含むものである。
【0055】
また、上記では第1のアプリケーション・プログラムの一例である標準アプリケーションのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムの一例である追加アプリケーションのプログラムが装置制御部12のCPU12Aで各々実行される態様を説明したが、本発明はこの態様に限られるものでもなく、例として図9に示すように、マイクロコンピュータ等から成り、CPU42Aと、メモリ42Bと、追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム及び制御プログラムを記憶し追加機能用親展ボックス記憶領域が設けられた不揮発性の記憶部42Cと、が基板に搭載されて成る追加機能提供部42が、画像形成装置40に設けられた拡張スロットに挿入されることで、利用者へ提供可能な機能が追加される構成に本発明を適用することも可能である。この構成における追加機能提供部42は請求項1等に記載の追加コンピュータの一例であり、追加OSのプログラム、追加アプリケーションのプログラム及び制御プログラムは追加機能提供部42のCPU42Aによって実行されることになる。なお、図9の構成において、例えば制御プログラムは装置制御部12の記憶部12Cに記憶させ、CPU12Aによって実行させるように構成することも可能である。
【0056】
また、上記では本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一例としてのプログラムが装置制御部12の記憶部12Cに追加記憶される態様を説明したが、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
10,40 画像形成装置
12 装置制御部
12C 記憶部
18 操作パネル
18B 操作受付部
18A 表示部
42 追加機能提供部
42C 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオペレーティング・システムが動作している環境で内蔵コンピュータによって第1のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第1の個人領域への第1ファイルの格納又は前記第1の個人領域からの前記第1ファイルの出力を含む第1処理を行う第1処理手段と、
第2のオペレーティング・システムが動作している環境で前記内蔵コンピュータ又は前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータによって第2のアプリケーション・プログラムが実行されることで実現され、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第2の個人領域への第2ファイルの格納又は前記第2の個人領域からの前記第2ファイルの出力を含む第2処理を行う第2処理手段と、
記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされた場合に、前記第1処理手段により、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させると共に、前記第2処理手段により、前記第1の個人領域と同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させるか、又は、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の前記記憶手段の記憶領域内への開設を予約する情報を登録する処理を行わせる開設手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記開設手段は、前記第1処理手段により、前記第1の個人領域を前記内蔵コンピュータに設けられた内蔵記憶手段の記憶領域内に開設させ、前記第2処理手段により、前記第2の個人領域を前記内蔵記憶手段の記憶領域内又は前記追加コンピュータに設けられた追加記憶手段の記憶領域内に開設させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1処理手段は、前記第1処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する標準機能を実現する処理を行い、
前記第2処理手段は、前記第2処理として、前記画像形成装置が利用者へ提供する追加機能を実現する処理を行い、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムが記憶手段に追加記憶されるか、又は、少なくとも前記第2のオペレーティング・システムのプログラム及び第2のアプリケーション・プログラムを記憶する追加記憶手段が設けられた前記追加コンピュータが前記内蔵コンピュータと接続されることで前記画像形成装置に追加設置される請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1処理手段は、記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付け、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設する処理を行う機能を備えており、
前記受付手段及び前記開設手段は前記第2処理手段と共に前記画像形成装置に追加設置され、前記画像形成装置に追加設置された前記受付手段は、前記個人領域の開設指示を前記第1処理手段に代わって受け付けることで、前記個人領域を開設させる処理が前記開設手段によって行われる請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2処理手段は、前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされ、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の記憶手段の記憶領域内への開設を予約する処理を行った場合、前記第2処理として、前記開設を予約した前記第2の個人領域へ前記第2ファイルを格納する処理を含む処理を行う際に、前記開設を予約する処理を行った前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設する請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2処理手段は、個人領域に格納するファイルが入力されると、入力された前記ファイルが前記第1の個人領域へ格納すべき前記第1ファイルか前記第2個人領域へ格納すべき前記第2ファイルかを判定し、入力された前記ファイルが前記第1ファイルと判定した場合には入力された前記ファイルを前記第1処理手段へ転送し、入力された前記ファイルが前記第2ファイルと判定した場合には入力された前記ファイルを前記第2個人領域に格納する請求項1〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記受付手段は、指定された利用者識別情報が設定されている個人領域に格納中のファイルの情報の表示指示も受け付け、
前記受付手段によって前記表示指示が受け付けされた場合に、指定された前記利用者識別情報が設定された前記第1の個人領域に格納されている第1ファイルの情報を読み出すと共に、前記指定された前記利用者識別情報が設定された前記第2の個人領域に格納されている第2ファイルの情報を読み出し、読み出した情報を表示手段に各々表示させる表示制御手段を更に備えた請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
第1のオペレーティング・システムが動作している環境で第1のアプリケーション・プログラムを実行することで、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第1の個人領域への第1ファイルの格納又は前記第1の個人領域からの前記第1ファイルの出力を含む第1処理を行う第1処理手段として機能する画像形成装置の内蔵コンピュータ、又は、前記内蔵コンピュータと接続された追加コンピュータにより、第2のオペレーティング・システムが動作している環境で実行されることで、前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、記憶手段の記憶領域内に利用者単位で開設された第2の個人領域への第2ファイルの格納又は前記第2の個人領域からの前記第2ファイルの出力を含む第2処理を行う第2処理手段として機能させるための第2のアプリケーション・プログラムを含み、
前記内蔵コンピュータ又は前記追加コンピュータを、
記憶手段の記憶領域内への個人領域の開設指示を受け付ける受付手段、
及び、前記受付手段によって前記開設指示が受け付けされた場合に、前記第1処理手段により、利用者識別情報を設定した前記第1の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させると共に、前記第2処理手段により、前記第1の個人領域と同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域を記憶手段の記憶領域内に開設させるか、又は、前記同一の利用者識別情報を設定した前記第2の個人領域の前記記憶手段の記憶領域内への開設を予約する情報を登録する処理を行わせる開設手段
として機能させるための画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−239233(P2011−239233A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109574(P2010−109574)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】