説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】第1画像形成装置における「戻し搬送」のときにウェブをスリップさせることに起因する第2画像形成装置でのページの位置ずれを抑えることができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】第2画像形成装置において、第1マーク検知センサ16よりもウェブ搬送方向の上流側の位置でレジストマークRmを検知する第2マーク検知センサ17を設けた。そして、第2画像形成装置における同期処理にて、第1マーク検知センサ16によってレジストマークRmを検知したときのタイミングについて、ページを同期させることが可能な同期可能タイミングよりもずれている場合に、そのずれ量に加えて、第2マーク検知センサ17によるレジストマークRmによるマーク検知タイミングにも基づいて、ウェブの搬送速度の増減量を決定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺シート状のウェブに対して画像を形成する画像形成装置や、複数の画像形成装置によってウェブにそれぞれ画像を形成する画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成システムとしては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成システムは、直列に配設された2台の画像形成装置と、それら画像形成装置の間に配設された反転装置とを備えている。長尺シート状のウェブは、前段の画像形成装置、反転装置、後段の画像形成装置に順に送られる。そして、前段の画像形成装置によって第1面に第1画像が形成された後、反転装置によって表裏を反転せしめられてから、後段の画像形成装置に送られてその第2面に第2画像が形成される。
【0003】
かかる構成の画像形成システムにおいては、古くは、ウェブとして、幅方向の両縁部にそれぞれ、ウェブ送り方向に並ぶ複数の送り孔を具備するものを用いるのが一般的であった。しかし、送り孔を具備するウェブでは、画像を形成した後に、送り孔のある両縁部を裁断する必要があり、裁断処理に手間がかかってしまうという不具合があった。
【0004】
一方、特許文献2に記載の画像形成システムにおいては、ウェブとして、送り孔のないものを用いるようになっている。送り孔のないウェブでは、送り孔を用いた定量的なウェブ搬送を行うことができないため、ウェブの表裏でページの位置が相対的にずれてしまうことがある。具体的には、複数ページにそれぞれ対応する画像をウェブに形成する場合、ウェブの搬送方向における領域を複数の仮想ページ領域に仮想分割しながら、それぞれの仮想ページ領域に画像を形成する。その仮想ページ領域が、前段の画像形成装置と、後段の画像形成装置とで相対的にずれることで、ウェブの表裏でページの位置がずれてしまうのである。
【0005】
そこで、特許文献2に記載の画像形成システムでは、前段の画像形成装置において、ウェブの搬送方向における全域のうち、各仮想ページ領域の先端位置に基準マークとしてのトナーマークをそれぞれ形成する。そして、後段の画像形成装置において、電子写真方式によって第2画像を形成する画像形成部よりもウェブ搬送方向の上流側で、仮想ページ領域の先端に付されたトナーマークをマーク検知センサによって検知する。このタイミングが、その仮想ページ領域の先端を、転写位置において、既に第2画像の光書込処理や現像処理を開始している感光体のページ先端領域に同期させるのに適した適正タイミングである場合には、そのままの搬送速度でウェブを搬送する。
【0006】
一方、前記タイミングと適正タイミングとにずれがある場合には、ウェブの搬送速度について必要増減量を算出する。この必要増減量は、トナーマークを検知した仮想ページ領域よりも1つ後の仮想ページ領域について、適正タイミングでそのトナーマークを検知するようになるためにはウェブの搬送速度をどの程度増減すればよいのかを示すものである。前述のずれと、仮想ページ領域の搬送方向の長さと、現在のウェブ搬送速度とに基づいて算出される。後段の画像形成装置は、その算出結果に応じてウェブの搬送速度を増減することで、1つ後の仮想ページ領域のトナーマークを適正タイミングで検知されるようにする。これにより、ウェブにおける表裏でのページの位置ずれを抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この画像形成システムであっても、前段の画像形成装置における「戻し搬送」の際にウェブのスリップを引き起こすと、ウェブの表裏でのページの位置ずれを引き起こしてしまうことがあった。かかるページの位置ずれが発生する理由について、以下に詳述する。
【0008】
前段の画像形成装置や、後段の画像形成装置では、連続プリント動作において、ウェブの複数の仮想ページ領域にそれぞれ対応する複数の画像を感光体の周面上に連続的に形成していく。そして、それらの画像を感光体からウェブの複数の仮想ページ領域に連続的に転写していく。作業員の休憩などの目的から、連続プリント動作を停止させる際には、画像形成装置内において、最終の画像を転写した仮想ページ領域の後端を、転写位置よりも下流側まで搬送する。その後端は、連続プリント動作を再開したときにおける先頭の仮想ページ領域(以下、「次回の先頭仮想ページ領域」という)の先端になる。つまり、連続プリント動作を停止させると、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を転写位置よりも下流側まで搬送してしまうことになるが、このままの状態では、連続プリント動作の再開時に「次回の先頭仮想ページ領域」に対して、感光体上の画像を転写することができない。
【0009】
このため、連続プリント動作を再開するときには、まず、ジョブ開始に先立ってウェブにおける「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を転写位置よりも上流側まで逆搬送するいわゆる「戻し搬送」を行う。起動時に必要な感光体の助走距離の分だけ、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を転写位置よりも上流側に戻すのである。その距離は比較的長くなる。必要な戻し搬送距離を算出し、算出結果に対応する時間だけ搬送ローラを逆駆動して「次回の先頭仮想ページ領域」を「戻し搬送」するのであるが、比較的長い距離であることから、その間にウェブの微妙なスリップを発生させることがある。「戻し搬送」の際にこのようなスリップを発生させると、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を本来よりも転写ニップ側にずらした位置で「戻し搬送」を停止させることになる。また、厚紙ロール紙など、ウェブの厚さによって巻き戻し時のローラ側の外形寸法が大きくなることなどの要因により、戻し量が意図した戻し量よりも大きくなってしまうこともある。この場合には、本来よりも搬送方向の上流側にずれた位置で停止することになる。
【0010】
このようなずれは、前段、後段の何れの画像形成装置においても発生するが、前段の画像形成装置で発生すると、トナーマークの形成間隔を仮想ページ領域の理論上の長さよりも大きくしてしまう。具体的には、前段の画像形成装置において、前述のように「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を本来よりも転写ニップ側にずらした状態でジョブを開始すると、転写位置においてその先端よりも後側にずれた箇所を、感光体表面上のページ先端位置に同期させる。そして、その箇所を「次回の先頭仮想ページ領域」の先端とみなして、その箇所にトナーマークを形成してしまう。すると、「次回の先頭仮想ページ領域」の1つ前の仮想ページ領域の先端と、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端との距離を、仮想ページ領域の理論上の長さよりも大きくしてしまう。これにより、1つ前の仮想ページ領域の長さを理論上の長さよりも大きくしてしまうのである。これに対し、巻き戻し量が本来よりも大きい場合は、1つ前の仮想ページ領域の長さを理論上の長さよりも小さくしてしまう。
【0011】
一方、後段の画像形成装置は、前段の画像形成装置とは独立した制御でプリント動作を行うようになっている。前段の画像形成装置と、後段の画像形成装置との間の領域においては、前段の画像形成装置〜後段の画像形成装置間の配置距離と、仮想ページ領域の理論上の長さとによって決まるページ数分だけ、仮想ページ領域をストックすることが可能である。このため、比較的短い時間であれば、前段の画像形成装置だけを停止させることも可能である。
【0012】
このように前段の画像形成装置とは独立した制御で動作する後段の画像形成装置は、転写位置よりも上流側に配設されたマーク検知センサによってウェブに記録されているトナーマークを検知する。このマーク検知タイミングが、所定の適正タイミングからずれていたとする。すると、そのままでは、トナーマークを検知した仮想ページ領域や、それよりも後の仮想ページ領域において、それらの先端を感光体上のページ先端位置に同期させることができずに、ページの位置ずれを引き起こしてしまう。
【0013】
そこで、後段の画像形成装置は、マーク検知タイミングが適正タイミングからずれている場合には、トナーマークを検知した仮想ページ領域よりも1つ後にある仮想ページ領域のトナーマークを、転写位置で感光体上のページ先端位置に同期させるようにする。具体的には、マーク検知タイミングの直後に、マーク検知タイミングと適正タイミングとのずれ量に応じた分だけウェブ搬送速度を増減させて、1つ後の仮想ページ領域のトナーマークを適正タイミングで検知できるようにする。このとき、ウェブ搬送速度の増減量については、前記ずれ量と、仮想ページ領域の理論上の長さと、現在のウェブ搬送速度とに基づいて算出する。1つ後の仮想ページ領域の長さが、理論上の長さと同じになっていれば、算出結果に応じてウェブ搬送速度を増減させることで、1つ後の仮想ページ領域のトナーマークを適正タイミングで検知して、1つ後の仮想ページ領域やそれ以降の仮想ページ領域のページ位置ずれを解消することができる。ところが、1つ後の仮想ページ領域の長さが「戻し搬送」のときのウェブスリップに起因して理論上の長さよりも大きくなっていると、理論上の長さに基づいて算出される前述の増減量が適切な値からずれてしまう。このずれにより、1つ後の仮想ページ領域の先端を転写位置で感光体上のページ先端位置に適切に同期させることができずに、ページの位置ずれを引き起こしてしまうのである。
【0014】
これまで、前段の画像形成でウェブのおもて面に第1画像を形成した後、後段の画像形成でウェブの裏面に第2画像を形成する画像形成システムにおいて生ずる問題について説明してきたが、次のような構成においても、同様の問題が生じ得る。即ち、前段、後段の画像形成でそれぞれ、ウェブの同じ面に第1画像と第2画像と形成する構成である。
【0015】
また、電子写真方式で画像を形成する画像形成システムについて説明してきたが、インクジェット方式や、特許文献3等で開示されている直接記録方式で画像を形成する画像形成システムにおいても、同様の問題が生じ得る。
【0016】
また、互いに独立した2つの画像形成装置を用いる画像形成システムについて説明してきたが、第1画像を記録するための第1画像記録手段と、第2画像を記録するための第2画像記録手段とを、1つの筐体内に設けた画像形成装置においても、同様の問題が生じ得る。
【0017】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前段の画像形成装置における「戻し搬送」のときにウェブをスリップさせることに起因するページの位置ずれを抑えることができる画像形成装置や画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、長尺シート状のウェブをその長手方向に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるウェブの搬送方向における領域を複数の仮想ページ領域に仮想的に分割しながら、それぞれの仮想ページ領域に第1画像を記録する第1画像記録手段と、前記第1画像記録手段によって仮想的に分割された複数の前記仮想ページ領域のそれぞれ前記搬送方向における所定位置に所定の基準マークを記録する基準マーク記録手段と、前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後の複数の前記仮想ページ領域に対してそれぞれ第2画像を記録する第2画像記録手段と、前記全域のうち、前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後、前記第2画像記録手段に進入する前の領域に対向する位置で前記基準マークを検知するマーク検知手段と、前記マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングと、所定の適正タイミングとのずれ量に基づいて、前記基準マークが検知された前記仮想ページ領域よりも後にある仮想ページ領域である後方仮想ページ領域について、その前記基準マークを前記適正タイミングで検知するために必要なウェブの搬送速度の増減量を算出し、算出結果に基づいて前記搬送速度を調整することで、前記後方仮想ページ領域の先端と、前記第2画像記録手段によって新たに仮想される仮想ページ領域の先端との同期を図る同期処理を実施する同期処理手段とを備える画像形成装置において、前記マーク検知手段たる第1マーク検知手段よりもウェブ搬送方向の上流側の位置で前記基準マークを検知する第2マーク検知手段を設けるとともに、前記同期処理にて、前記ずれ量に加えて、前記第2マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングにも基づいて、前記増減量を算出する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、仮想ページ領域の所定位置に記録された基準マークを、第1マーク検知手段によって検知することに加えて、第1マーク検知手段よりもウェブ搬送方向の上流側に配設された第2マーク検知手段によっても検知する。個々の基準マークが第2マーク検知手段の位置から第1マーク検知手段の位置まで移動する距離は、基準マークの形成間隔にかかわらず、所定距離のまま一定である。第1画像記録手段における「戻し搬送」に起因して、基準マークの形成間隔が仮想ページ領域の理論上の長さよりも大きくなっていたとしても、その所定距離に基づけば、ウェブ搬送速度の適切な増減量を算出することが可能である。具体的には、第1マーク検知手段によるマーク検知タイミングの適正タイミングからのずれ量と、前記所定距離とに基づいて、第1マーク検知手段によって基準マークを検知した仮想ページ領域よりも1つ後の仮想ページ領域の基準マークを、第2マーク検知手段の位置から前記所定距離だけ移動させる間に、ウェブ搬送速度をどの程度増減すればよいのかを算出すればよい。このような算出により、基準マークの形成間隔にかかわらず、第1マーク検知手段によって基準マークを検知した仮想ページ領域よりも1つ後の仮想ページ領域の先端を、第2画像記録手段によって形成される第2画像のページ先端位置に適切に同期させることが可能になる。よって、前段の画像形成装置における「戻し搬送」のときにウェブをスリップさせることに起因するページの位置ずれを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係る画像形成システムに具備される2台の画像形成装置のうち、何れか一方を示す概略構成図。
【図2】同画像形成装置におけるガイド機構を拡大して示す拡大構成図。
【図3】同ガイド機構を示す正面図。
【図4】同画像形成装置における蛇行検出センサを示す斜視図。
【図5】「前段機」においてウェブWに仮想設定される仮想ページ領域を説明するための模式図。
【図6】実施形態に係る画像形成システムを示す全体構成図。
【図7】同画像形成システムの第2画像形成装置における転写ポイントの周辺を拡大して示す拡大模式図。
【図8】同第2画像形成装置における各種信号の発生タイミングを示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した画像形成システムの一実施形態として、電子写真方式の画像形成装置を2台並べた画像形成システムについて説明する。
まず、実施形態に係る画像形成システムの基本的な構成について説明する。
図1は、本画像形成システムに具備される2台の画像形成装置のうち、何れか一方を示す概略構成図である。同図の画像形成装置200において、ウェブWは、紙、プラスチックなどからなる長尺シート状の記録媒体である。このウェブWは、図示しない給送装置にストックされており、給送装置から送り出された後、画像形成装置200のガイドローラ1に向けて送り込まれる。そして、従動回転するガイドローラ1に掛け回された後、ウェブバッファ機構2に向けて搬送される。
【0022】
ウェブバッファ機構2は、ウェブ蓄積部2a、掛け回しローラ2b、圧接ローラ2c、強制停止レベルセンサ2d、上限レベルセンサ2e、通常レベルセンサ2f、下限レベルセンサ2g、軸2h、錘2iなどを有している。掛け回しローラ2bは、自らよりも鉛直方向下方に存在しているガイドローラ1から搬送されてくるウェブWを自らに掛け回しながら、その搬送方向を、上昇方向から下降方向に反転させるものである。また、圧接ローラ2cは、掛け回しローラ2bに圧接してニップを形成しながら、掛け回しローラ2bによって搬送方向を反転せしめられた後のウェブWをニップに挟み込むものである。このニップを通過したウェブWは、ある程度まで下降した位置で、後述する搬送ローラ対(8,9)によって引っ張り上げられる。より詳しくは、掛け回しローラ2bとほぼ同じ高さレベルには、後述するガイド機構3が設けられている。また、搬送ローラ対(8,9)は掛け回しローラ2bやガイド機構3よりも上方に設けられている。掛け回しローラ2bに対する掛け回し位置を通過したウェブWは、その後、ガイド機構3と、いくつかの機器とを通過した後、搬送ローラ対(8,9)に至る。このような搬送経路において、ウェブWは、掛け回しローラ2bとガイド機構3との間で大きな弛みをもつ姿勢になっている。この弛みの領域において、ウェブWは、掛け回しローラ2bを通過した直後に自重によって下降した後、ある程度のレベルまで下降すると、搬送ローラ対(8,9)によってガイド機構3に向けて引っ張り挙げられるのである。このような弛みをもたせるための空間が、ウェブ蓄積部2aである。
【0023】
圧接ローラ2cは、掛け回しローラ2bに対する圧接力を調節するための調節機構に保持されている。この調節機構は、圧接ローラ2cを回転自在に支持する軸受けに固定された軸2h上における錘2iの位置に応じて、錘2iの荷重による圧接ローラ2cの掛け回しローラ2bに向けての押圧力を調節することで、前記圧接力を調節するものである。錘2iについては、手作業で位置を調節するようになっている。
【0024】
蓄積部2aの側方には、ウェブWの弛み領域における下降から上昇への折り返し箇所のレベル(以下、「折り返しレベル」という)を監視するための4つのレベルセンサ(2d〜2g)が配設されている。これらレベルセンサは何れも透過型光学センサからなるものであり、「折り返しレベル」が自らのレベルよりも下にある場合には、自らの発光素子から受光素子に向けての光路がウェブWによって遮られることから、受光素子による受光が阻止される。これにより、「折り返しレベル」について自らよりも下にあることを検知する。一方、「折り返しレベル」が自らのレベルよりも上にある場合には、自らの発光素子から受光素子に向けての光路がウェブWによって遮られないことから、発光素子からの光を受光素子によって受光する。これにより、「折り返しレベル」について自らよりも上にあることを検知する。
【0025】
ウェブWの「折り返しレベル」は、通常レベルセンサ2fのレベルの付近になるように制御される。具体的には、下限レベルセンサ2gによって「折り返しレベル」が下限レベルよりも下になったことが検知されると、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が減速せしめられる。これにより、掛け回しローラ2bによるウェブWの送り速度が、搬送ローラ対(8,9)によるウェブWの引っ張り上げ速度よりも遅くなることから、「折り返しレベル」が徐々に上昇していく。その後、下限レベルセンサ2gによる下限レベルの検知がなされなくなると、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が通常速度に戻される。
【0026】
一方、上限レベルセンサ2eによって「折り返しレベル」が上限レベルよりも上になったことが検知されると、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が高速に切り替えられる。これにより、掛け回しローラ2bによるウェブWの送り速度が、搬送ローラ対(8,9)によるウェブWの引っ張り上げ速度よりも速くなることから、「折り返しレベル」が徐々に下降していく。その後、上限レベルセンサ2eによる上限レベルの検知がなされなくなると、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が通常速度に戻される。
【0027】
なお、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が高速に切り替えられた場合であっても、掛け回しローラ2bや圧接ローラ2cに摩耗が発生していたり、圧接ローラ2cの圧接力が適切でなかったりしていると、上記送り速度が上記引っ張り上げ速度よりも速くならないことがある。この場合、掛け回しローラ2bの回転駆動速度が高速になっているにもかかわらず、「折り返しレベル」が更に上昇していき、やがて、強制停止レベルに達する。この場合、強制停止レベルセンサ2dによって「折り返しレベル」が強制停止レベルよりも上になったことが検知されて、プリント動作が強制停止される。これにより、弛みを無くしてウェブ張力を異常に高めてしまうことによるウェブWの破断を回避する。
【0028】
蓄積部2aを通過したウェブWは、ガイド機構3に進入する。ガイド機構3は、図2に示されるように、第1シャフト3aと、第1シャフト3aよりも上方に配設された第2シャフト3bとを具備しており、ウェブWは、第1シャフト3aの周面のうち、図中で8時〜10時あたりに相当する領域に掛け回された後、第2シャフト3bの周面のうち、図中で2時〜4時あたりに相当する領域に掛け回される。それらシャフトの軸線方向における両端部にはそれぞれ、図3に示されるように、ウェブWの幅方向の両縁にそれぞれ個別に突き当たることでウェブWの幅方向の位置を規制する規制部材3c,3dが設けられている。2つの規制部材3c,3dのうち、少なくとも何れか一方については、シャフト軸線方向に沿って移動可能に構成することが望ましい。何れか一方のシャフト軸線方向における位置を調整することで、様々な幅のウェブに対応することが可能になるからである。そこで、画像形成装置200においては、図3に示されるように、規制部材3cについてはシャフト軸線方向に移動不能に構成しているが、規制部材3dについてはシャフト軸線方向い移動可能に構成している。規制部材3cのシャフト軸線方向の位置を手作業で調整することで、様々な幅のウェブWをセットすることができるようになっている。
【0029】
図1において、ガイド機構3を通過したウェブWは、異物除去機構4に送り込まれる。異物除去機構4は、互いに狭小の間隙(ナローギャップ)を介して対向する1対のシャフト(4a,4b)からなる除去シャフト対と、除去シャフト対よりもウェブ搬送方向の上流側に配設された除去入口シャフト4cと、除去シャフト対よりも下流側に配設された除去出口シャフト4dとを有している。除去入口シャフト4c及び除去出口シャフト4dは、両者間に超過しているウェブ箇所を、除去シャフト対のナローギャップにスムーズに案内するためのものである。ウェブWには紙粉や塵埃などの異物が付着している場合があり、大きな塊状の異物を付着させたままのウェブを後述の作像部10に送り込むと、異物によって作像部10内の部品(例えば感光体101)に傷を付けてしまうおそれがある。前述の除去シャフト対における上記ナローギャップは、このような異物の浸入を阻止する大きさに設定されている。ウェブWの表面に強固に付着している異物がナローギャップで除去シャフト対のシャフト(4a,4b)に引っ掛かっても、ウェブ表面から剥がれない場合には、搬送中のウェブWに大きな張力がかかってウェブが破断する。これにより、作像部10内の部品の損傷等が未然に防止される。
【0030】
なお、画像形成装置200においては、ナローギャップを0.5[mm]程度に設定しているが、ナローギャップの寸法はこの数値に限定されるものではなく、ウェブWの厚さや、搬送経路の形状などに応じて適宜設定されるものである。
【0031】
異物除去機構4を通過したウェブWは、張力付与機構5に送り込まれる。張力付与機構5は、従動回転可能に設けられた入口ドラム5aと、入口ドラム5aに圧接する圧接ローラ5bと、揺動アーム5dによって揺動可能に支持される張力付与ドラム5cとを有している。なお、入口ドラム5aを従動回転可能に構成せずに、回転不能に構成してもよい。
【0032】
図1においては、圧接ローラ5bを1つしか示していないが、圧接ローラ5bは、図紙面に直交する方向(ドラム軸線方向)に沿って複数のものが並べられている。これら圧接ローラ5bは、入口ドラム5aにおける軸線方向の互いに異なる領域に圧接しながら従動回転する。
【0033】
張力付与ドラム5cは、揺動アーム5dの自由端側によって回転可能に支持されている。張力付与ドラムが揺動アーム5dを介してバネ5eによって付勢されることで、ウェブWに張力を付与する。ウェブWの挙動に応じて揺動アーム5dが自在に揺動することで、ウェブWの張力が一定に保たれる。張力付与機構5を通過したウェブWは、ガイドシャフト6やガイド板7を経て、搬送ローラ対(8,9)に至る。搬送ローラ対(8,9)は、回転駆動される駆動ローラ8と、バネ9aによって付勢されながら駆動ローラ8に当接して搬送ニップを形成する従動ローラ9とを具備している。そして、搬送ニップに挟み込んだウェブWを、駆動ローラ8の回転駆動によって上述の蓄積部2aから引っ張り上げながら、作像部10に向けて送り込む。
【0034】
作像部10は、潜像担持体としての感光体101、帯電装置102、光書込装置103、現像装置104、転写チャージャー105、クリーニングブラシ106などを有している。図中時計回り方向に回転駆動される感光体101の表面は、帯電装置102によって一様に帯電せしめられる。本プリンタでは、帯電装置102によって感光体101の表面をトナーの帯電極性と同極のマイナス極性に帯電させている。
【0035】
帯電装置102によって一様に帯電せしめられた感光体101の表面に対しては、光書込装置103から発せられる書込光による光走査が行われる。光書込装置103は、外部の図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードを駆動して感光体101に対する光走査を行う。感光体101における一様帯電された表面の全域のうち、書込光の照射を受けた箇所は電位を減衰させる。これにより、感光体101の表面に静電潜像が形成される。
【0036】
この静電潜像は、現像装置104によって現像されてトナー像になる。現像装置104は、トナー粉末と磁性キャリアとを含有する図示しない現像剤を内包しており、この現像剤を複数の現像ローラの表面にそれぞれ担持する。そして、現像ローラに内包される図示しないマグネットローラの磁力によってローラ表面上で穂立ちした現像剤を、感光体101の表面に摺擦させる。このようにして感光体101の表面と摺擦する現像剤中のトナーは、現像ローラに印加される現像バイアスと、感光体101の静電潜像の電位との電位差で生ずる現像ポテンシャルにより、現像剤中の磁性キャリア表面から離脱して感光体101の静電潜像に転移する。これにより、静電潜像が現像されてトナー像になる。
【0037】
現像装置104内の現像剤のトナー濃度は、現像に伴って低下する。現像装置104内の現像剤のトナー濃度は、透磁率センサ等のトナー濃度センサによって検知される。この検知結果は、図示しないトナー補給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、トナー補給装置は、トナー濃度センサからの検知結果を所定の目標値に一致させるように、適当なタイミング及び駆動時間で駆動されて、現像装置104内に対して適量のトナーを補給する。このようなトナー補給制御により、現像装置104内の現像剤のトナー濃度が、所定の目標濃度の付近に維持される。
【0038】
作像部10に送り込まれたウェブWは、感光体101の周方向における全領域のうち、現像装置104との対向位置を通過した直後の領域と、転写チャージャー105との間に形成された転写ギャップに進入する。転写位置である転写ギャップでは、転写チャージャー105と感光体101の静電潜像との間に、トナーを感光体側から転写チャージャー側に静電移動させる転写電界が形成される。この転写電界の作用により、感光体101上のトナー像がウェブWの表面に静電転写される。
【0039】
転写チャージャー105との対向位置を通過した感光体101表面には、ウェブWに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニングブラシ106によって感光体101表面から除去される。このようにして転写残トナーのクリーニングが施された感光体101表面は、帯電装置102によって再び一様に帯電せしめられる。
【0040】
転写ギャップを通過したウェブWは、無端移動する搬送ベルト11によって後段へと搬送されて行く。搬送ベルト11は、ループ内側に配設された駆動ローラ11aと従動ローラ11bとにそれぞれ掛け回された状態で、駆動ローラ11aの回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動する。そして、図示しない電荷付与手段から付与された電荷による電界で自らのおもて面にウェブWを吸着させて、後述するバッファープレート12に向けて搬送する。
【0041】
搬送ベルト11から送り出されたウェブWは、バッファープレート12を経て定着装置13に送り込まれる。定着装置13に到達したウェブWは、プレヒータ13aによって予熱された後、加熱ローラ13bと加圧ローラ13cの当接による定着ニップで加熱及び加圧されながら挟持搬送される。この加熱及び加圧により、トナー像が表面上のトナー像が定着せしめられる。
【0042】
定着装置13は、定着ニップよりもウェブ搬送方向の上流側に、蛇行検出センサ13dを有している。蛇行検出センサ13dは、図4に示されるように、ウェブWの幅方向の一端部に対しておもて面側から対向するLEDと、同一端部に対して裏面側から対向する第1フォトダイオード131及び第2フォトダイオード132とを具備している。ウェブWが幅方向において画像形成装置200のフロント側(以下「OP側」という)、リア側(以下、「反OP側」という)の何れにも寄らずに、中央の位置で走行すると、第1フォトダイオード131による受光量がゼロになるとともに、第2フォトダイオード132による受光量が標準値になる。また、ウェブWが幅方向において「OP側」に寄って走行すると、第1フォトダイオード131による受光量がゼロになるとともに、第2フォトダイオード132による受光量が標準値よりも少なくなる。また、ウェブWが幅方向において「反OP側」に寄って走行すると、第2フォトダイオード132の受光量が標準値になるとともに、第1フォトダイオード131もLED光を受光するようになる。このとき、ベルトの「反OP側」への寄り量が増加するほど、第1フォトダイオード131による受光量も増加する。図示しない制御部は、このような2つのフォトダイオードにおけるそれぞれの受光量の挙動に基づいて、ウェブWの蛇行量を検知する。そして、検知結果に基づいて、加熱ローラ13bに対する加圧ローラ13cの圧接力を軸線方向の一端側と他端側とで独立に調整することで、片寄った状態で走行しているウェブWの走行位置を中央側に矯正する。
【0043】
バッファープレート12は、搬送ベルト11と定着ニップとの間において、両者の搬送速度差に起因してウェブWの張力に変動が起きた場合に、その変動に応じて自らの姿勢を変化させるものである。張力が通常値よりも弱まった場合には、バッファープレート12が姿勢の変化によって自らの自由端をニュートラルポジションよりも上方に移動させる。この移動を検知した制御部は、定着装置13の加熱ローラ13bの回転速度を速めて、バッファープレート12の自由端をニュートラルポジションまで下降させる。一方、張力が通常値よりも強くなった場合には、バッファープレート12が姿勢の変化によって自らの自由端をニュートラルポジションよりも下方に移動させる。この移動を検知した制御部は、定着装置13の加熱ローラ13bの回転速度を遅くして、バッファープレート12の自由端をニュートラルポジションまで上昇させる。このような制御により、ウェブWに一定の張力をかけるようになっている。
【0044】
定着装置13の定着ニップを通過したウェブWは、送出しローラ14によってスイングフィン15に向けて送られる。画像形成装置200が、単体で用いられる場合や、2台直列構成の後段の画像形成装置として用いられる場合には、ウェブWはスイングフィン15の振り子動作によって振られることで、画像形成装置200のストック部内に折り畳まれた状態でストックされる。これに対し、画像形成装置200が、2台直列構成の後段の画像形成装置として用いられる場合には、スイングフィン15の振り子動作は行われず、スイングフィン15との接触位置を通過したウェブWは、図示しない後段の画像形成装置に向けて送り出される(図示の状態)。
【0045】
張力付与機構5と、搬送ローラ対(8,9)との間には、第1マーク検知センサ16、及び第2マーク検知センサ17が配設されている。これらは何れも、画像形成装置を2台直列で配設した画像形成システムにおける後段の画像形成装置(以下、「後段機」)において必要になるものである。前段の画像形成装置(以下、「前段機」という)として専用に使用されるものであれば、第1マーク検知センサ16、及び第2マーク検知センサ17は何れも不要である。
【0046】
図5は、「前段機」においてウェブWに仮想設定される仮想ページ領域を説明するための模式図である。同図では、印刷すべき各ページデータ画像を連続出力する連続プリント動作において仮想設定される6つの仮想ページ領域のうち、3枚目に対応する第3仮想ページ領域PL3から、6枚目に対応する第6仮想ページ領域までを示している。「前段機」の作像部10は、それぞれの仮想ページ領域に対して画像情報に基づく第1画像Imを転写する他に、基準マークとしてのレジストマークRmを仮想ページ領域の先端位置に転写する(同図では第3レジストマークRm3〜第6レジストマークRm6)。このように、「前段機」の作像部10が第1画像Imを転写した仮想ページ領域の先端にレジストマークRmを転写することで、「後段機」は、それら仮想ページ領域の先端位置を把握することが可能になる。図1に示される第1マーク検知センサ16や第2マーク検知センサ17は、何れも反射型フォトセンサからなり、「前段機」の作像部10によって仮想ページ領域の先端に転写されたレジストマークRmを検知するものである。なお、第2マーク検知センサ17は、第1マーク検知センサ16よりもウェブ搬送方向の上流側で、レジストマークRmを検知する。
【0047】
なお、本実施形態では、「前段機」として使用する画像形成装置200の作像部10を、第1画像を記録する第1画像記録手段として機能させる他に、基準マークたるレジストマークRmを記録する基準マーク記録手段としても機能させている。第1画像記録手段たる作像部10とは別に、レジストマークRmを記録する基準マーク記録手段を設けてもよい。
【0048】
また、仮想ページ領域は、長尺のウェブが複数の短尺シートに分割されると想定した場合におけるそれぞれの短尺シートに対応する領域であり、先行する仮想ページ領域の後端と、後続の仮想ページ領域の先端との間に余白が設けられることはない。また、仮想ページ領域の幅は、ウェブの幅と同じであり、幅方向において、仮想ページ領域の端と、ウェブの端との間に余白が設けられることはない。
【0049】
図6は、実施形態に係る画像形成システムを示す全体構成図である。実施形態に係る画像形成システムは、図1に示される画像形成装置200と同様の構成の第1画像形成装置200A及び第2画像形成装置200Bを備えている。第1画像形成装置200Aや第2画像形成装置200Bは、ユーザーによって行われるセッティング操作や、連絡通信機80から送られてくる制御信号などに応じて、互いに完全に独立して画像形成動作を行ったり、互いに連携した画像形成動作を行ったりする。
【0050】
例えば、ウェブWの片面だけに第1画像を形成する片面モードのプリント需要が高い場合には、ユーザーは、第1画像形成装置200Aと、第2画像形成装置200Bとをそれぞれ独立させた状態で、それぞれを片面プリント用の装置として別々に使用する。この場合、第1画像形成装置200A、第2画像形成装置200Bのそれぞれに対して、ウェブWをセットする。また、それぞれの画像形成装置に対し、画像情報を個別に送信する。
【0051】
また、ウェブWの両面にそれぞれ画像を形成する両面モードのプリント需要が高い場合には、ユーザーは、第1画像形成装置200Aと、第2画像形成装置200Bとを連携させて、両面プリントを行う。具体的には、それら2台の画像形成装置のうち、第1画像形成装置200AによってウェブWの第1面に第1画像を形成した後、第2画像形成装置200BによってウェブWの第2面に第2画像を形成する。両面モードにおいて、ユーザーは第1画像の画像情報及び第2画像の画像情報を連絡通信機80に送り、連絡通信機80が第1画像の画像情報を第1画像形成装置200Aに送りつつ、第2画像用の画像情報を第2画像形成装置200Bに送る。
【0052】
ユーザーは、両面モードのプリントを行うのに先立って、次のようなセッティング操作を行う。即ち、第1画像形成装置200Aの紙送りボタンを押して、ウェブWを白紙のままの状態で第1画像形成装置200Aから送り出す。そして、送り出されたウェブWの先端を、図6に示される反転装置90に通して、その上下面を反転させた後、第2画像形成装置200Bにセットする。
【0053】
両面モードにおいては、ウェブWをできるだけ無駄なく使用するための、仮停止実行モードをユーザーの希望に応じて設定することが可能である。仮停止実行モードが設定されていると、第2画像形成装置200Bによる第2画像形成のためのプリントジョブの一部が先送りされる。具体的には、第1画像形成装置200Aにより、最終ページの第1画像がウェブWに記録されると、プリントジョブが直ちに仮停止される。この状態では、ウェブWにおいて、既に第1画像が記録されている複数の仮想ページ領域のうち、いくつかの仮想ページ領域は、まだ第2画像形成装置200Bに送り込まれていない。本来であれば、それらの仮想ページ領域を第2画像形成装置200Bに送り込んで、それらの仮想ページ領域に第2画像を記録してから、プリントジョブを停止させるべきである。しかしながら、このようにして停止させると、第1画像形成装置200Aと第2画像形成装置200Bとの間に、送ったかなりの長さの白紙領域を無駄にしてしまう。そこで、仮停止実行モードでは、第1画像形成装置200Aで最終ページの第1画像をウェブWに転写した直後に、プリントジョブを仮停止させる。この時点で、まだウェブWに記録していない第2画像の画像情報については、第2画像形成装置200Bの制御部がデータ記憶回路内に記憶しておく。そして、次にプリントジョブを開始したときに、前回のプリントジョブで記録しなかった第2画像を第2画像形成装置200BによってウェブWに形成しながら、新たな第1画像を第1画像形成装置200AによってウェブWに形成する。
【0054】
このように、両面モードのプリントジョブを仮停止させた後に、新たに両面モードのプリントジョブを開始する際には、プリントジョブに先立って、「戻し搬送」が行われる。具体的には、図1において、搬送ローラ対の駆動ローラ8には、図示しないロータリーエンコーダが取り付けられている。第1画像形成装置200Aの図示しない制御部は、両面モードのプリントジョブを仮停止させる際に、最後のページに対応するCPF信号(詳細は後述する)の立ち下がりタイミングから、ウェブWの搬送を停止させるまでの駆動ローラ8の回転量を計測する。この計測結果から、ウェブWにおける最後の第1画像を記録した仮想ページ領域に続く「次回の先頭仮想ページ領域」の先端について、第1画像形成装置200Bの作像部10の転写ギャップからどの程度離れた位置で停止したのかを把握し、その結果(以下、先頭ページ先端停止位置という)を記憶する。仮停止後の次回のプリント動作においては、まず立ち上げ動作が行われる。その立ち上げ動作による感光体101の表面移動量を、以下、助走距離という。ジョブ開始時には、転写ギャップよりも助走距離の分だけ上流側にシフトした場所に「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を位置させておく必要がある(以下、この位置を「先端スタンバイ位置」という)。ところが、次回のプリント動作の開始時は、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端は、「先端スタンバイ位置」よりも下流側の「先頭ページ停止位置」に存在している。そこで、制御部は、「先端スタンバイ位置」から「先頭ページ停止位置」までの距離に相当する分だけ、搬送ローラ対の駆動ローラ8などを逆駆動して、「次回の先頭仮想ページ領域」の先端を「先端スタンバイ位置」まで戻す。この動作が「戻し搬送」である。
【0055】
なお、第1画像形成装置200Aにおける「戻し搬送」について説明したが、仮停止後のプリント動作では、第2画像形成装置200Bにおいても、「戻し搬送」が行われる。前回のプリント動作で第2画像を最後に転写した仮想ページ領域よりも1つ後の仮想ページ領域について、その先端を「先端スタンバイ位置」まで戻す必要があるからである。また、印刷に先立って実施するウェブ装填時の「仮停止」にて説明したが、その後、印刷中にトナー等が無くなった場合などにもウェブの搬送を停止し、その場合にも同様にページ位置ずれが発生する。このような印刷中断の場合のページ位置ずれについても、本実施例の制御にて、解決することが可能である。
【0056】
次に、従来の画像形成システムの第2画像形成装置200Bによって行われていたページ位置合わせについて説明する。
第2画像形成装置200Bにおいて、感光体101上のページ先端位置は、連絡通信機80からのウェブ送り制御信号(以下、CPF信号」という)の立ち下がりタイミングに基づいて把握される。感光体101は予め設定されたプロセス速度で定速回転するように制御されているため、感光体101上におけるページ先端は、CPF信号の一周期毎、すなわちCPF時間毎に転写ギャップの中心(転写ポイントTP)に到達することになる。CPF時間は、
「CPF時間=ページ長/プロセス線速vp」という数式によって求めることができる。
【0057】
図7において、周期的に発信されるCPF信号の立ち下がりタイミングと、第1マークセンサ16がレジストマークRmを検知するタイミングとの時間差が、所定値になった場合に、感光体101上のページ先端と、ウェブW上のレジストマークRm(=仮想ページ領域先端)とが転写ポイントTPで同期する。前記時間差が所定値よりも大きかったり、小さかったりした場合には、両者の差に基づいて、搬送ローラ対によるウェブ搬送速度を増減させることで、レジストマークRmを転写ポイントTPで感光体101上のページ先端に同期させることが可能になる。以下、感光体101上に仮想設定されるページ先端PPと、ウェブWの仮想ページ領域の先端に記録されたレジストマークRmとを転写ポイントTPで同期させることが可能な場合における第1マーク検知センサ16によるレジストマーク検知タイミングを「同期可能タイミング」と言う。
【0058】
同図において、第1レジストマークRm1は、プリント動作の仮停止が行われたときに、第2画像形成装置200B内に進入しているウェブWにおける複数の仮想ページ領域のうち、次に説明する仮想ページ領域に記録されているレジストマークである。即ち、最後に第2画像が形成された仮想ページ領域よりも1つ後の仮想ページ領域、換言すると、第2画像が転写されていない複数の仮想ページ領域のうち、先頭の仮想ページ領域である。以下、この仮想ページ領域を、仮停止後のプリント動作における第1仮想ページ領域(1ページ目に対応する仮想ページ領域)として説明する。
【0059】
同図では、第1レジストマークRm1を転写ポイントTPの直前に位置させている状態のウェブWを示しているが、仮停止後のプリント動作で上述した「戻し搬送」が行われると、第1レジストマークRm1は、第1マーク検知センサ16よりも下流側に戻される。この状態でジョブが開始されて、ウェブWの第1仮想ページ領域が転写ポイントTPに向けて送られるが、この際、ウェブの搬送速度は一定ではなく、徐々に上昇していくことから、第1レジストマークRm1を第1マークセンサ16によって検知したタイミングに基づく同期処理を行うことができない。このため、ウェブWにおける第1仮想ページ領域については、同期処理が省略される。また、第2レジストマークRm2も、プロセス線速の安定化の前に第1マークセンサ16によるマーク検知ポイントDPを通過することから、ウェブWにおける第2仮想ページ領域についても、同期処理が省略される。
【0060】
転写ポイントTPにおいて、ウェブWの第2仮想ページ領域に対する第1画像の転写が終了するタイミングになると、第2画像形成装置200Bの制御部は、CPF信号の立ち下がりを検知する。そして、同期処理手段としての制御部は、その検知タイミングに基づいて、次のような同期処理を行う。即ち、ウェブWに記録された第3レジストマークRm3の先端が、転写ポイントTPで感光体101上の第3ページ先端に同期する場合には、CPF信号の立ち下がりから「同期可能タイミング」までの時間T1(上記所定値)が、次のようになる。
即ち、「時間T1=(距離L2−距離L1)/プロセス線速」という関係になる。なお、距離L1は、感光体101表面の光書込ポイントEPから転写ポイントTPまでの移動距離である。また、距離L2は、第1マーク検知センサ16によるマーク検知ポイントDPから転写ポイントTPに至るまでのウェブ移動距離である。
【0061】
ここで、距離L1<距離L2という関係になっている場合は、次のような関係が成立する。
「時間T1=(距離L1−距離L2+(距離L2÷ページ長の商×ページ長))/プロセス線速vp」という関係である。
【0062】
制御部は、この時間T1に基づいて特定した「同期可能タイミング」と、第1マーク検知センサ16によって第3レジストマークRm3が検知されたタイミングとの差に基づいて、第3レジストマークRmについて、感光体101上の第3ページ先端に対してどの程度ずれているのかを把握する。そして、第3レジストマークRm3の検知タイミングが「同期可能タイミング」よりも遅い場合には、前記差に応じた分だけ、搬送ローラ対の駆動ローラ8の駆動速度を速める。第3レジストマークRmの検知タイミングが「同期可能タイミング」よりも早い場合には、前記差に応じた分だけ、搬送ローラ対の駆動ローラ8の駆動速度を遅くする。このような同期処理により、転写ポイントTPで第3レジストマークRmを感光体101上の第3ページ先端に同期させる。
【0063】
その後は、レジストマークRmを検出する毎に、CPF信号の立ち下がりから、第1マーク検知センサ16によってレジストマークが検知されるまでの時間差tを測定して、データ記憶手段に記憶していく。そして、レジストマークRmを新たに検知する毎に、その検知に基づいて算出した時間差tと、前回の時間差tnー1とに基づいて、時間差変化値Δtを次のようにして求める。
即ち、「時間差変化値Δt=今回時間差t−前回時間差tn−1」という数式に基づいて、時間差変化値△tを求める。
【0064】
次いで、制御部は、CPF時間に対する時間差変化値Δtの割合だけ、ウェブ搬送速度(搬送ローラ8の駆動速度)を増減する。ウェブWの平均搬送速度を平均速度v、目標の搬送速度からの平均速度vのずれ量をずれ速度Δvとしてそれぞれ表すと、ずれ速度△vは、次の数式によって求めることができる。
即ち、「ずれ速度Δv=(時間差変化値Δt/CPF時間)×平均速度v」という数式である。以下、この数式を「従来数式」という。
【0065】
このようにして求めたずれ速度Δvを、現時点における平均速度vに加えるのに相当する分だけ、駆動ローラ8の駆動速度を増減する。これにより、ウェブWにおける第4レジストマークRm以降についても、レジストマークRmを、転写ポイントで感光体101上のページ先端に同期させる。
【0066】
次に、実施形態に係る画像形成システムの特徴的な構成について説明する。
従来の画像形成システムのような同期処理では、「戻し搬送」時に第1画像形成装置200B内でウェブWがスリップを起こすことに起因して、ウェブWの仮想ページ領域の長さ(ページ長)に誤差が生じた場合には、適切な同期を行うことができなかった。従来の同期処理では、ページ長が一定であることを前提にして、ページ長を反映するパラメータとしてCPF時間を用いていたので、実際のページ長にずれが生じていると、演算した「同期可能タイミング」と、実際の「同期可能タイミング」とにずれが生じてしまうからである。
【0067】
そこで、実施形態に係る画像形成システムの第2画像形成装置200Bの制御部は、第2マーク検知センサ17によってレジストマークRmを検知する時間間隔に基づいて、実際のページ長を計測する処理を実施する。具体的には、図8に示されるように、制御部は、第2マーク検知センサ17によって第4レジストマークRm4が検知されてから、第5レジストマークRm5が検知されるまでの時間S4を計時する。第4レジストRm4が記録されている第4仮想ページ領域のページ長PL4については、時間S4内におけるウェブWの平均速度をvp4−2で表すと、次の数式によって求めることができる。
即ち、「ページ長PL4=時間S4×平均速度vp4−2」という数式である。
【0068】
ページ長PL4や時間S4を用いると、ずれ速度△vについては、上述した「従来数式」に代えて、次のような数式によって求めることができる。
即ち、「ずれ速度△v={時間差変化値Δt/(ページ長PL4/プロセス線速vp)}×平均速度vp3−1」という数式である。
この数式は、次のように変形することができる。
即ち、「ずれ速度△v={時間差変化値Δt/(時間S4×平均速度vp4−2/プロセス線速vp)}×平均速度vp3−1」という数式である。
更に、この数式は、次のように変形することができる。
即ち、「ずれ速度△v=(時間差変化値Δt/時間S4)×(平均速度vp3−1/平均速度vp4−2)×プロセス線速vp」という数式である。以下、この数式を、「実施例数式」という。
【0069】
「従来数式」がCPF時間に基づく理論ページ長に基づいてずれ速度△vを算出するものであるのに対し、「実施例数式」は、時間S4に基づく実測ページ長に基づいてずれ速度△vを求めていることがわかる。制御部は、この「実施例数式」に基づいて求めたずれ速度△vを用いて、現時点における平均速度vに加えるのに相当する分だけ、駆動ローラ8の駆動速度を増減する。これにより、ウェブWにおける第4レジストマークRm以降についても、レジストマークRmを、転写ポイントで感光体101上のページ先端に同期させる。
【0070】
かかる構成においては、第1画像形成装置200A内における「戻し搬送」のときのウェブWのスリップに起因して仮想ページ領域の長さを変化させてしまっても、第2画像形成装置200B内において、その仮想ページ領域の先端を感光体101上のページ先端に適切に同期させることができる。よって、スリップに起因するページの位置ずれを抑えることができる。
【0071】
第2画像形成装置200内において、ウェブWの搬送速度の調整によってウェブWの仮想ページ領域の先端を感光体101上のページ先端に同期させる点について詳述してきたが、制御部は、感光体101の線速も制御している。感光体101の線速については、ウェブWの搬送速度に一致させるように制御している。これにより、第2画像形成装置200Bの転写ポイントTPにおいて、感光体101とウェブWとにおける線速差の発生を回避することで、線速差に起因する画像の乱れや、線速差に起因する摺擦による感光体摩耗の発生を回避することができる。
【0072】
これまで、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置について説明してきたが、インクジェット方式や直接記録方式によって画像を形成する画像形成装置にも本発明の適用が可能である。インクジェット方式では、インクジェットヘッドをウェブ搬送方向に移動させることがないので、ウェブWの搬送速度の調整だけによる同期処理を行えばよい。
【0073】
また、第1画像形成装置200Aと第2画像形成装置200Bとを用いて、互いにウェブWの逆の面に画像を形成する画像形成システムについて説明してきたが、2台の画像形成装置を用いてそれぞれウェブWの同じ面に画像を形成してもよい。
【0074】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、長尺シート状のウェブをその長手方向に沿って搬送する搬送手段(例えば搬送ローラ対)と、前記搬送手段によって搬送されるウェブの搬送方向における領域を複数の仮想ページ領域に仮想的に分割しながら、それぞれの仮想ページ領域に第1画像を記録する第1画像記録手段(例えば第1画像形成装置の作像部10)と、前記第1画像記録手段によって仮想的に分割された複数の前記仮想ページ領域のそれぞれ前記搬送方向における所定位置に所定の基準マーク(例えばレジストマークRm)を記録する基準マーク記録手段(例えば第1画像形成装置の作像部10)と、前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後の複数の前記仮想ページ領域に対してそれぞれ第2画像を記録する第2画像記録手段(例えば第2画像形成装置の作像部10)と、前記全域のうち、前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後、前記第2画像記録手段に進入する前の領域に対向する位置で前記基準マークを検知するマーク検知手段と、前記マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングと、所定の適正タイミングとのずれ量に基づいて、前記基準マークが検知された仮想ページ領域よりも後にある仮想ページ領域である後方仮想ページ領域について、その前記基準マークを前記適正タイミングで検知するために必要なウェブの搬送速度の増減量を算出し、算出結果に基づいて前記搬送速度を調整することで、前記後方仮想ページ領域の先端と、前記第2画像記録手段によって新たに仮想される仮想ページ領域の先端との同期を図る同期処理を実施する同期処理手段とを備える画像形成装置において、前記マーク検知手段たる第1マーク検知手段(例えば第1マーク検知センサ16)よりもウェブ搬送方向の上流側の位置で前記基準マークを検知する第2マーク検知手段(例えば第2マーク検知センサ17)を設けるとともに、前記同期処理にて、前記ずれ量に加えて、前記第2マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングにも基づいて、前記増減量を算出する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とするものである。
【0075】
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記第1画像記録手段や前記第2画像記録手段としてそれぞれ、像担持体の無端移動する表面に形成した画像を前記像担持体からウェブの表面に転写するもの、を用いるとともに、前記第2画像記録手段の前記像担持体の線速を、前記搬送速度に応じて調整する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、潜像担持体(例えば感光体101)とウェブとにおける線速差の発生を回避することで、線速差に起因する画像の乱れや、線速差に起因する摺擦による感光体摩耗の発生を回避することができる。
【0076】
[態様C]
態様Cは、態様A又は態様Bにおいて、前記第2画像記録手段の前記像担持体の表面が前記第2画像記録手段によって仮想される仮想ページ領域と同じ長さ分だけ移動するのに要する時間を1周期として、所定のパルス信号(例えばCPF信号)を周期的に発生させるパルス信号発生手段(例えば連絡通信機80)を設けるとともに、前記パルス信号の発生タイミング、あるいは前記発生タイミングから所定時間経過後のタイミングを、前記適正タイミングとして前記増減量を算出する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、パルス信号の発生タイミングに基づいて、像担持体の表面上におけるページ先端位置を容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0077】
8:駆動ローラ(搬送手段の一部)
9:従動ローラ(搬送手段の一部)
10:作像部(第1画像記録手段又は第2画像記録手段、基準マーク記録手段、長さマーク記録手段)
16:第1マーク検知センサ(第1マーク検知手段)
17:第2マーク検知センサ(第2マーク検知手段)
80:連絡通信機(パルス信号発生手段)
90:反転装置
101:感光体(像担持体)
200A:第1画像形成装置
200B:第2画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特許第3322008号公報
【特許文献2】特許第3680989号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のウェブをその長手方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されるウェブの搬送方向における領域を複数の仮想ページ領域に仮想的に分割しながら、それぞれの仮想ページ領域に第1画像を記録する第1画像記録手段と、
前記第1画像記録手段によって仮想的に分割された複数の前記仮想ページ領域のそれぞれ前記搬送方向における所定位置に所定の基準マークを記録する基準マーク記録手段と、
前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後の複数の前記仮想ページ領域に対してそれぞれ第2画像を記録する第2画像記録手段と、
前記全域のうち、前記第1画像記録手段及び前記基準マーク記録手段を通過した後、前記第2画像記録手段に進入する前の領域に対向する位置で前記基準マークを検知するマーク検知手段と、
前記マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングと、所定の適正タイミングとのずれ量に基づいて、前記基準マークが検知された前記仮想ページ領域よりも後にある仮想ページ領域である後方仮想ページ領域について、その前記基準マークを前記適正タイミングで検知するために必要なウェブの搬送速度の増減量を算出し、算出結果に基づいて前記搬送速度を調整することで、前記後方仮想ページ領域の先端と、前記第2画像記録手段によって新たに仮想される仮想ページ領域の先端との同期を図る同期処理を実施する同期処理手段とを備える画像形成装置において、
前記マーク検知手段たる第1マーク検知手段よりもウェブ搬送方向の上流側の位置で前記基準マークを検知する第2マーク検知手段を設けるとともに、
前記同期処理にて、前記ずれ量に加えて、前記第2マーク検知手段による前記基準マークの検知タイミングにも基づいて、前記増減量を算出する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記第1画像記録手段や前記第2画像記録手段としてそれぞれ、像担持体の無端移動する表面に形成した画像を前記像担持体からウェブの表面に転写するもの、を用いるとともに、
前記第2画像記録手段の前記像担持体の線速を、前記搬送速度に応じて調整する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成装置において、
前記第2画像記録手段の前記像担持体の表面が前記第2画像記録手段によって仮想される仮想ページ領域と同じ長さ分だけ移動するのに要する時間を1周期として、所定のパルス信号を周期的に発生させるパルス信号発生手段を設けるとともに、
前記パルス信号の発生タイミング、あるいは前記発生タイミングから所定時間経過後のタイミングを、前記適正タイミングとして前記増減量を算出する処理を実施するように、前記同期処理手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
長尺のウェブを長手方向に沿って第1画像形成装置に投入し、前記第1画像形成装置でウェブの仮想ページ領域に第1画像を形成した後、第1画像が形成された前記ウェブを前記第1画像形成装置から排出し、排出後の前記ウェブの表裏を反転装置によって反転させてから、前記ウェブを第2画像形成装置に投入し、前記第2画像形成装置で、前記第1画像が形成された前記仮想ページ領域の裏面に第2画像を形成する画像形成システムにおいて、
前記第1画像形成装置として、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置における前記搬送手段の一部、前記第1画像記録手段、前記基準マーク記録手段、及び前記長さマーク記録手段を設けたものを用いるとともに、
前記第2画像形成装置として、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置における前記搬送手段の一部、前記第1マーク検知手段、前記第2マーク検知手段、及び前記同期処理手段を設けたものを用いたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45081(P2013−45081A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185037(P2011−185037)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】