説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができる画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、画像形成装置内で行われる通信の状態を監視する監視部500と、前記監視部500によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御する制御部508とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハードウエアに関する情報をソフトウエアモジュールでハンドリングし、ソフトウエア内部のモジュール間通信と同様に扱うことにより、装置に関する情報を一元管理する画像出力装置が開示されている。
特許文献2には、無線通信を行う外部装置から、複数の異なる周波数の搬送波を同一の情報を示す信号で変調して送信された複数の被変調波を周波数ごとに受信し、受信した被変調波が示す情報のうち、通信エラーが発生していない情報を用いて処理を行う通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−170628号公報
【特許文献2】特開2007−060435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[画像形成装置]
請求項1に係る本発明は、画像形成装置内で行われる通信の状態を監視する監視部と、前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御する制御部とを有する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、状態が変化した画像形成装置の動作を記憶する記憶部をさらに有し、前記制御部は、前記記憶部によって記憶された回数が予め定められた閾値を超える場合、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間には、通信が行われないようにする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記制御部は、前記記憶部によって記憶された回数が予め定められた閾値を超える場合、予め定められたデータ量に対して予め設定された通信時間から、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間を減じた時間が、予め定められたデータ量の通信に必要な時間より小さいとき、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間を短くする請求項2に記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記制御部は、前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に画像形成装置の動作に基づいて、画像データの送受信を制御する請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、画像形成装置内で発生するノイズを監視する監視部と、前記監視部によってノイズが発生したことが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御する制御部とを有する画像形成装置である。
【0010】
[プログラム]
請求項6に係る本発明は、画像形成装置のコンピュータに対し、前記画像形成装置内で行われる通信の状態を監視するステップと、通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御するステップとを実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明によれば、異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することができる。
【0012】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明によって奏される効果に加え、精度良く異常を検出することができる画像形成装置を提供することができる。
【0013】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明によって奏される効果に加え、通信を確実に行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0014】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに係る本発明によって奏される効果に加え、画像データが送受信される場合、異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項5に係る本発明によれば、異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項6に係る本発明によれば、異常の原因を特定するまでの時間を短縮することができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】図1の像形成ユニットをさらに説明する図である。
【図3】図1の装置本体制御部で動作する通信制御プログラムの構成を示す図である。
【図4】通信の状態を示すデータ信号の例である。
【図5】感光体ドラムの回転位置を示す周期の例である。
【図6】図3の通信制御プログラムをさらに説明するための図である。
【図7】装置本体制御部と像形成ユニット制御部との間の通信を制御する場合を説明するための図である。
【図8】図3の通信制御プログラムの動作(S10)を示すフローチャートである。
【図9】図1の装置本体制御部で動作する第2の通信制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明は、本発明を実施するのにあたっての一例に過ぎず、本発明が以下に説明される事項に限定されるわけではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、カラープリンタであるとして説明しているが、これ以外の装置(例えば、モノクロプリンタ、ファクシミリ及び複合機)であってもかまわない。さらには、画像形成装置以外の装置(例えば、パソコン)であってもかまわない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、装置本体10と、装置本体10に装着される操作パネル20、スキャナ30及び給紙装置40とを有する。
さらに、装置本体10は、カラー画像を構成する色ごとに設けられた像形成ユニット12Y(Yellow;イエロー)、12M(Magenta;マゼンタ)、12C(Cyan;シアン)及び12K(blacK;ブラック)などを有する。
【0020】
なお、以下の各図において、nが常に同じ数を示すとは限らないし、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
以下、「像形成ユニット12Y、12M、12C及び12K」など、複数存在しうる構成部分のいずれかが、特定されずに示される場合には、単に「像形成ユニット12」などと略記されることがある。
【0021】
また、装置本体10、像形成ユニット12及び給紙装置40は、それぞれ、制御部を有し、制御部による制御を受けて動作する。
なお、図示しないが、装置本体10の装置本体制御部100、像形成ユニット12の像形成ユニット制御部120及び給紙装置40の給紙装置制御部400は、CPU、メモリ、記憶媒体及びこれらを接続するバスなどを備える制御基板であり、ケーブル及びコネクタなどを介して、互いに通信可能に接続されている。
【0022】
装置本体10は、トナー像を形成する像形成ユニット12、像形成ユニット12からトナー像が転写される中間転写ベルト102、像形成ユニット12と対向する位置においてトナー像を用紙に転写する転写ローラ104、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部106、及び、用紙を搬送する用紙搬送路110を有する。
定着部106には、フラッシュランプ108が設けられ、フラッシュランプ108から照射される光エネルギーによってトナー像が定着される。
用紙搬送路110には、用紙搬送路110に沿って複数組の搬送ローラ112が配列される。プリント処理が施された用紙は、印字面を下にして、排出トレイ114に排出される。
【0023】
操作パネル20は、プリント処理(例えば、画像データのプリント)の命令をユーザから受け付け、受け付けたプリント処理命令を装置本体制御部100に送信する。
なお、図示しないが、操作パネル20は、ケーブル及びコネクタなどを介して、装置本体制御部100などと通信可能に接続されている。
【0024】
スキャナ30は、セットされた原稿を読み取り、読み取った内容を画像データとして装置本体制御部100に送信する。
なお、図示しないが、スキャナ30は、ケーブル及びコネクタなどを介して、装置本体制御部100と通信可能に接続されている。
【0025】
給紙装置40は給紙トレイ402を有し、給紙トレイ402には給紙ヘッド404が設けられている。装置本体制御部100によってプリント処理命令が受け付けられたことをトリガにして、給紙ヘッド404が作動し、給紙通路406を介して、給紙トレイ402から装置本体10に用紙が供給される。用紙搬送路110と同様、給紙通路406にも、給紙通路406に沿って複数組の搬送ローラ112が配列される。
なお、図示しないが、給紙装置40の装置本体10側の側面の一部は、給紙通路406を用紙搬送路110に連通させるためのガイド面として利用されている。
【0026】
図2は、図1の像形成ユニット12をさらに説明する図である。
図2に示すように、像形成ユニット12は、感光体ドラム122、帯電器124、露光器126、現像ローラ128及び転写前帯電器130を有する。
【0027】
感光体ドラム122には、表面にOPC(Organic Photo Conductor)などの光導電層が形成される。
帯電器124は、感光体ドラム122の表面に電荷を与え、一様に帯電させる。
露光器126は、レーザダイオードなどのビーム発光源を備え、帯電した感光体ドラム122の表面にビーム光を照射することにより照射部分の電荷を消失させ、出力画像に応じた静電潜像を形成する。
現像ローラ128は、出力画像に応じたトナーを感光体ドラム122に供給し、感光体ドラム122の表面の静電潜像からトナー像を作像する。
転写前帯電器130は、転写ローラ104による転写に先立ち、感光体ドラム122の表面に電荷を与え、一様に帯電させる。
【0028】
図3は、図1の装置本体制御部100で動作する通信制御プログラム50の構成を示す図である。
通信制御プログラム50は、メモリ及び記憶媒体などに記憶され、CPUによって読み出されて実行される。
図3に示すように、通信制御プログラム50は、監視部500、記憶部502、問合わせ部504、判定部506及び通信制御部508から構成される。
監視部500は、装置本体制御部100と、装置本体制御部100に接続されている像形成ユニット制御部120、給紙装置制御部400、操作パネル20及びスキャナ30などとの間の通信や、像形成ユニット制御部120間の通信の状態を監視する。
【0029】
通信の状態は、例えば、図4に示すデータ信号として監視される。
図4(A)のデータ信号が監視された場合、通信の状態は正常である。
図4(B)のデータ信号が監視された場合、データ信号にノイズが重畳されているものの、このノイズはサンプリングなどによって除去することができるので、通信の状態は正常である。
図4(C)のデータ信号が監視された場合、データ信号に除去困難なノイズが重畳されているので、通信の状態は異常である。ただし、図4(C)のデータ信号が監視された場合であっても、実際に通信異常が発生しているのではなく、画像形成装置1の構成要素で発生した異常が通信の状態に影響を及ぼしていることがある。例えば、画像形成装置1の構成要素を起動するモータの不良により、負荷電流が増加し、モータ起動時に大きな誘導ノイズが発生し、データ信号に大きなノイズが重畳されることがある。
【0030】
図3の記憶部502は、画像形成装置1の各構成要素の動作の状態に基づいて、通信の状態が異常となったタイミング(以下、「異常タイミング」)と、通信の状態が異常となった回数(以下、「異常回数」)とを対応付けて記憶する。
なお、記憶部502に記憶される情報は、画像形成装置1の電源を投入した時点や、電源を切断した時点で消去されてもよいし、ユーザが操作パネル20に対して入力した指示に基づいて消去されてもよい。また、画像形成装置1の構成要素が交換された時点で消去されてもよい。
また、消去するにあたっては、すべての異常回数及び異常タイミングを消去してもよいし、予め定められた(以下、「所定の」)閾値を超えた異常回数及びこれに対応付けられる異常タイミングのみを消去してもよい。
【0031】
監視部500によって通信の状態が異常となったことが監視されたことをトリガとして、問合せ部504は、画像形成装置1の各構成要素に動作の状態を問い合わせ、判定部506に送信する。画像形成装置1の各構成要素の動作の状態は、例えば、画像形成装置1の各構成要素からのオン又はオフのデータ信号として示される。
なお、問合せ部504は、画像形成装置1の各構成要素の動作の状態に加え、センサ(不図示)に画像形成装置1内の温度及び湿度を問い合わせてもよいし、図2の感光体ドラム122に回転位置を問い合わせてもよい。感光体ドラム122の回転位置は、例えば、図5に示すように、感光体ドラム122が1回転する周期を分割した周期(ここでは、分割周期1、分割周期2、・・・分割周期N−1及び分割周期N)として示される。
【0032】
図3の判定部506は、問合せ部504が問い合わせた画像形成装置1の各構成要素の動作の状態などに基づいて、異常タイミングを判定する。
例えば、通信の状態が異常となったことが監視されたと同時に動作の状態が変化した画像形成装置1の構成要素があれば、この構成要素による動作の状態が変化した時点を異常タイミングとする。
【0033】
さらに、判定部506は、記憶部502において、判定した異常タイミングを記憶し、判定した異常タイミングに対応する異常回数をカウントアップする。
判定部506がカウントアップした異常回数が、所定の閾値を超えた(つまり、同じ異常タイミングにおける異常回数が所定の閾値を超えた)場合には、通信制御部508は、通信を行うタイミングが制御されるよう、装置本体制御部100、像形成ユニット制御部120、給紙装置制御部400、操作パネル20及びスキャナ30などに設けられた通信インターフェース(不図示)を制御する。
【0034】
図6は、図3の通信制御プログラム50をさらに説明するための図である。
図6に示すように、画像形成装置1の各構成要素(ここでは、図2に示した、感光体ドラム122、現像ローラ128、転写前帯電器130、転写ローラ104、帯電器124、露光器126及び用紙搬送路110)が動作し、像形成ユニット制御部120K及び120Cが通信しているものとする。
【0035】
通信制御プログラム50が実行され、図3の監視部500によって、像形成ユニット制御部120間の通信の状態が異常となったことが初めて監視された場合(図中(1))、図3の問合せ部504は、画像形成装置1の各構成要素に動作の状態を問い合わせ、図3の判定部506は、異常タイミングを判定し、判定した異常タイミング(ここでは、図中(2)に示されるように、転写ローラ104が起動した時点)と異常回数(ここでは、1回)とを対応付けて図3の記憶部502に記憶する。
さらに、像形成ユニット制御部120間の通信における異常回数が所定の回数(例えば5回)を超えた場合、図3の通信制御部508は、以降の通信において、転写ローラ104の起動によって通信の状態に影響が及ぶ異常タイミングには通信が行われないよう、通信を開始する時間を遅らせる。なお、通信制御部508は、異常タイミングには通信が行われないよう、通信を行う回数を少なくしてもかまわない。
【0036】
具体的には、図中(3)に示すように、通信を開始するタイミングが、時間T1だけ遅くなるよう制御する。時間T1は、異常タイミングに対応付けられて記憶部502などに予め記憶されているものを読み出してもよいし、予め記憶された時間に対し、画像形成装置1内の温度及び湿度や、感光体ドラム122の回転位置などに応じた調整が加えられたものであってもよい。
時間T2は、所定のデータ量を通信するために理論的に必要となる時間T3よりも大きくなるよう(マージンMが含まれるよう)、予め設定されている。
特に、時間T2から時間T1を減じて得られる時間T4が時間T3よりも小さくなってしまう場合には、所定のデータの一部が通信されなくなってしまうので、時間T1を小さくして、時間T4が時間T3よりも大きくなるようにするか、時間T1においても通信が行われるようにする。なお、優先順位が高いデータから順に通信し、通信されなくなるおそれがあるのは優先順位の低いデータのみとなるようにしてもよい。
【0037】
さらに、以降の通信において、時間T1の累積時間が所定の閾値を超える場合には、操作パネル30等に警告が表示されるようにしてもよい。
また、すべての通信においてではなく、所定の通信(例えば、像形成ユニット制御部120同士の通信のみ)において時間T1の累積時間が所定の閾値を超える場合にのみ、操作パネル30等に警告が表示されるようにしてもよい。
【0038】
像形成ユニット制御部120間の通信を例に説明したが、装置本体制御部100と像形成ユニット制御部120との間の通信であっても同様である。
つまり、図7に示されるように、異常タイミングが、図1のフラッシュランプ106が発光する時点である場合には、装置本体制御部100は、フラッシュランプ106が発光している時間には、像形成ユニット制御部120にビデオデータを送信しないよう、ビデオデータを送信するタイミングを制御する。
【0039】
図8は、図3の通信制御プログラム50の動作(S10)を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、図3の監視部500によって、通信の状態が異常になったことが監視されたかどうかを判定する。通信の状態が異常となった場合には、ステップ102の処理に進み、そうでない場合には、通信の状態が異常となるまで、この判定を繰り返す。
ステップ102(S102)において、図3の問合せ部504は、図1の画像形成装置1の各構成要素に動作の状態を問い合わせる。なお、画像形成装置1の各構成要素の動作の状態に加え、画像形成装置1内の温度及び湿度や図2の感光体ドラム122の回転位置などが問い合わせられてもよい。
【0040】
ステップ104(S104)において、図3の判定部506は、ステップ102で問い合わせられた画像形成装置1の各構成要素の動作の状態などに基づいて、異常タイミングを判定する。
ステップ106(S106)において、判定部506は、図3の記憶部502において、判定した異常タイミングを記憶し、判定した異常タイミングに対応する異常回数をカウントアップする。
【0041】
ステップ108(S108)において、判定部506は、ステップ106でカウントアップした異常回数が所定の閾値を超えたか否かを判定する。所定の閾値を超えた場合には、ステップ110の処理に進み、そうでない場合には、ステップ100の処理に戻る。
ステップ110(S110)において、図3の通信制御部508は、ステップ104で判定された異常タイミングに基づいて、記憶部502などから、通信を行わない時間T1を読み出す。なお、読み出したT1に対し、画像形成装置1内の温度及び湿度や感光体ドラム122の回転位置などに応じた調整が加えられてもよい。
【0042】
ステップ112(S112)において、通信制御部508は、所定のデータ量に対して予め設定された時間T2から、ステップ110で算出した時間T1を減じ、時間T4を算出する。
ステップ114(S114)において、通信制御部508は、ステップ112で算出した時間T4が、所定のデータ量の通信に必要な時間T3よりも小さいかどうかを判定する。時間T4が時間T3よりも小さい場合には、ステップ116の処理に進み、そうでない場合には、ステップ118の処理に進む。
【0043】
ステップ116(S116)において、通信制御部508は、時間T4が時間T3よりも大きくなるよう、ステップ110で算出した時間T1を調整するか、時間T1においても通信が行われるようにする。
ステップ118(S118)において、通信制御部508は、ステップ110で読み出した時間T1(又は、ステップ116で調整した時間T1)の間に通信が行われないよう、通信を開始するタイミングを時間T1だけ遅らせるか、通信を開始するタイミングを遅らせない。
【0044】
以上、装置本体制御部100と、装置本体制御部100に接続されている像形成ユニット制御部120、給紙装置制御部400、操作パネル20及びスキャナ30などとの間の通信や、像形成ユニット制御部120間の通信の状態を監視し、通信の状態が異常となったタイミングに基づいて通信を制御するものとして説明した。
しかしながら、電源のノイズが検出された場合、ノイズの大きさによっては、通信の状態に影響が及ぶ可能性が高くなる。
そこで、画像形成装置1の電源、画像形成装置1の構成要素の電源、及び、シグナルグランドやフレームグランドなどを監視し、所定のレベル以上のノイズが検出されたタイミングに基づいて通信を制御してもかまわない。
【0045】
[変形例]
図9は、このような場合において、図1の装置本体制御部100で動作する第2の通信制御プログラム60の構成を示す図である。
図9に示すように、通信制御プログラム60は、監視部600、記憶部602、問合わせ部504、判定部604及び通信制御部508から構成される。
【0046】
監視部600は、画像形成装置1の電源、画像形成装置1の構成要素の電源、シグナルグランド及びフレームグランドを監視する。
記憶部602は、画像形成装置1の各構成要素の動作の状態に基づく、ノイズが検出されたタイミング(以下、「ノイズ検出タイミング」)と、ノイズが検出された回数(以下、「ノイズ検出回数」)とを対応付けて記憶する。
監視部600によって画像形成装置1の電源、画像形成装置1の構成要素の電源、シグナルグランド及びフレームグランドのノイズが監視されたことをトリガとして、問合せ部504は、画像形成装置1の各構成要素に動作の状態を問い合わせ、判定部604に送信する。
【0047】
判定部604は、問合せ部504が問い合わせた画像形成装置1の各構成要素の動作の状態に基づいて、ノイズ検出タイミングを判定する。さらに、判定部604は、記憶部602において、判定したノイズ検出タイミングを記憶し、判定したノイズ検出タイミングに対応するノイズ検出回数をカウントアップする。
判定部604がカウントアップしたノイズ検出回数が、所定の閾値を超えた(つまり、同じノイズ検出タイミングにおけるノイズ検出回数が所定の閾値を超えた)場合には、通信制御部508は、所定のレベル以上のノイズによって通信の状態に影響が及ぶノイズ検出タイミングには、通信が行われないよう、通信インターフェースを制御する。
【0048】
このように、通信の状態(又はノイズ)を監視し、通信の状態が異常となりやすいタイミング(又は大きなノイズが発生しやすいタイミング)においては通信を行わないことによって、実際には通信異常が発生していないにもかかわらず、画像形成装置1の構成要素の異常が通信の状態に影響を及ぼし、通信の状態が異常となってしまうことが少なくなるので、異常の原因を特定するまでの時間を短縮でき、画像形成装置1の稼働率を上げることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
10 装置本体
100 装置本体制御部
102 中間転写ベルト
104 転写ローラ
106 定着部
108 フラッシュランプ
110 用紙搬送路
112 搬送ローラ
114 排出トレイ
12 像形成ユニット
120 像形成ユニット制御部
122 感光体ドラム
124 帯電器
126 露光器
128 現像ローラ
130 転写前帯電器
20 操作パネル
30 スキャナ
40 給紙装置
400 給紙装置制御部
402 給紙トレイ
404 給紙ヘッド
406 給紙通路
50 通信制御プログラム
500 監視部
502 記憶部
504 問合せ部
506 判定部
508 通信制御部
60 第2の通信制御プログラム
600 監視部
602 記憶部
604 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置内で行われる通信の状態を監視する監視部と、
前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御する制御部と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、状態が変化した画像形成装置の動作を記憶する記憶部
をさらに有し、
前記制御部は、前記記憶部によって記憶された回数が予め定められた閾値を超える場合、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間には、通信が行われないようにする
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部によって記憶された回数が予め定められた閾値を超える場合、予め定められたデータ量に対して予め設定された通信時間から、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間を減じた時間が、予め定められたデータ量の通信に必要な時間より小さいとき、状態が変化した画像形成装置の動作に対して予め設定された時間を短くする
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記監視部によって通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に画像形成装置の動作に基づいて、画像データの送受信を制御する
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置内で発生するノイズを監視する監視部と、
前記監視部によってノイズが発生したことが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御する制御部と
を有する画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置のコンピュータに対し、
前記画像形成装置内で行われる通信の状態を監視するステップと、
通信の状態が異常であることが監視された場合には、通信の状態が異常となった時点を含む予め定められた時間内に状態が変化した画像形成装置の動作に基づいて、通信を制御するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−203454(P2011−203454A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70173(P2010−70173)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】